1:15
これより、経済産業委員会・環境委員会連合審査会を開会いたします。先例によりまして、私が連合審査会の会議を主催いたします。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の両案を一括して議題といたします。両案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により、ご了承お願い、その聴取は省略いたします。これより質疑を行います。質疑のある方は順次、ご発言願います。
2:01
おはようございます。住民首都の梶原大介でございます。本日は、こうして質問の機会をいただきましたので、住民首都会派を代表し、水素社会推進法及びCCS事業法案について質問をさせていただきたいと思います。申し上げるまでもなく、気候変動問題が世界的な課題、そしてまた危機となる中、我が国においても、2030年度には温室効果ガスの46%削減、 そして2050年にはカーボンニュータルの実現というものを国際公約に掲げまして、ただいま国を挙げて、その取組を推進をしておるところでございます。そういった中、今国会にこの両法案が提出をされました。水素CCSの活用推進していくとは、2050年のカーボンニュータルの実現に向けて、鉄鋼や化学などの脱炭素化が難しい分野などにおいてのGXの取組を進めていく、まあ、そのことにおいても、大変非常に重要なことであると認識をしております。その中で、本日のこの連合審査会という場において、経済産業大臣、そして環境大臣、両大臣に質問する機会をいただきました。ぜひ両省がしっかりと連携をして、今後のGXの取組を推進し、電力の安定供給を確保しつつ、脱炭素電源の供給力を強化し、そしてカーボンニュータルネットゼロへとしっかり組み分けて実現に向かっていかなければという思いで、以下質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。まず最初に、昨月4月28日から30日にかけて、イタリアトリオンでG7の気候エネルギー環境大臣会合が開催をされております。この会合で、温室効果ガシュの削減対策や脱炭素に関してどのような議論が行われたのか、これまでの御発言、報道等もありましたけれども、特にこの法案に関わる水素やCCSについての議論を中心に、その概 要をお伺いとするとともに、現地で議論に参加した御感想を併せてお伺いをさせていただきたいと思います。また、同会合の閣僚正規における石炭火力発電に関する合意内容は、これまでの我が国の取組の方向性を変更するものではないのか、ということで、そのことについての御所見も、斉藤経済産業大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
4:27
御指摘の今回の会合は、昨年のG7広島サミットや、COP28の後に開催された、初めてのG7気候エネルギー環境大臣会合でありまして、これらの会合における決定というものを具体的な行動に移すための、G7の決意と団結を示す上で重要な会合になったと認識しています。会合における具体的な議論の内容につきましては、回答は差し控えざるを得ませんが、水素につきましては、G7、広島でも合意した、炭素集約度に基づく水素の取引に向けた国際標準の策定を継続する点に加えまして、新たに安定かつ強靭なサプライチェーン構築の重要性を確認することに合意をしています。また、CCSを含むカーボンマネジメントにつきましては、ネットゼロ達成に不可欠な技術であり、その導入加速や規模拡大が重要であることにも 合意をいたしました。石炭火力につきましては、各国のネットゼロの道筋に沿って、2030年代前半または気温上昇を1.5℃に抑えることを、射程に入れ続けることと、整合的なタイムラインで排出削減対策の講じられていない既存石炭火力を段階的に排出することに合意をいたしました。合意した文言はこれにつきます。日本としては、エネルギー気温計画に基づきまして、まずは2030年に向けて、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めてまいりますし、さらに、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、水素アンモニアやCCUS等を活用することで、1.5℃目標と整合的な形で脱炭素型の火力に置き換える取組を引き続き推進をしていきたいと思っています。
6:31
はい、ご答弁ありがとうございました。石炭火力の合意においては、その後ですね、発電事業者側である電気事業連合会などからも報道に応える形で、電力の安定供給に対しては国との連携が何より必要だということをおっしゃられております。事業者と今後しっかり意思疎通を図っていただきますように お願いいたします。先ほどご答弁もいただきましたけれども、斉藤経済産業大臣からは、東海道においてエネルギーの安全保障に配慮しつつ、多様な水質のクリーンエネルギーの移行の重要性、そして世界全体での脱炭素に向け、先ほどもG7での団結が重要だと言われておりましたけれども、そのG7が有する技術や資金、人材を、その支援のベストプラクティスも共有されるということもご発言をされております。また伊藤環境大臣からは、日頃からおっしゃられている環境省としての統合的アプローチによるネットゼロ、サーキュラー、エコノミー、そしてネイチャーポジティブに合わせてプラスチックの汚染対策などについても各国に対してしっかりとご発言をされたというふうに認識をされております。また、この同じ時期、岸田総理がOECDの閣僚の理事会で様々な会合でご発言をされておりますが、重ねて言われているのは、気候問題は人類共通の課題であり、気候危機への対応は人類共通の挑戦だということを世界に向けて発言をされております。まさしくその世界の中で、我が国としての役割を果たしていかなければならない中、昨日、11回メルタルGXの実行会議が開催をされ、両大臣もご出席をされております。今後、ハンドタイヤ、またAIやデータセンターなどの建設や稼働などにおいて、電力の大幅需要が見込まれ、約20年ぶりに電力需要が増加するという見通しも示されました。そういった中で、記者 総理からは、齋藤大臣にはGX2040のリーダーズパネルを設置をして、様々な議論を進めていくこと、論点整理をしていくことを指示をされております。今後、そういったことに基づいて、エネルギーの基本計画や、また、地球温暖化対策の改定などが議論されると同時に、GX2040のビジョンの策定も行われることになっております。こういった中で、エネルギーについて、そしてGXの産業立地について、そしてその構造について、また市場の創造、そして技術革新や、さらには消費者行動に至るまで、様々なことが議論をされるというふうに聞いております。そういった中で、この実行会議で、改めて記者総理が言われたことが、昨日からGX2.0の検討を始めるという御発見もあったというふうに聞いております。2050年の株をニュートラルに至る最大の難所を一つ一つ上っていく、その現実的なルートを示すことが、このGX2.0の目的と言われており、このGX取組がより加速することを期待いたしまして、以下、それぞれの各法案について質問をさせていただきたいと思います。まず、CCS法案に、事業法案についてお伺いをいたします。海底下への二酸化炭素の貯留、海底下CCSについては、これまでは海洋汚染等防止法により、環境大臣の許可制度が設けられておりましたが、本法律案においては、海洋汚染防止等防止法の規定が削除され、海域の貯留層における貯留事業に関わる申請に限り、経済産業大臣はあらかじめ環境大 臣に協議をし、その同意を得た上で事業者選定と事業の許可をすることとされております。現行の海洋汚染等防止法では、許可基準の一つとして、海洋化廃棄をする海域及び海底下廃棄の方法が、当該海底下廃棄をする海域の海洋環境の保全に障害を及ぼす恐れがないものであることが挙げられておりますが、海底下CCSによる海洋環境への影響として、どのようなことを想定をされているのでしょうか。最新の科学的知見についてお伺いをするとともに、今行われている諸外国での海底下CCS事業において海洋環境への影響が生じた事例があるのか、併せてお伺いをさせていただきます。
11:05
お答えいたします。専門家機関でございますIPCCの知見によりますと、二酸化炭素の貯留地点を適切に選択し管理した場合、二酸化炭素が漏洩する確率は長期にわたって非常に低いということが示されております。また諸外国の海底下CCS事業におきまして、海洋環境への影響が生じた事例に関しましては、環境省としてはそういう事例は把握しておりません。一方で高濃度 の二酸化炭素にさらされますと、海類など海底付近に生息する生物に影響を及ぼす可能性が指摘されておりますので、万が一貯留した二酸化炭素が海洋中に漏出した場合、こうした影響が生じる可能性はあると考えております。環境省といたしましては海洋環境の保全に支障が生じないよう、貯留地点や管理方法が適切かどうかしっかり確認してまいりたいというふうに考えております。
12:01
はい、ありがとうございました。しっかりご確認をされるということでありますが、この本法律案の許可申請の条文を見てみますと、海洋環境の保全について明記はされておりませんが、環境大臣への事前の協議の際には、これまでに引き続き海洋環境の保全についてはしっかりと確認をされるべきだと考えますが、環境大臣の御見解をお伺いをさせていただきます。
12:29
お答え申し上げます。海洋環境の保全については、許可申請の条文ではなく、そもそも法律の目的規定に海洋環境の保全が明記されてございます。環境省ではこれまでも海洋汚染防止法に基づき、海底下CCSの実施に当たり、海洋環境への影響について審査し、海洋環境の保全上、障害が生じていないことを確認してまいりました。本法案においても、環境大臣は海域の貯留事業に関して、特定区域の指定の同意、貯留事業の許可の同意、貯留事業実施計画の共同認可をすることとしており、いずれの段階においても海洋環境の保全に支障がないようにしっかり確認してまいりたいと思います。
13:33
はい、続きまして、それではモニタリングの実施体制についてお伺いをさせていただきたいと思います。本法律案では貯留事業者が貯留状況をモニタリングすることを義務化し、その結果を支部大臣に報告をするということをされております。現行の海洋汚染等防止法に基づく許可制度においても、海底下CCSを行う事業者が許可を取得する際に、貯留層から二酸化炭素の漏出がないことや海洋環境の 変化の程度を監視するための監視計画を定め、これに従い事業者がモニタリングを実施、その結果を環境大臣に報告することとなっております。また、現行制度では、その指針においては、通常時監視、懸念時監視、そして異常時監視の3段階の監視レベルを設定し、監視項目や実施時期頻度について定めております。この海域への調理に関するモニタリングにおいては、現行の制度の指針の内容を踏襲するものなのか、その方針について環境大臣にお伺いをさせていただきます。
14:37
現行の海洋性能保障は、事業者において、貯粒層から二酸化炭素の漏出がないことを監視し、海洋環境の変化の程度をモニタリングすることを求めており、これらの具体的な内容について、委員御指摘の指針に定めてございます。この本法律案におけるモニタリングの具体的な内容は、今後経済産業省とも調整しながら定めることになりますが、現行の指針内容を基本としつつ、海洋環境の保全にしようがないように対応を進めてまいりたいと思います。
15:18
はい、ありがとうございます。その海底下CCSを定めた平成19年の海洋汚染等防止法案改正の際には、付されておりますこの参議院の環境委員会の附帯決議において、海底下CCSをした海域の状況の監視について、当該許可を受けた者から詳細かつ的確に報告を受けるとともに、政府自らも当該海域の状況を把握し、これを適切に公表することとされております。これまでどのように海域の状況を政府として把握し公表に努めてきたのか、環境省にお伺いいたします。また、併せて本法律案に基づく新制度においても、潮流に関するモニタリングについて、事業者だけではなく、国自ら責任を持って取り組むべきだと考えておりますが、両大臣にはその御所見をお伺いをさせていただきます。
16:14
今、御指摘いただきました海洋汚染等防止法の改正に際しました附帯決議におきましては、許可を受けた者の詳細かつ的確な報告を受けるとともに、政府自らも当該海域の状況を把握し、適切に公表するという決議をいただいております。この決議も踏まえまして、環境省におきましては、同法に基づき海底化CCSを実施しております北海道とまこまえ沖の海域におきまして、許可を行った平成28年度以降、海洋環境モニタリングを環境省が実施をしまして、その結果を環境省ホームページにおきまして適切に公表してきたというところでございまして、この決議を果たしているというのが現状でございます。
17:04
委員御指摘のとおりですね、CCS事業の実施にあたりましては、貯留したCO2の漏洩、これを未然に防止するために、適切な方法により貯留事業者が責任を持ってモニタリングを行った上で、国としてもしっかりと監督をしていくことが重要であります。このため、今般のCCS事業法案におきましては、貯留事業者に対しまして、モニタリングの方法やCO2の漏洩を防止するための措置などを記載した貯留事業実施計画を定めた上で、国の認可を受けることを義務づけているほか、貯留したCO2のモニタリングを実施し、その結果を国に報告するということを義務づけることとしています。貯留事業者からの報告を受けまして、国としては貯留事業者が認可を受けた方法に従って、適切にモニタリングを実施しているかどうかなどを厳格に確認をする予定であります。その評価に当たりましては、必要に応じて、地質等の専門家から意見を聞くこととしています。そのほか、研究開発を通じて最先端のモニタリング技術を開発をして活用を促すことなどを通じて、決して事業者任せにすることなく、周辺環境に悪影響を及ぼさないCCS事業の実現に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
18:32
一般的には、貯留事業を行う事業者が、自らが回帰の状況等を把握する必要がございます。この法案においては、事業者がモニタリングの義務を負い、支部大臣にその結果を報告することとしており、まずは国もその報告内について、しっかり確認することが重要だと考えてございます。その上で、多摩婚外実証事業の例等で見られるように、自治体や関係者と地域の皆様の御理解が重要であると考えております。海洋環境の保全に万全を期すために、国としても、本法案が適切に運用されるよう、しっかり役割を果たしてまいりたいと考えております。
19:18
はい、両大臣からお答えいただきましたように、地域や自治体の理解もしっかり得る、そのためにも、先ほどお答えになられました周辺環境も含めて、しっかり取り組みを含めて深めていただきますようお願いいたします。続きましては、人材育成の見通しについて、少しお伺いをさせていただきたいと思います。本法律案では、貯留事業者が貯留所のモニタリングを行うことや、技術基準への適合義務等の保安規制を行うことなどが定められております。今後、2030年までにCCSを本格的に展開をしていく際には、貯留事業者等が本法律案に基づく義務を履行し、安全かつ効率的に事業を実施をしていかなければなりません。そのためには、最新の知見に基づく技術基準の策定に加え、モニタリングや保安に関する専門人材の育成やノウハウの蓄積が不可欠ではないかと考えるところであります。また、CCSは貯留後に数十年単位のモニタリングを要するなど、長期間の創業を前提としていることから、精進化できるところは精進化を進めつつも、専門人材を長期的なビジョンを持って育成・確保する計画を立てていくことが重要でないかと考えているところでございます。CCSに関する専門人材を育成・確保していくために、長期的なビジョンを持つ必要性についてどのような認識であるのか、また、人材確保については、事業者や研究機関のみならず、地域や学校など様々な協力も必要だと思われますが、今後どのような場で検討していくのか、経済産業省にお伺いをいたします。
20:55
お答え申し上げます。CCSは長期にわたる事業でございますので、ご指摘のとおり、長期的な視野に立って、CO2の分離回収や輸送・貯留といった関連分野におきまして、若手の研究者等、専門的な人材を確保し育成していくことは大変重要だと考えております。また、人材確保にあたりましては、ご指摘のありましたように、地域や学校との連携も重要であります。法案検討にあたって開催した審議会の中間取りまとめでも、その点について記載をいたしておりますが、こうした学校教育等を通じたCCSへの理解促進が人材確保につながることも、我々として期待をいたしているところであります。これまでにも、NEDが実施します研究開発実証事業におきまして、遠間小前市での実証成果を活用して、各地の大学等においてCCSの意義や技術の講義を行っておりますほか、分離回収等の各分野での研究開発支援を通じて、研究者や学生を育成しつつ、その成果を広く一般向けにも報告会等で共有し、専門人材の底上げを図っているところであります。また、ジョグメックでも業界の専門人材、あるいは国内大学の学生を対象とした講義等により、理解促進に努めているところであります。CCS分野におきます人材育成確保の方策につきましては、こうしたこれまでの取組も踏まえながら、審議会等の場において、十分に検討し、取組を進めてまいりたいと考えております。
22:27
はい、ありがとうございました。続きまして、国民の理解の増進に向けた取組もお聞きをさせていただきたいと思いますが、少し時間も経過してまいりました。また、国民の理解も含めて、人材確保、今ご答弁をいただきましたので、後ほど時間があればさせていただきたいと思います。それでは次に、水素社会推進方案についてお伺いをさせていただきたいと思います。我が国は2017年12月に、世界に先駆けて水素基本戦略を策定をいたしました。同戦略では、供給面、利用面でのそれぞれの取組方針が示され、供給面では国際的な水素サプライチェーンの構築、国内再エネ由来水素の利用拡大などが盛り込まれております。また、利用面では再エネの調整電源としての活用や水素発電などの電力分野での活用、燃料電池自動車、燃料電池バス等のモビリティ分野での活用、エネファーム等の燃料電池技術の活用等を進めていくこととされました。水素には作る、運ぶ、使うのそれぞれの段階がございますが、水素基本戦略に基づくこれまでの取組により各分野において世界的に活躍していく国内の企業も存在を指摘しております。一方で、まだまだ課題も多いことなどから、本法律案の提出に至ったものと認識をしております。そこでまずは、2017年の水素基本戦略策定以降、我が国はどのように水素導入に取り組んできたのか 、そしてどのような成果が得られているのか、経済産業省、そして環境省にそれぞれお伺いをさせていただきます。
24:02
我が国は2017年に世界で初めて水素基本戦略を策定いたしました。2030年頃に商用規模のサプライチェーンを構築するために、海外の安価な水素を調達し、製造、貯蔵、輸送、利用までの一気通貫した国際的なサプライチェーンの構築を進めますとともに、水素発電などを導入し、水素需要を飛躍的に増加させることを目指してまいりました。これまでに世界で初めて液化水素やメチルシクロヘクサンによる水素の輸送に成功しましたほか、グリーンイノベーション基金等を活用し、水電解装置のコスト低減や大型液化水素運搬船や根性発電の実現に向けた技術開発や実証等に取り組んできております。我が国として、こうした技術開発や実証によりサプライチェーンの構築に必要となるコスト低減に取り組んでまいりましたが、その後、世界各国は水素戦略を策定し、足元では低炭素水素等の確保に向けたグローバルな投資競争が始まっております。こうした中、脱炭素だけではなくて、我が国の水 素関連産業が海外市場を獲得するためにも、先行的で自立が見込まれる水素のサプライチェーンの創設や拡大を目指していく必要があると考えております。このため、水素社会推進法案に基づく支援を通じ早期にプロジェクトを立ち上げ、必要な水素の供給・貯蔵利用に向けた環境をさらに整備してまいりたいと考えております。
25:35
すいません、失礼しました。環境省でしたね。
25:44
お答えいたします。水素は利用時にCO2を排出しないことに加えまして、製造段階でサイエネを活用すれば、脱炭素化に大きく貢献することができると考えております。このために環境省では、これまでサイエネなどの地域資源を活用した水素サプライチェーンモデルの構築実証や水素を活用したモビリティの導入支援などを取り組んでまいりました。地域水素サプライチェーンモデルの構築実証については、サイエネなどの地域資源から水素を製造いたしまして、多様な需要先までの配送や利用まで一貫した運用を実現しているほか、モビリティの導入支援については、東京都を中心に燃料電池バスの導入が進むなど、それぞれ一定の成果が得られます。他方、コスト面が引き続き課題となっております。製造、輸送、貯蔵、利用の各フェーズでの最適化や高効率化、需要拡大に向けたさらなる取組が必要と認識しております。環境省といたしましても、こうした取組を今後も展開することによって、水素の需要を引いては水素社会の実現に貢献していきたいと考えております。
27:22
はい、それぞれ御答弁ありがとうございました。2017年以降の取組、そしてさらには近年の世界的な環境の変化も踏まえて、改めて本法律が水素社会実現に向けて果たす役割についてお伺いをしたいと思います。その2017年の基本戦略を策定した後、2020年の10月に、我が国は2050年官房ニュートラルの宣言を行いました。その後、2022年にはロシアによるウクライナ侵略が起き、脱炭素化とともにエネルギー安全保障を確保することの重要性が改めて世界各国において認識をされ、先ほどの御答弁にもありましたけれども、欧米や中国など諸外国においても水素の導入を進める動きが大変活発化しております。そして水素をめぐる環境変化を踏め、我が国においても昨年6月に水素基本戦略を改定し、水素社会の早期の実現に向けた取組をさらに強化をするところとしたことであります。その上で今般水素社会推進法案が提出されたわけですが、改めて本法案が水素社会の実現に向けて果たす役割について経済産業大臣にお伺いをさせていただきます。
28:31
水素社会とは現在その利活用が進んでいない水素をエネルギーのみならず、様々な原材料として利活用する社会を言うと理解しています。こうした水素社会の実現に向けましては、水素が大量に供給され貯蔵ができる環境が整い、鉄や化学、商用車といった脱炭素化が困難な分野に必要な水素が供給されるということが必要であります。しかし現状、低炭素水素等が手に入らないゆ えに需要も生まれず、我が国での水素等の供給が萎縮する硬着状態にあります。そのため今回の水素社会推進法案に基づく支援によりまして、官も民も一歩前に出て、まずは需給一体的に先行的で自立が見込まれる低炭素水素等のサプライチェーンを構築をしまして、必要な低炭素水素等の供給貯蔵利用に向けた環境を整えていきたいと考えています。またこうした支援を行うことで、世界各国では水素等の分野における今、投資競争が起きておりますので、そういった投資競争の中でも、我が国の水素関連産業がこの海外市場をですね、獲得する機会につなげていきたいというふうに考えています。こうした取組を通じて水素社会を実現していきたいと思います。
29:50
はい、ありがとうございました。では、環境省に環境大臣にお伺いをしたいと思います。経済産業省と今後どのように連携を図っていくかについて、本法律案では低炭素水素等の供給利用の促進に向けて、先ほど御答弁もありました基本方針を定めるというふうになっております。基本方針にはGX実現に向けての重点的に実施すべき内容を記載をすることとなっており、その基本方針の策定等にあたって、経済産業大臣は環境大臣など関係行政機関の長等、協議をしなければならないとされております。低炭素水素等の供給利用は環境省が所管をしております。今後改定予定の地球温暖化対策計画やCO2排出削減に関する施策とも密接に関係をしていると思いますが、今後の基本方針の策定や本法律案の施行に当たっては、環境大臣はどのように関与をされていくのか、また経済産業省とどのように連携を図っていくのか、環境大臣にお伺いをさせていただきます。
30:54
環境省としては、水素社会の実現に向け、これまでサイエネ等の地域資源を活用した水素サプライチェーンの構築実証等を行うなど、経済産業省とも連携した取組を進めてまいりました。本法案においても、基本方針の策定や低酸素水素の定義、事業計画の認定に際しては、環境大臣への協議、経済産業大臣と環境大 臣の緊密連携等が規定されております。今後とも、基本方針の策定や事業計画の認定等に際して、環境保全の観点が適切に確保されるよう、経済産業省ともしっかり協議の上、連携してまいりたいと考えてございます。
31:49
はい、環境保全の観点をしっかりと取り入れながら、今後基本方針の策定以降、計画認定制度を創設され、そして認定を受けた事業者に対する支援も始まってくるものと思っております。そして、電気・ガス・石油製造等運輸の産業分野の天体塗装水素の利用の促進の制度のあり方についても検討することとされています。GXの推進とエネルギーの安定供給、脱炭素、経済成長を同時に実現していく取組を両省に求めまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
32:53
立憲民主党の川田隆平です。今日は、経産大臣に質問できるせっかくの機会ですので、まず法案に入る前にですね、冒頭、町の本屋さんについて、ちょっと斉藤大臣に聞きたいと思います。今週、町の本屋さんを守るための経産省がプロジェクトチームを発足させました。斉藤大臣が書店を視察する様子や、書店経営者との車座集会で意見交換したことが新聞でも報じられました。フランスでは、このネット書籍販売の送料無料を禁止した反アマゾン法がありますが、町の本屋さんを守るために日本でも導入しようと検討しているのかを、経産大臣に伺いたいと思います。
33:31
ご質問ありがとうございます。私は、町中にある書店というものが、今どんどん激減をしているということについて危機感を感じ ているものですから、これ経産大臣になったの景気に、プロジェクトチームをつくって何ができるかということを検討を始めたということであります。ご指摘のように、フランスでは、書店保護を目的として、ネット書店事業者における送料の最低料金を課す法律というのが制定をされていると承知しています。フランスでは、本屋を守ることは文化を守ることであるという意識で、こういう法律を策定をしているというふうに聞いております。今回の私どものプロジェクトチームといたしましては、経産産業省として、まずすぐに取り組めることは何かということで、既存のコンテンツ産業振興策や中小企業支援策の活用による支援、今これを早急に検討をしているところであります。まずは、書店経営者の皆様が抱える課題や問題点、これを整理をしていくことが重要だというふうに考えていますので、書店経営者の方々との車座の話もご指摘いただきましたけど、まず様々なご意見をいただいて、そのことを踏まえながら、まず問題点と課題を抽出をして、経産産業省として何ができるかを検討するという段取りでやっていきたいと思っています。川田君。今書店が消えているという状況で、特に45坪以下の小さい書店、経営難の書店の意見もぜひ聞いていただければと思います。この経産省が地域の書店を支援する予算を付けたということは大変評価できることで、フランスだけでなく韓国、ドイツでも、ブックフェアなど、フランクフルトのブックフェアとか有名ですけども、非常にこの書店を守るための事業をやっている国がたくさんあります。これは地域の書店を支援するだけでなく、地域の図書館との関係をぜひ改善して、両者の連携を密にすることで、地域の読書環境を整えていくことが必要です。欧米各国は国や地域の成長戦略として、経済基盤社会から知識基盤社会に向けたシフトを明確にいたしており、その中で図書館が注目をされています。経産大臣の認識はいかがでしょうか。
35:52
あのですね、ご指摘のとおり、書店経営者の皆様が抱える課題は、地域における図書館と、そして書店との連携の方策ですとか、それから従来の取引環境の改善ですね、図書館との。そういったものも私は含まれているんだろうと思っていますので、先ほど申し上げましたように、よく経営者の方の声を伺いながら、図書館との関係も含めまして、課題や問題点の整理を進めていきたいというふうに考えています。
36:23
日本の図書館は、この、師匠や職員の待遇問題など様々な問題を抱えて、様々この欧米の図書館に比べて100年以上遅れているとも指摘をされています。その遅れの要因は様々ありますが、マークと呼ばれる書紙データが国立国会図書館から無償で提供されているにも関わらず、民間の専門業者のほぼ過線状況にあり、そのことで管理システムと一体化した発注システムや本の流通、納入までのサービスが一気通貫となり、地元書店が図書館から占め出され、地域の読書環境を含む協力関係がつくれないという要因も指摘されています。さらにその業者が図書館の指定管理まで担い、自ら選書と発注を自らに行うという丸投げ状態になっているという弊害は、この文字活字文化議員連盟の2019年の答申でも指摘されています。その影には出版社から業者へのバックマージンやマーク販売に関わる値引き、納入組みなどの値目生かしなど、地元書店による図書館との関係づくりを阻害する全国規模の専門業者による不当な営業活動やサービス、観光が横行しています。中には独占禁止法違反を指摘される行為も報告されています。こ のような知識基盤社会における土台となる地域の読書環境を創造するのに欠かせない図書館と地域書店の連携について、それを阻害する要因が書籍の流通や書紙データの販売等の不公正な監修や営業活動によるものがあるとしたら、文科省だけでなく、経産省としても実態の調整や問題解決が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
37:58
図書館の成り方そのものについては経済産業大臣としてご答弁をすることはできないんですけれども、この本屋との関係で図書館とのどういう連携をしていくべきかということについては検討していきたいと思っております。私は日本人が本と接する機会、図書館とネットと本屋さんにこの3つあるわけですが、この3つが補完をし合いながら共存するということがあるべき姿だと思っていますので、その中で書店だけがなくなっていくという事態は何としても改善をしなくちゃいけないんじゃないかなというふうに考えています。
38:35
斉藤大臣には農水大臣のときに農薬の見直しについてもお願いして早速やっていただいて、今もちょうど見直しの時期にかかっています。本当に是非斉藤大臣の、今、経産省大臣として水を得た魚のように仕事をしているということも聞いておりますので、是非しっかりやっていただきたいと思います。国際社会が経済基盤社会から知識基盤社会に向けて舵を切っているときに、その土台となる図書館、出版流通、そして地域社会書店、これは水道や電気、道路と同じように重要な社会インフラであり、また知る権利は基本的人権の要でもあり、図書館は民主主義の砦と言われています。何よりもこの先、日本の未来を創造するのは人であって、一人一人が地域社会の中で自分で考える力を磨き、そのための知識を共有する場の問題は国家の根幹となる安保問題でもあり、環境問題でもあるということも言われています。是非しっかりと守っていただきたいと、書店を守っていただきたいと本当に思っております。それでは本題の質問に入らせていただきます。諸外国におけるCCS事業の現状について質問します。まずアメリカですが、安全性に関してこのニュースがありました。先月3日にルイジアナ州でCO2パイプラインの事故がありました。ガーディアン市によれば、ルイジアナ州のエクソンのパイプラインから推定2548バレルの二酸化炭素が漏れ、住民の間で警報が鳴り響く事故が発生しました。化石燃料の燃焼によって放出される温室効果ガスであるCO2は窒息性及び中毒性があり、大量に存在すると空気中の酸素を置き換えることで、障害や死を引き起こす可能性があります。気象条件によっては、強力なCO2の雲が数時間空中に残ることもあります。地元の消防署によれば、オペレーターが施設に到着して漏れを修理するまでに2時間以上かかりました。人命に関わる直接的な被害はないということですが、経産大臣、このアメリカでの事故について知っていましたでしょうか。
40:36
この事故はですね、本年4月に米国ルイジアナ州において、石油、天然ガスの増産を目的として行われるCO2EORのための同管からですね、CO2が漏えいする事故が発生したと。こういう報道があることはもちろん承知をしています。現時点ではですね、当該事故の詳細及び原因がまだ明らかとなっていないということでありますので、余談をもってお答えすることはまだできないんですけれども。漏えい探知のですね、体制が不十分であったため発見が遅れて、大量のCO2の漏えいにつながったと、報道をされているところであります。これ詳細は我々もこれからですね、しっかり検討していきたいと思いますが、一般論として申し上げればですね、このCO2の大量漏えいを起こさせないように、その安全の確保に異論なきよう取り組んでいかねばならないと思っています。今後CO2の導管輸送の安全確保に向けてはですね、高圧状態のCO2導管輸送に耐えれる強度の確保ですとか、早期に漏えいを探知できる設備、あるいは緊急時に備えた遮断装置の整備などを含む技術指示についてですね、専門家の方々のご意見や国際同行も踏まえながら検討を行っていきたいと思っております。
41:58
次にカナダの事例ですけれども、CCSはよく確立した技術と言われますが、稼働中の案件は少なく、既存のCCS事業のパフォーマンスは良いと言いません。アメリカのエネルギー経済金融分析研究所によれば、カナダのバウンダリーダムの9割の排出を回収するとしていましたけれども、結局6割程度、回収9割のうちの6割ということは全体の5割なんですけれども、このカナダでのCCS事業の実態について、経産大臣ご存知でしたでしょうか。
42:30
これもご指摘のカナダにおけるCCSのプロジェクトは、これ石炭化力発電所において行われたものでありまして、世界で初めてCCS技術の利用に成功した実証試験であるというふうに認識をしています。このプロジェクトは2014年に回収されましたが、ご指摘のとおり、回収パフォーマンスについては、この排ガス中に微量に含まれる石炭培の前処理に課題があったということなどによりまして、結果としてCO2の回収装置の稼働率が低下をいたしまして、うまく取り除けなかったんじゃないかと思いますが、従って60%程度だった時期もあったということでありますが、しかし現在ではこうした課題を解決をして、同社の目標を上回る85%程度の高い稼働率を実現しているというふうに承知をしています。いずれにしても、我が国としては、こうした省学の事例も参考にしながら、効率的なCCSの需要化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
43:33
また、日本で排出したCO2を回収して海外で貯留する事業に関する実施可能性調査が相次いでいますが、今月8日に輸出先とされるマレーシア、インドネシア、オーストラリアなどの団体を含む90団体から、斉藤経産大臣宛にCCS政策を再考するよう求める署名が提出されました。この要望書にもありますけれども、日本政府に対してCO2を国外に輸出しないよう求める要望書は、NGO団体から提出されていることについて、経産大臣どのように受け止めているのか、見解を伺います。
44:08
御指摘の要望書につきましては、オランダに本気を置く環境団体の日本支部などが作成をして、我が国を含む主要国に提出 をされているものと認識をしています。CCSにつきましては、昨年のCOP28において脱炭素化の手段の一つとして、これは明記をされておりまして、我が国でもその推進に取り組んでいるわけでありますが、一方でCO2の貯留地につきましては地理的偏在性がありますので、貯留的地のある国へCO2を輸出して貯留することは、脱炭素化の手段として重要ではないかというふうに思っています。CCS目的によるCO2の輸出は、ロンドン議定書により実は規制をされておりまして、輸出入国管の取決め等が締結される場合に限って認められるということになっておりますので、今後我が国からCO2を輸出する場合には、輸入国政府の受入れの意思や規制整備などの事情を踏まえて、個別に判断をしていくことになるのだろうと思います。
45:20
この要望書の中にもありますけど、日本からのCO2輸出に関する覚書がこれ15存在しています。CCS事業法が国内での貯蔵を規定しており、海外との取引については規制していないことから、各国と覚書として締結していると思われますが、これでは廃棄 物の海外輸出であるという指摘も受けても仕方ありません。この点に対しては、これから我が国がCCS事業を展開していく上で、県裁大臣の見解を伺いたいと思います。
45:48
この点は詰めておくべき課題だと思っていますが、ご指摘の覚書は、将来的なCO2輸出に向けた事業性評価等の共同検討、こういったものに関するものでありまして、直ちに輸出しようというものではありません。その上で、CCSにつきましては、昨年のCOP28において、繰り返しになりますが、脱炭素化の一つの手段として位置づけられているわけでありますので、我が国もこの考え方に基づいて進めていくということであります。他方、ロンドン議定書により、CCS目的によるCO2の輸出は規制されておりまして、先ほど申し上げましたように、国家間の取決め等が締結される場合に限って認められるということになっていまして、既に先月、ノルウェーは、オランダ、デンマーク、ベルギー、スウェーデンと、本議定書に基づいて国家間の取決めを行ったということで、既に進み始めています。今後、我が国がCO2を輸出する場合におき ましても、輸入国政府の受入れの意思、規制整備などの事情を踏まえつつ、本議定書に基づいて取決め等を締結するか否かを判断をすることになりますが、仮に輸入国が今度、ロンドン議定書の非定額国の場合もあるわけでありますが、その場合には、同議定書に基づいて、我が国が環境配慮等に関する措置を求めることが必要となってきます。これを事前に個別に判断しておくことになります。また、貯流ポテンシャルに恵まれた途上国の中には、CCSに関する技術移転を求めたり、貯流上の創業の安定化や運営のための経験を獲得するために、CO2の海外からの受入れを積極的に模索する国も複数現れているのが現状であります。こうした背景から、諸外国のCCS事業の立ち上げを支援するということは、国際貢献の観点でも効果があると考えています。いずれにいたしましても、海外でのCCSを推進するにあたりましては、ロンドン技艇種やCO2輸入国政府の意思、事情、こういったものを十分に踏まえて取り組んでいきたいと考えています。
47:57
日本では陸域での貯流ポテンシャルが限られているために、海洋での治療が想定されています。そのため、コストが高く、安価に貯流できると予想される海外にCO2を運んで貯流するという議論が行われていると聞いています。地中に貯流することから、貯流には限界がありますが、日本国内ではCO2を貯流することができる貯流層、一体どれくらい存在しているのかを想定しているのかを政府にお聞きします。
48:28
国内での貯流ポテンシャルにつきましては、日本CCS調査株式会社が専門家の意見を踏まえて行った試算がございます。これによれば、有望地点11地点で合計約160億トンの貯流可能量が推定されてございます。これは地震探査等のデータに基づき、一定の仮定を得た上での計算し、そこから求められたCO2の貯流可能要石から推定したものであります。この水準ですが、例えばCCS長期ロードマップで示された2050年のCCS貯流量の目安であります、年間約2.4億トンと比較しますと、160億トンの貯流可能量は、数十年から百数十年分に相当するものというふうに承知してございます。ただし、これはあくまでも有望地点における調査の結果でありまして、ご質問の日本領土などとの面積割合として示すことは困難でありますけれども、場所としては日本近海に幅広く分布してございます。
49:38
土地の所有権のことについて伺います。土地の所有権の範囲は、民法第207条では、法令の制限内においてその土地の上下に及ぶとなっています。この法令の制限の一つが、工業法に規定する工業権であり、工業権なしには、この土地の所有者であっても鉱物を採取、取得することはできません。土地所有者は、この制限を侵害しない限り、工業所と工業権と重複しても、土地所有権に基づく正当な権利交付であれば、制約を受けません。そこで、本法案で制定される、市屈権、貯流権についても、この所有権との間には整合性が担保されていると解釈してよろしいでしょうか。政府に伺います。
50:16
はい、お答え申し上げます。今般のCCS事業法案における市屈権や貯流権は、基本的に地下1000メートル以下に存在する地層に設定されることが想定されております。例えば、土地の所有者が土地の所有権に基づき、こうした地下深くの地層を使用することは、通常想定されにくいところでございますが、今般のCCS事業法案第25条1項におきましては、経産大臣による貯流事業等の許可の告示があったときには、貯流権等が設定された区域におけるCO2の貯蔵などを妨げない範囲内に、土地の所有権等の行使が制限されるということとしてございます。一方で、国民の権利保護に万全を期す観点から、今回の法案におきましては、市屈や貯流事業の許可の申請にあたっては、市屈権や貯流権が設定されることとなる区域をすでに使用している方の意見書を取得することを申請者に求めているほか、経産大臣が許可不許可の判断を行うにあたっては、土地所有者を含む利害関係者の意見公募を行い、その御意見を踏まえた上でこれを行うこととしていることに加えまして、万が一土地の所有者等に具体的な損失が生じた場合に備えて、損失を受けた者がその保証を請求することができることを放棄し てございます。こうした手続を定任に進めることによりまして、国民の権利保護にしっかりと配慮しながら、市屈や貯流事業を進めていく考えでございます。
52:00
このCCS事業法の中間取りまとめでは、市屈権や貯流権を見なし物件とすることについて、工業法等の例に倣い、市屈や貯流を行う区域を独占的かつ排他的に使用できる権利を設定する権利を設定し、その権利を見なし物件とすることで、第三者からの妨害を予防、排除できる仕組みを構築することが適当であると説明されております。市屈権や貯流権を見なし物件としていますが、見なしとした理由は、例えば同業他社に対する排他的権利を主張する場合に用いられる概念なのか、確認をため政府に答弁を求める見解を持っています。
52:37
今般のCCS 事業法案において貯流権等を見なし物件としている理由についてですが、CCS事業におきましてはCO2の安定的な貯流を確保すること、そして事業遂行のための資金調達の円滑化を図る必要があること、これらを踏まえて見なし物件とすることにより、事業者自身が妨害排除請求を行うことが可能となることに加えて、定等権の目的とすることが可能となるためでございます。他の見なし物件の例としては、工業法における工業権、漁業法における養殖漁業等に関する漁業権のほか、国有林野の管理経営に関する法律における樹木採取権などがございます。また、今回のCCS事業法案においては、委員御指摘の排他性などの物件の基本的考え方を踏まえ、経産大臣による貯流事業等の許可の告示があったときには、土地の所有権等の公使は、貯流権等が設定された区域におけるCO2の貯流を妨げない範囲に限定されることとし、見なし物件である貯流権等と物件である土地の所有権等の調整を図ることとしてございます。このように、今回のCCS事業法案における措置は、民法に基づく物件の基本的考え方との整合性を確保しておりまして、これらに反するものではないというふうに考えております。
54:09
CCSをするためのエネルギー源、これは何か、CCSが化石燃料を使用して行われる事業であるならば、全体的に見た場合に気候変動対策としてCO2の排出削減には貢献しない事業ではないのかと、経産大臣に見解を求めます。
54:28
委員御指摘のとおりですね、CCSを行うためには一定のエネルギーが必要になります。例えば、このエネルギーを火力発電による電力で賄おうとした場合にどうなるかということですが、CO2の回収で生じるCO2は、発電で生じるCO2、その回収に必要な発電で生じるCO2の15から25%程度と言われていますので、したがってCO2の回収工程から生じるCO2に比べまして、4倍から6倍の量を回収することが可能となるので、やはりやるべきだということなんだろうと思うんですが、CCSは、排出削減が困難なセクターにおいて、気候変動対策として有効な手段でありまして、海外においても申し上げたように、昨年コップ28において同様の位置づけがなされているところであります。こうした認識に基づいて、欧米諸国では近年、予算や税制など、CCS事業に対する様々な導入支援制度を設けるなど、CCSの導入加速に向けた動きが見られるわけでありますので、我が国においても、こうした世界の動向を踏まえつつ、2030年までのCCS事業開始、これを目指しまして、事業環境の整備を進めていきたいと考えています。
55:47
2008年の低酸素社会づくり行動計画、2010年の第三次エネルギー基本計画において、当初2020年を目途に商用化が目指されていましたが、商用化に至っているケースはあるのかなければ、政府の見通しが誤っていたと判断せざるを得ませんが、その点は認めるのか、政府に伺います。
56:06
はい、経産省におきましては、世界で初めての市街地近傍の大規模CCS実証拠点であります、遠間小前CCS実証試験センターにおきまして、2016年度から日本初の大規模CCS実証試験を実施し、2019年当初目標としていました30万頭の貯量を達成したところでございます。これは国内でCCS事業を進める上でも、モデルの一つとなる重要なプロジェクトであるというふうに認識してございます。委員御指摘の低炭素社会づくり行動計画におきましては、CCSについて2020年までの実用化を目指すとされておりました。第三次エネルギー基本計画においては、2020年頃のCCSの商用化を目指した技術開発の加速化を図るとされてございました。これ以来に照らしてですけれども、トマコマでの技術実証の成果に鑑みますと、商用化に向けた基盤技術についてはおおむね確立することができたと考えてございます。他方、商用化そのものについては、事業環境整備が課題でありましたことから、委員御指摘のエネルギー基本計画に照らせば若干の遅れが生じていることは認めざるを得ないところではございますけれども、それも踏まえて今回に事業法を提案させていただいたところでございます。今後、2030年までのCCS事業開始に向けて、横展開可能なビジネスモデルの確立や、CCS事業のコスト低減に向けた研究開発、国民理解の増進など、総合的な取組を進めてまいりたいと考えております。