6:51
この際、日程に追加して出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案、
7:05
及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案について、
7:30
提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。
7:56
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案、及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。まず出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。我が国に在留する外国人の数は既に300万人を超え、その多くが在留カード、または特別永住者証明書のほか、個人番号カードを所持している状況にあります。しかし現在、これら個人番号カードを所持する外国人は、在留カード等と個人番号カードに関する手続きを、それぞれ別の行政機関において行う必要があり、煩雑な手続きを余儀なくされております。我が国に在留する外国人の数は今後も増加し、さらに多くの外国人が個人番号カードを所持することが見込まれるところ、在留カード等と個人番号カードを一体化し、我が国に在留する外国人の利便性を向上させて、その生活の質を高め、我が国を外国人に選ばれる国にするとともに、行政運営の効率化を図ることが求められています。この法律案は、こうした状況に対応することを目的とし、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正するものであります。この法律案の要点を申し上げます。住民基本台帳に記録されている中長期在留者または特別永住者が個人番号カードとしての機能を付加するための措置が講じられた在留カード等である特定在留カード等の交付を求める申請を行うことができるようにし、在留カード等と個人番号カードに関する手続きを地方出入国在留管理局または市町村において一元的に処理することを可能とするとともに、在留カード等の記載事項及び有効期間を見直します。このほか、出入国及び在留の公正な管理に係る電子的記録の取扱いを明確化するなど、所要の規定の整備を行うこととしております。続きまして、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。近年の我が国の労働力不足は深刻であり、外国人材が経済社会の重要な担い手になっている一方で、国際的な人材獲得競争は一層激しさを増している状況にあります。こうした状況や、これまでの技能実習制度及び特定技能制度をめぐる状況を踏まえ、我が国が魅力ある働き先として選ばれる国になるという観点から、外国人が我が国で就労しながらキャリアアップできるわかりやすい制度に改めるとともに、人権侵害等の防止、是正等を図り、我が国の人手不足分野で活躍できる外国人材を確実に育成することとしております。これにより、外国人材を全国に集中して、国際的な人材を育成することができるよう、我が国が必要としていると考えております。この法案は、外国人材の育成、出入国管理及び難民認定法、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正するものであります。この法律案の要点を申し上げます。まず、育成就労の在留資格を創設するものであります。この育成就労産業分野とは、特定産業分野のうち、その分野に属する技能を我が国において、就労を通じて習得させることが相当な分野というものであります。第二は、いわゆる技能実習法の題名を、外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律に改めるとともに、法律の目的として育成就労産業分野において、人材を育成し確保することを明記するものであります。第三は、政府は育成就労産業分野の選定や、その分野において求められる人材に関する基本的な事項等を基本方針として定めることとするものです。この基本方針に則り、私務大臣及び育成就労産業分野を所管する関係行政機関の長等は、共同してその分野において求められる人材の基準に関する事項等を分野別運用方針として定めることとするものです。第四は、外国人ごとに作成する育成就労計画の認定の仕組みを定めるものです。具体的には、業務、技能、日本語能力等の目標や内容、外国人が送り出し機関に支払った費用の額等に関する基準など、適正な受入れのための認定の基準等を定めるものです。第五は、技能実習制度においては、やむを得ない事情がある場合に限って、実習実施者の変更を認めたところでございますが、一定の要件の下で、育成就労外国人の意思による育成就労実施者の変更を可能とするものです。第六は、管理支援事業を行う管理支援機関を設けるとともに、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護を図るた め、機能を十分に果たしていない機関を適切に排除することができるよう、その基準等を定めるものであります。第七は、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護等を図るため、外国人育成就労機構を設けることとするものです。同機構においては、育成就労実施者の変更等を支援するための育成就労外国人と育成就労実施者との間の雇用関係の成立の斡旋等の業務や、一号特定技能外国人に対する相談対応等の業務を行わせることとするものであります。第八は、将来的に長期にわたり我が国に貢献する人材を確保する観点から、法務大臣が永住許可をする要件を一層明確化するとともに、要件を満たさなくなった場合に他の在留資格へ変更する措置等を講ずるための規定を設けるものです。このほか、一号特定技能外国人支援計画の委託先を登録支援機関に限ることとするなど、所要の規定の整備を行うこととしております。政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において不足に一部修正が行われております。第一は、政府は育成就労制度の運用にあたっては、育成就労外国人が大都市圏等に過度に集中して就労することとならないように、必要な措置を講ずるものとすることであります。第二は、政府は管理支援機関及び育成就労実施者が、育成就労外国人の人権及び労働環境に十分配慮しつつ、育成就労実施者の変更 、労働者派遣等管理型育成就労に関する事務を適切かつ円滑に実施できるよう、関係機関の連携強化等の必要な措置を講ずるものとすることであります。第三は、政府は管理支援機関が管理型育成就労実施者から独立した中立の立場で管理支援業務を行うことができる体制が確保されていることを確認するために、必要な措置を講ずるものとすることであります。第四は、政府は本邦に在留する外国人に係る社会保障制度、高層効果の支払いに関する事項、永住許可及び在留資格の取消しに関する規定等の趣旨及び内容について、本邦に在留する外国人及び関係者に周知を図るものとすることです。第五は、永住者の在留資格の取消しに係る規定の適用に当たっては、従前の高層効果の支払状況及び現在の生活状況等に十分配慮するものとすることであります。第六は、政府はこの法律の施行後3年を目途として、育成就労制度の運用状況の検証等を行い、必要な措置を講ずるものとすることであります。以上が、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
17:58
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
18:39
自由民主党の和田正宗です。自民公明を代表し、ただいま議題となりました法案について質問をいたします。外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ、国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的としています。そのような中、国際貢献を目的とする技能実習制度が、特に深刻な人手不足に直面している事業分野での外国人材の確保のために活用され、技能実習生数は昨年約40万人となりました。技能実習の制度目的と運用実態が乖離している状況のままにはできません。労働時間や賃金支払いに関連する違反行為等が散見されるほか、技能実習生の失踪数も改善されていません。また、この技能実習生失踪の背景の一つとされる技能実習制度での原則3年間の転職負荷は、技能実習の実効性を担保するために行われてきましたが、国際的な批判も浴びています。そこで今回、技能実習制度に代わり育成就労制度が導入されることとなりますが、ここまで政府において技能実習制度の評価についてどのような議論が行われ、新たな制度創設に向けた方向性が示されることに至ったのか。人権を踏みにじる不適切な職場や外国人が送り出し機関に支払った多額の費用、悪質な転職ブローカーの関与等に対する具体的な対処も含めて法務大臣にお尋ねします。また、新たに創設される育成就労制度では、やむを得ない事情がある場合の転職の範囲を明確化し、本人の意向による転職も認めることとなりますが、農業や漁業などの現場や地方の事業所では、技能を習得しても賃金のより高い都市部に人材が流出してしまう心配が絶えません。そこで、今回の法案では、どのように転職の希望と地方や業種からの要望という双方のバランスをとったのか、この点についても法務大臣にお伺いします。育成就労制度が成果を上げるには、その枠組みで入国した外国人材が技能等を身につける努力ができる環境整備が大切です。例えば、日本に来てまだ間もない外国人材が日本語の能力を向上させたいと考えた場合に、その習得ができる環境が必要で、それが孤独化させないことや日本のマナーを深く知ることにつながります。そこで、特に地方に少ないと言われる日本語講座の充実や、外国人材が悩んだときに相談ができる体制の整備など、孤立化させないためのサポートや、日本文化やマナーの学びの機会構築にしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、国として関係府省と連携しながら自治体の取り組みを支えてほしいと考えています。一方、外国人によるトラブルについては、その懸念を指摘する声があることから、現在の我が国での日本人外国人の犯罪件数と起訴率を踏まえつつ、外国人犯罪やトラブルの撲滅に向けた取り組みを進めていくことも大切です。その上で、我が国の治安の良さを守り抜き、全ての人々が互いに尊重し合い、安全安心に暮らせる社会を実現していくという決意を総理にお伺いします。育成就労制度は、指定された特定の産業分野での基本的に3年間の育成期間で、人材の育成とその確保を進めるものです。企業が外国人を正規に雇用する仕組みとして定着している特定技能1号に移行すれば、将来は在留期間の更新回数の制限がなく永住許可申請も可能となる特定技能2号に移行することも可能ですが、それには実務経験や高い技能を求める試験をクリアしなければなりませんし、育成就労制度の導入でこれらの制度が変更されるわけではありません。このように新たな制度は、入国の時点でいわゆる永住権を有することとなる移民の解禁ではありません。国民の人口に不指して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していく移民政策でもないことは明らかです。この点を総理に確認いたします。現行制度上、既に永住を許可された外国人に対しては在留期間更新時等の活動状況のチェックがなく、永住許可申請時と明らかにバランスを変えています。これため今回の法改正では永住許可の要件を一層明確化し、その要件を満たさなくなった場合等の取消し自由を追加することで永住許可制度の適正化を図ることとなります。今回在留外国人に常時携帯義務がある在留カードとマイナンバーカードが一体化された特定在留カードが創設されることとなり、行政機関での手続の一元的処理も可能となりますが、最近では在留カード偽造の摘発が相次いでいるほか、偽造マイナンバーカードを悪用した不正利用被害も発覚していることから、これも防げなければなりません。そこで永住許可の要件を満たさなくなったと判断される自由として、高速豪華の不払いが挙げられていますが、税金や社会保険料を含めてどのようなケースが含まれるのか、特定在留カードの偽造、悪用なども含まれるのか、これらについて法務大臣の所見をお伺いして私の質問を終わります。
25:30
和田政宗議員の質問にお答えいたします。安全安心に暮らせる社会の実現についてお尋ねがありました。日本人と外国人が互いを尊重し、安全安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールに則って外国人を受け入れ、適切な支援等を行っていくとともに、ルールに違反する者に対しては厳正に対応していくことが重要だと考えます。政府としては、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ等に基づき、外国人との共生社会の実現に向けた取り組みを着実に進めてまいります。育成就労制度と移民政策の関係についてお尋ねがありました。政府としては、国民の人口に必して一定程度の規模の外国人及びその家族を、期限を設けることなく受け入れることによって、国家を維持していこうとする、いわゆる移民政策をとる考えはありません。本法案で創設する育成就労制度は、原則として3年間に限って外国人を特定技能1号の技能水準に育成するために受け入れるものであり、特定技能制度と同様に、人手不足分野に限って上限を定めて受け入れることを行うこととし、かつ家族の帯同を認めないことなどからすれば、いわゆる移民政策には該当しないと認識をしております。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
27:49
和田雅宗議員にお答えを申し上げます。まず育成就労制度についてお尋ねがありました。技能実習制度については、不適正な受入れ機関や監理団体の存在、不当に高額な送り出し手数料を徴収する送り出し機関の存在などの課題が指摘をされております。政府の有識者会議において幅広い論点について議論が行われ、これを踏まえ、本法案では育成就労制度を創設し、監理支援機関の独立性、中立性の確保、外国人が支払う手数料等が不当に高額とならないようにするための仕組みの導入、不法就労助長罪の法提起への引上げといった工作を講ずることとしております。その上で本人以降の転職については、外国人の権利の適切な保護や受入れ機関の人材流出の不安への対応などを踏まえ、一定の要件を満たす場合に限り、これを認めることとしております。また、続いて永住許可制度の適正化などについてのお尋ねがありました。本法案では故意に高速公課の支払いをしない場合や、特定の刑罰法令違反により、公勤刑に処せられた場合など、一部の悪質な場合について、 永住者の在留許可を、資格を取り消すことができることとしております。また、永住者が特定在留カードを偽造等した場合については、個別の事案に応じ公文書偽造等により公勤刑に処せられたときには、在留資格を取り消すことができることとしているほか、在留カードの偽造等に当たるときには、直ちに、退去強制事由に該当することとなります。
30:28
立憲民主党の石橋みちひろです。会派を代表し、ただいま議題となりました法律案につき、岸田総理及び小泉法務大臣に質問します。はじめに岸田総理に問います。歴代自民党政権は、なぜ、現代の奴隷制度、人身売買と国際的に強く批判されてきた外国人技能実習制度を、今の今まで抜本改革をせず、問題を先送りにし、労働法令違反や人権侵害などの問題を深刻化させてきたのでしょうか。その政府の不作為によって、これまで人権侵害の犠牲になってきた多くの技能実習生に対して、真摯に謝罪する気持ちはあるのでしょうか。あるのであれば、まず謝罪してほしい。ご答弁ください。実際、技能実習制度の下では、多くの実習生が人権侵害や労働法令違反の被害 に遭ってきました。2016年の技能実習法審議の際、私たちはすでに技能実習制度の制度的構造的な問題を指摘し、美宝策では問題解決はできず、抜本改革をすべきだと強く訴えました。しかし、時効政権は適正化を図るから大丈夫だと言い張り、実効性に乏しい改善策の下で、技能実習生の受入枠を拡大させたのです。案の定、技能実習生に対する深刻な人権侵害はなくならないばかりか拡大し、失踪者は年9000人にまで増え、絶望して自ら命を絶つ実習生まで出てしまいました。夢と希望を持って日本に来てくれた若者が、失望して帰国し、絶望して命を絶つような制度で、日本が選ばれる国になれるはずがありません。外国人労働者を労働者として保護せず、期間限定の使い捨てにするような制度では、深刻な人手不足に苦しむ地方や産業分野を支えてくれる若者たちを受け入れることはできないのです。総理、今回の法案提出にあたって、政府は技能実習制度の向上的根源的な問題は何だと分析されたのですか。そして、政府は育成就労制度によって、それらの問題を完全解決し、失踪者も自殺者ももう決して出せないと約束ができるのでしょうか。お答えください。しかし、極めて残念ながら、私たちには今回の政府案が現行制度の抜本改革になっているとは到底思えません。以下、政府案の重大な問題点を具体的に指摘し質問します。政府案は、制度の名称が育成就労制度に変わるだけで、送り出し国側の送り出し機関が、日本側のこれも名前を変えただけの管理支援機関と連携して、育成就労希望者を日本に送り込み、育成就労計画の下で育成するという基本構造は全く変わりません。総理、育成就労制度は技能実習制度の単なる看板の掛け替えであり、これでは構造的な問題は解決できないとの批判にどう答えるのでしょうか。また、そもそも育成就労制度の下で日本に来る外国人は、一体権利が保障された労働者なのですか。それともこれまでの実習生と変わらない育成就労生なのですか。ご説明ください。政府案は現行制度の最も根源的な問題とされている送り出し国側及び日本側双方での民間団体、ブローカーの介在をそのまま制度として残しています。民間団体、ブローカーは必ず儲けを出そうとします。儲けがなければ運営できないし、制度に関わるメリットがないからです。では総理、育成就労制度の下で送り出し機関や管理支援機関は、一体誰から収入、利益を得るのでしょうか。先日の参議院厚生労働委員会での私の質問に対し、法務大臣政務官が明確に送り出し機関や管理支援機関は、現行制度と同様に育成就労生や雇い主からお金をもらって運営するのだと答弁しました。つまり技能実習制度と全く変わらない制度であることを政府自身が認めているのです。全く改革になって いないじゃないですか。政府が労働者保護の責任を放棄し、労働を民間の市場経済、競争原理に委ねれば、労働者からの搾取や権利の侵害が起こることは、歴史が私たちに教えてくれています。しかしこの30年、歴代時効政権は技能実習制度を国際貢献策だとごまかして、責任を民間に丸投げし、技能実習生の権利侵害や搾取を放置してきたのです。その失敗を真摯に反省しているのであれば、日本での就労を希望する労働者が、手数料や事前研修費用などと称して多額の支払いを求められ、借金、債務を背負うことを明確に禁止すべきです。総理、ご答弁ください。また、労働者が多額の借金を背負わされて、債務奴隷のように扱われることを防止する本気の決意があるのなら、この制度の下で日本で就労する際にかかる所費用を、すべて日本側が負担する制度に改革すべきです。なぜそうしないのか、法務大臣、ご答弁ください。現行制度では、技能実習生が借金、債務に縛られ、実習先も自由に変更できない制約がある中で、待遇改善を求めたり、自らの権利を行使しようとした実習生が、監理団体によって強制帰国させられるという最悪の人権侵害が横行してきました。このような強制帰国は明確に禁止すべきだと考えますが、総理の見解をお示しください。同様に、労働者の当然の権利である恋愛や結婚、出産の自由も侵害され続けてきました。妊娠したら、妥体を強要され、強制帰国になる。それを避けるために、妊娠の事実を誰にも相談できず、黙って一人で亡くなってしまった赤ちゃんを、自ら弔ったばかりに、不当にも死体遺棄罪で起訴された実習生もいます。最高裁では無罪になりましたが、このような深刻な人権侵害問題が起こってきた不幸な事実を、私たちは決して忘れてはなりません。育成就労法案第48条2項には、育成就労関係者は、育成就労外国人等の外出、その他の私生活の自由を不当に制限してはならないと規定されていますが、性恋愛や妊娠・出産及び育児の自由は当然に保障されるという理解でよいか、法務大臣、確認を願います。政府がこれまでの反省に立ち、外国人を正しく労働者として受け入れ、保護する制度を構築しようとするのであれば、国内労働者と同等の権利を保障し、制限は極めて限定的にする制度でなければなりません。ところが政府案では、特定技能1号も含めると、最長8年間もの間、家族态度の自由が制限され、家族からの切り離しが強制されます。総理、これは人権侵害ではないのか、なぜ政府与党は家族態度を認めないのか、認めたくないのか、ご説明ください。また、技能実習制度で転職の自由が制限さ れていたことが、人権侵害だと批判されてきたにもかかわらず、育成就労制度でも現行制度よりは緩和されているとはいえ、結局は自民党内での法案審査の過程で要件が厳しくなり、分野によっては最長2年まで転職が認められない制度になっています。制度上、管理支援機関が労働者の転職を適切に支援せず、現実的にはほとんど転職ができない可能性があることも含め、労働者の権利が大きく制限され続ける問題をどう正当化するのか、岸田総理お答えください。今回の政府案は技能実習制度の抜本改革どころか、現行制度から人権尊重の観点でむしろ交代させる深刻な問題が2つも含まれています。その1つが技能実習制度では認められていなかった派遣労働について、農業漁業分野で法律ではなく省令で分野を決めて解禁することです。入管庁によれば育成就労制を受け入れる事業主が派遣元事業者としての許可を取得し、派遣元事業者に課せられた責務を果たしつつ派遣事業を営む制度だとのことですが、経験のない中小零細事業主に適正な派遣事業の運営など不可能です。派遣事業を営めばマージンを取って理順を得ることになります。派遣労働を可能にすることで育成就労制が二重三重の搾取の犠牲になる可能性があり、派遣元と派遣先の雇用主責任の押し付け合いなど派遣労働のマイナス影 響の実害を受けることになります。派遣期間中の賃金は民民の派遣契約に委ねられ、非払い賃金制すら可能だというのは全くとんでもない話です。派遣は絶対に認めるべきではなく撤回すべきです。菅総理の答弁を求めます。深刻な問題のもう一つは永住権の剥奪を可能にするという国際人権を踏みにじる、暴挙としか言えない条項を盛り込んできたことです。政府案の永住権剥奪要件がひどいのは、高所高下大能で取り消される可能性があることだけでなく、法文上、警備な義務違反、それが無過失であっても永住権を剥奪できる制度になっていることです。何十年もかけてようやく得た永住許可が、在留カードの付形態などの警備な義務違反で取り消されるのは、人権侵害とか異様がありません。しかもこの暴論は、そもそもの有識者会議の提案には含まれておらず、自民党内の審査において、育成就労で永住者が増えたら大変だという一部議員の主張で、突如盛り込まれたと伝えられています。極めて深刻な差別主義、排外主義であり、強く非難されて叱るべき暴論です。高所高下の対応だろうが、警備な義務違反だろうが、日本人であろうが外国人であろうが、同じ法で平等に裁けばいいだけの話です。外国人に対してだけ、生活基盤となる永住権を剥奪する正当な理由は、どこにもありません。これは、自民党・公明党が永住外国人を同じ生活者であり、同じ人として見ていない証査であり、所詮、育成就労制を強制社会の担い手、支え手として受け入れるつもりなどないことの証明なのではないでしょうか。この暴挙によって、永住外国人の安心が奪われるだけでなく、間違いなく差別や偏見を助長します。こんな人権侵害を許せば、育成就労だけではなく、高度人材を含めて、日本はますます選ばれない国になり下がります。菅総理、まずは永住者に謝罪した上で、この永住権剥奪条項は断固削除撤回すべきです。明確に御答弁ください。立憲民主党は、衆議院の審議に際し、対案として、外国人労働者安心就労法案を提出しました。私たちは、この議員立法の検討に、3年以上かけ、技能実習制度の問題点を徹底的に洗い出し、勧告をはじめ、諸外国の制度を研究して、さらには技能実習制度の被害当事者や弁護団、支援団体の皆さんと真摯な協議を積み重ね、国際人権法に準拠し、外国人労働者を労働者として受け入れて保護し、生活者としての安心を確保する制度を提案しました。ブローカーの開催を排除するために、公的な雇用許可制度とし、労働者が多額の借金を抱えて日本に来るような問題をなくし、就労開始 から2年後には、転職転席の自由や家族帯同の自由も認める、高いレベルで人権を保障した制度であり、担い手不足に悩む地方や産業分野に、より多くの外国人労働者が中長期に定着し、活躍してくれることを支援する制度です。総理、私たちの安心就労法案こそ、地方にとっても、産業界にとっても、そして日本の未来にとっても、必要な制度だと思われませんか。10年後に、政府の育成就労制度は大失敗だったと批判される前に、私たちの案をベースにして、制度設計を一からやり直しませんか。ご答弁ください。1990年代以降、この30年余り、歴代時効政権の失勢によって、日本では非正規雇用が拡大し、状態化して、先進国で唯一賃金が上がらない国になり下がり、直近の岸田政権下でも、なんと24ヶ月連続して実質賃金が下落を続けています。もはや、1人当たりGDPは世界34位、国際競争力は35位、幸福度ランキングは直近で世界51位になり下がってしまったのです。異常な円安にも、岸田政権が無策を続ける中で、日本に来ても稼げない、仕送りもできない、その上、差別や偏見に晒される、だったらもっと高賃金で、安心して活躍ができる、他の国に行きたいと思うアジアの若者が増えていくのは、残念ながら当然のことです。人口減少が加速し、担い手支え手不足が深刻する中で、外国人労働者が日本に来てくれなくなったら、もはや経済も地域社会も福祉も農林漁業も維持できません。それでもなお政府与党の皆さんは、国際的に間違いなく人権侵害と非難される制度改悪を、このまま進めようとするのですか。未来への責任を果たすつもりがあるのか。あるのであれば、その具体的なビジョンを含め、総理、説明ください。最後に、総理、今、政治がやるべきは、外国人労働者を労働者として受け入れ、権利を保護し、生活者としての安心の安全を確保することです。日本が好きで、日本に来て長期に滞在して頑張ってみたい家族を迎え子供を授かり、日本社会経済の担い手として活躍したいと思ってくれる外国の若者たちが、安心して長期に在留し、希望を持って活躍してもらえる国づくりをしなければ、日本の未来はありません。自公政権にその責任を、責務を担う気がないのであれば、私たち立憲民主党がその役割を責任を持って担っていきますので、さっさと政権から外野していただくことをお願い申し上げ、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。
46:31
はい、石橋道博議員のご質問にお答えいたします。議論自主制度における労働関係法令違反や人権侵害等についてお尋ねがありました。現行の技能実習制度の下、制度趣旨を理解していない一部の受入れ機関において、技能実習生に対する労働関係法令違反や人権侵害行為が生じたこと、これを重く受け止めております。これまでも平成29年11月に施行された技能実習法の下、外国人技能実習機構が厳格に検査等を実施すること等により、技能実習制度の適正化に努めてきましたが、今回、より適正に外国人材の受入れを図るため、技能実習制度に変わる制度として育成就労制度を創設することとしたものであり、労働者としての権利保護をより適切に図ってまいります。技能実習制度の課題や問題点及びその解決策についてお尋ねがありました。技能実習制度には人材育成を通じた国際貢献という制度目的と運用実態の乖離が指摘されてきたことに加えて、本人以降による転職が認められておらず、労働者の権利保護が不十分である。技能実習制の失踪等の背後に一部の受入れ機関側の不適正な取扱いや、技能実習制側の経済的な事情等の影響が考えられるなど、制度的構造的な問題が認められてきたところです。育成就労制度では、人材育成と人材確保を目的とした上で、本人の以降による転職を認めるなどの転職制限の緩和や、受入れ機関や送り出し機関の適正化など、制度全体を適正化するための方策をしっかりと講ずることにより、これらの課題を解決してまいります。育成就労制度と技能実習制度の違いや、育成就労外国人の労働者制についてお尋ねがありました。育成就労制度は、現行の技能実習制度の課題を踏まえ、人材育成と人材確保を目的とする新たな制度として、受入れの対象となる職種や分野を原則として特定技能制度と一致させるなどにより、育成就労制度と特定技能制度との連続性を高めて適切な育成につなげるとともに、現行の管理団体に代わる管理支援機関について、要件の厳格化明確化を図るなど、受入れや送り出しを適正化するための方策等を講ずることとしており、技能実習制度の単なる看板の掛け替えにすぎないとの御指摘は当たらないと考えております。また、育成就労外国人は、技能実習生と同様に、労働関係法令上の労働者でありますが、育成就労制度においては、今申し上げた関係機関の要件の厳格化明確化等のほか、一定の要件の下で本人の意向による転職を認めるなど、より適切に労働者としての権利を保護することとしております。送り出し機関及び管理支援機関が徴収する費用についてお尋ねがありました。現行の技能実習制度において、送り出し機関は受入れ機関への圧戦手数料などについて、技能実習生から徴収するとともに、技能実習生の送り出しに用意した費用について、管理団体を通じて実施者から徴収しており、また、管理団体は管理事業に係る経費について、実費に限り実習実施者から徴収をしています。育成就労制度においても、基本的に同様となるものと考えているところ、これらの手数料等についても、海外の送り出し機関が外国人本人から徴収する手数料に上限を設ける、管理支援機関が徴収する費用について、運用要領等で算出方法の考え方を明確化するなど、一層の適正化を図っていく方針で あります。外国人が負う借金や債務への対応についてお尋ねがありました。育成就労制度においては、送り出し国との二国間取決めを新たに作成をし、悪質な送り出し機関の排除に向けた取組等を強化するとともに、原則として当該取決めを作成した国の送り出し機関からのみ、受入れを行うこととしております。また、外国人が送り出し機関に支払う手数料の上限に係る基準を設けることとしております。こうした取組により、悪質な送り出し機関等の排除を徹底し、外国人の負担軽減を図ってまいります。技能実習生の違に反する帰国についてお尋ねがありました。技能実習制度では、管理団体や受入れ機関が技能実習生の違に反して、技能実習を打ち切り帰国をさせたような場合、管理許可の取消し等の対象としています。さらに、出入国在留管理庁では、違に反して帰国を強制させることを防ぐため、空海庫において書面により出国の意思確認を行っています。育成就労制度の創設に当たっても、これらの取扱いを踏まえつつ、引き続き外国人が違に反して帰国を強制されることがないよう、必要な取組を行ってまいります。育成就労制度における家族帯同と転職についてお尋ねがありました。育成就労制度及び特定技能1号の在留資格で在留する外国人については、技能等を身につけてステップアップしていかない限り、帰国していただくこととなる制度であることや、家族の扶養等のための経済的能力等の観点からも、慎重な考慮が必要となることから、家族帯同は認めないものとしております。また、育成就労制度においては、やむを得ない事情がある場合の転職の拡大明確化を図るほか、本人以降の転職を含め、管理支援機関の支援に加えて、公的機関であるハローワーク等、外国人育成就労機構も連携して対応することとしております。育成就労制度における労働者派遣についてお尋ねがありました。育成就労制度では、季節性のある分野における通年での受入れを可能とするため、農業・漁業分野に限り、労働者派遣を活用した受入れを認めることを予定しています。具体的には、派遣元が3年間の育 成就労期間を通じた雇用契約を締結した上で、派遣元と派遣先が共同で育成就労計画を策定し、季節ごとの就労先もあらかじめ特定して受け入れることとしております。また、派遣元と派遣先のいずれも外国人の待遇確保を含む育成就労法上の義務を負うこととしており、管理支援機関による監査や外国人育成就労機構による実地検査等と相まって、ご指摘のような負の影響を抑止し、制度趣旨に沿った適正な受入れを担保してまいります。永住許可制度の適正化についてお尋ねがありました。共生社会の実現のためには、我が国に在留する外国人にも責任ある社会の構成員として、最低限必要なルールを守っていただく必要があります。この点、永住者については、永住許可後に在留審査の手続がないため、公的義務を履行しない場合があるといった指摘があり、これを容認することは、適正に公的義務を履行する大多数の永住者や地域住民との間で不公平感を助長する恐れがあることから、本改正は共生社会の実現のためにも必要なものであると考えております。その上で、取り消しの容費等については、個別の事案ごとに悪質性を判断し、仮に在留資格を取り消す場合であっても、原則として、定住者の在留資格への変更を行うこととしているところであり、永住者の我が国への定住制にも十分配慮をして、適切に制度を運用してまいります。育成就労制度の再度の制度設計についてお尋ねがありました。本法案は、人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度を創設した上で、転職制限を緩和し、受入れや送り出しを適正化することなどにより、外国人にとって魅力ある制度を構築するものであり、長期にわたって産業を支える人材を確保するために必要な措置が講じられているものです。様々な分野の関係者等からなる有識者会議において、御議論いただいた結果も踏まえた、適切な制度設計がなされたものであると考えております。また、本法案と併せて、ロードマップ等による外国人との共生のための取組を進めることとしており、これらにより、地方をはじめとする人手不足分野における人材確保が一層適切に図られるものであると考えております。外国人の受け入れと未来への責任についてお尋ねがありました。我が国において、人手不足が深刻化する状況や、外国人材の獲得に係る国際的な競争が激化している状況に鑑みると、外国人にとって魅力ある制度を構築し、選ばれ る国になることが必要確決であると認識をしています。そのためには、外国人の人権を適切に保護することはもちろんのこと、賃金を含む適正な労働条件等のもと、安全・安心な暮らし、働くことができる環境を整備することが重要であり、今般の育成就労制度は、そのような観点からの検討を踏まえた内容になっていると考えております。また、政府としては、賃金水準の向上等のため、賃上げの促進、イノベーション、また、生産性向上に向けた国内投資の拡大、また、スタートアップの育成等に関する取組等も行っているところです。外国人から選ばれる国になるため、引き続き責任をもって、外国人の受入れ環境の整備に取り組んでまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
1:00:23
石橋道博議員にお答えを申し上げます。まず、育成就労制度における外国人の費用負担についてお尋ねがありました。この点、育成就労外国人の費用を公費で負担することとした場合には、その受益者が限定的であるといった問題もあり得ることなどから、公費によって負担する仕組みとはしておりません。その上で、育成就労制度では、原則として悪質な送り出し機関の排除の取組等を含む、二国間取決めを新たに作成した送り出し国の送り出し機関からのみ、受入れを行うこととしております。また、外国人が送り出し機関に支払う手数料、これの上限等に係る基準を設けるほか、管理支援機関が受入れ機関から徴収する管理支援費の透明化等を図り、所費用を適正化することにより、その費用等が外国人に不当に転嫁等されることのないようにしてまいります。また、育成就労外国人に係る恋愛や妊娠、出産及び育児の自由の保障についてお尋ねがありました。育成就労外国人に対しては、日本人労働者や技能実習生を含む外国人労働者と同様に、恋愛や妊娠、出産及び育児等の私生活の自由については制限されておらず、妊娠、出産等による不当な取扱いは男女雇用機会均等法により禁止をされております。その上で、育成就労法第48条第2項は、私生活の自由を不当に制限してはならないことを明示しております。このような制度対応については、丁寧な情報提供や周知を徹底してまいります。
1:03:03
日本維新の会、教育無償化を実現する会の青島健太です。私は会派を代表し、ただいま議題となりました、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案、並びに出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案について、岸田総理大臣に質問します。1990年、プロ野球を引退した私は、オーストラリアに渡り、ビクトリア州の学校で中学生と高校生に日本語を教えていました。平日の夕方、そして週末は地元の人々に誘われ、実習生のように未体験の様々なスポーツに取り組みました。そうした時間の中で、改めてスポーツの価値と多様性を学び、スポーツライターになることを決意し、帰国します。私にとってオーストラリアは第二の故郷であ り、自分の原点でもあります。技能実習の制度は、私が帰国した直後、93年に始まります。それから30年、これまで同制度を利用して日本を訪れた外国人は、延べ183万人を数えます。彼らはどんな思いで日本での日々を過ごしたのか。彼らにとって日本が第二の故郷になっていることを祈るばかりですが、現状の技能実習は、その狙いとは全く違うものになっています。令和4年に受入先から失踪した実習生は、9,006人。1年だけの出来事ではありません。平成30年からの5年間を数えても、9,052人、8,796人、5,885人、7,167人、とんでもない数の実習生が失踪しています。一体これは何を意味しているのでしょうか。見解をお示しください。この失踪者の数だけでも制度の問題点を十分に物語っていますが、令和4年に行われた実習生に対する調査では、実習先でのこんな問題も報告されています。携帯電話やインターネットの使用禁止、外出禁止や他の実習生との交流禁止、パスポートや預金通帳を取り上げる、母国語の新聞を読むことを禁止、男女交際の禁止、結婚、妊娠、出産を理由とした不利益な扱い、紹介していても辛くなるばかりです。技能実習では原則3年間同じ職場にいなければならない。その上、日々過酷な労働環境や劣悪な住 環境の中に置かれる、この制度が海外から現代の奴隷制度と言われるゆえんがここにあります。技能実習制度の30年間での人権侵害の要因について、どうお考えですか。政府の責任を問い、説明を求めます。そこで、この現状を改善すべく、今改正には大きな期待を寄せたいところですが、もっと深刻な事態が発生する懸念が拭えません。最大の問題は、これから我が国はどんな技能を持った外国人をどのくらい受け入れていくのか、という基本となる方針が示されていないからです。こうした基本戦略の策定にあたっては、経済成長への貢献という観点が重要になります。外国人の受け入れがどれほどの経済成長につながるのか、人手不足への安易な対策としての受け入れでは、かえって経済成長を阻害するとの意見もありますが、政府の明確な見通しと見解を求めます。経済成長につなげるには、国や地域の経済成長に資する高い資格や技術を有する高度人材について積極的に受け入れるように推進体制を整えるべきと思いますが、いかがですか。また、人手不足緩和のための安易な外国人材の受け入れは、通常の労働者の賃金水準の上昇を抑制するなどの弊害を生じさせるため、賃金水準を維持上昇させるためにも、受け入れについては慎重であるべきと思いますが、答弁を求めます。我が会派は、まず基本戦略となる外国人基本法 を作るべきだと考えます。外国人に選ばれる国になる前に、我が国としてどのような人材を求めていくか、その戦略なきままに一部の産業界からの要望などに応え、バータリ的な外国人の受け入れが続けば、欧米諸国以上に深刻な移民問題に直面する可能性があるからです。移民問題に直面しないという保障はあるのでしょうか。お答えください。日本社会を構成する一員としての外国人とどう向き合い、どう共存していくのか、受け入れる外国人の技能水準とその受け入れ人数、さらには人権保護などについて、根本的な理念や政策を盛り込んだ基本戦略である、過小外国人基本法を早期に制定することを提案しますが、いかがですか。基本法制定までの間、現行法の改正で対応することは当然ですが、最低限、現行法の問題点、反省点を踏まえた改正でなければなりません。まず、外国人への不当な待遇についてです。改正案では、現行法の基本理念にあった、技能実習は労働力の需要の調整の手段として行われてはならない、の一文が削除されています。雇用の調整弁として外国人を扱わないようにするために、どのような手立てをとるのか、お答えください。次に、受け入れる側の企業についてです。実習生を受け入れてきた日本の企業や事業所など、受け入れ先にも大きな問題がありました。学びに来たという立場を言い事に、日本人以下の賃金で過酷な、しかも単純な労働を強いる、それによってブラックな企業が延命される、これでは経済の成長にはつながりません。今回の育成就労では、外国人を不当な待遇で酷使するような、悪質な企業をどうやって排除するのですか。具体的にお答えください。言語の壁の問題も重要です。日本で暮らす上で日本語の習得が大切ですが、働きながら日本語の勉強に取り組むことは容易なことではありません。受け入れ先の理解はもちろん、周辺に日本語を学べる機関があることが必要です。国内の日本語学校や教員の充実、母国を出国前に日本語を学べる、海外での日本語教育について、政府はどのような計画を持っているのかお聞きします。地域に与える影響にも問題があります。さっきの令和4年の調査では、実習生の60.4%が家族と離れて寂しかったと答えています。私もオーストラリアの田舎町にたった一人で乗り込んだので、その不安がよくわかります。不安解消のためには、地域のコミュニティに溶け込めることが大事になってきます。働く場所だけでなく、コミュニティの受け入れ体制も整備しなければなりません。地元への説明や理解促進は誰が進めるのですか。地域の住民や自治体への支援策が必要ではありませんか。外国人を受け入れる地域への対応と環境整備についてお答えください。最後に、治安対策について伺います。残念なことに、在留外国人による犯罪がもうすでに多発しています。外国人犯罪がなぜ発生するのか、その要因と傾向について見解をお示しください。加えて、今後の防犯対策についての所見をお答えください。また、犯罪に至らないまでも、地域住民と外国人との対立が顕在化している地域もあります。当該の地域では、住民も自治体も多様に苦慮しています。こうした現状を解決するために、国としてなすべきことは何か、政府の責任ある答弁を求めます。この国の未来を見据えて、どのようなバランスで外国から来た人たちと共生していくか、その未来予想図をしっかりと描かなければなりません。外国人を安価な労働力としてだけ受け入れるのであれば、経済成長は見込めないばかりか、この国の秩序と安心は守ることができません。日本が目指すべき豊かな社会の実現に向けた、外国人基本法の早期制定を含めた、今後の議論をしっかりと見極めていきたいと 思います。会派を超えた真剣な議論を求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
1:13:36
青島健太議員のご質問にお答えいたします。技能実習生の失踪についてお尋ねがありました。議員御指摘のとおり、多数の失踪者が発生していること、これを重く受け止めています。失踪の原因について明確に特定することは困難ですが、一部の受入れ機関側の不適正な取扱いや、技能実習生側の経済的な事情等が影響しているものと考えています。この点、育成就労制度では、定席制限を緩和することにより、労働者としての権利保護をより適切に図るほか、外国人が送り出し機関に支払う手数料等が不当に高額とならないようにするための仕組みを導入するなど、失踪につながり得る要因の解消に資する方策を講ずることとしており、これにより、技能実習制度で指摘されてきた失踪問題の解決を図ってまいりたいと考えています。また、育成就労制度が成功するまでの 間も、引き続き、現行の技能実習制度の適正な運用に努め、失踪防止に努めてまいります。技能実習制度における人権侵害の要因についてお尋ねがありました。人権侵害の要因について一概にお答えすることは困難ですが、一部の受入機関の遵法意識の欠如や、管理団体による指導監督の不十分さなどが影響しているものと考えております。現行制度においても、人権侵害等のやむを得ない事情がある場合には、実習先の変更を認めるなど、技能実習制度人権保護に努めてきたところですが、今回、様々な指摘を踏まえ、制度自体を抜本的に見直し、技能実習制度に代わる制度として育成就労制度を創設し、労働者としての権利保護をより適切に図ることといたしました。外国人の受入れが我が国の経済に与える影響についてお尋ねがありました。外国人材の受入れについては、政府としては専門的技術的分野の外国人については、経済活性化の観点から積極的に受け入れていく一方で、それ以外の外国人については、社会的コスト等の幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ検討する方針としており、必要に応じて関係閣僚会議等所要の体制も構築しているところです。また、今般創設する育成就労制度については、国内労働市場への悪影響を生じさせることのないように、一定の条件の下で受入れを行うこととしているところ です。いずれにしても、外国人材の受入れについては、引き続き多様な御意見御指摘にも耳を傾け、幅広い検討を行っていくことが重要であると考えています。外国人材の受入れ政策についてお尋ねがありました。外国人材の受入れについて、政府としては、専門的技術的分野の外国人については、経済活性化の観点から積極的に受け入れていく一方で、それ以外の外国人については、社会的コスト等の幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ検討することを基本的な方針としております。この点、例えば特定技能制度においては、特定技能1号として入国する外国人について、一定の専門性・技能を有することを、試験等により確認しているほか、生産性向上及び国内人材の確保の取組を行ってもなお、不足する労働者数を受入れ見込み数として設定をしており、場当たり的との御指摘は当たらないと考えています。また、政府においては、令和4年6月に決定した「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」等に基づき、外国人との共生社会の実現に向け、外国人の受入れ環境整備を着実に進めてきているところです。このように、外国人基本法に盛り込むべきと御指摘があった事柄についても、既に一定の対応を行っているところですが、いずれにしても今後の外国人材の受入れについては、多様な御意見御議論にも耳を傾け、幅広い検討を行っていくことが重要であると考えております。外国人が雇用の調整弁として扱われないようにするための方策についてお尋ねがありました。育成就労制度は、人材育成と人材確保を目的とする制度でありますが、特定技能制度と同様に、受け入れる分野において生産性向上及び国内人材確保に向けた取組が尽くされているかを慎重に確認した上で受入れを行うこととしています。また、現行の技能実習制度と同様、やむを得ない場合を除き、外国人の意に反して育成就労を中止することは認めないことに加え、受け入れた外国人材の育成や日本人と同等の待遇確保がしっかりとなされるよう、管理支援機関の要件の適正化や外国人育成就労機構の監督機能の強化を行うこととしており、外国人が安価な労働力として使い回されることがないようにしてまいります。悪質な受入れ企業の排除についてお尋ねがありました。育成就労制度においては、現行の技能実習制度と同様、受入れ機関の育成就労計画の認定に当たって、日本人と同等以上の報酬を含む適正な処遇について確認するとともに、法令違反に対しては改善命令や計画の認定取消しなどの措置を講ずることとしております。その上で、現行の管理団体に代わる管理支援機関について、外部監査人の設置を義務づけるなど、受入れ機関からの独立性・中立性 を担保すること、外国人育成就労機構について、管理支援機関や受入れ機関に対する監督指導機能を強化するための体制を整備し、労働基準監督署との連携を強化することなど、現行の技能実習制度からの改善点を講ずることにより、悪質な受入れ機関に厳正に対応してまいります。そして、育成就労外国人の日本語教育についてお尋ねがありました。育成就労制度では、適正な人材育成等の観点から、段階的に日本語能力を向上させることとし、政府として日本語学習の環境整備に取り組んでいくこととしています。具体的には、日本語教育機関認定法の仕組みを活用した教育の質の向上、日本語学習のためのオンライン技術の活用、日本語教室空白地域の解消の推進、教材開発等による母国における日本語学習支援といった取り組みを推進してまいります。地域における外国人受入れ環境整備等についてお尋ねがありました。外国人等の共生社会を実現していくためには、政府が地方公共団体等と連携しつつ、地域への理解も促しながら、必要な施策を実施していくことが重要です。育成就労制度では、各自治体が地域協議会にも積極的に参画し、地域産業政策の観点からの受入れ環境整備に取り組むこととしています。政府としても引き続き、外国人等の共生社会の実現に向けたロードマップ等に 基づき、外国人受入れ環境整備交付金の活用等も行いながら、日本人と外国人がお互いを尊重し、安全安心に暮らせる社会の実現を目指して取り組んでまいります。外国人犯罪等についてお尋ねがありました。在留外国人による犯罪の発生要因やその傾向を一概に申し上げることは困難ですが、一般論として申し上げれば、言語や生活習慣の相違等に起因する日常生活上のトラブル等から、外国人が日本社会に馴染むことができず、孤立し犯罪に関与してしまう恐れ等は考えられるところです。こうした犯罪やトラブル等の発生を防止し、日本人と外国人がお互いを尊重し、安全安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールに則って外国人を受け入れ、多言語での相談対応等、適切な支援等を行っていくとともに、ルールに違反する者に対しては、取り締まりを積極的に実施するなど、厳正に対応していくこと、これらが重要であると考えています。政府としては、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ等に基づき、外国人との共生社会の実現に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
1:25:18
国民民主党新緑風会の河合隆之です。会派を代表して岸田総理及び関係閣僚に質問いたします。生産年齢人口の減少を背景に人材不足が深刻化する中、外国人の受け入れは経済のみならず、日本社会の持続的安定性を確保する上で喫緊の課題となっております。これまで政府は表向きは移民政策を否定しつつ、日本人に十分な賃金を払って雇用することができない企業や業界の要望に応える形で、技能実習制度の名目でなしくずし的に安価な外国人労働力の受け入れを拡大してきました。その結果、劣悪な労働環境に起因した失踪の問題などが多発し、不法在留者による犯罪や地域トラブルなどが社会問題化してしまっています。今後の日本の姿に大きな影響を及ぼす外国人政策は、中長期的に日本の国益に資するかどうかを判断基準とすべきであり、場当たり的な労働者不足対策であってはなりません。既に外国人から選ばれない国になりつつある日本の現実と真摯に向き合い、中長期的に日本を経済・社会の両面から豊かな国にするという視点から、単なる受入れ政策ではなく、国益を見据えた誘致へと発想を転換する必要があります。これから参議院での審議を始めるにあたり、総理並びに関係閣僚の外国人政策に対する基本認識をお伺いします。まず岸田総理に質問します。今回、技能実習制度を改め、育成就労という形で人材確保の目的を明示したことは、一定の評価に値しますが、これまでの議論を見る限り、当面の人手不足対策としての法改正の意図が散見され、いまだ外国人労働者政策と正面から向き合っているとは言い難い内容となっています。岸田総理は、外国人との共生社会の実現を掲げておられますが、岸田総理の目指す外国人との共生社会とは一体どういうものなのか、具体的な将来像についてご説明をお願いします。労働基準関係法令と入管法との整合性を図る必要性についてご質問します。特定技能雇用契約については、労働基準法をはじめとする労働基準関係法令との整合性がとれているかどうかを出入国在留管理庁の審査において判断することとしていますが、こうした広報規制が労働契約の司法上の権利として実現させる仕組みがないことから、技能実習生の権利保護に不備を生じさせています。技能実習生の権利を確実に保護するためには、出入国在留管理法と労働契約法をはじめとする労働基準関係法令との整合性を図る必要があるものと考えます。外国人の受入れ拡大が見通される中、外国人労働者政策全体を包括した外国人政策に特化した基本法を制定する必要があるものと考えますが、岸田総理の御認識をお伺いします。景気変動リスクへの対応方針について、岸田総理に伺います。外国人の受入れ拡大にあたっては、今後の景気交代や経済危機が生じる可能性を織り込んでおく必要があります。景気が悪化したときには、日本人労働者との雇用の奪い合いが生じることも想定されます。実際に欧米諸国では、高規形態時に移民排斥運動が頻繁に起こっています。したがって、外国人労働者の受入れ拡大にあたっては、国内労働市場との調整が極めて重要と考えますが、この点について、政府の基本認識と今後の対応方針について、岸田総理にお伺いします。技能実習実施者による労働基準関係法令違反に関して御質問します。これまでも日本で就労する限り、国籍を問わず原則として、労働基準法、最低賃金法等の労働基準関係法令は適用されることとなっていました。しかし、実習実施者による労働基準関係法令違反は後を絶ちません。令和3年時点で、労働基準監督機関が監督指導を行った9036事業所のうち72.6%、6556事業所で法令違反が認められております。実習実施者による労働基準関係法令違反が後を絶たない理由は何だとお考えになるのか、岸田総理の御認識を伺います。なお、労働基準関係法令違反の多い事項は、安全基準違反、割増賃金の未払い、労働時間問題などとなっていますが、今回の法改正を通じてどのように労働関係法令違反を解消していくのかを法務大臣並びに厚生労働大臣にお伺いします。日本語能力を受入れ要件とすることについての御認識を伺います。技能実習生等が来日後に直面するトラブルや労働災害の多くは、実習実施者と話し合いができない、職場の指示がわからないなど日本語能力の低さに起因しています。日本の将来の国益を考えたとき、経済社会の戦力となる一定以上のスキルを有する労働者を受け入れることが本来望まれますが、それだけでは十分な人材の確保が見込めないことから、働きながら学ぶ未熟練労働者の受入れが今後も不可否と考えられます。したがって今後受け入れる外国人労働者については、日本で働き生活する上で最低限の日本語能力を来日のための要件とすることが必要なのではないかと考えますが、この点について岸田総理の御認識を伺います。また既に日本で技能実習を行っている者についても、実習実施者が日本語や技能を学ぶ機会を十分に提供しているかどうかチェックする仕組みを構築する必要があるのではないかと考えますが、この点について厚生労働大臣にお伺いします。悪質な送り出し機関の規制のあり方について御質問します。技能実習生が5国の送り出し機関に多額の借金をしている問題については度重なる指摘にもかかわらず、他国のことであるためとして日本政府の対応はこれまでせいぜい悪質ブローカーからの受入れを停止する程度にとどまっています。本来、日本がどのような条件で外国人の入国を認めるかは国際慣習法で認められた国家試験に基づき決定されるものであり、相手国の事情に寄り添った結果トラブルを日本国内に持ち込むようなことがあっては国益に反するものと考えます。今回も送り出し機関の規制については、最終報告書や政府方針において、管理団体などがより質の高い送り出し機関を選択できるよう、手数料などの情報公開を求めるとされているものの、手数料などそのものをなくすための取組には全くなっておりません。悪質な送り出し機関の規制や借金問題を抜本的に解決する意思があるのか、岸田総理に御質問します。併せて具体的に悪質な送り出し機関をどのように規制するのか、法務大臣に御質問します。管理団体の基盤強化の必要性について認識を問います。管理団体として許可を受けることができるのは、中小企業団体など、鋭利を目的としない法人に限られていますが、非鋭利であるため組織基盤は脆弱で、運営面で加盟企業に依存することになっています。最終報告書や政府方針では、受入企業と密接な関係にある管理団体役職員が企業の指導・監督業務に関与することを制限するとされていますが、中立性を担保するため鋭利性を縮小した結果、かえって中立性が担保できていないという事態が生じており、これでは厳正中立な管理業務は望めません。高い水準で管理団体の中立性を担保するためには、NPO法人並みの収益事業や内部流法を認めることで経営面での自立を促すことも検討すべきと考えますが、岸田総理及び厚生労働大臣の御認識を伺います。特定技能産業分野の選定プロセスを透明化する必要性についての御認識を問います。特定技能制度の改正については、最終報告書でも政府対応の関係閣僚会議決定でも、制度の本質的問題に踏み込んだ改正の議論がなされておりません。特定技能制度は今後の国内労働市場に大きな影響をもたらすものであるにもかかわらず、特定技能対象分野の選定プロセスが透明性に欠けております。最終報告書で提案された有識者などで構成する会議対応選定のプロセスに関与させて、透明性、公平性を図る必要があるものと考えますが、この点について岸田総理の認識を伺います。最後に、転職制限と労働基準関係法令との整合性について質問します。転職について法案では、透明の間、受入れ対象分野ごとに1年から2年までの範囲内で設定すると極めて曖昧な表現となっており、これでは経過措置という受入れ側への配慮を理由に、さらなる転職制限が可能となるおそれが指摘されております。1年を超えての法則は労働基準関係法令との整合性を変えており、人材育成の仕組みとの説明だけでは正当化できないものと考えます。転職制限と労働基準関係法令 との整合性をとる必要があるものと考えますが、岸田総理並びに厚生労働大臣の認識を伺い、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
1:35:57
河合貴典議員のご質問にお答えいたします。外国人との共生社会についてお尋ねがありました。外国人との共生社会の在り方は、世界各国で様々ではありますが、私は日本の現実に合った共生社会を考えていくことが重要であると考えており、日本人と外国人がお互い尊重し、安全安心に暮らせる社会を実現していく、こうしたことを目指していく必要があると考えています。そして、そのような社会の実現のためには、この外国人の人権に配慮しながら、ルールに則って外国人を受け入れ、適切な支援を行っていく、そしてルールに違反する者に対しては厳正に対応していく、こうした取組が重要であると考えております。外国人労働者の受け入れの在り方についてお尋ねがありました。外国人労働者の権利を適切に保護することは、我が国が選ばれる国になるための当然の前提であり、今般創設する育成就労制度では、転席の緩和等によって、労働者としての権利をより適切に保護することとしているところです。また、育成就労制度では、受入れ機関に関する要件の適正化により、労働関係法令がより確実に遵守されるようにしてまいります。ご指摘の外国人政策に特化した基本法の要品については、その具体的な内容が明らかでないため、お答えすることは困難ですが、いずれにせよ、今後の外国人労働者の受け入れの在り方については、多様なご意見、ご議論にも耳を傾け、政府全体で幅広い検討を行っていくことが重要であると考えています。外国人の受入れ拡大による国内労働市場への影響についてお尋ねがありました。政府においては、我が国経済社会の活性化等の観点から、専門的技術的分野の外国人材の受入れを積極的に推進していますが、それ以外の外国人については、社会的コスト等の幅広い観点から、国民的コンセンサスを踏まえつつ検討する方針であり、今般創設する育成就労制度でも、国内労働市場への悪影響を生じないよう、一定の条件の下で受入れを行うこととしています。いずれにしても、外国人材の受入れについては、引き続き多様なご意見、ご指摘にも耳を傾け、幅広い検討を行っていくことが重要であると考えています。受入れ機関による労働基準関係法令違反についてお尋ねがありました。受入れ機関が労働基準関係法令違反に至る理由は様々ですが、一概にお答えすることは困難ですが、一部の受入れ機関の遵法意識の欠如、また、管理団体による指導監督の不十分さなどが影響しているものと考えています。育成就労制度では、管理支援機関の独立性・中立性の確保、やむを得ない事情による転職の範囲の拡大明確化などを行い、これによって外国人の適正な待遇が確保されるよう努めてまいります。外国人の日本語能力についてお尋ねがありました。育成就労制度においては、適正な人材育成や地域社会との共生といった観点から、外国人が就労を開始する前に一定の日本語能力の試験の合格等を要件とするなど、段階的に日本語能力を向上させるための方策を講じることとしております。また、日本語学習の環境整備の一環として、教材の開発による母国における日本語学習支援などの取組を進めてまいります。これらによって我が国に来日する外国人の日本語能力の向上を促進してまいります。悪質な送り出し機関の規制についてお尋ねがありました。育成就労制度においては、送り出し国との二国間取決めを新たに作成し、悪質な送り出し機関の排除に向けた取組等を強化するとともに、原則として当該取決めを作成した国の送り出し機関からのみ、受け入れを行うこととしております。また、外国人が送り出し機関に支払う手数料の上限に係る基準を設けることとしております。こうした取組により、悪質な送り出し機関等の排除を徹底し、外国人の負担軽減を図ってまいります。管理団体の基盤強化についてお尋ねがありました。育成就労制度では、現行の管理団体に代わる管理支援機関について、第三者による中間搾取等が生じないよう、鋭利を目的としない法人としていますが、管理支援が適切に行われるよう、管理支援機関が一定の財政基盤を有することは必要であると考えています。このため、育成就労制度では、管理支援機関の財政基盤に関する基準について、主務省令において、その要件を厳格化明確化することを予定しており、十分な体制を有する団体に管理支援を担っていただけるようにしてまいります。特定技能制度の対象分野の選定プロセスについてお尋ねがありました。特定技能制度の対象分野の選定については、当該分野を所管す る省庁だけでなく、入管庁や厚生労働省等の制度を所管する省庁を含め、政府全体として適切に判断をしてまいります。これに加えて、今後の特定技能制度では、対象分野の選定について、育成就労制度と合わせて有識者労使団体等で構成する新たな会議体において、御議論いただき、その意見を踏まえて判断する方針としています。このようなプロセスによって、特定技能制度の対象分野の選定について、透明性、公平性がさらに高まるものと考えております。転職制限と労働基準関係法令の整合性についてお尋ねがありました。育成就労法案において、本人以降の転職の要件となる就労期間については、受入対象分野ごとに1年から2年までの範囲内で、首務省令で期間を定めることとしております。この要件は、育成就労制度が育成就労という在留資格によるものであることに鑑み、出入国在留管理の観点から課すこととしているものであります。その上で当該就労期間については、本年2月に決定した政府の対応方針において、当分の間の取扱いとしているほか、期間の設定に当たっては、人材育成の観点を踏まえた上で、1年とすることを目指しつつ、1年を超える期間を設定する分野については、受入期間において就労開始から1年を経過した場合には、昇給などの待遇の向上を図るための仕組みを導入することを検討することとしており、労働関係法令との疎後といった問題は生じないものであると考えております。残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。
1:45:52
河合貴則議員にお答えを申し上げます。まず、労働関係法令違反の解消のための取組についてお尋ねがありました。現行の技能実習制度においては、監事団体の責任者等に対する労働関係法令等に係る公衆の受講を義務づけるとともに、監査や実地検査によって法令違反が把握された場合には、労働基準監督署への通報や計画認定の取消しなどの措置を講じております。これらに加えまして、新たな育成就労制度においては、監事支援機関の独立性・中立性を確保するなどを予定しており、労働行政を所管する厚生労働省とも連携しつつ、労働関係法令違反の防止に努めてまいります。次に、悪質な送り出し機関への規制についてお尋ねがありました。新たな育成就労制度では、2国間取決めを新たに作成して、悪質な送り出し機関の排除に向けた取組を強化するとともに、原則として当該取決めを作成した国の送り出し機関からのみ、受入れを行うこととしております。また、外国人が送り出し機関に支払う手数料の上限に係る基準を設けた上で、2国間取決めで定める送り出し機関の認定基準として、当該基準を遵守することや、管理支援機関等への競合キックバック等を行わないことなどを新たに盛り込むことを予定しており、これらによりまして、悪質な送り出し機関の排除を徹底していく方針としているところでございます。
1:48:10
川合貴則議員のご質問にお答えいたします。労働基準関係法令違反の解消についてお尋ねがありました。労働基準関係法令の遵守は、外国人材の受入機関に限らず、労働者を雇用するすべての雇い主にとって当然の責務です。現行の技能実習制度においても、管理団体による監査、外国人技能実習機構による実地検査や、労働基準監督署への通報を通じて、労働基準関係法令違反の防止、是正に努めていますが、育成就労制度では、さらに外国人技能実習機構を改組して設置する外国人育成就労機構の指導監督機能及び支援保護機能の強化、外部監査人・専任の義務化などによる管理支援機関の独立性・中立性の確保、労働基準監督署との連携の更なる強化などにより、労働基準関係法令違反を解消できるよう、さらに取組を強化してまいります。日本語や技能を学ぶ機械のチェックの仕組みについてお尋ねがありました。現行の技能実習制度においては、入国後の日本語研修を含め、技能実習計画の内容や目標が一定の基準に適合していることを計画認定の要件とするとともに、当該計画と実態にそこがないかについて、外国人技能実習機構による実施検査において確認しております。また、技能実習1号から2号への移行など、実習の次の段階への移行に当たっては、技能検定への合格を要件としております。こうした仕組みにより、技能実習生が日本語や技能を着実に習得できるよう、引き続き取り組んでまいります。管理団体の基盤強化についてお尋ねがありました。政府としても、育成就労制度の下で、管理支援機関による管理支援が適切に行われるためには、その独立性・中立性の強化と合わせて、管理支援機関が一定の財産的基盤を有することが必要と考えています。このため、育成就労制度においては、管理支援機関の財産的基礎に係る基準について、「主務省令」において、その要件を厳格か明確化することとしており、十分な体制を有する団体に管理支援を担っていただけるよう、具体的な基準を検討してまいります。なお、技能実習制度においては、第三者による中間作種等が生じないよう、営利を目的としない団体に管理団体の許可を与えることとしており、この点は育成就労制度でも同様としております。転職規制限と労働基準関係法令との整合性についてお尋ねがありました。一般に外国人労働者には、労働関係法令だけでなく、出入国在留管理関係法令も適用され、個々の在留資格の性質を踏まえた規律が定められているものと承知しています。育成就労制度における本人移行の転職の要件となる就労期間については、急激な変化を緩和するための措置として、人材育成への観点を踏まえた上で、1年とすることを目指しつつ、分野ごとに1年から2年までの範囲内で期間を設定することとしたものです。これは育成就労という在留資格の性質に鑑み、転職先での計画認定に当たって、出入国在留管理関係法令上の観点から課せられる規制であり、労働関係法令と組合を来立つものではないと考えております。以上であります。
1:53:13
私は日本共産党を代表して、育成就労の創設、永住資格の取消し拡大など、入管難民法、技能実習法等改定案について、総理及び関係大臣に質問いたします。まず、我が国の人手不足の実態と政治の責任について、本法案の衆議院代表質問で、自民党議員から、我が国における労働力確保策を問われた総理が、「極めてあっさりと働き方改革に取り組むこと等により、女性・高齢者などの活躍を促進し、引き続き人材確保に取り組んでまいります。」と答弁 して済ませたのには、驚くほかありませんでした。総理には、その程度の認識しかないのですか。失われた30年という長期にわたる経済の停滞・衰退は、国民生活に深刻な困難をもたらし、そこに円安・物価高騰の打撃が加わっています。この10年で実質賃金は増えるどころか、年間24万円も減っている、世界で異様な賃金が上がらない国日本。その最大の要因は、財界の要求に応えて労働法制の規制緩和を繰り返し、低賃金で不安定な非正規雇用を4割にまで広げてしまったことにあるのではありませんか。消費税の連続増税、年金、医療、介護など社会保障の負担増と給付削減が繰り返され、世界有数の高い額費や貧しい奨学金によって若者が背負わされている借金は、この30年間で7倍、総額10兆円に上ります。総理、その自民党政治に反省はないのですか。政治の責任で抜本賃上げと待遇改善を進める、人間を大切にする働き方への改革こそ、消費の課題ではありませんか。農業、農村ではどうか。深刻な後継者不足の下、衆議院の宮城校長会でもJA宮城中央会の佐野和夫会長が、農業現場の人材がなくなったという一番は、労働に見合う収益がないということ。つまり、生産物の価格が転化されていないというのがずっと続いていることが一番である。やはり、大化をしっかりと生産物に組み入れていただいて、再生産できる体制づく りをとることによって、後継者も農村地域も潤って活性化がなり、人材もそこに育っていくというふうに思っております。と述べられたとおりです。農水大臣、生産コストを償う価格保障、所得保障こそ、農業における人手不足、打開の決め手ではありませんか。建設労働者の減少、高齢化に歯止めがかからない中、建設業の持続可能性を考えたとき、処遇改善と担い手確保育成は、もはや一刻の猶予もありません。若者の入職を阻んでいる低賃金、長時間労働、完全休休2日の低い割合の打開こそ、喫緊の課題ではありませんか。設計労務単価を引き上げても、現場で働く労働者に回らない多重下請構造をどう正すのですか。国交大臣にお伺いします。そうした失われた30年の当初、労働者であることも、労働法の適用も認められず、奴隷的な単純労働力として、その酷使が大問題になったのが、研修生制度でした。1993年、それに接続して技能実習生が創設され、当時数百人だった技能実習生は、労働者としての保護が課題となった2010年改正、2017年の技能実習法、また2019年の特定技能創設の制度改定を経て急増を続け、令和5年末で40万4556人、特定技能20万8462人、合わせて61万3018人に上っています。総理、野党半島地震の被災地で浮き彫りになったように、技能実習生や特定技能労働者は、既に地域経済にとってなくてはならないレギュラーメンバーなのではありませんか。一方、入管庁の有志失踪者は、この間も急増し、令和4年で9006人に上ります。その原因をどのように分析し、なくしていくのか、法務大臣、農水大臣、国交大臣に、それぞれお尋ねします。安価で都合よく働く単純労働力としてのみ、受入れ拡大を重ねてきた、いびつな在留管理政策によって、人間として当然の家族帯同や永住は認められず、差別的低賃金と不当待遇、転職の自由を認めない奴隷的労働で、多額の借金を背負わされ、ブローカーの食い物にされる深刻な人権侵害が後を絶ちません。職場での暴力やセクハラ、パワハラ、最低賃金違反や賃金未払いなどの労働関係法令違反が繰り返され、失踪者も増え続けています。総理、長年にわたってこの事態が改善されないのは、なぜだと考えますか。経団連は、2020年2月、「今日、我が国は国際的な人材獲得競争に劣後しつつある」と提言しましたが、労働者としての人権を認めない、弾むべき身勝手の挙句、事情自爆に陥っていると言うべきです。外国人労働者を使い捨てにしてきた自民党政治を根本から改めるべきです。以上、総理の基本認識を伺います。ところが、本法案で技能実習に変わるものとされる育成就労は、看板の掛け替えにもならないのではないか。技能実 習制度の人権侵害構造の根本には、移住労働者を食い物にする送り出し機関や管理団体、受入れ企業を排除しきれない仕組みと、労働者自身が生活と権利を守る最後の砦である転職の自由を認めないことがあります。本法案でも、本人の意向による転職を制限する理由について、法務大臣は「労働者として適切に権利保護していく制度として、制度の魅力を向上させる。そういう観点に立てば、一年を目指すのが相当」と言いながら、人材育成上の懸念、人材流出の不安を強調し、最大で2年までの範囲内で制限を認めることとしたと答弁しています。結局、日本人が定着しない職場に来てもらって囲い込みたいというのが本音ではありませんか。その制限期間は、当該産業分野を所管する省庁が政令で定めると言いますが、どのような基準で定めるというのですか。法務大臣お答えください。福島大学の坂本恵文教授は、衆議院の校長会で、「門戸を開けば外国人労働者が押し寄せる時代は、既に終わったということを知るべきです」指摘されました。「純粋で黙々と働く途上国の若者に来てほしい」などというのは、今や幻想です。総理、外国人で穴埋めをしよ うという発想は、もう拭い去るべきです。いかがですか。国境を超えた移住労働は当然です。外国人労働者が自身の意欲に沿い、キャリアアップと将来設計を描ける人間らしい労働を実現するには、求職者と求人企業のニーズのマッチング、すなわち労働条件の事前明示とその履行確保こそ重要だと考えますが、厚生労働大臣、いかがですか。最後に永住資格の取り消し自由拡大について、総理に伺います。永住者は日本国内で居住していても、家齢、病気、事故、社会状況の変化など、長年日本で生活していくうちに、許可時の条件が満たされなくなることは起こり得ます。税金等の奨学未能が発生した場合や、過失犯も含めた軽微な犯罪の場合に、在留資格を取り消されることがあり得るという立場に置くこと自体、永住者に対する深刻な差別であると考えます。これは在日大韓民国民団の声明の一節です。横浜家教総会をはじめ在日家教団体は連盟で、日本と中国の交流は長い歴史があります。現在日本で生まれ日本語しかわからず、日本にのみ生活基盤を有する2世から6世の永住者も多く、全てが日本市民と共に善良なる市民として地域社会の発展に貢献し ています。この度の日本政府の入管法改定案は、永住者の生活人権を脅かす重大事案と認識し、是正を強く求めますと声明を挙げています。こうした声をどう受け止めますか。総理は一部において公的義務を履行しない場合があるといった指摘があると言いますが、具体的にどのような事実があるのですか。こんな抽象的な理由で有識者会議で話題にもならなかった永住資格取消しを突然持ち出し、押し付けるのは、むき出しの排外主義を世界に発信することに他ならないのではありませんか。こんな人権行進国であっていいはずがない。本院における徹底審議を求め質問を終わります。
2:04:20
2位総理の質問にお答えいたします。賃金が上がらない要因や抜本的な賃上げと待遇改善を進めることについてお尋ねがありました。我が国経済はバブル崩壊以降、長引くデフレ等を背景に他国と比べて低い経済成長が続き、この間賃金や成長の厳選である投資を抑制せざるを得ず、結果として消費の停滞や経済の退温ともいえる物価の低迷、さらには成長の抑制をもたらしたことから賃金が伸び悩んだと考えています。政府としては長年にわたり染み付いたデフレ心理を払拭し、賃金が上がることが当たり前との方向に、社会全体の意識を一気化せいに変えていく必要があると考えています。昨年大きく上回る春季労使交渉での力強い賃上げの流れに加え、来月からは1人4万円の所得税、住民税の低額減税を行い、物価上昇を上回る所得を必ず実現してまいります。さらに物価上昇を上回る賃上げの定着に向けて、価格転嫁の取組の強化や省力化投資の支援等を進めるほか、持続的に賃金が上がる構造をつくり上げるために、リスキリングによる能力向上支援等による三備一体の労働市場改革を働く人の立場に立って進めるとともに、非正規雇用労働者も含め、働く方々が能力を発揮し、公正な待遇を得て働けるよう、働き方改革を推進してまいります。技能実習制度の改善や、ご外国人労働者の在り方についてお尋ねがありました。受入れ機関が労働基準関係法令違反に至る理由や、技能実習生が失踪に至る理由は様々であり、一概にお答えすることは困難ですが、一部の受入れ機関の遵法意識の欠如や、管理団体による指導監督の不十分さ、技能実習生側の経済的な事情等が影響しているものであると考えております。また、本人以降による転職が認められておらず、労働者の権利保護が不十分であるなど、制度的な問題も認められたところであります。政府においては、これまでも技能実習法の制定運用など、制度の改善や適切な運用に努めてきたところですが、今回、様々な指摘も踏まえ、制度自体を抜本的に見直し、技能実習制度に代わる制度として、育成就労制度を創設することとしたものであります。育成就労制度では、人材育成と人材確保を目的とした上で、本人の以降による転職を認めるなどの転職制限の緩和や、受入れ機関や送り出し機関の適正化など、制度全体を適正化するための方策をしっかりと講じているところであり、外国人が使い捨てにされるといったことがないよう、受け入れた外国人材の育成や、日本人と同等の待遇確保にしっかりと取り組んでまいります。外国人材による人材確保の在り方についてお尋ねがありました。外国人材の獲得に係る国際的な競争が激化している状況等に鑑みると、単純に外国人を受け入れるのではなく、外国人にとって魅力ある制度を構築し、選ばれる国になることが必要不可欠であると認識をしています。そのためには、外国人の人権を適切に保護することはもちろんのこと、賃金を含む適正な労働条件等のもと、安全・安心に暮らし、働くことができる環境を整備することが重要であり、今般の育成就労制度は、そのような観点から検討を踏まえた内容になっていると考えています。また、政府としては、賃金水準の向上等のため、賃上げの促進、イノベーションや生産性向上に向けた国内投資の拡大、スタートアップの育成等に関する取組も行っているところです。外国人から選ばれる国になるため、引き続き外国人の受入れ環境の整備に取り組んでまいります。永住許可制度の適正化についてお尋ねがありました。法務省においては、従前から永住者の一部について、入管の永住許可の審査において必要とされる期間税を納付し、許可の取得後に滞納するなどの事案があると指摘を受けており、実際に永住者に関連する審査の中で、そのような事例を確認していると承知をしております。その上で、法務省においては、このような問題に対処するため、有識者からの御意見等を踏まえ、一部の悪質な場合について、在留資格を取り消すことができるとするもの…できるとする…としつつ、その場合でも永住者の我が国への定着性に配慮し、原則として他の在留資格に変更することとするなど、慎重に検討して制度を立案したものであると承知をしております。本改正は、日本で生活する大多数の永住者に影響を及ぼすものではなく、受け入れた外国人と日本人が互いに尊重して生活できる、共生社会の実現のためにも必要なものであると考えており、むき出しの排外主義などの批判は当たらないと考えております。在野の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
2:11:25
仁比総平議員にお答えを申し上げます。まず、技能実習生の失踪についてお尋ねがありました。技能実習生の失踪原因は、様々であり明確に特定することは困難でありますが、一部の受入れ機関側の不適正な取扱いや、技能実習生側の経済的な事情などが影響しているものと考えております。これまでこうした失踪の問題も含め、技能実習法の下、制度の適正な運用に努めてまいりましたが、さらに育成就労制度の下では、転職制限を緩和し、労働者としての権利保護をより適切に図るなどの方策を講じることで、失踪の問題の解決を図ってまいりたいと考えております。次に、育成就労制度における転職制限についてお尋ねがありました。本人の意向による転職を制限する機関については、労働者としての権利保護の観点を踏まえつつ、人材育成上の懸念等への対応として、事務省令で定めることとしております。そして、具体的な機関を定めるにあたっては、有識者等からなる新たな会議体の意見も踏まえて、政府が最終的に判断することを想定しております。また、その際には、同一の育成就労実施者の下で、どの程度の期間、育成を継続して行うことが必要と認められるか、といった観点等を踏まえつつ、検討を行うことになると考えております。
2:13:19
仁比総平議員の質問にお答えいたします。農業における人手不足打開策についてのお尋ねがありました。今後、農地などの食料の生産基盤を維持し、食料の安定供給を図るためには、次世代の農業人材をしっかりと育成・確保していかなければならないと考えております。このため、収納に向けた様々な資金メニューでの支援や、機械・施設等の導入支援、サポート体制の充実などに取り組むとともに、農業労働力確保に向けて、労働力調整のための体制構築や、魅力ある労働環境確立の取り組みを支援してまいります。また、外国人材については、農業知識や科学的素養等の学習機会の提供、技能試験の円滑な実施や、相談窓口の設置などの取り組みを支援し、中長期的に活躍できる人材を確保・育成してまいります。なお、お尋ねのありました所得補償についてですが、農業人材の確保のために、農業者の所得の確保を図ることは重要ですが、そのための方法は、所得補償や価格補償ではないと考えています。農業者や生産性向上や付加価値向上に取り組むとともに、生産から消費に至る食料システムが共同で、合理的な価格の形成を実現することにより、収益性を向上することが重要と考えており、政府としてこのような農業者の努力を後押ししてまいります。次に、失踪者の失踪原因と対策についてお尋ねがありました。農林水産省では、個別経営体からのお相談などにより、失踪を把握した場合には、可能な限り同じ職場の技能実習生等への聞き取りを行い、失踪理由を把握するように努めています。失踪原因については、明確に特定することが困難な面もありますが、実習実施者の不適切な取り扱いや、技能実習生側の事情によるものと聞いています。また、出入国管理庁からは、業種別、国籍別の失踪者数や、失踪防止対策に係る周知啓発のリーフレット等が共有されており、これについては、農業や漁業の業界団体等で構成される技能実習事業共同組合を通じ周知に努めているところです。その他、失踪防止のため、契約提携時における雇用条件書の提示の周知、技能実習事業協議会を通じた現状課題の共有、相談窓口の設置や、有料事例の収集・周知等の取組を行っているところであり、引き続き外国人材が働きやすい環境の整備に向けて取り組んでまいります。以上です。
2:16:50
二位、総勉議員にお答えいたします。まず、建設業の担い手確保についてお尋ねがありました。建設業がその役割を将来にわたって果たし続けられるようにするためには、担い手の確保対策を強化することが急務であります。このため、本国会に建設業法等の改正案を提出し、適正な労務費の確保と行き渡りを図るとともに、長時間労働の是正や、週休2日の導入拡大に不可欠である適正な後期設定を推進することとしました。これらは、重層下請構造の是正にも資するものと考えております。次に、外国人労働者の失踪についてお尋ねがありました。失踪の原因としては、一部の受入企業側の不適切な取扱いなど、さまざまなものがあると認識しております。国土交通省としましては、関係省庁と連携して失踪対策に取り組んでおり、企業の失踪防止対策についてリーフレットの周知を図るほか、建設分野独自の取り組みとして、建設キャリアアップシステムへの登録を義務付けることで、社会保険への加入状況を見える化し、処遇の確保を徹底しているところでございます。こうした取り組みを着実に進め、失踪対策に努めてまいります。
2:18:42
西総理事の御質問にお答えいたします。労働条件の明示とその履行確保についてお尋ねがありました。外国人労働者に対し、適切に労働条件を明示し、その履行を確保することは重要です。現行の技能実習制度では、技能実習計画の認定申請時に、技能実習生に対し、労働条件などを母国語で説明した上で締結した雇用契約書等の提出を求めるとともに、外国人技能実習機構の実地検査等を通じて、適切な処遇が確保されているかを確認指導と しており、育成就労制度においても、同様に労働条件の適切な明示とその履行確保に努めてまいります。以上です。
2:19:49
日程第一、国際復興開発銀行協定の改正の受諾について承認を求めるの件。日程第二、欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件。日程第三、1972年の廃棄物、その他のものの陶器による海洋汚染の防止に関する条約の、1996年の議定書の2009年の改正の受諾について承認を求めるの件。いずれも衆議院送付、以上3件を一括して議題といたします。まず委員長の報告を求めます。
2:21:08
ただいま議題となりました条約3件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果をご報告申し上げます。まず国際復興開発銀行協定の改正は、協定上の融資の上限を撤廃することについて定めるものであります。次に、欧州復興開発銀行設立協定の改正は、協定上の融資の上限を撤廃するとともに、同銀行の業務の地理的範囲を限られた数のサブサハラアフリカ諸国に拡大することについて定めるものであります。最後にロンドン条約1996年議定書2009年改正は、一定の条件の下で海底下の地層への処分のため、二酸化炭素を含んだガスの輸出を可能とするものであります。委員会におきましては、3件を一括して議題とし、国際開発金融機関におけるリスク管理の方向性、欧州復興開発銀行の受益国の範囲を拡大する背景、海外の二酸化炭素回収、貯留事業の在り方と気候変動対策への影響等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終局し討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より、開発銀行協定の改正に関する意見に賛成、ロンドン議定書改正に反対する旨の意見が述べられました。ついで順次採決の結果、開発銀行協定の改正に関する意見は、いずれも前回一致をもって、ロンドン議定書改正は多数をもってそれぞれ承認すべきものと決定いたしました。以上、御報告申し上げます。これより採決をいたします。まず、日程第一及び第二の条約を…日程第一をおっしゃっていたんですか? 日程第一及び第二をおっしゃっていたんですか?ちょっと今飛ばしました、一を。大丈夫ですか? もう読んでください。はい。それでは、読み直します。まず、日程第一及び第二の条約を一括して採決いたします。両権を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって両権は承認することに決しました。次に、日程第三の条約の採決をいたします。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本件は承認することに決しました。日程第四、育児休業、介護休業等、育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院双方議題といたします。まず、委員長の報告を求めます。
2:25:01
ただいま議題となりました法律案につきまして厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。本法律案は男女ともに仕事と育児、介護を両立できるようにするためこの年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充育児休業取得状況の公表義務の対象拡大個別の労働者への仕事と育児の両立に係る移行の聴取及び仕事と介護の両立支援制度の周知等の義務付け次世代育成支援対策推進法による行動計画の策定時における数値目標の設定等の義務付け等の措置を講ずるとともに同法の有効期限を10年間延長しようとするものであります。委員会におきましてはこの年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の在り方仕事と育児介護の両立支援推進に向けた企業への支援策介護離職を防止するための取組の実効性等について質疑を行うとともに参考人から意見を聴取しましたがその詳細は会議録によって御承知願います。質疑を終局し採決の結果本法律案は前回一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお本法律案に対して不対決議が付されております。以上ご報告申し上げます。
2:26:59
これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。