19:53
これより会議を開きます。内閣提出、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び、出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案並びに、階猛君、他9名提出、外国人一般労働者雇用制度の整備の推進に関する法律案の各案を議題といたします。この際、お諮りいたします。各案審査のため、本日、政府参考人として、出入国在留管理庁次長、丸山秀晴君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官、辰巳一君、厚生労働省大臣官房審議官、野党のりまさ君、及び、厚生労働省大臣官房審議官、原口剛志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じ ますが、ご異議ありませんか。ご異議なしと認めます。よってそのように決しました。
20:54
これより、内閣総理大臣出席の下、質疑を行います。質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲田智美君。稲田君。
21:07
おはようございます。自由民主党の稲田智美です。本日は、総理出席のこの委員会で、質問ができますこと、本当にありがとうございます。まず、総理にお伺いをいたしたいのは、この外国人労働者問題について、最も重要なことは、私は長期的で一貫した国家戦略を持つことだと思っております。何のために外国人労働者を受け入れ、また、どのような日本の社会を目指すのか、そういった大きな国家戦略に基づいて、制度をつくり、そして環境を整備すること、これが最も重要だと思っております。国家戦略という意味で、2つの側面を指摘をしたいと思います。1つは、外国人労働者を日本社会に受け入れることによって、どのようなメリットがあるのかという、その一環として、例えば、なかなか進まない日本の労働市場改革に、どのような良い影 響を与えるのか。例えば、年効序列の弊害をなくすとか、賃金上昇、それから価格の転嫁、さらには雇用の流動性の確保など、日本の経済の成長、そして活力ある、生産性の高い日本経済をつくっていくという、そういうことがですね、外国人労働者を受け入れることによって、どんなメリットが生じるのか。反対に、外国人が増えることによって、日本の良さとか、地域社会の絆や国柄を壊さないか、また公共の秩序、国家の安定という意味から問題はないのか、多めに見られるような国民との分断を生じさせないために、どのようにするのか、こういった点も含めてですね、総理の外国人労働者政策を目指す国家戦略、そしてどのような社会を目指していくのか、その点についてお伺いをいたします。
23:33
外国人材の受け入れのメリット、デメリット、それには国家戦略についてご質問いただきましたが、我が国への外国人材の受け入れについて、委員御指摘のような労働市場改革という点の影響については、一概に申し上げることは難しいと思いますが、少なくとも一般論として申し上げるならば、外国人材の受け入 れの拡大、深刻化する人手不足への解消、あるいは我が国の経済産業自体の活性化、こういった点においてメリットがあるということは、十分考えています。他方で、この外国人材の受け入れを拡大した場合、本人や家族の社会保障等に係るコストの増大、あるいは言語生活習慣の相違に起因する日常生活上のトラブルの発生、こういった懸念もあり得る。よって、こうしたメリット、デメリット、バランスをとりつつ、制度の在り方を検討する。これがあるべき姿勢であると考えておりますが、その中で国家戦略ということで申し上げるならば、政府としては、国際的な人材獲得競争が激化する中で、人手不足の課題に対応するため、我が国が魅力ある働き先として選ばれる国となるよう、外国人材の受け入れ制度の魅力向上に取り組んでいく。こうした方向性を追求するとともに、日本人と外国人が互いを尊重し、安全安心に暮らせる共生社会を実現していくため、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ、これらに基づいて受け入れ環境の整備と、外国人との共生社会の実現に向けた取り組みを着実に進めていく。この二つの大きな方向性、これを政府として追求することが重要であると考えております。
25:59
ありがとうございます。今までどちらかというと、安価な労働力というふうに考えられていた技能実習制度を抜本的に改革すると、そして外国の方にとっても選ばれる国、そして日本人にとってもですね、その労働環境がより良いものになっていく。そういったことが求められているというふうに思います。法民会に来られた参考人の中には、日本は有数の労働移民受入国になっていると、そしてこういった傾向が強まるというような発言もございました。人手不足という観点から外国人労働者の数を増やしていくとすれば、また多めのような問題も生じてくると思います。今回の入管法の改正で、永住外国人の在留資格の取消し自由、これを明確化する、また、故意に拘束を支払わないこと、これは22条の4、8号ですけれども、これが取消しことができる自由として追加されます。私はこれは適正な改正だと評価をいたしております。その趣旨からいたしますと、永住外国人は日本に永住することが前提ですから、年金を解約して母国に帰るということを前提とした一時金が取得できる外国人の脱退一時金制度とは矛盾をすると思います。今回のこの構想効果の中にも、もちろん年金は含まれるわけでございます。年金を日本は、日本人は途中では解約はできません。その日本人との公平、それから在留外国人の無年金を防ぐという意味から、永住資格を維持する外国人の方々には脱退一時金の対象外とすべきだというふうに思いますが、この点を含め、今回の年金制度改革において年金一時金制度の検討状況を総理にお伺いいたします。
28:16
まず滞在期間が短い外国人の場合は、この年金保険料の納付が労働給付に結びつきにくいという特有の事情を踏まえて、一定の要件を満たした場合には、脱退一時金の受給が可能となっています。その一方で、長期間日本に滞在することが見込まれる永住者の方については、委員御指摘のとおり、将来の年金受給権を確保するという観点も重要であると考えます。本年3月に厚生労働省の社会保障審議会年金部会において、脱退一時金に関する議論を開始いたしましたが、その中で、この年金部会の中では、日本に生活基盤を持つと考えられる永住者資格の方について脱退一時金の支給を制限していく方向性は賛成という意見があった一方で、この現行制度にお いて永住者は海外在住機関が合算対象機関として、労令年金の受給資格機関にカウントされることから、脱退一時金を受給するケースはそもそも限定的であり、必ずしも改正の必要はない、こういった意見もあったと承知をしております。引き続き、この次期年金制度改正に向けて必要な検討は続けていきたいと考えております。
29:57
はい、ありがとうございます。この問題は、昨年の臨時国会冒頭の私の代表質問でも指摘し、また総理おっしゃいましたように、今年金部会でも検討されていて、おっしゃいましたように、日本に生活基盤を持っておられる永住資格の方に支給を制限していく方向、また再入国が予定されるような場合には、永住者は脱退一時金を請求できなくするのではないかといったことです。今、総理もそもそも限定的だとおっしゃるのであれば、やはり対象外にすべきだと私は思います。今回永住資格取消しの行為による年金不払いも深まられるわけですから、無年金の原因になる年金の解約は永住資格の人には適用しないというのが一貫した考えだと思うことを申し上げたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
31:07
公明党の大口義則でございます。今日は総理よろしくお願いいたします。今、国際的な人材獲得競争は激化しております。そして、我が国が外国から選ばれる国であり続けるためには、普段の努力が必要でございます。その中で、参考にある地方公聴会の御意見は、選ばれるのは賃金が一番だと言われているわけでございます。ですから、外国人労働者を安価な労働力として安価に受け入れることについては、これが問題がある。やはり改革しなければいけない。これは一つあります。それから、今の技能実習制度については、人権保護にかける悪質な管理団体や受入企業が排除することができない。そのために、ネガティブなイメージが先行している。しかし、有料な事例もあるし、また、受入企業が送り出しの国に行って、機関が不適当だと変更するとか、いろいろ、外国人労働者の相談を丁寧にする。こういう有料事例もある。こういうことをしっかり実態を示していく必要がある。さらに、今回の改正におきましては、スクリューアップ、そしてキャリアアップ、この仕組みが盛り込まれている。これは大きな改革であり、参考人もいる。ここが非常に重要なところだと。こういうことでございます。そういうことから、これらの観点を踏まえて、この人材物争の解消と、日本人、外国人を問わず、日本で働く方の賃金上昇を実現できる、バランスの取れた外国人労働者の受入れをどう行っていくのか。技能実習制度におけるネガティブなイメージを払拭して、技能実習制度における、この人材の有料事例等を含む実態をしっかり発信していくこと。そして、今回の改正のキャリアアップの仕組み、これは国際社会にどう発信していくか。これについて総理にお伺いしたいと思います。
33:24
特定技能制度及び育成就労制度においては、まずはこの受け入れる分野において、この生産性向上及び国内人材確保に向けた取組、これを 尽くしていること、これが前提となっています。まずはこういった取組がなされているか、これを慎重に確認した上で受け入れを行うこと、これを予定しています。その上で、今回の法案では、受け入れた外国人材の人材育成や日本人と同等の待遇確保がしっかりとなされるよう、管理支援機関の要件の適正化、また、外国人育成就労機構の監督機能の強化を行うこととしており、外国人が安価な労働力として使い回せるといったことがないよう、これはこの制度を運用していかなければならないと考えています。また、現行の技能実習制度でも、技能を習得した外国人が本国で活躍するなどの好事例がある、このように承知しており、さらにこの育成就労制度では、キャリア形成プログラムの策定等により、外国人のキャリアアップの道筋より明確化すること、これも予定しているところです。こういった点について、積極的な情報発信を行うべきである、委員の御指摘、そのとおりだと思います。我が国が選ばれる国になる観点からも重要であると認識しており、今後は技能実習制度での好事例や、今後のキャリア形成の仕組みについて、関係省庁のウェブサイトやSNSを活用した広報、また在日大使館等の協力を得ながら、国内外の外国人への広報等を行い、一層の積極的な情報発信、政府としても努めてまいりたいと考えております。
35:39
また、現行の技能実習制度では、お受け出し機関が徴収する高額手数料による多額の借金等が、技能実習生の失踪の原因となっているとの指摘、また、監理団体が受入れ機関から徴収する管理費が高額かつ不透明であり、その負担が外国人の待遇等に転嫁されているのではないかという指摘があります。魅力ある制度を構築して、我が国を選ばれる国とするためには、こういった費用等について、透明化や適正化を図ることが必要かけると考えます。今回の制度見直しにおいて、お受け出し機関が外国人から徴収する手数料や、監理支援機関が受入れ機関から徴収する費用について、どのような適正化方策を講じる必要があるのかと考えておられるのか、総理の見解をお願いします。
36:32
外国人の労働者としての権利保護や制度の魅力向上といった観点からは、関係機関が徴 収する手数料等について、一層の適正化を図っていく必要がある、このように認識をしています。この点、育成就労制度では、来日にあたっての外国人の負担を軽減するため、海外の送り出し機関が外国人本人から徴収する手数料に上限を設けるとともに、送り出し国との二国間取り組みにより、屈指な送り出し機関の排除に向けた取り組み、これを強化することとしています。また、管理団体に代わる管理支援機関が受入機関から徴収する費用については、これまでと同様に、実費に限って徴収可能とすることに加えて、運用要領等で費用の算出方法の考え方を明確化し、各管理支援機関での算出方法や基準を公開させる、こうしたことによって、費用の透明化を図った上で、外国人育成就労機構による確認指導を徹底していく、こうした方針であり、この一層の適正化を政府としても図ってまいりたいと考えております。
37:57
永住許可制度の適正化につきまして、これは共生社会の実現のために必要な規定とご説明までいただいております。ただ、永住者の方からは、収入減少や手続ミスで税金、社会保険料を退与することなど 、誰にでも起こり得ることであり、そのことによって許可が取り消されるのでは安心して生活できない。例えば、在留カードを携帯することを失念した場合でも、許可が取り消されるのかといった懸念が示されております。こうした懸念に対して、どのような配慮がなされているのか、総理に御見解をお返せと思います。
38:45
今般の永住許可制度の適正化は、この永住者について永住許可後に在留審査の手続がないことから生じている課題に対応するというものであります。すなわち、適正な在留管理の観点から、永住許可後に、故意に公的義務を履行しないなど、永住許可の要件を満たさなくなった一部の悪質な場合について、その在留資格を取り消すことができるとするものであり、適切に公的義務を履行して日本で生活している大多数の永住者に影響を及ぼすものではないと考えています。その上で、本法案による改正後の永住許可後の在留審査に当たっては、従前の拘束効果の支払状況や現在の生活状況など、対象者の置かれている状況を十分に考慮し、個別の案件ごとに悪姿勢を判断する、このようにしておりますし、また永住者の在留資格の取り消しをしようとする場合であっても、原則として法務大臣が職権により、定住者の在留資格への変更を行うなど、慎重な運用に努めてまいることが重要であると考えております。大口君。日本語の学習についても、国がしっかり支援をしていくということも、質問させていただく予定でございましたけれども、これにつきましては時間も参りますので、ただ、意見といたしましてですね、あるいは日本語教育機関認定法の仕組みを活用した日本語教育の質の向上、日本語学習のためのオンライン技術の活用による負担軽減、母国による日本語学習資源としての日本語教材の開発といった取り組みをしっかりしていただきたいと、意見を申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
41:08
立憲民主党の道下大輝でございます。早速、総理に質問いたします。技能実習制度をめぐりましては、労働ではなく研修の目的で来日しているはずの外国人を、実質的に低賃金労働者として扱う実態が広がっていることや、転職を制約し、技能実習生の権利主張を抑制してきたことなどがあり、アメリカ国務省による人身売買に関する年次報告書の中で、強制労働などと繰り返し批判を受けてきた経緯がありますし、また各国からも厳しい批判を受けているのはご承知だというふうに思います。先日のバイデン大統領の「日本は外国人嫌い」という発言にも現れているのではないでしょうか。そう思われないためにかどうかは分かりませんが、また外国人の方々に選ばれる国ということで、今回政府は技能実習制度を廃止して育成就労制度に移行する法案を今回出しましたけれども、私はこれはそのような内容になっていない、単なる看板の掛け替えに過ぎないというふうに思っております。そこで先ほど来お話が出ています永住許可の取消しについて伺いたいと思います。各法では有識者会議での十分な議論もないまま、自民党が昨年12月に提言を出したということを受けて突然永住許可制度の適正化という名の永住許可取消し制度がこの法案には盛り込まれています。