PolityLink

このサイトについて

参議院 憲法審査会

2024年05月15日(水)

1h38m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7953

【発言者】

中曽根弘文(憲法審査会会長)

川崎政司(参議院法制局長)

加賀谷ちひろ(参議院憲法審査会事務局長)

1:14

ただいまから憲法審査会を開会いたします。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。本日は憲法に対する考え方についてのうち、参議院の緊急集会について法制局及び憲法審査会事務局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。全体の所要は1時間40分を目処といたします。まず、法制局及び憲法審査会事務局から順次説明を聴取いたします。なお、御発言は着席のままで結構でございます。

1:59

川崎法制局長

2:02

参議院法制局長の川崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私の方からは、お手元の資料に基づき、大規模災害等の緊急事態等緊急集会に関しまして、参議院緊急集会の趣旨位置づけ等について改めて確認した上で、緊急事態法制等、そこでの緊急集会も含めた国会の関与、さらに大規模災害が発生した場合における災害対策基本法による災害緊急事態への対応の流れ等、緊急政令に関し、参議院の緊急集会が開催される場合の流れを説明し、併せて緊急集会に関する諸論点等にも言及させていただきます。まず、参議院の緊急集会制度の趣旨位置づけ等につきまして確認させていただきたいと思います。表紙をめくり1ページをご覧ください。憲法54条2項及び3項に規定されている参議院の緊急集会は、衆議院が解散され、衆議院総選挙後の特別会招集までの国会機能の停止期間中に緊急の案件が生じた場合において、これに国会の権能を代行させるため設けられたものです。その措置は臨時のものであり、次の国会で10日以内の衆議院の同意を要する暫定的なものとされております。この点、旧帝国憲法には行政府による緊急勅令や緊急財政処分などの制度は設けられておりませんでした。設けられていましたが、失礼しました。設けられていましたが、現法憲法にはそのような規定はありません。これに関連しまして、政権時の帝国議会の審議において政府は、民主政治の徹底させる検知から緊急措置に関する規定は憲法の中には多くは設けなかった。国会がいつまでも開き得る体制を備えていなければならないが、衆議院の解散後の70日というのは開こうにも開けない状況になり、国会制度の趣旨を徹底して実行するための方法として、参議院の緊急集会の制度を考えた。国民の代表である参議院の緊急集会という方法をもって、予測すべからざる緊急の事態に対して暫定の措置をとりる法等を規定したなどと説明しております。2ページに参りますが、これまでに緊急集会が行われたのは、昭和20年代の2例であり、このうち昭和27年8月の緊急集会は、衆議院総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査の執行に必要な中央選挙管理委員会の委員の指名をしないまま、衆議院が解散されたことから、中央選挙管理委員会委員とその予備員の指名のため行われたものです。また昭和28年3月の緊急集会は、衆議院の解散により、昭和28年度予算の年度内不成立が確実になったことから、暫定予算や法案の処理を行うため行われたものです。2例とも衆議院の同意がなされておりますが、いずれも政治上の事情から予期せぬ衆議院の解散が行われたことによるものであり、緊急事態時のものではありません。次に3から4ページで緊急事態法制と緊急集会の位置づけなどについて見ておきたいと思います。緊急事態の対応については、政権時に政府から行政権の自由判断の余地をできるだけ少なくし、特殊の必要が起これば臨時国会を招集してこれに応ずる処置をする。衆議院解散中は参議院の緊急集会により暫定の処置をする。同時に他の一面において実際の特殊な場合に応ずる具体的な必要な規定は、平素から濫用の恐れのなき姿において準備するように法律の規定を完備しておくことが適当である旨の考え方が示されております。そして実際に自然災害、感染症、武力攻撃、内乱、テロなどの緊急事態について順次法律が整備され、これらに対処するため特別な権限や措置が規定されており、これに対し国民の権利自由の制約となることなどから、あるいは国会による民主的統制を及ぼすため、国会議員の緊急集会も含む国会の措置承認、国会への報告など国会の関与が規定されています。これらのうち4ページとなりますが、自然災害等への対応については災害対策基本法が制定され、災害応急対策、災害復旧、災害緊急事態の布告、緊急整例等が規定されているほか、これを補うものとして原子力災害特別措置法、災害救助法なども制定されています。また感染症への対応としては、感染症予防法、新型インフルエンザ等対策特別措置法、検疫法などが制定され、新型インフルエンザ等対策特別措置法では、新型インフルエンザ等緊急事態措置として、緊急事態宣言、まん延防止措置、医療等提供確保措置、緊急整例等の国民生活、国民経済安定措置などが規定されております。さらに、武力攻撃等への対応としては、武力攻撃事態等と損失事態への対処については事態対処法、武力攻撃の排除等については自衛隊法、武力攻撃により生ずる災害への対処については国民保護法、重要影響事態については重要影響事態安全確保法が規定しているほか、内乱テロへの対応については警察法、自衛隊法、事態対処法、国民保護法などに規定が設けられています。それらの中では国会の事前又は事後の承認、国会への報告などが規定されているものが少なくなく、該当するものには青い星印、その中で緊急集会が規定されているものには赤い星印を付しており、緊急集会について規定する関係条文の概要については3ページの下段に挙げているところです。そこでこれらを踏まえまして5から6ページにおいて大規模災害の発生した場合における災害対策基本法による対応と参議院の緊急集会について目を向けてみたいと思います。まず5ページで大規模災害が発生した場合に想定され得る災害対策基本法の災害緊急事態における対応の流れについて確認をしておきたいと思います。非常災害が発生し、かつ当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、災害応急対策を推進し国の経済の秩序を維持するなど特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は閣議にかけて災害緊急事態の布告を発することができます。この布告を発したときは緊急災害対策本部が設置され、対処基本方針が定められるとともに、消防法、医療法、墓地埋葬法などの特例の規定が適用されることになります。なお災害緊急事態の布告に関しては、20日以内に国会の承認が必要となり、国会閉会中または衆議院解散中においては、その後招集される国会での承認を求めなければならないものとされています。さらにこの災害緊急事態の布告下においては、国の経済、秩序の維持及び公共の福祉の確保のため緊急の必要がある場合などにおいて、国会閉会中または衆議院解散中かつ臨時会または参議院の緊急集会のいとまがないときは、内閣は物資の配給、譲渡の制限等、物価等の統制、金融モラトリアム、海外支援の受入れについて、罰則を含み得る必要な措置を講じるため、緊急政令を制定することができます。緊急政令を制定したときは、内閣は直ちに臨時会の招集を決定し、または参議院の緊急集会を求め、措置をなお継続する場合には、緊急政令に代わる法律の制定の措置を、緊急政令の廃止などその他の場合には、緊急政令の承認を求めなければならないものとされています。そして、それらの措置が講じられたり、緊急政令が廃止されたりすることなく、臨時会の開会から20日の期間の経過、ないしは緊急集会の開会から10日の期間の経過、あるいは臨時会の会期の終了、ないし緊急集会の終了のいずれの早いときに、緊急政令は執行することになります。さて、これを前提に、6ページで災害緊急事態において緊急政令が制定された場合の参議院の緊急集会の流れとともに、緊急集会をめぐる主な論点についても見ていきたいと思います。この場合に、内閣によって緊急集会が求められるのは、衆議院の解散中に緊急政令が制定された場合ということになりますが、そのほかに衆議院議員の任期満了後に、総選挙が行われることにより、衆議院が不存在の場合に参議院の緊急集会を開くことは可能かということも論点となってきます。この論点1については、衆議院議員の不存在という点において、解散の場合と何ら経典も認められない、任期満了後の衆議院の不存在の場合にも、何らかの形で適用可能などとする肯定的な立場と、名分上認められないとする否定的な立場に分かれておりますが、最近の両院の憲法審査会での参考人の意見や議論を踏まえますと、可能とする立場が有力となりつつあるようにも見受けられます。なお、それぞれの論点ごとの議論や学説の状況については、7から10ページに示しております。それぞれの論点ごとに掲載箇所を示しておりますので、適宜ご参照くださいませ。また、衆議院の解散中に緊急政令が制定された場合は、緊急集会の求めは義務的となりますが、そもそも緊急集会の要件とされる国に緊急の必要があるときとして、どのような場合があるかということも問題となります。この点については、関連論点として示しておりますが、この関連論点については、災害緊急事態等の緊急事態において、衆議院解散中に国会の見論を続する案件などが生じた場合が、これに該当するほか、国に緊急の必要があるときについては、緊急事態の場合に限られず、憲法及び法律を施行する上で、特別会の招集を待たずに措置しなければならない緊急の必要がある場合も、含まれると解されているところです。そこで、緊急政令が制定された後の参議院の緊急集会の流れをロックページで見てまいりますと、緊急集会を求める主体は内閣に限られており、内閣総理大臣から集会の期日を定め、案件を示して参議院議長に請求すべきものとされています。請求があった場合には、参議院議長から各参議院議員に通知がなされ、議員は指定された期日の午前10時に参議院に集会します。その本会議では、議長からの報告、院の構成の決定の後、内閣から提出された案件の審議に入ることになりますが、その際には委員会に付託し、まずは委員会で審査が行われるのが一般的です。緊急政令の制定については、緊急措置の継続の場合には緊急政令に代わる立法措置、それ以外の場合には緊急政令についての承認が案件となります。これらの法案ないし案件については内閣から提出されますが、このほか必要に応じ災害対応のための法案や予算が提出されることも考えられます。この場合に論点2となりますが、参議院の審議の対象範囲や検納が問題となります。この点、内閣によって緊急の必要のある案件として提案される限り、法律の制定や予算の議決について別段の制限はないと返されておりますが、予算の範囲については特に本予算をめぐり議論がございます。他方、参議院の緊急集会の検納は、広く国会の検納に及ぶとされるものの、案件の性質から参議院の議決のみでは許されないものや、緊急の必要性がないものは緊急集会の検納外と介されており、少なくとも内閣不信任決議や憲法改正の発議については、緊急集会の検納は及ばないとすることで、異論は見当たりません。また、論点3にあるように、緊急集会で参議院議員が発議できる議案の範囲も問題となりますが、緊急集会では議員は内閣総理大臣から緊急集会の請求の際に示された案件に関連あるものに限り、議案を発議できるものとされており、この点については国会法101条で規定されているところです。緊急集会における緊急性や緊急の案件の認定は、第一的には内閣がその責任において行うとの考え方に基づくものとされております。緊急集会には会期の関連はなく、緊急の案件がすべて議決されたときに緊急集会は終わることになりますが、その際、議長はその終了を宣告いたします。緊急集会において可決された案件については、交付を要するものは内閣を経由して交付送上され、それ以外のものは内閣に送付されます。衆議院が解散された場合には、衆議院議員の総選挙が行われることになりますが、憲法54条1項により、解散の日から40日以内に総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に国会を招集しなければならないこととされています。したがって、これらを合わせた70日については、国会を開くことができない場合があり得ることとなり、その間は参議院の緊急集会で対応することとなります。このことに関連して、論点4となりますが、仮に大規模な災害などにより、衆議院の総選挙の実施が困難となっている場合に、参議院の緊急集会による対応がいつまで可能なのかという問題があり、この点については、基本的に総選挙を経て、特別会の招集が可能となるまでの間とされておりますが、その期間をめぐっては、70日を超えて実施できるとする立場、70日を超えて実施できないとする立場などがあります。この点については、憲法との関係で、解散後40日を超えて、総選挙をすることも認められるのか、どのような場合が選挙困難事態にあたるか、あたるかのかなどの問題も絡んでくることになります。いずれにいたしましても、衆議院の総選挙が行われると、その後30日以内に特別会として次の国会が招集されることになります。特別会では、まず委員の構成を経て、内閣総理大臣の指名が行われます。そして参議院の緊急集会において取られた措置については、憲法54条3項の規定により、特別会開会後の10日以内に衆議院の同意を得なければならない、その効力を失うこととされており、内閣から当該措置につき、衆議院の同意を求めるの件が、衆議院に提出されることとなります。なお、この特別会には、内閣から災害緊急事態の布告について承認を求める案件も提出されることとなります。衆議院では、緊急集会での措置の同意案件の審査のために、特別委員会を設けることが先例となっており、委員会の審査を経て、本会議に諮られることになります。その場合に、衆議院の同意があったときは、緊急集会で取られた措置は、国会で否決された場合に同様の効力を有するものであることが確定いたします。他方、参議院の緊急集会で取られた措置について、国会開会後10日以内に衆議院の同意が得られなかった場合には、当該措置は執行することになります。その場合の関連論点として、執行の効果の及ぶ範囲が問題となりますが、これについては、執行は将来に対するものであり、過去に訴求するものではないと解されているところでございます。架け足の説明となりましたが、私からは以上です。どうかよろしくお願い申し上げます。

20:55

香川憲法審査会事務局長

20:59

私からは、法制局長から説明のあった参議院の緊急集会に関し、本期成年に基づく主な流れについて、お手元の緊急集会参考資料のページ番号1と2の図に沿って御説明いたします。まず、内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から参議院議長に対し、1、案件を示して、2、集会の期日を定め、3、文書により参議院の緊急集会を求める旨の請求をしなければならないとされております。なお、請求日から集会の期日までの期間について、法規の定めはございませんが、過去の例では、少なくとも3日前に請求がされております。内閣からの請求がございましたら、参議院議長から各議員に通知され、議員は指定された期日の午前10時に参議院に集会しなければならないとされております。各議員への通知方法については規定されておりませんが、参議院候補をもって通知される例であり、官報にも掲載されます。過去の緊急集会の事例や国会聴取の手続に従えば、この後、議員運営委員会理事会が開会され、内閣より緊急集会請求の経緯や提出予定案件についての説明を聴取するほか、緊急集会第1日目の本会議について御協議が行われるものと想定いたしております。緊急集会の第1日目の本会議におきましては、会議を開くにあたり、議長が内閣総理大臣から緊急集会を求められた旨を告げた後、議席の指定等、院の構成に係る議事を行った上で、内閣が示した案件の審議を行うことも考えられます。緊急集会で審議される案件は、内閣からの緊急集会の請求の際に示されたものに限られますが、参議院議員は、内閣が示した案件に関連のあるものに限り、議案の発議が可能とされております。また、審議手続につきましては、国会法及び参議院規則で、条理上、緊急集会の本質と相入れないものを除き、全て適用されます。緊急集会において、提出案件の審査が見込まれる各委員会では、理事懇談会等で委員会の開会が協議されるなど、付託案件の審査に向けての動きが想定されます。各委員会で付託案件の審査が終了しました後は、議員運営委員会理事会の協議を経て、本会議において案件の審議が行われることとなります。なお、緊急集会では回帰の観念はなく、本会議で案件が全て議決されたとき、議長は緊急集会が終わったことを宣告し、緊急集会は終了となります。緊急集会において案件が可決された場合には、交付を要する案件は参議院議長から内閣を経由して総譲し、交付を要しない案件は参議院議長から内閣に送付することとされております。緊急集会において取られた措置は臨時のものであることから、次の国会において衆議院の同意が必要となります。衆議院議員総選挙を経っておりますので、次の国会において衆議院では、議長及び副議長の選挙、内閣総理大臣の指名等の議事が行われますが、招集日に内閣から衆議院に対し、参議院の緊急集会において取られた措置につき、日本国憲法第54条第3項の規定に基づく同意を求めるの件が提出される例となっております。委員会本会議の審議を経て、衆議院において同意された場合、緊急集会において取られた措置の効力は確定的なものになります。一方で、開会後10日以内に衆議院の同意がない場合は、緊急集会において取られた措置の効力は失われることになります。なお、過去2回行われました参議院の緊急集会の主な経過と関係する法規、宣令につきまして、お手元の資料の3ページ以降に参考資料として添付させていただいております。以上でございます。はい、以上で説明の聴取は終了いたしました。これより、委員間の意見交換を行います。発言を希望される方は、指名票をお立ていただき、会長の指名を受けた後、ご発言願います。発言が終わりましたら、指名票を横にお戻しください。1回の発言時間は各5分以内でお述べいただき、法制局または憲法審査会事務局に答弁を求める場合は、答弁を含め5分以内といたします。発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が長過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめご承知願います。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは、発言を希望される方は、指名票をお立てください。

26:03

片山さつき君。

26:05

はい。自由民主党の片山さつきです。ただいま、参議院法制局や憲法審事務局からご説明がありましたが、参議院の緊急集会は災害対策基本法などで、我が国が大災害等に見舞われた際の緊急的な措置の枠組みの中に、総選挙により衆議院議員が選出され、国会が招集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら、領印・同時活動原則の例外として、暫定的な処理を可能とする制度として組み込まれております。これまで緊急集会は、最大法などが成立する以前の平時での開催しか事例がありませんが、今後、大規模自然災害等が発生したときに、機能をしないということが万が一にも絶対にあってはいけない、そういうことは回避させねばなりません。あらゆる事態を想定しながら、参議院の緊急集会がしっかりと機能するよう、法制面や実行面などから検討すべき事項をすべて洗い出す必要があり、そのためにシミュレーションを通して早急に確認すべきと考えます。その上で、参議院の緊急集会が衆議院議員の不存在時の大規模自然災害時の事態に迅速に対応するためには、法制局長からただいま御説明のあった論点について、参議院としての考えを明らかにしておく必要があります。そこで、これまでの議論の中で出された各会派の意見を整理し、それを踏まえて、参議院憲法審査会としての考えを明確にして、議論を前に進めていく段階に今やあると考えております。同時に、参議院の見解を明らかにした上で、これらの論点について、緊急集会は参議院の機能、兼能であるのだから、参議院だけで解釈を確定し得ると考えてもよろしいのか、あるいは参議院の見解を示して、衆議院、さらには内閣とも解釈をすり合わせる必要があると考えるべきなのか、という点がございます。また、その際、協議などによって法的な解釈を一致させればよろしいのか、あるいは法律の制定や改正、憲法改正による条文の整備などが必要となるのか、という点についても考えをまとめなければならないと思いますが、これらにつきまして、まず参議院の法制局長にお考えをお伺いしたいと思います。

29:00

川崎法制局長

29:03

お答えいたします。参議院の緊急集会は参議院の兼能ではありますけれども、緊急集会を求める主体は内閣であり、その措置について衆議院の事後の同意が必要とされていることを踏まえますと、事柄にはよりますものの、緊急集会をめぐる論点に関する解釈を確定するには、参議院、衆議院、内閣の間で解釈が基本的に一致していることが必要ではないかと思われます。従いまして、先ほど先生がおっしゃられましたように、その三者間での調整ということが必要になってくるということではないかと思います。その上で解釈が確定されたような場合には、場合により法律改正や憲法改正によって明確にするようなこともあり得ることではないかと思われます。いずれにしましても、どのような方法形式で解釈を確定するかは、両院の先生方の御判断になってくるものと考えております。以上でございます。

30:00

片山さつき君

30:02

ありがとうございます。非常に重要な御見解が示されたと考えますが、続けて憲法審査会事務局にも御質問させていただきます。前回の憲法審査会で、我が会派の佐藤幹事が御指摘しましたように、参議院全体の業務経済計画のBCPはないということですが、これまでに参議院において、参議院の緊急集会を意識したBCP、あるいは累次計画の策定を議論しようとしたことはあったのでしょうか。これは大震災等もあった。今現在ということでございますね。また、参議院事務局にはBCPはそもそも終わりなのでしょうか。あるとすれば、いつごろに、何をきっかけに策定されたものであるのでしょうか。これを事務局にお伺いしたいと思います。

30:50

香川事務局長

30:52

はい。憲法審査会事務局の所管外への事項ではございますが、便宜、私からお答えをさせていただきます。参議院事務局におきましては、東日本大震災の経験等を踏まえ、平成24年8月に首都直下地震対応参議院事務局等業務計画計画を策定いたしております。本県BCPが適用される災害時に緊急集会の請求があった場合にも、発災後1週間以内に本会議委員会等の開会業務が行われることを目標に、参議院の業務継続の確保を図るということになります。他方、参議院事務局のBCPは、議員の具体的行動に係る事項を対象したものではなく、また、これまでに緊急集会を意識した参議院全体のBCPについて、具体的な議論が行われたことは承知いたしておりません。以上でございます。ありがとうございました。終わります。

31:42

小西博之君

31:45

緊急集会について意見を述べます。参議院憲法審では、昨年の上会で緊急集会の集中議論を行い、その成果として、緊急集会が大災害などの有事に国会機能を代行させるために創設されたという立法事実、戦前の反省に基づく権力暴走を防ぐためという根本趣旨、衆参同時開催の例外ではあるが、あくまでも認識国会の趣旨を徹底するという制度趣旨などを、ほとんど全ての会派が共有することができたものと存じます。また同時に衆議院憲法審で議員任期の延長会見のために唱えられている憲法と法の支配、立憲主義に反する緊急集会に関する独自の見解とは異なる見解、いわばそれらを否定批判などする見解が示されているのは、良識の不能を表れと敬意を表します。我が会派はこの間、緊急集会の法制度は累次の国会法改正によって議員規則レベルまで必要な整備がなされていることを確認した上で、内閣、参議院、衆議院の権力均衡抑制を図り、平時への優れた復元力、レジリエンスを有する緊急集会をより従前に機能させるために、緊急集会で取り扱う議案について、内閣による追加、参議院による追加の促しと内閣の説明責任などを措置する国会法改正の提案もいたしました。今国会では実際の大規模災害などにおいて、緊急集会が従前にその機能を発揮するため、制度面、運用面のさらなる具体的検証をしたいと思います。まず制度面の課題として、臨時会、緊急集会とともに、憲法の緊急事態法制の一翼をなす憲法73条6号の罰則付き委任立法、すなわち法制局資料の3ページにある災害対策基本法、インフルエンザ等特措法などの3つの緊急政令への緊急集会による答制の確保がございます。武力攻撃事態等対処法の防衛出動の承認も含めて、これらはすべて共通の条文で、国会閉会中または衆議院解散中で、かつ臨時会の招集を決定し、または参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときと規定されているところ、衆議院の任期満了時に、内閣がこれらの緊急政令などを定めた際に、法律の規定に基づき、直ちに緊急集会の請求ができるのか。一見明白なかきぶりとまではいかないのではないかと存じます。衆議院任期満了の際における緊急集会によるこれらの法律の緊急政令などへの答制は、現実の緊急事態対応として、憲法審査会の責任において、その解決を図るべきものと考えます。まず、そもそも衆議院の任期満了の際に緊急集会を開催できるのかという、憲法54条の解釈問題があります。これについては、政府は国会で議論して決めていただきたいとの内閣法制局長弁を、答弁をしていましたが、昨年の上回において、我が参議院憲法審査会のみならず、衆議院憲法審においても、全会一致でこれを認めております。これは、衆議院で任期延長会見を主張する会派における唯一の法の支配、立憲主義に反しない緊急集会に関する正しい解釈ではないかと思いますが、いずれにいたしましても、週三で任期満了時も緊急集会の開催は可能との憲法解釈が示されているわけでございます。とすれば、あとは緊急政令などの法律レベルの問題となります。これらは、憲法の定める国会中心立法、議員内閣制のもとの行政監督の限界制度であることから、まずはこれらの法律を参議院の議員立法によって法改正して、衆議院任期延長の際の緊急集会の統制を明確に条文上も位置づけるべきと考えます。また、万が一その法改正が間に合わない場合、解釈によって任期満了の際も緊急集会の統制を働かすことができるのか、議論の必要があります。実は災害対策基本法の所管省庁においては、緊急政令の政策的な必要性とその際の緊急集会による統制の必要性の検知から、国会閉会中の文言で衆議院任期満了の事態を読み、任期満了時も内閣による緊急集会の請求は可能との解釈を示しているところですが、こうした解釈の可否について参議院法制局の見解を求めます。最後に運用面については、首都直下地震特措法に基づき、参議院事務局が策定している緊急対策実施計画BCPに基づきつつ、議員の任期確認、緊急集会の請求に際しての議員への通知、オンライン出席を含む議員の参集方法、対申請が認められている国会議事堂議員会館以外の開催場所の確保、議員版のこのいわゆるBCPに属する事項の検討などについて議論を含めることは有意義であるというふうに考えます。以上でございます。

36:43

川崎法制局長。

36:46

お答えいたします。ご指摘の所管省庁による国会閉会中の文言による解釈での対応可能というのは、どのような趣旨なのか、つまびらかではありませんけれども、憲法解釈を受け、まずは衆議院議員の任期満了後の総選挙の場合を法律上規定する必要について、検討が行われることになるのではないかと思われます。その上で、仮に先ほども先生がおっしゃられたように、法改正が行われないまま、衆議院の任期満了後の総選挙の期間中に緊急整例とそれに対する緊急集会での措置の必要が生じた場合には、災害対策基本法などの規定をどう解釈し、どう対応するかが問題になってくる可能性はあるというふうに考えているところです。小西平彦君、時間になりました。解釈としてできる余地があると法制局として考えるということですか。

37:34

川崎法制局長。

37:37

その解釈の趣旨につきまして、つまびらかではありませんので、ここで直ちにお答えすることは困難でございます。

37:44

伊藤貴江君。

37:47

公明党の伊藤貴江です。大規模災害や感染症の蔓延などにより、後半かつ長期にわたって選挙ができない場合でも、国会の権能を維持するため、参議院の緊急集会に関する規定が置かれています。参議院の緊急集会は、衆議院が解散されて総選挙が挙行され、特別会が招集されるまでの間に、法律の制定、予算の改定、その他国会の開会を要する緊急の事態が生じたとき、それに応えて国会を代行する制度であり、参議院の基本的かつ重要な権能であるとともに、参議院の存在意義の一つとして位置づけられます。災害時に緊急事態が発生した場合に、参議院の緊急集会が国会の権能を代行するために議論を深める必要があるとされる点が様々指摘されています。参議院の緊急集会に関しては、先ほども示されたとおり、手続及び運営が既に整備されており、これは緊急集会の特徴であり利点の一つといえます。具体的には、国会法及び参議院規則において所定の規定の整備がなされているほか、過去2回の選例を踏まえた選例録も整理されており、これらに則った手続及び運営を通じて、その権能が発揮されるものと考えます。本日はこの流れに関連し、2点述べさせていただきます。まず1点目として、参議院の緊急集会は、憲法54条2項では衆議院が解散されたときと規定されていますが、衆議院の任期満了による総選挙の場合にも開くことができると考えます。その理由としては、憲法を制定時には、衆議院議員の任期満了時を参議院の緊急集会の対象から意図的に外したわけではないこと、衆議院の不存在という点においては、解散の場合と根本的な差異はないことが挙げられ、近日の学説も憲法54条2項の累推適用により、参議院の緊急集会を求めるとの見解が多く見られるようになっております。2点目として、オンラインによる出席、国会審議や採決に参加できる制度を創設することの検討が必要と考えます。緊急集会が開催される状況においては、参議院議員の全部、ないしは一部が議場に参集することが困難であることを想定しておかなければなりません。参議院の緊急集会の流れによれば、参議院議長からの通知に基づき、参議院議員は指定された期日の午前10時に集会することになります。議員運営委員会理事会で本会議について協議し、本会議が開かれるという流れですが、これらへの出席は現実に集合するという形で出席するしかないのでしょうか。この点は、各委員会の理事懇談会や理事会委員会についても同様の問題があります。私は一定の要件の下で、例外的にオンライン参加を認めることは、憲法56条1項の議事の定則数、57条1項の会議の公開の趣旨に反するとは言えず、各議員の自立権、憲法58条2項の範囲内であり、憲法上も許容されるものと考えます。ただ、検討すべき課題も多くあります。オンライン国会を実施するには、議場への参集が難しく、困難な客観的状況であるかどうかの認定が必要であり、オンライン国会の実施の要件と手続きを具体的に定めておく必要があります。また、本会議、委員会、理事会などを同じに扱うことができるのかどうか、また、憲法57条1項の公開原則に反することがないよう、会議の公開性や可視性が確保される方策が取られることや、システムのセキュリティや投票の申請性が確保されなければならないことなどの課題についても、検討する必要があると考えます。参議院の緊急集会に求められる役割を十分に果たすことができるよう、参議院の緊急集会の流れに関連する論点の整理は、まず参議院として主体的に行うべきと考えます。憲法審査会において、積極的に真摯に議論を重ねていくべきと申し上げ、私の発言といたします。

41:54

柴田拓実君

41:56

日本維新の会、教育無償化を実現する会の柴田拓実です。緊急集会等について考え方を述べさせていただきます。我が党は、憲法第54条が定める参議院の緊急集会の重要性はもちろん認めていますが、緊急集会の開催には明確な限界があります。1点目は、何といっても長期にわたる場合を想定していないということです。改めて言うまでもありませんが、参議院の緊急集会の要件は、衆議院の開催中であること、国の緊急の必要があること、そして内閣の求めによることの3つです。このうち、衆議院の開催中であることは、還元すれば、開催中にしか緊急集会を開けないということです。故に、大規模災害の発生、感染症や戦争の拡大などの緊急事態にはそぐわないと考えます。また、衆議院議員が不在となる期間として想定されているのは、先ほどもありましたが、最長でも解散から選挙までの40日、プラス特別国会に開かれるまでの30日、合わせて70日です。それ以上の長期にわたる期間まで、参議院が単独で国会機能を担えるということを、現行憲法で認められと解釈するには、かなりの無理があります。なおまた、この解散要件については、衆議院の任期満了に累推撤協はできるという意見もありますが、仮にそうだとしても、直後に衆議院の議決を求めることからも、長期の緊急事態まで想定されているとは考えられません。緊急集会が想定しているのは、国政選挙を通常どおりに行える程度の状況、つまり近いうちに国会が開会されることを前提にしています。したがって、長期にわたる緊急事態が発生し、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において、選挙の適正な実施が70日を超えて困難であることが明白な場合には、参議院の緊急集会だけでは対処が極めて困難になります。第2の限界は緊急集会の堅能です。国会法第99条第1項は、内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から集会の期日を定め、案件を示して参議院議長にこれを請求しなければならないとあります。そして第101条2は参議院の緊急集会においては、議員は第99条第1項の規定により示された案件に関連あるものに限り、議案を発議することができると思います。つまり、緊急集会で議員が発議できるのは、内閣の請求の際に、総理が示した案件に絞られることになります。しかし、長期にわたる緊急事態が生じた場合、当初想定した案件のみを議論するだけでは足りなくなることが容易に予想されます。このように緊急集会で取り扱える案件は、あらかじめ総理が示した案件に限るとされており、長期にわたる緊急事態において、参議院が包括的に対応することは想定されておりません。したがって、これまで申し上げてきた点を踏まえれば、いかなる緊急事態にあったとしても、国会の機能や人選の大原則を維持し、恣意的な権力の統制を図り、加えて選挙が実施不可能なことによって国会議員が不在となる事態を避けるには、緊急事態条項が必要と考えます。我が党は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置、自衛隊明記、そして緊急事態条項創設の5項目について、既に条文案を示しています。このうち、緊急事態条項の創設では、衆議院において、我が党のほか、自民、公明、国民民主、有志の会とのご党派によって、緊急時には、必要に応じて議員任期を延長できる条項を設ける必要性などで一致しました。さらに、維新、国民民主、有志の会の3党派で独自に条文案をまとめています。私どもは、これらの緊急事態条項を設けることにより、たとえ緊急事態が長期化した場合でも、国政選挙が適正に実施されるまでの間、国民の代表となる議員が存続し、国家の運営が継続でき、かつ、行政の暴走をストップさせることが保障されると確信をしています。このような3党派が条文化している案に基づいて、緊急事態条項の導入に向けた議論が早期にこの審査会で行われることを強く求めたいと思います。最後に申し上げます。日本国憲法は施行77年を迎えました。この間、一言一句の改正も行われていません。国民主権を掲げる日本国憲法が、一度も国民の審判を仰いでいないのは、まさにブラックジョークであります。国民の命と暮らしを守るための基本法とある憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは、国会議員に課せられた重大な責務です。憲法を国民の手に本当に取り戻す、そのために我が会派は、参議院においても主導的役割を果たしていくことを強調し、意見表明とさせていただきます。

47:08

磯崎哲次君。

47:10

国民民主党侵略風回の磯崎哲次です。意見を述べさせていただきます。憲法審査会において、これまでも緊急集会をテーマに意見交換が行われてきました。リスクに備える、との観点から、具体的な運用や論点について、さらに深掘りして議論を行うことは大変意義あることと考えます。一連の議論を通じ、具体的な結論を見出せることを心から期待しつつ、法制局から説明のあった論点を中心に以下、意見を述べます。まず、緊急集会における審議の対象や期間についてです。国に緊急の事態が発生した際に、国会機能維持の一つとして、憲法第54条の第2項に、参議院の緊急集会の規定が置かれていることは非常に重要なことです。そうで、緊急集会に関する規定は、人生の例外であることから、その運用については限定的と受け止めることが自然であると考えます。また、54条第3項には、全項の正しがきの緊急集会において取られた措置は臨時的のものであって、次の国会開会の後、10日以内に衆議院の同意がない場合には、その効力を失うとあります。この条文からも、緊急集会はあくまで臨時の措置であり、長期間を想定していないものと考えます。仮に、緊急事態が長期にわたることが想定される中、次年度予算の議決が必要になった場合、1年に及ぶ予算の議決は許容されるのでしょうか。あくまで臨時の予算措置のみ対応できるとした場合、暫定予算を繰り返し議決することは可能なのでしょうか。特に、54条3項に規定される、衆議院による国会同意が得られない状況の中で、繰り返しの議決は成立するのでしょうか。こうした点について、整理が必要であると考えます。この点に関しては、臨時集会はあくまで臨時の措置であり、その県の議員発議の範囲は限定的であるべきとの立場から、予算については臨時の予算編成のみとし、また、衆議院の国会同意がない状態での繰り返しの議決も望ましくないと考えます。緊急集会を開くことができる期間については、様々ご意見があると承知をしていますが、これもまた、緊急集会が臨時の措置であるとの立場、及び先ほどの予算議決に対する課題認識などから上限を設けるべきと考えます。その日数については、衆議院解散後、総選挙までの40日間と、特別聴取までの30日間の計70日が妥当ではないかと考えています。仮に70日以上を可能とし、緊急的な事態の収束までとした場合、その期限の上限とは一体どの程度を想定しておけばよいのでしょうか。半年か1年か、それ以上でしょうか。緊急集会が緊急的な臨時の対応であるということを踏まえれば、リスクへの備えとして具体的な条件を定めておくことが必要と考えます。また、期間に関しては、それ単体のみならず、緊急集会に与えられる県能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくると考えますので、例えば予算編成の期間として、どの程度まで許容されるのかなどについても整理をしておく必要があると考えます。ぜひこうした点についても具体的に議論を重ねていただけますことをお願い申し上げます。次に衆議院の任期満了により、衆議院が不在、不存在の場合に参議院の緊急集会を開くことの可否についてです。本論点については、肯定否定の両論がありますが、衆議院の任期満了においても緊急的な事態が発生する可能性は当然あり得ます。したがってリスクへの備えとしては、緊急集会を開くことを可能とするよう考え方を整理しておくことが重要であるというふうに考えます。具体的な対応としては、個々に異なった解釈とならないよう条文を改正することが望ましいと考えますが、憲法改正をするのか、もしくは本審査会で意見をまとめ解釈として整理すればよいのか等についても論点整理をいただきたくお願いを申し上げます。むすみに本審査会で述べられている多様な意見について、多くの国民の皆様により深くご理解をいただくことや、今後の議論への活用を目的に、その内容について分かりやすく取りまとめていただけますことをお願い申し上げて私の意見とさせていただきます。

51:29

山添拓君

51:33

日本共産党の山添拓です。緊急集会について本日の御説明を受け、法制局に伺います。日本国憲法に参議院の緊急集会を導入することについて、憲法制定議会では、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するためと説明されています。明治憲法の緊急勅令や緊急財政処分といった政府の宣談による処理を排除したのは明らかですが、同時に当時の議論では、あらかじめ国会常置委員会を設置しておき対応するという案も排除しました。こうした経緯を踏まえると、緊急集会が民主政治の徹底を趣旨とするのは、緊急時であっても民主的に選ばれた議員によることを要求するものと理解するべきではないか。国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するという憲法全文をも踏まえ、このように理解すべきと考えますが、見解を伺います。

52:30

川崎法制局長

52:32

お答えいたします。民主政治の徹底ということを緊急事態の際の対応として、政府の側が強調したのは、先生がおっしゃるとおり、憲法の緊急勅令、緊急財政処分などの制度が、民主政治の運用上、遺憾な結果を生じたという反省に立ったものであり、国会をいつでも開きうる体制を整え、それに対応する必要があることを述べたものであると解釈することができます。そしてそのことが参議院の緊急集会制度の導入の理由ともなったのではないかと考えております。なおそこでは、参議院が国民代表であることも理由として挙げられているところでございます。以上でございます。

53:15

山添拓君

53:16

国民代表、国民から選ばれるという点に意義があるだろうと思います。選挙が長期間、広範囲で行えない場合は、緊急集会では対応しきれないと指摘されます。しかし災害などで選挙が実施できない場合には、現行法上、繰述投票の制度があります。阪神淡路大震災でも東日本大震災でも、全国的に選挙が困難となる事態は起きず、熊本地震では3ヶ月後に参議院選挙が行われました。災害対応という点では、野党半島地震で未だに深刻な被害が続き、政府の対応の遅さと不十分さが指摘されますが、だからこそ選挙で民意を問うことが一層重要です。重ねて法制局に伺います。最高裁判決は、選挙権の制限はやむを得ないと認められる自由がなければならないとしています。加えて緊急集会は、民主政治の徹底を趣旨とすることを踏まえると、緊急集会が必要となる事態においても、できるだけ速やかに衆議院議員の総選挙を実施し、選挙権行使を可能にした上で、民主政治の徹底を万全にすることを要求するのが、憲法の趣旨と考えますが、見解を伺います。川崎法制局長、お答えいたします。直接の答えになっているかどうかは分かりませんけれども、憲法54条1項は、衆議院の解散の日から40日以内の衆議院の総選挙、その選挙の日から30日以内に国会を招集することを求めており、これはできるだけ速やかに選挙が行われ、新しい衆議院の構成や国会の成立などを求めるものであり、それは、選挙が物理的に可能である限り、状況の違反を問わないものと開始することができます。また、選挙権を保障する憲法15条1項の趣旨に照らししても、選挙権行使の機会が適切かつ確実に確保されることが重要になるということができます。以上でございます。

55:03

山添拓君。

55:04

ありがとうございます。総選挙を広範囲で実施できない期間が長く続くことを、ことさら想定し、選挙権の制限を正当化する衆議院議員の任期延長論は、国民主権の基本を踏まえないものです。総選挙をいかに速やかに実施できるようにするか、その法整備の必要性や内容は、選挙制度の抜本改革と合わせ議論に値しますが、改憲の材料にするのは都当であり、必要でもありません。加えて申し上げたいのは、憲法は国民が権力を縛るものです。憲法が制定以来変わることなく機能してきたのは、主権者である国民が変えるべきでないという選択をしてきたからに、他ならないことを強調して、意見といたします。

55:48

山本太郎君。

55:52

令和新選組山本太郎です。自民党に、緊急集会は平時の制度なので、これと別に緊急事態条項が必要との主張があります。例えば、衆議院の振藤委員は、まさに平時の制度です。緊急事態を想定したものでないことは明らかでありますと述べているんですね。この認識間違いじゃないですか。日本国憲法に緊急事態条項はないけれども、緊急時の制度がない。そのように結論づけるのは飛躍が過ぎると。

56:26

1946年7月、当時憲法担当であった金森国務大臣。

56:31

日本国憲法に緊急事態条項を定めない理由を、言葉を非常ということに借りて、それを口実に破壊される恐れが絶無とは断言しがたいと述べている。緊急時に対応できない憲法ではなくて、緊急時に、鍛冶場泥棒を働く太時者が必ず現れる。その対策が盛り込まれた憲法であることは明らかなんですね。まさに今、現行憲法は平時の憲法ですと。野球を太時者が現れてますよね。先人に感謝です。では緊急時にはどうするんですかってことですけれども、金森大臣は、従って特殊の必要が起こりますれば、臨時議会を聚集してこれに応ずる処置をする。また衆議院が解散後であって、処置のできないときは参議院の緊急集会を促して、暫定の処置をすると説明。参議院の緊急集会が特殊の必要が起きた場合のため、まさに緊急時のための制度だと述べていらっしゃいます。実際に武力攻撃事態、損率危機事態対処法90でも、緊急事態の国会承認のために、これは防衛出動の承認などありますけれども、国会承認のために参議院緊急集会を活用することを規定していると。法制局長にお聞きします。参議院の緊急集会は緊急時のための制度であると解釈することに無理はないと思うんですけれど、いかがでしょう。川崎法制局長、お答えいたします。今先生がご指摘されましたように、現行の緊急事態法制において、災害緊急事態時などの緊急勢力、武力攻撃事態などの場合の防衛出動の国会承認について、緊急集会が規定されております。また、金森国務大臣は、帝国議会において、参議院の緊急集会について、予測すべからざる、緊急の事態に対し、暫定の措置をとれる法として規定したと、こう述べております。従いまして、緊急集会の要件である、国に緊急の必要があるときには、緊急事態が含まれることは明らかであると思われます。

58:36

山本太郎君。

58:38

すみません。ありがとうございます。当然のことだと思いますね。そんな最低限の認識さえも、知らずか知ってか分かりませんけれども、そういうことを無視しながらも、憲法改正のためにそういうことをのたまう、そういう双研ぎ者が、審査会、調査会の中にいるということは非常に残念であるというふうに言いたいと思います。参議院緊急集会では、フルスペックの国会機能が果たせないので、衆議院の任期延長が必要であるというような意見もございます。この提案というのは、国民に選ばれてもいない議会に、フルスペックの権限を与えようとする危険なアイデアであるというふうに考えます。法制局長、任期が切れる議員たちを選挙なしで延命させる、つまりは、選挙で選出されていない者に、議案提出、採決などの権限を付与することの方が、むしろ憲法の規定に反すると考えませんか。いかがでしょう。川崎法制局長、お答えいたします。恐縮ではございますが、御指摘の緊急時の衆議院議員の任期延長案のような憲法改正の内容の適否については、申し上げる立場にはございません。それをどのように評価するかは、先生方での御議論、御判断をいただく問題であると考えております。以上でございます。

59:54

山本太郎君。

59:55

ありがとうございます。普通に考えて、任期が切れちゃう人たちに対して、さらに任期を延長して権限を持たし続けるというのは、これは明らかにおかしな話ですよね。そこまでのことを含んだ上で、選挙民たちは選んでいないわけですね、有権者たちは。そう考えるならば、現行憲法というところからの目線からいくと、これは真逆のことをやろうとしているというような考えになるんだろうというふうに思います。終わります。

1:00:22

高田鉄美君。

1:00:24

はい、沖縄の風の高田鉄美です。今日はですね、くしくも52年前に沖縄が平和憲法のもとに復帰した日です。当時県民は平和憲法を持つ国と呼ぶにふさわしい日本に復帰することについて、政治的にも社会的にも憧れと希望を持っていました。やがてこの国の政府は平和憲法の理念を実現しようとしていないこと、今や崩していこうとさえしていることがわかり、県民は大きな失望とともに憧れは楽嘆に、希望は失望へと期待は裏切られました。法の支配に対する政府の無理解は、法の支配の殿口をしながら国家権力の乱用を抑える立憲主義憲法の漆黒を、あの手この手を舎にむに外そうとする姿からも浮かび上がっています。憲法54条2項の国に緊急の必要があるとき、このときに開かれる参議院の緊急集会の規定があります。それにもかかわらず、緊急の際のというような形のこの緊急集会を取り上げて、会見議論に持ち込んでいるということも、法の支配の無理解の現れだと思います。この緊急集会の制度は、まかさそうにはありませんでした。これは日本政府が強い要望を出して盛り込まれたものですけれども、そのときの要望は明治憲法の8条の緊急勅令を念頭に置いていた、先ほどもあります緊急財政処分ですね、これも入れていたと言われます。日本国憲法制定過程での先ほどからあります衆議院の憲法委員会の中でも、非常に法の支配に基づいた権力抑制の議論が先ほど川崎参議院法制局長からもありましたように、そういう形で議論が進んでいる。しかも明治憲法についてと、その後の今の憲法の問題を捉えていたわけですね。そういったやっぱり行政の自由判断の余地をできるだけ少なくするように考えたものであるということからすると、見事にこの国のですね、国家権力の乱用を抑えて、緊急のときにはやっぱり参議院だけでも民主的に国会の検索を行わせる形を取り入れたというふうになっていると思います。やはりここでもですね、人の支配ではいかんのだと。法の支配じゃないといけないと。これお互いにも対抗する概念ですけれども、国家権力の乱用を抑える見事な説明をしていると思います。今回もこの憲法審査会は、このような形で法の支配、あるいは立憲主義の視点でこの緊急集会の議論を持ち出しているのか、大いに疑問があります。衆議院の任期延長の問題も、主権者の国民の側からすれば、なぜ任期が切れているのにわざわざ延長を試みて、しかも権力の一権を担う機関が、自らその一位を確保するために憲法を変えてまで実現したいのか、保身のように移るという声をよく聞きます。権力が目的のために、自ら憲法を変えるのは、法の支配に劣るものであると言っていいと思います。別の意図があるのか、この緊急集会の議題が緊急事態になるということについては大きな問題があると思います。そして、国家緊急権という言葉があります。今、日本の緊急事態の問題については、法的に対処されているとみるべきだと思います。これも資料の中にあると思いますね。そして、実は憲法保障という言葉をなかなか聞いたことないと思いますけれども、憲法保障というのは、憲法が自ら、憲法を守るために作っている条項です。その中には、憲法尊重要告も入っています。最高裁判所が憲法の番人であるというものでも入っています。こうやって、憲法、自ら憲法を守っていこうと。その憲法の視点というのは、やはり緊急事態とか、そういう形のものも捉えているわけですね。ですから、国家緊急権というのが、緊急の際に現れるのは、憲法を守るために国家緊急権を行使して、一時的に憲法を飛べるかもしれないけれども、それが憲法保障の一種であるということを考えると、やはり法の支配ですね。視点から、この問題もずっと捉えるべきだろうと思っております。ちょっと時間が来ましたので終わります。

1:05:25

和田 正宗君

1:05:28

自由民主党の和田正宗です。法制局及び憲法審査会事務局の説明を受け、参議院の緊急集会と大災害時等の緊急事態対応について申し述べます。私は、現行憲法に緊急事態条項がないことは、大きな課題であると捉えており、参議院の緊急集会を強化するなど、必要な規定を憲法に定めなければ、大災害時に国民を守れない危険性があるのではないかと考えます。現行憲法は、大災害時等の緊急事態対応を想定しておらず、参議院の緊急集会は、一定期間内の衆議院選挙実施を見通せることを想定した制度であり、長期間の選挙困難事態への対応を想定した制度ではないと考えます。衆議院が解散されているときに、もし大災害が発生した場合、内閣は参議院の緊急集会を求めることができますが、緊急集会を開催できる期間については、70日以内なのか、70日を超えて開催できるのか、憲法学者の中でも意見が分かれており、70日を超えて開催する場合に、意見の疑いがあるとの提起が行われる可能性が強くあります。東日本大震災の際、被災地での選挙の実施が長期間困難であったことを考えれば、参議院の緊急集会を強化する視点は、極めて重要です。衆議院選挙が行われるまでの期間、参議院の緊急集会で対応できるよう、70日の制約を取り払い、かつフルスペックの国会の権限を行使できる、新たな参議院の緊急集会、いわゆるスーパー緊急集会を、憲法改正で憲法に定めるのかどうか、参議院憲法審査会で議論をしていくことは重要であると考えます。衆議院憲法審査会においては、いかなる緊急事態においても、臨時性国会を機能させるために、国会議員の臨機を延長する案が提起され、自民党の中谷 玄憲法審査会幹事により、憲法改正の具体的な条文の起草作業のための期間を設けることの提案について、4回派から参議が示されています。参議院においても、大災害時等に国民を守るため、フルスペックの参議院の緊急集会について、衆議院憲法審査会で提起されている国会議員の臨機延長案の内容を含め、議論を重ねていくべきであると考えます。南海トラフ巨大地震、首都直下地震はいつ起きてもおかしくない状況です。国民を守るために、待ったなしの状況であると考えます。私は、事前防災、地震や津波避難について、国会議員としての見地のみならず、学術的な研究者でもあり、東日本大震災の経験からも、いかなるときも国民を守ることができるようにするため、緊急事態状況を定める憲法改正の議論は必要なことであると考えます。そして、憲法は国家権力を縛るものとの論がありますが、その観点をとるならば、現行憲法にフルスペックの参議院の緊急集会等の緊急事態状況を定めることは、極めて重要であると考えます。大日本帝国憲法は、大陸法的な憲法であり、憲法上できることを、非常体権を含め、条文として明記するというものでした。しかし、現行憲法、日本国憲法は、GHQが草案を作成したことから、英米法的要素が強い憲法となっています。例えば、米国憲法には、緊急事態状況が定められておらず、大災害時や有事等の際には、大統領権限で緊急事態対応において、あらゆる対応ができる、言い換えれば何でもできるものとなっております。現行憲法に緊急事態状況を定めなければ、極端な制限が生まれた場合、英米法的解釈から、現行憲法では、緊急事態時には何でもできると主張し、実行する可能性は排除できません。こうしたことからも、私は、大災害時等の緊急事態時に何ができるのか、憲法に明記すべきと考えており、想定される大地震がいつ起きてもおかしくない中、国民を守るために、その議論を重ね、結論も早く出すべきと考えます。国家はいついかなる時も国民を守るために存在します。国民を守るために、憲法にフルスペックの参議院の緊急集会等の緊急事態状況を定めるかどうかの議論を求めます。以上です。

1:09:45

内越桜君。

1:09:49

立憲民主社民の内越桜です。憲法審査会における最大の論点は、国会中心主義を取るかどうかです。これによって、議論の重心が変わってまいります。議会に席を置く者の教示として、憲法第41条の国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。このことの考え方を基本に置く、それは当然でありましょう。ところが、改憲を票望する会派の意見からは、緊急事態、任期延長などの議論において、国会よりも内閣の権能を優越させようという認識が垣間見られます。このような認識は、議会時には荒れ間敷き者と言わざるを得ず、誠に違和です。議員内閣制である以上、内閣とは国会が組織するものであって、政府や大臣は立法府、国会議員よりも上であるというような認識を持つことは本末転倒です。こうした認識は、戦前の帝国議会が立法権を持たず、共産機関に過ぎなかった頃に回帰しようとするもののように思えます。衆参の憲法審査会で、国会の権威を損ねることに熱心な意見が多すぎることは、極めて嘆かわしいことです。これはノスタリジアどころか対抗であり、改憲を口実にした言葉遊びであると考えます。そして、日本国憲法は、第41条に示されるように、その統治構造の核として、徹底した国会中心主義を採用しています。この統治構造を機能させるためには、いかなる場合においても、国会機能が維持されていることが前提とならなければなりません。すなわち、どのような事態が起きても、憲法がその統治構造の前提とする国会中心主義を維持できるよう、備えを講じておく必要がございます。そのため、第54条第2項の参議院の緊急集会が用意されています。参議院の緊急集会は、その制定経緯から、国家的な緊急事態を想定した制度であることは明らかであるとともに、戦前の政府による権力濫用の反省に基づき、徹底した国会中心主義の堅持から創設された、極めて優れた仕組みです。繰り返し述べてまいりましたが、徹底した国会中心主義を採用する以上、高見勝利先生が御指摘なさるとおり、内閣の判断により衆議院が解散されたときだけではなく、衆議院議員の任期満了後の場合にも、参議院の緊急集会を求め得るのです。また、権力の抑制と均衡を確保することが、憲法の趣旨にかなうのですから、土居政和先生が御指摘のとおり、緊急集会に関する第54条第2項の規定を、衆議院議員が存在しない例として解散の場合を定めたものと介し、衆議院議員の任期満了による総選挙の場合にも、本条を類推適用して、国に緊急の必要あるときは、内閣は緊急集会を求めることができると介するのが適当です。また、憲法第54条第1項は、解散の日から40日以内に総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に国会を招集するとしており、特別国会の招集まで70日間の日出を限っています。これは、現在の民意を反映していない、従前の政府がそのまま政権の座に座り続けることのないようにという要請であって、緊急集会の継続期間が限定されるかのように見えるのは、実はその間接的派生的な効果としてに過ぎないとの、長谷部康夫先生の解釈が最も妥当でしょう。今、坂津先生が御指摘なさったとおり、それは衆議院が存在しない状況で、緊急集会を認めなければ、内閣が緊急事態の法理に異去するなどして、単独で必要な措置を講じる事態を招きかねないからです。すなわち、立憲主義の基本的な考え方からすれば、権力の抑制と均衡の機会はできる限り認めるべきだと解釈するのであれ、70日を超えて緊急集会を認めることはできるのです。こうした認識の下、小西幹事から提案ありました諸課題について最速等の検討を行い、その整備を図っていくことは急務であると考えます。以上が私の御意見です。

1:14:41

塩田博明君

1:14:44

公明党の塩田博明です。大規模災害時等の緊急事態において、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である国会の権能を維持するため、参議院の基本的かつ重要な権能である緊急集会制度が具体的にどのような役割を果たすのか、法規宣令等に即して詳細に検討していくことは、まさに本憲法審査会が果たすべき使命であり、また近年頻発する自然災害の被害の大きさを踏まえれば、大規模災害等を十分想定した制度なのかを検証するためにも必要性が高まっているものといえます。先ほど法制局からは、緊急集会制度の制定経緯や現行の緊急事態法制における緊急集会の位置づけが整理されました。これらの説明から明らかなのは、我が国の緊急事態法制は、想定されるあらゆる事態に対応できるよう、すでに相当程度整備されており、緊急集会については、内閣が制定した緊急措置の政令を法廷化、承認など緊急事態下における行政監視という重大な役割が規定されていることであります。これに対して緊急事態法制にではなく、憲法に緊急政令に類する規定を創設するべきとの意見があります。この点について、我が党としては、緊急集会制度が旧来の緊急勅令制度の、いわば代替として規定された制定経緯や緊急集会の関与を含め、充実した緊急事態法制がすでに整備されていることを踏まえれば、これらの個別法の政令移任等で対応することが可能ではないかと考えております。次に、憲法審査会事務局からは、法規、選例に即した緊急集会の想定イメージについてご説明がありました。私は、説明を聞いて改めて、緊急集会における手続及び運営に関しては、国会法及び参議院規則において所要の規定の整備がなされているほか、過去2回の緊急集会を踏まえた選例が整理されており、その見農が発揮される準備が整っているものと認識いたしました。これは、緊急事態が発生した場合における緊急集会の利点と言い換えられることにほかなりません。その上で、緊急集会はどこまでも国会の機能を代行できるものができるのか、それも長期にわたって代行可能なのかという検証も本員として行うべきであり、具体的な想定に沿った論点整理を多角的に行っていくべきと考えます。最後に、いわゆる選挙困難事態における国会機能維持に関し、改めて私の意見を、私の考えを述べます。民主的正当性を確保するには、選挙を実施することが慣用であり、緊急集会と国の米投票で対応することをまずは基本とするべきではないかと考えております。この点、栗の米投票制度については、公平公正な選挙の実施が困難ゆえ、議員の任期延長等を行い、全国自立に投票を行うべきではないかとの指摘や、被災地等から選出された議員が不在になるのは問題ではないかなどの指摘があることも承知しております。これらの点については、これまでの衆参憲法審査会における参考人質疑において、傾聴すべき見解が述べられました。全国自立の投票を行うべきとの指摘に関しては、長谷部康夫参考人からは、全国自立でなければいけない要請は憲法上強いものではない、最高裁の判例を前提として考えれば可能になったところから、順次速やかに選挙は実施すべきであると明確に述べられました。緊急集会制度については、クルノベートー票などの関連論点を含め、議論しなければならない問題が散席しております。本院こそが主体性をもって議論を深める必要があることを強調して、私の発言を終わります。

1:19:22

熊谷裕人君。

1:19:24

立憲民主社民の熊谷裕人です。参議院の緊急集会、聴取に関する備えについて、意見表明と疑問点がいくつかありますので、お答えをいただければありがたいと思います。憲法54条2項では、内閣は国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができるとあります。この場合の内閣とは、総理大臣の意思を示すものではなく、緊急集会の請求について閣議決定を行い、内閣の意思を明確にすることになりますが、これについて広く国民に周知されているとは思いません。では、総理大臣をはじめ、内閣に万が一のことがあった場合は、どのような運用になるのでしょうか。そこで、緊急集会がしっかりと機能するために、参議院のBCP、そして内閣のBCPについて議論しておくべきと考えております。まずは、例えば、大規模災害等で緊急集会を招集する事態になったとき、最短で確実に実施する場合、参議院事務局ではBCPで議員の安否確認、通知、開催場所などについて、どのような計画を作成するつもりなのか、またその課題についてどのようなことを検討しなければならないと考えているのか、お聞かせいただければと思います。そしてその上で、緊急集会の請求者についてですが、内閣府第9条で内閣総理大臣に事故のあるとき、または内閣総理大臣がかけたときは、そのあらかじめ指定する国務大臣が臨時に内閣総理大臣の職務を行うとあり、政府の答弁でも内閣総理大臣の全ての職務を行うことができるとありますが、緊急集会の請求もできるものと考えられるのでしょうか。また職務代理はあらかじめ第5順位まで臨時代理の指定が行われることになっていますが、不足の事態で大臣が全て無力化してしまった場合、副大臣でも職務代理になり得るのでしょうか。そしてそもそも第5順位まで、第5順位以下の大臣に引き継ぐことができるのでしょうか。引き継ぐ場合は、そこには緊急集会の請求も含まれるのかも定かではありません。仮に引き継げないとした場合、緊急集会の請求ができないわけですが、いかがでしょうか。そして他方、憲法70条では内閣総理大臣がかけたときには、内閣は総辞職しなければならないと定められています。つまり、総理が死亡した場合など、内閣は総辞職しなければならず、非常時が重なったときの緊急集会の請求者がいなくなることも考えられます。このような場合のかけたときの解釈は定まっていないのではないでしょうか。そしてこの場合、緊急集会の請求もできないわけですが、困難というべき非常時が到来した場合、それでよいのでしょうか。緊急集会の請求は臨時代理やそれ以下の、現在法定されていない第5順位以外の方が行うことができ、緊急集会の中で新しい総理を決め、職務を行っていくべきなのか。全く未知の領域であり、何ら指標もありませんが、万が一のために議論は始めておくべきだと私は思っております。その上で参議院と内閣のBCPの策定が必要になると思いますが、いかがでしょうか。そして平時においてこのようなレアケースであるものの、衆議院議員の任期延長を議論する前に、非常時の我が国のあり方に関する参議院の緊急集会について、大いに議論しておくことこそが、この憲法審査会での任務だと私は考えておりますが、ご意見をお聞かせいただければと思います。

1:23:18

小林事務局長。

1:23:20

弁議は私から、BCP等をお答えをさせていただきます。まず参議院事務局のBCPである首都直下地震対応参議院事務局等業務継続計画では、議員の安否確認は議員会館事務所に対する電話等により行うことといたしております。また、緊急集会の通知につきましては、参議院広報及び官報への掲載に加え、文書の配布や電話等、でき得る手段で各議員に通知することを想定いたしております。開催場所につきましては、本院建物はBCPで想定する震度6強の揺れに耐え得ると判定されております。今後の課題につきましては、本院建物が万が一使用不能となった場合に備え、代替施設の検討等を進めることが必要と考えております。以上でございます。川崎法制局長、何点かご質問いただきましたので、簡単にご説明をさせていただきます。まず内閣総理大臣の臨時代理は原則として、内閣総理大臣の職務の全てを代理して行う得るものと解されております。もちろん一新専属的な権限については、その例外ということになります。それから2点目でございますけれども、副大臣は大臣が不在の場合の職務を代行するものとされておりますけれども、閣議等の出席はできない、内閣の構成員たる国務大臣としての職務は含まれないと解されているところでございます。3つ目でございますが、あらかじめ指定された大合衆院までの国務大臣が全員かけたときは、残された国務大臣の協議によって、その他の国務大臣の中から臨時代理を決めて対応する旨の政府答弁がございます。以上でございます。

1:25:05

田中雅史君。

1:25:07

自由民主党の田中雅史です。憲法54条2項及び3項に規定されました参議院の緊急集会は、衆議院の解散により、衆議院議員が存在せず、国会が召集できない場合において緊急の必要が発生したとき、総選挙による、衆議院議員は選出され、臨時会が召集されるまでの間、参議院による審議によって国会機能を補完するものであり、参議院の極めて重要な役割であります。一方、衆議院及び参議院の両院同時活動の原則の例外として位置づけられ、緊急事態に対応する暫定的な措置であることが明らかにされています。緊急集会は、衆議院の解散から40日以内に総選挙が行われ、その選挙の日から30日以内に臨時会が開催されることを前提にした制度であり、衆議院議員が不在となり、総選挙を経て最大70日後に両院同時活動が復することを前提とした制度であるというふうに考えます。緊急集会が解散から70日を超えて実施できるかについては、先ほど川崎法制局長から説明がありましたとおり、肯定否定の双方の見解がありますが、先ほど述べた前提を踏まえれば、70日を超えることは想定すべきではないというふうに考えております。もう一つの、衆議院議員の任期満了による、衆議院議員の不在、不存在の場合の緊急集会についても、同様に肯定否定の双方の見解がありますけれども、先ほどの前提の上では可能であるというふうに私は考えます。GHQにより当時されていた原稿憲法制定事例での緊急集会は、我が国への武力攻撃、テロ、地震等による大規模な自然災害やパンデミックなどは想定されておらず、衆議院議員の長期にわたる不存在も想定していません。衆議院の半数の任期満了を重なることも想定されます。首都直下地震などの大規模災害、我が国への武力攻撃などで国会機能が失われる緊急事態が発生した場合、国民の命を守るための迅速で過段な対応が求められると思います。このような重大な対応を緊急集会という暫定措置のみにやれるのではなく、衆議院の総選挙が長期にわたり開催できないことが予測される場合には、衆参両院同時活動による原則を踏まえ、国会議員の任期の特例を含む緊急事態状況を憲法に明記すべきであるというふうに私は考えております。阪神淡路大震災や東日本大震災の際には、発災後に予定されていた地方議会選挙の実施が困難となり、臨時特例法による議員の任期延長が行われました。兵庫県議会、議会運営委員会が県議会議長に提出した選挙期日と議員任期のあり方に関する報告書の中では、全国的に大災害が多発し、本県と類似のケースが起こり得ることが想定される中、特例法がその課題解消の先例となるよう、国に働きかけを行うことは、大震災を経験した県議会としての弱がりとも考えるところであるというふうに述べておられらっしゃいます。地方議会と国会の相違はありますが、大規模災害における最大の民主主義を堅持する上で、私は参考にすべきではないのかというふうに考えております。なお、緊急事態の認定や任期の特例等の期間等を法律に定める上で、別途の議論を国会で、本会で行うべきだというふうに考えております。また、災害緊急事態に対して参議院の緊急集会や臨時会の開催を増すことのできない緊急対応については、災害対策基本法190において、内閣における緊急政論の制定が認められていますが、国会閉会中あるいは衆議院解散中に限定されたものであります。大規模災害、テロや武力攻撃などの有事は、国会の開会閉会にかかわらず発生する可能性があります。対応の緊急性に加えて、損害の状況によっては国会を開会できない事態となる場合も想定し、緊急政令を明記すべきだというふうに考えます。国家の緊急事態にまというる国会機能を最大限に発揮し、国民の生命と財産を守るための憲法の改正に当たっては、改正の意図するところなど、国民の皆様に深く御理解いただかなければなりません。各党の見解に平たくありますが、条文化に向けた与野党による具体的な協議が真摯に起こりますことをお願いして、意見表明を終わります。ありがとうございました。

1:29:39

浅田幸史君。

1:29:42

現行の日本国憲法が構想する統治の仕組みを、憲法に書かれている順にたどると以下のようになります。1番目、前文に、日本国民が正当に選挙された国会における代表者を続いて行動し、とありますので、まず代表者が選挙され、国会が構成されます。次いで2番目、第6条前段に、天皇は国会の使命に基づいて内閣総理大臣を任命する、とあり、内閣総理大臣が任命されます。さらに3番目、第6条後段に、天皇は内閣の使命に基づいて最高裁判所の長たる裁判官を任命する、とあり、最高裁長官が任命されます。憲法が規定する当地の仕組みから見ると、国民が行動する規定となるのが国会における代表者ですが、国会と国会議員、あるいは国会か国会議員のいずれかが不存在の場合、どのように行動するのか規定がありません。なるほど、我が方の柴田委員から発言がありましたとおり、現行憲法には参議院の緊急集会規定はあります。しかし、緊急集会は柴田委員が指摘したように、明らかに不備があります。さらに問題なのは、現行法制では想定できる非常事態のうち、自然災害、感染症、武力攻撃、内乱、テロ等に関しては規定がありますが、これ以外の不足の事態は全く想定していません。衆議院だけでなく参議院もなくなってしまったら、従前の政府はどの程度の期間、正当性を維持できるのでしょうか。昭和21年7月1日に金森国務大臣が発言された「予測すべからざる緊急の事態が生じる可能性」は、金森発言から77年を経た今日、想像もできないほど大きくなっています。生物学と物理学、そして数学の境界に全く新たな地平が切り開かれたおかげで、もたらされる福音はとてつもなく大きい反面、使い方を間違えると、当地不能に至るリスクも極めて大きいこの現実から目をそらせてはなりません。例えば、電磁パルス攻撃があります。この攻撃は、電子機器を使用した通信、電力等の機関インフラを瞬時に使用不能にすることができます。一撃で、社会も経済も、人々の日常生活まで吹っ飛ぶのです。サイバー攻撃も同様に、電力、鉄道等の機関インフラを完全に麻痺させることができます。これらに加えて、核弾頭も搭載可能なミサイルの着弾が考えられます。生成AIを搭載したROSE、自立型知識兵器がシンギュラリティ特異点に達し、私たち人間に銃を向ける、あるいはロボット兵器自身が軍隊や国家に類する機構を組織することは十分に考えられることです。これらの緊急事態下にあって、現行憲法が構想する統治の仕組みをどう守り、どう維持していくのか。憲法が市民の自由を保障するものという観点に立てば、憲法は自由が侵害されるあらゆる状況を予想していなければならない。だから、緊急事態の憲法への変入は、アプリよりに容認される。なぜなら、憲法に変入する目的は、緊急事態での統治が無制約にならないようにすることだからである。これは、パリ第一大学ドミニク・ルソー教授の言葉です。つまり、立憲主義を守るためには、緊急事態においても憲法の規律を及ぼす必要があり、国家権力の行使が超法規的措置にならないよう、緊急事態の行為も法の支配下に置く必要があります。国家の基本的な役割は、主権者の国民の生命・財産を守ること、自由を保障することです。ここでも、皆さん異論はないと思います。そこで考える必要があるのは、果たして現在の我が国の憲法が、主権者である国民の生命・財産・自由を守ることができるのかということです。緊急事態条項にテーマを絞り、まず審議を進めることを求めて、発言を終わります。

1:34:05

福島みずほ君。

1:34:08

はい。立憲社民の福島みずほです。私は衆議院の憲法審査会において、参議院の緊急集会についての誤解や軽視のもとに、衆議院議員の任期延長会見の議論が進んでいることに大変な危機感を持っています。参議院の存在や参議院の緊急集会を軽視し、憲法を破壊するものです。衆議院憲法審査会の暴走は、あってはならないことです。そのことを、参議院議員の立場から、参議院憲法審査会の委員として強く主張します。衆議院憲法審査会における、起訴委員会の設置などありえないことです。1946年9月20日、貴族委員、帝国憲法改正案特別委員会で、金森国務大臣は、「どうしても国会というものが、いつでも開きうる体制を備えていなければならないのでありますが」と述べた上で、「衆議院解散地の衆議院不存在に触れながら、国会制度の趣旨を徹底して実行いたしまするためには、方法はないかといえば、参議院がある。その参議院は国民代表である。参議院の緊急集会ということを考えたわけであります。」と述べています。これはその通りです。参議院の緊急集会は、一時的、限定的、暫定的制度であるから、議員任期延長会見が必要であると、衆議院で主張されることがあります。しかし、緊急事態に対処する際には、あくまで臨時の暫定措置にとどめることが、緊急事態の高級化や行政権力乱用を防ぐために重要です。2023年9月18日、衆議院憲法審査会で、長谷部康夫参考人は、「参議院の緊急集会は、あくまで暫定的な臨時の措置のみが取られ、選挙を経て、正規の国会が招集される次第、その党費が改めて審議されるもので、十分な理由によって支えられた制度である。これに新たな制度を追加する必要性は、見出しにくいと考える。」と述べていらっしゃいます。衆議院議員の任期延長、椅子割りは必要ありません。自民党の国会議員は、衆議院の憲法審査会で、参議院の緊急集会は、任制の例外であるから、衆議院任期延長会見が必要であると主張しています。しかし、憲法は、緊急の際にも民主政治を徹底させて、国民の権利を十分擁護するために、参議院の緊急集会に国会の県の臨時に代行させることとしました。この緊急集会の制度趣旨、制定経緯について、学説上、異論はありません。衆議院の憲法審査会において、内閣の判断により、半年または1年、再延長の場合には、それ以上、衆議院議員の任期延長を認める、憲法改正が必要であると主張する政党があります。なぜ、内閣の判断で、このように長期に、衆議院の任期を延長できるのでしょうか。高級的、椅子割りです。民主主義を破壊するものです。例えば政府が、戦争を開始した場合、それに国民が反対でも、政府与党が間違いを認めず、衆議院議員が何年も任期延長で、椅子割ることを許せば、戦争をやめたい、という国民の意思は、全く反映されません。政治を改札せない、独裁を続けるための制度でしかありません。このような椅子割りの危険性、緊急事態の高級化の危険性は、日本国憲法の国民主権、民主主義の観点から、看過できないものです。政治と政治家の責任を問う仕組みとしての選挙は、非常に重要であり、このような憲法改約は許されません。緊急集会の性質と比較した場合、現在主張されている、衆議院議員の任期延長の憲法改正案は、できる限り早期に総選挙を実施しようとするインセンティブが働きにくいものです。国会を正常な状態に戻す復元力が働きにくいのです。この意味でも、長期の椅子割りになる危険性があります。議員任期延長改憲は、憲法の基本原理に反し、不必要で危険であり、緊急したい条項を憲法改約で実現する不適ではないでしょうか。裏金問題のように、法律を守れない議員でも、国会議員に座り続けることができるとすることは、国民の理解を得られません。自民党日本国憲法改正案は、緊急政令、緊急財政処分まで認めています。緊急政令は、内閣は法律と同じ効力を持つ政令を規定できるとするもので、憲法41条の国会は唯一の立法機関ということを踏みにじるものです。国会停止、内閣独裁です。ナシスドイツの国家受検法と同じ構造です。また、緊急財政処分も国会の予算の承認権を侵害するものです。大規模災害も法律で対応できます。また、災害時には国延投票が可能で、できる限り選挙をして国会を正常化させるのが当然の考えです。憲法を変える必要はありません。衆議院の憲法審査会の皆さんには言いたいです。参議院があります。参議院の緊急集会があります。衆議院の任期延長会見は必要ないばかりか、日本国憲法を踏みにじり、参議院を踏みにじり、しかも衆議院議員の任期、長期椅子割りを許すものであり、議席の私物化です。衆議院憲法審査会の基礎委員会の設置は許されないと主張し、意見表明とします。

1:39:31

他に御発言もないようですから、以上で委員間の意見交換を終了いたします。本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

0:00

-0:00