1:20
それでは、皆様おはようございます。ただいまから経済産業委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告いたします。昨日までに、柴信一君、青島健太君が委員を辞任され、その補欠として辻元清美君及び安妻徹君が選任されました。理事の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴い、現在理事が一名決院となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。理事の選任につきましては、選例により委員長の指名にご一任願いたいと存じますが、ご意義ございませんか。はい。ご意義ないと認めます。それでは、理事に、安妻徹君を指名いたします。連合審査会に関する件についてお諮りいたします。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案、及び二酸化炭素の貯留需要に関する法律案について、環境委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに、ご意義ございませ んか。はい。ご意義ないと認め、作用を決定いたします。なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長にご一人願いたいと存じますが、ご意義ございませんか。はい。ご意義ないと認め、作用を取り図らえます。次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件、及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。両案審査のための連合審査会に、政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長にご一人願いたいと存じますが、ご意義ございませんか。はい。ご意義ないと認め、作用を決定いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案、及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、厚生取引委員会事務総局経済取引局長岩成博君ほか十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに、ご意義ございませんか。ご意義ないと認め、作用を決定いたします。脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及 び利用の促進に関する法律案、及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言願います。
4:12
おはようございます。おはようございます。岩成博君、石頭落とし幸です。本日は質問の機会をいただきましてありがとうございます。早速、質疑通告に従って質問させていただきます。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、さまざまな脱炭素手段が議論されております。本日議論いたします水素社会推進法案とCCS事業推進法案も、脱炭素社会エネルギー安定供給、経済成長を同時に実現するグリーントランスフォーメーション政策を進めるために重要な法案であると思いますが、まず政府より両法案が2050年のカーボンニュートラル達成に向けて果たす役割やその意義について簡潔にご説明をお願いいたします。
5:03
お答え申し上げます。カーボンニュートラル実現のためには、徹底した省エネや酸エネなどの脱炭素電源の利用促進に加えまして、産業部門、運輸部門、発電部門のそれぞれで脱炭素化が難しい分野におけるGXを実現していくことが不可欠であります。化石燃料や原料を代替するための低炭素水素等の供給利用、利用後の脱炭素化の進める手段としてのCCSをそれぞれ広げていくことが必要だと考えてございます。このため、水素社会推進法案においては、鉄鋼や化学等の脱炭素化が難しい分野における低炭素水素等の供給及び利用を進めるため、価格差に着目した支援や拠点整備支援等の措置を通じて、先行的で自立が見込まれるサプライチェーンを創出・拡大していく相談でございます。また、CCS事業法案においては、事業に必要な許可制度や事業規制・法案規制等の措置を講ずることとしており、こうした措置を通じてCO2の安定的な貯留やCCS事業の適切な運用を確保していきたいと考えてございます。
6:15
まずは、水素社会推進法案についてお尋ねをしたいと思います。我が国では、2017年に世界で初めて、水素基本戦略という水素に関する国家戦略を打ち出しました。昨年は、これを市場の変化と世界の動きに合わせるべく、約5年ぶりに開堤しております。我が国は、燃料電池などの水素に関連する技術で世界をリードしてきており、国内では約10年前から燃料電池自動車が、最近では燃料電池バスが社会実装されるなど、長年、水素の市場を築く取り組みをしてきました。一方で、世界でも脱炭素化の流れが加速し、水性の注目も高まっております。昨年、我が国が議長国を務めたG7の場をはじめ、外交の場面でも水素はよく話題に上がります。欧州や米国をはじめ、水素導入の支援に本腰を入れ始める国が現れ、大規模な水素製造や利活用が行われる時代がすぐ近くまで来ております。こうした中、日 本政府は、今後2030年に向けて300万トン、2040年に向けて1200万トン、2050年に向けて2000万トン程度の水素を供給していくことを想定しております。水素を今後、鉄や化学、モビリティといった、特に脱炭素化が難しい分野に供給していくことで、脱炭素化を図っていくこととしております。しかし、水素がこうした様々な場面で用いられるようになるためには、水素の価格を今よりもしっかりと下げていかなければなりません。足下では燃料費も高騰しており、こうした燃料に対する将来価格への不透明さが増すばかりではないかと危惧しております。水素社会の実現に向けては、コストの低減は重要な課題かと思いますが、水素の供給コストの低減に向け、具体的にどのように取り組んでいくつもりでしょうか。これまでの政府の取り組みに加え、今後の方針についても併せてお伺いいたします。
8:25
資源エネルギー庁井上省エネルギー・新エネルギー部長
8:30
お答え申し上げます。水素社会の実現に向けて、水素の供給コストを低減していくことは、御指摘のとおり、極めて重要と考えてございます。2点ございまして、1点は供給量の増加による規模の掲載。2点目はコスト低減に資する技術開発。これを両輪で進めていくことが重要と考えてございます。これまでは主に技術開発を中心に取り組んできておりまして、例えばグリーンイノベーション基金などを活用し、現在の水電解装置コストを最大6分の1程度にまで低減するための技術開発、あるいは電解効率の向上のための技術開発、国際協作力のある水準で水素を製造できるよう、水電解による製造コストの低減に取り組んできているところでございます。今後は水素社会推進法案で措置いたします価格差に着目した支援におきまして、十分な価格低減が見込まれ、将来的に競争力を有する見込みのある事業を支援していきたいと考えてございます。こうした措置によりまして、低炭素水素等の需要と供給を同時に立ち上げ、規模の拡大を図り、供給コストの低減を目指していきたいと考えてございます。
9:46
ありがとうございます。水素やアンモニアは現在でも産業において利用されているものであります。今は化石燃料から製造されており、二酸化炭素を排出しながら製造する方法が主流になっております。しかし、こうした製造時に排出される二酸化炭素を処理しない、いわゆるグレー水素やグレーアンモニアと呼ばれる燃料を使い続けていては、脱炭素化への影響は限定的だと思います。このため、やはり水素やアンモニアの製造時に発生する二酸化炭素をしっかり処理する方法に転換していくことが重要です。本法案では、新たに「低炭素水素等」という定義を置き、脱炭素化をより推し進める法案になっているのではないかと思っております。単に炭素やアンモニアを利活用するだけではなく、この水素やアンモニアを製造する際の二酸化炭素排出量も削減していくことが、真の脱炭素化につながっていくのではないでしょうか。そうだとすれば、今回措置する「低炭素水素等」の定義をどう定めるかが重要だと思いますが、特に「低炭素」はどのような基準を定めるおつもりかお伺いいたします。
11:03
お答え申し上げます。「低炭素水素等」につきましては、水素等であって、一つには、その製造に伴って排出される二酸化炭素の量が一定以下であること。二つ目には、二酸化炭素の排出量の算定に関する国際的な決定に照らして、その利用が我が国の二酸化炭素の排出量の削減に寄与するなどの経済産業省令で定める要件に該当するものとしてございます。これは、水素等の製造に伴うCO2排出量、すなわち炭素集約度の概念を、昨年のG7広島サミットにおいて我が国が提示し、首脳コミュニケにおいても重要性が確認されたことを踏まえた考え方でございます。具体的には、今後、炭素集約度に基づき、低炭素水素等のCO2排出量の基準を定めてまいりますけれども、現在、海外の制度も参考に、例えば、水素1kgの製造に係るCO2排出量が3.4kg以下のものを対象とするなどを審議会において、有識者の方にご議論いただいているところでございます。今後も、核燃料における国際的な議論の動向を注視しながら、検討を深め、国際的に遜色のない基準を定めていきたいと考えてございます。
12:28
水素の価格が高く安定した量の供給が見えない状況では、利用側が水素を利活用することになかなか踏み出せないと思います。また、水素を供給する事業者にとっても、水素の利活用の広がりが見えない中では、供給事業への投資に踏み出せないという、いわゆる鶏と卵の状態が続いてしまいます。水素に関心がありながらも、このように見合ってしまい、導入に踏み込むことができない状況を打破するためにも、早期に先行的なサプライチェーンを創出して、実際に水素が大規模で合理的な価格で出回るのだということを世の中に見せていくことが大事なのではないでしょうか。今は、世の中は半信半疑であったとしても、百聞は一見にしかずで、まず実例ができれば、それに続く事業も出てくると考えます。社会の理解も広がると思います。今回の法案では、低炭素水素等の供給、そして利用を早期に促進するため、基本方針の策定や、需給両面での計画認定制度の創設、またその計画認定を受けた事業者に対する支援措置や、規制の特例措置を講ずることとされております。特に、今回の計画認定を受けた事業者には、価格差に着目した支援、そして拠点整備支援などにより、長期にわたる支援が行われることになっております。この両支援制度によって、我が国が開発した技術を活用した上で、先行的 にサプライチェーンが構築されていくことは望ましいことだと考えております。一方、多額の支援が行われることが想定されますので、認定される基準が甘いと、将来的に自立できない事業者まで認定していくこととなってしまいます。このため、価格差に着目した支援、拠点整備支援、この両方、将来的に自立して、将来の水素とサプライチェーンを支えるようなプロジェクトが選ばれていくように、しっかりとした認定の基準を定めて、リスクがある状況でも脱炭素化に向けて、長期的にコミットしていこうという事業者を厳選していく必要があるのではないかと思いますが、そのためにはどのような認定基準を定めていく予定でしょうか。
14:58
お答え申し上げます。低炭素水素等供給等事業計画の認定基準としては、S+3Eを前提にグリーントランスフォーメーションの実現に資するプロジェクトであるとともに、御指摘のとおり、将来的に自立することを求める。こういう観点から、一つには、鉄化学といった代替技術が少なく、転換困難な分野、用途にも供給すること。二つ目には、国際的な算定ルールと整合的な考え方の下、国内の排出削減に資するプロジェクトであること。三つ目には、2030年度までに供給開始が見込まれ、支援期間終了後、10年間の供給を継続すること。四つ目には、国内外で新たな関連事業を予定していること、などといった必須の条件を設け、これらの重則を求めてまいりたいと考えてございます。こうした必須条件に加えまして、S+3Eや産業競争力強化、経済成長への貢献といった政策的重要性と、オフテーカーの確実性、工事計画、資金計画等の妥当性といった事業関水の見込み、この政策的重要性、事業関水の見込みから評価項目を設定いたしまして、ご指摘のとおり、総合評価により支援対象とする事業者の選定をしっかりと行っていきたいと考えてございます。水素社会の実現に向けて、今度はビジネスでどう勝っていくかということも大変重要だと思います。そのためには、民間もリスクをとって大きな投資を進めていくことということであり、その呼び水として価格差に着目した支援制度が位置づけられているのだと思います。他方、今回の支援は、ある程度大きなプロジェクトが中心になってくるのではないかと感じております。しかしながら、水素社会のその広げていくという意味では、中小企業でやる気のある企業のチャレンジをしっかりと後押ししていくことも重要なのではないでしょうか。こうしたやる気のある中小企業をしっかりと巻き込み、水素の利活用を行っていくという観点において、経済産業省としていかに後押ししていくのか、お答えいただきたいと思います。稲葉部長 お答え申し上げます。地域の工場であるとかモビリティなどの脱炭素化のためには、ご指摘のとおり、中小企業の方にも低炭素水素等の利用を促進していくことが極めて重要だと考えてございます。例えば、水素ステーション補助金を活用いただきまして、東京都の中小の産業ガス会社の方が水素ステーション事業に参画されるなど、中小企業の方の水素の利活用にこれまでも取り組んでまいりました。また、近畿経済産業局では、水素産業関係者が一同に会するイベント「関西水素産業交流ラウンジ」を開催いたしまして、水素関連の大手企業と中小企業とのビジネスマッチングに取り組んでおりまして、中小企業の方々の水素関連産業への参入を促しているところでございます。水素社会推進法案に基づく支援措置につきましても、多様なプレイヤーに周知いたしまして、中小企業の方々も巻き込みながら、低炭素水素等のサプライチェーンの構築を進めていきたいと、対応に考えてございます。
18:31
本法案では、規制の特例措置として、高圧ガス保安法の特例についても講じられることとなっております。水素社会の実現に向けては、水素等の利活用において、やはり安全が確保されていることが非常に重要です。例えば、川崎重工業は、小型の水素洗浄の発電実証を神戸のポートアイランド、いわゆる都市部で行っておりますが、これは事業者がしっかりと安全を確保しているからなし得ると考えます。これから、水素等の供給や利用が拡大するにつれ、鉄、化学、そして発電といったプラントの中のような限られた場所での利用から、商業施設や住宅などの支柱での利用といったように、水素等の利用シーンも広がっていきます。さまざまな事業者が水素事業に参入し、また新しい技術が次々と実装されていきます。こうなると、ますます保安規制の重要性が増していきます。一方で、厳しいだけで柔軟性のない規制は、なかなか水素の供給、そして利用拡大も進まないことが懸念されます。規制が古いルールのままアップ程度されず、新しい技術が取り入れられないような話も聞きますが、このようなことでは水素事業の発展は成し得ません。時代に合わせた規制が必要ではないでしょうか。また、許認可を得るためのプロセスを簡素に したり、事業者の想定する時間軸をいたずらに遅らせないスピード感で進めたりする工夫が必要ではないでしょうか。そこで、安全を確保しつつ、水素等の供給、そして利用拡大を進めていくにあたっての、本法案における保安の特例措置の意義をお聞かせください。
20:27
はい、いわゆる水素社会推進法案の特例措置の意義についてのお尋ねでございますが、委員御指摘のとおり、水素の供給及び利用の拡大にあたりましては、安全確保を大前提としつつ、水素保安をめぐる環境と課題に応じたルールの整備を進めていくことが重要であると考えているところでございます。水素等の大規模利用については、黎明期にございますことから、大規模な低炭素水素等のサプライチェーンの構築に必要な関連施設については、最新の科学的技術的専門的知見を有する場合がございますため、高圧圧の保安法の許可検査等を行うにあたりまして、都道府県等においては、通常よりも時間を要したり、判断が困難となる場合があることも想定されるところでございます。このため、本法案に関する措置においては、高圧圧保安法の特例として、低炭素水素等の供給及び利用についての認定計画に基づく設備等に対しては、一定期間、都道府県知事等に代わり、高圧圧保安法における製造施設等の技術基準を策定するなど、科学的技術的専門的な知見を有する国が一元的に、保安確保のための許可や検査等にあたる行為を行うことを可能するものでございます。これによりまして、低炭素水素等の供給及び利用についての計画認定を受けた事業者は、高圧圧保安法関係の手続が迅速化され、我が国における低炭素水素等の供給及び利用の促進に資するものと考えているところでございます。水素社会推進法案措置により、我が国でも水素の利活用が広がっていくことを期待しております。しかし、我が国のみならず、世界でも大きく水素の利活用は広がっていくのだろうと想定されます。この目の前に広がる拡大市場を、我が国がしっかりと獲得していく、これがまさに脱炭素と産業競争力を両立させる姿につながっていくのだろうと思います。しかしながら、欧州や米国だけでなく、中国や韓国など、世界中が同様に水素等に取り組んでいるのではないかと思います。こうした他の国の勢いを踏まえても、我が国は水素で産業競争力を発揮できる見込みがあるのでしょうか。我が国が進むべきシナリオをお伺いいたします。
23:00
ご指摘のとおり、国際的な競争関係は極めて厳しくなってきていると認識しておりますが、その中にありましても、我が国の企業は水素関連技術で引き続き、世界で高い技術力を持つ技術を有しておりまして、例えば、生産技術では水素の製造効率を左右する水電解装置に用いる膜につきまして、世界トップクラスのドイツのメーカーが日本の科学企業の独自の膜技術の採用を検討するなど、世界の企業からも評価されているところでございます。また、海上輸送技術ではアーモニアを介することなく、水素のまま効率よく輸送する技術、これは日本のみが実用化しておりまして、発電技術では世界の多くのプロジェクトに日本企業が参画いたしております。今後、我が国が持つ技術的競争力を維持強化するためには、いかに量産化、自動化を進め、スピーディーに市場に製品サービスを投入できるかどうかが肝 となると考えてございます。このため、例えば、水電解装置も対象にいたしました、5年間4,200億円超のGXサプライチェーン構築支援事業の中で、産業競争力を持つ水電解装置やその部素材に対する、大規模かつ迅速な投資を予定している事業者をしっかりと後押してまいりたいと考えてございます。また、水素社会推進法案で措置する価格差に着目した支援等を通じまして、我が国技術を活用した産業競争力の強化に資するサプライチェーンの創出拡大を図る、これによりまして水素等関連産業の産業競争力の強化も目指していきたいと考えてございます。世界の水素市場の拡大に、御指摘のとおり遅れることなく、我が国の高い技術力を生かした製品サービスを国内外に展開していければと考えてございます。次に、世界におけるCCSの位置づけや動向について伺います。CCSは、地中に二酸化炭素を閉じ込める技術のことですが、私自身、このCCSについては、今回法案を提出されるということで初めて話を伺いました。日本も既に、2050年を目標としてカーボンニュートラル宣言が行われている中で、国税として達成していくことが必要になってきます。一方で、二酸化炭素を出す炭素化の技術としては、省エネや再エネもあります。しかし、CCSは最近世界で急速に広がっていると聞いております。例えば、国際エネルギー機関IEAでは、2050年時点での世界全体の二酸化炭素の回収量は、年間37億トンから60億トンとの見通しを示しており、これは現在の世界全体の二酸化炭素排出量の1割から2割に相当する膨大な量です。なぜ、CCSは今必要になってきているのでしょうか。また、CCSの技術が確立していなければ、脱炭素化手段として使うこともなかなか容易ではないと思いますが、CCS技術は全く新しい技術なのでしょうか。まずは政府参考人にお伺いいたします。
26:29
はい、資源エネルギー庁、定光資源燃料部長。
26:33
はい、お答え申し上げます。カーボンニュートラルの実現に向けては、産業へ発電の脱炭素化、低炭素水素の製造などの分野で、CO2を回収して地間に貯蔵するCCSの導入が必要となります。昨年12月に開催されたCOP28の合意文書におきましても、排出削減が困難なセクターにおける解決策の一つとして、このCCSが明記されてございます。欧州や米国では、すでに2010年頃に民間事業者がCCS事業を実施するための環境整備の一環として法制度が整備されております。加えて、これらの国では、近年、予算や税制などCCS事業に対する様々な導入支援制度が構築されておりまして、CCSの本格的な導入に向けた更なる環境整備が進んできております。この結果、2030年に向けてCCSの導入が加速すると見込まれておりまして、貯留的地の確保や事業モデルの構築をめぐる国際的な競争も始まっております。我が国としても、こうした世界の動向を踏まえ、2023年7月に閣議決定したGX推進戦略において、2030年までのCCS事業開始に向けて、事業環境の整備を進めていくこととしております。なお、CO2を地下へ圧入する技術でございますが、これは石油・天然ガスの増産を目的として行われてきたEOR(エンハンスドオイルリカバリー)として、約50年の実績がすでにありまして、基本的な技術は確立されております。また、CO2を貯留する適切な貯留所の探査なしは、開発についても石油やガスの開発生産に必要な技術と共通する部分も少なくないため、基本的にはこれまで石油・ガス等に用いてきた人材や機材を活用することも可能であると認識してございます。我が国を含めて、カーボンニュートラル宣言を行っていく国にとっては、CCSが必要不可欠であること、また、CCS技術は既存技術で50年を超える石油・天然ガスの増産技術を気候変動対策に転用したものであり、確立している点は重要であ ると思っております。次に、中小企業・小規模事業者の脱炭素化についてお伺いいたします。経済産業省によれば、中小企業・小規模事業者の二酸化炭素排出量は、1.2億トンから2.5億トンとされております。大手企業にサプライヤーとして納品している中小企業・小規模事業者にも、こうした中に含まれていると思いますが、大手企業はサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの達成を求めていく可能性があり、このものづくり中小企業の中には、二酸化炭素削減対策が不十分であるということから、発注を受けられなくなる可能性があり、喫緊の課題であると考えております。そこで、中小企業・小規模事業者の脱炭素化を進めるためには、具体的にはどのようなことをしなければならないでしょうか。私は、まず自社がどれだけの二酸化炭素を排出しているのかを把握することが必要であり、その上で対策が必要になりますが、いずれも対策ができていないとまだ考えております。具体的に何をすべきかという点と、どのような支援策が中小企業・小規模事業者に利用できるものであるのでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。
30:27
お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す企業も出てきておりまして、こうした中、近年中小企業において、取引先から排出量の把握や排出削減の協力要請を行われるようなケースが増え始めております。こうした動きに対応するため、これも委員御指摘のとおりでございますけれども、自社の排出量を把握した上で脱炭素効果の高いGX投資を実行していく必要があるというふうに認識しています。また、GX投資に取り組むことは、エネルギーコストの削減や受注の拡大につながる可能性があるといったメリットもございます。このため、経済産業省といたしましても、排出量の算定方法を分かりやすくまとめた資料を作成し、GXに取り組むメリット等への理解増進を図るセミナーを開催を含め、広報を開始しているところでございます。さらに、専門家が中小企業に対して具体的な省エネアドバイスをする省エネ診断について、前年の申込実績の2倍の案件数に対応できるよう、必要な予算措置を講ずることに加えまして、中小企業等の省エネ投資を支援する省エネ補助金などの支援策も、大幅に 拡充して取り組んでいるところでございます。引き続き、中小企業のGX推進に向けまして、経産省としてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
32:10
ありがとうございます。中小企業の脱炭素化は、日本の蔵廃数の中でも一定程度を占める重要な分野として、引き続き、分かりやすい対策の考え方と支援策の充実をお願いしたいと思います。次に、中小企業、そして小規模事業者が必要となる電力の脱炭素化についてお伺いいたします。CCSの利用が期待されている分野としては、鉄鋼や化学、セメントといった分野が想定されていると聞いております。こうした業種では、大企業の利用が多いように思います。もちろん、日本の大手企業が国内に立地を継続することで、地域の雇用が支えられ、サプライヤーとなる中小企業、小規模事業者も仕事が続いていくことになる効果があると考えております。中小企業、小規模事業者、特にサービス業の脱炭素を図 る観点からは、おそらく発電の脱炭素化が非常に重要になってくると思います。燃料を自ら購入して使う中小企業、小規模事業者は、ある程度、限られてくると思いますが、電気を使わない中小、小規模事業者はいないと思います。一方で、日本は国土が狭く、再エネを最大限入れようにも、知見者や警官の問題もあり、また技術的にも、全てを再エネにするのには、なかなか難しいと思います。そこでお聞きしたいのですが、電気の安定供給には、今は火力電力を欠かすことはできず、発電分野からのCO2排出にも対策を打つ必要がありますが、こうした分野においても、カーボンニュートラルを実現するために、火力発電の脱炭素化をどのように進める見解でしょうか。CCSも含めて見解を伺いたします。
34:01
はい、資源エネルギー庁、久米電力ガス事業部長。
34:05
お答え申し上げます。委員御指摘のとおり、火力発電は、電力の安定供給を支えてきた重要な供給力であります。また、再エネのさらなる導入拡大が進む中で、当面は再エネの 変動性を補う調整力として、火力発電の活用は重要であると考えております。その上で、2050年のカーボンニュートラルを実現に向けては、安定供給を確保しつつ、水素・アンモニア・CCSを活用することで、脱炭素型の火力に置き換えていく方針でございます。燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素・アンモニアについては、トランジションとして根性から導入を行い、取り組みを進めていくことが重要だと考えております。その上で、高根性・染焼技術の確立により、早期に根性率の引上げ、さらには染焼化を目指してまいります。また、ご指摘のCCSについても、火力発電の脱炭素化という観点から重要な技術でありまして、2030年までの事業開始を目指す先進的CCS事業には、火力発電のCCS利用も含まれております。今後、諸外国の例を参考としながら、支援制度の在り方について検討するとともに、コスト低減に向けた研究開発や国民理解の増進など、総合的な取組を進めてまいります。電力の脱炭素化をしっかり進めるというご答弁をいただきました。発電が脱炭素化できないと、多くの中小・小規模事業者も、カーボンニュータルの達成は困難になると思います。2050年に向けて、しっかりと対策を講じていただきたいと思います。次に、地域の理解についてお伺いいたします。CCSを行うにあたっては、貯留地となる地域の理解が重要です。理解を得ていくためには、貯留地の開発がその地域の産業に影響を与えることを丁寧に説明していくことが大事と考えます。カーボンニュートラルが前提となる今後の産業では、企業単位のみならず、地域産業の単位でどのようにカーボンニュートラルを実現していくのか、その道筋を描いていくことが必要となります。CCSは、この際の有力な選択肢の一つになるものです。こうしたことを踏まえ、貯留地となる地域の産業には、どのようなメリットがあると言えるのでしょうか。地域産業の基盤を支える中小企業への影響を踏まえて教えてください。また、地域のものづくり中小企業がCCSを行うためには、産業収穫において、この二酸化炭素を分離回収する企業がサービス提供を行うような環境を整備する必要があると考えておりますが、経済産業省の見解をお伺いいたします。
37:05
CCSは、鉄鋼、セメント、化学など脱炭素化が困難な産業分野において、CO2排出を抑制していくための 重要なインフラとも言えます。このため、こうした産業が立地する地域の近隣でCCS事業を行うことができれば、その地域の産業や雇用の維持・発展に寄与するというふうに考えております。さらに、CO2の分離回収・輸送・貯流など、CCS事業そのものに関連する産業や、分離回収したCO2を使って、化学品・コンクリートの原料や合成燃料などを製造する産業の進出も期待されまして、こうした形で新たな事業雇用の創出に寄与するというふうに考えております。また、CCSの利用を中小企業を含め、幅広く地域に広げていくためには、CO2の分離回収や輸送のサービスについて、面的な広がりを持たせていくことが重要と考えております。その際、各排出源からのCO2を集約し、輸送・貯流のプロセスを共有し、最適なネットワークを地域に形成するハブ&クラスターのような形でインフラを形成していくことができれば、中小企業の初期投資やリスクの軽減、あるいは効率的なCO2バリューチェーンの構築につながっていくものと考えております。今後とも、様々なCCS事業の実証などを行いながら、中小企業を含め、幅広くCCSを利用できるような環境整備の在り方についても検討してまいりたいと考えております。
38:51
ありがとうございます。地域産業へのメリットを十分に説明することが、貯留地の開発だけでなく、その地域のカーボンニュートラルや新産業開拓の啓発につながります。ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいと思います。次に、CCS事業に対する支援についてお伺いいたします。CCS事業を地帯なく進めるためには、まずは今回提出されているCCS事業法案が成立する必要があると思いますが、これに加えて支援策が必要であると思います。政府の計画では、2030年までにCCSの事業を開始し、2026年頃に最終の投資決定をするとされております。私は建設業出身なんですが、やはりビジネスモデルがしっかりとあって、実際に支払いがどのように行われるのかがはっきりしないと、なかなか投資を行うのは不可能です。海外ではCCSの支援策の整備が急ピッチで進み、具体的なプロジェクトの許認可が下りていると聞いております。そこで我が国においても、CCSの最終投資決定を進める上で、あらかじめ支援策の整備が必要であると考えておりますが、政府の認識はいかがでしょうか。また、具体的にどのような検討が行われてきているのか、どのようなスケジュールで進めるのか、御答弁をお願い したいと思います。佐田光部長 御答弁申し上げます。委員御指摘のとおり、CCSに必要な大きな投資を、どのような形で誰に料金を払っていただいて回収していくのかという、まさにそのビジネスモデルがまだ確立していないということが課題でございます。このため、経済産業省では、横展開可能なビジネスモデルを確立していくために、模範となる先進性のあるプロジェクトの開発及び創業の後押しをしております。具体的には、令和5年度に先進的CCS事業で、CO2の回収源、輸送方法、CO2の貯留地域の組み合わせが異なる7つのプロジェクトを採択し、民間事業者による事業性調査などの取組を支援してございます。また、2030年事業開始という目標のためには、2026年を目途に、事業者が収支未踏出を得て、投資決定を行う必要が生じます。今後、こうした時間軸、あるいは先ほどの先進的CCS事業の進捗も踏まえつつ、予算・税・クレジット・カーボンプライシングなど諸外国の支援措置などを参考にしながら、率先して事業リスクをとる事業者の円滑な参入・創業を可能とする支援制度の在り方について、早急に検討を進めていきたいと考えております。西島君 ありがとうございます。CCSの最終投資決定を進めるためには、多くの検討を急ピッチで進めていく必要があると思いますが、ぜひしっかりと支援策を早期に明確化して、予算・税制、そして法制度など、躊躇なく対応をしていただきたいと思います。改めて、これまでの答弁を伺うと、CCSは大型のインフラ事業であり、大企業ばかり被益するような見える点もあると思いますが、政府としての認識はどうなのでしょうか。中小企業、そして小規模事業者が排出するCO2、自産化炭素の排出量は、1.2億トンから2.5億トンと、1割から2割を占めております。全企業数の99%以上を占める中小企業、小規模事業者においても、この脱炭素化に当たって、どのようなメリットがあるのか、改めて政府の認識をお伺いしたいと思います。
42:52
委員ご指摘のとおり、地域の成りわいや雇用を支える中小、小規模事業者がCCSによる脱炭素化のメリットを受けられるように進めていくことが重要であります。まず、CCSによる成りわいや雇用の確保の観点からは、CCSにより地域の産業の生産基盤が維持されることで、サプライチェーンでつながる中小、小規模事業者は、仕事や雇用の確保と拡大を図ることが可能になります。また、地域でCO2を裁量しコンクリートなどの製品を製造するカーボンリサイクルなどの産業が広が り、中小企業が新しい分野に参入していくことも期待されます。さらに、CCSによる電力部門の脱炭素化が進むことを通じて、サービス業を含む幅広い業種の中小、小規模事業者の脱炭素化に貢献していくことも可能となります。さらに、複数の中小企業から廃止されるCO2を集約し、CCSにつなぐアグリゲーターを地域に育成していくことにより、ものづくり、中小、小規模事業者が将来的にCCSをより直接的に利用することもできるようになります。引き続き、CCSにより中小、小規模事業者がメリットを受けやすくするための方策について、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
44:26
ありがとうございます。今回の水素、そしてCCSの2本案は、二酸化炭素の排出削減が困難な分野におけるカーボンニュートラルを進めるべく、これまで抜けていた対策のピースを埋めるための重要な方案だと思っております。ぜひ、中小企業も含めた産業界がこれらの対策を活用しやすい事業環境の整備を進めていただき、また、二酸化炭素削減にとどまらず、我が国企業が水素やCCSに関する 市場を世界で獲得できるように、政府としての後押しに期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
45:20
よろしくお願いします。自由民主党の小林でございます。本日は質問の機会いただきありがとうございました。早速質問させていただきます。まず、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律なすなわち、水素社会推進法案についてお伺いをさせていただきます。我が国は世界で初めて水素基本戦略を策定し、世界でも水素社会の先陣を切って推し進めてきました。今現在、世界で40カ国以上の国が水素に関する国家戦略を定めていると聞いていますが、そのように多くの国が水素に取り組み始めていることも事実だと思います。日本はもともと燃料電池などの技術に強みがあったからこそ、世界で初めての水素基本戦略を定めるなど、水素社会を進めることができたのだと思いますが、