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参議院 東日本大震災復興特別委員会

2023年03月10日(金)

0h25m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7286

【発言者】

古賀之士(東日本大震災復興特別委員長)

渡辺博道(復興大臣、福島原発事故再生総括担当)

竹谷とし子(復興副大臣)

松村祥史(自由民主党)

3:04

今から東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。議事に先立ち一言申し上げます。東日本大震災の発災から明日で12年となります。しかし、被災地の復興は未だ途上にあると言わざるを得ず、本委員会としても改めて被災者の皆様に思いを致し、震災の記憶を風化させることなく、被災地の復興が加速されるよう力を尽くしてまいりたいと存じます。ここに犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷を捧げたいと存じます。どうぞご起立をお願いいたします。黙祷。お直りください。ご着席ください。委員の異動についてご報告いたします。昨日、横山真一君及び振藤兼彦君が委員を辞任され、その補欠として竹内真嗣君及び田中雅史君が占任されました。東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題といたします。まず、東日本大震災復興の基本施策について、復興大臣から所信を聴取いたします。

5:08

渡辺復興大臣。

5:14

復興大臣及び福島原発事故再生総括担当大臣を拝命しております渡辺博道でございます。東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から12年が経過いたしました。震災によって亡くなられた方々に改めて心から哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方や被害に遭われた全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。東日本大震災復興特別委員会の開催にあたり、復興大臣として所信を申し上げます。震災からの復興は、被災地の方々のご努力や関係者のご尽力により着実に進んでいる一方、未だ避難生活を送られている方をはじめ、様々な困難に直面している方々もいらっしゃいます。地震・津波被災地域における住まいの再建やインフラ整備などがおおむね完了する中で、心のケアや水産加工業の売上回復などの残された課題について、被災者に寄り添いながらきめ細かく対応していきます。また、福島における原子力災害・被災地域では、本格的な復興・再生に向けて、今後も中長期的に対応していく必要があります。こうした状況を踏まえ、次の取組を着実に進めてまいります。被災地に共通の残された課題として、まずは被災者支援について、見守りや相談支援、心のケア、生きがいづくり、コミュニティ形成など生活再建のステージに応じた切れ目のない支援を行ってまいります。また、防災集団移転促進事業の移転基地等の活用について、地域の個別の課題にきめ細かく対応し、被災自治体の取組を引き続き後押しします。さらに、産業なりわいの再生に向けて、企業立地や商業施設の整備等に引き続き取り組み、特に被災地における中核産業である水産加工業については、販路の回復・開拓等の取組を引き続き支援してまいります。福島の原子力災害からの復興再生に向けては、まずは避難指示が解除された地域において、医療・介護・買い物・教育等の生活環境整備を進めるとともに、事業再開の支援、営農再開の加速化、森林林業の再生、漁業の本格的な創業再開等、産業なりわいの再生・雇用の確保を図ります。また、新たな活力を呼び込めるよう、地方公共団体の実施性に基づく事業への支援や、移住・起業する方に対する個人支援等、新たな住民の移住・定住の促進にも取り組んでまいります。基幹困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に基幹困難区域のすべてを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意の下、特定復興再生拠点区域に関しては、昨年8月までに大熊町・二葉町・桂尾村について、避難指示が解除されたところであり、復興が円滑に進むよう取り組みを進めてまいります。富岡町・那明町・飯舘村についても、本年春頃の避難指示解除に向けて、除染やインフラ整備等を着実に進めてまいります。また、拠点区域外への基幹居住についても、2020年代をかけて、基幹移行のある住民が帰還できるよう、避難指示解除の取り組みを進めていくという基本的方針を、令和3年8月に決定いたしました。この方針を実現すべく、今国会に「福島復興再生特別措置法」の一部を改正する法律案を提出したところでございますので、慎重御審議の上、御賛同を賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。次に、浜通地域等において、新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーションコースト構想」について、引き続き、地域における開発実証の支援、地元企業との連携促進や、企業創業を目指す方への支援等を推進してまいります。この構想をさらに発展させ、福島をはじめ、東北の復興を実現するための夢や希望となるとともに、我が国の科学・技術力・産業競争力の強化を牽引する「福島国際研究教育機構」、いわゆるF-0を本年4月に設立いたします。F-0が世界にかんたる創造的復興の中核拠点として、研究開発や産業化・人材育成の取組を加速させられるよう、関係大臣と連携しながら、政府一丸となって支えてまいります。今もなお続く風評の払拭のためには、科学的根拠に基づいた安全性の正しい情報の発信が不可欠です。このため、インターネット、ラジオ等多くの媒体を活用して、効果的に国内外へ情報発信を行うなど、政府一体となって取組の充実を図ってまいります。被災地産品の販路拡大、輸入規制の撤廃に向けた諸外国・地域への働きかけ等についても、積極的に行ってまいります。アルプス処理水の処分については、基本方針及び本年1月に改定された行動計画や、復興庁が取りまとめた情報発信等施策パッケージに基づき、政府一体となって決して風評影響を生じさせないという強い決意の下、科学的根拠に基づいた情報発信等の風評対策にしっかりと取り組んでまいります。引き続き、福島復興再生に向けて、国が全面に立って取り組んでまいる所存であります。東日本大震災の記憶と教訓を後世に継承することが重要であります。そのため、これまでの復興施策を振り返り、政府の制度や組織の変遷等を取りまとめます。また、これまでに蓄積された効果的な復興の手法、取り組みや民間のノウハウなど、復興に係る知見を関係機関と共有し、各地の伝承施設等との連携を通じて、普及展開することで、将来の大規模災害の復興に生かすとともに、被災地内外の防災力向上に努めてまいります。私は、復興の司令塔である復興大臣として、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、引き続き「福島の復興なくして東北の復興なし」、「東北の復興なくして日本の再生なし」との強い決意の下、新型コロナウイルス感染症の影響にも留意しつつ、一日も早い東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。ここが委員長をはじめ、理事及び委員各位のご理解とご指導をよろしくお願いを申し上げます。次に、令和5年度復興庁関係予算について、復興副大臣から説明を聴取いたします。

14:59

武家復興副大臣

15:05

令和5年度復興庁予算についてご説明申し上げます。復興庁におきましては、第2期復興創生期間において必要な取組を精力的に進めるため、地震・津波被災地域において被災者支援など、きめ細かい取組を着実に進めるとともに、原子力災害被災地域では、基幹環境の整備、生活再建など本格的な復興再生に向けて取り組み、また、これらに加えて福島はじめ東北地方が創造的復興を成し遂げるための取組を進めるための予算として、東日本大震災復興特別会計に総額5523億円を計上しております。以下、その主要施策についてご説明申し上げます。第一に、被災者支援については、避難生活の長期化や高級住宅への移転に伴う被災者の心身の健康の維持、住宅や生活の再建に向けた相談支援、コミュニティの形成、生きがいづくり等の心の復興など、生活再建のステージに応じた切れ目のない支援等に必要な経費として249億円を計上しております。第二に、住宅再建と復興まちづくりについては、住まいとまちの復興に向けて災害公営住宅に関する支援を継続するほか、住民の安全・安心の確保等のために事業を進める必要があることから、災害復旧事業等について支援を継続するために必要な経費として476億円を計上しております。第三に、産業なりわいの再生については、アルプス処理水の処分に伴う対策として、被災県への水産に係る加工流通消費対策や福島県農林水産業の再生、原子力災害被災12市町村における事業再開支援の実施に必要な経費のほか、避難指示解除区域等における工場等の新増設支援等の取組に必要な経費として339億円を計上しております。第四に、原子力災害からの復興再生については、避難指示が解除された区域での生活再開に必要な基幹環境の整備や、基幹困難区域の特定復興再生拠点の整備、特定復興再生拠点区域外への基幹居住に向けた避難指示解除に向けた取組等を実施するとともに、中間貯蔵施設の整備及び管理運営等を着実に推進するほか、風評払拭及び放射線に関するリスクコミュニケーションの取組の強化に必要な経費として4170億円を計上しております。第五に、創造的復興については、単に震災前の状態に戻すのではなく、創造的復興を実現するため、以上の取組に加えて、福島国際研究教育機構の構築、福島イノベーションコースト構想の推進、高負荷価値産地の形成等に係る取組に必要な経費として236億円を計上しております。なお、東日本大震災復興特別会計においては、復興庁予算に加え、震災復興特別交付税、交付金等1778億円を計上しており、全体では7301億円を計上しております。以上、令和5年度の復興庁予算の概要について、ご説明申し上げました。何卒よろしくお願いいたします。

19:10

以上で、所信及び予算の説明の聴取は終わりました。本件に対する質疑は、後日に譲ることといたします。次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。

19:30

松村芳文君。

19:32

はい。委員派遣のご報告を申し上げます。去る2月の13、14日の2日間、福島県及び宮城県において、東日本大震災の被災地における復旧復興状況等の実情を調査してまいりました。参加者は、小川幸人委員長、桜井光宇理事、光月亮介理事、和田正宗理事、石垣俊子理事、若松金重理事、梅村瑞穂理事、竹住人委員、岩渕智委員、また、現地参加されました森雅子委員、星北人委員、そして私、松村の12名であります。以下、調査の概要についてご報告いたします。初日はまず福島県に赴き、奈良葉町の商業施設、ココナラ商店街を視察しました。ココナラ商店街は奈良葉町のコンパクトタウン、エミフルタウン奈良葉の中にある商業施設で、平成26年7月に道庁役場の駐車場で仮設店舗の営業を開始し、36年6月に現施設が開業しました。松本町長からは、奈良葉町の復興施策について説明があったのち、エミフルタウン奈良葉及びココナラ商店街の概要について説明を聴取するとともに、入居店舗の株式会社、根本代表取締役から、同社の事業について説明を聴取いたしました。派遣委員との間では、奈良葉町における少子化対策、教育施策、震災後の事業継続に当たっての課題等について意見が交わされました。ついで、大熊町に移動し、令和4年6月に避難指示が解除された特定復興再生拠点区域内にある大野駅周辺を視察しました。吉田町長及び同町関係部局より、同町の特定復興再生拠点区域復興再生計画の概要等について説明を聴取したのち、拠点区域内の下野上地区で整備が進められている大熊中央産業拠点及び原住宅エリアを視察しました。今後の企業立地を進めるにあたっては、自治体の力だけでは限界があり、政府の支援が必要となること、拠点区域外の基幹困難区域における建物等の取扱いも含め、同町の復興にはまだ時間を要するとの説明を受けました。次に、二葉町に移動し、同町の特定復興再生拠点区域外の基幹困難区域にある甲野草地区を視察しました。伊沢町長からは、二葉町は他の被災地と異なり、復興のステージがゼロの状況であり、引き続き財政措置を含めた国の支援が必要であるとの説明がありました。派遣委員との間では、今国会に提出されている「福島復興再生特別措置法改正案」で創設される特定基幹居住区域の設定の在り方等について意見が交わされました。次いで、南相馬市に移動し、災害対策を主題とした研究開発を進めながら、雇用創出と産業振興を目指した取組を行っている株式会社「テララボ」が運営する「テララボ福島」を視察しました。松浦代表取締役から、同社の事業について説明を聴取するとともに、同社保有の無人航空機を視察しました。次いで、福島市に移動し、福島県庁において内堀知事等との意見交換を行いました。まず、内堀知事から、東日本大震災をはじめ、度重なる自然災害に見舞われながら、風評や風化のほか、地域によって異なる複雑で困難な課題に向き合う現状を伺うとともに、復興は福島だけの問題ではなく、日本全体の問題であるとのお話を伺いました。続いて、県の担当部局から、福島県における復興の現状と課題について説明を聴取いたしました。その後、派遣委員との間では、特定基幹居住区域の設定に係る福島県としての方針、及び最終的な避難指示解除の在り方、アルプス処理水放出における国の責任、及び福島県外での処理水放出に対する考え、福島国際研究教育機構設立に伴う、効果の広域波及に向けた取組、風評払拭に向けた課題、及び今後の取組等について意見が交わされました。2日目はまず、宮城県丸森町に移動し、道庁役場において、保品町長から仮置き場撤去に関する要望書を受け取った後、道庁における復興施策の課題について説明を聴取しました。道庁は3棵を福島県に囲まれており、原発事故に伴う放射性物質による汚染の状況は福島県内市町村と同等、またはそれ以上であるにもかかわらず、宮城県に位置しているため、除染作業や除染廃棄物等の処分方法等について福島県と異なる扱いとなっていることや、除染廃棄物等を町内の仮置き場で保管している状況が約10年続いており、住民から最終処分場になるのではないかとの不安の声が多数寄せられているとの説明がありました。派遣委員との間では、除染廃棄物等の処分のあり方等について意見が交わされました。その後、道庁に設置された仮置き場の一つである上滝仮置き場に移動し、道庁を視察するとともに、環境省から宮城県内における汚染廃棄物等に関する現状について説明を聴取しました。次に、名取市に移動し、名取市百合上地区にある震災メモリアル公園を視察しました。まず、本委員会を代表し、戸川委員長から喧嘩が行われるとともに、派遣委員一同により震災による犠牲者の方々に対して黙祷が捧げられました。その後、山田市長から、名取市における復興の現状と課題について説明を聴取しました。その後、震災で人体の被害を受けた百合上地区で、名取川堤防と同じ高さに整備された商業施設である川町テラス百合上に移動し、山田市長から道地区におけるにぎわいづくりについて説明を聴取した後、道施設を視察いたしました。道地区では、川町づくりによる地域活性化の取り組みが進められています。ついで、百合上中央集会所に移動し、山田市長及び木口市議会議長同席の下、百合上地区における産業なりわいの再生に向けた取り組みについて、名取市商工会の小島会長、宮城県漁業共同組合専覧司書、百合上担当の出雲運営委員長及び名取市観光物産協会の佐々木会長から説明を聴取しました。派遣委員との間では、アルプス処理水の放出が漁業に及ぼす影響、百合上地区に来訪する観光船の交通手段、震災に加えてコロナ禍や物価高による資金繰りが悪化した商業者への支援等について意見がかされました。ついで、震災前は住宅地でしたが、津波により甚大な被害を受け、防災集団移転促進事業が施行された名取市北釜地区の跡地を視察しました。山田市長からは、コロナ禍や物価高等による影響はあるものの、仙台空港に隣接しているという立地を生かし、宿泊物流施設等の誘致を進めていきたいとの説明を受けました。以上が調査の概要であります。今回の調査を通じまして、地域によって復興の進捗状況が大きく異なり、抱えている課題も多様であることから、地域の実情に応じたきめ細やかな支援が必要であると、改めて強く認識した次第であります。最後に、私どもの調査にご協力いただいた皆様に対し、厚く御礼申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興・創生が果たされますようにお祈り申し上げまして、私のご報告といたします。以上で、派遣委員の報告は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました

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