8:39
それでは皆さん、おはようございます。只今より経済産業委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに、古生春友君が委員を辞任され、その補欠として小林一博君が占任されました。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房審議官伊藤岳次君ほか23名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。はい。御異議ないと認め、採用を決定いたします。新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたしま す。本案の出説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
9:50
おはようございます。(おはようございます)自由民主党のオチトシウキです。本日も質問の機会をくださいましてありがとうございます。早速、質疑通告に従って質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。本日より、産業競争力強化法等一部改正法案の審議となりますが、産業競争力強化法は、平成25年の創設以降、その時代時代に沿った改正がなされ、今では規制の特例措置を活用した新たなビジネスの展開、税制優遇等を活用したスタートアップへの投入しや、生産性向上に資する事業再編、支援機関を通じた中小企業の再生など、我が国産業の競争力を強化する上で重要な役割を果たしているものだと認識しております。今回の改正案についても、まさに新たな事業を創出し、産業への投資を促進することで、今後我が国 が世界で勝ち抜いていく、そのために重要な措置が数多く盛り込まれていると考えております。この重要な法案、是非、充実した審議をさせていただければと思います。本日の私の持ち時間では、特に本法律案の背景にある経済情勢の認識、国内投資を促進する戦略分野国内生産促進税制、また、我が国経済の屋台骨である中小企業に対して講ずる本法律案の諸施策による影響と、その効果の波及に向けた対策などの観点から、質疑をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。まず、本法律案の背景にある現在の経済情勢について伺っていきたいと思います。先日の斉藤大臣の提案理由説明において、日本経済には過去最高水準の国内投資の見通し、30年ぶりの高水準の賃上げの実現など、しお目の変化が生じているといった言葉がございました。実際に国内投資額については、およそ30年ぶりに100兆円規模を達成し、賃上げについても、春冬第5回集計において5%超、中小組合においても4.66といった高い水準となっております。こういった話は報道でも耳にしております。私自身、まさにこういったしお目の変化を定着させ、地方の雇用を支える中小企業を含め、日本経済を持続的な成長軌道に乗せていくことが重要であると考えておりますが、改めて本法案の概要と狙いを政府にお伺いいたします。
12:47
お答え申し上げます。委員の方からも、数字もお示しをいただきまして、ご指摘をいただきました。足元、我が国経済には、今、委員の方からもご指摘がありましたとおり、しお目の変化が生じているのであろうと認識しております。先ほど委員からもご指摘がありましたけれども、国内投資は2年前から拡大が続いておりまして、30年ぶりの高水準ということになっております。また、春冬の数字につきましてもご指摘ございましたけれども、賃上げ率も昨年に引き続きまして高水準ではないかと思っております。しかし、ここで気を緩めてはいけないと、チャンスを逃して、元の木上にしてはならないということではないかと認識しております。日本経済はまさにこれから少年場ということでございまして、この変化を確実なものとして、投資も賃金も物価も伸びていく、成長型の経済への転換を実現していく必要があるのではないかという認識でございます。そうした認識の下、将来の飯の種を生み出す社会課題解決型の国内投資、これは投資をしていくことに加えまして、投資の拡大につながるイノベーション、そしてまた新陳代謝の促進、これが必要であろうと思っております。こうした認識・考えの下、今回提案させていただいております本法案におきましては、国際競争に対応して内外の市場を獲得することが特に求めています。まず、国際競争に対する競争に対する戦略分野への生産、そして販売量に応じた大規模長期の減税阻止、また、研究開発により得られた知的財産から生じる所得を対象に減税阻止を講じる、いわゆるイノベーション拠点税制。これを牽引しまして良質な行為を生み出す成長志向の中堅企業、これの設備投資やM&A等による成長を後押しする枠組みの構築、そしてまたスタートアップの人材確保を後押しするためストックオプションを柔軟かつ機動的に把握できる仕組みの整備、こういったものを講じていく内容ということでしております。以上のような措置を通じまして、新事業の創出をさらに活性化し、また成長が期待される事業への投資をより一層促進することで、日本経済を持続的な成長軌道に乗せていきたいという狙いで提案をさせていただいております。
15:21
あ りがとうございます。国内投資の後押しという観点で答弁いただきましたけれども、今度は海外に目を向けてみると、現在の世界各国においては世界的な不確実性の拡大、国際秩序の変化、世界規模での社会課題の対応性の必要性の高まり、中間層の停滞や格差拡大といった様々なマクロ環境の変化が生じており、これらを背景に欧米を中心として、大規模かつ長期的な優遇策による自国内への企業の立地、そして投資を誘致する動きが見られております。こうした国際情勢の中、本法律案では、戦略的国内投資の拡大ということで、戦略分野国内生産促進税制やイノベーション拠点税制といった施策を講ずることとしておりますが、世界的に活発化している生産拠点の誘致競争の中で、本法律案による施策だけでなく、予算措置も含め、政策を総動員していく必要があると思いますが、政府の見解をお伺いいたします。
16:34
非常に重要なご指摘をいただいたと思っております。まさに国際的な情勢、非常に活発化しております。まさに国際的に見ましても、非常に他国における自国内の戦略分野の投資を促す産業政策が活発化しております。今朝の報道なんかでもアメリ カの状況が出ておりましたけれども、我が国でも世界で競争力を確保できる強い産業を生み出していくために、こうした他国の産業政策との競争に対応できる投資促進策、環境整備のために必要であろうと認識しております。本法案に基づき実行する戦略分野国内生産促進税制やイノベーション拠点税制、これは世界で活発化する投資の獲得競争にしっかりと対抗していく。そして、海外と比べて遜色のない自国環境を整備するための、過去に例のない大規模長期の投資やイノベーションを促進するための新たな措置を本法案でしっかりと措置をしていきたいというふうに考えております。こうした本法案に基づく税制や金融面の措置に加え、予算も含めました全ての政策ツールを総動員して、GXをはじめ、我が国の有望な産業分野におき、積極的な産業政策を展開継続して、その強みを生かすことで、国際競争にしっかりと勝ち抜いていく必要があると認識しております。
18:09
ありがとうございます。ぜひ今回の法律案に関わる措置に限らず、今後とも我が国の産業、企業全体に悲鳴のある力強い産業政策を展開していただいて、世界で勝ち抜ける産業構造に向かっ ていただきたいと思います。続いて、戦略分野国内生産促進税制についてお伺いいたします。本税制は、自動車や鉄鋼といった戦略分野での新規の国内投資を行い、これらの製品を生産・販売する事業者に適用されるもので、そのための認定制度が今回の産業競争力強化法の改正案に含まれています。この税制は、10年の適用期間や生産・販売量に応じた税額控除という過去に例のない制度となっております。他方で、先日水素社会推進法も成立したところではありますが、水素といった国際的にも今後活用が見込まれる分野で、本税制の対象となっていないというものもあります。先ほども、世界的な政策競争の活発化に言及させていただきましたが、本税制がどのように投資を促進し、また産業競争力を強化する効果をはっきりするのか、また本税制の対象となる製品がどのような基準で選定したのかお伺いいたします。
19:38
お答え申し上げます。まず、欧米をはじめ、戦略分野への投資を自国内で実現するための政策競争が国際的に活発する 中で、委員御指摘のとおり、我が国経済のしおめの変化を持続的な成長軌道につなげていくためには、国内の投資を促進する大胆な政策が必要だと考えております。本税制は、そのための投資促進策の一つであり、戦略分野のうち、特に生産段階のコストが高いことなどから、従来の初期投資支援では投資判断が容易でない分野を対象に、生産段階における税額向上措置を講じることにより、事業全体の予見可能性を向上させ、投資判断を強力に引き出していく考えでございます。さらに、こうした措置を生産販売量に応じて講ずることで、本税制が対象とするグリーンスチールと、世界的にも市場創出が不十分でありながら、今後、産業の基盤となることが見込まれる分野について、生産性の向上や需要拡大に向けた企業努力を引き出すことによって、産業競争力の強化につなげていきたいというふうに考えております。なお、投資促進策は様々な需要が考えられ、分野ごとの特徴や既存の支援策や制度も踏まえて、効果的に講じていくことが重要だというふうに考えておりまして、委員御指摘の水素につきましては、大規模なサプライチェーンの構築に向けて、既存原燃料との価格差に着目した支援であるとか、あるいは産業収穫につながる供給インフラへの支援を措置することとしております。
21:27
ありがとうございます。こうした税制の効果が税額控除を直接受ける一部の企業にとどまらず、地域の中堅、そして中小企業にまで波及していくことで、さらなる日本全体の産業競争力強化につながっていくことが重要だと考えています。この戦略分野、国内生産促進税制の効果を、どのように地方の中堅、中小企業を含め、国内に広く波及させていくのか、その方法を政府の御見解をお伺いいたします。
22:00
お答え申し上げます。本税制の対象分野であります、電気自動車、クリーンスティール、半導体などはいずれも広範なサプライチェーンを構成する産業によって作られる製品であります。本税制を通じて、こうした分野における国内創出を実現し、生産・販売を拡大することで、地域の中堅、中小企業を含め、部素材等の発注や供給の確保を拡大、さらには雇用所得への好影響など、幅広く経済波及効果が生じるというふうに考えております。さらに、本税制と併せて、例えば電気自動車の構成部品であります蓄電池や半導体の製造装置、部素材については、昨年度の補正予算や今年度の当初予算などにおいて、初期投資支援に必要な予算措置を盛り込んでいるところでございます。こうした措置は、本税制の効果を中小を含めたサプライチェーン全体により広く波及させるものだというふうに考えております。加えて、中小企業向けの賃上げ促進税制や、徹底した価格転嫁対策、革新的な製品サービスの開発、IT導入や人手不足に対応した省力化の投資の支援なども取り組むことによりまして、本税制の効果を波及させるとともに、サプライチェーン上の企業の競争力強化につなげていきたいというふうに考えております。
23:37
ありがとうございます。今、サプライチェーン全体や広く効果を普及する観点から、初期投資支援に必要な予算措置、賃上げ促進税制、価格転嫁対策、IT導入補助金、そして省力化投資支援など、幅広い取り組みの御答弁をいただきました。この税制によって国内投資を推進し、サプライチェーン全体で経済効果を最大化するためには、その サプライチェーンの大部分を占めている中小企業、小規模事業者に対してもしっかりと利益が分配されて、意欲やる気を持って活動していただくことが必要不可欠です。先ほど御答弁いただいた中でも、価格転嫁対策が私は鍵を握っていると思います。中小企業庁構成取引委員会が連携し、中小企業が適切な価格転嫁を行えるような施策を進めていくことが重要だと思われますが、政府の御見解をお伺いいたします。
24:44
お答えいたします。中小企業、小規模事業者は我が国の雇用の7割を占めておりまして、その賃上げを実現するためにも、原子加工に必要な価格転嫁対策の推進は極めて重要でございます。中小企業庁では、価格交渉促進月間に基づく企業名の公表や発注者の経営トップに対する指導助言等を通じまして、取引先が多く、波及効果の高い大企業から取引方針の改善を促してきているところでございます。加えて、中小企業の賃上げ交渉が本格化している3月下旬以降、発注側である大企業の業界団体、具体的にはエレクトロニクス、自動車、産業機械、流通、情 報サービスの業界団体でございますけれども、これらのトップに対しまして、発注者として直接の取引先一社一社と丁寧に価格交渉・価格転嫁に応じていただくこと、直接の取引先だけでなく、サプライチェーンの先にいる企業の取引まで考慮して取引価格を決定することなどを、齋藤大臣や岩田副大臣、吉田政務官から直接要請しております。長く染み付いたコストカットの意識や商観向の払拭を求めているところでございます。また、一般に転嫁が難しいと言われております労務費につきましては、昨年、内閣官房厚生取引委員会が労務費の転嫁の指針を公表しております。中小企業庁としては、関係省庁と連携して、各地域業界団体向けの説明会を繰り返し実施いたしますとともに、下請中小企業振興法に基づきまして、親事業者と下請事業者の望ましい取引関係を定める振興基準に、労務費の価格転嫁の指針に沿った取引対価の決定や、現在料費やエネルギーコストについて適切なコスト増加分の全額の転嫁を目指すことなどを、新たに定めたところでございます。下請代金法の執行については、中小企業庁は、厚生取引委員会と共感しております。価格転嫁取引適正化に向け、厚生取引委員会と密に連携してまいる所存でございます。引き続き、商工会議所にも協力を仰ぎながら、サプライチ ェーンの先まで価格転嫁を行える環境整備に取り組んでまいりたいと考えます。
27:19
下請法というものがありますけれども、私、やや違和感を、下請というやや違和感を覚えておりまして、下に請けると書いて下請。私、前職といいますか、建設業、中小企業ですけどやっておりましたが、下請ということはできるだけ使わずに、協力会社ということを使っておりました。一緒に働くという意味ですが、この意味は、これは企業間の関係性が対等公正なものであるという文化とか、商観工、日本の経済をしっかりと浸透させていきたいという思いです。こういった観点からも繰り返しにはなりますが、我が国経済を下支えする中小企業にも利益がしっかりと分配されるような環境整備が重要であり、このような環境整備が、戦略分野国内生産即死税制の経済効果の最大化にも資するものだと考えております。そのため、引き続き中小企業省と法制取引委員会においても、よく連携していただいて、政府一丸となって、価格転換に向けた施策に取り組んでいただきたいと考えております。続いて、中堅企業政策に関連して、いくつかお伺いさせていただきます。本法律案では、常用従業員数が2000人以下のものであって、中小企業ではない者を新たに中堅企業者と定義し、その中でも特に成長意欲が高い者を特定中堅企業者と定義して、様々な支援措置を講ずることとしています。これまでの政策体系では、中小企業と大企業に二分されたため、中小企業を卒業した瞬間に、大企業と同じ環境でいきなり戦わなければいけないことから、中小企業向けの政策支援を受け続けるために、あえて中小企業規模にとどまっている企業も一定数存在すると言われており、一部の企業にとっては、規模をあえて拡大しないインセンティブが働いているという可能性もあります。こうした状況の中、新たに中堅企業支援を強化する狙いについて、政府にお伺いいたします。
29:37
中堅企業について御指摘いただきました。中堅企業は、いろいろなデータを見ますと、10年前と比較いたしましても、大企業を上回るような事業員数、そして給与総額の伸び率が確認できております。そうしたことから、国内売上、そして国内投資、ここを着実に拡大して、そして地方における良質な雇用を提供していく。そして、さらには経営資源を収益化することによりまして、前向きな新人対象の担い手としての役割も果たしている重要な企業群であろうと認識をしております。こうした特性から中堅企業の成長は、日本経済を成長型へ移行させていくために、極めて重要な企業群であろうと認識をしております。他方、日本における中堅企業から大企業への成長していく割合は、国際的に他国と比べても低い状況にあることもデータ上確認をしております。人手不足等の課題に対応しながら、そして国内外の大企業と共生していくための成長投資、そしてM&Aなど、十分にまだ行えていないのではないかという課題も存在しているのではないかと考えております。こういった状況認識の下、本法案によりまして、中堅企業のうち、特に賃金水準、そして投資意欲が高い中堅企業を対象といたしまして、複数の中小企業をM&Aした場合の税制措置等を通じまして、中堅企業の更なる成長や中堅企業、そして中小企業によるグループ一体、先ほど委員からの協力会社という御指摘もございました。そういった全体での収益力の向上等を促進していきたいと考えております。こうした中堅企業支援の枠組み構築を通じまして、成長意欲のある我が国企業が中小企業から中堅企業、そしてその先へと、段階的シームレスに成長を目指せるような環境の整備につなげていきたいと考えております。
32:04
まさに中堅企業の重要性に鑑みて、本法案でも様々な支援措置が講じられているのだと思います。そういった本法案で措置される中堅企業支援の一つとして、知的財産に関する専門機関である、INPITによる助言及び助成がございます。技術やブランドの保護に資する知的財産はイノベーションの源泉であり、企業の経営力強化、引いては我が国産業競争力強化の観点からも極めて重要であります。中堅企業に対してINPITが行う助言助成業務とは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。支援に当たってINPITのこれまでの知見や強みを生かしつつ、どのように実施していくのか、具体的な取組方針をお伺いいたします。
32:55
お答え申し上げます。成長意欲の高い中堅企業は、事業拡大にあたって積極的にM&Aなどを行うことが想定されますが、その際、自社及び他社が有する知財の価値、リスクについて調査・分析、いわゆる知財ディーデリジェンスを行った上で、それらを踏 まえた経営戦略を策定していくことが求められております。他方、こうした専門的な調査や知財戦略の比較立案を中堅企業が自ら実施することは困難な場合も想定されることから、法案におきまして、INPITが外部の専門家と協力しながら助言・助成を行うことができる旨、規定をしたところでございます。また、INPITはこれまでも我が国唯一の知的財産の総合支援機関として、地域の商工会、商工会議所など関係機関と連携しながら、中小企業・中堅企業の知財支援に努めてまいりました。具体的には、全国47都道府県に設置されました知財総合支援窓口におきまして、中堅・中小企業等に対する年間約12万件の相談・支援業務を通じた経験・ノウハウを築きつけしているほか、令和4年度には商工会、商工会議所と協力いたしまして、2000件を超える支援を行うなど、関係機関と連携した支援を行ってきております。また、知財や経営企画などの実務経験を有する企業大見いなどの人材を知財戦略エキスパートとして16名採用しているほか、外部専門家との連携をさらに強化するなど、体制強化にも努めてきております。引き続き、関係機関としっかり連携しながら、地域の中堅企業・中小企業の知財戦略策定を後押ししてまいります。商工会議所とも連携していただいているということでしたが、引き続き、関係機関と連携して地域の中小企業・中堅企業の支援を進めていただきたいと思います。インピットによる助言助成のほかにも、特定中堅企業者及び中小企業者が複数回中小企業をM&Aした場合の税額措置、いわゆる中堅中小グループ化税制を講ずることとしております。本税制により、成長意欲のある中堅中小企業が複数の中小企業をM&Aして経営支援を集約化することで、グループ一体となって成長していくことが期待され、また売り手となる中小企業にとっても後継者がいない場合などにそのまま配慮をするのではなく、別の中堅中小企業に買収してもらうことで事業継続が可能になるといった効果が期待されておるものと考えます。他方、M&Aによって買収される中小企業の雇用が悪化してしまうようなことがあってはいけません。買収される中小企業の雇用や賃上げについても十分に配慮が必要だと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
36:07
人口減少等により人手不足が深刻化する中で、経営力の高い成長企業に経営資源を集約化することは、M&Aをする中堅企業等の成長のみならず、M&Aによるグループの一員となる中小、そして小規模事業者の収益力向上や賃上げ等にも資するものであろうと考えております。御指摘のとおり、こうした取組を推進する上では、売り手側の中小、そして小規模事業者の雇用に配慮しながら、賃金等の労働条件の向上につなげていきまして、そして、買い手 だけでなく、売り手も含めたグループ一体で成長していくことが重要でありまして、買収される側になる、例えば中小、小規模事業者の雇用、そして賃金、ここにも配慮する要件を求めていくことも検討していきたいと考えております。具体的には、措置の活用に必要な特別事業再編計画、これを作る必要がありまして、それの認定が要件になっておりますが、今後、開放例において定めるにあたりまして、買収される中小企業も含めた対象事業におきまして、例えば、雇用、農安定等に十分な配慮を行うことでありましたり、雇用者、給与等、支給額を引き上げること、こういったことを求めるようなことについても検討してまいりたいというふうに考えております。
37:27
ありがとうございます。繰り返しになりますけど、中小グループ化税制は、複数回M&Aを実施する会邸側となる特定中小企業及び中小企業への税制措置であり、会邸側に対する支援強化という意味では、大いに進めていくべきだと考えております。他方、M&Aを推し進めるためには、会邸側の支援だけでは足りません。売り手となる中小企業側が、事業承継の手段の一つとして、このM&Aを選択して、また安心して信頼できる会邸側に事業を譲渡できるような環境整備や支援を推し進めることも同時に重要ではないかと考えております。そこで、今度は売り手となる中小企業側がM&Aを検討して、また進めやすくなるような政府が認識している課題とそれに対する支援策について、政府の見解をお伺いいたします。
38:31
お答えいたします。近年、M&Aにより会社を譲渡することにつきましては、抵抗感が薄れてきているものの、いまだにM&Aに悪いイメージを持つ経営者の方がおられることも事実であろうと認識しております。このため、委員御指摘のとおり、売り手側が安心して譲渡できるよう、M&A市場における環境整備等を推進していくことが極めて重要でございます。こうした背景も踏まえまして、中小企業庁においては、47都道府県に設置しております事業承継引継支援センターを中心に、よろず支援拠点、中小企業活性化協議会、商工会、商工会議所等とも連携しながら、事業承継やM&Aに不安を持つ中小企業等に対しまして、事業承継前 の経営支援から事業承継時の支援も含めて、ワンストップで支援できる体制を構築しているところでございます。また、事業承継引継補助金による支援も講じてまいりますし、今般グループ化を支援する措置も強化させていただくところでございます。さらに、中小企業庁では、本年4月より中小M&Aガイドラインにおきまして、仲介事業者、フィナンシャルアドバイザー、FAでありますけれども、これらの支援機関に対しまして、仲介契約、FA契約の締結前に、契約内容や手数料等の重要事項につきまして、書面により説明を実施することを求めるとともに、その遵守を登録の要件といたしますM&A支援機関登録制度によって実効性の確保を図っているところでございます。加えて、民間事業者の自主的な努力も重要と認識しております。中介事業者の自主規制団体でございます。一般社団法人M&A中介協会におきましては、過剰な広告や営業の防止を含む自主規制ルールを策定しておりまして、今年4月から施行されております。引き続き、中小企業が安心してM&Aに取り組めるよう、M&A市場の健全な環境整備等を進めてまいる所存でございます。事業承継引継支援センターでは、事業承継時の支援のみならず、事業承継前の経営支援の段階からワンストップで支援できる体制を構築していただいているということでしたが、売り手側が良い形で事業を売却する上では、売却する前の段階から事業の磨き上げが大変重要だと考えております。事業承継引継支援センターの取り組みには大変期待しておりますので、ぜひ引き続き取り組んでいただきますようお願いいたします。さて、中小企業のM&A促進に向けた取り組みは重要でありますが、厳しい経営環境の中でも中小企業自身が成長していける環境整備も重要です。2023年度の倒産件数は9000件を超えるなど近年増加傾向にあり、その多くは中小企業です。その背景には多くの中小企業において人手不足、そしてエネルギーコストの上昇、物価高騰等の課題に直面していることが挙げられます。特に地方は人口減少が進み非常に厳しい環境であり、このままでは地域社会を維持していくことも難しくなることが予想され、影響が甚大になってきます。このような中でも創意工夫し、地域の経営資源を活用して、何とかなりわいを続ける中小企業をしっかり支えると同時に、地元経済を支え、良質な雇用や需要を生み出すような成長企業をつくっていくことも重要だと考えます。守るべきものは守りつつも筋肉質な産業構造に転換していくべきと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
42:52
お答えいたします。中小企業・小規模事業者は、企業数全体の99.7%を占めております。従業者数においては7割、付加価値については過半を占めております。中小企業・小規模事業者は日本経済の屋台骨でありまして、地域経済を支える重要な存在と認識しております。また、委員から今ご指摘がございましたけれども、人口減少等の構造的な課題が顕在化する中におきまして、中小企業・小規模事業者は地域課題解決の担い手としても期待されているものと考えてございます。このため、急激な環境変化に対応するための資金繰り対策、コスト増に対応する価格転嫁対策を講じてまいりますとともに、経営者自らが市場ニーズを捉え、生産性を向上させ、成長することができるよう、施策を展開していくことが重要であると考えます。具体的には、小規模事業者の皆様にとっての新たな販路開拓をご支援申し上げること、人手不足に対応した省力化投資やIT導入等による生産性向上を後押しさせていただくこと、賃上げ促進税制による賃上げ、こちらもしっかりと後押しさせていただくこと、また、事業承継やM&Aの推進による経営の革新などの成長支援 を行っているところでございます。引き続き、商工会や商工会議所等とも連携し、地域の中小企業、小規模事業者に寄り添いながら、産業構造改革を進め、日本経済の足腰を強化してまいる所存でございます。本法律案が地域の雇用と生活を支える中小企業にしっかりと果実となって届くことを心から期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
45:17
自由民主党の小林でございます。質問の機会いただきありがとうございます。早速質問をさせていただきます。 今日は産業競争力強化法等の一部を改正する法律案に関する質疑ということで、まずこれまでの産業競争力強化法の変遷も振り返りながら、改正内容について伺っていきたいと思います。この党法案は、バブル経済崩壊後の長引くでふくれの中、アベノニフィクスの3本の矢の3本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略を実行して、過剰供給、過剰投資、過等競争の3つの歪みを是正することを目的として、平成25年に制定。制定当時は、新たな事業活動の創造につながる規制改革、産業の新陳代謝、地域中小企業の創業、事業再生の支援を促進するための制度などを講じており、企業の自発的な判断による新たな挑戦や積極的な事業活動を後押しすることで、産業競争力の強化を図るものだったというふうに理解しています。その後、2回ほど国内外の競争環境の変化に対応した形で、生産性向上や需要拡大に対する支援措置を強化すべく、必要な改正を行ってきたというふうに承知をしています。そして、今回の法改正では、経済産業の新基づくに基づいて必要な改正を行っているということなんですけれども、これまでの改正では取り組んでこなかったけれども、今回の改正で新たに取り組む内容は何なのか、改めて大臣にお伺いをさせていただきます。
46:50
まず、2021年11月より、経済産業政策の新基づくということで、従来の市場の失敗への介入を超え、民間市場だけでは進みにくい社会課題解決に向けて、政府が一歩踏み込んで、産業政策を強化する姿勢に転換をしてまいりました。そして、GX、DXなど社会課題解決分野を成長の原子栓と捉えて、国内投資を後押しすべく、政府としても民間企業の予見性を高められるように、大規模長期計画的に取り組むこ ととしたわけでございます。これまで、産業競争力強化法は、過剰規制、過剰投資、過等競争を解消すべく、企業の生産性向上や需要開拓に資する市蔵環境整備に力点を置いてきたわけであります。これに加えまして、今般の改正案では、経済産業政策の新規軸に則りまして、社会課題解決に向けた国内の投資やイノベーションの拡大等を後押しするために、戦略分野に関する国内での新たな設備投資を促進する、生産販売量に応じた最大10年間の大規模な減税措置、それから、国内での研究開発により取得した私的財産権から生じる所得を対象にいたしまして、7年を適用期限とする新たな減税措置、あるいは中堅企業を初めて法律で定義した上で、中堅企業等が複数の中小企業をM&Aした場合に、株式首都価格の最大100%、10年間の損失準備金の積立を可能とする措置など、これまでにない大胆な対策を盛り込ませていただいているところでございます。
48:40
はい、大臣、ありがとうございます。今回の改正法案の趣旨として、今までもお話ありましたけれども、我が国経済に生じている潮 目の変化を持続させて、成長型の経済に移行することが求められている。そのためには、国内の投資をさらに拡大することが重要と位置づけられていますが、こうした国内の投資の中でも、企業におけるイノベーションの活性化に向ける投資促進策について、まず伺います。イノベーションは、国の将来の成長に関わるとともに、昨今GXをはじめとして、我が国や各国が抱える課題を解決する上で、欠かせない事柄であると考えています。このため、企業がイノベーションに向けて積極的に取り組む投資を引き出すために、諸外国でも果敢に検討されているイノベーション拠点税制と同様の制度が既に導入されていると聞いています。我が国の企業が海外に投資している中には、海外の市場を持続的に獲得していくために、単に生産だけではなく研究開発に関する投資も含まれており、国内企業にとって海外の事業拠点の位置づけは変わりつつあるように思います。こうした環境下で、民間企業が我が国において研究開発に積極的に投資するような魅力ある環境づくりが求められていると考えますが、今回のイノベーション拠点税制を導入する意義と狙いについて伺いたいと思います。
49:59
お答え申し上げます。近年、アメリカ、ドイツ、フランスなどの主要国における研究開発投資が増加する中で、我が国国内の研究開発投資は、ここ15年間で横ばいで推移しているところでございます。また、M&Aなどを通じて、企業が海外に研究開発拠点を設ける事例が増加しておりまして、研究開発活動のグローバル化が進展する中で、研究開発拠点の立地選択において、減税措置の有無がその意思決定に影響を及ぼす状況となってきていると認識しております。こうした中で、企業が自ら国内で研究開発の成果である知的財産権から得られた所得に対する減税措置、すなわち、今回のイノベーション拠点税制のような制度が、欧州のみならず、アジア諸国においても導入や検討が進んでいる状況でございます。こうした状況を踏まえまして、我が国の研究開発拠点としての立地競争力を強化し、国内における将来の飯の種を生み出す研究開発投資を後押しし、イノベーションの創出を促進させていくために、本税制の導入が必要だと考えております。はい、熊橋君。 はい、ありがとうございます。 今回、導入を予定しているイノベーション拠点税制は、ライセンス所得と常途所得のみが対象であって、対象となる所得に知財を組み込んだ製品やサービスの売却益は入っていません。多くの日本企業は、イノベー ションを生み出すために研究開発を行って、知財を使った製品やサービスのビジネス展開に取り組んでいます。諸外国の中には、こうした売却益を対象に入れている国もあると聞いていますが、我が国の今回の拠点税制では入っていないのはなぜなのか。また、イノベーション拠点の立地競争力を強化するには、最初の一歩は小さくても将来飛躍的に成長させるため、今後対象に含めるべきではないかと思いますけれども、お伺いをさせていただきます。
52:01
お答え申し上げます。研究開発拠点としての立地競争力を強化し、無形資産投資を後押しする観点から、知財を生み出した事業者が、自らその知財を活用して事業化した製品やサービスの売却益を今回制度の対象に含めるべきだという声があるのは、我々も十分承知しております。他方で、知財を組み込んだ製品やサービスの売却益を本制度の対象とする場合、売却益の中からその知財由来の所得を客観的に特定するため、国際ルールに沿った計算を税務当局が認める形式で申告者が行う必要がございます。こうした作業負担への対応や、あるいは立証責任の所在等を含めて、適切な執行が可能かどうかの検討を要するため、今回制度創設時においては、対象知財を組み込んだ製品の売却益を対象外としたところでございます。まずは、本制度の着実な執行に努め、その上で他の税制と同様に、制度の執行状況や効果を検証し、本税制がより良い制度になるよう、委員御指摘の本税制の所得の対象範囲を含めまして、不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。
53:29
不断の検討は今後も進めていただきたいと思います。続いて、スタートアップに関してお伺いをします。22年の11月に策定されたスタートアップ育成5カ年計画では、スタートアップ投資を27年には10倍を超える規模とすることを目的に掲げて、官民一体で現在取り組んでいると承知しています。直近10年間で約10倍に増加しているものの、足元では約8500円程度にとどまっており、5カ年計画の目標を達成するためには、更なる取り組みの強化が必要だというふうに思います。スタートアップの投資額の現状に対する政府の評価や、5カ年計画で掲げた目標の実現 に向けて、本法案により期待する効果についてまずは伺います。
54:12
お答え申し上げます。足元では、金利上昇による資金調達環境の悪化等によりまして、米国におけるベンチャーキャピタルの投資額が前年比で約30%減少するなど、グローバルで資金調達額が落ち込む状況、こういう状況になってございます。そうした中でも、我が国のスタートアップ投資額は相対的には顕著に推移しておりまして、エゴシステムの裾野も広がりつつあるのではないかと認識をしております。先ほど、委員の方からスタートアップ育成5カ年計画をご指摘ございました。ここで掲げました目標の実績に向けては、さらなるストロークの拡大に加えまして、スタートアップが大きく成長できる環境の整備が必要であると考えておりまして、特に大きな可能性を秘めたディープテックスタートアップでありますとか、グロースステージの成長支援、そして優秀な人材確保でありましたり、海外市場の獲得、こういったことについての支援が重要になってきていると認識しております。このため、本法案をご提案している中では、JICの運用期限延長によりますリスクマネーが不足する成長段階のスタートアップへの資金供給の強化でありますとか、NEDの商用の設備投資等の事業開発活動への補助業務の追加、こうしたことによるディープテックスタートアップ支援の強化、そしてストックオプションを柔軟かつ機動的に把握する仕組みの整備によります優秀な人材の確保の促進、そして投資事業有限責任組合、いわゆるLPSでございますが、の投資上限規制を受ける外国法人の範囲の見直し、こうしたことによるスタートアップの海外展開の促進、こうした措置を講じることでスタートアップのさらなる成長を促してまいりたいと考えてございます。小林君。 今ご説明いただいており、JICはディープテックやグロースステージなど民間資金が不足する分野を中心に、民間ファンドへのLP出資や、JIC子会社であるJICベンチャーグロースインベストメント株式会社を通じた出資などの投資活動を実施してまいりました。JICの長期大規模なリスクマネーの供給が民間資金のよみみずとなって、スタートアップエコシステムへの資金供給を下駄採してきたと一定の評価をさせていただいておりますが、JICが本格的に投資活動を開始してから約3年が経過した中で、運用期間の延長に当たっては、旧産業革新機構時代の実績も含め、これまでの投資活動を振り返り、しっかり評価することが重要だと思います。そこで、JIC及びその子会社や旧産業革新機構INCJのスタートアップ支援実績と評価について伺います。
57:07
ベンチャーキャピタル等への出資を行う上ファンドであります産業革新投資機構JICでございますが、投資活動を本格に始めましたのは、今ご指摘ございましたと、2020年の12月から2023年12月までの3年間、こういったところの中で、これまで35のベンチャーキャピタルに対して約5,000億円の出資を約束しているところであります。このうち、2023年9月末まででございますが、投資先ファンドを通じて国内のスタートアップに対して、475件、約1,800億円の出資が行われておりまして、こうした出資が読み水となって、投資先において約合計1.1兆円の民間投資を生み出しております。そしてまた、JICの子会社が運用するファンドの投資先においては、すでにIPOの事例でありますとか、M&Aによる育児等の成果も現れてきているところでございます。また、JICはディープテイク分野やグロースステージ支援など、民間資金が不足する分野を中心に投資活動を行うとともに、国内外の基幹投資家からの資金を受託するための組織体制の整備改善など、投資先ファンドの成長支援にも積極的に取り組ん でいるところでございます。さらにもう一つ委員からご指摘ございました、旧産業革新機構でございますが、これまで116件、約2500億円のスタートアップへの投資を行っておりまして、投資活動を開始した2009年からの10年間における日本全体のスタートアップの資金調達額約2.5兆円の1割程度に当たる規模の投資を行うということで、下支えをしてきているものと認識しております。このうち、エグジット済みのスタートアップにつきましては、約1500億円の投資額に対しまして、約1800億円の投資回収は実現しております。こうした成果、実績を見まして、JIC、そして旧産業革新機構は、民間投資の拡大と産業の競争力強化といった政策目的、そして適切な投資リターンの確保の実現、こういった官民ファンドとして期待される役割を果たしてきているのではないかというふうに考えてございます。本法案に含まれる「ネド法」の改正によって、ネドによるスタートアップ支援の幅は、研究開発だけではなくて、事業開発にも広がることになると承知しています。革新的な技術を使って社会に貢献しようとするスタートアップは、我が国の経済をより良くするイノベーションへの意識を刺激するプレーヤーであり、本法案で追加される業務を通じてそのポテンシャルを開発させ、大きく成長する事例づくりにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。その上で、ネドに期待する役割やベンチャーキャピタルや金融機関など、他の事業者とどのように協調して支援を実施していくのか、またスタートアップ支援における課題について見解を伺います。お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、今回の改正法案が成立した場合には、ネドはディープテックスタートアップに関しまして、技術人材発掘や企業開発生といった企業段階から研究開発段階のみならず、新たに製品等を生産する設備等支援の支援ができるようになります。こうした一貫した支援をネドが実施することによりまして、単に技術を確立するだけに終わらせることなく、スタートアップによる革新的な技術開発の成果を着実に事業界につなげることが大いに期待されているところでございます。その上で、スタートアップの成長に合わせて、出資や融資等の必要な支援内容が変化する中で、ネドが一貫したハンズオン支援をすることを通じまして、ベンチャーキャピタルや金融機関と適切な情報交換が可能となり、こうした機関との効率的な連携を通じた支援も可能になるというふうに考えております。また、ネドはJICやDBJ、日本政策投資銀行など、スタートアップ支援に取り組む政府の16機関が連携したプラットフォームの運営事務局になっておりまして、スタートアップの有する革新的な技術の事業化に関する課題等をこうした機関と共有 しつつ、本改正でネドに追加される支援機能を有効に活用しながら、他の政府間とも密接に連携を図り、効果的なスタートアップ支援を行ってまいりたいというふうに考えております。最近のスタートアップの中には、ブロックチェーンを使った新たな産業分野に進出している企業も多いというふうに承知をしています。今回の改正によって、スタートアップへの資金供給に重要な役割を果たしている投資事業有限責任組合、いわゆるLPSが暗号資産を取得できるようになるとのことですが、具体的にどのような場面でLPSが暗号資産を取得することを想定しているのか、また、そのような場面における暗号資産の取得を認めることが、どのようにスタートアップへの信念につながるのか、教えていただきたいと思います。今、委員からブロックチェーンを利用した事業を行うスタートアップについての御指摘がございました。いわゆるWeb3スタートアップということで言われておりますが、Web3スタートアップの資金調達が金額ベースで増加をしてきております。そして、そうしたWeb3スタートアップの間では、暗号資産を利用した新たな形態の資金調達を行っている現状がございます。もともと、現行法には、投資事業有限責任事業組合、LPSの成し得る事業といたしましては、暗号資産の取得及び保有が規定 されておりません。LPSによるそうした資金調達への参加を困難にしてしまっているのではないかという課題があるということでございます。そこで、今回の法改正によりまして、LPSについて、事業者のために発行される暗号資産の取得及び保有を認めることとしまして、Web3スタートアップが資金調達を行う出資の対価等として暗号資産を割り当てるという場面におきまして、LPSもLPS以外の携帯を取る他の投資家と同様にこれを取得できるようにしたいというふうに考えてございます。これによりまして、LPSは暗号資産を利用した資金調達への参加が可能となりまして、その結果としてWeb3スタートアップの資金調達の選択肢が広がっていくということになります。そうしたことから、今回の法改正の中身につきまして、スタートアップへの有効な支援となるのではないかとお期待しております。
1:04:06
はい、ちょっと1問飛ばさせていただいて、またLPSについてもう1問だけご質問させていただきますが、日本は世界に先駆けて暗号資産に関する利用者保護を含む規制を導入していますけれども、諸外国の中には暗号資産についての規制を十分に整備していない国も依然として存在するものと承知をしています。そうした中で、本法律案により、LPSの投資対象に暗号資産を加えることで、弊害が生じるといったことは想定されないのかお伺いをさせていただきます。
1:04:39
お答え申し上げます。委員ご指摘のとおり、諸外国における暗号資産についての規制の状況には、さまざま差がございます。ただ、我が国は資金決済法の下で、他国と比較しても極めて高い水準で利用者保護が図られていると考えてございます。今回の改正で、LPSの投資対象とする暗号資産は、資金決済法において定義されているものでございます。暗号資産交換業者に対する顧客資産の分別管理義務、過剰な広告や勧誘の禁止など、資金決済法の下での規制が及んでおります。利用者保護が図られているのではないかと考えてございます。加えて、LPSを蘇生して顧客の資産を運用しているのは、投資業務に精通したものでありますので、ご指摘のような弊害が生じる可能性は一般的に低いと考えてございます。ただ、極めて重要なご指摘だと考えておりますので、経済産業省といたしましたら、引き続き、変化の非常に早いWEB3ビジネスのグローバルな動向も注意しながら、金融庁をはじめとした関係省庁との緊密な連携のもとで、暗号資産業界の健全な発展を促していくこととしたいと考えております。
1:05:57
はい、熊井知事君、しっかり対応をお願いいたします。ストックオプションについて伺いますが、スタートアップにおける人材確保の観点から、極めて重要だというふうに思いますし、経団連や一般社団法人スタートアップ協会など業界関係者からも提言要望を行われております。我が党においても、環境整備に向けて様々な提言を行ってきました。政府の取組も積極的です。ストップオプションの活用を促進するため、6年度の税制改正においても、ストックオプション税制拡充を行ったものと承知しています。こうした流れの中で、今回の改正本案において、スタートアップがストックオプションを柔軟かつ機動的に発行できる仕組みを 整備するとされていますけれども、改めて本制度の狙いとどのような効果を期待しているのか伺います。
1:06:43
様々なご提言をいただいていることを非常に認識しております。ありがとうございます。ストックオプションは、特に手元資金に乏しいスタートアップにおきまして、人材獲得の手段として非常に有効であろうと考えております。しかし、現行会社法上スタートアップを含む非公開会社におきましては、ストックオプションの発行には株式総会決議が必要となっておりまして、取締役会に委任できる範囲、期間も限られております。そうしたことから、人材獲得の際、ストックオプションも活用しながら、機動的に採用条件を提示することが難しいというような実態があるのかと認識しております。このため、今般の法改正によりまして、スタートアップがストックオプションを活用いたしまして優秀な人材を確保できるように、特例措置によりまして、取締役会決議による柔軟かつ機動的な発行を可能とすることにしたいと思います。こうした措置を通じまして、ストック オプションを活用した優秀な人材の確保をしやすくすることで、スタートアップの成長に寄与するのではないかと期待しております。
1:07:47
はい、優秀な人材確保のための制度創設ということですけれども、設立の日以降の期間が15年未満の株式会社を対象として、経産大臣や法務大臣が確認を行った場合に会社法の特例を利用できることとしている理由をまずお聞かせいただきたいのと、スタートアップの成長の後押しする本選とが最大限活用されるためには、確認申請がスタートアップの大きな負担となったり、ストックオプション発行の機動性の結実上につながったりすることがないように、確認手続きを設計することが必要だと考えますが、お伺いをさせていただきます。
1:08:24
お答え申し上げます。2点ご指摘いただいたと思います。まず、設立の期間の、以降の期間ということでございますが、今回のストックオプションに係る特例措置は、スタートアップの設立から株式公開までの期間が一般的に10年を超えることを踏まえまして、設立の日以降の期間が15年未満の株式会社を対象としています。これが1点でございます。そして、特例措置の利用に当たっては、スタートアップの有償人材の確保を通じた成長を後押ししつつ、既存株主の利益が確保されるよう、ストックオプションの発行に関して、産業競争力を強化することに資すること、及び既存株主の利益の確保にも配慮していることにつきまして、経済産業大臣と法務大臣の確認を要することとしております。確認方法の詳細は今検討中でございますが、今のご指摘も踏まえまして、スタートアップが既に有する書類の提出を中心とすることで、申請書類の作成のコストが大きくならないようにすることを検討しているところでございます。スタートアップが申請する際にできるだけ負担が生じないよう、法務省とも連携をしながら検討を進めてまいりたいと考えています。
1:09:40
ぜひよろしくお願いします。最後に標準化についてお伺いします。標準化活動は、研究開発成果を社会実装していく上で重要なツールとなっています。世界でも市場創出に向けた競争背景としたグローバルな国際標準化活動が活発化していると聞いています。企業や大学などの研究機関において、標準化や知的財産を一体的に活用した戦略、いわゆるオープン&クローズ戦略が十分に活用されていないと言われている我が国においても、昨年6月の日本産業標準調査会基本政策部会で、日本型標準加速化モデルを提示し、市場の獲得創出のために戦略的に標準化活動を加速化していく必要性を示すなど、グローバルな国際標準化活動に負けないように取り組みが進められていると承知しています。今回の改正法案において、新たに企業と大学などの共同研究開発に関して、標準化と知的財産を活用して市場創出を目指すための特定新需要開拓事業活動計画の認定制度を創設されるとのことですが、この制度の概要と異議をお伺いします。
1:10:49
お答え申し上げます。委員御指摘のとおり 、研究開発成果の市場化に当たりましては、標準化や知的財産を活用した戦略的なルール形成の取り組みが重要であると考えております。しかしながら、日本の企業や大学等は、標準化や知的財産を一体的に活用して市場獲得の最大化を狙ういわゆるオープン&クローズ戦略を十分に構築できていない状況でございます。そこで、本認定制度におきましては、企業、大学等における共同研究開発を対象としまして、研究開発の早期の段階からオープン&クローズ戦略を構築するための計画を認定し、インピッド及びネドによる助言を通じまして当該計画の効果的な実施を支援するものでございます。これによりまして、研究開発成果の市場化に向けた戦略シナリオ策定への早期着手を強く促し、研究成果の社会実装の角度を向上させる効果があると考えております。企業と大学等の共同研究開発に対して、オープン&クローズ戦略を構築する取組を支援するということだと思いますけれども、企業と大学等の共同研究開発についても基礎研究に近いステージもありますし、一方で製品化に近いステージ等いろいろな段階があるんだというふうに思います。本認定制度を創設することで、どのような段階の共同研究開発に対して効果を発揮すると考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
1:12:23
お答え申し上げます。基礎研究段階から実用化段階に至るまで、どの段階であっても、オープン&クローズ戦略をしっかりと検討することは有意義なことであると考えております。他方で、研究開発の成果が得られた段階になって初めて市場化に向けたオープン&クローズ戦略を検討しても、競合他社に先んじられるなど市場創出効果が限定的になる可能性が高いと考えております。このため、研究開発のプロセスの中で、できるだけ早い段階から市場化を念頭に置いたオープン&クローズ戦略の準備・展開を進めることが重要だと認識しております。例えば、研究開発が基礎的な性格を持つ場合に、市場化を意図しないまま研究が進められるケースが多く考えられるところでありますが、本制度は、そのようなケースにおいても市場化に向けたシナリオ検討への早期着手を促すことで、特に有効に機能するものと想定しております。
1:13:29
本認定制度創設において、企業と大学等の共同研究開発について、NEDとINPITが 助言を行うことによって、オープン&クローズ戦略を構築する取組を支援することで、研究開発成果の社会実装を進めていくということだと思いますが、研究開発の社会実装に向けては様々な課題が存在すると思います。本法案で講ずるINPITとNEDによる助言等の措置以外に、どのような取組を総合的に進めていくことで、研究開発成果の社会実装や市場創出を進めていくお考えか、光月副大臣にお伺いします。我が国の標準化活動には、研究開発段階での標準化戦略の展開に加え、標準化人材の育成確保、あるいは企業の経営戦略における標準化の位置付けといった3つの課題があると考えております。研究開発の成果を社会に広めていくためには、標準化活動が抱える課題について、総合的に取り組んでいく必要があると認識をいたしております。まず、研究開発段階での標準化戦略の展開につきましては、すでにグリーンイノベーション基金等の経産省の研究開発事業におきまして、成果の標準化につきましての戦略策定を企業に求めております。各採択案件の中心的な企業など、経産省がヒアリング対象とした154件のうち、これまでにすでに約半数が標準化戦略を策定していただいております。加えて、本改正法案で措置する大学等と企業の共同研究開発を対象とした認定制度を通じまして、先ほど来ご議論いただいておりますように、研究開発の早期の段階においてもオープンクローズ戦略の活用を促進することが期待できます。また、人材に関しましては、研究開発を支える人材の活用確保や企業の経営戦略の策定においても、現状では標準化の観点が必ずしも十分とは言えませんので、対策に取り組んでおります。具体的には、日本企業が市場創出戦略の策定に必要な標準化人材を確保できるようにするため、標準化人材のデータベースの構築を進めておりますほか、企業の経営戦略におけます標準化戦略の位置付けを強化しますために、CSO(最高標準化責任者)の設置や統合報告書におけます標準化戦略の発信を促してきているところであります。今回の認定制度の創設に限らず、戦略的な市場創出や産業競争力の強化に向けまして、引き続き標準化活動についての課題をよく把握しながら、必要な施策を総合的に展開してまいりたいと考えております。はい、今ほどもちょっと触れていただきましたけれども、最後には人材について伺いたいと思います。市場創出を見据えた戦略的な取組を支えるのはまさに人材層の確保だというふうに思います。一口に標準化活動といっても、その活動は企画の開発段階から経営戦略としての標準化戦略を立案し、実行に移す段階まで実に多岐にわたっており、標準化に関わる人材、いわゆる標準化人材についても様々な素養が求められるのではないかというふうに承知をしています。我が国にお ける標準化を担う人材についての現状や課題、また経済産業省の取組についてお伺いをさせていただきます。
1:17:05
お答え申し上げます。我が国の標準人材につきましては、国際標準学観に人材を供給し続けるなど、高いプレゼンスや知見ノウハウを蓄積してまいりました。一方で、我が国の標準化人材は、高齢化傾向にあり、産業界とアカデミアと連携しつつ、次世代を担う人材の確保が課題となっております。また、市場創出に向けた戦略的活動の重要性が高まっている中で、経営戦略としての標準化戦略を立案実行できる人材の層も薄い状況にあります。このため、経済産業省としまして、標準化人材の育成に向けまして、先ほど副大臣からもお答えありましたが、日本の標準化人材を集約したデータベースの構築であるとか、ISOやIEC等の国際標準化交渉の場で活躍できる人材や、標準化を含めたルール形成を経営戦略に組み込むことのできる人材を育成するための研修などを実施、さらには、アカデミアにおいて標準化活動に従事する人材を育成に向けました学会等による標準化活動の展開等の施策を行っているところであります。引き続き、標準化人材の育成に取り組むことで、我が国として標準化活動のプレゼンスを維持しつつ、市場創出に向けた戦略的な標準化活動が持続的に展開可能になる環境整備を図っていきたいと考えております。ありがとうございました。政府においては、引き続きしっかりと取り組んでいただき、産業競争力の強化をつなげていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
1:19:10
立憲民主社民の小川幸人でございます。産業競争力強化法について、まず大臣にお尋ねをしたいと思います。大臣にお尋ねする前に、まず資料の1をご覧いただいて、日本の国際競争力の立ち位置を確認させていただこうと思います。これは、IMD(国際経営開発研究所)が出したものでして、上のグラフは、1989年から2021年までの各国の国際競争力の世界ランキングをまとめたワルチェングラフでございます。日本企業の国際競争力 は、この図をご覧いただいたとおり、1989年世界ランキング1位、そして1992年頃まではこの1位が続き、その後、1996年まで世界第5位前後、そして97年以降、ガクンと右肩下がり、特に2000年から2002年、この時点では世界ランキング競争力は25位前後、そして新世紀となりました、この現の21世紀、2002年から2006年までは一旦15位程度まで上昇しますけれども、長期的な目線で見ますと、このトレンドというのは、やはり右肩下がり。この資料にあります最新の2021年の「では、我が国日本は世界競争力ランキング31位」と出ております。かつて「ジャパンアーズナンバーワン」と言われた時代がありましたが、今、いずこというような印象を持ったりもします。さらに、この資料の1位の左の下の図もご覧いただいてください。経済産業省さんをはじめ、政府としても様々な構造改革を1990年以降取り組んでいらっしゃいました。そして、東日本大震災、あとは六十九の対話など、必要な政策にも取り組んでこられました。ただ、経済成長や企業の競争力強化というのは、上の図の「世界31位」という現状を見ても不十分と言わざるを得ません。コロナ収束を見据え、世界的な経済成長にも乗り遅れないための大胆な経済政策が必要だということをお互いに共有し合った上で、斉藤県大臣にお尋ねをいたします。まず、なぜこの失われた30年というものが起きてしまったのか、そして、産業競争力はなぜ低下してしまったのか、この点についてお尋ねをいたします。
1:22:12
大変重要なご質問をいただいたと思っています。これまでの日本経済を振り返りますと、デフレマインドが広がって、これと人口減少による将来期間が重なったことを背景といたしまして、企業の認識する我が国の期待成長率というものも低下をしたのではないかと思っています。これが日本国内における設備や人への投資が諸外国に大きく遅れをとった要因の一つではないかと私は思っています。こうしたデフレ環境の中で、企業は生み出した収益を日本国内ではなくて、主に海外投資に使うことで収益性を高める一方で、国内への貫流が残念ながら限定的であったと言わざるを得ないと思っています。政府も一方で市場環境整備を中心としておりまして、結果として国内において新たな付加価値を創出する取組というのが不十分であったのではないかと思います。こうした反省を踏まえまして、将来の飯の種を生み出して賃金や成長の厳選となり得る社会課題解決型の国内投資を後押しすべく、経済産業政策の新起軸を現在展開をさせていただいているということであります。実際、こ数年取り組んできた積極的な産業政策の効果もありまして、足元の日本経済は私は潮目の変化の時を迎えているのではないかと思っています。国内投資は2年前から拡大が続きまして、2023年度は30年ぶりに100兆円台を実現をいたしました。賃金も今年の春季労使交渉の賃上げ率は直近の集計でも5.17%と昨年に続き高水準であります。ただ、現時点でいわゆる失われた30年を脱出したとまでいうのは、楽観的すぎると私は思っておりまして、まさに今が乗り越えている途上であり、好転の兆しがあるからといって、ここで気を緩めてはチャンスを一視元の木上になってしまう可能性があります。30年間続いたコストカットの縮み志向というものが、たった2年間で変えられるものではありませんので、ここからが正念場ではないかと考えています。今後も積極的な産業政策をさらに展開をして、継続をすることで、投資も賃金も物価も伸びる、この好循環の成長型経済へ転換できるように努力していきたいと思っています。
1:24:59
ご答弁ありがとうございます。最近、所要目の変化という言葉をよく伺いますが、この30年、長期の停滞から決して楽観はしていないという大臣自らのご答弁もありましたし、また、だからこそ新たな成長の果てを、果実を作っていくということも確認をさせていただいたと思っております。では、その上で、経済産業政策の新築の目標というものを大きく3つの柱としまして、国内投資、そしてイノベーション、所得の向上の好循環ということがされてございますけれども、この3つの点に絞った理由というのは、一体どこに終わりになるのでしょうか。大臣にお尋ねします。
1:25:58
この国内での成長を促すという観点から、国内投資がまず伸びること、そしてそれを伸ばすネタであるイノベーションが進展すること、そしてその結果として所得の向上につながっていくと、こういう好循環が自立性に回っていくということが、今後再建のキーになるのではないかと考えたわけであります。
1:26:26
つまり、これからの日本の投資というものは、後ほどまた伺いますけれども、ある程度集中的に国内に振り向けていかないといけない。それにはどうしても新たな技術、いわゆるイノベーション、革新的なものが当然必要になってくる。これからも世界的には遅れをとっている可能性もありますし、実際に遅れをとっていると実感される方も多いと思います。以上のようなことからお話を進めさせていただきます。では、資料の2をご覧ください。今、国内投資、これが真っ先に上がった3つの柱のうちの1つでございますけれども、実際にこの資料を見ますと、これは利益補助金の推移をグラフにしたものでございます。言ってみれば、企業の内部流報と言い換えても悪くはないかと思いますが、これが1980年から直近は2022年まで、非常に高い右肩上がりを形成していることを確認できると思います。例えば、1980年、このグラフの頭はだいたい50兆円ぐらいの利益補助金。そして、どんどん右肩上がりが続きまして、直近のこの2022年では500兆円、つまり、1980年の50兆円から500兆円と、桁が1つ増えているぐらい利益補助金は増えているという推移です。これを勘違いをよくされる方がいらっしゃるのですが、企業の中には内部流報がいっぱいあって現金があるというような方も中にはいらっしゃるのですが、実はこの下のグラフをご覧いただいて確認をさせていただきたいのですが、かなりの割合が海外に投資向けられているという実態がございます。そして、なぜ海外に振り向けられているのか、つまり国内投資をしないで海外に向けているかという理由は、これは一言平たく言うと、稼げるからです。公収益が望めるからです。だから海外に投資を行って、そして海外での高い利益率をもって、そうすることで今までは良かったというのがこれまでの歴史的な背景だということをまず共有させていただきたいと思っています。日本企業の投資先が海外に振り向けられてしまった、内部流報はそう いう形で海外に振り向けたのは実は収益率が高かったからでございます。ではそこで質問をさせていただきます。こういうことをお互いに分かった上で、国内投資は海外投資と何が違って、どのような意味でこの法案にとっては重要なものなのかということをしっかりまず確認させていただきたいと思います。そして企業の内部流報、いわゆる利益領与金は公収益の対外直接投資に回っていたんですけれども、これについてはどのような印象といいますか、どういう認識を持たれていらっしゃるのか、この2点ですけれども大臣に伺います。
1:30:19
これも大変重要なご指摘いただいたと思います。いわゆる内部流報でありますが、これはすなわち利益領与金、これは企業が黒字経営を続けている限り増えるというものであります。企業が利益を上げ続けた結果とも言えるんだろうと思っています。そして企業が積み上げた利益につきましては、バランスシートの拡大に対しまして、現預金比率を大幅に増やしたのではなくて、相対的に海外直接投資やM&A 等を拡大することに活用されてきたのではないかと認識をしています。その背景には、ご指摘のように、これまで企業にとりましては、国内投資は海外投資と比べて収益率の面から魅力的ではなかったことがあるのではないかと私も認識をしています。しかしながら、国際秩序の不安定化、あるいは技術革新等の不確立性の高まりなどによりまして、世界のマクロ環境が変化をしてきている中で、今後は企業が投資先を選ぶ際に、こうした収益率に加えまして、国際秩序の不安定化等の知性額リスクですとか、あるいは、加速化する技術革新の中で重要性を増す技術へのアクセスですとか、技術力を支えるサプライチェーンですとか、あるいは競争力強化に資する政策的支援ですとか、そういった複合的な要因を総合的に評価して、投資先をどの国にするかということを判断をしていくことが強まっていくのではないかと考えていまして、こうしたことを考えますと、実は日本は国際的に比較して確実性が低く、治安がいいといった安定した社会でありますし、例えばGX関連技術の特許スコアが高いなど、優れた技術力も備えておりますし、それから技術力を支える中堅中小企業を含めたフルラインナップのサプライチェーンが存在をしていますし、さらに企業の予見可能性を高めるため、大規模長期計画的という方針のもとに、予算・税制・規制標準化等のあらゆる政策を 総動員して、戦略分野における国内投資を促進するという政府の強い意思もございますし、そういうことを考えますと、国内外の企業から日本が魅力ある投資家として選ばれるためには、積極的な産業政策をきちんと展開をしていくことが重要かなというふうに考えています。
1:33:08
ニワトリが先か卵が先かという問題にもなってくるかと思いますが、となると、企業に国内への投資を振り向けてもらうということになりますと、当然、今までとは海外に投資していれば一定の公衆益の利益を上げることができていた企業も、あえてリスクを取っていかなければならないというケースも当然出てくるかと思います。そこを総統政府から補助していただけるというのが、ある意味、この法案の一つの裏テーマだと認識しておりますが、そのリスクヘッジを企業に求めていくということも、ある程度は承知していただくということも含めて、その認識が間違っていないかどうか、ご答弁をお願いします。
1:34:03
経済安全保障が重要になってくるという意味でいきますと、海外への投資もリスクの高まりということも言えるんだろうと思っていますし、それが国内での投資が増えてまいりますと、国内のリターンも増えてまいりますので、必ずもリスクの回避だけではないと思うんですけれども、いずれにしても、せっかく潮目の変化が来ておりますので、このチャンスを生かすべく、国内での投資がイノベーションを通じて促進されるように努力をしていきたいと考えています。
1:34:47
それでは、次の大きな柱でありますイノベーションについてお尋ねをいたします。資料の3をご覧ください。これは日本のトピックス、そして米国のS&Pにおける直近10年間の株式市場のパフォーマンスの推移でございます。結論から申し上げると、このグラフが伝えているのは、振興企業であります、ガーファムと呼ばれるこの企 業たちが、米国の経済成長を禁煙しているということが言えると思います。逆に、ガーファムを除くと、日米の企業の成長性については、そんなに大きな、極めて大きな乖離があるわけではないということに皆さん気づかれると思います。ということは、このイノベーションというのは、これからガーファムという巨大なデジタルイノベーションを持っている企業と、どのような向き合い方をしていくのかが大きなテーマになってくるかと思います。イノベーションは従来の研究開発と、そこでお尋ねなんですが、どのように違っていくのでしょうか。そして、この法案に込められたイノベーションをあえて柱にするというのは、いかなる意味で重要なんでしょうか。そして、経済市場の、特に株式市場のこの推移を見ますと、振興企業のガーファムを除くと、この大差のない日米の企業の状況、これをどのように感じていらっしゃるのか、ご答弁をお願いします。
1:36:36
世界では、GXですとか、半導体、あるいはAI、量子といった分野の技術革新が、今までにないくらい加速をしてきてお ります。今、こうしたイノベーションの競争におきまして、世界に勝てるかどうかというのが、まず今後の日本の経済成長や産業競争力にとって、極めて重要な、ある意味転換点に来ているのかもしれないというくらいに思っています。社会経済を大きく変えるイノベーションを創出していくためには、担い手となるスタートアップ、これの育成と合わせて、研究開発の支援にとどまらず、新しい製品やサービスの事業化を推進するところまで、手を広げていくという、そういう環境整備が必要だと思いますし、それらが市場で普及するための、まさに標準化やルール形成、こういった支援も必要だと思っていますので、イノベーションの実現に向けて、各段階での重層的な支援を組み上げていきたいと思っています。そういう意味では、今回の法案でも、研究開発拠点としての立地競争力を向上させるためのイノベーション拠点税制ですとか、NEDによるディープテックスタートアップの設備投資への支援ですとか、それから、研究開発段階から社会実装を見据えて、知財標準化を活用するオープン&クローズ戦略の構築に向けた支援策などの措置を盛り込んでいるところであります。私は、スタートアップに取り組んでいる日本の若者にも時々会って話を聞くのですが、かなり熱意と責任感を持ってやっている方もたくさんいると実感しておりますので、こうしたスター トアップをしっかり育成していくことや、あるいは研究開発から社会実装までの各段階での支援をしっかり進めていくことによりまして、私はこの社会経済を大きく変えるようなイノベーションの創出につながっていく可能性を大いに感じています。小川君 ありがとうございます。スタートアップのお話でかなり力を込められた大臣の御答弁がありましたが、私もスタートアップの企業をしっかりとこれから成長させていきたい。そして、いわゆるシード、種をまくことから成長をどんどん大きくしていって、ガーファムに肩を並べていくような企業になってもらえるような種がどこかにあるのではないかと思ったりもします。スタートアップのことに関しては、また後ほど伺うことにいたしまして、今は法案提出の背景について3つの柱を主に確認させていただいております。その3つ目というのが今度は賃金でございます。いわゆる所得の向上というのが柱の3番目になっております。そこで資料の4をご覧いただきたいんですが、日本経済の現状でこれは確認をさせてください。実質賃金のこれはグラフでございます。1990年代以降、アメリカ、米国と比較しまして、日本の実質賃金の伸びは定調であります。このグラフを見ますと、1990年、お互いが日米両国を100といたしますと、日本は104と、ほぼ横ばいといってもいいような状況です。一方、米国は148と、100から148、およそ1.5倍に実質賃金は伸びております。こういったことを踏まえてお尋ねをさせていただきます。所得の向上というのが3つ目の大きな柱でございます。この日本経済に所得の向上というのはどのような意味で重要なんでしょうか。この背景、この法案をあえてされる上での3つ目の所得向上についてのお考えを伺います。(佐藤大臣)まず、大前提といたしまして、実質賃金の上昇は国民一人ひとりの豊かさという観点から重要であると思っていますし、加えて日本経済全体にとっても、個人消費を押し上げてGDP拡大に寄与するという観点からも重要なんだろうと思います。また、議員御指摘のとおり、過去30年間、日本の実質賃金は他の先進国に比べて伸び悩んできたわけでありますが、しかし、今年の春至老死交渉において直近の集計では賃上げ率が5%を超えるなど、足元の日本経済は潮目の変化を迎えていますので、ここでぶっかだかに負けない持続的な賃上げを何としても実現して、実質賃金がプラスで推移する状態をつくり上げること、これは我が国がデフレ経済から完全に脱却する上で極めて重要だろうと考えているところであります。以上の法案の3つの大 きな柱の背景を確認させていただきました。その上で、その法案の1つ目の柱、国内における投資の拡大について伺ってまいります。資料の5、1つ目の柱における国内投資促進、そのための新たな生産比較型の投資減税という資料でございます。簡単に、シンプルに言うと、初期投資が割合大きなものに対して今まで補助金を与えてきたものが、今回の法案というのは、生産の製品や個別に対して、生産段階のコストに対して長期的に一定期間減税を行っていくものです。そして、一番下の赤枠のところで、その対象物資というのが定められております。電気自動車、グリーンスチール、グリーンケミカル、それから持続可能な航空燃料、いわゆるサフです。そして半導体というこの5分野でございます。その上でお尋ねでございます。こういった5つのものに限定してきた、あえて絞ったと言ってもいいと思いますが、この理由についてお尋ねをいたします。
1:43:57
お答え申し上げます。この税制につきましては、欧米をはじめ、戦略分野の投資を自国内に誘導するための政策が次々と打ち出される中で、我が国としても戦略分野における新たな国内投資を強力に推進すべく創設したものでございます。投資促進策、ご指摘もございましたけれども、実に様々な手法がございます。各分野の特徴などを踏まえまして、予算、税制、規制、制度といった政策を効果的に講じていく、このように考えております。この税制は、戦略分野のうち、特に、ご指摘もありましたように、特に生産段階でのコストが高いことなどから、従来の初期投資支援では投資判断が容易でない分野において、企業の新たな国内投資を引き出すべく、生産段階における税額向上措置を講じるものでございまして、そのために、ご指摘のご分野を対象としているわけでございます。また、戦略分野のうち、他の分野、例えば、電気自動車の構成部品である蓄電池ですとか、半導体の製造装置、部素材につきましては、主に初期投資の大きさが課題となってございまして、それを踏まえて、令和5年度補正予算や、令和6年度当初予算などに、初期投資支援に必要な予算、補助金がメインですけれども、これを盛り込んでおりまして、これらも併せてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
1:45:24
ありがとうございます。初期投資もあるし、また、それから生産コストについてもということで、訂正しつつご答弁をいただきました。ありがとうございました。その分野に絞って、そしてその減税の恩恵とは、10年で1.9兆円、およそ2兆円が想定されてございます。これはサプライチェーン全体を見渡しますと、いわゆる大企業といわれる一部の企業だけではなく、サプライチェーン全体にこの減税の恩恵、10年で1.9兆円、2兆円の金額がどのようにサプライチェーンに波及し、そして3つ目の目標、所得の向上にもつながっていくんだろうなという期待を持っての質問なんですけれども、その辺はしっかりと波及をしていくという見込みをお尋ねいたします。
1:46:26
お答え申し上げます。この税制の対象分野でございます、電気自動車、グリーンスチール、半導体などは、いずれも広範なサプライチェー ンを構成する業種、産業でございます。この税制を通じまして、こうした分野における国内投資を実現し、生産販売を拡大することで、地域の中堅中小企業を含めて、部素材などの発注や供給の確保、拡大など、幅広く経済発給効果が生じると考えてございます。この税制と併せまして、例えば、先ほど申し上げた電気自動車の構成部品である蓄電池や半導体の製造装置、部素材につきましては、昨年度あるいは今年度の予算で初期投資支援に必要な予算措置を盛り込んでございます。こうした措置は、この税制の効果を中小を含めたサプライチェーンにより、波及させていく、そういう効果を持つものというふうに考えております。加えまして、中小企業向けの賃上げ促進税制や、徹底した価格転嫁対策、革新的な製品サービスの開発、IT導入や人手不足に対応した省力化投資の支援なども取り組んでおりまして、この税制の効果を波及させるとともに、サプライチェーン上の企業の競争力強化につなげていきたいと考えております。サプライチェーンがそれだけ広範なものをあえて選ばれているわけですから、そこがきちんと行き渡っていくように改めてお願いをしたいと思います。そして、この法案は、アメリカでいうところのインフルエンス削減法ということも随分習っているところもあると伺っておりますが、財源についてお尋ねをさせていただきます。財源について、実は日米には結構違いがありまして、例えば、ご紹介いたしますと、歳入、つまり財源ですね。これとして、今、アメリカがやっているのは、15%の最低法人税の導入ということをやっています。実は、この金額だけでも単位は億ドルなんですが、2220億ドルの歳入が見込まれております。そして、処方箋の約可の交渉権というものでいくと、これはさらに大きくて、2810億ドル。そして、歳入帳という体制を強化しようということによって、1010億ドル。これはユニークだなと思ったのですが、自社株買いに対する1%の課税、これによって740億ドル。こういったものが並べられていまして、総額7,380億ドルがこのインフレ削減法の中で、つまり財源として見込まれております。では、一方で、この日本というのはどういう状況なんでしょうか。つまり、我が国の場合はどういう形で財源を出していくのか。あるいは、その財源をどうして何か、どこかから持ってこられると思うんですけれども、その持ってこられる財源のそこをアメリカとの違いで、そうされた理由をお尋ねいたします。
1:50:15
お答え申し上げます。この戦略分野国内生産促進税制の財源につきましては、対象分野のうち電気自動車、グリーンスチール、グリーンケミカル、サフといったGXの観点から効果の高い戦略分野につきましては、その減収分をGX経済移行債の発行収入で補填することを、昨年末閣議決定しております税制改正対抗において示しているところでございます。このGX経済移行債は、GX推進法におきまして、化石燃料の輸入事業者等が負担する化石燃料付加金等、それからもう一つ、発電事業者が負担する特定事業者負担金によって償還をしていくということも法定をされているところでございます。このため、我が国の税制につきましても、財源の確保も織り込んだ制度になってございます。もう一つ、どうしてそういう財源を選んだのかということでございます。これは、GXの分野でなるべく早く排出削減、しかもそれが経済成長につながるような、そういう投資を促していきたい、国内での投資を促していきたいと思っております。そうやって、そういうGX分野、すなわちCO2を出さない事業ですとか、出さない製品がより競争力を持ち、その分野に投資をすることが、むしろ収益性も生む、そういう世の中、仕組みにしていく必要がある。そこを狙いまして、GX経済交際の償還財源として、先ほど申し上げたようなカーボンプライシングを適用することにしています。ただ、経済成長との関係も考えまして、これは直ちに導入するというよりは、まず支援策によって排出削減、それを行った上で、十分に下がったところで、2028年から具体的には導入いたしますけれども、カーボンプライシングは後で来るという、そういう構想にしておりまして、この財源の確保と、特にGX分野での投資を国内で促進する効果、その両方を狙いまして、財源をこういうことにいたしました。以上でございます。日本の場合は、GX移行債という国債を使ってということと、それから民間から一部派という形で財源を作っていくということを確認をさせていただきました。こういう形で、日本と米国の違いも少しは共有できたのではないかと思っております。では、次は、この税制の具体的な目標、数値などがもしありましたら教えていただけないでしょうか。つまり、民間から国内投資をどの程度、どんなメカニズムで創出しようかというもので、見込み学等が分かりましたら教えていただけないでしょうか。
1:53:29
この税制は、ルル、御答弁申し上げておりますが、GX、DX等の世界的な潮流の中で重要な戦略分野において、国内投資を促進しようということを目的としています。特に、生産段階のコストが高い等の理由で投資判断が容易でない分野について、生産販売量に応じた税額向上措置を講じることで、事業全体の再産性を向上させることによりまして、投資判断を引き出していくという効果があるものと考えています。その投資促進効果については、本税制をはじめ、予算措置や成長志向型カーボンプライシングなどの規制制度も含めて、政策を効果的に組み合わせるということをさせていただきまして、そのことで、例えば、グリーンスチールにつきましては、今後10年で3兆円以上の国内投資や、自動車につきましては、蓄電池を含めまして、今後10年で34兆円以上の国内投資、こういったことを実現することを、昨年末に取りまとめたGX分野別投資戦略で明記をさせていただいているところであります。さらに、本税制の対象分野における国内投資を実現いたしまして、生産を拡大させることで、地域の中堅中小企業を含め、関連分野での投資も拡大されていく効果や、あるいはサプライチェーンを通じた部素材等の発注や供給の確保拡大といった経済波及効果、こういったものは幅広く生じてくるのではないかと考えています。具体的な、いわゆる鉄工業や自動車産業においての具体的な目標が既に決まっているということですので、それに向けて万全の策を講じていくということになってくるかと思いますが、正直そのメカニズムというのが、まだ私もしっくりこないところも若干あって、そこもまた深掘りをさせていただければと思っております。法案の次に、2つ目の柱、イノベーションについて、新陳代謝促進についてお尋ねをさせていただきます。まずこの資料の6、ご覧いただきたいのですが、この日本の経済収支、これの歴史的な変遷を見ていただいております。この経済収支というのは、言ってみれば、牽引して、黒字でした、かつては。特に日本の場合は、先ほどからお話が出ております、自動車産業と電気機器の輸出によって、エネルギーの分野の購入額を相殺するどころか、しっかり黒字を出してきておりましたし、かつてはジャパンバッシングと、その経済的な形状の黒字があまりにも多いのが、国際的にいろいろ言われた時期もありました。ただ、現状は、自動車は一貫して黒字でございます。この図のとおりですね。ところが、電気機器は黒字が消滅しております。どういう形で消滅しているかというのが、実は下のグラフの各種エレクトクリニクス製品に関する日本企業の市場のシェアの推移でございます。例えば、Dラムと呼ばれるこの赤い折れ線は、かつては80%近くあったシェアがもう1桁、それからその隣のCD-ROMも100%近くあったものが今20%台。その次の液晶パネルに関しては、一番最初は100%の国際シェアを誇っていたものがやはり10%あるいは1桁台。そして、CD-RやDVDプレイやリチウムイオン電池に関しても、いずれもが右肩下がりでございます。ニュースでも液晶パネルなどの撤退などを伝えるのも、つい最近ニュースでも出ておりましたけれども、電気機器は100%ですとか80%台の当初シェアを獲得していたにもかかわらず、現状では1桁あるいは2桁いっても低い、あるいはもう撤退をせざるを得ないという状況でございます。その上で、デジタルなどで新領域をもって新たな国際供用総力をつくっていく、国際供用総力の再構築、そしてイノベーションというのが急務だと考えておりますけれども、そこを共通の認識として御答弁をお願いします。(佐藤大臣)世界的に全ての産業でデジタル化が加速度的に進展をしていますが、特に生成AIにつきましては数十年に一度の技術とも言われておりまして、今後の産業競争力の強化の観点で極めて大きな変革をもたらすことになるのではないかと確信をしています。生成AIによりまして、データの処理量が圧倒的に増加をします。また、提供されるデジタルサービスの質もこ れまでとは比較にならないレベルにまで到達をするのではないかと思います。また、データ処理の爆発的な増加に伴いまして、電力需要も増大していく見込みであります。AIデジタル技術の高度化と消費電力の削減、これを同時に実現する産業基盤の構築が今後は最も重要な競争力の源泉となっていくのではないかと思います。こうしたAIの高度化と消費電力の削減を実現するキーテクノロジーが先端半導体であります。だからこそ世界では各国が先端半導体への投資支援を競っているのであると私は認識しています。また、半導体への投資は地域での雇用や賃金上昇などの効果に加えまして、サプライチェーンに関わる産業全体の活性化など経済波及効果も極めて大きいという側面も有するわけであります。これは熊本の例を見れば証明をされているのではないかと思います。そして、AIの開発利活用と先端半導体を軸としたエコシステムづくりこそが今後の我が国産業の国際競争力の強化に不可欠であります。我が国は世界に先駆けて先端半導体支援を開始しておりまして、またAIについては開発力の強化と利活用の推進に向けて官民による経産資源の整備や民間によるAIモデルの開発促進に取り組むなど、これまでの取り組みでその機運が生まれてきていると思います。こうした投資促進の手を緩めるのではなくて、むしろ投資拡大に必要な政策パッケージを今後も検討していきたいと考えています。ありがとうございます。認識を共有していただいたことを大変ありがたく思っております。今後、デジタルなどの新領域で構築していくイノベーションというものと同時に、先ほどからご答弁にもありましたスタートアップ政策の動向についても確認させていただきます。資料の7をご覧ください。これはスタートアップ企業から主にスタートをした現在の世界のユニコーンと言われる企業のリストでございます。いわゆるユニコーン企業というのは、10億ドル以上の企業価値を持つ未上場の企業でございます。未上場にもかかわらず、その巨大さやそれから影響力というのはご存じのとおりだと思いますが、さらに最近ではユニコーンの10倍規模のデカコーン企業、これは10億ドルではなく100億ドル以上の企業価値を持つ未上場企業があります。実際に具体的に見ますと、国別ですと1位は米国で、ユニコーンの企業数は656社、評価額は2兆1160億ドル、2位が中国、168社、6410億ドル、3位がインド、71社、1920億ドル以下、イギリス、5位ドイツ、6位フランス、そして日本では順位が付けられないぐらい下がってしまいまして、日本の企業は7社、企業価値、評価額は100億ドル、つまり、米国と直接比較すると日本のユニコーン企業の企業数は米国の およそ100分の1、評価額では実に200分の1という結果が出ているわけでございます。この点を私は非常に危機感を覚えております。スタートアップがなぜこんなに叫ばれているのに、ここまでうまくいっていないのだろうか。もちろん、成功している企業もありますし、今努力している、大きくしようと思って汗をかいている多くの若者たちがいることも、私も重々認識をしております。にもかかわらず、残念ながら、統計学的なエビデンスで見ると、現状はなかなか厳しい数字が出ているということです。ですので、大臣にぜひこの辺の分析と、そして今後にわたる覚悟といいますか、決意を改めて伺いたいと存じます。まず、スタートアップは、新しい技術やアイデア等のイノベーションの担い手として、社会課題を成長のエンジンに転換して、日本経済を牽引する重要な存在だと思っています。こうしたスタートアップの創出育成を支援する取り組みは、国際競争力の再構築やイノベーション促進において、非常に重要であると認識をしています。ご指摘のとおり、日本のユニコーン数は、米国のCBインサイツのデータベースによりますと、足元では7社、データコーンは0社にとどまっています。ご質問の要因でありますが、スタートアップが未成長のまま大きく成長するための大規模な資金や成長人 材が残念ながら不足していること、あるいは、世界で戦うグローバルスタートアップや成長ポテンシャルの大きいディープテックスタートアップの育成が不十分であるといったことが考えられると思っております。こうした状況を踏まえまして、本法案におきましては、JICの運用期限延長によるリスクマネーが不足する成長段階のスタートアップへの資金供給の強化、ネドの商用設備投資等の事業開発活動への補助業務の追加、これによってディープテックスタートアップの支援を強化しようということ、ストークオプションを柔軟かつ機動的に発行する仕組みの整備、これによって優秀な人材が確保できないか、それから、投資事業有限責任組合(LPS)の投資上場規制を受ける外国法人の範囲の見直しによるスタートアップの海外展開の促進などの措置を講じることにしておりまして、これらの取組を通じてスタートアップの更なる成長を促していきたいと思っていますが、やはり一つ一つのスタートアップ企業にしっかりと経済産業省としても着目をいたしまして、それぞれオーダーメイドでどういう協力ができるかというところも、今後はしっかりやっていかなくちゃいけないのではないかと私は思っています。
2:06:45
あと、この産業競争力強化法というのは、結びの質問にさせていただきますが、言ってみれば、GAFAMという巨大企業や、それから、例えば最近ではデジタル赤字という言葉も出てきました。例えば、具体名だとあれかもしれませんが、動画サイト、あるいは様々活用している通信販売による購入も外国資本のものが多くなってきて、結果的にはなかなか日本の利益に結びついていない部分もありますし、また、そのおかげで日本が雇用として支えられている部分も当然あるわけなんですが、こういうデジタル赤字に関して、また後日になりますけれども、不可掘りをさせていただこうと思いますが、逆にこの法案に絡めて、もし大臣から一言、もしご所見がありましたら、それで結ばせていただこうと思います。よろしくお願いします。
2:07:46
当然のことながら、このDXの分野で日本の企業が成長をしていくことによりまして、デジタル赤字の結果として削減をしていくということになると思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、私は、繰り返しになりますけど、現在スタートアップでおっしゃるように、確かにユニコーン企業は少ないですけど、私自身は本当にポテンシャルを感じていますので、そのポテンシャルが実現できるように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。1点だけ先ほどの答弁で訂正させていただきたいのですが、「投資事業有限責任組合の投資上限規制を受ける外国法人」というところを、投資上昇と申し上げたようですので、訂正をさせていただきたいと思います。
2:08:43
終わります。ありがとうございました。
2:08:46
午後1時に再開することとし、休憩いたします。
2:11:05
それでは、ただいまから経済産業委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は、順次ご発言願います。
2:11:29
それでは皆さん、ご安全に。午後も元気よく質問していきたいと思います。立憲民主社民の村田恭子です。今日からですね、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の審議が始まったわけなんですけど、まず最初にですね、この法律案についてお聞きをしたいと思います。今回、産業競争力強化法、LPS法、インピッド法、そしてネド法の4本の法案の束ねとなっているということで、この束ね法案については、これまで本委員会でもやはり束ねになってしまうと、充実した国会審議ができないのではないか。また、一本一本の法案に対する国会議員の議決の表明ですよね、それもできないというような課題も指摘をされておりますが、なぜ今回4本の束ね法案としたのか ということと、産業競争力強化法につきましては、2018年と2021年にも改正をしております。その時も束ね法案だったのか、まずその点についてお答え願います。
2:12:41
お答え申し上げます。まずは束ね法案についてのご質問でございますけれども、一般にいわゆる束ね法につきまして、各政策が統一的で法案の趣旨目的が一つであること、そして法案の条項が相互に結びついていると認められるときは、一つの改正法案として提案できるものとされていると理解をしております。まず1点目の法案の趣旨目的の一体性についてでございますけれども、本法案では産業競争力強化法をはじめ4つの法律について、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するため、中堅企業者及びスタートアップへの集中支援や、経済成長に向けた新たな産業基盤の整備を行うことを目的とした法改正でありまして、趣旨目的の一体性が担保されていると考え ております。また2点目の法案の条項の関連性でございますけれども、まず、投資事業有限責任組合契約に関する法律、LPS法についてでございますけれども、このLPSの投資対象を拡大することに伴いまして、産業競争力強化法において、同様のこれまで特例措置を設けておったんですけれども、それを削除すること、また国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構法、独立行政法人工業所有権情報研修官法において、産業法の新たな規定に基づく計画の認定を受けた事業者に対して、これらの法人、ネドやインピットが助言業務等を実施できるような措置を講じておりますので、こういった理由から、条項の関連性が担保されていると、大ふに考えておりまして、多分年法案とさせていただいたところでございます。また、前々回の改正でございますけれども、いずれも多分年法改正とさせていただいたところでございます。
2:14:32
今、政策の趣旨目的の一体性、そして法案の条項の関連性についてご説明をいただきました。また前回、前々回も、2018年も4法案と、産業競争力強化法に加えて4法案を改正をした。また2021年も同様に、産業競争力強化法に加えて4法案を改正していることで、多分年法案が続いているわけなんですけれども、この前の委員会で審議していました、水素社会推進法案、CCS事業法案、これどちらも新法ということで、新法の場合は多分年にはできないということで、でも新法を2本一括審議したということで、これ、石崎委員もご指摘をされていましたけれども、やはり国会の充実した審議という上で、ここのところはまず指摘をさせていただきたいなということと、これから皆さんとともに、しっかりこの法案についても議論を進めたいと思います。それでもう一点、この法案名についてお聞きしたいんですが、今回、産業競争力強化法の前に、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための、というふうに、これ冠と呼ばれるんですかね、こちらがついておりまして、森本委員長もですね、この長い、これをですね、毎回読まないといけないということで、この2018年、2021年の法案の改正のときには、こうした冠は確かついていなかったと思うんですけれども、今、内容を見ると、先ほどご説明いただいた、政策の趣旨、目的のところが、この冠として付けられているのかなというふうに思うんですが、なぜ今回、ここを法案名に付け加えたのか、その理由を教えてください。
2:16:22
委員、ご指摘のとおりであるんですけれども、一般的にまず申し上げますと、3つ以上の法律の改正を目的とする一部改正法では、1つの法律の題名を挙げまして、あとは等で括るとされておりまして、その際ですね、改正の目的を明示することにより、改正の対象となる法律の範囲をある程度表す趣旨で、法律名にその法律の改正目的を加える場合がございまして、本法案におきましてもそれに倣いまして、対象となる法律の範囲を表す趣旨で、法案名に新たな事業の創出及び産業園の投資を促進するための という改正目的を加えさせていただいたということでございます。
2:17:06
はい、ご説明ありがとうございます。やはりこの産業競争力強化法等というふうにしてしまうと、一般に国民の皆様からその等にどんな法案があるのかなというのはやはり見えづらいものですので、その解消の1つとして冠をつけるということもあるのかなというふうにも理解をいたしました。続いて、これもそもそもということでお聞きをしたいんですけれども、この産業競争力の具体的なその産業競争力とは何なのかについてお尋ねをします。
2:17:42
委員御指摘の産業競争力の定義でございますけれども、産業競争力強化法の中で第2条第1項でございますけれども、定義を置いておりまして、定義を見上げますが、産業活動において高い生産性及び十分な需要を確保することにより、高い収益性を実現する能力と、こういうふうに定義をしております。
2:18:05
その定義の中の高い生産性というところで、私はやはり高い生産性を実現するには、人材というものがやはり鍵になってくると思います。物づくり、製造業ですね、本当に現場で働く方というのがなかなか採用できない。若い人が入ったと思ったらすぐやめてしまうというような状況が実際に起きています。計算省の事業の中でも、例えば中小企業省力化投資補助事業のように、カタログにして製品を選びやすくして省力化につなげていこう、そうした事業もあることは承知をしておるんですが、やはりどうしても現場の仕事って精進化できないものがやはりございます。今回の法案の中でイノベーションの重要性ということも議論されていますが、いくら素晴らしい技術ができたとしても、それを製品にすることができる、やはり現場のこの巧みの技というか、そういうもので製品化できる皆さんがいないと、私はやはりイノベーションをしても、それが事業につながっていかないんじゃないかなというふうに思います。もう一つ現状で言わせていただくと、工業高校もあるんですけれども、今、工業高校に入学をしても卒業の段階で全然違う分野に就職される方が多いということで、これもものづくりに人が集まらない要因の一つなんですね。ぜひともこの点を大臣に、どうやってこうした現場で働く人の確保をしていくのか、お考えを教えていただきたいと思います。はい、斉藤大臣。 精進化が難しい分野におきましても、人材を確保し、我が国製造業が引き続き競争力を維持していくためには、まず、高齢者や女性を含む幅広い人材に活躍いただくための労働環境の魅力の向上とともに、高度な技術系人材の育成を進めていくことが必要だと思います。このため、経済産業省としては、拡充した賃上げ促進税制の活 用促進や、労務費の価格転嫁の指針の周知徹底等、あらゆる政策を総動員して、賃金も含めた製造業の労働環境の魅力向上に向けた取組を進めているところであります。また、半導体や蓄電池、ロボット等の分野におきましては、高度な技術・技能を担う人材を確保するため、経済産業省が橋渡し役となりまして、公選や工業高校と連携をした人材育成コンソーシアム等を分野ごとに設立をしまして、実践的なカリキュラムや教材の開発、産業界からの講師の派遣などを進めています。さらに、従来はロボットの導入が難しいとされてきた分野でありましても、技術革新による省力化の余地は残されていると思います。経済産業省では、例えばロボットによる作業が難しい創材の盛り付け工程の自動化に向けた研究開発を推進して、実際に中小企業への実装にもつながってきています。生産性の向上や国内人材確保のための取組等を行ってもなお、人手不足が著しい分野については、特定技能制度を活用して、鋳造、溶接、電子機器組立等のものづくり技術を有する外国人材の確保も進めているところです。経済産業省としては、厚労省等の人材育成の取組等を連動する形で、これらの施策に総合的に取り組むことで、製造業の現場人材の確保育成をしっかり図ってまいりたいと考えています。
2:22:05
いろいろな施策に取り組んでいただいているということで、特に大臣の今、御答弁の中であった工業高校と連携しながら、産業界の行使を呼ぶというのは非常に重要だと思っていて、やはり工業高校があるその地元の企業と連携をして、この企業ってこういうものを作っているんだとか、最先端の技術を企業で働く方から教えていただくと、その工業高校を卒業した後に、地元の企業に就職をするというような意味もございますし、またこれはもう文科省の所管にはなりますけど、工業高校の設備が古いといった話ですね。結局、そこで学んでも現場では技術が生かされないということもございますので、やはりものづくりに楽しさを感じてもらって、就職先として選ぶんだと、そうしたような取り組みを、他の省庁とも連携しながらやってもらえればと思います。続いて、具体的な法案の中身についてお聞きをします。今日は、戦略的国内投資の拡大というところでまずお聞きをしたいんですが、今回、戦略分野国内生産促進税制については、今、各国が自国産業の投資促進に向けた支援を拡大しているということで、私も重要なものだと思っております。この税制の対象になるものが、産業競争力基盤強化商品というふうになっておりまして、その定義に、今後、我が国産業の基盤となることが見込まれとありますけれども、この産業の基盤というものの具体的な定義についてご説明ください。
2:23:58
お答え申し上げます。戦略分野国内生産促進税制の対象になっております電気自動車、グリーンスチール、半導体等の産業競争力基盤強化商品は、いずれも当該産業にとどまらず広範なサプライチェーンを構成し、裾野の広い産業につながるものであり、こうした特徴を捉えまして産業の基盤と表現しているところで ございます。
2:24:26
今回の産業競争力基盤強化商品の対象においては、グリーンスチールもございます。鉄工業、今回この中にグリーンスチールを入れておりますけれども、やはり研究開発、設備投資にカーブオンニュートラルの実現に向けては、鉄工業全体で10兆円かかると試算をされておりますので、こうした税額控除が助けになるというふうに私も思っております。ここでちょっと教えていただきたいのが、ここでいうグリーンスチールというのが具体的にどういった製品なのか、まず教えてもらえればと思います。
2:25:14
お答えいたします。今般の税制は、令和8年度末までに具体的な投資案件として、下大臣の認定を受け、新たに国内投資が開始されるものを対象としております。鉄工業の脱炭素化に向け早期に実装可能と見込まれ、かつ大幅な排出削減につながる投資案件を対象として想定をしております。具体的には、鉄工業の中でも最大の排出源である、功労を革新的な電路へと転換することで、生産時のCO2排出を大幅に削減した工材をグリーンスチールとして本税制の対象とすることを想定してございます。
2:25:53
はい、今功労の中でも電路に対しての支援ということでお話がございましたが、鉄工業にはですね、ご承知のとおり功労で作るものと、そもそも電路ですでに製品を作っているメーカーもあるわけなんですけれども、既存の電路においてもですね、グリーンスチール、CO2を出さない製品、グリーンスチールを作っていこうという取り組みが進んでおるわけなんですけれども、既存の電路で電路メーカーが製造したグリーンスチールというのは、今回の税額控除の対象になるんでしょうか。
2:26:34
お答えいたします。先ほどお答えをいたしましたとおり、今般の税制では功労を革新的な電路へと転換することで、生産時のCO2排出を大幅に削減した工材をグリーンスチールとして、基本税制の対象とすることを想定してございまして、ご指摘いただきました既存の電路で製造した工材を税制の対象とすることは想定してございません。
2:27:00
既存の電路で製造したグリーンスチールは税額控除の対象にならないということなんですけれども、合わせて、電路メーカーがもっとグリーンスチールを作っていかないといけないよねということで、新たに電路を建設をしてグリーンスチールを作りましたよといった場合には税額控除の対象になるんでしょうか。
2:27:26
お答えいたします。これも先ほどご答弁申し上げたとおりでございますけれども、今般の税制では、功労を革新的な電路へと転換することで、生産地のCO2排出を大幅に削減した工材をグリーンスチールとして対象とすることを想定してございます。ご指摘の、電路メーカーが電路を新設した場合におけるその電路で製造された工材を税制の対象とすることは想定してございません。
2:27:54
ちょっと細かいんですが確認ですけど、功労が革新的な電路を建設をしてグリーンスチール作れば対象になりますと、その電路メーカーが革新的な電路を新たに製造をしてグリーンスチールを作ったとしても対象にならないという理解でよろしいんでしょうか。
2:28:17
お答えいたします。ご理解のと おりでございます。
2:28:22
となると功労の皆さんの製品については税額向上の対象になりますが、今ある電路メーカーの皆さんが作るグリーンスチールは税額向上の対象にならないということで、私はこの点がちょっと課題があるんじゃないかなというふうに思っております。ちょっとその話を進めていく前に、今回の制度については米国のインフルエンス削減法を参考にしたというふうにお聞きをしております。この米国のインフルエンス削減法の税額向上については、今お話ししているグリーンスチール、グリーンケミカル、半導体というのは対象にはなっておりませんが、日本においてはこの3つの製品を税額向上の対象としたのはなぜなんでしょうか。
2:29:15
お答え申し上げます。本税制は、欧米をはじめとする各国の戦略分野の投資促進策を次々と打ち出す中で、御指摘のアメリカのインフルエンス削減法や、我が国の産業構造の特徴強み、さらには既存の制度を踏まえまして、本税制の対象となる分野を含めて制度設計をしているものでございます。例えば、本税制で対象としているグリーンスチールやグリーンケミカルにつきましては、米国のインフルエンス削減法では生産比例支援の対象となっておりませんが、これらは我が国が強みを有するものづくりの基盤となる産業であることや、排出削減と産業競争力強化を同時に実現する上で重要な分野でありながら、特に生産段階でのコストが高いこと等から投資判断が容易でない分野であるということを踏まえまして、本税制では対象にしているものでございます。今回、このグリーンスチールについては、1トンあたり2万円の税額控除をするとしております。いくらが税額控除になるのか、この額というのも企業にとっては投資判断の大事なポイントになると思いますが、グリーンスチール、なぜ1トンあたり2万円としているのでしょうか。
2:30:52
先ほどの回答がありましたが、今般の税制では、航路を革新的な電路へ転換することで、生産時のCO2排出を大幅に削減した耕材をグリーンスチールとして本税制の対象とすることを想定しておりますが、航路から革新的な電路への転換にあたっては、大量の電力に加え、鉄スクラップや還元鉄といった鉄鋼原料の確保も必要となるため、その生産コストは上昇すると想定しています。一方で、そうしたコスト差をそのまま税額向上の単価にしていくということではありませんので、需要の開拓や生産性の向上に向けた企業努力を引き出す観点も踏まえまして、各対象物質の向上単価を、租税特別訴訟において定めているところでございます。
2:31:51
この税額向上額、グリーンスチールはトン当たり2万円ということで、他の商品についても、その商品ごとに税額向上が決まっております。計画が認定されますと、10年間、この税額向上が受けられるということで、結構長い期間になるわけですよね。その間、為替というものがどうなっていくのかというのも、企業の国際競争力を考えると重要な点だと思います。円安が続けば、輸出にはいいかもしれないけど、原材料が高くなるよね。円高になっちゃったら、日本の製品が海外で高くなっちゃうよねという形で、今、 為替が急激にいろいろ変動するリスクというのが、昔と比べてもあるというふうに思うんですね。そういった中で、今回の税額向上額というのは、為替の影響に応じて、向上額を変更する、そのような可能性はございますでしょうか。
2:32:51
お答え申し上げます。まず、繰り返しでございますけれども、本税制は、御指摘のグリーンスチールなど、特にその生産段階のコストが高いこと等から、投資判断が難しい分野について、生産段階における税額向上措置を講じることによって、事業全体の予見可能性を向上し、事業者による国内投資判断を強力に引き出すべく創成するものでございます。こうした観点から、グリーンスチールについて、税額向上の単価を、御指摘の為替をはじめ、時々の状況に応じて、その都度変更される制度とするよりも、その単価を、租税特別訴訟において、あらかじめ定めることで、事業者が足元において投資判断を行う際の予見可能性を向上し、投資を引き出す制度だと考えております。
2:33:50
予見可能性を高めるということで、税額向上額については、今回決まったものという。グリーンスチールでいうと、1トン2万円ということなんですけれども、先ほどの御答弁で、今回、電路メーカーの作ったグリーンスチールについては、税額向上の対象にはならないということなんですね。この点、ある電路のメーカーのですね、やはり会社の方から、何で電路が外れたのっていうようなご要望を実際にいただきました。1トン2万円というのは、そのメーカーの方が教えていただいたのは、電路メーカーにするとですね、電路で鉄を作るというのは、ものすごく電力を使うわけなんですけど、1トンあたり2万円というのは、電気代かからずに鉄製品作れるよねっていうぐらいの、やっぱり電路メーカーにとってはインパクトのある数字みたいなんです。なので今回ですね、やっぱり厚労については税額向上するけれども、電路についてはしないということで、やっぱり電路メーカーに何かしら影響が出るんじゃないかということを懸念されている電路メーカーの方もいらっしゃいますが、この点どうお考えでしょうか。
2:35:12
お答えいたします。厚労は大規模な設備や創業体制が必要となる一方、原料となる鉄鉱石の品質に左右されず、高品質製品を大量に生産できるといった特徴がございます。また、電路につきましては鉄スクラップの供給制約や不純物除去の技術的制約の観点から、高品質製品の製造に一定の限界がございます。こうした特徴を踏まえまして、鉄鉱企業各社が生産方針を選択をしておりまして、求められる品質などに応して供給する鉱材、すなわちターゲットとなる市場についても一定の隅分けが行われているものというふうに承知をしております。加えまして、先ほど申し上げましたとおり、今般の税制では、生産性向上に向けた企業努力なども踏まえて税額向上単価を設定しておりまして、鉱炉から電路への転換に伴う生産コストの差の全額が税額控除されるということにはならないというふうに想定をしております。こうしたことを踏 まえますと、今般の税制によって、鉱炉メーカーと電炉メーカーとの現状の競争環境において、鉱炉メーカーを優遇し、電炉メーカーを不利にすることにはならないというふうに考えております。今の御答弁の中で、今回の税額控除において、税制改正について、鉱炉だけを優遇して、電路については不利になるような、そうしたことではないというようなお話でしたので、実際、この税制改正が実際に行われたときに、本当に電路にとって不利な状況になっていかないのかというのは、実際始まった後にしっかり検証をお願いしたいと思います。その上で、鉱炉も電路になっていくということになりますと、やはり鉄スクラップですね、電路の原料となります。この鉄スクラップの需要が高まっていくのではというふうに思っていますが、現在、この日本における鉄スクラップ、他の国から輸入をしているのか、または日本から鉄スクラップ輸出しているのか、どういった国に輸出しているのか、その点も含めてお答えをお願いします。
2:37:34
お答えいたします。財務省貿易統計によりますと、2023年におきまして、鉄スクラップの輸入量は5万トン、輸出量は693万トンとなってございます。輸出先の主な内訳でございますが、韓国263万トン、ベトナム169万トン、台湾98万トン、バングラデシュ52万トンとなってございます。
2:38:02
日本においては、263万トンを韓国に輸出しているということで、中国への鉄スクラップの輸出というのはないということでよろしいでしょうか。
2:38:21
中国でございますが、2023年の数値でございますが、28万トンの輸出がございます。
2:38:31
この693万トンが海外に鉄スクラップが輸出をしているような状況で、ここからですね、航路メーカーが電路に転換するとなると、やはり国内での需要量が増えるのではないか。また、こうした航路から電路といった動きは、もちろん海外でも行われてまして、ただヨーロッパはですね、もともと電路で鉄を作っている国が多いですし、直接還元鉄を使ってですね、鉄を作っていくのではないかと言われておりますが、日本のように航路の割合が高い国というのが中国なんですね。なので、先ほども中国への輸出量を確認させていただいたんですけど、そうした国が航路から電路に変えていくとなると、海外でも鉄スクラップの需要が増えていくのではないと思いますが、その点についてご見解をお願いします。
2:39:30
お答えいたします。今ご指摘ございましたように、国内外におきまして、航路から電路への転換を含め電路の活用が進んだ場合、還元鉄の供給量にもよりますけれども、鉄スクラップの需要が高まっていく可能性があるというふうに考えてございます。
2:39:48
はい、需要が高まっているということで、じゃあどうすればいいかということでいうと、やはりですね、現場の皆さんから言われるのは、日本の鉄スクラップはやはり大事な資源だと。それをどう国内で回していくのか、それをもっと国として努力すべきじゃないのではないかということなんですね。ただ、この点については、先日も私委員会で使用済みの自動車向けの鉛バッテリーが国内でリサイクルされずに海外に出ていってしまう。これ資源の流出じゃないかというようなお話もさせていただきましたけれども、やはり資源として鉄スクラップの輸出を制限するであるとかですね、今経済安全保障推進法で特定重要物資というものを指定することができます。これは国民の生存に必要不可欠な、または広く国民生活経済活動が維持している重要物資について、特定重要物資として指定できるというものでありまして、今回鉄スクラップを原料とする鉄鋼、グリーンスチールがですね、産業競争力基盤強化商品になっているということは基盤なんですから、まさに経済活動が維挙しているグリーンスチールの原料ということで、私は特定重要物資に指定することも一つの方法ではないのかなと思うんですね。もちろん特定重要物資に指定したことですぐ輸出できなくなるというわけではございませんが、こうした物資に指定することで、やっぱり国として鉄スクラップは廃棄物じゃなくて重要な資源なんだということを意思を示すこともできるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
2:41:44
お答えいたします。国内での鉄スクラップの活用を促進していくということは重要でございます。一方で、いわゆるWTO協定との関係では、資源流出の理由だけをもって輸出を制限するということは困難でございます。また、特定重要物資に指定するためには、当該物資の供給を外部に過度に依存している、あるいは供給途絶等の改善性が高いといった経済安全保障推進法上の要件に該当する必要がございます。この点で、鉄スクラップは国内で発生し、その8割程度が国内で利用されているという状況であることから、外部に過度に依存しているとは言えず、供給途絶の改善性も低いということでございます。加えて、仮に鉄スクラップが利用できな い場合においても、鉄鉱石や石炭などがあれば鉄鋼を作ることは可能であることも踏まえますと、直ちに特定重要物資として指定する状況にはないのではないかというふうに考えてございます。
2:42:49
まずはWTOの規定もあって、輸出を制限することはできないということと、供給の途絶の心配がないということで、特定重要物資には入れられないということなんですが、供給はもちろん国内で十分されているというのは私も理解していますけれども、今の国内の規制だと鉄スクラップがどんどん外に出ていってしまうんじゃないかと、その供給ではなくて、出ていくものに対してどう制限していったらいいのか、そこを知恵を絞ってやっていくべきではないかなというふうに思うんですね。最後、今ご答弁に、仮に鉄スクラップがなくても鉄鉱石とコークスがあれば作れるじゃないかとありましたが、電路メーカーは、設備的にそんなすぐ鉄鉱石使って、じゃあ鉄作りますねというわけにはいきませんので、そこのところは本当に供給途絶する可能性がないというふうに言い切れないんじゃないと思うんですが、どうでしょうか。
2:43:57
お答えいたします。国内で鉄スクラップの供給を確保し、その活用を促進していくということは非常に重要な課題だというふうに考えてございます。貿易制限的な措置を取るということにつきましては、WTO上の問題があるため困難であるというふうに考えておりますが、それ以外の様々な手法を活用し、国内での流通を促進していくということが大事だというふうに考えてございます。
2:44:32
国内での流通を促進していくということでいうと、鉄スクラップの購入のところでやはり買い負けることがないように鉄工業への支援を行っていくということが重要だと思います。そうした意味でも、やはり電路メーカーが今回税額控除を対象とならないんですけど、鉄スクラップを購入するための資金とするためにも、グリーンシチールの今回税額対象に電路メーカーも入れて、それでちゃんと鉄スクラップを 買い負けないぐらいの資金を持って鉄スクラップをちゃんと入手していく。そのためにも私はやはりグリーンシチール税額控除の対象に電路メーカーも入れるべきではないかと思いますし、今回生産段階のコストが大きいものをこうした税制の対象にしていると言われますが、厚労を革新的な電路にしたら、同じ電路を使ってものを作るわけですから、スクラップ使います、電気代使います、そこの生産コストは、革新的な電路もまた電路であっても、そう変わるものではないんじゃないかなと、そういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
2:45:55
鉄工業の脱炭素化、これ進めていかなくてはいけないわけですが、そのためには大幅なCO2削減につながる脱炭素化投資を進めていかなくちゃいけないと、その意味では、今般の戦略分野、国内生産促進税制で、鉄工業の中でも最大の排出源である厚労、これも巨額の設備投資をして作ったものをやめて、電路に転換をしていただくという決断をしていただく場合に、この税制をお使いいただこうという発想で講じられるものであります。御指摘のように、鉄スク ラップの需要が拡大をしていくことが想定されるわけですが、その結果取引額の上昇というものも生じる場合があるわけで、そういうことが起こっても、日本の鉄工メーカーが買い負けをしないようにするためには、やはり日本の鉄工メーカーが作った製品が、より高い価値を持つというふうにしていくことが重要で、そのためには、製品単位あたりの排出がどれだけ削減されたのかを示す価値や指標とも言うべき、いわばGX価値をしっかりと見える化をして、GX価値を有する製品に対する需要の創出拡大が進んでいくような市場環境の整備、これが王道ではないかと思います。加えて供給面では国内で利用可能なスクラップの量を一方で増やしていかなくてはいけないと思っていますので、特に高機能な鉄工製品に活用できる品質の高い鉄スクラップは、航路から電路への転換が進むにつれて国内で不足していく可能性があるわけです。こうした問題意識の下で、経済産業省としては、鉄スクラップに混入した不純物を検知して、より高い精度で品質が高い鉄スクラップを分別するための技術開発支援にも取り組んでいるところです。電路で活用する鉄スクラップの安定的な調達が可能になるように、引き続きこうした取組を継続していくとともに、鉄スクラップの需要動向等も見極めながら、必要な対応を不断に検討していきたいと考えています。
2:48:25
いろいろな政策を通じて、鉄スクラップの供給についてもぜひ考えていただきたいということと、今回いろいろ議論させていただきましたけれども、電路メーカーについてはグリーンスチールの対象にならないということで、その上で、やはり電路メーカーは一生懸命皆さん頑張っていらっしゃる。なんで今回外れたのかなというのも、すごくご懸念を示していらっしゃいましたので、電路メーカーについて、今現在の支援策、そして今後どうしていくのか、鉄工業全体ではなくて特に電路メーカーについてはどうなのかについても一点お願いします。
2:49:04
質問ありがとうございました。鉄工業全体の脱炭素工に向けては、高度からCO2排出を大幅に削減することに加えて、当然電路におきましても排出削減を進めることも重要でありまして、そのための電路メーカーによる省エネの取組というものも支援をさせていただいています。具体的には省エネ補助金を活用して、電路メーカーによる効率性の高い設備等への更新をご支援をさせていただいているところであります。この省エネ補助金につきましては、令和5年度補正予算におきまして、今後3年間で7000億円規模で支援をしていくということにしておりますので、こうした予算を活用して引き続き電路メーカーによる省エネ投資をご支援させていただきたいと思っています。また、電路におけるCO2排出削減を進めるためには、ダツ炭素電源による電力供給を増やしていくことが重要です。昨年7月に閣議決定したGX推進戦略では、サイエネや原子力などのダツ炭素電源への転換を推進する方針を明確にしておりまして、ダツ炭素電源の拡大に向けてもしっかり取り組んでいきたいと思っています。加えて、すでに一部の電路メーカーでは取り組みが進んでおりまして、余剰太陽光発電を活用するディマンドレスポンスへの対応など、事業者におけるダツ炭素化やコスト低減に資する取り組みについてもしっかりと促していきたいと考えています。経済産業省としては、これらの取り組みによりまして、電路メーカーのダツ炭素化の取り組みも後押しをしていきたいと考えています。厚労が革新的に電路になっていく、そして電路メーカーもこれからも頑張っていくということで、あとは電気の料金の高さも、これもずっとこの委員会でも言っていただいて、地方交付金を通じた特別交圧への支援、それも実現していただきましたけれども、家庭や公圧への電気料金の補助も終わりましたし、地方交付金を通じた特交への支援も終了している自治体も出てきているということで、これは事業者の皆様からもこうした電気料金への支援、特に国際競争力、日本はまだまだ他国と比べて電気料金が高いですので、こうしたところもどうしていくのか、その点についても考えていただきたいと思います。最後に、この戦略分野国内生産促進税制を使っていくということで言いますと、商品を生産販売する計画を、首務大臣が認定した場合に、その認定から10年間、その措置が受けられるとなっているんですけど、まずこの計画の話、ちょっと確認なんですが、計画が認定をされました。その後に、その生産のための設備を建設していくということになるんでしょうか。
2:52:11
お答え申し上げます。そのとおりでございます。
2:52:15
ということでござい ますと、計画が認定されました。新しい工場を作ります。その建設期間はもちろん生産ができないわけですので、その期間も含めて10年間ということになるんでしょうか。
2:52:33
お答え申し上げます。そのとおりでございます。
2:52:38
ある場合に、当初の計画では、1年間、2年でできるかなと思っていたけれども、いろんな諸事情で、生産設備の建設が思いのほか長くかかってしまったと。5年、6年になっちゃった。あと4年しか生産して、税額向上の仕組みを使えないな、そうなった場合も、そういった点は特に考慮もされずに、とにかく計画が認定されてから10年ですよ、というようなことになるんでしょうか。
2:53:10
お答え申し上げます。ご認識のとおりでございまして、仮にその事業者が認定を受けた後に、生産の開始が遅れた場合には、結果的に事業者が生産販売を通じて税額向上を受けることのできる期間が短くなるということでございます。ただ、こうした制度設計をした意図は、事業者の予見可能性を確保することで投資判断を引き出すという従来の観点と、国内投資を加速するという観点をともに踏まえて設計したものでございます。すなわち、事業者が生産設備を建設導入する期間も踏まえて10年間という極めて長い措置期間を設けつつ、事業計画認定時から10年間の措置とすることで早期の生産開始を促すというものでございます。
2:54:02
この制度で、そういった税制であるということでいうと、もちろん企業は計画が認定されました。早く設備を作って生産したいよね。それは確かに投資を促進するということにはつながると思うんですけど、いくら企 業がそう思っても、生産設備が予定通り建設できるのか。私はここに課題があると思っておりまして、4月にある日経の記事で、大型電路が2030年に間に合わないといったものが出ておりました。今、鉄鋼能手は2030年という目標を掲げて、大型電路の研究開発をやっているんですけど、こうした電路向けの電源設備を手掛けている電気メーカーによると、今、熊本や北海道で半導体工場の建設ラッシュで、電気設備の遮断機とか変圧器の需要が増えて、納期がすごく伸びているそうなんですね。もちろん、こうした電気設備、電路の稼働にも必要になってきます。まず、こうした設備が足りるのかという話、半導体の工場を受けた影響ですね。もう一つが、皆さん、この鉄鋼会社がこの計画を認定してもらおうというふうになりますと、鉄鋼会社が同じタイミングで大型電路を作っていくということにもなりますので、注文が集中するのではというような危惧もあるんです。その点、この生産設備を建設するための供給力をどう国内で強化していくのかというのが重要になると思います。この点、いかがでしょうか。
2:55:45
お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、戦略分野国内生産促進税制の効果を最大限発揮させるためには、税制の対象になっている製品もそのものもそうでございますけれども、それにつながるサプライチェーンのところも含めて、国内の供給能力強化が進むことが重要だと思っております。本税制により対象となる戦略分野の国内投資を実現し、生産を拡大することで、サプライチェーンを通じた波及効果として、物素材等への発注や供給の確保を拡大、さらにそのために関連の設備投資もまた生んでくるというところもあると思っておりまして、波及効果を生じさせることがこの税制を通じてできるのではないかと思っております。そういうことでございますし、さらに産業競争力強化のためのサプライチェーン構成する中小企業への対策ということでありますと、県産所としては革新的な製品サービスの開発ですとか、ITの導入、人手不足に対応した省力化投資などについても取り組んでいるところでございまして、こうした取り組みにつきまして、サプライチェーン全体で国内投資の拡大を図りまして、それによって国内の供給能力も強化をし、ということができるように積極的に産業政策を展開してまいりたいと考えております。
2:56:59
今、供給力強化についていろいろな取り組みがされているということなんですけれども、先ほど記事でご紹介した電気設備の話でいうと、そこの部分が特に今足りないというような話になってきたときに、どうやって生産を増やしていくのというのは、なかなか簡単にはいかないと思います。今、いろんな事業が潮目のときですので、立ち上がっているときに、工場を建設したくても、なかなか思うように設備が納入されないよね、といったことは起き得ると思うんですね。このような生産販売をする事業者の責任ではない、自由のために生産が遅れて、想定されていた税額控除が行えないとなると、やはり事業に支障が出る可能性も私はあると思います。今回、今日お話をお聞きしました税額控除の額を為替に影響関係なく10年間同じにしますよというのも、企業の予見可能性を高めるためですという意味でいうと、企業は計画を立てて、これぐらいで工場を建設して、残りの期間生産をして、これぐらい税額控除を受けられるだろう。その予見が生産設備の建設の遅れによってですね、崩れる可能性が出てくるわけですよ。このような生産設備建設の遅れによって、事業者の責めによらない理由によって生産販売が遅れた場合というのは、私は税額控除の措置の期間を延長するべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
2:58:47
先ほども申し上げた通りなんですが、今の制度設計においては、先生、委員御指摘の点について、この期間を延長するということについては、今のところ考えてございません。
2:59:02
本当に延長しなくていいのかなというふうに思うんですけれども、ちょっと大臣、いかがでしょうか。よろしいですか。
2:59:13
問題意識はよくわかるんですけど、何か本当に本人の責めによらない重大な出来事が突発的に起こったようなケースにおいては、その都度考慮する必要はあると思うんですけど、通常の範囲内であれば、この制度の趣旨を貫いていきたいなと思っています。
2:59:38
今、こういった電気設備が納期がどうなのかというような話が出ている中で、日本の供給力が不足しているのであれば、海外のメーカーが日本に入ってくるんじゃないかというような懸念があるそうなんです。今日お話しあったように、もう期間が延長できないということであれば、じゃとにかく工場を作らないといけないよね。じゃ日本の製品が納入できないのであれば、海外の製品を入れるしかないと。じゃないと税額控除が受けられないというような事態も、私は起こり得るのではないかと思います。この計画を認定していく上で、海外の製品を使うのか、そういったチェックもされる予定ではあるのでしょうか。
3:00:31
使用される製品について国内産なのか海外産なのかということについては、現行の制度ではそこは問わないということでありまして、いずれにしましても、申請者から出される投資計画の内容を、下大臣が認定するということになっております。
3:00:54
私はサプライチェーンを含めた国内の投資を促進していくという意味では、その生産設備の建設をどこが担うのか、どういった製品を入れていくのかというのも、本当にこの税制を通じて国内の産業が盛り上がっていくのかというのを見ていく上で重要なところだと思います。なので今日、いろいろこの税制について深くお聞きをさせていただきましたけれども、やはり日本の産業が成長していく、そのための税制になっていくようにですね、お願いをしまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。この際、委員の異動についてご報告いたします。本日石井明君が委員を辞任され、その補欠と して梅村水穂君が占任されました。34567、123456、OKですね。
3:01:52
公明党の里見隆二でございます。産業競争力強化法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。まず前提となります、産業政策の政府の関わり方、基本的スタンスについて、冒頭、斉藤大臣にお伺いをしたいと思います。今回の法改正につながりましたのは、その背景として経済産業省の産業構造審議会の経済産業政策新規軸部会の議論がございました。私も政務官のときに何度か委員また有識者の皆様から貴重なご意見をいただき、まさに最先端、新規軸の議論を頂戴してきたところでございます。この部会におきまして、一昨年の6月に中間報告を取りまとめられ、それが今回の法律の原型になっているというふうに承知をしております。この中間整理に私、注目をしております。今回のまさに何が新規軸なのかというその考え方が述べられております。ここでちょっと長くなるんですけれども、引用させていただきたいと思います。不確実性が高まる中で、過去の構造改革アプローチでは民間による成長投資が進まなかった点に鑑み、中長期の社会・経済課題の解決を目的とした産業政策、(ミッション志向の産業政策)政府が積極的に市場創造に関わり、リスクを負い(企業型国家)とありまして、そして政府による大規模長期計画的な支援により民間投資を呼び込む(クラウドイン)とありまして、こうしたアプローチで経済産業政策を見直したというふうに考え方が述べられております。私なりに言い換えますと、従来の政府の失敗を懸念して市場機能を重視してきたという、それまでの構造改革路線を転換して新規軸として打ち出したのは、その裏側として不確実性への対応に政府の不作為を懸念して、政府が市場創造する、政府がリスクを負い投資する企業化国家というふうに受け止めております。教科書的にといいますか、経済学的にいろいろ勉強しますと、まさに産業政策というのは、市場と政府の間をどう取っていくのかということで、このバランスをどう取るのかということが重要だと思います。そういう意味で、この近年の様々な産業政策ということを考えますと、この重要、バランスを取っていくというよりも、最近、この近年、お隣の三浦信博さんも経済安全保障ということで、党内で非常に引っ張っていただいている方なんです けれども、この経済安全保障という概念、あるいは政策も進み、今回の新基軸というような、政府の役割に非常に重きを置く、そうした傾向が出ているんじゃないかなと。これは日本だけではなくて、まさに国際社会全体の潮流の中で、私たちこの政府の産業政策も、その方向性を変えてきている、そういうことだと思います。そういう意味で、これはまだ何か一時的に、この瞬間ということではなくて、何十年単位の中での潮流だと思います。私なりにこれは、先ほど、重要とかバランスというふうに言いましたけれども、これは別に、どっちを取るというものではありません、ということだと思います。むしろ、どちらも取る、両立をしていくという意味合いであろうかと思いますけれども、こうした基本的なスタンスについて、大臣の御認識を伺いたいと思います。
3:05:33
産業政策につきましては、当然ながら、政府が講じる政策だけではなくて、市場機能の活用ということでいえば、双方重要だろうと認識しています。過去の日本 を振り返りますと、1980年代までは、伝統的な産業政策、いわば官主導ともいわれる政策を展開をしてきておりまして、一方で、1990年代以降は、民間主導という考え方のもとで市場を重視、政府としては規制緩和などの市場環境整備策を中心とした政策を進めてきたものの、結果的には、政府として新たな価値創造に向けた取組が不十分となってしまったという面があったんだろうと思います。結果として、企業を足元の利益の確保のために、賃金や成長の原点である国内投資を抑制をしてきました。つまり、民間企業、すなわち市場機能だけでは必ずしも期待していたほどには、経済成長できなかったという認識であります。こうした反省と、世界的なマクロ環境変化を踏まえて、経済産業政策の新規軸と称して、産業政策を強化する姿勢に転換をしてきているわけであります。具体的には、政府は民間市場だけでは進みにくい社会課題の解決に向けて、大規模長期計画的に、予算税制だけでなく、規制制度改革といった民間市場を活性化させる取組も含めまして、あらゆる政策を総動員していこうとするものであります。一番明らかにするのはGXだと思うのですが、経済合理性だけ考えれば、なかなか民間企業は高コストのものを取り組もうとしないわけでありますが、政府が方向性を示 し助成をし、長期的にコミットすることによって、それに乗っかっていこうという機運が出てくるわけでありますので、社会課題解決に向けてというのは、そういう趣旨なんだろうと思います。こうした取組は、市場を軽視しているということではなくて、むしろ政府の取組を読み見ずに、民間の予見可能性を高めて、リスクをとって挑戦する企業の取組を生み出していこうということを目的としているわけであります。市場を通じて企業がより成長できるように、政府も一歩前に出て積極的に取り組んでいきたいと考えています。
3:08:06
大臣、ありがとうございます。まさに市場もしっかりと重視しつつ、むしろ政府がしっかりとリスクをとりながら、前に出て、そして民間も引っ張り、引っ張るというよりも官民協調して国際社会に越していくと、そういう意味で今回重要な法律案であるというふうに受け止めております。もう一点大臣にお伺いしたいんですけれども、国内の政策と合わせて、国際的な視野の中で、海外との関係性というふうに見ますと、例えばアメリカではインフルエンザ削減法、TIPS法、また欧州ではグリーンリール産業計画など、戦略分野の国内投資を強力に推進する世界的な産業競争政策が活発する中で、日本も世界に越して競争できる投資促進策が必要だと、これはもう今回も何回もご答弁いただいているとおりでありますが、それに国益にかなっていると、そういうふうに理解をしております。ただ、これあえて申し上げますと、各国がそれぞれの国益、自分のためだけの利益に走ると、国際社会全体一つでどうなるのか、そのこともよく考えておかなければなりません。自由で公正な貿易秩序という観点で言いますと、その前提となるWTO協定等の国際ルールとの整合ということにも留意する必要があると思います。そもそもWTOには、さまざまな現時点でも、これだけでなかなか国際的なルールがお約束ごととして成立しない、運営できていないという課題もありますけれども、理念的には非常に正しい方向性を目指していると思います。そうした中で、WTOの補助金協定については留意しておく必要があるのではないかというふうに思います。このWTO協定に よりますと、補助金、これは読み方によって減税措置も含まれるということでありますが、結局、これが、この補助金が自由競争、売却をし、また、輸出先の国内産業に損害を与えるなどということになりますと、先方、輸出先から総裁関税を付加してもいいですよというのが、これはルールですし、もっとひどい状況になれば、提訴されたりといったリスクも考えられます。このリスクというものも、国内政策として考えなければなりませんし、また、国内だけではなくて、この国際ルールをいかに構築していくかということを考えますと、それぞれの主要国が、それぞれの力に応じて過度に補助をするというようなことの、その競争になってしまっては、国際経済に非常に大きな影響が、ネガティブな影響が出てしまうのではないかというふうに思います。この点、斉藤大臣の御認識、お考えを伺えればと思います。
3:10:55
補助金は、正当な公共政策目的を達成するためのツールとなるわけでありますが、一方で、貿易、売却的なもの ともなり得るということでありますので、WTOでは補助金について一定の規律を設けているわけであります。例えば、輸入品よりも国産品を優先して使用することを条件とする補助金、こういったものは禁止をされていますし、また、補助金を受けた産品の輸入によって、輸入国の産業に損害が生じた場合は、輸入国は一定の手続の上で補助金額の範囲内で関税を引き上げるということを認められているわけであります。日本におきましては、様々な産業政策に関する制度を設計する際には、このWTO整合性にも十分に配慮してきておりまして、日本の投資促進のための補助金につきましても、国際ルール上問題ないものとなっていると考えています。例えば、今回の産業競争力強化法改正で追加された税制上の優遇措置や、日本の半導体補助金についても、WTO協定で禁止されている補助金には該当せず、WTO整合的と認識をしています。また、ご指摘のように、他国の市場売却的な補助金に対応すべく、日本としてもG7、OECD、WTOなどにおいて問題提起を重ねてきているところであります。例えば、昨年のG7貿易大臣会合では、市場売却的な補助金等への対応につきまして、ツールやルールの活用強化を進めることを確認をさせていただきました。また、引き続き有識国間の連携強化と、より幅広い国への問題意識喚起、こういったも のに取り組んでいきたいと考えています。
3:12:46
大臣、ありがとうございます。こうした基本的な認識に立って、あとは政府参考人の皆さんに、各論について質問していきたいと思います。まず、戦略分野、国内生産促進税制についてお伺いしたいと思います。何度か論点が出ておりますので、重なるところもあるかもしれませんが、御容赦ください。この税制の対象となる、法律上は産業競争力基盤化商品ということで、新たに定義がなされております。具体的には、エネルギーの利用による環境への負荷の低減に特に資する半導体ですとか、あるいは電気自動車等、グリーンスチール、グリーンケミカル、サフなどを対象としているということで、今後、これは法律上で詳細には決まっておりませんので、今後は正商令で定めるということになっています。この対象となる商品の考え方をお伺いしたいと思いますが、併せて、これ当初、蓄電池も入るんじゃないかとい うようなお話も聞いておりましたが、こちらは対象とならないということ、これは先ほど答弁がありまして、予算措置、補作年度、補正措置をされているということでありますが、こうして予算で措置するもの、また今回の税制で措置するもの、この辺の目的とまた政策手法ですね、これについての関連について考え方を整理してお答弁いただければと思います。
3:14:13
お答え申し上げます。本税制の対象分野につきましては、欧米をはじめ各国がGX、DX等の戦略分野における投資促進策を次々と打ち出してきている中、我が国においても戦略分野の中でも特に生産段階でのコストが高い等の理由から、投資判断が難しい分野について、新たに国内投資を強力に推進する観点から選定をしております。他方で投資促進策には様々な手法があります。分野ごとの特徴や既存の制度なども踏まえて、効果的に講じていくことが重要であるというふうに考えておりまして、