22:57
お待たせいたしました。これより、決算行政監視委員会第3文化会を開会いたします。私が本文化会の主査を務めることになりました、伊坂信彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本文化会は、厚生労働省所管、農林水産省所管、経済産業省所管、及び環境省所管についての審査を行うことになっております。なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に、決算概要説明、会計検査員の検査概要説明、及び会計検査員の指摘に基づき、講じた措置についての説明を聴取することといたします。令和2年度決算ほか2件、令和3年度決算ほか2件、及び令和4年度決算ほか2件中、厚生労働省所管、農林水産省所管、経済産業省所管、及び環境省所管について審査を行います。これより農林水産省所管について審査を行います。
24:07
まず概要説明を聴取いたします。坂本農林水産大臣。
24:12
令和2年度、令和3年度、及び令和4年度の農林水産省の決算の概要を御説明いたします。第一に、令和2年度の決算の概要を御説明いたします。まず一般会計についてであります。歳入予算額4616億円4に対し、収納済み歳入額は4603億円4であります。歳出予算減額46506億円4に対し、支出済み歳出総額は32728億円4。翌年度繰り越し額は1293億円4。付与額は1485億円4であります。次に特別会計についてであります。食料安定供給特別会計については、収納済み歳入額9264億円4に対し、支出済み歳出額は8209億円4であり、その差額1054億円4のうち、翌年度の歳入への繰り入れ額は1023億円4であります。また、国有輪野事業債務管理特別会計については、収納済み歳入額及び支出済み歳出額が共に3633億円4であり、その差額はありません。第2に令和3年度の決算の概要を御説明いたします。まず一般会計についてであります。歳入は歳入予算額4662億円4に対し、収納済み歳入額は4994億円4であります。歳出は歳出予算減額14476億円4に対し、支出済み歳出額は3226億円4。翌年度繰り越し額は1兆28億円4、付与額は2241億円4であります。次に特別会計についてであります。食料安定供給特別会計については、収納済み歳入額9797億円4に対し、支出済み歳入額は9134億円4であり、その差額663億円4のうち、翌年度の歳入への繰り入れ額は635億円4であります。また国有輪野事業債務管理特別会計については、収納済み歳入額及び支出済み歳出額がともに3603億円4であり、その差額はありません。第3に令和4年度の決算の概要を御説明いたします。まず一般会計についてであります。歳入は歳入予算額4593億円4に対し、収納済み歳入額は5050億円4であります。歳出は歳出予算減額4兆5233億円4に対し、支出済み歳出額は3兆4033億円4。翌年度繰り越し額は9812億円4、付与額は1387億円4であります。次に特別会計についてであります。食料安定供給特別会計については、収納済み歳入額1兆2541億円4に対し、支出済み歳出額は1兆1505億円4であり、その差額1036億円4のうち、翌年度歳入への繰り入れ額は1017億円4であります。また国有林野事業債務管理特別会計については、収納済み歳入額及び支出済み歳出額が共に3534億円4であり、その差額はありません。以上をもちまして、令和2年度、令和3 年度及び令和4年度の農林水産省の決算の概要の説明を終わります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。
28:37
次に会計検査員の検査概要説明を聴取いたします。会計検査員柳瀬審議官。
28:51
令和2年度農林水産省の決算につきまして、検査いたしました結果の概要を御説明いたします。検査報告に提起いたしましたものは、不当事項15件、意見を表示し、または処置を要求した事項5件、及び本員の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項4件であります。まず不当事項について御説明いたします。検査報告番号86号から100号までの15件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。次に意見を表示し、または処置を要求した事項について御説明いたします。その1は、強い農業、担い手作り、総合支援交付金事業の実施に関して改善の処置を要求し、及び是正改善の処置を求めたもの。その2は、農地情報公開システム整備事業により構築されたシステムに関し、意見を表示し、及び改善の処置を要求したもの。その3は、流木販売等における丸太のトラック運搬に係る経費の積算に関して改善の処置を要求したもの。その4は、農地工作条件改善事業における地域内農地収積型事業の実施に関して改善の処置を要求したもの。その5は、政府所有米国の販売等業務委託契約のメッシュチェック二役経費の単価に関して改善の処置を要求したものであります。次に、本委の指摘に基づき、当局において改善の処置を講じた事項についてご説明いたします。その1は、公用車による高速自動車国土等の利用に関するもの。その2は、中山間地域等直接支払い交付金事業に関するもの。その3は、合販製材生産性強化対策事業等における緩抜材生産事業の実施に関するもの。その4は、競争力強化型機器等導入緊急対策事業の実施に関するものであり、これら4件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。続きまして、令和3年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要をご説明いたします。検査報告に契機いたしましたものは、不当事項20件、違憲を表示し又は処置を要求した事項5件、及び大いにの指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項1件であります。まず、不当事項についてご説明いたします。検査報告番号199号は、委託費の支払いが課題となっていたもの、200号から218号までの19件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。次に、違憲を表示し又は処置を要求した事項についてご説明いたします。その1は、公収益作物、自費作、支援交付金事業の実施に関して、適宜の処置を要求し、及び改善の処置を要求したもの。その2は、過剰木材、在庫利用、緊急対策事業と同様の要件を規定する事業に関して、違憲を表示したもの。その3は、林業、木材産業、改善資金の実施に関して、改善の処置を要求したもの。その4は、農業、農村整備事業等における公共食糧の実施に関して、改善の処置を要求したもの。その5は、国営更新事業に係る不退施設の機能保全計画の策定状況等の把握等に関して、改善の処置を要求したものであります。次に、本位の指摘に基づき、当局において改善の処置を講じた事項についてご説明いたします。これは、離島漁業再生事業の実施に関するもので、これについて指摘したところ、改善の処置がとられたものであります。最後に、令和4年度農林水産省の決算につきまして、検査いたしました結果の概要をご説明いたします。検査報告に契機いたしましたものは、不当事項18件、違憲を表示し、または処置を要求した事項3件、及び本位の指摘 に基づき、当局において改善の処置を講じた事項2件であります。まず、不当事項についてご説明いたします。検査報告番号205号は、会計経理が適正を図っていたもの、206号は契約額が割高となっていたもの、207号から222号までの16件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。次に、違憲を表示し、または処置を要求した事項についてご説明いたします。その1は、水田活用の直接支払い交付金事業の実施に関して改善の処置を要求するとともに違憲を表示したもの。その2は、森林環境保全整備事業で整備された防護柵に関して改善の処置を要求したもの。その3は、非常用発電設備が設置された農業水利施設のうち、ポンプ場設計基準等の改定前に設計された施設に関して改善の処置を要求したものであります。次に、本位の指摘に基づき、当局において改善の処置を講じた事項についてご説明いたします。その1は、畜産・落納収益威力強化総合対策基金等事業の実施に関するもの。その2は、収穫調査に係る人員喪失の積算に関するものであり、これら2件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。以上をもって説明を終わります。ただいまの会計検査員の指摘に基づき、講じた措置について説明を聴取いたします。
34:59
まず、訂正をさせていただきます。先ほどの発言の中で、令和3年度の歳出予算減額を1兆4,476億円余と発言いたしましたが、正しくは4兆4,476億円余でございます。お詫びして訂正をいたします。会計検査員から報告のあった令和2年度、令和3年度、および令和4年度決算検査報告に対しまして、農林水産省が講じた措置を御説明いたします。予算の執行に当たっては、常に効率的かつ厳正な処理に努力してまいりましたが、不当事項等として指摘を受けるような事態が生じたことは、誠に遺憾であります。指摘を受けた事項に当たっては、不当事項について指摘に基づき、直ちに是正や改善措置、補助金の返還、手直し工事を実施するとともに、それ以外の処置要求事項等についても、指摘に基づき、是正や再発防止のための改善措置を講じているところです。今後、このような事例の発生を未然に防止するため、指導監督の強化を図り、事務事業の厳正かつ効率的な実施に万全を期すとともに、予算の適切な執行をより一層徹底してまいる所存であります。この際、お諮りいたします。お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明はこれを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。異議なしと認めます。よってそのように決しました。以上をもちまして、農林水産省所管についての説明は終わりました。これより質疑に入ります。質疑の申出がありますので、順次これを許します。
36:59
どうもおはようございます。立憲民主党の大坂誠二でございます。今日はよろしくお願いします。まず今日は、子ども食堂についてお伺いをしたいと思います。1点目、子ども食堂の現在の数、これは政府はどのように把握しているか、参考人の方からお知らせください。
37:31
お答え申し上げます。全国の子ども食堂に対する各種立ち上げの支援などを行っております認定のPO法人、結び江さんの調査によりますと、子ども食堂は2018年時点において2286カ所でございましたところ、2023年時点では9132カ所となっております。過疎数は増加をしているというふうに承知をしております。
37:56
今、子ども食堂の数が9000を超えているという報告でありますけれども、子ども食堂は2012年に第1号ができたかというふうに承知をして おります。それから12年で9000を超える1万近い数になっていると。全国の中学校の数が1万ということを大体でありますので、それを思うと中学校区1つに1カ所というような感じになるかなと思っています。ご案内のとおり、子ども食堂、これは民間やボランティアの皆さんによって行われていると。政府の方では子ども食堂を継続するために、継続的な支援策を設けているわけでは必ずしもないわけであります。しかしこれほど子ども食堂の数が増えているということは、そのニーズ、必要性、それが高いんだろうということの裏返しかなというふうに思っております。そこで子ども食堂の必要性に対する認識、これは政務官の方でしょうか。ご認識を少しご比例いただきたいと思います。
39:02
お答え申し上げます。子ども食堂でございますが、委員御指摘のとおり、地域のボランティアの方などが子どもたちに対して、無料または安価で栄養のある食事、あるいは温かな暖覧を提供する場と、提供する取組といたしまして、さまざまな目的、あるいはさまざまな運営方法で行われているというところでございまして、利用者につきましても、必ずしも低所得世帯の子どもに限らず、誰でも参加できる場所が多いと承知をいたしております。こうした子ども食堂は、子どもたちに対する食の支援はもちろんのことでございますけれども、子どもの安全安心な居場所としても、また虐待等々、さらなる支援を必要とする子どもの早期発見、早期対応の端緒となるなど、重要かつ多面的な役割があると、こういうふうに認識をいたしておりまして、その取組を支援していくことを通じて、子どもたちの健やかな成長を促進してまいりたいと考えております。
40:14
政務官、ぜひ子ども食堂の重要性、これをしっかり認識をした上で、政府としてもこれからも十分な対策を講じていただきたいというふうに思います。そこで、また政府参考人にお伺いしますけれども、一昨年度、政府から全国の子ども食堂に対して、国費でどの程度の支援を行ったのか、これが一点。また今年はどのような支援メニューがあって、どの程度の予算を計上しているのか、この2点をお知らせください。
40:51
お答え申し上げます。子ども食堂に対する支援の実績ということで、御指摘のあるように、令和4年度でございますけれども、例えば地域子どもの未来応援交付金という補助金がございましたけれども、こちらの中では各地方自治体に対しまして、合計6億円強の支援を行ったところでございます。ただ、この補助金のメニューとして、子ども食堂のみではございませんので、子ども食堂をはじめとして、フードパントリーでございますとか、学習サポートの場、プレーパークでございますが、そういった地域の実情に応じた子どもたち、あるいは親御様も含めた形での居場所づくり、こうしたものへの 支援として活用いただいたところでございます。今年度でございますけれども、令和5年度補正予算で措置をいたしました2事業、具体的には地方自治体が実施したとなっていただきます地域子どもの生活支援事業について13億円、民間の中間法人から各地域での子ども食堂などの取組を支援していただく、人類や家庭などの子どもの食事など支援事業について25億円を繰り越して実施をし、子ども食堂への支援に充てることとしてございます。
42:04
一昨年度の決算の状況6億余りということですが、残念ながら子ども食堂団体での補助ではなくて、他のものも含めてというお話でありました。そこで、もしお手元に野村さんあればですね、この一昨年度の執行の状況というのはどの程度だったのか、これ今あの時点でわかりますかね。
42:36
お答え申し上げます。ちょっとメニュー事業でございますので、取組の具体の内訳までは持ち合わせておりませんが、地域子どもの未来応援交付金という予算額自体は20億ちょっとございまして、その中でこういった地域関係の取組への支援ということで支出済みとなっているのが、先ほどご紹介申し上げた6億強ということでございます。
42:58
予算額が20億で執行済みが6億だということなんですね。ということはあまり使われていないんですよ。ぜひ政務官にお願いしたいんですけれども、子ども食堂をやられている皆さんってやっぱり行政の状況に精通している人ばかりではないんですね。やっぱりボランティアの方も多いですし、ご地元のお父さんやお母さんたちが手弁当でやっているというようなものもあるわけです。そういう方々に補助のメニューをただ示しただけで、申請してくださいと言ってもこれは簡単なことではないんですね。そこで2つお願いしたいんですけれども、1つは政府の支援メニューがいくつかに分かれている。農水省にあったり、厚労省にあったり、子ども家庭省にあったりということもありますので、これメニューを一元化して分かりやすく提示をするというのが1つ。それから申請が非常に半差。役所の人から見ればこんなの大したことないよというものなのかもしれないんですけれども、やっぱり一般国民から見ると役所に何かを出すというだけでこれビビるんですね。だからそこは複雑な申請を少しでも簡素にして、申請しやすいような環境づくりをしていただきたいというふうに思いますけれども、この2点いかがでしょうか。
44:13
お答え申し上げます。大変重要な御指摘をいただいたというふうに認識をいたしておりまして、この子ども食堂が全国各地で大変増えてきているということもございますし、今おっしゃった、それぞれの現場に支援策の情報をきちんとわかるようにお伝えしていくということは大変重要な課題だというふうになってきていると認識しております。この点 について、すでに自治体やあるいは中間支援団体に対する説明会などを順次開催してきておりまして、実は今日も予定がございますけれども、引き続きこの自治体や中間支援団体と連携をしながら、さまざまな機会をとらえて情報提供を努めていきたいと思いますし、併せて先ほどおっしゃっていた2点あったと思います。一元的という話と、それから新生の反差な問題を解決せよと、こういった御指摘がございまして、こういうことも含めて、この支援策を効果的に実施していくためには、やはり現場のニーズといいますか、そういったところをしっかりと我々も組み上げていくということが大変重要だと考えておりまして、その点についても、自治体あるいは中間支援団体と連携しながら、しっかり対応させていただきたいと思っております。以上です。
45:31
政務官、ぜひよろしくお願いします。そこで坂本大臣にお伺いしますけれども、坂本大臣、奥様も子ども食堂に関わっているというふうに承知をしているんですけれど も、大臣としての子ども食堂に対する認識、そして農水省としてどんな支援を行っているかお話しいただけますか。
45:52
3年前私は、孤独効率対策担当大臣で子ども食堂を担当しておりました。そのときが6000箇所でございました。わずか2年の間に、令和5年度で9000を超える子ども食堂になった。それは、都市も地方も問わず、これだけ急増したということは、やはり私たちはしっかりそこを考えなければいけないというふうに思っております。いろんな形で、やはりボランティアが子どもを対象にできるというようなことが、一つ、私の女房なんかもやっている大きな要因であろうというふうに思いますけれども、その中で、さまざまな困難を抱える子どもたちが安心して過ごせる居場所であるということと同時に、居場所をなくした中高齢者の皆さんたちが、そこにコミュニケーションの場として参加をして、そして、共に食事をする。このような状況になっていることが、やはり大きく子ども食堂を増やしている原因ではないだろうかというふうに考えております。さらに、その中で子どもたちを中心に栄養のある食事を提供し、食品アクセスの確保も、法律上としても、図っていかなければいけないというふうに考えております。これまでも、食育推進の観点から、子ども食への政府備蓄前の無償交付を行ってまいりました。これ以外に、子ども食堂が地域の教職の場を提供する取組の支援、こういったもの、例えば、消費安全対策交付金等などによりまして、その支援をしていかなければいけないというふうに思っております。さらに、円滑な食品アクセスの確保を図る観点から、子ども食堂等への多様な食材、食料の提供に向けて、地域の関係者が連携する体制づくり、これを支援していかなければいけないと考えております。引き続き、子ども家庭庁とおよび子ども食堂を支援する関係省庁とも連携をしながら、地域の取組を後押ししてまいりたいというふうに思っております。
48:12
大臣、ありがとうございます。子ども家庭庁よりも、踏み込んでいろいろな答弁をいただいた ような感じがするわけでありますけれども、要するに、こういうことなんですねという言い方は変なんですが、本来やるべき子ども家庭庁よりも、農水省の方が実は踏み込んだ発言をしている。これはやはりちょっとおかしなことでありまして、もっと子ども家庭庁全面に出て頑張らなきゃいけないというふうに思っていますので、ぜひお願いでございますけれども、子ども食堂は単なる食事の場ではない。子どもも高齢者も含めて地域にとって非常に重要な場であるということでありますので、子ども家庭庁においては、子ども食堂というのはどういうものであるかということをよく検討した上で、政府としてどういう対応をすべきかということをしっかり考えていただきたいということをお願いさせていただきます。それでは、小額衛務官と野村さんは、これで子ども食堂の質問を終わりますので、委員長、退席いただいて構いませんのでよろしくお願いします。はい、もうご退席くださって結構です。どうもありがとうございました。それでは、今後は農水省にお伺いします。農業の問題です。ここ20年余りの農業従事者、それから農業従事者の平均年齢、農地面積の推移、これをお知らせください。
49:40
お答え申し上げます。ここの20年ということでございますので、2000年以降ということでデータを取らせていただきました。まず、農業従事者でございますが、基幹的農業従事者と申しまして、普段お仕事として主に自営の農業に従事されている方、こちらの人数で申し上げますと、2000年の240万人から2020年には136万人、そして直近の2023年では116万人となってございます。そしてその基幹的農業従事者の方々の平均年齢でございますが、2000年の62.2歳から2023年には68.7歳となってございます。また、耕地面積でございますが、2000年の483万ヘクタールから直近の2023年では430万ヘクタールとなってございます。
50:36
農業従事者が大幅に減っていると、しかも 平均年齢が約9歳ということであります。それから農地面積も減っていると、相当深刻な状況なんですが、この農業従事者、さらに農地面積が減っている理由を、政府はどう見ているでしょうか。政府参考にお願いします。
51:08
お答え申し上げます。まず農業従事者数の関係でございますけれども、先ほど統計部長の方から答弁ありましたが、個人形態の農業者であります、基幹的農業従事者につきましては、農林業政策の数字を見ると、現行の食糧農業農村基本法の制定時、平成11年ということになりますけれども、その時から約20年間で104万人減少したということでございますけれども、このうちの77万人を稲作関連が占めているという状況でございます。稲作は機械化等の進展を背景に少ない労働時間で生産できる体系が確立していることなどから、高齢でも比較的従事しやすいという特徴がございます けれども、こういった形でですね、高齢でありながらこれまで従事されてきた方々がいよいよリタイアする局面に入っていると、こういったことが背景にあるというふうに考えております。加えて企業の定年延長による早期退職世代や定年機能世代の収納減少、若年世代における少子化や食糧選択肢の多様化等による新規収納者の減少なども、農業者の減少の要因と考えとおり、次第の農業人材を育成しなければ農業の持続性が危ぶまるとの危機感を持っております。次に農地面積の関係でございますけれども、農地面積が減少している主な要因は、宅地や工場等の建設ともなる農地転用や高齢化や労働力不足などによる荒廃農地の発生によるものと考えております。
52:55
これもなかなか深刻な状況なんですけれども、農業従事者、農地面積に対して農水産、将来はこれはどのように推移すると見ているのか、その状況をお知らせください。
53:11
お答え申し上げます。まず農業従事者数の関係でございますけれども、我が国、農業の現状の構造ということで申しますと、個人経営と法人経営の2つがございます。個人経営の農業従事者につきましては、この20年間でおおむね半減をし、直近の、センサス以外の調査の数字ということになりますけれども、一番新しい数字で申しますと、現在約116万人ということになります。その一方で、法人経営の農業従事者については、この20年間で増加をしております。現在約24万人となっております。こうした中、個人経営の農業従事者につきましては、現在の年齢構成から見て、今後20年間で約30万人にまで減少する恐れがあるというふうに考えておるところでございます。また、農地面積につきましては、現行の食料農業農村基本法におきまして、食料自給率目標の前提となる生産努力目標が実現可能となる面積といたしまして、令和12年時点で414万ヘクタールと 見通しているところでございます。
54:32
今、数字をいろいろ言っていただきましたけれども、大臣もこれ、委員会で何度も何度も質問を受けててですね、耳にタコができるぐらい、しかも同じことを答弁書を見ないでも答弁できるぐらいですね、 答弁されていると承知をしているんですけれども、日本の農業の状況、極めて深刻です。これ、どんどんどんどん従事者が減っていっています。それから、自分の感覚でも、私も農村の生まれですから、生まれ育ちですので、子供の頃あった田畑がどんどんどんどんなくなっている。なくなっているのは何か他の土地に転用されたというものばかりではなくてですね、広範囲地が相当多くなっているんですね。一方で食料自給率38%だと。これ、相当深刻ですよ。これ、だから坂本大臣ですね、この農水省として日本の農業をどうしたいのか。どういうことを目標に政策を展開しているのか。そのことをわかりやすくですね、大臣の口ですこしお話しいただけますか。
55:36
まず、世界を取り巻く農業環境でありますけれども、気候変動が想定以上に進捗を進んでしまっております。それから、日本は人口減少かですけれども、アフリカをはじめとして、人口増加に伴う食料争奪、こういったものが起きております。さらには、知性的紛争リスク、こういったものが起きてまいりまして、非常に世界の情勢が変化をしているというのが国際情勢です。そして、国内に目を向ければ、やはり人口減少があります。総人口が2050年には1億人と今よりも2000万人減ります。そして、国内市場も減少をいたします。先ほど、事務方から言いましたように、120万人の農業従事者が30万人に減るということであります。委員と同じように、私も農村の出身でありますので、私の前後の同級生たちは、ほとんどがその当時は何の迷うこともなく、農家の長男は農業高校に行きました。その世代が今60歳、70歳代であります。ですから、この層は250万人から200万人生まれていた時代であります。その層が、ごっそりとこれから20年後には抜けるということになりますので、120万人が30万人になるということになっていくわけです。そこで、どういう農業を展開しなければいけないかと言いますと、やはり4分の1になりますので、今まで4人でやっていたことを、やはり1人でやれるような、そういうスマート農業というものを進めていかなければならないというふうに思います。同時に、やはり付加価値の高い農業の生産を実現する。そして、何よりも所得をしっかりと確保する。そのための経営感覚というものを 磨いていくということが大事だというふうに思っております。加えて、やはり海外へ向けた輸出も大事であります。日本を食料の輸出の拠点にするということも重要なことであるというふうに思いますので、日本の農業がアジアの中心となりよう、諸外国への食料供給を担ってまいりたい。そのためには、安心・安全で非常にレベルの高い食品・食料というものを作り上げていく。このことが大事であるというふうに思います。そして、農村の関係人口、こういったものも、これは他の省庁とも連携をしながら、減少に歯止めをかけて、様々な形で農村の活力をつくっていかなければいけないというふうに思っております。所得を確保すること、やりがい、そして希望、目標、こういったものが持てる農業を展開すること、そしてそれに賛同する農業経営者、あるいは農業経営体、法人も含めて農業経営体というのが、やはり参画をしてくること。このことが、これからの日本の食料と農業と農村を維持・拡大させていくことにつながっていくというふうに考えております。
59:02
大臣、もう少し確認させてもらいたいんですけれども、今の答弁からすれば、農地面積は基本的には今の400万程度を将来も確保したい。それから農業従事者はどんどん減っていくから、少ない人数でもこの400万ヘクタールを耕して耕作できる、そういう体制をつくりたい。こういう基本的な考え方でよろしいでしょうか。
59:30
基本的にはそのとおりであります。しかし、それを保管する農業形態、あるいは人材、これもやはりしっかりつくっていかなければいけない、参画していただかなければいけないというふうに思っております。そのためには、やはり多様な農業形態、反農反Xと言われるように、退職をしてでも、あるいは他で働いていても農業に参画する。そのことによって農地も守る、あるいは農村のコミュニティも守っていく。食料生産にも寄与する。そういった多様な経営体、そして個人経営体、さらには法人経営体、こういったものの組み合わせで、これからの日本農業を構成していかなければいけないというふうに考えております。
1:00:19
改めてそれじゃ確認ですけれども、私が少ない人数で今程度の農地面積を何とか維持していきたい、それはそのとおりだと言ったので、その方向はそうなんだろうということで確認をさせていただきましたが、多様な経営体、それは具体的に言うと、規模が大きい小さい、規模の面ではどういうふうに考えていますか。規模の小さなところも規模の大きなところも、それは農水省としてはこれから農業の担い手として重要だと考えているのかどうか、これが1点。それから経営形態、法人と個人というものがありますけれども、法人と個人以外にも農業経営の形態、これを認めていきたいということなのかどうなのか、この2点をお伺いします。
1:01:12
規模の大小に関わりません。多様な経営体というのは、やはり小規模であってもそこに農業に参画をする、あるいは農村のコミュニティに参画をする、地域づくりの一端を担っていただく。こういったことで、小規模農家におきましても、そういう多様な経営体、あるいは反農Xの方々も農業に関わっていただく。こういったことを位置づけてまいりたいというふうに思っております。それから、法人経営体としては、これは農地の面積にしても、それから農業の総産出額にいたしましても、法人経営体の農業産出額、あるいは農地の所有、こういったものが増えております。ですから、法人につきましては、今後やはり大きく伸びるところは伸ばしていただく。規模拡大するところは規模拡大していただく。そして、しっかりと雇用もしていただく。そういうことを進めてまいりたいというふうに思っております。先ほど言いました120万人の中には、法人経営体に雇用されている方々は含まれておりません。ですから、こういったものもしっかりと確保してまいりたいというふうに思っております。
1:02:36
ぜひ、日本の食料を守り農業を守るために力を尽くしてもらいたいと思うんですが、大臣、農水省は食料を確保するという大きな役割を担っているわけですが、日本はかつて世界で一番の食料輸入国でありました。現在は中国が世界で一番の食料輸入国です。それからアメリカも食料を輸入する国に変わってきました。日本の食料の輸入量は世界のトップではなくなったわけであります。そういう中で円が安くなって、食料を買うことにおいて日本が買い負けをするのではないか。こういう懸念が指摘されております。これが一つ。これについて大臣どう思うかという、御自身の感想でも構いません。それからもう一つ。日本の農業は99.4%、0.6%程度が有機農業で、それ以外は化学肥料を使う農業です。化学肥料がなければ日本の農業はやっていけないというのが現実だと思います。肥料の3要素。窒素、磷酸、カリ。このほぼ全てが輸入に頼っている。窒素の1割程度だけが自国で何とかなるというわけであります。したがって化学肥料の輸出を止められたら日本の農業は立ち行かなくなる可能性が高い。このことについて、これも大臣の感想で構いません。どうお考えになっているか。役所が作った答弁書というよりも、大臣も農村生まれ農村育ちの立場として、今の日本の農業、このような状況をどう見るか。このことに ついて御自身のお考えをお知らせいただければと思います。
1:04:13
おっしゃる通り、食料を輸入できない、買えるときに買えない、こういう状況になっているのは事実であるというふうに思います。現実的に中国が南米やあるいは北米からの航路をすべて抑える、そのことによってやはり流通を絶たれるというようなことも考えられます。そういったことで、塩や酢も含めて非常に厳しい状況である。それだけに、やはり自分たちで作れるものは自分たちで作る。小麦も大豆も非常に輸入に依存しているものに対しては、国内でやはり生産するということを努めていかなければいけないというふうに思っております。それから有機の関係は、これからやはり世界の潮流です。EUも、これはファームトゥーフォークということで、食卓へということで有機を進めております。それからアメリカの方もイノベーションアジェンダというのを掲げまして、有機、自然、地球に優しい農業を進めております。私たちはそれを食糧システム 戦略、緑の食糧システム戦略の中で、日本としても実現していかなければいけないというふうに思います。もちろん肥料につきましても、下水道資源を活用した肥料、あるいは堆肥、こういったものに着目しながら、堆肥のペレット加糖も含めて、国内で窒素リン酸仮に変わる有機肥料をしっかり生産していく。そのことが大切であるというふうに思っております。
1:05:49
大臣、ぜひよろしくお願いしたいと思います。そこで大臣最後ですけれども、私、これまで農業というのは、農水省や薬所と農家だけで何とかしよう、何とかしよう、JAなどの農業関係者も含めて、関係者だけでやっていたような気がするんですね。これをもっと市民全体を巻き込むというか、国民全体を巻き込むというようなことにしないと、農業についての決意みたいなものがなかなか生まれないと思うんですよ。それで例えば、それぞれの自治体に目標を設定してもらって、例えば、地産地消率の競争をするとか、あるいはそれぞれの自治体に持久率、これを競ってもらうようなことをやるとか、こういう何か具体的な目標をつくって、もちろんそれは全ての自治体にやれと言ってもやらないかもしれませんので、
1:06:35
希望する自治体に手上げ方式で、地産地消率の競争とか、持久率の競争とか、こういうことをやられてみたらいかがでしょうかね。これは一つのアイデアです。どうですか大臣。
1:06:49
全体で考えていきましょうということにつきましては、今度の食料農業農村基本法の中で、生産、加工、流通、そして交流、そして消費者、この5団体でしっかり考えていきましょうということで、今、話し合いもやっていただいております。市民も取り込んで、消費者も取り込んで、流通も取り込んで、取り込んだ上での農業というのをシステムとして考えていくというのが、これからのコンセプトになるというふうに思っております。今言われました自治体による持久率の競争、発想としては面白いというふうに思いますが、現実的に北海100%近くになる北海道と、それから東京がどれだけ競争できるかというようなことはありますけれども、様々 な検討をこれから加えてまいりたいというふうに思っております。はい、終わります。ありがとうございます。これにて大坂誠二君の質疑は終了いたしました。
1:08:05
立憲民主党の神津健です。坂本大臣、本日もどうぞよろしくお願いいたします。前回、食糧農業農村基本法が提出される前に、私、予算委員会の分科会で質問させていただいたので、少し食糧農業農村基本法についてもちょっと伺いたいと。既に衆議院通過していますが、話を伺いたいというふうに思っております。今、食糧農業農村基本法なんですが、地元で今回の改正を受けて、どういった意見を持っていらっしゃるか伺うと、実はあまり好ましいと思っていらっしゃる方がいなくて、結局期待していたけど何も変わらないのではないかというような、それから後継者もふえないとか、農業の将来像が見えないといった声が非常に私は多く 聞かれるんですね。私自身も正直に申し上げて、今回の条文を読んでいて、変わるところというのは輸入が強化されるところと、それから法人が推進されていくというところが大きく変わるところで、それ以外あまり変わらないのかなという印象を受けてしまっているんですが、今回の食糧農業農村基本法の改正で何が大きく変わるのか、具体的に教えてください。
1:09:26
先ほど私の方からもお答えしましたように、国の内外の農業に関する食糧に関する環境というのが非常に大きく変化をしております。気候変動、それから紛争のリスク、あるいは食糧の争奪戦、世界ではこういうものがあっておりますし、国内では非常に農業人口が少なくなっている、耕地面積もなかなか厳しい状況になっているということであります。そういう中で、今回の食糧農業農村基本法、まず一つは輸入リスクの増大に対して、食糧の安定供給を確保するための食糧安全保障という考え方を明確にするということであります。そして二つ目は、現行基本法では送料としての食糧というものを大きく取り扱っておりますけれども、送料からやはり一人一人に食糧を届けるという食品アクセス、この問題を非常に重視をし、その中にも、法の中にも位置づけているということであります。そして三番目は、生産者だけではなくて、生産、加工、流通、そして小売、消費者、こういったものをすべて食糧システムとして捉えて、それぞれの分野で協力をしながら連携をし、そして価格も合理的な価格を決めていくということであります。四番目は、やはり気候変動がこれだけ進んでおりますので、環境と調和の取れた産業へ農業を転換させていくということであります。そのために、地球温暖化、あるいは生物多様性への対応を求められているというふうに思いますので、我が国も先頭に立って、世界の中でこの環境調和、地球に優しい農業というものを進めていかなければいけないというふうに思います。五番目は、人口減少化における農業生産を維持や発展しながら、一方の方でやはり農村のコミュニティ、地域コミュニティ、これをしっかりと維持していくということであります。そしてやはり最後は、農業人口の減少に伴いまして、スマート化、効率化、そして生産性の向上、こういったものを進めていく必要があるというふうに思っております。世界が大きくAIも含めて、デジタル化も含めて変わっていく中で、この農業もまさに転換点に立っているというふうに思っております。世界の中でしっかりと食糧を自ら確保していく、そのためのやはり効率性、そして地球に優しい農業、そして全ての国民でやはりシステムとして農業を考えていく、こういうことを今回の食糧農業農村基本法というものは目指しているということであります。川津君。ありがとうございました。ご説明、理解するところでは、国民にとって、それから国にとって、ある程度食糧農業農村基本法、成立するのかなと思うんですが、今回の改正について。ただ、農業者にとって重要なところというのは、私たち、私が思うところはやはり価格転換、再生産可能な価格での販売できる環境と、それからもう一つは、農業者の収入が安定するというところが非常に重要なところだと思っています。今、御答弁の中でその部分をちょっと欠けていたので、もしその点について強化されるところがあるのであれば、教えていただけますでしょうか。
1:13:14
価格転換、合理的な価格というのは本当に必要であるというふうに思っております。それで、昨年の8月から、生産者、加工業者、そして流通、さらには小売消費者、こういった代表者の方々に集まっていただきまして、農業の食料費の価格がどうあるべきかということを、これまで論議をしていただいております。4回の論議をしました。そして、消費者の方々もやはり生産者の立場、コスト、こういったものをしっかりと考える。そういったところまでは、大まかな合意ができるところまでは、今期待をきたところでございますので、今後は法制化も視野に、今後の食料費の価格というものに対して、やはりアプローチをしていかなければいけないというふうに思っております。そういう中で、やはりどこかの分野にしわ寄せがあるということだけではいけませんので、やはりしわ寄せがない形で合理的な価格を適正な手法によって決めていく。そのことによって、農業者の方々の所得を一定程度というか、これまで以上に確保する、そういったことをこれから目指していきたい。今後の食料の農業農村基本法は目指していきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
1:14:37
ありがとうございます。今日の日本農業新聞の一面の中では、価格転換の仕組みづくりというのを体系的に進めていくと、これは岸田総理が発言されたというところが記載していまして、この辺について、今おそらくそこについて法制化をしていくというところを言及されたと私も理解しているのですが、これとそれに合わせて岸田総理がおっしゃられたのが、年度内に新たな基本計画、この食料農業農村基本法が成立した後に年度内に新たな基本計画を立てていくというふうにおっしゃられているのですが、これどっちが先になるのか、私の理解の中では、この価格転換の仕組みづくり、この法制化がなされた上で基本計画というものが作られた方が、そこは生じないというふうに思っているのですが、いかがでしょうか。
1:15:38
おっしゃるとおりでございます。まず食料農業農村基本法の法を成立させていただく、その上に立って基本計画というのを、全体的な基本計画というのを作ってまいります。これは時給率も含めて、さまざまな形で具体的な ものを作っていって、それを予算獲得のための一つのバックボーンにしたいというふうに思っております。それと並行して、価格転換に関する法制化、これはなかなか難しいところもありますので、これはこれとして法制化に向けて、どういうやはりプログラムで作成をしていくか、これから十分に新たにまた、それぞれの分野の方々、生産者、加工、流通、小売、消費者の方々の意見を聞きながら、法制化を視野に検討をしてまいりたいというふうに思っております。
1:16:39
ありがとうございます。法制化については、特に私、今回の食料農業農村基本法、大まかな方針については、与野党とも多分一致していたと思うんですね。何をしていくかというところ。残念ながら、一部の再生産可能な価格で販売されるというところを拡約するとか、それから農業者の収入が安定するというところを、もう少し強めに変えていただくところが不足していたのかなと思っていて、そのために結局私たちは反対をせざるを得なかったのかなというふうに思っています。今回のこの価格転換の仕組みづくりに ついては、おそらくどこの党も多分一致しているところだと思うんですよね。だからぜひとも、この法律をつくる段階から、私たち野党の方についても一緒に含めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。自民党の、すみません、立場としてぜひお受けいただけばと思います。
1:17:39
まずはあらゆる方面の方々の意見を聞かなければいけないというふうに思っております。そして、理解を得ていただくこと、これが大事だというふうに思います。消費者の皆さん方は、理念はわかると。そして、生産者の皆さん方のコストもわかると。しかし実際に消費行動になると、やはり安いものに走ってしまう。そういうようなこともありますので、それぞれの理解をまず深めること。先ほど言いましたように、大まかな理解は今いただいているところでございますので、これをさらに進化させていくこと。これが大事であるというふうに思います。そしてその中で、例えばコストの見える化とかですね。こういったものを考えながら、それを表示しながら、消費者の皆さん方に十分そのことを理解していただくというような努力も必要であるというふうに思っております。はい、以上。
1:18:34
はい、立場上お答えにくいかもしれないんですが、ぜひ野党も含めてこの法律、法制化を進めるのであれば、ぜひ私たちも含めて、法制化に向けた案文の作成とかですね、内容についてはぜひ一緒に議論させていただきたいと思っております。次の質問に移りたいと思います。次の質問なんですが、今食料実給率45%以上を掲げて、20年以上今経過しているというところがあります。これですね、1年たりとも実は達成しないというところで、食料実給率のですね、この目標をどのように達成して、さらに実給率を上げていこうというふうに考えているのか、伺いますでしょうか。
1:19:22
現行の基本法以降の食料の実給率は38%前後で推移をしております。45%に届いておりません。その変動要因を見ますと、やはり、自給可能な食料でございます米、野菜、それから魚介類、この消費が減少していること、そして輸入依存度の高い飼料を多く使用いたします畜産物の消費量が増加をしていること。このマイナス要因と、あるいはプラス要因でが相まって、実給率の低下ということを招いております。こうした食料消費の傾向がしばらくは継続するということが想定をされます。食料実給率が確実に上がると言い切ることは、私は困難であると思いますけれども、いずれにいたしましても、食料安全保障の確保の観点からは、輸入依存度の高い麦や大豆、加工原料用の野菜、こういったものの国産転換を図るということが重要であるというふうに考えております。今後とも、食料農業農村基本法の改正法案について、国会で御審議いただきまして、最終的に成立をさせていただきましたならば、先ほど委員の方から言われました基本計画を策定いたしますので、この基本計画の策定の中で、食料実給率のほか、他の食料の安全保障の確保に関する事項について、適切な目標の設定をしてまいりたいというふうに思っております。
1:21:16
私の印象としてなんですが、これまでと同じ政策をやっていては実現できないというふうに思っております。もう一つ問題なのは、食料実給率をずっと達成していないけれども、誰も責任をとっていないというところにもあるかと思います。これは私は大臣にやめろとかそういうことを言っているのではなくて、構造的に誰かが責任をとってやっていくような達成に向けて、実現に向けてやっていくべきだというふうに思っております。これを意見として、要望としてお願いしたいと思います。次の質問に行きたいと思うんですが、私、水田の畑地化支援について伺います。これは地元のことではあるんですが、令和5年11月に県の要望として、令和6年度予算に対する要望として上がってきたものなんですが、令和4年度に措置された畑地化支援事業の一時採択については、8割が保留となって、採択率の低さから畑地化に向けて合意形成を進めてきた地域で、先行きの不安が広がっておりました。二次採択の保留者についても、国の予算額を上回る申請が上がっているということがありました。国の通知によると、採択されても、これは畑地化が確約されたものではないということ、それから事務手続きスケジュールが年度途中で示されるなど、地域協議会では事務手続きにも混乱が生じていたということがありました。この畑地化支援事業なんですが、何年までに、ちょっと見通しを持つために、何年までに、何年までこれ継続される予定なのか、それから申し込みがあった畑地については、原則採択して、現在の畑地化支援価格を維持して進めるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
1:23:22
畑地化につきましては、水田機能を維持するのか、畑地化にするのか、その地域地域によってそれぞれの状況が違いますので、選択にお任せして、選択をしていただくということにしております。畑地化そのものにつきましては、委員御承知のように、まずは畑地化していただきましたら、10割当たり14万円の公金を出す。その後、一定期間、これは5年間でございますけれども、2万円ずつ、それぞれ交付をする。それ以外 にも、排水対策や、あるいは基盤整備への支援を一体的に行うというふうにしております。それ以降の畑地化への支援につきましては、現在、畑作をやられている方々との公平感、こういったものを考えていかなければいけませんので、私たちとしては、この5年間の中で畑地化を選択されたところは、畑地化への取組をしていただきたいというふうに考えているところです。
1:24:35
5年間というのは、令和何年度まででしょうか。あ、事務方の方からお願いします。
1:24:47
お答えいたします。5年間と申しますのは、令和5年から、4年度補正で、令和5年産からスタートしているわけではありますので、令和9年産というふうに思っておりまして、令和9年度までは、このように畑地化か、あるいは水活を利用しながらブロックローテーションをするかということを、各地域の中で判断していただきまして、それに対して支援を行いたいというふうに考えております。
1:25:14
明確な答弁ありがとうございました。次に、技能実習の制度について伺いたいと思います。私の地元でも、多くの農家の方々、特にレタス農家の方々、技能実習の方々を雇っていらっしゃいます。今、農業生産現場においては、外国人材が不可欠な存在となっていると、農業分野において、安定的に外国人労働力が確保されるように、農水省としてどのような取組を行っているのか教えてください。
1:25:55
お答え申し上げます。御指摘がありましたように、農村部の人口減少等が進行する中で 、外国人材を含め農業現場における労働力確保が重要である、大変重要な課題になっていると受け止めております。現在、我が国が外国人材から魅力ある働き先として選ばれる国となりますよう、3年間で特定技能1号水準の人材を育成する育成就労制度を創設するための法案が審議中となっております。法案が成立し、新制度が創設された場合には、特定技能制度と相まって農業現場において中長期的にご活躍いただける外国人材の確保育成につながるものと期待をしております。農林水産省といたしましては、外国人材の適正かつ円滑な受け入れと働きやすい環境整備に向けて、外国人材の技能を評価するための技能試験の実施、それから相談窓口の設置や有料事例の収集周知、さらには海外における現地説明会、相談会の実施などの取り組みを支援しておりますけれども、新たな制度のもとでも農業が外国人から選ばれる産業となるよう取り組んでまいりたいと考えております。小和津君。新しい育成就労の制度なんですが、1年から2年で、別の場所で仕事をすることができるようになるということを伺っております。これは実は私、職業選択の自由の中で移動できるというのはいいことだと思うんですが、農家にとってはせっかくやっと連れてきた人材がまた別のところに行ってしまう。例えば1年目で、私たちはよく3年ぐらいで1人前になりますけれども、1年目で何となく言われて仕事をしている中で覚えていく。2年目で昨年の仕事を思い出しながら、自分から少しずつ動けるようになって、3年目でようやく1人前になるというようなところがあると思っています。私の意見においては、本当に自由に転職できるというところが、農業の人材育成にとっていいのかなと。農業を学びに来る方にとっても本当にいいことなのかというところを疑問を持っております。農水省として、この期間についてはこれから設定していくというふうに聞いているんですね。各分野でどのくらいの期間をおいて転職できるようにするか。農水省としては、この辺りについてどのような意見を持っていらっしゃるのか教えていただけますでしょうか。
1:28:55
お答え申し上げます。ご指摘ございましたように、現在法案審議中の規制就労制度におきましては、一定の要件を満たす場合には、同一業務区分内 でご本人の意向による転職が可能とされております。その要件の1つでありますが、同一受入期間における在籍期間につきまして、農業関係団体の方からは、計画的な人材規制の観点、あるいは地方等における人材確保、こういったことにはやはり留意をしなければいけないという声がある一方で、外国人の人権保護労働者としての権利性向上を通じて、農業分野が外国人材から選ばれる産業となること、これも必要であるということで、こういったことを双方を念頭に置きながら検討していく必要があるという考え方を聞いておるところでございます。農林水産省といたしましては、今後農業関係団体など農業現場の意見をよくお聞きしながら、法案が成立した暁には今御指摘があったように、それからまた具体的なことはいろいろ決めていくということになりますけれども、そういったところにつきましては、関係省庁と連携をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
1:30:19
農業分野においても、どれくらいの期間を得ないと、一人前の仕事を覚えることができないというところを根拠に、ぜひとも長めに設定してもらうようなことをご検討いただければというふうに思います。次の物流の2024年問題について伺います。今回4月1日からトラックドライバーの方々、残業時間が960時間に制限されることによって始まったこの物流の2024年問題ですけれども、今回国交省の方では標準的運賃の8%の値上げをされました。これ、中身を見ると、荷待ちの時間とか、それから荷積み、荷卸しの時間を、有料化をさらに強化していくというところからですね、それから燃料費のところとか、各アイテムをそれぞれ少し値上げを反映させていくことによって、この標準的運賃を上げているんですが、ただですね、実は私が地元の方から伺っている話だと、8%の値上げどころではなくて、農家さんには物流事業者の方から15%ぐらいから20%ぐらいの値上げを要望しているという話を伺っております。私、実は昨日は川上村でレタスの高原野菜を販売しているところがあるんですが、そこの農家さんからもですね、実は話を伺っていて、レタス、1農家あたりだいたい3万箱ぐらい、4万箱ぐらい生産されるんですが、だいたいですね、年間で90万円ぐらいの1農家あたりの 物流コスト増減になってくるというふうに伺っております。これ実は、1農家あたりの所得を考えると非常に大きな金額ですし、それから、これから高速道路の料金改定が行われてまいります。高速道路の料金については、夜中の12時から4時まで走った分について、1分でもそこにかかっていれば、これまで割引は受けられたんですね。例えば14時からずっと休みながら運転して、12時1分で高速道路を降りたと、そしても3割引効いていたんですね。これが、夜中今走った分だけになってしまうという料金改定がこれから行われて、10時から5時まで走った分だけ、その分だけ料金安くなるというところで、実は、これ往復で1回あたりだいたい2万円分ぐらい、多分長距離で運ぶ場合には値上げになってしまうと、そうすると、おそらく1農家さんあたり、これも数十万円分ぐらいの値上げになってしまうというところで、農家の皆さん、本当にこれから価格転換をどうしたらいいのかというような状況があると思っております。この物流2024問題の価格転換について、農水省としてどのようにサポートしていくのか伺いますでしょうか。
1:33:36
お答えいたします。今ご指摘ございました、物流の2024年問題でございますが、政府全体といたしましては、様々な招致が関係いたしますので、関係閣僚会議に設置いたしまして、昨年6月に物流革新に向けた政策パッケージというものを定めてございます。これに従いまして関係招致を取り組んでございますが、私ども農水省関係で申しますと、特に遠隔の産地から消費地に長距離輸送が不可避だということで、極力コストの負担を抑制しながら、物流をきちんと確保するということに意を配っているところでございます。このため、まずは産地におきまして、共同収縮化施設を整備いたすことによりまして、人を大きくする、それから出荷機械もできるだけ集約するというような取組を進めて、輸送コストを抑制するように努めているところでございます。また、御指摘のございましたとおり、ドライバーの荷役というものも非常に大きな支出になります。標準仕様のパ レットを使いまして、ドライバーの荷役を縮減いたしまして、荷役サービス支払い、これも抑制するというようなことを行っております。さらに政府全体で申しますと、所得増と成長の好循環を実現するということで、価格転嫁をサプライチェーン全体で定着させようと今取り組んでございますが、やはりこの物流コストの増加分につきましても、転嫁は不可避だというふうに考えてございます。現在、農水省では物在費の高騰を踏まえた費用を考慮した価格形成の仕組みづくりというのを協議をいたしてございますが、この物流費の負担も含めまして、関係者間でバランスの取れた食料システムとなるように実現に向けて丁寧に合意計算を図っているところでございます。
1:35:36
あまり具体的な支援に踏み込んだようなところの話はなかったと思います。今、物流コストの価格転嫁が非常に難しいと、もう一つ私、申し上げ忘れてしまったんですが、例えば長野県からレタスを運ぶ 場合、1日で行けるところが、これまで大阪までは実は行けるんですけれども、それより先は2日、3日かかってしまうことになるんですよ。そうするとドライバーも2人必要になってくるというところで、やはり非常に大きな価格が必要になってくると、じゃあもしかしたらそれをもう避けるために、じゃあ1日で行ける範囲にこの農産物を売っていこうということになってしまうと、そうすると、大阪までの地域までで結局過剰な品物が供給されてしまうということで、価格も下がってしまいかねないというような話も出ております。おそらくこの物流革新パッケージの話の中で、私いろいろ議事録を読んでいると、そこまで今の現状というものを想定できていかなかったかなというと、あまり想定できていなかったのではないかなというふうに思っています。この点についてはもう少し農水省の方で調査をしていただいて、どれだけ農家の皆さんに影響があるかというところを把握していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
1:37:12
お答え申し上げます。今御指摘のございました点に関しましては、私ども現在の予算措置で中継物流拠点の整備というものを進めてございます。御指摘のとおり、1日の走行距離がおおむね200キロから300キロぐらいの間に制限されるのではないかというようなことでございますので、これまで週や飛ばず運んでいたものをきちっと中継物流拠点でつないで、なおかつそこできちんと捕鱗をしながらつないでいくということの取組を進めているところでございます。また、生産者への影響につきましても、よく確認をしながら、今後、物流の対策を進めていきたいと考えているところでございます。
1:37:56
ありがとうございます。時間が来てしまったので、最後一言だけ申し上げさせていただきますが、この物流の価格転換については、ぜひともしっかりと進めていただきたいというところと、パレットについて先ほど申し上げられたんですが、これまで20年間かけてつくってきた このコールドチェーンなんですけれども、これが今、標準パレットを使っていないんですよね。標準パレットに移行するにあたっての支援というものをぜひ御検討いただきたいと思います。以上です。本日はありがとうございました。これにて、光州武志君の質疑は終了いたしました。
1:38:50
日本維新の会、教育の無償化を実現する会の林美と申します。本日は質問の機会を与えてくださり、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。まず、海業の活用についてお伺いいたします。近年、日本近海での漁業に歯止めがかからず、2022年の1年間の養殖を含む水産物の生産量は初めて400万トン割り込み、過去最低を更新しております。和歌山県でも同様ですが、特に森林と海に囲まれた自然 豊かな県であり、多くの漁港を抱えております。漁業はヘルシーで貴重なタンパク源である魚を供給する、なくてはならない産業ですが、とても大変な仕事です。担い手不足に悩まれており、廃業してしまえば漁村のにぎわいもなくなってしまうという懸念もございます。漁業を次世代につないでいくため、漁業者の皆様が漁業を続けられるようにしていかなければいけません。漁業を持続可能な産業にしていくための支援や取り組みには色々ありますが、いくつかの地元の取り組みを紹介したいと思います。和歌山市のカダや和歌浦漁港では、漁業の活性化としてダイビングができるようにして観光客を呼び込む取り組みを強化したり、和歌浦は万葉集でも読み上げられた風光明媚な和歌の聖地として親しまれております。また、カダはアニメの聖地として若者に人気の観光スポットとなっております。また、有田市の三ノ島漁港では、漁業直営のバーベキュー場がオープンしたり、和歌山県内では比較的アクセスも良く、より観光客を呼び込めば漁村の振興につながるのではないかと思っております。このように漁港を漁業の仕事場と捉えるのではなく、色々な関連の施設を併設することで漁場を活性化しようとすることは大変良いことだと思っております。漁業の拠点となる地域の漁港が元気になれば、漁師さんの収入アップにもつながりますし、若い人材の参入も期待できると思っております。漁港を巻き込んだ漁業の振興にも良い栄光が出てくると考えております。水産庁でも、こういった取組を漁業として推進し、昨年、漁業を一層推進するよう、関連法を改正したと承知しております。こうした漁業の推進状況、今後期待される展開についてお伺いいたします。
1:41:39
お答えいたします。ご指摘のとおり、漁港は、多海線の水産物、独自の風景や歴史など、大きなポテンシャルを有しており、これらの地域資源を生かした取組によりまして、漁業者の所得の向上や地域の雇用創出、漁村、漁港の新たな価値や魅力の発見提供が期待できるものというふうに考えております。このため、昨年の通常国会での漁港漁場整備法の改正におきまして、漁港において、販売施設や飲食店、釣りや漁業体験活動などの事業を取組やすくする漁港施設等活用事業の制度が創設されたところでございまして、この制度の活用に向けた取組も各地で見られ始めているところでございます。農林水産省といたしましても、海業に係る各種関係省庁施策をとりまとめました海業支援パッケージの周知でございますとか、このような支援制度についての理解・浸透のため、海業振興総合相談窓口の設置などを行ってきたところでございます。加えて今後は漁港施設等活用事業の積極的な活用を全国に促していくことで、海業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
1:42:56
はい、ありがとうございました。ご答弁にもありましたように、地域資源を活用した取組によって漁業者の所得の向上や漁村漁港の新たな価値や魅力の発見・提供が十分期待できると思っております。例えば和歌山の埼玉崎という港町には、ノスタルジックでイタリアのアマルヒの海岸のようだと独特の美しい景観が話題になっております。そこの近年、観光としても力を入れているところでございます。このように港は本当に色々な顔と特色があり、漁業というだけの機能ではとてももったいないと思っております。これまでの潜在性を引き出していただけるよう、引き続き支援策と周知と活用の促進をどうぞよろしくお願いいたします。次に、自然災害による農作物の被害について伺います。本年は残念ながら和歌山県では、公表による梅の被害が発生いたしました。県の発表によりますと、被害面積は約4,000ヘクタール、被害金額は約20億円にも及ぶとのことです。1年に1回しか収穫できない農家にとって、自然災害は大きな影響を及ぼします。農家の減収に対する補填や経営の継続に向けた支援が必要です。和歌山県でも国と一体になって公表に対する支援を講じているところと聞いております。一方、被害を受けた梅の中には、そのままでは売り物にならなくても、加工すれば問題なく売れるものも多くあると聞いています。せっかく高品質の和歌山の梅を少し木傷がついたからといって全部捨ててしまっては、食品ロスの観点からも、加工品としての利用や果樹の消費拡大のための新商品の開発支援等も合わせて行えば、今後につながっていくと思っております。このことについてどのようにお考えでしょうか。大臣にお伺いいたします。
1:45:04
本年3月、和歌山県において、氷が降った、いわゆる高氷によりまして、特産の梅である果実に大きな被害が出たということは承知をしております。そのことによりまして、和歌山県も単独で無利子の輸出制度、こういったものを行っているということを承知しております。我々農林水産省といたしましては、従来より梅を含めました農産物を対象に、自然災害などの農業者の経営努力では避けられない収入減少を保障するために、収入保険制度というのを設けております。そして、自然災害によって受ける損失を補填いたします農業共済についても、予算を措置しているところでございます。また、これまで同様の高氷の被害の発生時におきましては、被害果実を、委員おっしゃいますように、可能な限り利用して、それを収入に結びつけるというような努力が必要だというふうに思っております。被害果実の中から、生食や加工品に利用可能なものを分別・集荷をして、そしてそれを出荷する。その際に生じるかかり増し経費、こういったものに対しては支援をしてまいりました。さらに、被害果実やその加工品の販売を促進するために、リーフレットを作る、販売キャンペーンを開催する、そのキャンペーンリーフレット等につきましても支援をしてきたところでございます。農林水産省として、さらに和歌山県から要望を聞きながら、被害を受けた産地の皆様による推しながら、必要な対応策をこれからもしてまいりたいというふうに思っております。(安藤) 綾瀬君。 (綾瀬) ありがとうございました。今回の公表による梅の被害は、過去20年で2番目の被害額となっております。もともと今年は不作で収穫量が少ない状況の中の打撃となりました。梅の葉も出てきておらず、梅の葉花があらわになった状態での表だったので、被害がさらに大きくなることが予想されています。果実が大きくなるにつれて、傷も大きくなっていくので目立ちやすくなります。また、すべての農家さんが保険に加入しているわけではないと思いますので、でき得る対策と傷がついたものでもできるだけ収入につながるよう、消費者へのPRを強化するなど、対策も含め、今後収穫時期を迎えるにあたり、現場の意見をしっかりと聞いていただき、国としてもご対応いただきますよう、よろしくお願いいたします。次に、農産物について伺います。地元の和歌山県は、果実産出額全国3位で、生産額の約7割を果物が占めるフルーツ王国であり、地元でも多くの果樹農家さんがいます。また、和歌山県では、各地での果物の輸出にチャレンジされており、着実に成果を残されています。高品質な農産物を作る生産者のみならず、流通業者の方、輸出業者の方など、関係者の方々の努力の賜物だと思っております。今後も、和歌山のおいしい果物を多くの方に知っていただきたいと思いますし、国内の生産者の方にとっても、有名のある農業になってほしいと思っております。果実は、とても収益性が高く、成功すれば儲かる品目ですが、人手がかかることが課題です。私も桃農家の方のお手伝いをしてまいりましたが、雨が近づけば、実一つ一つに雨除けをつけると、とにかく大変だという声を聞いてまいりました。果実は一般的に機械化が進んでおらず、今も人手に頼るところがとても多いと聞いております。少しでも作業が楽になるよう、また担い手が減少する中でも生産が維持できるように、生産性向上に向けた対策が必要だと思いますが、どのような支援をしていらっしゃいますか。支援をしていられるか、お教えください。
1:49:26
お答えいたします。果実農業、生鮮停等に高度な技術を要するため、機械化が遅れております。手作業に頼らざるを得ないことがございまして、生産性の減少、高齢化と相まって栽培面積が減少 して、国内外の需要に国内の生産が対応しきれていない、そういう状況にございます。果実生産を維持・拡大させていくためには、担い手や労働力の育成確保とともに省力化した生産体系への転換のため、労働生産性を向上させることが重要と考えております。このため、農林水産省では、低い樹高で直線的に配置する省力樹形の導入を推進するとともに、今後の技術開発によりますスマート農機の導入も見据えた、傾斜が緩く木の間隔を広く配置した園地整備、または加工用に生産管理・収穫まで一貫した省力栽培技術の組み合わせにより生産性を飛躍的に向上させるパイロットモデルの構築、等に取り組んでいるところであり、果樹の生産性向上に推進していきたいと考えております。林くんありがとうございました。果樹は販売単価も高く、今後国内外の需要も期待できることから、それらに応えられるような生産体制の構築は急務であると思っております。パイロットモデルは非常に良い労働環境につながると思います。現在の果樹の栽培農家さんだけではなく、新規で参入する若い人にとっても非常に魅力のある仕事となると思いますので、引き続き丁寧な仕事と大胆な支援をどうぞよろしくお願いいたします。次に、果物の消費促進について質問いたします。果物をたくさん作るだけではなく、消費量を増やすことも非常に重 要だと考えております。果物は栄養もあり、食卓を彩るものです。果物は多くの人が好きな食べ物かと思いますが、果樹は比較的高価であり、毎日食べるのは難しいというのが現実かもしれません。また、共働き家庭では、皮を剥くだけでも手間も感じ、懸念してしまうということもあるかもしれません。私も実際、今スーパーでイチゴが並んでいますけれども、仕事帰りの忙しい時間帯に買い物をしておりますと、イチゴのヘタを取るのがすごく面倒に感じて、子供に食べさせたいなと思いながらも、値段もいいなと思いながらも、買わずに帰ってしまうということがよくあります。日本では、1人1日あたりの果物の消費量がオランダが1位で、日本は129位、先進国の中では最低水準というデータもあると承知しております。果物が消費されなくなってしまうと、生産者の方も困ってしまいます。消費面での対策も重要だと思っております。商品棚で見るのも珍しくなりましたが、実をそのまま売るのではなく、加工して売ったり、また消費者に対して果物に関する理解を深めるような仕掛けを行うなど、工夫して果物の消費拡大をしていくべきと考えておりますが、いかがでしょうか。お答えください。
1:52:43
お答えいたします。健康づくりの指標でございます「健康日本21」では、1人1日あたりの果物の摂取量の目標値でございます200gとなっております。それに対して現状100g経路でありまして、特に若い世代で摂取量が少ない傾向にございます。その理由としては、価格が高い、日持ちがしない、皮剥きなどの手間がかかることが挙げられております。このため、委員御指摘のとおり、消費者ニーズに沿ったカットフルーツですとか、冷凍果実をはじめとする新たな果実の加工品の取組に対して支援を行っております。また、若者をターゲットにしましたカフェとのコラボによります、フルーツを使ったメニューの開発などの取組の推進、また、SNSを活用し、果実に含まれる機能性、関与成分の健康への有益性など、果実の魅力に関するさまざまな情報発信等に取り組んでいるところでございます。引き続き、このような取組に通じ、果実の消費拡大を図ってまいりたいと考えております。
1:53:45
ありがとうございました。1日200グラム取らなきゃいけない という果実が100グラムしか取られていないということを、すごく残念に思います。私の実感といたしましては、果物の消費拡大のPRがなかなかできていないのではないかという思いがあります。例えば、ホームページを拝見しましたが、国産果物の消費拡大に関するポスターデザイン募集ということで、これは農水省の農産局園芸作物課発信となっておりました。本日締め切りということですが、もっと募集していますよということを、SNS等で誰もが目にするぐらいのPRをされてもいいのではないかと思いました。そして、募集要項を見る限り、作品が採用されても国のPRに使われるということだけのようです。とても名誉なことですけれども、果物1年分を検証にするとか、SNSでも話題になるくらいの大胆なことをする方がいいのかなと思いました。今日が締め切り日ということですので、今後の参考までにぜひよろしくお願いいたします。良い作品が選ばれることを期待して、次の質問に参ります。生産性の向上も非常に重要ですが、人材の確保ももちろん重要だと考えております。木の川では、新規収納プログラムとして「木の川アグリカレッジ」があります。座学と実習を組み合わせ、また、経験者と未経験者を分けたコースが準備されており、農業をやってみよ うという方にとってチャレンジしやすい環境にあると思っております。また、ホームページを拝見しますと、プログラムの内容だけではなく、医療、教育といった木の川市での生活が想像できるような内容になっており、移住、収納に関する情報がワンストップになっており、分かりやすくまとまっています。コロナ禍を経て、地方での暮らしが改めて注目されるようになりましたが、地方への移住がうまくいくためには、仕事が重要です。果樹は比較的少ない面積で始められるため、うまく引き継ぐことができれば、新規収納者にとってもチャンスになるかと思います。人手が必要な果樹農業にとって、人材確保は重要な課題ですが、見方を変えると、新規収納して成功すれば、大きな収益を出すこともできる、夢のあることだと思っております。経営が軌道に乗り、その地域に定着すれば、地域の活性化にもつながります。一方で、果樹はすぐ生産できるわけではなく、生産を軌道に乗せるためには、それなりの期間が必要です。また、栽培技術の習得のために、トレーニングも必要です。農業によって、地方に人材を呼び込み、地域の活性化につなげていくためには、農業の入り口の対策を充実させ、多くの人が農業をやってみたいと思ってもらうような対策が必要だと考えますが、大臣にお伺いいたします。
1:56:52
果樹につきましては、生産者が減少しています。また、高齢化も進んでおります。そして、後継者不足と相まって、栽培面積が減少しております。そういうことで、国内外の需要に国内生産が対応しきれないというような状況が続いております。果樹生産の維持拡大のため、そして担い手確保のためには、喫緊の対応策が必要だというふうに思います。しかし、今委員おっしゃいましたように、いくつかのハードルがあります。一つは、やはり園地の確保、そして実が実るまで未収益期間というのがありますので、これをどうするのかということ。それから剪定、あるいは枝を整える、そういった非常に高度な技術が必要でありますので、他の品目よりも技術的なハードルが高いというようなことがあります。そのために農林水産省の方といたしましては、果実の侵食や開植をしてから、実が実るまでの未収益期間における管理経費の支援、こういったものを行って おります。そして、市町村やJAや生産者と地域の関係者が連携をいたしまして、新規収納者が継承可能なような実がなる園、生園を確保してあげること。そして、当該園地等で技術指導による実地研修をするというようなこと。これは、木の川アグリカレッジなどもそれに入るんだろうというふうに思います。そして、地域の農業者のみならず、住民とのネットワークや住居紹介等への地域への定着支援、これは地方創生対策も含めて、一体的に行っていくこと。これが大事であろうというふうに思っております。引き続き、果樹の担い手育成確保が地域の活性化にもつながる。そういう思いで後押しをしてまいりたいというふうに思っております。
1:59:18
ありがとうございました。答弁にもございましたように、果樹は未収益期間があるということ、そして、他の作物に比べて高度な技術が必要ということで、生産することが大変難しく、その継承も課題が多いところがあると思いますが、できるだけ平準化したり、きめ細かい支援体制などが重要になってくると思います。新規就労者の方々が地域のコミュニティと連携して、果樹栽培への魅力がしっかり共有でき、将来的に希望を持てるような産業にできると思いますので、政府としてもしっかりとしたサポートをよろしくお願いいたします。先ほどは果樹栽培の担い手不足について質問いたしましたが、少し掘り下げて、農業の担い手不足、担い手確保対策について伺います。我が国の農業は長期にわたり、農業者の減少、高齢化等の課題に直面しております。普段の仕事として主に自営農業に従事している機関的農業従業者の数は、令和5年は116.4万人となり、この10年間を見ても3割以上減少しております。また、高齢化が進み、60歳以上が全体の約8割を占めております。つまり、20年後の機関的農業従業者の中心となる50歳以下の層が全体の2割しかいないという状況です。このため、今後10年から20年先を見据えると、さらに大幅に減少することが確実であり、少ない経営体で農業生産を支えていかなければならないという認識が政府の資料でも示されております。このような状況は、私の地元和歌山県でも同様であり、地元からは担い手対策を抜本的に見直さなければ、10年後には危機的状況になるという懸念の声が届けられています。ここまで述べてきましたが、農業の担い手不足の現状と今後の見通しにつきまして、改めて政府としてどのような御認識をお持ちでしょうか。大臣にお伺いいたします。
2:01:35
我が国の農業は、経営体数の96%を個人経営体が占めます。そして経営体数が3万を超え、農地面積の4分の1、販売金額の4割を担うまでになった法人経営というのがあります。この個人経営と法人経営の組み合わせで成り立っているところであります。食料農業農村基本法の制定時から20年を経過した中で、個人経営体の農業者であります、基幹的農業従事者が稲作農家の高齢化によりまして、リタイアをし、そ して116万円と半減をいたしました。一方の方で、法人経営体の役員や乗業は増加をいたしまして、基幹的農業従事者とは別に、今116万人の中にはカウントされておりませんけれども、24万人いらっしゃいます。こうした結果、個人経営体は減っておりますけれども、農業総産出額そのものは9兆円台を維持しているというようなことであります。一方で現在116万人いる個人経営体の基幹的農業従事者は、現在70歳以上の層が68万人、60%近くいらっしゃいます。年齢構成から見て、我が国全体が平成20年を平均に人口減少に入っていることを踏まえますと、委員もおっしゃいますように、20年で30万人までに減少していくということが十分考えられます。そのため、次を担う農業者の核をいかに測っていくか、これが一番重要な課題であるというふうに思っております。今回の食料農業農村共和法でも、さまざまな対応策を出しておりますけれども、いろいろな資金メニューで、施設や機械、こういったものに支援をしていきたい。それから農業法人の経営の基盤を強化していきたい。さらには、スマート農業をしっかり進め、そのための支援策もしてまいりたい。それともう一つは、やはりサービス事業体ということで、農薬を散布していただくとか、肥料を撒いていただくとか、刈り取りだけをするとか、こういう新たな産業体、サービス事業体の創出、こういったものも生み出すことによりまして、農業が持続可能なものになっていく、そういうことをやってまいりたいというふうに思っております。後継者育成のために、担い手育成のために、あらゆる対応策を農林水産省としてはやってまいりたいというふうに考えております。
2:04:35
ありがとうございました。答弁にございましたように、農業の現状は、約96%が個人経営、そして4%が法人で成り立っているということでした。法人経営では24万人を抱えており、売上げの40%になっているということで、最近のデータでは、法人経営、経営体等に雇用される形で、新たに収納するものの数は増加傾向にあると伺っております。新規収納の入 り口としては、大変入りやすく、リスクも少ないと思っております。一方、新規参入者の収納の理由は、自ら采配を触れる、や農業はやり方次第で儲かるという理由が約8割を占めております。つまり、入り口は法人経営体に所属して、継続的に技術やノウハウを取得していく中で、将来的には独立していくという、極めて合理的な方法で就業人数を増やしていけると思いますので、その部分がスムーズに進んでいくように、政府としても動向を注視しながら、適切な施策をお願いいたします。次に、担い手の定義を見直し、多様な農業人材への支援を行う必要性についてお伺いいたします。先日、今国会の重要公判の議案の一つである、食料農業農村基本法の一部を改正する法律案が、我が党中心となって提案した修正を得て、衆議院を通過いたしました。農業の憲法と言われる、食料農業農村基本法ですが、制定から四半世紀が経過し、世界的な食料需要の変動など、我が国の食料、農業、農村をめぐる情勢が、制定時の想定を超えて変化していることから、食料安全保障の確保等を図るために改正案が提出されたものです。一方、私の地元和歌山では、これから地域の農業生産を確保するため、国の支援対象となる担い手の定義を見直して、定年木農者やシルバー収農者等の幅広く多様な農業者も含めて、支援を拡充することが必要だと認識されています。ここで、一般に言う担い手とは、現行の基本法の規定では、望ましい農業構造の確立における、効率的かつ安定的な農業経営を営む者と同義であると考えられています。これに関連して、今回の基本法改正案では、多様な農業者が新たに位置付けられましたが、配慮事項という位置付けにとどまり、望ましい農業構造は効率的かつ安定的な農業経営であるという位置付けは変わっておりません。つまり、一般に言う担い手の定義も変わっていないと考えられます。今回、我が党は、修正を含めた基本法改正案に賛成いたしましたが、この多様な農業者の位置付け等につきましては、今後も引き続き検討を進めていく必要があると考えております。以上を踏まえて、基本法改正案で位置付けられた多様な農業者は、今後人口減少の中で不可欠ですので、地域の農業生産を支える環境を整えることが必要ではないでしょうか。そのためにも、定年期農者やシルバー収農者等の幅広く多様な農業者に対する具体的な支援が必要だと考えておりますが、政府の見解をお答えください。
2:08:04
お答え申し上げます。農林水産省では、経営規模の大小や家族経営化、法人経営化を問わず、農業で生計を立てる農業者である担い手と、農業以外で生計を立てる多様な農業者では、農業において果たしている役割は異なるものと考えております。農業を副業的に営む形態などの多様な農業者は、農業で生計を立てる担い手ではないものの、農地の保全管理や集落機能の維持など面で重要な役割を果たしていただいているものと認識をしております。このため、今般提出をいたしました「食料農業農村基本法」の一部を解説する法律案においては、担い手である効率的かつ安定的な農業経営の育成確保を引き続き図りつつ、担い手とともに地域の農業生産活動を行う多様な農業者を位置づけたところでございます。これを踏まえまして、担い手に対しては、補助金、金融措置、税制措置など各種施策によりまして重点的な支援を行うとともに、担い手以外の多様な農業者に対しましては、多面的機能支払い、中産化地域等、直接支払いによる地域の共同活動への支援など、それぞれの役割に応じた支援を行い、双方連携のもと一体となって、農業生産の基盤である農地の確保を図ってまいりたいと考えております。林くん。ありがとうございました。確かに農業で生計を立てているという概念で担い手とすることに合理性はあると思いますが、将来的に担い手になって もらうこと、その入り口の幅を広げていくことも大事だと思っております。特に近年、定年の年齢も引き上げられ、高齢者でも働く意欲や体力にも大きな個人差があります。定年期農者やシルバー収農者においても十分な期間農営できることもありますので、全体の仕組みをより細分化するなどの工夫で、効率的かつ安定的な農業構造が維持できると思います。次に、できると思います。どうぞ、その辺をよろしくお願いいたします。支援をよろしくお願いいたします。時間になりますので終了いたします。ありがとうございました。これにて、林由美君の質疑は終了いたしました。以上をもちまして、農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。
2:10:55
これより、経済産業省所管について審査を行います。まず、概要説明を聴取いたします。
2:11:06
令和2年度、令和3年度及び令和4年度における経済産業省の決算の概要をご説明申し上げます。まず、令和2年度における経済産業省の決算の概要をご説明いたします。一般会計の歳入につきましては、歳入予算額488億円余に対して、収納済み歳入額は766億円余であり、差引277億円余の増加となっております。歳出につきましては、歳出予算減額23兆8257億円余に対して、支出済み歳出額は17兆1137億円余であり、その差額6兆7120億円余のうち、翌年度への繰り越し額は6兆5286億円余、付与額は1834億円余となっております。次に、エネルギー対策特別会計につきましては、収納済み歳入額は11兆1554億円余、支出済み歳出額は10兆6180億円余であり、その差額5374億円余のうち、翌年度への繰り越し額は1613億円余。令和3年度予算に歳入計上した常用金は1866億円余、これらを除いた純常用金は1893億円余であります。このほか、特許特別会計及び東日本大震災復興特別会計がございますが、これら特別会計の決算の概要につきましては、お手元の資料に掲載したとおりであります。続きまして、令和3年度における経済産業省の決算の概要をご説明いたします。一般会計の歳入につきましては、歳入予算額6753億円余に対して、収納済み歳入額は6821億円余であり、差引68億円余の増加となっております。歳出につきましては、歳出予算減額134375億円余に対して、支出済み歳出額は76237億円余であり、その差額58137億円余のうち、翌年度への繰り越し額は3319億円余、付与額は2518億円余となっております。次に、エネルギー対策特別会計につきましては、収納済み歳入額は11兆6487億円余、支出済み歳出額は10兆9142億円余であり、その差額7345億円余のうち、翌年度への繰り越し額は2929億円余、令和4年度予算に歳入経路をした、常用金は1782億円余、これらを除いた純常用金は2633億円余であります。このほか、特許特別会計及び東日本大震災復興特別会計がございますが、これら特別会計の決算の概要につきましては、お手元の資料に掲載したとおりであります。続きまして、令和4年度における経済産業省の決算の概要を御説明いたします。一般会計の歳入につきましては、歳入予算額319億円余に対して収納済み歳入額は439億円余であり、差し引119億円余の増加となっております。歳出につきましては、歳出予算原額18兆3688億円余に対して、支出済み歳出額は11兆788億円余であり、その差額7兆2900億円余のうち、翌年度への繰り越し額は6兆747億円余、付与額は1兆2153億円余となっております。次に、エネルギ ー対策特別会計につきましては、収納済み歳入額は11兆8931億円余、支出済み歳出額は11兆211億円余であり、その差額8719億円余のうち、翌年度への繰り越し額は3457億円余、令和5年度予算に歳入計上した常用金は1970億円余、これらを除いた住民常用金は3291億円余であります。このほか、特許特別会計及び東日本大震災復興特別会計がございますが、これら特別会計の決算の概要につきましては、お手元の資料に掲載したとおりであります。以上をもちまして、令和2年度、令和3年度及び令和4年度における経済産業省の決算の概要に関する説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
2:16:40
次に、会計検査員の検査概要説明を聴取いたします。会計検査員 片桐大吾局長
2:16:58
令和2年度経済産業省の決算につきまして、検査いたしました結果の概要を御説明いたします。検査報告に契機いたしましたものは、不当事項1件、意見を表示し、または処置を要求した事項1件、及び本委員の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項1件であります。まず、不当事項について御説明いたします。これは、補助事業の実施及び経理が不 当と認められるものであります。次に、意見を表示し、または処置を要求した事項について御説明いたします。これは、石油製品安定供給確保支援事業等の実施、及び災害時情報収集システムの運用に関して改善の処置を要求し、適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を求め、並びに意見を表示したものであります。次に、本委員の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。これは、海外エースシーキョーシスキン等に関するもので、これについて指摘したところ、改善の処置がとられたものであります。続きまして、令和3年度経済産業省の決裁につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。検査報告に契機いたしましたものは、不当事項5件、意見を表示し、または処置を要求した事項2件であります。まず、不当事項について御説明いたします。検査報告番号219号から223号までの5件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。次に、意見を表示し、または処置を要求した事項について御説明いたします。その1は、独立行政法人石油天然ガス金属鉱物資源機構が管理している取り戻しが見込まれない公害賠償積立金の取扱いに関して意見を表示したもの。その2は、独立行政法人中小企業基盤整備機構の貸付金等を在現として、福島県が貸付ける特定地域中 小企業特別資金事業に係る資金に関して改善の処置を要求したものであります。最後に、令和4年度経済産業省の決裁につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。検査報告に契機いたしましたものは、不当事項5件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項1件であります。まず、不当事項について御説明いたします。検査報告番号223号から227号までの5件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。これはコンテンツ、グローバル需要創出、促進事業に関するもので、これについて指摘したところ、改善の処置が捉えたものであります。以上をもって説明を終わります。ただいまの会計経済委員の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。
2:19:36
令和2年度、令和3年度及び令和4年度の決算検査報告において契機され ております事項につきましては、会計経済委員の御指摘のとおりであり、誠に違憲であります。御指摘を受けた事項につきましては、その是正の措置を講じているところでありますが、今後このような御指摘を受けることのないよう、指導監督の強化を図り、より一層予算の適正な執行に努めてまいる所存でございます。
2:20:03
この際、お諮りいたします。お手元に配布いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明はこれを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。御異議なしと認めます。よってそのように決しました。以上をもちまして経済産業省所管についての説明は終わりました。これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
2:20:39
おはようございます。自由民主党長 崎第4区の金子洋蔵でございます。今日は質問の機会をいただきまして誠にありがとうございます。斉藤大臣どうぞよろしくお願いいたします。それでは早速質疑に移らせていただきます。まず先日イタリアで開催されましたG7鳥の気候エネルギー環境大臣会合の内容について、日本におきましても報道がありましたけれども、改めてここで確認をさせていただきたいと思います。先日のG7鳥の気候エネルギー環境大臣会合の内容を報じるものの中で、石炭火力発電2035年廃止合意へという見出しがあり、私としても驚き、報道内容について確認をさせていただきましたが、再度この場におきまして大臣に確認をさせていただきたいと思います。また、併せましてこの度のG7鳥の気候エネルギー環境大臣会合の成果についてもお伺いいたします。
2:21:48
今回の会合におきましては、G7広島サミットや、COP28号に開催された最初のG7気候エネルギー環境大臣 会合でありまして、これらの会合における決定を具体的な行動に移すための、G7の決意と団結を示す上で重要な会合となったというふうに思います。具体的には、再エネ導入拡大に向けて、世界のエネルギー貯蔵容量を6倍以上にすることへの貢献ですとか、水素、CCUS等の技術への投資拡大、あるいはSMRなどの革新的な原子力技術開発の推進ですとか、グリーン鉄の評価手法の確立や企業の削減貢献低量化、革新技術の開発等を通じた産業脱炭素化の加速、あるいは重要鉱物、エネルギー技術のサプライチェーンの多様化、天然ガス投資の必要性やガスセキュリティに関するIEAの機能強化、こういったことなどについて合意をいたしました。今回の合意を踏まえ、日本としてもG7のみならず、世界全体でのネットゼロ達成に貢献すべく取り組んでいく所存であります。また、ご指摘の石炭火力につきましては、各国のネットゼロの道筋に沿って、2030年代前半、または気温上昇を1.5℃に抑えることを射程に入れ続けることと、整合的なタイムラインで排出削減対策の講じられていない既存石炭火力を段階的に廃止すること、これに合意したわけでありまして、それ以上のものでも、以下のものでもないということでございます。日本としては、エネルギー気温計画に基づき、まずは2030年に向けて、非効率な石炭火力のフェードアウトを着実に進めてまいります。さらに、2050年のカーボンニュートラル実現に向けまして、水素アンモニアやCCUS等を活用することで、1.5℃目標と整合的な形で脱炭素型の火力に置き換える取組、これを引き続き推進していきたいと考えております。
2:24:14
ありがとうございます。排出削減対策の講じられていない既存の石炭火力発電のフェードアウトを講じていくということで、2030年までに全ての石炭火力発電が廃止されるということではないということで承知をいたしました。ありがとうございます。これに関連いたしまして、続けて、石炭火力発電の急廃止に伴う雇用問題と地元経済に与える影響について質問をさせていただきます。電力会社におきましては、2030年までに老朽化した非効率な石炭火力発電の急廃止を予定しているところもございます。私、地元長崎県の松浦市におきましても、先日5月9日に電源開発の中期経営計画におきまして、2030年までに1号機を急廃止するというような計画が発 表されたところでもございます。この電力会社というものは、地方の経済を支える上で非常に大きな影響を持っております。それと同時に、電力会社で働いている方々の雇用問題についても重要な検討事項であります。地方におきまして、電力業界で働いている方々は一般的に高所得でもあり、地方の経済を牽引していることも事実でございます。この発電所の急廃止に伴い、雇用を失う方々への対策、また、それに伴い地方が受ける大きな影響に対してどのような対策を講じていくのか、政府の見解をお伺いいたします。
2:26:01
石炭火力を含む火力発電につきましては、CO2を廃止するという環境面での課題がありまして、非効率な石炭火力のフェードアウト、こういったことを進めていく方針であります。他方でご指摘のように、火力発電は電力供給を支える重要な電源であると同時に、地元の雇用や地域経済にも貢献をしています。こうした中で、急廃止による影響を懸念する声、こういった声があることはもちろん承知をいたしております。発電事業者が地元の関係者としっかりとコミュニケーションを重ねていくことが、まずは重要だと思っています。エネルギー基本計画におきましても、火力発電が地方税収、雇用、地元企業への外注等を通じて、地元経済に貢献している中で、地域経済や雇用への影響等を踏まえながら、地域の実情等に応じてトランジッションを検討していくことが必要だと、そういう趣旨を記載をしているところであります。また、雇用の確保などの観点を踏まえつつ、GXを進めることは、GX推進戦略にも明記した、公正な意向の考え方に沿ったものであります。こうした観点から取り組みを進めることが重要だと考えています。いずれにいたしましても、政府としては安定供給の確保、これを大前提に、地域をはじめとした関係者の声をお伺いし、火力発電の急廃止に関する懸念にも配慮しながら、火力発電の脱炭素化に取り組んでまいりたいと考えています。川口君。ありがとうございます。老朽化した非効率な石炭火力発電、フェードアウトしていくという方針に関しましては、特に異論はないのですけれども、今申し上げたとおり、地域の雇用、税収の観点で非常に大きな影響を与えるものだと思っておりまして、そして、廃止になる1号機の後、どのような活用をしていくのかというふうなところも、さまざまな意見が地元から出てきております。申し上げましたとおり、1号機は急廃止をしていく。一方で、2号機については、これは効率的な石炭火力発電でもございますので、アンモニア根性であったりとか、CCSを活用した、そういった新しい取り組みを行っていくということでも伺っております。このもう1つの急廃止となる、その跡地の利用について、今後は早急に進めていかなければいけないのかなというふうに考えております。先ほど、自治体と事業者との間のコミュニケーションが非常に重要だというふうなご答弁をいただきました。一方で、事業者といたしましては、電力の受給関係にもよりまして、費用対効果というふうな観点から、なかなか新しい投資を廃炉の跡地に行っていくというような考えもなかなか進まないというふうなことも実情であるのかなというふうに思っております。このような状況を打破し、地域の活力を保つために、自治体がどのように対処していけばよいのか、国の支援が必要であるというふうに考えますけれども、総点政府の見解をお伺いいたします。
2:29:57
カーボンニュートラルの実現に向けましては、非効率な石炭火力のフェードアウト等を進めることが必要 なわけですが、そういった中でも発電所の立地地域との共生という観点は非常に重要だと思っています。給配種によって発生する恐れのある地域経済や雇用への影響等を踏まえながら、地域の実情等に応じて脱炭素に向けたトランジッションの促進を検討していく。こういうことが必要だろうと思っています。具体的な進め方につきましては、もちろん地域の事情によって異なるわけでありますが、例えば、アンモニア根種を行う石炭火力発電所と周囲の工業地帯等が一体となってアンモニアのサプライチェーンを構築する計画ですとか、あるいは廃止された発電所の跡地を再生可能エネルギーや資源循環の拠点として活用した例、こういった例もあると承知をしています。政府としてもこうした取組を後押しすべく、例えば脱炭素型の火力も含む脱炭素電源への新規投資を促す措置として、長期脱炭素電源オークションを導入しています。また、水素等のサプライチェーンの構築を進めるべく価格差に着目した支援ですとか、拠点整備支援を盛り込んだ水素社会推進法案を国会に提出をして、御議論いただいているところであります。再エネにつきましても、民間企業等が再エネ電気を調達する際に、フィットヒップ制度によらず、自ら主体的に発電事業者、小売電機事業者と連携して行う、太陽光発電設備の導入を支援する、需要化主導による太陽光発電導入促進補助金や、再エネ特措に基づくフィットヒップ制度など、様々な支援で後押しを行っているところであります。こうした措置等を通じて、地域の実情に応じたエネルギーのトランジッション、こういったものを促してまいりたいと考えています。(菅内閣)ありがとうございます。いろんな地域活性化、このエネルギー対策に向けた地域の活性化策というものはあると思いますので、ぜひとも政府として地域の活性化につながるようなご支援を、これからも引き続き行っていただきたいというふうにお願いを申し上げます。続きまして、廃棄物処理対策の強化についてご質問いたします。旧焼却施設は老朽化が進むことによって、倒壊や環境汚染の恐れが高まっており、早急な解体撤去が必要となっております。施設の解体撤去工事は多額の費用を要しますが、新たな廃棄物処理施設を伴わない工事は、国の循環型社会形成推進交付金の対象とはならないことから、厳しい財政状況の中、し単独事業として実施が困難であるのが現状です。今後、特に市町村合併により廃止した旧焼却施設の老朽化がさらに進むなど、環境汚染リスクが高まることから、早急な解体撤去を行うことができるようにするため、新たな廃棄物処理施設整備を伴わない解体工事についても交付金の対象と できないかについて、環境省政府の見解を伺いいたします。はい、環境省飯田大臣官房審議会。ご答え申し上げます。環境省では、ごみ焼却施設などの一般廃棄物処理施設の整備につきまして、循環型社会形成推進交付金等により市町村等へ財政支援を行っており、その際に焼却施設の解体事業も支援対象としております。焼却施設の解体事業への財政支援に当たりましては、令和2年度までは、同一の敷地内で施設の更新を計画しており、古い施設を解体しないと新しい施設の整備が進まないような場合のみを支援対象としていたところです。その後、令和3年度からは、焼却施設の老朽化、荒廃による災害リスクの低減や、ごみ排出量の減少などを踏まえた焼却施設の広域化・集約化の観点などから、解体を行う焼却施設の跡地とは別の敷地に新たな焼却施設を整備する場合や、処理の広域化に伴い必要となるごみ運搬中継施設を解体を行う焼却施設の跡地に整備する場合も支援対象として追加し、より柔軟な支援を行っているところであります。環境省としましては、社会情勢の変化や地方公共団体のご意見などを踏まえながら、廃棄物の適正処理に資するよう、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
2:35:13
ありがとうございます。引き続き柔軟な対応を行っていただければというふうに思います。続きまして、外国人労働者につきまして、ご質問させていただければと思います。今、地元の佐世保市のコンビニエンスストアで、ベトナムから留学で日本に来ている4年生が、1年生の半ばから地元のコンビニで働いております。はじめはレジの要員として働いていた彼は、今では店長も任せられる。それから、日本人ともちろん同様の仕事をできるようになっております。しかも、金子の鍵も渡してあげられると、任せられるほど信頼されているような、そこまでの働きっぷりを示しているというふうなことを聞いております。一方で、大学生の彼は、現在留学ビザで日本においてコンビニで働いていることができるんですけれども、大学を卒業するとコンビニで就労できなくなると。ベトナム人の彼自身も、これからもコンビニで働き続けたいというふうな思いであるとともに、雇い主もずっと彼を雇っていきたいというふうに考えているところでございます。現状、コンビニエンスストアでの就労について、外国人労働者の特定技能の分野では認められていないというふうに承知をしておりますけれども、その背景と今後の方針につきまして、業所間の経済産業省に見解をお伺いいたします。
2:36:56
山影商務情報政策局、商務サービス政策統括調整官。
2:37:06
お答えいたします。コンビニエンスストア、これは生活に密着する製品サービスを提供する、なくてはならない存在となっておりますが、人手不足の課題があると認識してございます。他方で、特定技能制度、こちらは、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限りまして、一定の専門性技能を有し即戦力となる外国人を受けることを目的とする制度と承知してございます。コンビニ業界におきましては、生産性の向上については、デジタル技術の導入による省力化への投資、また、国内人材の確保につきましては、ちぎなげ等による処遇の改善の取組等、様々な観点について検討が現時点では不十分であり、更なる検討が必要と認識してございます。なお、業界におきましては、 特定技能に限らず、他の在留資格である技術、人文知識、国際業務制度等の活用も含めて、人手不足への対応について様々な検討を行っている状況と聞いてございます。いずれにしましても、経済産業省といたしましては、コンビニ業界における人手不足の課題解消に向けまして、引き続き業界と意見交換してまいりたいと考えてございます。
2:38:17
ありがとうございます。他にいろいろと、外国人労働者を受け入れられるようなオプションがあるというふうなこともあると思いますので、ぜひそういった選択肢も、各地方自治体事業者の方にも、お伝えていただければ、情報を提供していただければなというふうに思います。続いて、同じ外国人労働者に関してなんですけれども、住居対策についてお伺いをいたします。今後、日本の労働市場において、外国人労働者が急速に増加していくことが予想されます。その中で、外国人労働者の住まいを確保するということも大きな課題であるかというふうに思います。この課題を 解決していくにあたりまして、各自治体に存在する公営住宅、私営住宅のさらなる柔軟な運営を進めてやろうかというふうに考えております。先日、地元の長崎県の畜産農家の視察を行った際に、その土地の自然環境に魅了をされ、移住し畜産農家で働きたい人がいると。住居環境の確保のため、私営住宅への転居をしに希望したところ、現在は入居の公募を行っていないため受付られないとの回答で、一旦移住を諦めたという話を伺いました。今回は、今申し上げたのは移住者の話でございますが、このようなニーズは外国人労働者受入においても生ずるものというふうに考えます。公営住宅法の第一条におきまして、この法律は国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転退することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするとあります。このような法の目的趣旨というものは理解しますが、現在、人口減少、人口流出により、私営住宅にも余りが生じているというふうにも認識しております。これまでどおりの規定で運営するのではなく、時代に合った形でもっと柔軟性をもって推進していくべきと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
2:40:57
お答えいたします。お尋ねの公営住宅につきましては、ご指摘のとおり、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃の住宅を供給するということを本来の目的としてございます。一方で、地域における様々な居住ニーズに対応するため、事業主体である地方公共団体の判断によりまして、公営住宅の本来の目的に支障のない範囲で、すなわち、いわゆる目的外使用といたしまして、住まい等を必要とする方々に公営住宅の空き室を提供する、そういった取組も可能としております。こうした取組の中には、住宅困窮者に対する支援や地域の活性化といった観点から、外国人の方に住まいを提供している事例もあるところであります。国土交通省といたしましては、こうした事例を含め、地域の実情に応じた目的外使用の様々な事例につきまして、地方公共団体向けの会議や研修を通じて、しっかりと周知をしてまいります。
2:41:56
ありがとうございます。ぜひ、その事例を各地方自治体に展開をしていただければと思います。そういうふうな認識がないところも多数ございますので、ぜひともそこはしっかりとやっていただければと思います。ちょっと順番が前後してしまって、大変申し訳ございません。大臣に、経済産業省の方にもう一問お伺いをしたいことがございました。地球温暖化対策の脱炭素化を進めるための環境整備についてご質問をいたします。地球温暖化対策に国民に協力してもらうためには、国民一人一人が脱炭素化に向けて取り組みやすい環境整備を進め、多くの国民に協力を得ることが重要でございます。しかしながら、現在のような円安や物価の高騰が続く環境下においては、特に中小企業及び小規模事業者の方々への支援が特に重要となっております。先日、またこれも地元長崎になりますけれども、長崎で70年以上にわたって水産合理を製造する企業が、製氷機械の老朽化に伴いまして、環境省の補助事業を活用した設備更新を検討している話を伺いました。もともと既存の製氷機械も環境保全に配慮し、アンモニアガスを冷媒とする設備を使用しており 、その更新計画を進めているところでございます。環境省の冷凍冷蔵機器の脱フロン、脱炭素化推進事業に対する補助金を活用できないかを環境省に問い合わせたところ、食用の製氷工場のみが対象であり、水産合理は対象とならないとの回答でありました。一方で、水産合理をつくっている会社は、長崎のサセボにおける水産業におけるとても重要な会社であります。漁業に対しては、水産庁が手厚い支援を行うことになっておりますけれども、一方で、製氷会社は株式会社であるがために水産庁からの支援はなかなか受け入れられないと。そういったこともありまして、他の環境省や経済産業省というふうなところに、支援を求めるというふうな状況になっております。このように、業界や業種等のくくりの中で生じる隙間に陥ることで、支援や補助が受け入れられないというような企業や事業者が生じぬように、細やかな制度づくりと環境整備を進めることが急務であると考えます。脱炭素化社会の実現には、現在工場で使用している機械などの入れ替えや工場そのものの改修も必要となります。そのように、業種や業界において専門的な支援を積極的に行える制度への変更なども検討する必要があるのではないかというふうに考えますが、脱炭素化社会の実現に向けて、国民の協力を得るために 安心して取り組める環境づくりの重要性について、政府の見解をお伺いいたします。
2:45:36
お答えいたします。中小企業は、日本全体の温室効果酸排出量の約2割を占めておりまして、カボニュートラルの実現に向けて中小企業の脱炭素化に向けた取り組み、これは大変重要だと認識をいたしてございます。環境省におきましては、中小企業の脱炭素化を後押しするために、中小企業向けのガイドブックの作成、工場事業場での設備更新、電化、燃料転換への補助、地域金融機関による中小企業が行う設備投資への融資に対する利子補給などを実施しております。こうした中小企業向けの様々なカーボニュートラル支援策につきまして、経済産業省とも連携をして取りまとめた上で公表をいたしております。一方で、脱炭素に向けて何から始めるべきかわからないといったような中小企業さんもございますので、こういったところを対象に中小企業との接点が多い地域の金融機関、自治体、商工会議所等が連携をいたしまして、中小企業の脱炭素経営を地域ぐるみで支援する、こういった体制を構築するモデル事業を、平成5年度から全国各地16カ所で実施しております。さらにこれに加えまして、各地の地方環境事務所におきまして、自治体や企業に対し、脱炭素に関する具体的な事業の推進への伴走支援を行いつつ、相談窓口としての対応強化を図っております。環境省のみならず、各地方支部部局との連携を進めているところでございます。引き続き、こうした取組を通じて、中小企業の脱炭素化の推進に向け、きめ細やかな支援を行ってまいる所存でございます。
2:47:40
ありがとうございます。ぜひ取りこぼしのないような支援をお願いしたいと思います。続きまして、食品の合理的な価格の形成に向けた取組について質問いたします。食料農業農村基本法の改正案におきまして、食料の持続的な供給に要する費用の考慮の規定を新設し、理解の増進、合理的な費用の明確化の促進という施策が挙げられております。食料農業農村政策審議会の答申にも述べられているとおり、他品目に比べ農外収入が大きく、兼業主体の生産構造 からの転換が進まなかった稲作をはじめ、生産側は必ずしもその需要にお合わせた対応ができておらず、実際には農産物市場の動向だけで農業者の経営が変更されることはなかった。また、長期にわたるデフレ経済の中で価格の安さによって競争する食品販売が不変化し、その結果価格形成において生産コストが十分考慮されず、また生産コストが上昇しても販売価格に反映することが難しい状況を生み出しているとあります。これらの反省を踏まえて、生産者、加工流通業者、そして小売業者、消費者がそれぞれウィンウィンとなる適正な価格形成をどのように図っていくのか、政府の見解をお伺いいたします。
2:48:59
小林農水省大臣官房新事業 食品産業部長
2:49:15
お答えいたします。近年の資材価格等の高騰は、生産から商品に至る各段階に幅広く影響が及んでおります。こうした状況の中でも、食料の持続的な供給を行っていくためには、食料システム全体で合理的な費用が考慮されるようにする必要がございます。このため、農林水産省では、昨年の8月より、生産、加工、流通、小売、消費等の幅広い関係者が一同に集まる協議会を開始いたしまして、食料システム全体の持続性の確保を目的に、持続的な供給に必要な合理的な費用を考慮する仕組みの必要性でございますとか、品目ごとに作成する費用の指標であるコスト指標の作成等について、関係者間で議論を行っているところでございます。先月5日に開催しました第4回の協議会では、こうした仕組みを設ける必要性でありますとか、法制化を次第に検討することについて共通認識が得られたところであり、引き続き協議会での議論を進めてまいります。この協議会に当たりましては、この協議に当たりましては、生産者にしろ消費者にしろ、どこか一部の関係者にだけ支援要請が及ぶという仕組みでは、食料システムの持続性を確保することは難しくなるという課題があると考えております。このため、関係者間で協調することを働きかけているところでございまして、食料システムの持続性の確保という共通目的のもとに、関係者が相互に理解し合えるように丁寧に合意形成を図ってまいります。
2:50:45
ありがとうございます。ぜひ、それぞれのフードチェーンの皆様方にとって最適な価格形成を進めるべく対策を講じていただければと思います。時間が来てしまいましたので、これで質問を終わらせていただきます。すいません、3つ質問が残ってしまいまして、農水省の皆様方にはご迷惑をおかけしました。これで終わらせていただきます。ありがとうございました。これにて金子陽三君の質疑は終了いたしました。
2:51:40
兵庫県姫路市よりやってまいりました住吉でございます。我が国のエネルギー政策についてお尋ねしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。第6次エネルギー基本計画は、2020年10月に表明された2050年カーボンニュートラルと、2021年4月に表明された2030年度の温室効果ガス排出、2013年度比で46%、さらに50%削減の高みを目指すという野心的な削減目標の実現に向けてエネルギー政策の道筋を示したものとなっております。その達成のためには再生可能エネルギーのさらなる導入 が不可欠であり、2022年4月に資源エネルギー庁が発行した今後の再生可能エネルギー政策についての中で、エネルギーミックス改定において2030年度の温室効果ガス46%削減に向けての再生可能エネルギーの電源構成、36から38%を発表しております。内訳は太陽光発電が14から16%程度、風力発電が5%程度、水力発電が11%程度、地熱発電が1%、バイオマスが5%となっております。現状の導入進捗率、これを見ると太陽光が97%導入しているということで非常に順調なわけですが、風力が約45%、地熱約41%、バイオマス約75%となっております。太陽光が手一杯であるのを、現実的に日本というのは国土が狭いですので、太陽光が今後増えていくというのはなかなか難しいところでございますが、その太陽光が手一杯であることを風力発電で補う状況となっております。実際に今国会においてもこの風力発電を進める法案、これが審議される予定となっております。現在の再生可能エネルギーの目標に対して、ほど遠いこのような状況を政府としてどのように考えているのか、御見解をお伺いいたします。
2:54:04
再生可能エネルギーにつきましては、地域との共生、これを大前提に最大限導入していくこと、これを政府の基本方針としているところであります。こうした中で、電源構成に占める再エネ比率は、フィット制度導入時の2012年の約10%から、直近2022年度の約20%まで倍増しておりまして、例えば太陽光の導入量は、平地面積あたりで見れば、主要国で実は最大級となるなど、着実に導入が進んでいると認識しています。経産省としては、地域との共生を前提に関係省庁と連携して再エネ導入に取り組んでいるわけでありますが、具体的には、フィット、ヒップ制度では、地域共生しやすい屋根設置の太陽光発電について、2023年度下半期からは、新たに区分を設けまして、地上設置型よりも2割程度高い区画を設定をして、導入を促進をしているところであります。また、関係省庁と連携しまして、公共施設や住宅、工場、倉庫などの建築物の屋根への導入拡大に取り組むとともに、再エネ開域利用法に基づく着実な洋上風力発電の案件形成等に取り組んでいます。また、グリーンイノベーション基金等を活用して、ペロブスカイト等の次世代型太陽電池、不体識洋上風力の技術開発や早期実用化に向けた取り組みを行っているところであります。こうした取り組みを着実に実施をしていくということで、2030年度の再エネの電源構成費36から38%、この目標を達成してまいりたいと考えています。速記を起こしてください。本当にありがとうございます。実は私も、1期生の最初の予算委員会の質疑に関しては、このエネルギー政策について質問させていただきました。それはまだロシア、ウクライナ問題が発生する前の状況で、再生可能エネルギーの導入を非常に促進する。例えばドイツなんかでいうと、非常にエネルギーが不安定で、度々停電も起きている。そして価格も上昇している。これは2割、3割とかではなくて、8倍とか10倍とかそんな規模で起きている。そういったところをどうして、どうバランスをとりながら進めていくのかというのを質問させていただいたわけでございます。環境は大きく変わって、今ロシア、ウクライナ問題が長期化している。また新たなフェーズに突入しているのかなというふうに思っております。そこで国民負担についてお尋ねしたいと思います。先ほど申し上げたように、このロシア、ウクライナ侵略等の世界情勢、これが背景として、世界的な燃料価格の変動、これは日本はほとんど9割近く海外に依存しているため、我々の生活に密接に関わる電力、またガス料金、これにも大きく影響を及ぼしました。国民生活、事業活動を守るため、電気、ガス料金の減減緩和措置として今対策が行われておりますが、この措置も今年5月に縮小され、6月には終了するという予定になっております。さらに2024年度の再生可能エネルギーの付加金単価、これはまた増額していくふうになっております。エネルギー政策は時々の状況に応じて重視するものが変わっていくのは当然だと考えますので、この変化自体は悪いことだとは思いません。しかし、バータリティックな変更は消費者の混乱させ、一貫したエネルギー政策も実現できないため、エネルギー政策自体を一度考え直す、こういうことも必要ではないかと考えております。そのような観点を踏まえて、激変緩和措置がなくなり、再エネ付加金が上がる、これによって国民の負担が上がってしまうことについて、どう考えているのか、政府の見解をお伺いいたします。
2:58:30
まず、電気料金の激変緩和措置は、ロシアによるウクライナ侵略を背景としたエネルギーの国際核の給投によりまして、急激な電気料金の上昇が想定をされる中で、家計や価格転嫁の困難な企業の負担を直接的に軽減するために、緊急対応として実施をしてきたものであります。委員御指摘の電気の需要化の負担という観点について見れば、足元では電気料金への影響が大きい、LNG、石炭、これらの輸入価格が、ロシアのウクライナ侵略前と同程度まで低下をしてきているということがまずあって、その結果、再燃特措法に基づき算定された再燃負荷金の単価が、昨年度に比べて上昇したことを考慮しても、結果として電気料金は、激変緩和対策の開始前と同水準以下で推移をしてきているということでありますので、こうした状況を踏まえまして、電気料金の激変緩和対策については、激変緩和の幅を縮小した上で、今月末まで講じるという判断をさせていただいています。また、家計や経済活動への影響を抑えるためにも、エネルギーコストの上昇に強い経済構造へ転換するということが大事でありまして、徹底した省エネに加えまして、再エネや減蓄など、エネルギー自給率の向上につ ながる脱炭素電源の活用を進めていきたいと思っています。その上で、委員御指摘のようにエネルギー環境は割と激しく変わるものですから、予期せぬ国際情勢の変化等により価格高騰が生じ、国民生活への過大な影響を回避するために緊急対応が必要だなというふうになった場合には、迅速かつ機動的に対応すると、こういうふうにさせていただきたいと思っています。
3:00:44
私もいつまでも、高均に頼り続ける構造というのは、あまりよくないと思っております。そういった意味で、今御説明があったように、激変緩和をなくしたとしても、現時点では国民の負担というのは、コロナ前と変わらないか、ちょっと低いか、あまり負担が変わらないということだと思います。一方で、この6月に減税措置が行われるわけでございます。それは何のためにやるかというと、物価高い対策で、昨年に決定したことでございます。国民からすると、物価が高い、そういった意味で減税をしている。こっちでは、付加 金が上がったり、激変緩和がなくなっているということで、かなりちぐはぐな政策に移ってしまうと思っております。実際に私もこの日曜日で、とある支援者の集まりに行ったときに、そういったことを指摘され、電気料金これから上がるんだろうと、本当どうなっているんだというようなことを言われたわけです。もう少しこのメッセージが足りていないのではないかなと思っております。電気料金が上がるということだけが一人歩きして、こういう事情で正常に戻すんですよというようなことが足りていないのかなと思いますので、そのあたりのメッセージをしっかりと国民に打ち出していただけたらなというふうに思っております。続きまして、エネルギーの消費の増加についてお尋ねいたします。省エネルギーについて、資源エネルギー庁のエネルギー白書2023では、2030年度におけるエネルギー需給の見通しにおいて、省エネについては経済成長等による足元からのエネルギー需要の増加を見込みながら、技術的にも可能で、現実的な省エネ対策として考えられる限りのものをすべて積み上げ、年間採取エネルギー消費を対策前に比べ、原油換算6200万キロリットル程度削減することを見込んでおります。これは2013年度から2030年度までにエネルギー消費効率を40%程度改善することに相当しており、石油危機後の20年間に日本が実現した省エネを上回るエネルギー消費効率の改善が必要となります。この見込みを着実に実現し、徹底した省エネと経済成長を両立させるため、業務・家庭・運輸・産業の各部門において、制度と支援措置の両面で施策を検討し、実施していくことが必要ですが、すでに産業界にも相当の努力を敷いているという状況です。さらに近年、データセンターの増加や生成AIの普及が目覚ましく、そのために必要な電力も急増していくことが予想されます。生成AIは交通予測などに貢献し、エネルギー効率の向上につながる面もありますが、大量の電気を使い、GPUからの発熱も凄まじいものがあります。電力中央研究所の予測では、生成AIなどに使うデータセンターの日本の電力消費は、21年の200億kW時から40年に最大で1050億kW時まで増える可能性があることも指摘されております。22年度の温室効果ガス排出量の削減の大きな要因として、排出量が大きな鉄工業をはじめとした製造業の生産減少の影響が大きく、半導体不足に伴う自動車向け耕材需要の伸び悩みや、世界的な利上げによる輸出低迷などを背景に、国内の鉄工業の生産量が前年度に比べ8%減っております。しかし、23年度以降は、新型コロナウイルスからの経済の正常化が一段と進んでおり、これまで通りに削減は進まないと指摘する専門家もおります。そこで、データセンターの増加や生成AI普及による今後増えることが想定されるエネルギー消費に対して、どのように考え、増加した電力需要に応えて、どのように排出削減目標を達成するのか、政府の見解をお伺いいたします。
3:05:22
生成AIの普及やデータセンターの増加など、DXの進展に伴いまして、今後電力需要が増加するとの指摘がある。これはもう十分認識をしています。例えば、電力公益的運営推進機関が本年1月に公表いたしました、今後10年の電力需要の見通しにおいては、データセンターや半導体工場の新増設によりまして、電力需要の増加が見込まれております。こうした中で、将来の電力需要増加の可能性にも対応すべく、必要な供給力を確保するための制度であります、要領市場。これを令和2年度に既に導入をしているところでありますが、加えまして、脱炭素電源への新規投資を広く対象にしまして、投資回収の予見性を確保するための長期脱炭素電源オークションを昨年度から導入しております。