1:05
ただいまから、外交防援会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに伊藤 貴恵君及び福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君及び宮口春子君が占任されました。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。国際復興開発銀行協定の改正の受託について承認を求めるの件の、ほか2件の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、内閣官房、内閣審議官、小杉雄一君、ほか17名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。ご異議ないと認め、採用を決定いたします。国際復興開発銀行協定の改正の受託について承認を求めるの件、欧州復興開発銀行を設立する協定の改正の受託について承認を求めるの件、及び1972年の廃棄物、その他のものの陶器による海洋船の防止に関する条約の1996年の議定書の2009年の改正の受託について承認を求めるの件、以上3件を一括して議題といたします。3件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次ご発言願います。
2:21
おはようございます。自由民主党吉川雄美でございます。本日は国際復興開発銀行協定の改正、そして欧州復興開発銀行協定の改正、そしてロンドン条約1996年議定書改正について質問をさせていただきます。まず、ロンドン条約1996年議定書2009年改正について質問をいたします。現在、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするいわゆるカーボンニュートラルの実現に向けた手段として、二酸化炭素の回収、そして貯留、いわゆるCCSが大きく注目をされております。ちょうど参議院本会議でも先般CCS事業法が通ったところでございますけれども、政府はこれまでGX実現に向けた基本方針、そしてGX推進戦略において、2030年までのCCS事業の開始に向けた事業環境を整備するため、模範となる先進性のあるプロジェクトの開発、そして創業を支援することを打ち出しております。そして、これにまさに関連いたしまして、昨年、いわゆるジョグメック独立行政法人エネルギー金属鉱物資源機構により、2030年までの事業開始、そして事業のモデル性のある先進的CCS事業、大規模化、そして圧倒的なコスト削減が目標する7つのCCS事業、7つの案件がモデル性のある先進的CCS事業として選定され、その内訳は国内の貯留案件が5件、そして海外の貯留案件が2件となっております。ロンドン議定書の今回の改正、これは、一定の条件のもと、海底下の地層への処分のため、二酸化炭素を含んだガス輸出を可能とするものであります。先ほど述べた、先進的CCS事業の案件、これを海外に、案件が2つ含まれているわけですけれども、海外でCCS事業を行うということに関しては、絶対的な安全性、これを確保した上で、私は海外にとっても有用なものであると思っておりますが、これについては様々な意見があることも承知をしているところでございます。国内のみならず、海外でもCCSを実施する意義、これは海外の国にとっても、その意義はどういったものがあるのか、改めて経済産業省にお伺いいたします。
5:25
お答え申し上げます。我が国においてカーボンニュートラルを達成するためには、国内でのCO2貯流を着実に実現していくことに加えて、貯流先の事情にも配慮しながら、海外で貯流することも有力な選択肢の1つと考えております。特に海外におきましては、過去の石油天然ガス開発から得られた豊富な地質データがありまして、これによって既にCO2の貯流場所としてのポテンシャルを有することが分かっていて、より早期に事業着手が可 能になる場合もありえます。また、日本企業はCCSのバリューチェーンである分離回収、輸送、貯流の各段階において知見経験を持っておりまして、こうした我が国企業が持つ技術的な優位性を活用して、今後拡大が見込まれる諸外国のCCS事業の立ち上げを支援することができれば、グローバルなCO2削減への貢献のみならず、我が国の国際競争力強化や成長戦略の観点からも大きな意義があるというふうに考えております。我が国としては、既に2021年に内緒はCCUの導入や利用に関心を持つアセアン10カ国と米、ゴー、インド、それから日本をメンバーとするアジアCCUSネットワークを設立しておりまして、こうした場などを通じて、我が国の持つ技術や制度的枠組みを積極的にアピールし、CCS技術の海外展開を支援してまいりたいと考えております。
7:18
私も今回の条約はCCSのところでございますが、先ほど御答弁いただきましたCCUの部分も、我が国の大変強みの部分であると思いますので、そういったことも含めて海外にとっても意義のあるものであるということを確認することができました。さて、2023年9月、昨年の9月、日本とマレーシアの2国間でCCS事業を実施するため、K3省、ジョグメック、マレーシア国営の石油会社 、ペトロナスタの3社でCO2の輸送、貯流に関する協力の覚書が署名されました。今後もマレーシアとの協力覚書と同様に、複数の国と話し合いを進め、我が国として海外でのCCS、将来的にはUも含めた様々な可能性を開拓していく本心であるかと思っております。一方で、受入国にも先ほどこの意義ということをお伺いしましたけれども、メリットに感じる部分というものがなければ、この話し合いは進まないものというふうに思っております。この受入国側のメリットとして、どのようなことがされているのか、またどのようなことが期待されているのか、そして、我が国として、受入国側としてどのようなことが期待されているのか、そして、我が国としては、さらにどのような受入国側への貢献もすることができるのか、こちらも経済産業省にお伺いしたいと思います。
8:54
お答えいたします。ご指摘のとおり、マレーシアとの間では、CO2の液氷輸送、貯流、あるいはCCUSの技術協力などに関する協力覚書を締結しておりまして、CCS事業の協力の環境整備を進めているところであります。CCSは、こういうマレーシアなどを含むカーボンニュートラル宣言を行った国にとっては、有効な脱炭素化手段として重要性を増しておりまして、ご質問の受入国側のメリットといたしましては、例えばCO2の輸送や貯流に関する技術の習得、あるいは貯流上の創業の安定化や運営のためのノウハウの獲得、さらにこれらを通じてCCS事業が受入国で拡大していくことによる、新たな産業や雇用機会の創出といったものが想定されるところでございます。このため、貯流ポテンシャルに恵まれた途上国の中には、CO2の海外からの受入れを積極的に模索する国も複数現れている状況でございます。また、先ほどお答えいたしましたとおり、日本企業はCCSのバリューチェーンの各段階において強みを持っておりまして、我が国企業による諸外国のCCS事業の参画を支援することで、受入国側のニーズにまさに応えることが可能になります。具体的な貢献の在り方でございますが、まず、先ほど述べたアジアCCUSネットワークや、その他2国間協力の枠組みを通じた知見の共有のほか、先進的CCS支援事業、これを通じたCCSのビジネスモデル検討への支援、さらにはジョグメックなどの海外のCCSプロジェクトへの金融面の支援などの手段を活用していく考えでございます。引き続き、我が国からのCO2の輸出可能性、相手国の事情やニーズなども踏まえて、CCSの 国際協力を進めていきたいと考えてございます。まさに受入国側にとっても様々なメリットがあるということで、むしろCO2の受入を積極的に模索している国々が現在あるんだと、そして日本が求められているんだということをお伺いすることができたと思っております。今、自民党の中ではインフラシステム輸出総合戦略特別委員会というものがございまして、我が国が誇る様々な、これはインフラといっても道路であるとか港湾であるとかそういったものだけではなくて、このカーボンニュートラル社会の実現に資するような、まさにこのCCSのような事業、あるいは水素であるとかそういったことを含めたものを海外のニーズに合わせてしっかりと出していく。それによって海外のメリット、そして海外への意義というものを、受入国家の意義ということをしっかりと確保しながらも、我が国の産業、あるいは経済をしっかりと上に上げていく、向上させていくという、総合の意義、メリットを模索していくということをしていかなければならないということで進めているところでございます。ぜひとも、今回の条約改正を機に経済産業省、そして政府一丸となって、こういった我が国の誇るべき技術、これを海外のために、そしてカーボンニュートラル社会の実現のために活用、そして推進をしていただければというふうに思います。さて、次に国際復興開発銀行と、欧州復興開発銀行の協定の改正について質問をいたします。近年、先ほどの気候変動、あるいは感染症の危機といった、地球規模での課題が深刻化し、国際社会全体が複合的危機に直面する中で、国際社会の持続可能性の確保に向けた取組も大きな困難に直面しているというふうに認識をいたしております。中でも、開発資金の不足、これは最大の課題の一つでもあります。こちらは、途上国の現行秩序に対する大きな不満、そして不信の原因ともなっており、国際社会全体としてこの問題に対処していく、この意志と能力を示していくことは大変重要であろうというふうに思っております。国際開発金融機関の融資能力の増強、これはこうした観点からも急務であります。現在、国際開発金融機関による開発効果の最大化を図る取組であるMDB改革、あるいは既存資本の最大限の活用するための取組であるCAFレビュー、こういったものが進められておりまして、IBRD、そしてEBRDにおける協定上の融資上限の撤廃、これはその一環でもございます。国際開発金融機関の議論をめぐりましては、出資側の先進国、そして融資を受ける側の途上国にはそれぞれの立場があり、一致に達するのは容易なものではないと思います。その中でも、今回の融資上限の撤廃、これを決定したことは、先進国、途上国を含めた加盟国の歩み寄りを示す もの、これまでの長い議論の中での一歩進んだ歩み寄りを示すものであろうと思っております。こうした観点から、世界第2位の出資国である日本こそが、この改正の早期発行に貢献することも含め、MDB改革、あるいはCAFレビューに積極的な姿勢を示していくこと、これが重要であろうと私は思っております。我が国として、このIBRD、あるいはEBRDにおける協定上の融資上限の撤廃を含め、こうした取組に今後どのように積極的に携わっていくのか、上川大臣、そして政府のご見解を、そしてご方針をお伺いしたいと思います。
15:17
御指摘のとおり、まさに国際社会におきまして大変重要なテーマの一つでございますが、この国際復興開発銀行IBRDやまた欧州復興開発銀行EBRDをはじめとする国際開発金融機関、MDBに対しまして、特に資金面をはじめとする支援ニーズが高まっている状況でございます。こうした状況を受けまして、G20の取組といたしまして、このMDBの既存資本を最大限活用するための方策を検討する、自己資本の充分性に関する枠組みの見直し、CAFレビューが進められておりまして、2022年7月には独立パネルの提言がまとめられて提出されたところでございます 。今回の改正でありますが、この提言におきまして、MDBの協定上の有志上限の撤廃が求められたことに対応して行うものでありまして、この改正によりまして、IBRD及びEBRDが長期的に限られた既存資本の効率的な活用を通じまして、有志予力の拡大を図り、開発資金ニーズの増加に対応することが可能となるところであります。その意味で、本改正は、途上国によります地球規模課題への対応に対する支援強化につながる点で、大変有意義であると考えております。委員御指摘のとおり、両国におきましては、米国について、日本は第2位の投票券シェアを有しております。CAFレビューを含みます、こうした取組につきましては、可能な限り早期に本改正を受諾し、他の加盟国の受諾を促すことによりまして、改正の早期発行に貢献してまいりたいと考えております。神川大臣から、我が国の立ち位置、そして今後の世界各国への呼びかけも含めた、これからの在り方をリードしていくという御意思、そして方針をお伺いすることができたと思っております。今般のEBRDの設立協定の改正で、新たに支援対象として拡大されることのあったサブサハラ、そしてアフリカ地域についてお伺いしたいと思います。サブサハラ、アフリカ地域におきましては、人口の増加、そして豊富な鉱物資源などから、その潜在力が評価されたこと、これが今回の受益国の拡大に至った背景であると考えられます。ちょうど神川大臣は、先般の概要において、新たな受益国として想定されているコートジブワールでありますとか、ナイジェリアを訪問されたところであると承知をいたしております。これらの国々は今後どのような分野で成長することが見込まれるのか、そして日本企業の今後のこういった地域でのビジネスチャンスの拡大も期待をすることができるのか、神川大臣が実際に訪問されて感じられたこと、そして様々な交渉の中で今後のことを想定された、どのようなことを考えられるのかということをお聞かせ願えればと思います。
18:45
2050年に世界人口の4分の1を占めると言われるアフリカでありますが、若い人口構成や、また、豊富な資源も背景にダイナミックな成長が期待できる地域であります。有望な市場、また生産拠点、そして新たなビジネスモデルの実証の場として、今後も大きな成長が見込まれます。アフリカ経済のダイナミズムを日本に取り込むとともに、アフリカの経済成長及び平和と安定を実現する方策を、ティカートプロセスも通じまして、アフリカと共に作る、競争してまいりたいと考えております。そのような問題意識の下におきまして、先月末でありますが、外省就任後初めて、サブサハラアフリカを訪問いたしました。アフリカには多くの言語圏があります中で、今回は、普通語圏のマダガスカル及びコート・ジボワール、そして英語圏のナイジェリアに絞って訪問をいたし、特に連結性の強化、投資促進、スタートアップ支援に焦点を当てて臨みました。コート・ジボワールでありますが、石油・天然ガス等の資源、また政治的安定性等を背景に高い経済成長力を維持しておりまして、潜在性の高さを感じました。現地の日本企業関係者や、また女性リーダーの皆様とも意見交換をさせていただきましたが、既に日本企業がコート・ジボワールを拠点としてネットワークを構築され、他の普通語圏の国々へのビジネス展開を進めている状況を確認することができました。まさにコート・ジボワールが西アフリカ普通語圏のゲートウェイであるということも実感したところであります。また、中東等のアフリカ以外の地域・国を含めました第三国連携の実態についてもお話を伺うことができました。また、ナイジェリアでありますが、2億人以上の人口、特に多くの若年の人口を有している国であります。さらに、原油等の豊富な資源を有するアフリカ最大の経済大国であります。周辺国におきましては、不安定さがある中におきまして、活気あふれる若者世代が、