14:55
農林水産委員会を開会いたします。政府参考人の出席要件に関する件についてお諮りいたします。食料農業農村基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官上村昇君ほか12名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。異議ないと認め、採用を決定いたします。食料農業農村基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。法案の出説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次ご発言願います。
15:35
おはようございます。自由民主党の佐藤圭でございます。早速質問に入りたいと思います。食料農業農村基本法は、制定から25年が経過をして、ロシアによるウクライナ侵略をはじめとした地製薬リスクの高まりや、気候変動による異常気象の頻発化など、制定時には想定していなかった情勢の変化に直面をしています。そのような中、今回の解析法案は、これらの情勢変化、課題に的確に対応し、食料農業農村政策の大きな方向性を示すものとなることが期待をされています。解析法案がその役割を果たすものとなり、また、この法案に基づいて、具体的な施策が着一に実施されるよう質問をさせていただきたいと思います。まず、食料安全保障の確保についてであります。先に述べました、ロシアによるウクライナ侵略をはじめとした地製薬リスクの高まり、気候変動等による世界的な食料生産の不安定化、世界的な食料需給の拡大に伴う調達競争の激化などを踏まえれば、今回の改正法案において最も重要な点は、食料安全保障の抜法的強化であります。この食料安全保障について、改正法第2条第1項では、食料の安定供給に加えて、国民一人一人の食料の入手の観点も含むものとして定義をして、その確保を基本理念に位置づけています。食料安全保障の定義について、その見直しの趣旨と合わせてお伺いをいたします。
17:08
まず、委員御指摘のとおり、近年、世界の食料需給が不安定化をし、食料の安定供給はより重要な課題となっているというふうに認識をしております。これに加えて、不採算地域からの小売スーパーの撤退や、高齢者を中心とした買い物の移動の不便さの増大、貧困格差の拡大等により、食品アクセス問題が顕在化をしております。これまでのように、十分な食料を総量として供給するという問題意識だけではなくて、どのような立場に置かれた方であったとしても、日本に暮らす一人一人の皆様すべてに適切に食料が入手できるかどうかということが重要な課題となっていると認識をしております。こうした情勢の変化も踏まえまして、国連食料農業機関FAOの食料安全保障の定義も参考にして、今回の基本法の改正案においては、基本理念の柱として、国民一人一人の食料の入手の確保の観点も含めて、食料安全保障を位置づけるということとさせていただきました。
18:20
ありがとうございます。次に、合理的な価格の形成についてであります。農業生産の持続可能性を含めて、食料供給全体を持続可能なものとするためには、価格は市場で形成されることを前提としつつも、生産から消費まで関係者の合意の下、努力に見合った必要なコストが価格に転嫁をされていく、こういった仕組みが必要です。お互いに利益が相反し合うこともありますので、大変難しい政策課題だとは考えますが、食料システム全体を持続可能なものとするためには欠かせないというふうに考えます。今後、合理的な価格の形成に向けて、どのように取組を進めていくのか、大臣にお伺いをいたします。
19:13
資材価格等が高騰している中で、食料の持続的な供給を行っていくためには、生産から消費に至る食料システム全体で合理的な費用が考慮されるようにする必要があります。こうした考え方を、今回の改正案にも盛り込んでいるところであります。このような仕組みにつきまして、検討を行うために、昨年8月より、生産・加工・流通・小売、そして消費等の幅広い関係者が一同に集まります協議会を開催し、関係者間で議論を重ねてきているところであります。この協議に当たりましては、取引関係に当たる当事者間で、委員おっしゃいますように、利益が相反する議論となることから、かねてより関係者同士で協調することを働きかけているところであります。引き続き、食料システムの持続性の確保という共通の目的の下に、関係者が相互に理解し合えるよう、丁寧に合意形成を図り、法制化も視野に検討を進めてまいります。
20:30
ありがとうございます。合理的な額の形成に関しては、大変、農業者の皆様の期待も高いと思います。一方で、まだまだ特定の分野に取り組みが限られているようにも見えますので、これをどうやって全体に広げていきながら、様々な農産物を生産する農業者の方々が安心していただけるような環境も整えていくのか、法案のことも含めて、大臣からは御発言がありましたので、しっかりと進めていただきたいと思っているところであります。次に、消費者の役割についてお伺いしたいと思います。食料の持続的な供給を実現するためには、合理的な額の形成を含めて、消費者の方々が農業をはじめとする食料への理解を深めて、実際の購買行動につなげていただくことが重要です。今回の改正法案において、食料消費に関して持続的な食料供給に資するものの選択を通じて、持続的な食料供給に寄与するという点を書き込んだことは、画期的だと思います。しかしながら、これを実現するためには、学校教育等の職域をはじめ、消費者政策の抜本的な強化が必要であります。また、農林水産省だけではなくて、関係省庁で相当連携を深めながら取り組んでいかなければならない。これは難しい課題だと考えますが、今後改正法案に基づいて、具体的に消費政策をどのように変えていくのか、大臣にお伺いをいたします。
22:25
改正法案におきまして、消費者の役割として農業等への理解を深めていただくとともに、食料の消費に際しまして、環境への負荷低減など食料の持続的な供給に資するものの選択に努めていただくということを規定しているところでございます。そのため、農林水産省では、食や農林水産業に対する理解を深めていただくため、生産現場の実態を知ることができる農林漁業体験や、給食での地場産物の活用をはじめとした学校での食育など、関係省庁と連携をして、さまざまな食育の取り組みをさらに進めたいと思っております。そして、生産者の環境負荷低減の努力を、星の数で消費者にわかりやすく伝えます「見える化」を推進してまいります。こういうことによりまして、国民の理解情勢や行動を変容に取り組んでまいりたいと思っております。
23:41
ありがとうございます。なかなか実際に国民の皆さんの行動変容につなげていくということは簡単ではないと思います。ですから、特に学校教育での食育、今大臣からも答弁の中で触れていただきましたけれども、こういった各省庁、どうしても縦割りになりがちですが、しっかりと縦割りを打破していただいて、大臣のリーダーシップで、しっかりこの政策を省庁全体、国全体で進めていただきますようお願いをしたいと思います。次に、食料安全保障の確保という観点では、我が国の農業、食品産業の発展を通じて、食料供給能力を全体として維持していくということが重要であります。我が国は人口減少に伴って国内 市場がどんどん縮小をしていく、そういった状況にありますので、農業、食品産業においても、輸出の促進ということに取り組まなければ、縮小の傾向というのはなかなか打破できないという状況であります。今回の改正法第2条第4項におきまして、食料安全保障の確保に向けて輸出促進というものが位置づけられたこと、これは高く評価したいと思います。非常に現実的だと考えています。今後、改正法案に基づいて、農業、食品産業の輸出促進にどのように取り組むのか、具体的な施策をお伺いいたします。
25:28
お答えを申し上げます。まず、委員御指摘のとおり、食料安全保障を考えた際にも、輸出促進というのは大変重要な要素であると考えております。今法案の改正案におきましては、輸出促進のための施策として、第22条において、輸出を行う産地の育成、農産物の関係者が組織する団体による輸出の取組促進、需要の開拓を包括的に支援する体制の整備などの規定を盛り込むこととしております。この規定に基づく具体的な施策としては、マーケットインの考え方を原則として、まずは輸出産地の育成については、海外の規制ニーズに対応して地域ぐるみで輸出向けの生産流通体系へ転換する取組支援や、一定量を継続的に輸出できる産地のフラグシップ輸出産地としての選定を実施します。そして、団体による取組促進としては、輸出重点品目について大臣認定をした15の品目団体によるオールジャパンでの輸出力を強化していきます。また、需要改革の支援体制といたしましては、輸出先国・地域において輸出事業者を規制情報の提供や、省流構築等の面から包括的に支援をする輸出支援プラットフォームによる取組の強化などに取り組んでいきたいと思います。
26:57
ありがとうございます。次に、国内の輸入の安定化についてであります。国内で生産できるものはできる限り国内で生産するというのが大原則でありますが、国民の皆様の食生活に合わせた生産を行おうとすれば、現在の国内の農地の3倍の面積が必要といった試算もあります。麦、大豆、飼料作物などは国内で全てはまかないきれないわけであります。また、菜種などの有料出資はほぼ海外から頼らざるを得ない状況となっています。こうした中で、改正法第21条の規定のとおり、現実的な問題としてある程度輸入も安定的に確保していかなければなりません。今後、改正法案に基づき輸入の安定化について具体的にどのような対策を講じられるのかお伺いをいたします。
27:46
はい、お答え申し上げます。国内生産で国内需要を賄うことができない食料や生産資材については、平時からの安定的な輸入を確保するには、我が国の民間事業者が担っている調達事業をより強靭なものとするための環境整備が重要であります。そのため、我が国と主要輸入相手国との間で、例えばですけれども小麦で言えばカナダやオーストラリア、そして肥料の輪についてはモロッコなどですね、そうした国々との間で政府間対話の機会等を活用して、相手国政府の理解協力を得ながら、食料や生産資材の安定的な輸入の確保に取り組んでまいります。併せて、我が国の民間事業者による調達に係るサプライチェーンの強化を後押しすべく、海外現地におい てこれらの事業者が有する集荷や船積み施設等に対する投資の促進を図るための予算も、令和5年度補正予算において計上したところであります。
28:48
またですね、食料安全保障の確保を図るためには、平時から食料安全保障の状況をですね、定期的に評価検証していくことが重要となります。これまで食料自給率の目標を設定、評価してきたわけですが、食料自給率単独では、例えばですね、肥料などの農業生産に不可欠な資材の安定供給の状況が反映されないといったことなど、施策の効果をですね、正しく評価することが難しいといった課題があることも認識しています。このためですね、改正法第17条では、食料自給率に加えてですね、食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めるものとされたというふうに認識しておりますが、これ一部ではですね、食料自給率の位置づけが弱くなるのではないかといった、そういった懸念も出ているところであります。食料自給率の位置づけは、低下するということになるのか、この改正法第17条の趣旨と合わせてお伺いをいたします。
29:49
はい、食料自給率は、国内で生産される食料が国内消費をどの程度充足しているかを示す指標として、引き続きしっかりとですね、位置づけていくこととしているものであります。国民に対する食料の安定的な供給については、国内の農業生産の増大を図ることを基本としているとおり、その位置づけが低下するということでは全くありません。他方で、食料自給率については、委員からも御指摘が今ありましたが、海外依存の高い小麦大豆の国内生産拡大等の増加要因と、自給率の高い米のですね、消費の減少等の減少要因の相互が作用することとなっており、個別の要因の評価がまず難しいということと、またですね、肥料などの生産資材の安定供給の状況が反映されないといったものであるということから、食料安全保障の確保のための施策の効果を食料自給率という単独の目標で評価をするということは難しいというふうに考えております。このため、基本法改正法案の第17条においては、食料自給率やその他の食料安全保障の確保に関する事項の目標というのを定めることとしているものであります。
31:08
ありがとうございます。食料自給率の位置づけが低下する、軽視をしているんじゃないかという指摘に対して、しっかり対外的にも説明をするようにしていただきたいと、そのように思います。次に環境とですね、調和の取れた食料システムの確立について伺います。人口が減少する中でも、持続可能性という観点からは、地球温暖化防止、生物多様性の保全などですね、環境への対応も併せて求められています。特に輸出の拡大を行うにしても、近年はオーガニックの農産物の生産が有効な手段になり得ると、こんなふうに考えています。私の地元の奈良県におきましても、緑の食料システム法に基づきまして、天理市においてはですね、地域ぐるみ環境負荷低減に取り組む特定区域の設定、また宇田市においてはですね、環境負荷低減事業活動実施計画の認定が行われるなど、取り組みが広がっているように思います。私の地元の奈良県でも、この天理市、宇田市の取り組みを見てですね、我々もやっていこうという、やはりそういった広がりがですね、出てきているのかな、そんなふうに感じているところであります。一方で、我が国はこの冷凍乾燥な欧州と異なってですね、非常に温暖出汁な気候でありますから、有機農業への取り組みは、これは非常に意欲的、チャレンジングな取り組みであるというふうに考えます。緑の食糧システム戦略では、有機農業の作付け面積を100万ヘクタールまで増やすというですね、かなり壮大な目標を掲げていますが、これ具体的にどのように実現をしていくのか、生産現場にどのような具体的な行動変容を求めていくのか、大臣にお伺いをいたします。
32:57
有機農業は、生物多様性の保全など環境負荷の低減に資する取り組みであるとともに、有機農産物を活用したブランド化による国内外の消費者の評価向上にもつながるものであります。このため、緑の食糧システム戦略におきましては、意欲的な目標を掲げているところですが、その実現に向けまして、緑の食糧システム戦略推進交付金によりますオーガニックビレッジの創出や、先進的な有機農業者の栽培技術の横展開をすることにしております。オーガニックビレッジにつきましては、2025年までに100市町村を創出する予定でありますけれども、すでに、委員ご地元の天理市、宇田市をはじめていたしまして、93 の市町村が名乗りを挙げていただいております。それから、環境保全型農業直接支払交付金によります有機農業の取組支援、さらには、緑の食糧システム法に基づきます地域ぐるみで有機農業の団地化等に取り組む特定区域の設定などによりまして、有機農業の取組拡大に向けた行動変容を促しているところであります。その上で、2050年の目標達成に向けまして、自動除草ロボットの普及、それから病害中抵抗性を強化した品種の育成等の次世代有機農業技術を確立してまいります。多くの農業者が経営の選択肢の一つとして有機農業に取り組むことができる環境を整えてまいります。
34:48
ありがとうございます。非常に有機農業は大きな可能性を秘めていると思いますので、しっかりと後押しをお願いしたいと思います。有機農業をはじめとした環境負荷提言の取組を広げていくためには、生産現場の取組だけではなくて、消費者に対してわかりやすい情報提供を行って、また行動変容を起こしてもらう、購買行動につなげてもらうということも必要であります。こういった考えのもと、農水 省では温室効果ガスの削減等への貢献の度合いをわかりやすく表明する、見える化の取組を開始したと認識していますが、この見える化の取組どのように広げていくのか、政府参考人にお伺いいたします。
35:37
お答えいたします。緑の食糧システム戦略の実績に向けまして、調達から生産・加工・流通・消費に至るまでの食糧システム全体で環境負荷提言を図ることが大切でございます。このため、農業者の栽培情報を用いまして、農産物の生産段階における温室効果ガスの削減や生物多様性保全に貢献する環境負荷提言の取組を評価いたしまして、星の数で消費者にわかりやすく伝える見える化の取組を本年3月から本格運用しているところでございます。一方、昨年内閣府が実施した世論調査では、消費者の8割以上が環境に配慮した農産物を購入したいと回答した一方、環境に配慮した農産物を購入しないと回答した消費者の6割以上がどれが環境に配慮した農産物かわからないためというのを主な理由と挙げております。このため、マニュアルや説明動画の充実、地方農政局も一体となった全国各地での研修会の開 催、相談会受付等のサポートを行うほか、小売や外食等を含む有料事例の紹介などを行いまして、生産者にとって取り組みやすく、消費者にとってもわかりやすく選択につながるものとなるよう見える化の取組を進めてまいります。
36:54
ありがとうございました。次に農業の持続的な発展に関する施策についてお伺いをしたいと思います。農業の持続的な発展を図るためには、まずは収益性の向上を通じた所得の向上が重要となります。当然でありますが、収益性の向上には生産性の向上による費用の低減、また、付加価値の向上による売上げの増加、この2つがあるわけであります。農地の収穫、収益等による生産性向上ももちろん重要な取組ではありますが、補助の条件等によっては、規模拡大による生産性の向上が困難な場合もあり、付加価値の向上の取組が大事だというふうに考えます。私の地元の奈良県を見ていても、中産幹地が多かったり、また農地の収穫が進みにくい、こういった中でどうやって農業を成り立たせていくのかというのは非常に難しい課題だと考えています。そうい った中でも、奈良県においては、県が主病法に基づく育成者権を取得して、奈良県のブランド農林水産物、奈良県プレミアムセレクトとして認証されているイチゴのコとかといったものがあったり、この知的財産を活用した付加価値の向上の取組というものが進められて、これは非常に成功している例だというふうに思います。付加価値の向上には、このような地域の知的財産を活用した取組が重要だというふうに考えますが、今後どのように推進していくのかお伺いをいたします。
38:29
はい、お答え申し上げます。農業の持続的発展に向けては、各地域の農産物をブランド化をすることにより、他の農産物と差別化をして付加価値の向上を図ることが効果的であります。農産物のブランド化に向けて、農林水産省では、まずは地域特有の農産物について、GI制度や商標の活用促進、そして種苗法に基づく新品種の登録に当たっての国内の栽培地域の限定など、知的財産の保護活用を推進をしているところであります。さらに、こうした知的財産の保護活用の取 組が進むように、農業現場の知的財産に関する意識向上を図るための研修を実施するとともに、現場に対し的確なアドバイスができる専門人材の育成を推進してまいります。先生の御地元の奈良の子とか、最高においしいイチゴだというふうによく認識をしておりますし、また、飛鳥村でいただく飛鳥ルビーは最高だというふうに認識をしておりますが、この答弁書にはないんですけれども、一つ申し上げなければならないのは、産地間でいいものを競い合うというのも大切だと思いますが、なかなかいう素晴らしい品種というのは海外にあるものではありませんので、これからやっぱり地材をちゃんと守って海外でも稼いでいくというようなこともですね、農家の皆さんにとっては大切な要素になろうかというふうに思います。
39:58
ありがとうございます。子とかはじめアスカルビーであったり、奈良県の農産物、しっ かり召し上がっていただいていることを感謝を申し上げたいというふうに思いますが、また今副大臣からですね、御指摘のあった事項についても、また地元の農業者の皆さんと情報共有しながらですね、しっかり取り組みたいというふうに思っております。農業の持続的な発展という観点では、担い手の確保育成もですね、必要であります。しかしながら、基幹的農業従事者は、基本法制定時から半減して今約120万人となっていますし、また今後20年間でさらに30万人まで減少する見込みであります。基幹的農業従事者の減少の要因をどのように分析しているのか、また今後どのようにして担い手の確保育成を図っていくのか、お伺いをいたします。
40:48
はい、お答え申し上げます。個人経営体の農業者である基幹的農業従事者は、この20年間で104万人減少しておりますが、このうち7割以上のですね、77万人を稲作に関連 する農業者が占めております。稲作については、機械化等の進展を背景に、少ない労働時間で生産できる体系が確立していったため、高齢の農業者が多く従事をしておりましたが、こうしたご高齢のですね、稲作の農業者が、この20年間でいよいよリタイアする局面にあったことから、農業者が全体として大きく減少したものと考えております。こうした中で農林水産省といたしましては、次世代の農業者の確保に向けて収納に向けた様々な資金メニューでの支援、新規収納者の経営発展のための機械施設等の導入支援、そして研修農場の整備などサポート体制の充実への支援、そして新規収納の受け皿としても重要な農業法人の経営基盤強化など、あらゆる施策を講じて、担い手の育成確保を図ってまいりました。それでも将来は、現在よりも相当精度少ない人数で農業生産を担うことも想定しなければならないというふうに考えており、農地の収積、収約化と農業生産基盤整備、スマート農業技術の開発実用化の加速化、そして経営体をサポートするサービス事業体の育成確保などを一体的に推進をすることが必要不可欠と考えております。さらには、それでも足りない部分については海外からの人材に頼らざるを得ないというふ うに考えておりまして、海外からの人材が働きがいを持ってしっかり地域で農業を二重視ができるような環境整備も大切かというふうに考えております。
42:43
ありがとうございます。今、基幹的農業従事者の減少の観点、しっかり答弁をしていただきましたが、この基幹的農業従事者の減少を補うという観点で、農業法人というものが非常に重要になってくるというふうに思います。農業法人は、農地面積の約4分の1、販売金額の約4割を担うまでに今、成長しています。今後担い手の確保育成の観点に加えて、また地域の雇用の受け皿という観点でも、農業法人の役割が重要になるというふうに考えますが、低い自己資本比率など財務面での脆弱性といったことも指摘をされている、そういった状況であります。改正法第27条に位置づけられた農業法人の経営基盤の強化に向けて、今後具体的にどのような施策を進めていくのか、お伺いをいたします。
43:39
はい、お答え申し上げます。我が国全体で人口が減少する中で、個人経営体の基幹的農業従事者については、この20年間でおおむね半減をしている一方で、法人等については、農業従事者が増加をし、委員御指摘のとおり、農地面積の約4分の1、そして販売金額の約4割を担うまでになっております。その結果、農業総産出額は約9兆円を維持することができております。このように農地や雇用の受け皿として、農業法人が果たす役割は、ますます重要になっている中で、その経営基盤の強化が重要な課題というふうに認識をしております。このため、今般の基本法改正案においては、新たに農業法人の経営基盤の強化を規定をしているところであります。併せて、農業現場の懸念に対応した措置を講じた上で、食品事業者との出資等を通じた連携による農地所有的格化法人の経営基盤強化のため、義決権要件を緩和する特例措置を講ずる農地関連法制の改正案を国会に提出をしたところであります。こうしたことも踏まえつつ、農業法人に対して補助金、金融措置、税制措置など幅広い支援策を講ずるとともに、経営管理能力の向上のための研修プログラムの策定、自らの経営状況を財務分析するソフトの開発などの取組を総合的に実施をしてまいりたいと思います。
45:16
ありがとうございます。農業生産にあたっては、出資、肥料、飼料等の農業資材が不可欠であります。農業資材の中には、我が国で生産できない資源を原料とする肥料をはじめ、国際情勢の変化によって輸入リスクが高まるものがたくさんあります。農業資材の安定的な供給を確保する旨を定めた改正法第42条の規定は非常に重要なものだというふうに考えています。一方で、出資については、米や野菜の出資供給に対する漠然たる不安や、野菜の出資に関しては海外からの輸入が多いとして、出資の安定供給を懸念する声が一部に聞かれています。米、野菜の出資の供給状況、また今後の安定供給に向けた施策について、政府参考人にお伺いいたします。
46:09
お答えいたします。米の出資につきまして、国内流通のすべてが国内で生産されております。また、野菜の出資については約1割が国内生産、約9割は海外での生産ですが、海外生産は日本の種苗会社が出資生産に適した世界各地にリスク分散して生産しているものでございます。また加えまして、国内の備蓄として約1年分が保有されており、安定的な供給体制が構築されております。出資は農業生産に欠かせない大切な農業資材でありまして、基本法の改正案におきましても、出資も含む農業資材の安定的な供給の確保42条、また海外での生産が適している品目を念頭に、その安定的な輸入を確保する第21条等を新たに位置づけているところでございます。農林水産省としては、今年につきましては引き続き、官民の連携、協力や権益を超えた出資供給体制の整備を進めるとともに、野菜については国外における新たな再出資の開拓や国内での効率的な再出資技術の導入、実証を図るなど取組を後押しすることにより、出資の安定供給を図ってまいりたいと考えております。
47:21
ありがとうございます。次に農村の振興に関する施策についてお伺いいたします。国内人口の減少が進行する中、特に農村、農産村においては、その影響が顕著に生じておりまして、今後農業や生活の基盤としての地域コミュニティの維持自体が難しくなるということが懸念をされています。このため、改正法案では、いわゆる関係人口などの農村との関わりを持つ者の増加を図る旨が規定をされています。これは非常に重要な規定だというふうに思います。ただ、農村の振興という観点では、私も参議院議員になる前は、総務省、旧自治省の職員として約12年半勤めてまいりましたが、その間、北海道町に1年8ヶ月、茨城県の日立太田市、これはもう人口5万人を切る、また合併していますので、過疎地域を含む地域でありますが、その日立太田市の企画部長、総務部長として約3年弱、東日本大震災の復興復旧などにも関わってきたわけでありますが、こういった農産村の人口を増やしていく、また関係人口を増やしていく、こういった観点は、総務省も長らく取り組んできたところであります。今回、農林水産省も、また農林水産省の観点から、農産村の維持ということに関して取り組んでいただいているわけでありますが、これはぜひ関係省庁が、やはり連携をしながら、またこれも取り組んでいくことなんだろうと思っています。私は今、自分が総務省の出身なので、総務省の話をしましたが、総務省だけではなくて、農水省もそうですし、また国庫省であったり、いろいろな関係省庁が関わっているわけでありますから、この農村をどうやって維持していくのかという観点で、関係人口を増やすだけにとどまらず、さまざまな取り組みを進めていただきたいと思いますが、農水省、また総務省、関係省庁をしっかり頑張っていただくという、そういった意気込みも含めて、この関係人口と関係人口などの農村との関わりを持つものをどのように増やしていくのか、副大臣に意気込みも含めてお伺いしたいと思います。
50:05
(副大臣) はい、お答え申し上げます。中山間地域等をはじめとする農村地域について、
50:44
次に、国際農副連携などの農産漁村初イノベーションの取組を通じた農村における所得と雇用機会の確保、そして農村型地域運営組織、いわゆる農村RMOというふうに呼んでおりますが、これの形成を通じた地域課題の解決や長寿被害防止対策の推進による
52:20
ありがとうございます。副大臣から、気合を入れて頑張るという発言をいただきました。ありがとうございます。今、地域おこし協力隊のことも、総務省の、近年、稀に見るヒット商品であるわけですけれども、総務省のですね。私もですね、茨城県の日立を出して、地域おこし協力隊の担当部長でもあってですね、やはり、よそ者、お若者、それから、ばか者と言われますけども、こういった方々がやっぱり外部から入っていただいて、地域の方々と交わる中で、本当にいろんな力が生み出されます。ただ、その中でですね、やはり、昨日も一昨日か、日立の方をですね、茨城県の方に行ってきたんですけども、やはり地域にですね、みんなを巻き込んでいくリーダーという方がいるかどうかということが、結局最大のポイントだというふうに思います。ですから、いろんな他地域のですね、いい 事例を横展開しようとしても、結局できないんですね。それは、いい事例なんで横展開できないんですよ。横展開できるんだったら、いい事例じゃないんでですね。ですから、そういった、やはり、キーマンを育成していくということ、これは総務省もやってるんですけども、この地域リーダーという方々をどうやって見つけて、また育成していくか、こういったことにもですね、副大臣には関心を持っていただきながら取り組んでいただきたいな、そんなふうに思っているところであります。今ほどですね、副大臣の答弁の中でも触れていただいたんですが、この関係人口をですね、農村に定住する、定住人口につなげていくという観点、これはですね、買い物支援とか、生活の利便性の確保に取り組む、この農村ROMOの推進というのが、やはり重要になってきます。改正法第47条においてもその旨が規定をされていまして、奈良県においてもですね、例えば、勝良木山陸地域田中振興協議会というのがあるんですけれども、田中の保全活動に加えてですね、地域住民と連携した社会活動をですね、取り組んでいます。こういった農村ROMOの取り組みですね、既に触れていただきましたが、具体的にこ ういった農村RMOの推進に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、政府参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
54:42
お答えいたします。農村RMOに関しまして、農林水産省では複数の集落の機能を補完して、農業調善活動や農業を確保した経済活動と併せて、生活支援と地域コミュニティの維持に資する取り組みを行います農村RMOの形成を推進しているところでございます。具体的には、モデルとなります組織の形成を推進するため、地域協議会によります将来ビジョンの策定や実証事業等の取り組みへの支援、地域での活動が円滑に進むよう、きめ細かくアドバイスをしたり、相談に対応する都道府県レベルでの搬送支援体制構築への支援、さらには関係府省と連携した制度や事例の周知でありますとか、知見の実績等や共有といった全国レベルの取り組み等を進めているところでございます。今後ともこれらの取り組みを通じまして農村RMOの形成を推進してまいりたいと考えております。
55:46
ありがとうございます。農村には優れた景観、農産物などの、また人もそうだと思うんですけど、地域資源というのがたくさんあります。景観を生かした観光サービスの展開や農業とIT企業の連携によるインターネット販売の展開、また、ちょうど視察のときには、この民泊が非常に人気で、非常にしっかりとした、それによって収入もあるといったお話も聞かせていただきましたが、そういった価値、見えていない農産村の価値というものがありますので、こういったものをしっかり活用していただきながら、雇用とか収入の増加に加えて、また関係人口の増加、定住人口の増加というものを取り組んでいただきたいと思いますが、その旨、改正法第45条に位置づけられているわけでありますが、この地域資源の活用といったときに、どういった事業を推進していくのか、こちらも政府参考人にお伺いをいたします。
56:52
お答えいたします。地域資源を活用した事業活動につきましては、これまでも農林水産物に限らない多様な地域資源に着目いたしまして、多様な主体の参画を求めて、新事業や付加価値の創出を図ります、農産業村発イノベーションを推進してきたところでございます。今後、新たな基本法において、関連条文が新設されたことを踏まえまして、農産業村発イノベーションの事業化に向けまして、新事業の掘り起こしや付加価値の創出を後押しし、農村における所得の向上や雇用の確保を推進していく考えでありまして、具体的には、農産業村に宿泊し、滞在中に地場産の農林水産物を活用した食事でありますとか、田舎などの景観といった地域資源を楽し む農博につきまして、さらなる宿泊者数、インバウンド遊客、関係人口の増加に向けまして、取組を進めてまいりたいと考えております。また、さらに従来の6次産業化の取組につきましても、インターネット販売等に取り組むことによる販路の拡大や経営コストの削減などに、大きな効果を発揮いたしますデジタル技術の活用の推進などをしてまいりたいと考えております。
58:16
ありがとうございます。また、農産村を守っていくためには、長寿被害に対してしっかり取り組んでいくことも重要であります。長寿被害は工作放棄、利農の要因となるだけでなく、農村の生活環境にも影響を与えます。依然として野生長寿の個体数の水準は高くて、長寿被害が生じるリスクは高い状況にある中、改正法第48条においては、長寿被害の防止に取り組む規定が規定されました。これは非常に大事だと思います。当委員会でも各先生方からクマのお話もありました。これは奈良県でも非常に問題になっています。薬場の前にクマが出てくるような環境であったり、人が生活するのに大変恐怖心を持ちながら生活をしなければならない状況もあります。また、奈良県は農業生産額としては東京、大阪、奈良と下から3番目ですが、それでもどの地域に行っても長寿被害はかなり地元の要望として上がってきます。例えば、鹿やイノシシの個体数は減っているのですが、長寿被害はなかなか解消されないということが、地元の皆さんの大きな声でありまして、我々も「個体数は減ってきている」という説明はもちろんするのですが、「減っているけど何も変わっていない」というのが、正直我々としてもなかなかつらいところです。ですから、これはもちろん国だけではなくて、市町村がかなりメインで取り組まないといけない、そういった仕組みになっていますけれども、これを相当頑張っていただければならないのかなと、そのように思っているところであります。今後、長寿被害の対策を具体的にどのように進めていくのか、こちらは政府参考人にお伺いをいたします。
1:00:20
お答えいたします。長寿被害の関係でございますが、農作物被害をはじめ野生長寿による様々な問題は、人口減少化において農村を中心にますます深刻になると懸念されているところであります。こうした認識の下、改正案第48条におきまして、農村振興に係る施策の一つとして、長寿害対策を位置づけたところであります。長寿害対策につきましては、御指摘のように農家だけでなく、市町村も含めて、農村全体の問題として捉え、各地域の行政にも関与していただきながら、一つは被害を起こす長寿の捕獲、二つ目としては、新入防止策の整備等の新入防止対策、三つ目としては、餌となる柿とか栗の実の等の処分でありますとか、ヤブの枯れ生え等の生息環境の管理、この三つが重要でありますが、この三つを一体的に取り組むとともに、捕獲した長寿の自肥利用について、より効率的・効果的な対策を地域ぐるみで実践していく必要があると考えております。今後、これらの対策をさらに強化するため、捕獲従事者のみならず、被害対策を指揮できる高度な人材の育成や、効率的な捕獲や柵の維持管理のためのICT機器の活用、追い払いや生息環境管理等の取組における地域住民の参加促進を図るほか、捕獲長寿の自肥利用の拡大に向け、捕獲個体の自肥処理施設への搬入促進や、自肥ハンター等の育成などの取組を推進し、しっかりと対策を進めてまいりたいと考えております。
1:02:06
ありがとうございます。これは本当に農産素を守ってい く上で、非常に重要な取組でもありますし、非常に切実な問題でもありますので、しっかり頑張っていただきたいなと、そのように思います。また、特に人口減少の影響が生じている農村においては、省力化に資するスマート技術の導入が必要になってきます。特にこういった場合は、耕地面積が狭い中で、どうやってこのスマート農業を生かしていくのか、こういった難しい問題にも直面するわけでもありますが、こういった問題、それから、なかなか一形態では購入できないほど高額な農機もありますので、このサービス事業体を通じて、スマート農業の福を図っていくということが重要なわけでありますが、今後、このスマート農業の現場の実装に向けて、どのように取り組んでいくのか、これも政府参考人にお伺いをいたします。
1:03:03
お答えいたします。今後の農業者の急速な減少等に対応いたしまして、農業の生産性の向上を図っていくことは非常に重要でございます。農業者をサポートするサービス事業者の役割が非常に重要になってくると考えております。特にこの農業者がスマート農業技術を活用する上では、スマート農機等の導入コストが高かったり、それを扱える人材が不足している、果実や野菜の収穫など、スマート農業技術の開発が不十分な領域があるなど、生産サイドと開発サイド双方で課題が明らかとなっております。このため、生産サイドでは、農業者のコスト低減等の観点から、スマート農機等のレンタルや農作業の受託、開発サイドでは特に必要性が高いスマート農業技術等の開発や農業者への供給などを行うサービス事業者の取組を促進することが必要であります。今国会に提出しているスマート農業技術活用促進法案では、スマート農業技術の活用をサポートするサービス事業を新たに定義付け、生産と開発の計画にスマート農業技術活用サービスに取り組む者が参画できることとし、これらの認定を受けた事業者に対し、税制金融などにより積極的に支援することとしております。さらに予算面では、スマート農業機械の導入やサービス事業体の育成等に必要な予算を、令和5年度補正予算及び令和6年度予算において措置しているところでありまして、今後とも農業者がスマート農業技術を活用しやすくする環境の整備に取り組んでまいります。
1:04:35
ありがとうございます。最後の質問になりますが、ちょっと気が早いんですけれども、基本法が国会で成立した暁には、基本法の理念を実現するためにそれを実行する予算が必要となります。特に来年は基本法改正初年度にふさわしい予算というものが求められるというふうに思います。また国民の皆さん、また農業者の皆さんもこれ期待をしていると思います。今日のおそらく質疑の中でも農林水産予算ちょっと少ないんじゃないかと、そういったいろんな各先生方からも声があるのかなというふうに思います。もちろん安全保障も重要であります。社会保障も重要であります。しかし食料安全保障というのも、これもまた大変重要でありますから、基本法改正初年度において、食料安全保障の強化に向けて、必要な予算をどのように確保していくのか、大臣に最後お伺いをいたします。
1:05:32
現在提案をさせていただいております、食料農業農村基本法の改正案を成立させていただきましたならば、政府といたしましては、これに基づきまして食料農業農村基本計画を策定いたします。その中で基本法に定める施策の具体化を行ってまいります。その上で基本計画に定める施策を的確かつ着実に進めていくためには、その施策の推進の原動力となる予算をしっかりと措置することが重要であります。今後とも食料安全保障の強化をはじめとした農林水産行政の課題に対応するために、当初予算はもとより補正予算 も含めまして、あらゆる機会をとらえて必要な予算の確保に努めてまいります。
1:06:29
ありがとうございます。大臣には頑張っていただきたいというふうに思います。少し時間がありますので、副大臣と政務官にもしっかり予算確保を頑張りますということを一言でよろしくお願いしたいと思います。
1:06:44
しっかり頑張りますので、一緒に御指導いただければというふうに思います。
1:06:51
坂本大 臣の下、鈴木副大臣とも連携して、しっかりと予算確保できるように努めてまいります。
1:07:04
ありがとうございます。ここがやはり起点になるというふうに思うんですよね。ここが発射台になるというふうに思いますので、ここを妥協して十分な予算でなくなれば、これは相当この後影響が出るというふうに思いますので、ここにいらっしゃる先生方、与野党を含めて農林水産関係予算、これは大変重要だといった思いの先生方が多いというふうに思いますので、そういった思いも受け止めていただきながら、しっかり政務三役、また事務方の皆さんも含めて、しっかり財政当局に要望、要求、説明をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。時間となりましたので、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
1:07:54
おはようございます。立憲民主党の田中雅代です。いよいよ基本法の審議入りということで、よろしくお願いいたします。今、佐藤委員の方から、農水予算大事だよね。いや、本当そのとおりだと思います。与党の皆さん、本気で頑張ってくださいよ。大臣も今、御発言で補正予算を含めておっしゃったんですけど、そもそも私はこの補正予算の在り方というか、補正予算頼みの予算というのは、基本やっぱり間違っていると思いますよ。当初予算で必要なものをしっかりとっていくってことなんですね。私がやっぱり心配しているのは、食料安全保障本当に大事なんだけれども、防衛費も国民の危機をあおって、確かに緊張感が高まっていますよ。それで予算必要なんだと。今も食料安全保障、大変なことが起こるかもしれないからっていう、危機確保って予算を取るっていうよりは、平時からの安全保障が大事だって、これを共有しているわけですよね。今の日本の農業って いうのは、安全保障がどうかよりも、この平時の農業が持続できないんじゃなかろうかというところまで追い込まれているわけですよ。だから、聞こえのいい農業大事だよねとか予算もっと必要だよね、分かってますよ。やってくださいよ、本気で。言ってるじゃないですか、ずっと。このままでは持ちませんよということ。この思いみんな共有してるんですよね。ぜひ、もう一つは、食料安全保障に絡めて、必要のない予算の取り合い込みみたいなことをしないでくださいよ。本当にこれからの日本の農業の発展、農林水産業の発展、持続可能性、再生産可能な現場の状況を作っていくために、本気でやるんだと。もうちょっと大臣、一言いただけませんか。
1:10:08
私たちは補正予算だるみでやっているわけではありません。しっかりと投資予算で獲得できるものは、獲得しなければ いけないと思っております。そして補正予算は、円安や資料構造も含めて、その時々で事態も変化をしてまいります。その事態に応じて、しっかりと補正予算も含めて、予算を獲得するという意味で、先ほど申し上げたところでございます。平時において、いかにやはり食料を増産をして、そして国民の一人一人の手元にお届けすることができるか、そのことを最大限の使命として、私たちは仕事をしているところであります。
1:10:50
ありがとうございました。私たち我々も、そういう思いでしっかりと取り組んでいきたいと思っていますし、そうは言っても、補正予算頼みになっていることは、私は事実だと思いますよ。しっかりと必要な予算を、これは党派を超えて、日本の農林水産業のために本気でやっていくという、その思いを一言、私からも申し上げておきたいと思います。我々立憲民主党では、これまでこの基本法の改正に向けまして、先日も徳永委員の方からお話ありましたけれども、農水キャラバン、全国回らせていただいて、現場の皆さんからのご意見も、相当聞かせていただきましたし、また専門家の方々からも、いろいろと御指導をいただいてきました。ちょっとここでお時間をいただいて、もう本当に一部、相当厚い資料を作らせていただいて、現場の声というものもまとめさせていただいたんですが、例えばですね、収入保険、ナラシー、農業協債といろんなセフティネットあるけど、コスト増に対しては十分な機能を発揮していない、業位政策を構築してほしい。国はその場その場の考えだ。減炭政策で田んぼにハウスを建てれば補助金が出た。今では田んぼに戻せ、ハウスを壊して田んぼに戻せるか。大砲は問題じゃない。食料さえ止めればいい。ウクライナの問題で小麦が入ってこなくなったら、どう対処するのか。我々農家は食っていけ 、ごめんなさい、そのままの言葉です。我々農家は食っていけるが、消費者はそうはいかない。金があっても食えない時代になるのではないか。農家の最低賃金を上げてくれればいい。炭価が上がらない。物がどんどん上がっていく。いいものを使わないといいものは取れない。助けてくださいよ。コストが上がっているから、これを機にやめようかということになっていくと。今だいぶそうなってきている。ここら辺は年老いりしかいないから。これは本当の中産官の現場の声でありました。農業で食っていける。それなりに生活ができるような所得があればいいはず。それが今はない。ないのに頑張れ頑張れと言っている。何を頑張ればいいのか。こういったご意見を聞かせていただきました。こういうことを踏まえて、私たちも基本法をより良いものにしたいと思って、衆議院では修正案を出させていただいたのですが、まあ、よっと思うと皆さん、一個も飲んでいただけなかったと。基本法ですよ。できるだけね。これはみんな一致して、これからの日本の農業の未来、同じ方向を向かっていこうよと、個別の具体的な政策は、いろいろあるかもしれませんよ、議論は。それはそれでやればいいですよ。でも基本じゃないですか。国家の基本、農業の基本、農業の憲法と呼ばれる土台を作るために、我々だって何かね、反対ありきで、これをなんか清掃の具にしたいと思ってやってきたわけじゃないですよ。真面目に議論をして、より厚みのあるものにしたい。それは皆さんと一致しない考え方もあったかもしれない。それはそれで言っていただければよかった。そんなにね、一つも飲んでいただけないほどね、ひどい提案したなんて思ってないですよ。今までの農政で、日本の農業が良くなっているなら、ああそうですか、皆さんのおっしゃる通りやっていればいいですね、と言いたいところだけれども、そうじゃない以上は、少しでも幅広い意見を聞いていただいて、みんなで力を合わせる必要があったんじゃないでしょうか。それを全く否定したということは、到底私は信じられません。非常に傲慢だというふうに思いながら、この間、我々、じゃあどうしていこうかということを議論してきました。そういったことを踏まえて、今日は大臣に質問させていただきたいというふうに思いますので、大臣どうぞよろしくお願いをいたします。まず目的に食料安全保障の確保が追加をされまして、基本法とは別に関連されたら、新たな法案も提出されますよね。それはまたちょっとこれから、審議医者からやらせていただきますけれども、第24条の2項不足時における措置では、国民が最低限必要とする食料の供給を確保する必要があるとき、食料の増産や流通の制限、その他の必要なし施策を講じることになっています。不足の事態で食料を増産する場合、改めてお伺いしますけれども、どういう作物を増産するんですか。
1:15:17
まず基本的なことからお答え申し上げたいと思います。改正基本法第24条は、食料供給が大幅に減少し、国民生活、国民経済への影響が生じる事態に備えるために、措置を講ずることを旨とした規定でございます。この実態法として、今回、今国会には、基本法とは別に、食料供給困難事態対策法案を提出したところでございます。本法案におきましては、事態の深刻度に応じた対策を講じることとしておりますが、委員お尋ねの国民が何をするかということにつきましては、その時々の情勢に従わなければなりません。小麦が途絶えた、あるいは米が作業質が極端に悪くなった、そういったものをしっかりと把握しながら、今後に備えていかなければならないというふうに思っております。
1:16:24
お答えいたします。国民が最低限度必要とする食料の供給が確保されず、また、確保されない恐れがある状況については、国内によって必要な食料を賄わなければならないという必要性が高い状況でございますので、芋類や米などの熱量の高い品目のほか、生命の維持に必要なビタミンの供給に必要な野菜等の増産を図っていくということが基本となるというふうに考えています。
1:16:50
おっしゃるのはその通りなんですけれどもね、ちょっとそういう答弁で、政府の考える食料安全保障って、どういう状態なのかなというのが、分かりにくくなって、究極本当にね、例えば、輸入が全くされない、国内で備蓄も尽きたとか、なんていうかな、諸外国の情勢によって日本国内でも、生産もなかなか無理、資材が入ってこなくて生産ができない、備蓄も尽きる、本当に必要最低限のものを供給するために、いよいよどうするかという考えなのか、そうじゃなくて、大臣おっしゃったようにね、ちょっと小麦が足りなくなったので、小麦増産しましょうか、みたいなことも含めて、食料安全保障と、不足の事態というのは、そういうところから考えればいいってことなんでしょうか。ちょっと改めてお願いします。
1:17:49
不足の事態、様々なケースが考えられると思います。一つはやっぱり気候変動、干ばす等によりまして、世界の食料増産、食料生産が危機に陥る。それからやはり紛争によりまして、これまで輸入していたところからの輸入が途絶える。あるいは東アジアの紛争によって、様々なルートが途絶される。あるいは一方の方で、世界の航路、こういったものが非常に封鎖される。あるいは独占されてしまう。こういう様々なケースの中で、やはり食料の供給困難事態が生じる。というようなことを想定しているところであります。
1:18:34
これまでも申し上げてきたんですけれど、私はやっぱりこの食料、不足の事態に備える、日本の食料安全保障というのは、米だと思っているんですね。米であり水田。例えば、農水省のホームページ、小麦のところを見ると、今大臣、小麦を作ることも、いやもしかしてあるかもしれないでしょう。私は小麦を国産で、もっと持久を高めていくということは、大事だと思っているんですね。だけれども、まさに収穫期が梅雨と重なる日本では、不向きな作物なわけですよ。これ農水省のホームページに書いてある通り。日本は梅雨によって、小麦の安定生産が難しいことに加え、水田の裏作、二毛作ですね。そして、小麦を作るには、寒冬異性でないと気温が足りず、生産地域に限りがあり、国産のみで需要を満たすのは困難です。まさに小麦ってこうい う状況ですよね。つまり、いざ本当に不足の事態といったら、まさにこれにも変えられる米なんですよ。だけど、今回の基本法で、あえて二十歳の推進書きましたよね。それをわざわざ基本法に書き込むことですか。日本の状況はどうなっているか分かりませんよ。米を作る農家さんたちは減っていくかもしれない。まさに日本の今はね、まだまだお米を食べる人が減った。米が余っている。こういう状況かもしれないけれど、今後の日本がどうなっていくのか分からない。
1:20:07
そこを汎用化、さらには二十歳まで加える必要があるんでしょうか。大臣。
1:20:16
政府としては、地域の 判断によりまして、水田の汎用化、そして、畑作化を進めていただいているところです。食料安全保障の強化に向けまして、過度に輸入に依存している麦大豆等の、国内生産の拡大を一層進める観点から、畑地化、そして水田の汎用化と同様に重要な施策というふうに、畑地化は、汎用化と同様の重要な施策というふうに考えております。この畑地化に当たりましては、排水改良やパイプライン化などの基盤整備が必要であることから、生産基盤の整備につきまして、規定をいたしました基本法改正案第29条において、水田の汎用化と並んで畑地化を規定しているところでございます。それから、米につきましては、平成5年に大変な強作でございました。全国の作強指数75、青森28ぐらいだったと思います。岩手30代、そして北海道も40代だったというふうに思います。その時に、やはり非常に私たちは苦い経験をしております。しっかりとした緊急対策、そ ういったものが法制上できませんでした。それで大量にタイの方から米を輸入し、最終的にはそれが余剰米となってしまって、様々な困難が生じたというようなことがありますので、そういう事態にも備えながら、米、そして麦、大豆、水田畑作物も含めて、これからの供給困難体制に対処しなければいけないというふうに思っております。
1:22:03
あのー、二十歳をね、入れる必要があったのかって聞いてるんですね。本当に私たち衆議院の委員会で、修正案で二十歳のところは削除すべきだと提案させていただきました。これ与党の皆さんに飲んでいただけませんでした。二十歳でいいんですか、本当に。いいんですね。え、うーんと言われて、うーんという意見もありました。一回ね、二十歳にしたら戻さなく なっちゃうじゃないですか。水田使って小麦やったって大豆やったっていいですよ。だけどいざという時にやっぱり水田に戻せる。さっき申し上げたように、小麦は適地適作。それね、一気にね、なんか小麦でというわけにいかないし、日本の主食は米ですよ。なんで米製作どうするのかということをちゃんと書きもしないで、二十歳のところだけ書くんですか。おかしくないです。本当にいいんですか。大臣。本当にいいです。もう一回お願いします。
1:23:10
あのー、これは地域の判断によりまして、二十歳か、あるいは水田として残す、あるいは汎用化、そういったものをしていただくことになっております。汎用化ということをしていただければ、安供、そういったものもやはり施設整備をしていただきまして 、いつでも水田も可能である、稲作も可能である、というようなことでありますので、その選択を地域の皆さん方にやはり委ねている、というようなことであります。
1:23:42
いやだから、地域の判断でいいなら、わざわざ基本法に二十歳かなんて書く必要があるんですか、ってことなんです。じゃあ水田をね、どのぐらい維持していくことが、日本の食料安全保障に資すると考えているのか、なぜあえて基本法に書くんですか。別に二十歳かできるところは、地域の判断でやってもらったっていいでしょう。それが駄目だとか、間違ってるって言ってるわけじゃないんです。だけれども、これからの食料安全保障を掲げながら、あえて基本法に二十歳かと書く必要が本当にあるんですか、ということを聞いてるんで すね。まさに、きちんとその水田を維持することで、お米作って、その食料安全保障に備えた備蓄、またそれに伴う輸出の促進、米粉や飼料用米、これを拡大していく、こういう基本姿勢をね、今こそこの基本法で示すのが、まあ役割だったんじゃないかなと思いますけど、中性も飲んでいただけなかったということは、政府与党を全体で二十歳かということは、そうなんだとお認めになったという、私は判断をさせていただきますよ。私たちは間違っていると思ってますよ。二十歳か、あえて基本法に書くことはね。で、まあ第二条で、国内での増産輸入及び備蓄の確保を図るとし、第24条の一項で不足時における措置で不足時に輸入の拡大と、その他の措置で、二項で食料増産流通制限その他の措置となっているんですね。ちょっとこの不足時のその他の措置ということについて、どういうことを指しているのか教えてください。
1:25:36
食料安全供給法に基づきましては、食料安定供給の対策として、輸入の促進のほかにですね、今ある食料というのをですね、計画的に使用して出荷していく、出荷販売の装置などもですね、規定をしておりまして、その他の措置というのは、そういった出荷販売の調整等の措置を想定しております。
1:25:59
基本法でする議論なのか、この後提出される法案のところで議論するべきなのか、食料の安定供給を考えるときにね、東日本大震災のときには、本当に農水省の皆さんにご苦労いただいて、必死にその食料を供給するために取り組んでいただいたわけですけれども、当時振り返ってみると、前にも申し上げたんですが、その 燃油だとか、電気などのエネルギーの供給制限があったことで、自らは被災してないんだけれども、調理ができないだとか、放送資材もないだとか、物資の調達ができないというような問題もあったんですね。つまり、代替エネルギーが確保できないことによって、食料生産供給ができないような事態にもなりました。計画停電もあって、原産、創業停止に追い込まれるというような事態もありましたし、ガソリン不足でまさに物が届けられないというようなこともあったんです。こうしたことを遥かに超える不足の事態というものを想定して、今後、基本法で掲げている食料安全保障、つまり、いかなるときにも国民の命をしっかり守っていくんだと、食料を供給していくんだと、こういう考え方に立って、今回の基本法の改正が行われると思いますけれども、この生産から今言ったような、様々な、東日本で経験したような課題が起こり得るときには、農水省だけでは解決できない問題というのもたくさんあると思うんですね。つまり、横連携が非常に重要になってくると思うんですが、この食料安全保障に関して、しっかり とした横連携は取れているというふうに理解してよろしいでしょうか。大臣じゃなくてもいいですよ。
1:28:01
まず、委員御指摘のような不足の事態に関しての政府の連携というのは、非常に我々も重要だと思っておりまして、食料供給困難事態対策法で、まず提案させていただいたものというのなので、そういったときに食料の安定供給というのを図っていくためには、農水省だけではなくて、資材の確保、もしくは消費者対策というような政府全体の取り組みが必要となりますので、その意味で、食料供給困難事態対策本部という政府の本部をつくって、そこで政府が一丸となって対策をする仕組みというのを、御提案をさせていただいているところでございます。
1:28:35
しっかりと、そこを本気で取り組んでいただく必要があるというふうに思っていて、もちろん諸外国における様々な影響も受けるわけですから、防衛省、外務省、経産省、国交省、関係省庁と、どういう場合を想定して、そのときには国内でどういう体制をとっておけばいいのかということを、本気で体制をつくっていく、この基本法が出来上がったらですね、やっぱりやっていくということがとても大事で、かけ声だけの、危機を煽るだけの食料安全保障じゃなくて、本気の食料安全保障、そのために必要な予算を、みんなでやっぱり取りに行くってことだと思うので、そこはきちんとやっていただきたいというふうに思います。食料の安定供給についてですけれども、第2条の2項で、国内生産の増大を基本法とした上で、安定的な輸入及び備蓄の確保で、安定的供給をするというふうになっているんですね。で、21条の1項ですよね。で、ごめんなさい、ちょっと待ってくださいね。21条の1項では、国内生産では需要を満たすことができないものの、安定的な輸入の確保ってなっているんです。で、この2条2項で需要を満たすことができないものの、輸入としなかった理由は何かあるんでしょうか。
1:30:16
まず、基本的に国内で生産できるものはできる限り、国内で生産することがまず重要です。その上で、現在の我が国の食料需給を見ますと、有料種子、あるいは配合種量のトウモロコシなど、大半を輸入に依存している品目があります。輸入品をすべて国産で代替するためには、国内の農地面積の3倍が必要というふうな資産があります。食料の安定供給の観点から、輸入の果たす役割は大きいというのが実情であります。一方で、昨今の情勢を考えますと、いつでも必要な量の食材を安価に輸入できる時代ではなくなってきておりまし て、食料安全保障の観点から、安定的な輸入のための施策が必要となってきています。また、備蓄の方は、国内生産や輸入と並ぶ食料供給の手段でありまして、食料供給が大幅に不足する事態における初期の対応策として、大変重要であるというふうに思っておりますので、こういった非常に不足事におきましては、やはり輸入と備蓄と様々なものの組み合わせによって、国民の皆様方に初期の段階でしっかり食料をお届けするというようなことを、農林水産省としては、横の連携も取りながら実行していかなければいけないというふうに思っております。
1:31:51
条文の解釈ですので、追加で説明をさせていただきます。22項におきましては、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと合わせてというふうに規定をしておりますので、まず国内で作れるものは国内で供給をすると、それができないものについて、輸入の安定化、備蓄等を組み合わせていくというふうに書いておりますので、21項の趣旨というのは、まさに国内で供給ができないものについての対策を具体的な対策として規定したものでございまして、両者同じような意味、同じ意味について規定したものでございます。
1:32:25
国内生産の増大と合わせて、輸入だとか備蓄というのは、私はこれを組み合わせていくことは大事だというふうに思っているんです。ただ、2項で需要満たさ、つまり、国内農業生産の増大を図ることを基本とし、これと合わせて安定的な輸入、需要を満たすことができないものの、安定的な輸入ではなくて、ここを省いたのは同じ意味だとおっしゃったんだけど、需要がないにもかかわらず、安定的に輸入し続けなければいけないみたいに、変な誤解を招かないのかなという、さえてここの文言を消した理由は何だったのかなという単純な質問です。
1:33:19
委員おっしゃるように、まず、需要がないものについても、安定的に輸入するという趣旨ではございませんので、将来の食料安全保障を考えていくとしては、できるだけ国内農業生産を増大していくと、ただ、そこでは賄えない部分がありますので、その部分については、安定的に輸入の措置も、現下の状態では図っていかなければならないということがございますので、その趣旨については、しっかりと説明をしていきたいというふうに考えています。
1:33:46
委員長 二条四項の海外の輸出について、輸出を図ること で食料供給能力の維持が図られなければならないとされているけれども、これ、維持でいいんですか。向上としなかった理由は何ですかね。輸出を図ることで食料供給能力を向上させていく必要があるのではないかというふうに思うんですけど、維持するにとどめた理由は何でしょう。
1:34:15
法文上の中でですね、国内の人口が減少していきますので、今後急速にですね、国内市場というのが縮小していくと。それに関して、今の日本の農業生産というのは、国内市場向けが大半でございますので、国内市場が縮小すると、農業生産も縮小していくと。それをカバーするためにですね、輸出を組み合わせていくことによって、生産の水準というのを維持していく必要があると。そういう規定でですね、現下の状況を考えまして、こういった減少を食い止めるという観点から維持とい う用語をですね、規定をさせていただいたところでございます。
1:34:50
どうしてそんな、なんか今の現状に合わせない国内だけ見ないでくださいよ。輸出促進するんですよね。食料安全保障を確立するんですよね。持久率高めていくんですよね。国内市場が減少するから維持って。そんな、ちょ、皆さん本当にいい、いいです?そんな低い目標なの?今の日本。違うでしょ。持久率高めていくなら、維持じゃだめなんですよ。向上じゃなきゃだめなんですよ。輸出伸ばしていくんですよね。維持じゃだめじゃないですか。大臣どう思いますか。
1:35:29
あの、やはり食料の供給能力を、供給能力です。供給能力を維持していくこと。これは大事なことであります。供給能力というのは今、国民の皆さん方に、十分に食料が行き渡っているというふうに思っておりますので、この供給能力を維持していくこと、これはやはり私たちとしてやっていかなければいけないことであるというふうに思っております。
1:35:59
供給量の話してるんじゃないですか。供給能力ですよね。食料持久力の話ですよね。つまり、農地は荒れ果てた。やる人はいなくなる。そして輸入に6割も頼っているのが、今の日本の現状ですよね。だから、食料供給能力は維持じゃなくて、高めてい かなきゃいけないんじゃないのですか。
1:36:28
維持し、そしてやはり確保していくこと。これが大事だというふうに思っております。農地そのものについては、これからしっかりまた整備をしていかなければなりません。それから、農業者については、スマート農業も含めて、やはり少ない人数でもどれだけやっていくか。そのことによって、食料増産を図り、そして食料供給能力を維持・確保していく。というようなことであります。
1:36:56
与党の先生方、田辺の言っていることを、そうだなって思うところもないです?少しは。あります?やっぱり、せっかく国会でこうして議論するので、私たちも、こんなの、清掃の国にしたくないんですよ。できたら、あ、そうだねと。やっぱりそこの文言がね、こうした方がもっといい基本法になるよね。こういうね、意味のある議論させていただきたい。一歩も譲りたくない。一歩も一歩変えたくない。そんな姿勢で議論するようなことですか?いや、維持・確保?確保ももうできないような状況になっているのとか、これからの日本の農政は、それを高める、向上させていくんだぐらいの姿勢をね、政府が示すべきじゃないかと思うんですけど、いやー、本当に今日朝ね、鼻血が出たんですよ。で、だからちょっと今日は冷静にね、議論させていただきたいと思ってはいるんですけど、すいませんね、ちょっと声が大きくなってきちゃって、少し落ち着きたいと思います。食料安全保障の観点で輸出を促進しようとするならば、その品目はどういうものですか?
1:38:18
お答えいたします。輸出の促進につきましては、輸出の実行戦略を定めまして、その戦略を方針を定めているところでございますけれども、その中におきまして、重点的に輸出を促進すべき品目、28品目を定めておりますので、これらの品目を中心に輸出の促進を図っていくということで考えております。
1:38:37
すいません、どんな品目? もう一回お願いします。
1:38:43
輸出重点品目28ということでございまして、米もございますし、牛肉もございますし、生化物、果物各種ございますし、それ以外の加工品も含めまして、多くの28の品目を指定するところでございます。
1:39:00
食料安全保障の観点で考えられた28品目、食料安全保障に資するということでいいんですか、そういう考え方ですか。
1:39:14
米、生化物、畜産物など、直接的に国内の生産維持、生産能力の維持に資するものもございますし、それ以外の加工品、お酒みたいなものも含めまして、その原材料、国産材をしっかり使うということで、その食料供給能力の維持に資する部分は、加工食品も含めて28品目にあると考えております。
1:39:44
今の局長の答弁、もう少し分かりやすく補足をさせていただきますと、先生ご質問の趣旨は、おそらく食料安保に資するという意味でいうと、我が国でしっかりと供給余力というのがあるという、まさに28品目の中にも入っておりますが、米をしっかりと出していくということが基本だろうというふうに思います。
1:40:04
副大臣、ありがとうございました。そのセリフが欲しかった。だからこそ、20歳かじゃないで、またその話が繰り返されるので、ちょっとやめますね。それで、20の一項の定義において、政府案で、良質な食料が安定的に供給されるとなっているんですね。我々衆議院の修正案で、良質なというだけではなくて、供給される食料が安全であることも明記すべきではないか、というふうに提案させていただきましたが、これすら飲んでいただけませんでした。そして、併せて、十分な量であることも重要だと、安定的に供給されることが十分な量であることということも必要ではないかというふうに考えた。まさにこれは世界の食料安全保障の考え方。農水省さんは、与党の皆さんは、含まれているんです、というけれど、それをきちんと世界の食料安全保障の考え方に合わせて、きちんと明記したらどうですか、という、そういうご提案させていただいたんですね。含まれているかもしれないけど、書いた方がより丁寧じゃないんですか。なんでダメなんですかね。
1:41:26
これは国連の食料農業機関、いわゆるFAOの定義を踏まえたものであります。FAOの定義におきましては、適切な品質の食料を十分な量供給すること、それから全ての国民が栄養ある食料を入手できること、さらには安全かつ栄養のある食料を摂取できること、そして、いつ何時でも適切な食料を入手できる安定性があること、ということが求められております。この定義を踏まえまして、本改正案におきましては、安全で栄養ある食料については良質な食料として、趣旨を無理やなく端的に規定したわけです。ですから、この4つのFAOの定義を、全て我々の言葉で言い表せば、良質な食料として全てが包含される、というようなことであります。そういうことで、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ国民一人一人がこれを入手できる状態、というような条文にしたところであります。
1:42:47
書けばいいじゃないですか。何で書かないんですか。言ってみたらですよ。良質なこと、確かに栄養価が高くて、新鮮なもの、良質なものですよね。でも、それが安全なものかどうかというのは、例えば生産から加工だとか、その工程の中できちんと安全というものが確保されているか、こういうこととまた違うんじゃない。良質イコール安全かということと、十分かどうかってことだってですよ。確かに安定供給はされます。常に同じ量の供給や、安定的に供給はできます。でも、必ずしもそれが十分かどうかということとは違うから、世界の食料安全保障の考え方というのは、適切で品質の食料が十分な量供給されているんですか、っていうことやね、安全で栄養価の高い食料をちゃんと摂取できるんですか、こういうことが言われているわけじゃないですか。別にね、いや含まれているかもしれないけれど、それをきちんと明記することまで、なんかね、私たちの修正案否定されましたけど、書いて駄目な理由がありますか。より丁寧じゃないですか。安全ということをしっかり担保していくってこと、しかも安定供給だけではなくて、それがきちんと十分な量であるということ、食料安全保障の観点に含まれているというなら、書いたっていいんじゃないですか。どう思います、大臣は。
1:44:32
まず、法案の形成過程における経過を説明させていただきますと、良質な食料については、これ現行基本法のときの議論がありまして、良質な食料という言葉の中には、安全かつ栄養のある食料ということを指すと。これは、審議委員会での議論の末に、良質な食料という用語を使ったものです。また、現行基本法でも安定供給がありますので、十分な量の食料というのは確保されるというか、では現行法にも含まれておりまして、それを安定的に供給をするという用語ができておりました。その上で、先ほど大臣が御答弁があったように、今回はFAOの定義も参考にして、食料安全保障の定義をさせていただいたというわけですけれども、ここで明らかにFAOの4要素で足りないものは、全ての国民が栄養ある食料をいつでも入手できるというところが足りないということがございましたので、定義の中で良質な食料、これが合理的な価格で安定的に供給されるとともに、さらに国民一人一人がこれが入手できる状態ということで修正をさせていただいて、FAOの定義に沿った形での食料安全保障の定義をさせていただいたところです。
1:45:45
はい、ちょっと飛ばさせていただきまして、第16条、これ削除されたんですけれどね。9、基本法の第14条の3項です。これね、年次報告等のところなんですけれども、これ第3項で、政府は全国の工事を基礎策を明らかにした文書を作成するには、食料、農業、農村、基本審議会の意見を聞かなければならない、っていうね。で、これなんでここだけ取り出したかって、これ丸々削除されてるんですけどね。自民党さんが我が党の修正案を断る理由で、説明する非常にね、主張対応のペーパー作ってきたんです。これは自民党さんが作ったのか、農水省さんが作ったのかわからないですけど、そのペーパーにはね、実態に応じて条文を改正したものだ、っていう説明がされていて、ちょっと私驚いたんですね。この 第14条の2項では、食料、農業、農村の動向を考慮して、講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、国会に提出しなければならない。で、さっき言った3項でその文書を作成するには、食農審の意見を聞かなければならない、というものなんです。つまり動向に適した施策であるかどうか、意見を聞かなければならない、っていうことなんですね、法律上は。だけど、実際は違う議論をしているから、法律から削除していい、っていうような説明をしてきたんです。つまり動向の議論しかしてないので、削除しても問題がない、みたいなペーパーを作って、私たちのところにくれたんですけど、実態に法律を合わせるっていうことがあるのかなと、法律に実態を合わせてもらいたいんですよね。その説明、農水省さんが書いたかどうかわかりませんよ。だけれども、ちょっとそんなの許されるのかなと、実際にきちんと議論しなきゃいけないことが行われていないんだったら、職能審できちんとその議論をしてもらうっていうのが大事なことであって、結局開いてるけれども、そういう議論してないんで、法律から削除します、みたいな、そんな説明だったんですけど、どなたか説明できる人がこの中にいれば説明をしていただきたいんですけど。
1:48:29
現行基本法におきまして、年次報告といたしましては、食糧農業及び農村の動向をしっかり把握する。そしてこれまで行った、講じた施策というものをそこに論議をする。そして今後行っていく、講じようとする施策に関する報告を、国会の方に行うというふうになっております。このうち、講じようとする施策につきましては、国会への報告に先立ちまして、食糧農業農村政策審議会の意見を、次年度の施策に配認させるために、その意見を聴取することとしておりました。しかしながら、講じようとする施策の内容は、事実上、次年次に講ずる予算措置や税制措置などとなっておりますが、これらは年次報告ではなく、当初予算や税法等で決定されるものであり、国会で御議論いただいているものでございます。審議会での意見を聴取する時点では、国会で既に決定された予算措置を、審議会で再確認するような状況となっておりまして、事実上、審議会においては、動向や講じた施策の論議を行う場というふうになっております。ですから、党の内閣の方で、11月、12月、税制も予算もだいたい固まってまいります。そして、1月、2月、国会論議が始まっています。しかし、実際は、この年次報告で講じようとするものを、政策を議論する、聴取するのは、3月、4月になります。既にもう、政策が決定する頃になって、講じようとする政策について、意見聴取をするということになっておりますので、これは省いてもいいだろう。そして、白書や、あるいは、これまでの結果報告を見て、講じた政策を見て、そして次年度に、その参考意見として、様々な提案をするというようなことで、時系列的に、やはりより効果のあるものにしなければいけないということで、こういうふうにしました。
1:50:54
大臣から丁寧に説明していただいて、よかったでしょう。私は、説明のペーパーを見たときに、非常に法律を過論じているなと、実態に法律を合わせるなんて、なんて乱暴なことをするんだと思いながら見ていたんですよね。大臣の説明で、それは分かりました。それで、もう一つ、適正な価格について伺いたいと思いますけれども、これを聞くと、大臣は、適正な価格とは言っていなくて、適正な価格形成と言っているから、言っているんです、という答弁だと思うんです。我々の修正案は、合理的な価格ではなくて、適正な価格と変えたらどうですか、という提案だったんです。多分、国民にも、この価格の問題については、理解していただかなきゃいけなくて、これは合理的な価格です、と言われるより、適正な価格なんだと言われた方が、よりストンと落ちるんじゃないかな、ということもまず一つあったんですね。合理的な価格というのは、これイメージで話してはいけないかもしれないですけど、やっぱり市場メカニズム、需給バランスだとか、他が入る余地がなくて、そういう市場メカニズムの中で決まっていくものだろうと、つまり合理的な価格というのは、個々によって違うだと思うんですよ。例えば、個人や会社は、持っている資材だとか人、その限られた資源でできるだけ利益を出そうというのが当たり前のことで、それがその人たちにとっての合理的な価格だけれども、それでは交渉力の弱い生産者が再生産可能な利益を得られてないから、そこはそれぞれの立場で合理的な判断や価格というのはあるかもしれないけど、そこをお互い、適正な構成と言うんでしょうかね。そういう判断をしてこいよと、そういう価格形成をしてこいよ、こういうことが大事なのではないかなと思うんです。でも、これも合理的な価格の一点張りなんですけれども、適正な価格形成と適正な価格は違うんですか?適正な価格形成をしたら、適正な価格になるんですかね?適正な価格形成をしたら、合理的な価格になるんですか?これちょっとね、言葉の問題なんですけど、大臣、説明していただけますか。
1:53:35
合理的な価格の形成という用語を法案に指定する経緯について、ご説明をさせていただきます。まず、審議会の当初におきましては、適正な価格形成という言葉が使われておりまして、その意味は生産者だけではなくて、加工流通事業者、小売事業者、消費者など、食料システムの関係者の話し合いなどを通じて、価格形成の共通の理解を図るということによって、持続可能な食料システムを構築する。これを目指すべきだと、こういう答申をいただいたと理解しております。この書紙の条文から測ったわけですけれども、その過程の審査におきまして、適正な価格という用語は、絶対的な価格の推進を決めるというふうに解釈できる。実際には、生産者、食料事業者の取引関係者ごとにその推進が異なるので、価格を一義的に定められるものではないので、ここについては、適正な価格という言葉は適当ではないのではないかと。一方、合理的な価格につきましては、現行基本法の第2条、第1項においても、国民の理解と納得を得られるという価格という意味で、この用語は用いられておりますので、答申の趣旨である関係者全員が合意できる価格を示す用語ということについては、適正な価格ではなくて、合理的な価格というのを用いることが成功的なのではないかという御指摘を受けて、合理的な価格という用語を使ったものです。なおなお、食農士の答申におきましては、生産コストの増加というものが、ちゃんと費用に換算されて価格に反映されていないという状況を踏まえて、適正な価格形成を求めておりますので、改正案での食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないという旨の規定は、答申の適正な価格形成を条文化したものとなりまして、答申とこの条文において趣旨が変わっているということはないということは、ご理解いただければと思います。
1:55:26
私も、この価格に関しては、政治が介入すべきじゃないというふうに思ってまして、それはきちんと市場に任せるべきだというふうに思っているんですね。ただやっぱり、工業製品と違って、申し上げるまでもないですけど、工業製品だったら、機動的にというか、生産調整できるけど、農業ってそういうことができないわけじゃないですか。そのことが結果として、価格調整でね、需給バランスをとっていくってことなんだと思うんだけども、そのことが、今法律に訴っている合理的な価格っていうことが、ここまで法律にあったけれども、できてこなかったということだと思うんです。じゃあ今、それを法律にするんですか。本当にね、そんなことできるのかなっていうのをちょっと私は思っていて、これ競技会、何ですか、その価格の何とかの、競技会の中でね、価格形成競技会か、関係者から生産コスト分の転換は難しい、需給と関係ないコストの反映は困難というような意見も出されているんですけど、これはね、当然ですよ。それぞれの立場で言ったら、そうなっちゃうんですね。で、その仕組みをうまくシステムを関係者で作ってくださいね、ということで、今この競技会開かれていると思うんだけど、それはなかなか簡単ではないんだろうなと思っているんです 。今大事なことは、一番交渉力を持たない生産現場が、コストを転換できない、コスト分を載せてもらってないことなんですよ。生産活動が赤字だということなんですよね。再生産可能な状況になってないっていうところをどうするかってことなので、こっから本当はですね、所得補償の話からですね、直接支払いの話から、あと30分は欲しかったんですけれども、3分の1しかできなかったんで、あと3回この場を設けていただいて、委員長、与党筆頭お願いしますね。まだまだやりたいことがありますよ。国民の皆さんにちゃんと理解していただかないといけないわけですから、この審議を充実させていただいて、皆さんでいい議論ができたらなと思いますので、よろしくお願いします。終わります。
1:58:19
立憲民主主者民の畑次郎です。これから四半世紀先までの農林水産業の行く末、大げさではなく、日本の未来の形が決定付けられる可能性のある重要な基本法改正案の審議ですので、田中先輩ほど迫力はありませんが、しっかりとした御答弁をお願いいたします。最初に基本理念に関して何点か伺います。先ほども何度もお話ありましたが、この改正案は食料安全保障の確保を基本理念の一つに据えており、これは現行の食料の安定供給の確保を衣替えする形で定められようとしています。また、食料安全保障の定義は、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ国民一人一人がこれを入手できる状態と明記されてはいますが、前半部分は現行の食料安定供給のかぎぶりと同じです。つまり食料安定供給は食料安全保障の要件として位置づけられていると受け止めております。確認ですが、改正案で基本理念に食料安全保障を定めたとしても、食料安定供給の重要性はこれまでと同様、いささかも変わるものではないという理解でよろしいでしょうか。
1:59:45
お答えいたします。現行基本法で は送料として必要な食料が確保できれば、食料の安全保障が確保できるという考えでございますけれども、近年、食料価品アクセス問題等が顕在化をしておりまして、国民一人ひとりが健康な食生活を確保するために必要な入手をするということが重要になっていることから、食料安全保障というFAOの提言も参考に定義を行って、基本理念を見出したところでございます。一方で、世界的な食料需給の不安定化や、我が国の生産規模への弱体化など、食料供給のリスクが高まる中で、食料安定供給についても、これまで以上に重要になっているというふうに考えております。国内の農業生産の増大を図るということを基本として、これと合わせて安定的な輸入及び備蓄の確保を図ることで、食料安定供給の確保に努めてまいりたいと考えています。
2:00:39
食料の安定供給について、国内の農業生産の増大を図ることを基本 とする点は、改正案も現行法も同じです。ただ改正案は、国内農業生産の増大と合わせて、安定的な輸入及び備蓄の確保を図るとしておりまして、輸入及び備蓄を適切に組み合わせるとする現行法に比べて、その位置づけが強まっている印象を受けます。しかしながら、去る4月26日の基本法の本会議質疑において、岸田総理は、国内の農業生産の増大を後押ししつつ、輸入及び備蓄を適切に組み合わせながら、食料安全保障の確保を図ると御答弁されています。改正案では、合わせて輸入と備蓄の確保を図ると言い、政府答弁では輸入と備蓄を適切に組み合わせるとのお答えであり、条文を変更する必要性がよくわからない印象も受けております。先ほども様々質問ありましたが、国内生産と輸入及び備蓄との関係について、改正案が成立した場合、これまでとどう異なるのか、御説明をお願いします。
2:01:51
お答え いたします。まず、先ほども述べたとおり、世界の食料需給が不安定化をしている中で、国内で生産できるものは、できる限り国内で生産することが基本となると考えています。その上で、我が国の食料需給を考えますと、医療趣旨や配合種類原料のドーモルコシなど、大半を輸入に依存している品目がありますが、輸入品を全て国産で代替するためには、国内の農地面積の約3倍が必要という実際もありまして、食料の安定供給の観点から輸入を果たす役割というのは、非常に大きいものと考えております。また、基本制定当時と今日の違いというのを考えますと、過去にはいつでも必要な量の食料というのを安価に輸入できたわけでございますけれども、今日的な状況ではそうではなくなってきているということから、食料安定保障の観点から安定的な輸入を行うということも重要になってきている。そういう観点から輸入ということについて、安定的に行うための施策ということについても、規定をさせていただいたところでございます。また、備蓄は引 き続き重要だと考えておりまして、これは国内生産や輸入となるほど、食料供給の手段でございまして、特に食料供給が大幅に不足する事態のときの初期の対応策として重要でございます。こういったことを踏まえて、基本法改正におきましては、安定的な輸入、あと備蓄を確保していくということを、国内生産の増大と組み合わせて規定をさせていただいたところでございます。
2:03:23
先ほどの御答弁等もそうですし、これまでも衆議院の答弁でも、本会議の答弁でも確認しておりますけれども、国内の需要をまかないない上、健康等により収量が安定しない麦大豆については、食料供給の安定性を重視すればするほど、輸入の重要性が増していくのではないかというふうにも感じますが、安定的な輸入と国内生産の拡大を同時並行で取り組むのであれば、ある種の疎後が生じるとも考えられますが、そこで質問ですけれども、主要穀物の安定的な輸入と国内生産の拡大について、どのようにバランスをとっていくのか、その方針を伺います。
2:04:11
お答えさせていただきます。先ほどの答弁と重複いたしますけれども、世界の食料需給が不安定化している中におきましては、国内で生産できるものは、できる限り国内で生産するということが、食料の安定供給のために必要だというふうに考えております。その上で国内生産でまかないきれない農産物については、先ほどの犬の確保も必要ということは、先ほどご答弁させていただいたとおりでございます。基本的に先ほど小麦、大豆の話がありましたけれども、安定的に一定の品質の量を国産で作っていくというための施策が重要になっているわけですけれども、主要穀物の国内生産につきましても、これまでも基本計画と合わせて生産取得目標などを定めて、安定的な供給拡大に向けての取組を進めてきたところでありまして、将来に向けた国内生産の増大、あと安定的に有能のための施策について、法律が成立した暁には基本計画の策定の議論を行いますので、その具体化のための施策というのを検討していきたいというふうに考えています。
2:05:14
やはり国内生産というのを伸ばすことに重点を置いていただきたいというふうに、やはり私も思うんですが、その上で食料自給率目標について伺いたいと思います。改正案では法案成立後に定めることになる基本計画において、食料自給率など食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めると、先ほど 申し上げておりましたが、残念ながらこれまで一度も食料自給率目標が達成できなかったことを踏まえるならば、従来どおりのアプローチでは、どのような目標を掲げても、達成は困難だと思われます。まず目標とする未来像を描いて、次にその未来像を実現するための道筋を、未来から現在へと遡って記述するバックキャスティング的な手法を試みるべきではないか、そしてできるだけ高めの目標を設定すべきではないかと私は考えます。食料自給率目標の設定において、バックキャスティング的手法を用いて、食料自給率を向上させるという方向性も考えるべきではないかと思いますが、御見解を伺います。
2:06:28
基本法を制定以降の食料の自給率は、38%前後で制御をしております。その変動要因といたしましては、国内で自給可能な米、野菜、魚介類の消費が減少してきたこと、そして一方で輸入依存度の高い飼料を多く使用します畜産物の消費量の増加など、消費面での変化が食料自給率の低下要因となっております。こうした食料消費の傾向がしばらくは継続することが想定される中で、食料自給率が確実に上がると言い切ることは困難ですが、いずれにいたしましても、食料安全保障の確保の観点からは、麦、大豆、加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換といった、食料自給率の向上にも資する取組をさらに推進することが重要であるというふうに考えております。先ほども言われました高い目標を掲げろと、バックキャスティングということでありますけれども、食料自給率は国民の総食料消費を国産の食料供給がどの程度充足しているかを示す指標であります。その目標設定に当たっては、国産の増大についての政策的な実現可能性、そして国民の食料消費の将来予測についての正確な分析に基づく、そのことによって自給率を弾き出すということが大事であるというふうに考えておりますので、このような予測を無視した形で高い目標を掲げるこ とは適当ではないというふうに考えております。
2:08:25
将来予測みたいなものがそんなにしっかりと農林水産省でできるというふうにも思いませんし、人のトレンドというのは結構何か、誰かがこの、何ですか、今、例えばダイエットブームになるとタンパク質をたくさん取ろうとか、なるべく炭水化物を取らないようにしようみたいな話になりますけれども、やはりお米は一番バランスの取れた食品とも言われておりますし、カロリーも高いですし、そうした意味ではやはり食料安全保障においては、お米の重要性というのはやはりあるんじゃないかなというふうに思いますし、真の意味での食料安全保障の確立ということを考えれば、やはり他の先進国並みに70%以上の目標を掲げるとか、胸を張って食料安全保障と言えるような状況を作っていただきたい、そして何が何でも国民の食料を確保していくというその意気込みが、やはり農林水産省には持っていただきたいというふうに思います。次に先ほどもありましたが、趣旨に関して伺いたいと思います。昨年3月の予算委員会で田中委員が、新品種の育成や在来種の保全など、食料安全保障の基本である趣旨を守ることの必要性について質問されました。その際岸田総理は指摘された点も念頭に置きながら、日本の農業のありようについて考えていきたいと御答弁をされました。この時点では前向きな御答弁だと感じました。しかしこの点を去る4月26日の本会議で横沢理事が正し、改正案に趣旨の確保の重要性を明記することについて尋ねたところ、趣旨を含む農業資材について安定的な供給を確保することを改正案に新たに明記し、安定供給に向けた取組を後押しするという御答弁でした。つまり新品種の育成、在来種の保全、趣旨を守るべきという内容が農業資材の安定供給という施策にすり替わっている上、趣旨は農業資材に含まれるという御答弁でした。誠実な答弁とは言い難い内容だと感じましたが、なぜなら安定的な供給の確保を改正案で明記したという箇所は、条文では輸入に依存する農業資材及びその原料についてとなっており、国産への転換という施策は掲げられてはいますが、輸入ありきの施策となっています。趣旨は農業資材として片付けられ る存在ではありません。平成29年、もう7年前になりますが、首相廃止の審査の際、参考人からは、「趣旨は国の戦略物資であり、趣旨を制するものは世界を制するというのは常識である。同時に農業者は誰でも良質な趣旨にアクセスできることが重要である」という旨の指摘がなされました。全くその通りだと思います。改正案の条文でこうした趣旨の重要性をしっかり位置づけたと言えるのか、私は大変違和感を覚えております。新品種の育成、在来種の保全、食料安全保障の基本である趣旨を守ることの重要性について、どのようにお考えか、また改正案に趣旨の保全等を明記すべきと考えますが、ご見解を伺います。
2:11:53
お答え申し上げます。趣旨の重要性につきましてのご指摘、ご質問いただきました。趣旨は肥料・飼料と並びまして、農業生産に欠かせない大変大切な農業資材であるというふうに考えております。このため、改正法第42条にお きまして、趣旨も含む農業資材の安定的な供給の確保を新たに位置づけさせていただいたところでございます。この中には在来種の保全も含まれております。委員御指摘の新品種の育成に関しましては、これは何も条文がないということではございません。まさに農業の生産性向上、また付加価値の向上の観点から重要な施策として我々は考えておりまして、委員御指摘のこの新品種の育成につきましては、新たに30条で位置づけさせていただくとともに、31条では高い品質を有する品種の導入の促進や植物の新品種等の知的財産の保護というものを新たに位置づけさせていただいたところでございまして、これらの規定に基づいて必要な施策を講じてまいります。
2:13:05
そうですね、本当にしっかりとその種子の在来種の保全も含めてしっかり明記すべきというふうに私は思っておりますが、限られた時間なので、次の農林水産物の植林の輸出促進について伺いたいと思います。国内市場の縮小が見込まれる中、岸田総理は、農産物輸出の取組は食料安全保障を確保し、農業の持続的発展を図る上 で不可欠であると御答弁されました。去年の農林水産物食品の輸出額が1兆4541億円と過去最高額だったのは確かです。ただ、加工食品の占める割合が35%と多いこと、そして加工食品には輸入原料が含まれていることの問題は、かねてから指摘されているとおりであり、輸出促進策によって農家の所得が本当に増えるのか、会議的な見方がされるゆえんでもあります。これに対して政府は、輸入原料を使う場合でも、食品製造業が輸出による収益を上げることで、国産原料の買い手としての機能が地域で維持・強化されていく、あるいは輸出拡大は食品メーカーが国産原料を買い取るための機能を高めることにつながるといった御答弁をされております。そこで質問ですが、食品製造業者が輸入原料を使って輸出することで、国産原料の買い手としての機能を高めるという答弁内容は、実証に基づいているのでしょうか。実証されているのであれば、国産原料の買い手としての機能がどの程度高まるのか、定量的にお示しください。
2:14:55
お答えいたします。委員御指摘の加工食品の輸出につきましては、日本酒のようにほとんど国産原料を使用し、その輸出拡大が国産材料の需要拡大に直接的につながるもののほか、輸入原料を使うその他の加工食品でも、輸出拡大が食品メーカーの国産原料の買い手としての機能を高める効果があるものあり、いずれにしましても国内の食料の供給能力の維持・強化につながるものと考えております。具体的な事例を挙げますと、例えば、砂糖などの輸入原料と合わせて国産の干渉を加工し、スイートポテト等を製造・輸出している食品製造業者の事例がございまして、この場合、この輸出拡大に合わせて工作放棄地の解消等がなされ、結果自社農場等の干渉の生産面積を約370ヘクタールに拡大しているという例もございます。また、大豆などの輸入原料を使用した醤油を製造・輸出している食品製造業者が、国産の柑橘果汁を使用したポン酢を合わせて販売しているといった事例もございます。こういった事に基づきまして、買い手としての機能がどの程度高まるかについては、国産原材料の使用割合は事業者によって異なりますが、そうした事業者による輸出が拡大することで、国産原材料の調達も増えるものになると考えております。いずれにしましても、我が国の農林水産物食品の輸出は、農業生産基盤や職員産業の事業基盤等の食料の供給能力の確保につながるとの考えのもとを引き続き、その促進に政府一体となって取り組んでまいります。
2:16:46
お考えはわかりますし、何となくお示しいただいた事例というのが、ご都合のいいようなお話ばかりだったようにも感じたんですが、それで本当に全ての農家の皆さんが安心できたのかなというのは、ちょっと心配が残りますが、次の質問ですが、おととし輸出促進法審査の際に、政府答弁は輸出されている加工品について、原料に国産の農林水産物が使われている割合についてのデータはないとのご答弁でした。ただ採決の際に付された附帯決議では、輸出促進による農林水産業者の所得向上について施策の効果を検証することと、効果を正確に把握するための手法を検討することが求められています。附帯決議の内容を踏まえて、2年経過した現在、そうしたデータの収集状況について伺うと同時に、当時の政府答弁では、加工職員の国産原料使用割合を把握するためのサンプル調査を検討しているとのことでしたが、その結果について御教示願います。
2:17:58
本委員会による附帯決議を踏まえまして、農林水産物食品の輸出促進施策による農林漁業者の所得向上効果の検証や効果把握手法の検討を行っているところでございます。令和元年度から三年度にかけて輸出産地づくりを支援する事業に採択された事業者を対象に、所得等の状況について調査を実施したところ、輸出額が平均で1.5倍に増加していること、74%の事業者は従業員給与の増加等、所得が増加していることが明らかとなっており、このうち8割の事業者については輸出の取り組みが所得増加の要因であると回答をしております。また、今後、2025年に実施予定の農林業センサスにおいて、事業者の販売金額に占める輸出金額の割合などを調査項目に追加することとしておりまして、こうした情報も活用しながら輸出の所得向上効果の把握に努めてまいります。そのほか、ご指摘ございました輸出する加工食品に係る原材料の国産割合に関するサンプル調査についてでございますが、令和4年度から5年度にかけて輸出重点品目を中心に原材料の国産割合の調査を行ったところでございますが、最終的な取りまとめに向けて現在調整を進めているところでございます。
2:19:27
今の輸出によって所得増加したという調査結果について、8割というお話でしたけれども、これは家族農業の方とかも含めてそういったご回答だったんでしょうか。
2:19:50
今回実施しましたこの調査につきましては、ご説明しましたように輸出産地づくりを支援する当法の事業に参加した事業者を対象にして行っておりますので、農業生産法人等は含まれてございます。
2:20:07
ありがとうございます。それでは次に国産の肥料原料として、潜在能力が期待される下水予備について伺います。下水予備から林回収など下水予備資材を肥料として活用することは、持続可能な食料システムの確立や資源循環型社会の構築の観点から意義あるものと考え ます。国土交通省において下水予備資源の肥料利用を促進する技術を開発するため、令和4年度補正予算により効率的に林を回収する技術実証が行われています。技術実証はB-ダッシュプロジェクト、消化汚泥から効率的に林を回収する技術がまず一つで、次に林酸マグネシウムアンモニウムにより脱水路液から効率的に林を回収する技術、そして3つ目が新たな林回収システムによる下水道の資源化に関する技術について、それぞれ神戸市、横浜市、東京都において実証が行われていると承知しておりますが、この3つの実証事業の特徴と成果について簡潔に御説明をお願いします。
2:21:27
小田急の下水道からの林回収については、先行して神戸市など6所以上において行われてきましたが、取組を一層拡大するために、昨年より神戸市、横浜市、東京都の3所以上において回収の効率性、品質の向上に向けた実証事業を進めております。林回収方法の特徴については、先ほど委員から御指摘されたとおりでございまして、それらを踏まえまして、東京都は本年1月、横浜市は3月から林回収施設の運転を開始、神戸市も2か所目となる施設が今年の中に運転開始の見込みでございます。今後、実証事業による成果を取りまとめまして、劣用税資源の非利用利用の拡大に向けて普及展開を図ってまいりたいと考えております。
2:22:15
改正案42条では、国は輸入に依存する農業資材及びその原材料について、原料について必要な施策を講ずるものとしています。月要領からの林回収は効果が高いと思われますが、実証事業を踏まえ林回収による肥料の国産化など今後の展開について方向性を伺います。
2:22:39
お答え申し上げます。化学肥料については、その原料の多くを海外に依存 しておりまして、食料安全保障を強化し、国際価格の影響を受けづらい構造に転換していくためには、大費や月要領資源等の国内資源の利用拡大を図ることが重要だと考えております。委員御指摘の月要領からの回収した林については、成分含有量が高いことからそのまま化学肥料の原料として利用できるなどの特徴があり、極めて使いやすい肥料でございます。そのため、農水省におきましては、回収林のみならず、下水用でコンポスト等も含め、地域で発生する国内資源の肥料利用の取組を持続的な形で進めていくことが重要であると考えております。このため、国内肥料資源の利用拡大に向けた全国推進協議会を設置しまして、取組事例の紹介のほか、各地域で原料供給者、肥料製造事業者、肥料利用者のマッチング会合を開催するなど、関係事業者間の連携づくりを支援しているところでございます。また、これらの肥料の拡大を進めるため、供給面におきましては、耐肥化処置施設、ペレット化施設等の肥料化施設の整備や、利用面におきましても、新たな肥料の導入に伴う、積輸効果の実証や産布機能導入等の取組に対して支援しているところでございます。農水省としましては、現在国交省において展開をされております、海収林の実証事業と連携しながら、これに強い関心を示されている肥料メーカーや農業者団体等とも協力しつつ、国内肥料資源の利用拡大に積極的に取り組んでまいりま す。
2:24:25
現時点では、費用が結構かさむというふうにお聞きしておりますが、全国どこでも原料をまかなえるということであれば、取り組む価値はあると思いますので、ぜひしっかりとお願いしたいと思います。国土交通省が行っている土地問題に関する国民の意識調査の令和5年度調査によれば、身近に感じる土地問題として、まず、空き家、空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと、これが52.4%。そして、手入れされていない農地や山林が増えていること、これ33.4%が関心事項とされているんですが、特に手入れされていない農地や山林が増えることについては、町村部では51.1%と比率が上がって、国民は肌感覚で荒廃農地の増加を感じ取り、問題を認識しているものと思われます。荒廃農地の増加は、農業生産だけでなく、景観の悪化、希少種の生息域の減少、害虫・蝶獣被害の増加といった多面的機能を損なう形で、悪影響を及ぼすと思います。農業面積減少の主要因でもあり、近年では年に約1.4万ヘクタール程度の荒廃農地が発生しています。そこで、荒廃農地の発生要因について伺う とともに、荒廃農地を再整理をする取組についてもお伺いします。
2:25:51
お答えいたします。全国の荒廃農地の約6割は中山間地域が占めているところであり、その発生要因については、農林水産省が全市町村において対象に行いました荒廃農地に関する実態調査において、土地の条件に着目すれば、山藍や八田など自然条件が悪いことや基盤整備がされていないこと、また、所有者に着目すれば、高齢化や病気、労働力不足などがそれぞれ要因としては高い割合となっているところです。荒廃農地については、委員御指摘のとおり、周辺農地に悪影響を及ぼし、また、その解消には多額の費用を要することから、まずはその発生防止を行うとともに、農地の有効活用の観点から、できるだけ早期の復旧解消を進めることが重要であると考えております。現在の各地において、令和5年7月に施行されました改正農業経営基盤強化促進法に基づきまして、将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の作成が進められており、その中で、高廃農地の発生防止の解消も含め、農地が適切に使われるようにするための地域での判断試合 が行われているところです。農林水産省といたしましては、そうした農地域計画も踏まえまして、新規収入や企業参入による担い手の育成確保、農地バンクを通じました農地収穫集約課や農業生産基盤による農地の効率的な利用の促進、日本型直接支払制度による地域集約の共同活動の取組の支援、長寿がい対策の取組の支援、素法的利用による維持保全の取組への支援など、こうしたものを総合的に進めることにより、引き続き対策を進めてまいりたいと考えております。
2:27:48
しっかりとした御答弁をありがとうございます。広範囲農地の活性化というのは非常に不可欠な課題だと思いますので、しっかり進めていただきたいと思います。時間の関係がありますので、2つ質問を飛ばしまして、貧困率と子ども食堂について伺いたいと思います。厚生労働省の2022年国民生活基礎調査の外境においては、貧困率の状況が示されており、所得が集団の中央値の半分にあたる貧困線に届かない人の割合を指す相対的貧困率は全体で15.4%、17歳以下の子どもの貧困率は11.5%となっています。また、子どもがいる現役世帯のうち、大人が1人の世帯院では44.5%に貧困率が跳ね上がる、1人親の半分近くが相対的貧困状態に置かれ、経済的に苦しい傾向にあることが示されております。そこで、貧困率と貧困の状況について、政府の評価を伺いたいと思います。
2:28:55
食糧は人間の生命の維持に欠くことのできないものでありまして、かつ健康で充実した生活の基礎として重要なものであることから、十分な食糧を送料として供給するだけでなくて、全ての国民の皆様方に行き渡らせることが重要であるというふうに考えております。委員御指摘のような貧困の拡大、これは経済的要因から、そして健康的な食生活を送るための食糧を摂取できないという、食品アクセス上の問題を引き起こしかねないものと認識をいたしております。今回の基本法の改正案におきまして、基本理念の柱として国民一人一人の食糧の入手の確保の観点も含めまして、食糧安全保障を位置づけますとともに、基本的施策として食糧の円滑な入手の確保に向けまして、食糧の寄付が円滑に行われるための環境整備などを位置づけているところであります。私が2年前に孤独孤立対策担当大臣をいたしておりましたときに、子ども食堂の数は6000でございました。しかし昨年はこれが9131になりました。中学校の数と同じであります。それだけ子どもの貧困が広がっている、あるいは世代間のコミュニティー不足も広がっているということで、これは横の連携が必要でありますけれども、農林水産省としても食糧供給のために一人一人の皆様方に食糧が入手できるような形で、今後しっかりと支援してまいりたいと思っております。
2:30:39
大臣の思いというのはよく承知できました。また時間の関係で少し飛ばさせていただきますが、JA長野中央会は、DayWorkという1日単位から農業バイトに申し込めるマッチングアプリを活用して、農家の人手不足の解消と給食者の柔軟な働き方を実現する取組を行っております。このアプリを利用する生産者と給食者からは、共に好評を得ていると伺っており、農村地域の人手不足への対策として期待されているところです。このようなマッチングは、野菜や果樹といった労働集約型の作物に適しているとも思われますが、こうした取 組への農林水産省の評価をお願いいたします。
2:31:27
答え申し上げます。委員御指摘のとおり、季節によって半乾の差がある野菜や果樹のような労働集約型の作物では、1日単位で働くことができるマッチングアプリは、農業労働力を安定的に確保していくために有効であると認識しております。そのため、農水省では、農業労働力確保支援事業を通じまして、ご指摘のような取組を支援しておりまして、JA長野中央会を含むJA長野県農業労働力支援センターにおきましても、農業労働力募集アプリの活用をはじめとして、外国人材等を活用した半乾期の異なる他産地との連携、他産業からの副業、ボランティアによる農業従事の促進等に取り組まれていると承知しております。農水省として、こうした外部人材の参画推進への取組にも大変期待をしているところでございまして、今後とも、こうした各産地の労働力募集アプリのようなツールの普及や半乾期の異なる地域との連携体制の構築等を推進しまして、農業現場における労働力の確保に努めてまいります。
2:32:43
しっかりしたご評価をいただきましてありがとうございます。労働手不足の解消には、給食活動を行っていないため雇用統計に現れないミッシングワーカーの掘り起こしも一つの方策と考えられます。ミッシングワーカーとは、例えば長期の介護離職等をきっかけに、労働市場に戻ることが難しくなった人々を指しており、給食をしない無職者と考えられます。この場合、ミッシングワーカーをマッチングアプリの活用へ導くこと自体が課題であるとも思われますが、農業分野におけるミッシングワーカーの活用の可能性について、政府のご見解を伺います。
2:33:26
お答え申し上げます。高橋政務官からもご答弁したとおり、マッチングアプリの活用、これは農業労働力を確保する取組として非常に重要であると認識しております。農業という産 業を考えた場合に、個々の事情に応じて短時間あるいは1日からでも働くことができるという特性がございます。品目によっては様々な可能性があるというところが、職業としての特性ではないかと考えております。委員御指摘のミッシングワーカーの方々にとっても、そういった観点から、農業については働きやすい環境として選択していただきやすい特徴を有しているのではないかと考えております。こうした職業としての農業の特性を御理解いただくためにどういった工夫ができるかということについては、今後検討してまいりたいと考えております。
2:34:29
様々な理由で給食をされていないという人は大勢いらっしゃると思うんですが、やはり自然と触れ合うような農業というのは、心身ともにいいことだと思うので、ぜひこうしたミッシングワーカーにもリーチしていただけるとありがたいと思います。先日、人口戦力会議が全体の4割に当たる744自治体について、消滅可能性が高いとの推計を公表しました。我が新州も26市町村が消滅可能性自治体に分類されております。これに対し、総務大臣、地方創生担当大臣などが記者会見で危機感を示す一方で、全国町村会の会長がこれまでの地域の努力や取り組みに水を指すものと批判するコメントを発表するなど反響を呼んでおります。坂本大臣はこの推見に対してどのような所感をお持ちでしょうか。
2:35:24
先月4月24日に人口戦略会議が公表いたしましたレポートにおきまして、全体の43.0%に当たります744自治体が、2050年までに若年女性人口が50%以上減少し、消滅可能性自治体に該当すること、そして10年前に比べまして、今回の分析においては人口減少傾向が改善する結果となっているものの実態としては、少子化気象が全く変わっていないことなどが指摘されておりまして、深刻な危機感というのが示されたということは承知をいたしているところであります。この消滅可能性自治体には多くの農村地域があると承知をいたしております。今後、これらの農村地域のコミュニティを維持するために、農村関係人口の創出拡大によりまして、多様な人材を呼び込むことが重要であるというふうに考えております。そのために、農博あるいは六次産業会や農副連携も含めました農産漁村初のイノベーション、イノベーションの取り組み、そして農村型地域運営組織、いわゆるRMO、こういった政策を通じまして、今後、地域の活性化を図っていかなければいけないと思います。先ほど佐藤委員からも言われましたように、そのためにはリーダーが必要であります。しかしそのリーダーも地域おこし協力隊が初期であるとはいえ、最終的にはその地域に以前からいらっしゃる農業者、農業者、あるいは地域の以前からいらっしゃる方、こういった方々が立ち上がって、そういうことを学習しながら地域の活性化を進めていくということが大事であると思っておりますので、農林水産省としても、農村のリーダーの育成に対してしっかりと後押しをしてまいりたいと思っております。
2:37:30
現行の基本法ですとか基盤強化本部が決定した展開方向には、農村の振興に向けた総合的な施策が掲げられていますが、改正案の基本理念への追加は、衰退する農村地域を維持する視点にすぎず、新たな理念というのがあまり読み取れないと思います。仕事、暮らし、活力、土地利用のように農村振興に向けた総合施策といった観点をより強く打ち出すべきだと思いますので、ぜひそうしたことも取り組んでいただきたいと思います。どうしても聞きたい質問が1つありまして、令和6年の、今年ですね、先日3月4日の日本農業新聞において、長野県の高校生による地域資源を活用した商品開発の取組が取り上げられました。この中山館地であり、日本一の星空を掲げる八村の普通科の高校生が、群れや観光局のサポートを受けて、蕎麦粉やリンゴを使ったガレットを開発して、観光拠点の施設で販売するといったことが報じられております。同期時によると、長野県は地域と連携した事業の強化を進めており、県内の高校では週2時間の地域連携の授業があって、その中で地域の魅力が課題に気づき、商品開発に取り組む事例が報告されております。こうした地域について学ぶ機会は、農村との関わりを持つ者の増加という観点でも有効と考えますが、政府の後押しも必要だと思います。そうした施策がある かどうか伺いたいと思います。
2:39:25
お答えいたします。高等学校は地域の核となる重要な存在であり、生徒の関心や農業をはじめとする地域の実情に応じた特色、魅力ある教育を実現することが期待されているものと考えております。そのため、文部科学省におきましては、地域の将来を担う人材の育成を図るために、地域社会が有する課題や魅力に着目した実践的な特色、魅力のある学びに重点的に取り組む学科の設置を可能とする新しい普通科の設置促進や、産業界との連携、共同の強化など、各高等学校における特色ある教育活動の展開に向けた支援などを実施しているところであり、引き続き高等学校の特色化、魅力化に取り組んでまいります。
2:40:14
未来 の担い手づくりというのは大変重要だと思いますので、一層の取組をお願いしたいと思います。先ほど大臣もお触れになりましたが、総務省は令和5年度の地域おこし協力隊の隊員数が全国で前年度比753人増の7200人と過去最高を更新したことを公表いたしました。調査結果から、活動地域と同じ市町村に定住した隊員のうち1割が就農しており、新規就農のルートとして定着しつつあるということがわかります。また、農家レストランや農家民泊、農作物の通信販売など、先ほど大臣も挙げられましたが、農業に関わる仕事を選択する隊員が多いと伺っております。地域おこし協力隊の任期後の定住率は約65%に達しておりますが、残り35%は仕事がないことなどを理由に地域を去っていると聞きます。定着率の向上には、地域との交流を通じて仕事に結びつけていくことが重要と考えますが、地域おこし協力隊の就農をはじめとした農業に関わることによる農村地域への定着の増加に向けてどのような取組をされているかをお伺いします。長居局長、時間が迫っておりますので、簡潔にお答えをお願いします。お答えいたします。委員御指摘のように、地域おこし協力隊については非常に重要な取組であると考えておりまして、そういう中で、例えば、地域おこし協力隊時の受入農家から農地を引き受けて協力隊への活動を時期に培った有機農業技術をもとに独立就農した事例など、そういった様々な事例がございますので、農村に人を呼び込むところから実際に就農に至るまで、多様な関わり方が見られるところであります。そういう意味で、農水省といたしましても、次世代の農業者の確保に向けた様々な資金メニューでありますとか、機械施設等の導入支援、それからサポート体制の充実への支援などを行うとともに、仕事・暮らし・活力・徒稚利用の観点から農村振興施策を推進することによりまして、地域おこし協力隊が農村地域に定着できるよう活動を後押ししてまいりたいと考えております。
2:42:38
だいぶ質問事項を飛ばしてしまいましたが、基本法の改正ということですので、しっかりした審議時間をとっていただいて、誰もが思い残すことのないような審議を続けていただけるようお願い申し上げます。ありがとうございました。午後1時30分に再開することとし、休憩いたします 。おやすみなさい
2:45:24
質疑のある方は、順次御発言願います。横山信一君
2:45:30
公明党の横山信一でございます。それでは最初に何問か大臣にお聞きをしたいと思います。改正案では、食料自給率の目標に加えて、第17条にその他の食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めるもの、というふうにしております。基本法制定時に、この食料自給率40%ありました。現行法の基本ですね。我が国のカロリーベースの総合食料自給率、その後ですね、基本法制定後は40%を下回る値で推移をしてきております。食料自給率目標で言いますと、平成12年の基本計画において初めて設定をされ、その後平成17年、平成22年、平成27年、そして令和2年にも設定をされましたけれども、残念ながら一度も達成はできていないという現状にあります。他方、答申ではですね、国民一人一人の食料安全保障の確立、また輸入リスクが増大する中での安定的な輸入、肥料エネルギー資源等食料自給率に反映されない生産資材等の
2:47:19
食料自給率は、国内で生産されます食料が、国内消費をどの程度充足しているかを示す指標として、農業者だけでなく、その他の関係者や消費者にとっても分かりやすい指標であります。この位置づけ等については、今回の改正案において変わりはありません。他方で、食料自給率は、海外依存度の高い小麦大豆の国内生産拡大等の増加要因と、それから自給率の高い米の消費の減少等の減少要因の双方が作用しておりまして、個別の要因の評価というのは非常に難しいものがあります。また、委員言われました、肥料などの生産資材の安定供給の状況が反映されないといったものもあることから、食料安全保障の確保のための施策の効果を食料自給率という単独の目標で評価することは難しいというふうに考えています。改正案を成立させていただきましたならば、これに基づきまして、食料農業農村基本計画を策定することとしております。その中で、食料自給率を含め、食料の安全保障に関する事項について、適切な目標の設定に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
2:48:56
関係者がもちろんしっかり把握できるということは重要でありますけれども、国民にもこの食料安全保障がわかりやすいような検討をぜひお願いしたいと思います。食料農業農村基本法は、農政の基本理念や政策の方向性について、
2:49:50
平成12年の中産間地域等直接支払制度、平成13年の過高減漁入の不足払い制度の廃止、平成19年の貧乏交談的経営安定対策、平成21年の企業参入の農地法改正、さまざまなことをやってきております。また、平成25年から26年にかけては経営所得安定対策の見直し、平成31年の収入保険制度、令和3年の緑の食糧システム戦略と、大改革といえるような改革をこの間やってきているわけです。他方、こういう改革を推しつつ、農村人口が急激に減少する、また他方、規模拡大と効率化というのは担い手不足と相まって、これも急速に進んできております。しかし、基本法の改正には至りませんでした。こうした重要政策を転換する機会を捉えて、基本法の改正を行うことも考えられたと思うんですけれども、これまで基本法の改正を行わなかった理由について伺います。
2:51:07
今、委員が言われましたように、これまで委員が言われましたようなルールの改革、法案改正を行ってまいりました。今、おっしゃいませんでした中では、例えば、米政策、水田活用支払い直接交付金、それから農地中間管理機構法を新しく作りまして、農地バンクによる農地の収穫、収積収約、こういったものを進めてまいりました。これらはいずれも現行基本法で定めます、需要に応じた食料供給、そして望ましい農業構造の確立等の施策の理念方向性を実現するために行ってきたところであります。しかし一方で、基本法の制定から四半世紀が過ぎまして、ロシアのウクライナ侵攻、それから気候変動など、国際情勢の変化によります食料安全保障上のディスクが、これまで以上に高まってまいりました。さらには環境と調和の取れた産業への転換の必要性、これが国際的にも増大をしてまいりました。また国内の農業従事者が急速に減少するというような状況になっておりまして、食料の安定供給確保への懸念など、現行基本法が前提としている食に関する情勢が大きく変化をしております。そのことを踏まえまして、将来を見据えた施策の方向性を定めるために必要な改正を今回行うということにしたものであります。
2:52:47
はい、よくわかります。今のお話にも関連をするんですが、今回の改正については、令和4年の9月に記者総理から、新しい資本主義のもと、スマート農林水産業、農林水産物食品の輸出促進、農林水産業のグリーン化、食料安全保障の強化、こうしたものを柱とする検証が指示をされまして、それを受けて、審議会のもとに置かれた検証部会で、昨年9月に答申、そして12月に食料農業農村基本法の改正の方向性についてという決定がなされた、今回の法案提出になったということでありますが、全体として見れば、米以外については食料自給率が低いということと、これから農業生産資材の多くを輸入してきたという、我が国の食料安全保障の危うさというのは、以前から議論をされてきたわけです。危機が叫ばれながら、危機が訪れることがなかったというふうにも言えると思います。そういう食料事情だっ たわけですが、先ほど大臣の答弁にもありました、コロナ禍とウクライナ戦争という、突如として我が国の食料確保の脆弱性を漏停したと言えると思いますが、この現状というのは、危機を身近なものとして捉え切れなかったということもあると思っております。そういう意味では、今回の改正では、国内の食料確保におけるコロナ禍、そしてまたウクライナ戦争の教訓を、基本法改正にどう生かすのか、大臣にお伺いいたします。
2:54:47
委員おっしゃるように、危機が叫ばれながら、やはり危機に直面してこなかったというのが現実あります。例えば、その中で危機に実際直面してきたわけです。新型コロナウイルス感染症の流行によりまして、サプライチェーンが混乱をいたしました。これは港で働く方々が少なくなりまして、コンテナが届かないというようなサプライチェーンの問題が起きました。それから、先ほどから言っておりますウクライナ情勢による国物価格の不安定化などによりまして、このまま過度に輸入に依存することへのリスク、こういったものが現実問題として高まってまいりました。このため、今般の基本法案では、過度に輸入に依存している麦、大豆、飼料、作物等の国内生産の拡大を進めながら、一方の方で国内生産で需要を満たすことのできない農産物及び農業資材の安定的な輸入の確保に向けて、輸入相手国の多様化、そして輸入相手国への投資の促進を行ってまいりたいというふうに思っております。これらを通じまして、食料安全保障の抜本的な強化に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
2:58:19
委員より、合理的な価格についてのご質問いただきました。ご指摘のとおり、生産者や消費者にとりまして、それぞれが理想とする適正な価格といえば、これは異なるものでございます。一方で、国内外の資材費、また人件費等が長期的に上昇する中でも、持続的な食料供給を行っていくためには、生産から販売に至るコスト増と、消費者の購買能力の折合いをどのようにつけていくかが大切でございます。このため、生産から消費まで、食料システムの各段階の関係者の最適解となるよう、それぞれの納得の得られる価格で合意がなされる必要があることから、これを合理的な価格と表現させていただいております。
2:59:12
また、この合理的な価格形成に関しましては、農林水産省は、適正な価格形成に関する協議会を設けて、生産から流通、加工、消費、小売、消費者等、関係者が一同に集まって議論を行っていると。また、先月、今後の検討方向として、需給状況と品質評価によることを基本としつつ、食料の持続的な供給に応する合理的な費用が考慮される仕組みについても、法制化を視野に検討ということが示されました。この改正案の2条では、合理的な価格の形成について、市場機能に重きを置いて、食料需給事情を反映するということを求めています。一方で、持続可能な食料供給に必要な合理的な費用も考慮さ れるように求めている。一見矛盾するようなものでありますけれども、この2つの要素をどのような仕組みと方法で両立することを想定しているのか、お伺いします。
3:00:16
お答え申し上げます。農産物の価格につきましては、需給事情や品質評価を適切に反映して形成されることが基本でございまして、この点につきましては、今回の法改正におきましても変更はございません。他方、近年の資材価格等の高騰につきましては、生産から出品に至る各段階に幅広く影響が及んでおります。こうした状況の中でも、食料の持続的な供給を図っていくためには、食料システム全体で合理的な費用が考慮されるようにする必要がございます。このため、農水省では、委員御指摘のとおり、昨年8月より、生産・加工・流通・小売消費等の幅広い関係者が一同に集まる協議会を開始させていただいたところでございまして、食料システム全体の持続性の確保を目的に、持続的な供給に必要な合理的な費用を考慮する仕組みの必要性や、品目ごとに作成する費用の指標であるコスト指標の作成等について、関係者間で議論を行っているところでございます。今後とも、この仕組みについて、関係者間で丁寧に合意形成を図りながら、法制化も視野に検討を進めてまいります。
3:01:37
3月21日の、党委員会での質問で、高瀬務官に答弁してもらったんですけれども、第26条で規定されている、荷内庭以外の多様な農業者についてお伺いいたしました。その役割と期待を伺ったわけですが、農業を副業的に営む経営体や自給的農家などの多様な農業者も、農地の保全管理や集落機能の維持などの役割を果たしているので、その役割に応じて支援することが重要というふうにお答えいただきてですね。これについては、いわゆる生産者からの期待も非常に大きいというふうに感じています。個人経営体で見ると、2020年には、就業経営体数は23.1万あったんですね。それが現在46%にまで減少していると。また、多様な農業者として想定される準主業経営体、副業的経営体、これを2つ合わせて80.7万経営体と、現在ですね。こちらも20年前の44%にまで減少しているという状況になっています。集落の総個数が10個を下回ると、農地の保全活動の実施率が急激に低下するという報告があって、そういう意味では、この総個数が9個以下の農業集落の割合というのは、この2020年ですかね、8.8%だったのに対して、2015年には17.9%にまで増加をしていると。こういう状況にあってですね、今後の人口動態を踏まえると、この集落活動の実施率はさらに低下することが考えられる。そういう意味では、この2内手以外の多様な農業者というのをですね、一体どこから来てもらうのかということになってくると思うんですが、反応は反Xの参入も期待されているところでありますけれども、こうした日本の生産人口全体が農家集落だけではなく、日本全体のこの生産人口も減少していく中でですね、この2内手以外の多様な農業者というのをどのように確保しようとしているのかを伺います。
3:04:16
お答え申し上げます。農業者の高齢化減少によりまして、2内手に対し、これまでにな いスピードで大量の農地の引き受け依頼がなされておりまして、2内手だけでは引き受けきれないというお声もお聞きしているところでございます。このように2内手だけでは管理できない農地が出てきている中におきましては、その他の多様な農業者が農地の保全管理や集落機能の維持などの面で果たす役割の重要性が増していると認識しております。このため、そうした方々の役割が引き続き発揮されますように、農水省としましては、多面的機能支払いや中山間地域等直接支払いによる農地の保全に向けた共同活動の促進、また、6次産業化や農博などの農産漁村発イノベーションの取り組みを通じた農村における所得の向上と雇用機会の確保などの施策を行っているところでございまして、こうした取り組みをしっかりと継続してまいりたいと思います。
3:05:21
若い人たちは農村というか農業に興味を持っていらっしゃる方がかなり多いというふうに感じています。一方で、先ほど申し上げたように、日本全体の生産人口が減っていく中で、さまざまな支援措置を講じていって も、しっかり農村に来てくれるかどうかというのはなかなか難しいかなと、やってみないとわからないというのもありますけれども、ぜひさまざまな状況を捉えながら柔軟に対応していただきたいというふうに思います。生産性を向上させる観点から、農地を担い手に集積しようとしても、かつては農地の出し手が少ない状況でしたが、現在は高齢化と後継者不足ということで、離農する農家が多くて、地域によっては農地の受け手探しに苦労するというところも出てきているという状況にあります。大規模経営や集落遠農などの担い手が農地の受け皿となっていますけれども、受け切れない農地、これが担い手以外の多様な農業者によって維持してもらうという方向性になるわけなんですが、この担い手への農地集積が進むと、農村人口の減少も進んでいくというふうに考えられます。政府は人手不足を補い生産性を向上させるために、スマート農機の活用を推進し、新技術の開発も推進しようとしています。このスマート農業を進めるには、農地の集積集約化が必要となり、多様な農業者、農村人口の減少を招くことにもなりかねないというふうに考えるんですが、両者の関係性について伺います。
3:07:02
お答え申し上げます。我が国が高齢化、人口減少していく中で、先ほど高橋政務官からも答弁がありましたが、当然ですね、農業の世界でも引退される方が出てくるものというふうに考えております。そういう中においても、食料の供給力を維持、向上するためには、農地をしっかりと維持をしていくと同時に、一人当たりの生産性を上げていく必要があるというふうに考えております。その際に、まずはですね、リタイアで使われなくなる農地を担い手がしっかりと引き受けていくということになろうかというふうに思っておりまして、それによって、まず担い手への農地の集積集約化が加速してくるものというふうに考えております。また、担い手がまとまった形で工作できるようにすることで、作業がしやすくなって生産コストや手間を減らすことができるだけでなく、より効率的に機械等を活用できることから、スマート農業の効果もより発揮されやすくなるというふうなことが期待されると考えております。今後、我が国が高齢化、人口減少する中で、担い手への農地の集積集約化と、そしてスマート農業の取り組みをですね、しっかりと両立をさせて一層促進をすることで、農業生産基 盤の強化と一人当たり生産性の向上をですね、図ってまいりたいと思います。
3:08:23
ちょっと一つ飛ばしましてですね、農村RMOについて伺いたいと思います。総務省の調査によりますと、近年地域で暮らす人々が中心となって、地域課題の解決に向けた取り組みを持続的に実施する地域運営組織、すなわちRMOですね。このRMOが増加傾向にあるということであります。
3:09:19
先ほどの話で、農業集落の総個数ですが、9個以下の割合は、2020年では中間農業地域で8%、三間農業地域で20%ということで、特に中三間地域の農業集落の割合が少ないといいます。(知事) 農業集落の割合は、9個以下の割合は、2020年では中間農業地域で8%、三間農業地域で20%ということで、特に中三間地域の農業集落の割合が少ないといいます。第45条には、国は農業と農業以外の産業の連携による地域の資源を活用した事業活動を通じて、農村との関わりを持つ者の増加を図るため、これらの事業活動の促進、その他必要な施策を講ずるというふうにあります。総務省の調査によれば、RMO全体の中での農村RMOの割合は低いという統計が出ているそうでありまして、厚生団体として参加している組織で1.8%、厚生団体ではないが活動に協力している組織でわずか2.2%ということで、このRMO全体の中での従来からあるRMOに農的活動になってもらう、そういうようなことをやったりとかしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんですが、この農村RMO、今非常にまだ少ない状況ですけれども、この育成をどのように進めていくのか考えます。
3:11:04
農村地域では人口減少、高齢化が急速に進み、特に中山間地域の集落では農長全や共同活動が困難になってきていることから、複数集落のエリアで連携して活動する体制を構築することが重要であります。農林水産省では、複数の集落の機能を補完して農用地保全活動や農業を確保した経済活動と合わせて、生活支援等地域コミュニティの維持に資する取組を行う農村RMOの形成を推進しております。事業としましては、令和4年度から始めているところでございます。具体的には、モデルとなる組織の形成を推進するため、地域協議会による将来ビジョンの策定や実証事業等の取組への支援、地域での活動が円滑に進むよう、きめ細かくアドバイスしたり相談に対応する都道府県レベルでの搬送支援体制の構築への支援、関係府省と連携した制度や事例の周知、知見の蓄積や共有といった全国レベルでの取組等を進めているところでございます。引き続き、これらの取組を行いまして、農村RMOの育成を推進してまいりたいと考えております。
3:12:23
農村RMOを非常に期待をしているところなんですけれども、ぜひ順調に育っていくようにお願いしたいと思います。本年施行されました農業経営基盤強化促進法において、これまでの人農地プランを地域計画として法定化いたしました。この地域の農業者等の話し合いによる将来の農地利用の姿を目標地図として明確化し、農地バンクを通じた農地の集約化等を推進することとなっています。この農地バンクは目標地図に位置付けられた受け 手に、所有者不明農地、有給農地も含めて、所有者等から借り受けて農地の集約化等を進めていますが、利農する農家の状況によっては、分散策法ということも考えられるわけです。農地整備を進めるにしても、最終的に1枚になるとは限らない。非効率な営農を強いられるケースもあると考えられるのですが、この点についてどう考えるか伺います。
3:13:37
お答え申し上げます。まず農地バンクでございますけれども、これは分散策法として利用されている農地を借り受けて、必要に応じて基盤整備等の条件整備を行い、それを担い手に対して集約化されたまとまった形で貸し付けることができるようにする。そういったことを目的とした仕組みといたしまして、平成26年度に創設されたものでございます。これまで農地バンクを活用した集約化等の取り組みの後を注意するため、農家負担ゼロの基盤整備や農地の固定資産税の軽減措置を講じるほか、農地の貸付割合に 応じて交付する地域収穫協力金ですとか、あと令和4年度に新たに推進いたしました集約化割合に応じて交付する集約化奨励金による支援を行ってきているところでございます。今、委員の方からもご紹介ございましたが、現在、農業経営基盤強化促進法に基づいて各地域で地域計画の策定の取り組みを進めていただいておりますけれども、我々としては引き続き必要な支援を講じるとともに、この基盤強化促進法に基づく地域計画の中で将来の農地利用の姿を目標地図として明確化していただいて、地図に位置づけられた受け手に対して農地バンクの活用により農地の集約化等を進めていきたいと考えておるところでございます。農地バンクを使うということは大事だと思うんですが、先日視察に行った夏潮原の農家の方は、農地バンクを使っていないと言っていましたけれども、そんな中で、いわゆる農地が転在をしているという話も出ていました。農地バンクを使えば、農家負担ゼロの基盤整備もされるとか、いろいろ利点はあるのですが、一方で、受け手は既に様々な理由でいろいろ農地を借り受けている方たちもいらっしゃるという中では、そうした担い手というのは、まとまっていない農地を預けられるわけですから、農機具の移動なんかも結構お金がかかるというか負担になります。そういう意味では、こうした農機具の移動支援なんかを応援したがたらどうかなというふうに思うんですけれども、ここから大臣に伺います。
3:16:13
委員御指摘のとおり、集約化には地域での調整などに一定の時間がかかる場合があります。課題があることは、そのことを十分承知をしております。集約化されるまでの間の支援につきましては、現状の分散した農地利用の固定化につながる懸念もあるということで、慎重に検討する必要があるというふうには考えております。他方で生産コストを減らすなど、収益向上につなげるためには、やはり担い手がまとまった形で工作できるようにすることが重要であるというふうに考えております。このため、農地バンクを通じて各地域の農地の集約化に取り組む際には、令和4年度に創設いたしました集約化奨励金が活用できます。当該奨励金につきましては、地域の実情を踏まえ、原則2年間で集約化に取り組めばよいこととして交付をしておりまして、その活用を人につきましても、地域で自由に決めていただくことが可能となっております。まずは、こうした取組を通じて、担い手への農地の集積集約化に取り組んでいただいたらというふうに思っております。農林水産省は、備蓄食料のすべてを国内の倉庫で保管するにはコスト面で問題があるというふうにしておりまして、総合的な備蓄という考え方を示しています。すなわち、国内の生産容力、国内の民間在庫、海外の生産農地、日本向けの契約栽培ということですけれども、海外倉庫の在庫、海外からの輸送過程、こうしたところで全体的な総合的な備蓄というふうに考えているということです。この中の民間在庫について言えば、経営に直接関係することですので、把握が難しいと言われておりますし、また海外の備蓄では、不足の事態が生じた場合に、果たして日本へ輸送ができるのかという懸念もあるところであります。この重要な食料の備蓄の在り方については、食料供給困難事態対策法案に基づく基本方針で定める予定というふうに伺っておりますけれども、改正案では、食料安全保障の確保に係る基本理念に備蓄の確保を規定しておりますし、また不足時における措置においては、備蓄する食料の供給に必要な政策を講ずるものという規定を置いております。今後の食料安全保障の在り方を考える上で、極めて重要な部分であります。そこでこの食料備蓄の在り方、ある程度方針を示してはどうかというふうに考えるのですけれども、大臣に伺います。備蓄の機能につきましては、供給の不足に備えて在庫を一定量確保しておきまして、市場で供給が逼迫した時に在庫を放出することによって、供給不足を解消するということであります。このため、食料供給困難事態対策法においては、基本的には民間備蓄の活用を念頭に置きます。そして、出荷販売の調整を位置づけまして、この中で備蓄の放出の要請や供給量を抑制することによりまして、備蓄量を確保するといった要請を行うことと、不足時において食料を適切に市場に供給をしていくこととしております。また、出荷販売の調整を適切に行うためには、平時から一定量の在庫を確保しておくことが重要であります。特定食料等の備蓄の在り方につきましては、基本方針の中の本部設置期間以外の期間において、実施する措置の総合的な推進において定めるということとしております。平時からの在庫量、こういったのが大事だということであります。さらに、食料供給困難時に供給確保対策を行うためには、民間在庫を含め、国内にどの程度存在するか把握することが重要でありますけれども、現状では、主要な食料の多くについて、流通在庫等が把握できておりません。このため、備蓄の方針を策定するにあたりまして、報告聴取の規定に基づきまして、民間の在庫量を含む必要な調査を行うということとしているところであります。
3:21:41
気候変動による世界的な食料生産の不安定化、世界的な食料需要の拡大に伴う調達競争の激化に加えて、ウクライナ戦争、新型コロナ、こうしたことによって、輸入する食品原材料や生産資材の価格高騰が大きい、また国際的なコンテナ不足による供給が不安定になるなどいたしました。さらに、食料以上に調達切り替えが難しいと言われる科学肥料の輸出規制もありまして、食料と生産資材の確保というのは課題となったわけです。とりわけ、科学肥料でいうと、我が国はほぼ全量を輸入しております。令和3年で言いますと、尿素はマレーシアと中国、リンアンは中国、塩かかりはカナダというふうに、輸入相手国も偏在しているという状況であります。そこに、中国の輸出検査の厳格化によって、急に入らなくなったわけですが、急遽、モロッコ島からの協調会例、あるいはロシアベラルージから輸入していた塩かかりをカナダに切り替えるなどを対応とったわけですが、こうした一時産品は特定の国に集中する傾向があると言われておりまして、その分、貿易制限の影響を受けやすい特徴があると言われています。不足時の食料安全保障の問題を考える上では、国際関係の維持・調達先の多角化、あるいはリスク管理が非常に重要になります。これらは外交の在り方にも影響すると思いますが、農林水産省として外務省など関係省庁とどのような関わり方をするのか、元外交官の高橋政務官にお伺いいたします。
3:23:36
お答え申し上げます。我が国の食料安全保障を確保していくためには、国内生産で需要を賄えない農産物や肥料等につきまして、平時から安定的な輸入を確保することが重要であると認識しております。このため、基本法の改正案においては、輸入の安定を図るため、輸入相手国への投資の促進、その他必要な施策をコーズルームで、新たに盛り込ませていただいているところでございます。今、委員からご指摘があった、化学肥料の件につきまして、一つ具体的な例を紹介させていただきますと、実はこの大型連休に私はマレーシアの方に行ってまいりました。そこでですね、実はここで委員をされている宮崎正男先生が、2年前に政務官であられたときに、実はマレーシアというのは、先ほど委員からご指摘があったように、この輸入先としては大変重要な国でございますけれども、この安定確保につきまして、働きかけをいただきまして、実はこの2年間で、全輸入量の57%から73%に、マレーシアという ものは確保できているということで、私からも御礼申し上げるとともに、引き続き安定的な確保をお願いしたところでございます。このように輸入相手国から資材を安定的に確保するためには、相手国との友好的な外交関係というのは、大変重要だというふうに考えております。マレーシアとの関係におきましても、1980年代にマハティール当時の首相がですね、開始した東方政策に応する形で、人的交流や開発協力をODAなどを通じて、行ってきた背景がありまして、こうした我が国の長年の取り組みがですね、相手国の信頼につながり、こうした我々の依頼に対して応じていただける環境を、整えてきたものというふうに考えております。農水省としましてもですね、引き続き外務省、JICA、JBICなどの関係機関と連携しまして、政府一体となった外交的努力や必要な施策を通じまして、相手国政府の理解協力を得ながら、食料等 の安定的な輸入の確保に努めてまいる考えです。
3:25:49
はい、頼もしい答弁ありがとうございます。次にですね、先の本会議で、我が党の質問でですね、食料供給能力の維持に関する質問がありました。総理は、農産物の輸出の促進に関する規定を設けるとともに、輸出先の具体的なニーズや規制に対応した輸出産地の育成、品目別輸出促進団体によるオールジャパンでのプロモーション体制の強化、輸出先の多様化に向けた情報発信の強化の取り組み、というものを答弁をされたところであります。現在、輸出額が多い農産物というのはですね、アルコール飲料、ソース混合調味料、製料飲料水、菓子ということで、加工食品が中心なんですね。アルコール飲料でいくと、日本酒もブームになっていますが、例えば日本酒だと、1升の純米酒を作るのに1.5升の米を使うとか、ということがありますので、日本酒を輸出することは、そのまま米農家を応援することにもなるのですが、一方でですね、海外で非常に人気の高いジャパニーズウィスキーはですね、国産原料にこだわったものもありますので、こうしたものを除くとですね、原料の多くは輸入になっているという状況にあります。そういう意味では、これら加工食品、今輸出の多い加工食品ですが、食料安全保障に貢献しているとは、なかなか言い難いという状況にあるわけです。この食料供給能力の維持に寄与するような、農産物の輸出促進の在り方、これについて大臣にお伺いいたします。
3:27:33
委員、御指摘のとおり、国産ウィスキー製造メーカーの原料は輸入品が主であります。しかし、一方で国産原料の使用を拡大す る動きも出てきております。それから、茶飲料、乳飲料など、ウィスキー以外の加工品もウィスキーメーカーで製造し、その過程で国産原料を購入しているということもあります。さらには、地域経済におきまして、雇用を維持する役割も担っております。農業者の所得向上や農村社会の維持を通じまして、輸出の拡大は、国内の食料生産能力の維持に十分貢献しているというふうに考えております。このような観点から、農林水産省としては、加工食品も含めて輸出の食品を行っているところでありますが、米や果物、畜産物等の農産物の輸出につきましては、その国内生産基盤の維持への直接的な効果を、輸出産地の形成を通じて、農業生産者に実感してもらうことが可能であるというふうに考えています。このような輸出産地の形成に向けましては、地域ぐるみで輸出向けの生産・流通体系へ転換する取組を支援する事業を実施をいたしております。それから、一定量を継続的に輸出できる産地を、フラッグシップ輸出産地として選定することによりまして、輸出産地の形成段階に応じた、こういった輸出産地について、切れ目のない支援を実施しているところであります。
3:29:30
国産原料にこだわった加工食品にもっとインセンティブを与えてもいいのかなというふうにも思います。以上で質問があります。
3:29:51
日本維新の会の松野明美です。どうぞよろしくお願いいたします。午前中からの質問の中にも入っているんですが、一昨日、栃木県の塩原市の方に基本法の視察ということで、委員の皆様方と一緒に視察に行ってまいりました。雨の降る中、本当に迎える側も困らないかなとか、ご迷惑じゃないかなと思いながら伺ったんですが、本当に傘を差して一生懸命私たちに笑顔で小さいところまで説明いただきまし て、本当に国の支援というのは本当に必要にされているんだなということをしみじみと感じました。そういう中で、やはり農地のエネルギーといいますか、特に藤木先生と山田先生の田んぼの前ででも笑顔は忘れられません。こんなにもですね、やっぱり元気が出るもんなのだなというふうにしみじみと感じたところでございます。そういう中で、特にですね、3カ所目に視察をいたしました。長川町では福島町長から人口もだんだん減ってきて、町全体が消滅しそうだと。そういながらも、みんななんとかして、地域のリーダー、先ほども言葉がありましたが、地域のリーダーを中心としてなんとか生き延びようとしているということで、力を合わせて頑張っているということをですね、お伝えいただきました。特に農博について、少し非常に力を入れておられて、全国から中高校生をはじめ海外からも学生を受け入れられているということで、令和5年は1000人が利用されたということでございました。農博と聞きまして、私もちょっと思ったんですが、非常にですね、緩やかな、上り坂とかがあるんですね。雨だからよくは見えなかったんですが、その中でトレイルランとかマラソンの合宿、非常にですね、私いいんじゃないかなと思ったんですね。スポーツ選手っていうのは、強い選手 がいると、どこで練習をしているのとよく聞かれるんですよ。都知事県の中川町だということで伝えると、どんどんと学生の陸上部とかマラソン部であったりとか、駅伝部、また社会人の実業団の選手たちがどんどんとですね、練習に行くんですね。食べ物もおいしいですし、大根とか白菜もよく摂れるということも聞きましたし、温泉も出るということでですね、私は、こういうところを国が一生懸命支援をして、マラソンの聖地とかトレイルランの聖地、スポーツの聖地として、どんどん専念をしていければ、もっと人がですね、どんどんと来て、地域の活性化につながっていくんではないかなと、本当にですね、しみしみと感じていました。山しかない、そして農地しかない、畑しかないような、この環境というところまで行ってみないとわからないなと、本当に思いながら、ぜひ皆さま方、行っていただいて、農博と言いますか、農業にですね、始めてもらえるからいいなと思ったところです。その中、今回、第49条に、新しく農村への滞在の機会を提供するという言葉が入りました。ますます農博への期待が膨らむんですが、この言葉が入った理由、また農村への滞在への機会を通しての雇用の消費とかが出てくると思うんですが、その取り組みを教えてください。
3:33:18
お答え申し上げます。食料農業農村基本法の改正案においては、まず第49条第1項においてですね、新たに農博を念頭に置いた施策として、余暇を利用した農村への滞在の機会を提供する事業活動の促進ということで位置づけております。農博地域については、令和2年度までにですね、取り組み地域を500地域創出する目標を掲げ、平成29年から支援を開始し、1年前倒しの令和元年度に目標をまず達成をしているところであります。その後もですね、取り組み地域は増加をしていて、現在では全国656地域となっています。ちなみに農博地域の宿泊者数については、令和2年度以降大幅に落ち込むなどコロナの大きな影響を受けましたが、令和4年度には延べ宿泊者数がコロナ前の水準に回復するなど、農博推進の取り組みの成果は着実に現れてきていると認識をしております。一方で、法日外国人旅行者の割合はコロナ前の水準にまだ回復をしておりま せんので、インバウンドの受け入れ促進というのが必要ではないかというふうに認識をしております。今後どのようにするかということでありますが、観光立国推進基本計画に基づく農博地域での年間延べ宿泊者数を、令和7年度までに700万人泊とする目標の達成に向けて、インバウンドを含めた地域への誘客増大、体験の充実等による地域での消費機会拡大、農博事業者の生産性向上や宿泊等の単価再設定による交付化価値化を図るとともに、農林水産省としても農博地域の年間延べ宿泊者数に占める外国人旅行者の割合を10%に引き上げるべく、この重点地域を28地域選定していまして、今後計40地域を選定して、関係機関連携をして支援をしていきたいと思っております。こうした取組みすべてを通じまして、持続的な収益の確保、地域の雇用創出と関係人口の拡大進化を実現してまいりたいと思います。また、ぜひ先生にも、うちの地元の農博にも再建していただければと思います。そして、ぜひ走ってください。
3:35:47
すみません。ちょっと聞き漏れたのかもしれませんが、目標が令和7年まで700万人博っておっしゃったんですが、現在はどれくらいなのかわかりましたら教えてください。
3:36:03
令和7年で610万人博ぐらいでございます。610万人博でございます。
3:36:14
もう少し目標を上げていただいても、もしかしたらいいかなと思います。というのは、特に芸能界とかは、ストレスとかも、ストレス境ですからたまるときに農業をされるんですよ。農業に行って、やはり心身ともにリフレッシュをして、また戻ってこられたり、そのまま農業をなさったりとかいう方もいらっしゃいますし、私たちのよう なスポーツ選手も、セカンドキャリアということで農業を始める方も多いので、もっと農博を通して農業を始める方というのは、もっと多くなっていくのではないかなと思っておりますので、特に農博には力を入れていただきますと、効果がどんどん出てくるのではないかなと現地を見て思いましたので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。本当に田んぼの前の山田先生の笑顔が、本当にすごいなと思いました。それだけ、農地というのですね、田んぼというエネルギーというのは、私たちはよくトラックの競技場しか見たことがなかったので、分からなかったんですけど、本当に行ってみて魅力を感じたなと、思いまして、私たちも伝えていかなければならないなと、本当にしみじみと感じたところでございます。今回の食糧、農業、農村基本法が25年ぶりに改正をされるということなんですけど、私、25年前の現行法ができた時というのは、全くそういう状況を知りません。ただ、お話を聞きますと、かなり時間をかけて現行法ができたということと、いろんな議論を積み重ねてできたということをお聞きしておりますので、この現行法が良かったのか悪かったのか、その現行法が生きてきたにも関わらずこういうような状況なのか、それとも全然生かさずにして 、このような、機関的農業従事者が減ってきているとか、いろいろありますけど、そういうような状況になったのかというのは、よく実は分からないような状況です。本会議の総理の答弁の中でも、農業の担い手原書の中でも、農業総算出額は9兆円前後を保っているところというようなことを答弁がありました。保っていると言われると、私たちは言葉のからくりと一緒で、あっ、だったらずっと維持がされているんだなというふうに感じるんですが、農業総算出額は1992年、90年前後には11兆円あったのが、現在は9兆円ということで、ここ2兆円減っているんですね。ということは、実際には生産量が減ったりとか、生産者の利益も減っているのではないかと考えるんですけど、この辺りはどのような、どうなっているのでしょうか。教えていただければと思います。
3:39:01
食糧農業農村基本法の制定以降ではありますけれども、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の体操を占める農業構造の実現を図るため、農地の収積集約や基盤整備の推進などの施策を進めてまいりました。その結果、我が国農業におきましては、二内定の農地の収積率が6割に上昇いたしまして、販売額5000万円以上の経営体や法人経営体が増加するなど、望ましい農業構造の実現に向けて着実に進展をしてきたところです。今、委員の方から言われました、1990年代の前半の11兆円というのは、これは食糧管理法におきまして、米を政府が買い上げていた時代であります。買い上げ価格を1票、4万5千円とか5万円とか、生産者弁加があった時期でございます。この食糧農業農村基本法が制定されたのは、その9年後、1999年、平成11年でございます。その平成11年は、9.4兆円、米を政府が買わなくなりましたので、9.4兆円に減っております。そして、その後、さまざまな集約家、あるいは経営判断、こういったもので農業を展開するということで、あるいは法人経営が多くなってきたということで、9兆円を維持している、保っているというようなことで、総理も本会議で、農業総算出額は9兆円前後を保っているというふうに答弁されたところでございます。
3:40:51
私も今度、基本法の質問にあたりまして、やはり議員の皆様方は農業のプロというか、これまでのことをよくご存知の方ばかりなんですけど、私の場合はほとんど農業のことを知らないような状況で質問をしておりますので、これが質問していいものかどうかということも、実際は迷いながら質問をしているところです。ただ注意をされないので、まあまあ大丈夫なのかなと思いながら質問をしているんですが、ただ産出額ではなくて、大臣、これが産業の質という面からは、これまでの25年間というのはどのように総括しているのかということと、基本理念という言葉がありますが、この基本理念がどの程度実現してどういう課題があるのかというようなところが、もしわかりましたら教えていただけますか。
3:41:42
委員、大変勉強されているというふうに私は聞いております。いろいろと役所が行くたびに、いろんなことを蓄積されているということをお伺いしておりますので、いろんなことをお聞きいただきたいと、ご質問いただきたいというふうに思っております。先ほど言いましたような、そのような結果におきまして、農業所得におきましても、例えば、修業経営体にお きましては、令和元年の419万円が、令和3年には434万円となるなど、中長期的に見ると、農業者所得というのは上昇をいたしております。一方、農業経営の規模拡大は進んでいるものの、その経営基盤は必ずしも強固ではありません。特に資材費や人件費が高騰する中で、農家の売上げに占めるコストの割合が非常に高くなってきております。産業として農業を考えれば、他産業と比べて収益性はまだ高くないというふうに考えております。このため、今回の基本法改正におきまして、生産性や付加価値が高い農業生産を実現するとともに、合理的な価格形成を進めることで、収益性の高い農業を実現しましょう。そして加えて、農業法人の経営管理能力というものを高め、そのことによって所得を上昇しましょうというようなことで、産業としての質の向上というのも図ってまいりたいと考えております。
3:43:27
丁寧に説明いただきました。ありがとうございます。だいたい分かったような感じもいたします。そういう意味で、今回の25年ぶりの改正で、どこがどのように変わって、どのようになっていくのかというのが、よく理解しづらいような状況の中なんですけど、先ほどからもありました質問が、食料自給率ということで、38%ということでの先進国の中でも最低水準が続いています。これは多分、米の減端といいますか、そういうのもあると思いますが、米の消費量が減少したというのもあると思いますし、塩作物の輸入に頼ってきたというのもあるというのは、だいたいのところ分かるんですが、目標ですね。先ほどの質問ありましたけど、目標というのは、実際は立てていらっしゃるのかどうか、お聞かせください。
3:44:27
食料自給率の目標については、基本計画で45%を達成するという目標を設定しているところでございます。
3:44:37
先ほど大臣の答弁で、予測に応じて設定するというような言葉があったんですね。予測といいますと、おそらく労働力に比べて、そういうようなことだと思うんですよ。そういうことではないかなと思います。農地面積からすると、これぐらいの自給率になるだろうということで。ただ、やっぱり目標は高ければいいというわけではないんですが、高くないと、おそらくこのまま38%あたりの前後でとどまるんではないかと思うんですね。スポーツもそうなんですけど、目標は高く設定していかないと慣れてしまうんですよ。10キロ太ってですね、こうすると、やっぱり10キロ太った状況が慣れてきまして。太ってても、慣れてきてですね、マラソンの体幹でなければならないけれども、10キロ減量しようという気持ちにならないんですよ。やっぱり目標は高く設定する必要が私自身はあると思っております。その中で、食料自給率について、これから先の目標をどのように考えていらっしゃるのか教えていただければと思います。
3:45:55
まず食料自給率について、予測のところについて、こうした考察をさせていただきますと、基本計画で食料自給率の目標を設定するにあたりまして、まずシオナ農作物について、どれくらい国産のものを作っていくのかという生産努力目標を作っています。また、シオナ食料についての消費というのは、現在の食料と消費の動向等を見通して、消費がどうなるのかという見通しを立てております。そういった予測を踏まえまして、将来の国民の消費に対して国産の努力においてどの程度を叶えるのかということを踏まえまして、基本計画において食料自給率目標を達成しているところでございます。現在の状況でございますけれども、自給率は40%が今38%程度となっているということになりましたけれども、この変動要因についてみますと、一番マイナスの行き先効果というのがあるのが、国内で自給可能な、自給率高い米の消費量の現象でございます。それによってですね、国内で賄えているものが縮小することによって、国産の供給によって賄える割合が減っていくということが生じているということでございます。米の消費量はですね、長期的に言うのが昭和40年度にですね 、年間1人当たり111.7kgから半減しており、令和2年度以降はですね、51kgというふうに推移をして、現在も減少傾向で推移をしているということでございます。こうした食料消費の影響というのはですね、しばらく継続するということが予想されますけれども、ただ食料安全保障の観点から言えば、輸入リスクの増大とございますので、輸入に依存度の高い麦、大豆、加工原料、野菜の輸入依存度の高い品目といったものをですね、国産を増大していくということが一番重要だと考えております。このような取り組みによって、基本法制定以降からですね、麦、大豆については自給率は1.5%程度は引き上げているという効果も同時にございますので、こういった取り組みをさらに推進していく。また米についてはですね、国産の需要がですね、減っていくという傾向がある中で、輸出を促進する、もしくは米粉等の新しい需要を見つけていくという努力をですね、総合的にいたすることによってですね、食料の安全保障を確保して、これが自給率の引き上げにもつながっていくというふうに考えています。
3:48:19
努力はされているというのはよくわかりました。ただ、昔から地方議員時代からそうなんですけど、こういう質問をするとですね、できない理由をおっしゃるんですね。高校だから、高校だから、高校だから、やっぱりできる理由、できる方法で答えていただかないと、おそらく農業というのはですね、攻めていかないと私はいけないんじゃないかなと思うんですね。守りばっかりでは、おそらく荷台でも減っていくと思いますし、将来の農業、特に10年後、20年後を考えていかないと、今じゃなくて、その後のことを、次世代にどうやってちゃんとバトンを渡すかというか、助けを渡していくかというのを考えていかないと、おそらくですね、このままではないかなと思います。私たちはこうやって話をしていますけど、現場の方たちというのは非常に諦めていないんですね。一生懸命、できる限りの、政策を使って、体制を使って、補助金なども使ってですね、できる限りのことをなさっているなということは、本当に視察の短時間で私、つくづくと感じましたので、そういう方たちのためにもですね、やっぱりこうやる気を持ってやっていただければ嬉しいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。次は未来像についてお尋ねをいたします。このままではですね、基幹的農業従事者も20年後には現在の4分の1の30万人になると言われている中、なかなか明るい農業を創造することが難しいというようなことの質問でですね、総理からは、スマート技術等による生産性の向上とか、ブランド化による付加価値向上、販路拡大等の取り組みを支援していくというような答弁をいただきました。大臣にはですね、もう少し具体的に、例えば基幹的農業従事者が将来30万人になっても、高校高校だから大丈夫ですよとか、農産漁村発イノベーションの推進によって農業の在り方がこのように変わっていくんだとか、一応危機感を持ちながらも安心できるような説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
3:50:34
2050年、日本の総人口は1億人と現在から2000万人減少をいたします。このような人口減少が避けられない中で、農業について、今言われましたように、基幹的農業従事者が120万人から30万人に減少をいたします。これは現在の農業者の平均年齢が、60歳以上の方々が8割を占めるということで、こういう見込みになっております。4分の1に減るわけですけれども、今まで4人でやっていたやつを1人でやろう、あるいは無人でやろう、こういったことはできるわけです。ですから、スマート農業の技術の展開によりまして、やはり生産性の 向上、そして今まで多数でやっていたのを無人でやる、1人でやる、そういったことを達成していかなければいけないというふうに思います。それから、連休中は、私も高橋政務官も東南アジアに行ってまいりました。私はタイに行って、そしてマレーシアに行かれてみました。やはり、東南アジアは日本が中心となって、今後輸出をするための大きなマーケットであります。そして、日本の食品の安全性、美味しさ、こういったものについては非常に評価が高いものであります。ですから、まさにアジアを中心とする諸外国へのマーケットを広げることによりまして、日本の農業生産を維持・拡大しながら、まさにアジアのあるいは世界の農業の中心になっていこう、そういう大きな望みも持っております。そして、農村の関係人口であります。先ほどから言われておりますように、関係人口を増やす、農博を思い切って、様々な形で展開をする。そのことによって、農村人口が減少する中でも、その農村が活力を持ってくる。そういうような農村の活性化というものを図ってまいりたいというふうに思っております。
3:52:43
ありがとうございます。先ほども60歳以上の方が8割だからということもおっしゃったんですが、2050年の未来像を説明いただいたと思うんですが、私は、ちょっとそういう題名の本を読んだんですけど、世界人口の増加が、この本によりますと、私、串田読んだ本によりますと、世界人口の増加で81億1900万人が100万人を超えてしまうというか、向かうとか、温暖化、そして砂漠化が進んでいくとかですね、田畑は森に戻り、工場は高齢者のコミュニティに置き換わるだろうとかですね、高齢化、移民拒否の姿勢が日本の水田へと進むというような恐ろしいですね、こともですね、書かれてありました。ただ、大臣の5日のブログ、数年前のブログだったと思うんですが、そんなことに目を背けてはいけないというような言葉があったんですよ。そういうようになってしまっても、やはり国民を守っていく必要があると思うんですね。そういうためにも、やっぱり努力をしていかなければならないんではないかなと、本当に思います。そのために農林水産業というのは基本基盤ですから、ぜひですね、もっともっとやる気を出していただきまして、力を入れてですね、頑張っていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。先日、本法案の一部修正につきまして説明がありました。多種化に資する新品種の育成及び導入の促進の明記についての説明がありまして、本会議の総 理の多種化に対します答弁では、多種化によって国として農研機構を活用しつつ、自治体と連携して、品種の開発とか普及、研究人材の育成を進めるということでありました。今後減少していくだろう農業者が、そしてより狭くなる農地で多くの農産品を生産できるようになることは、これからの食料安全保障に資すると考えます。特に中山間地域では多種化は意義があると思うんですが、どのようにお考えかお聞かせください。
3:54:59
品種開発は従来から品種に勝る技術なしと言われるほど、農業の基盤的な技術であると言えます。ご指摘の多種性品種の開発は、今後の我が国農業におきまして、生産性向上を支える極めて重要なものであると認識しております。私も先般地元に帰りまして、大洲町は大豆を断地化して生産をしております。これまでの品種は副豊かと言いまして、だいたいタンあたり180キロぐらいでございました。しかし、新たな品種はソラミノリと言いまして、タンあたり250キロ、四六の樹脂だから4票以上取れるということで、大変品種改良を進めてくれという ようなことを、私も皆さんから言われたところであります。多種性品種につきまして、今後も産学館連携による開発を進めていきたいと考えております。水稲や大豆などで新たな品種も開発されているところでありまして、今後とも多種性に優れた品種の開発、普及を進め、我が国農業の生産性向上に、最終的にはつなげてまいりたいというふうに思っております。
3:56:26
大臣、先ほどおっしゃったように、品種に勝る技術なしというような言葉もあります。多種品種は量ですが、多種をすることによって同じ面積、同じ手間で100取れていたものが120取れるようになるとか、多くの農産物が抜収穫できるということと、質のほうも品種改良で高温でも品質が落ちない農産物が作れるということを聞いています。例えば、これまでも、越し光徳は新潟県と福井県の農業試験場で開発されたということを聞いているんですけど、農業者と農研機構との取り組みというか、連携はどのようになるのか教えていただければと思います。
3:57:12
お答えいたします。委員御指摘のとおり、品種改善は非常に重要でございますが、育成には相当の時間がかかります。このため、農研機構と地元の自治体、特に農家の要望を聞いている地域の特性に応じた自治体との連携というのは非常に大切でございまして、特にイネなんかにつきましては、農研機構が開発した品種を自治体が後輩、親に用いまして地域向けの品種を育成する、要するに途中まで農研機構が作りまして、最後のアレンジを地元の試験場が農家の要望を聞いて、しっかりアレンジして最終品種にするというのが非常に最近スタンダードになってきております。相当手間と時間がかかりますので、農研機構、北から南まで補助施設、研究者いますので、そこを途中まで開発しまして、最後の数年の品種改良の最後のところを地元の要望を聞いて、地元の試験場が地元にあったやつを作るということはとても大切でございまして、農研機構が地元の研究者だけではなくて、農家の皆さんの意見を聞いて品種改良をするというのが三角間連携の基本となっております。
3:58:18
先ほども手間と時間がかかるとおっしゃったんですけど、最低でも10年くらいかかるということを聞いて、本当に長い目で見ないといけないなということは本当に思いました。最近では地球温暖化が進む中、高温耐性の稲の開発が進んでいて、青森県の晴れ渡りとか、福井県の花江知全は県の研究機関で誕生しているということを聞きました。多州管に関しまして、今度は農林水産省と自治体との連携を発展していく必要があると思うんですけど、道筋と言いますか、どのように連携していかれるおつもりなのかも聞かせていただければと思います。
3:59:04
お答えいたします。昨年非常に暑かったので、高温耐性品種に対する要望は非常に全国から要望中です。これまで昭和40年代とか30年代は低温に強い品種を作ってほしいとか、あるいはイモチ病がたくさん出るので、イモチ病に強い品種を作ってほしいという要望が全国から教えられていたのですが、最近のところに、高温、夏場の稲の開発期に非常に暑くなるとか、あるいは収穫の時に非常に暑くなるということで、ここを早く作ってほしいということで、農研機構でたくさん持っている母本を地元の農家と、あるいは地方の試験場と連携いたしまして、早く作っていくということで、高温耐性品種につきましては、かなり高温にならないと選抜ができない。高温の場所で品種開発をしたものを、そこで実際に栽培して、そこで選抜しないといけませんので、その暑いところに実際に持って行ってやるということが大切なので、今、東北とか北海道向けの高温耐性品種も一生懸命作っているところでございまして、ここにつきましては自治体と農研機構、それから大学の研究者、そういった方々と連携しまして、農家の補助なんかも活用しながら、皆さんの意見を聞いて、早く品種を作っていきたいと考えております。
4:00:19
多数か多数かと言っているんですけど、お聞きしますと、かなり難しいものなんだなと、私はできないなと思いながら聞かせていただきました。小さいことじゃないかというような声も出ていますけど、この小さいことが大きな一歩につながっていくのかなと私自身は思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思っております。次、基幹的農業従事者、先ほども言いましたけど、2000年には240万人だったんですけど、2023年には116万人と半減しているということです。この半減した基幹の日本の人口ですね、よく高齢化が進んでいるからとか、人口減少だからと言われておりますけど、この半減した人口は、2.02%の減少でしかないんですよ。だから高齢化とか人口減少が大きな原因だけではないんじゃないかなと私自身は思っているんですけど、この大臣はどのようにこの基幹的農業従事者の減少を見ていらっしゃるのか。よろしくお願いいたします。
4:01:32
すみません、お答えさせていただきます。基本法制定からの約20年間で、個人経営体の農業者である基幹的農業従事者は、この20年で104万人減少しましたが、そのうちの約7割以上、77万人を稲作関連の方がまず占めております。減った分の7割は稲作関連の人が大幅に減っているという状況です。稲作は機械化等の進展を背景に、少ない労働時間で生産できる体系が確立していることなどから、高齢でも比較的従事しやすいものの、今後は高齢の多数の稲作農業者がリタイアする局面にあったことが背景と考えております。また、加えて、最近では企業の定年延長による早期退職世代や定年機能世代の収納の減少や、若年世代における少子化等による新規収納者の減少なども、農業者の減少の要因と考えております。若い世代の皆さん数がそもそも少ないわけですけれども、例えばIT業界とか、今もっともっと稼げる業界が増えてきておりますので、そういうところと農業と比べると、なかなか収納に踏み切れないということも要因にあるんだろうと思います。
4:03:06
通告はしておりませんが、新規収納者が少ないというのは分かりました。若くて離納された方というのはどれくらいいらっしゃるのか分かりますか。途中で辞めるという方、もし分かりましたら、分かりましたらいいです。通告しておりません。
4:03:36
お答えを申し上げます。新規収納者全体の離納者数を把握することは、これは正直なところなかなか難しいというのが実態でございますけれども、一方で農林水産省の方で講じております新規収納施策を活用した方の定着状況、これについて把握をしております。平成29年度から令和3年度にかけて実施をいたしました農業次世代輪大投資事業によって、最長5年間の支援を受けた新規収納者の支援終了後の1年後の定着率ということになりますけれども、1年後の定着率を見ると、令和4年度で約98%となっ ているところでございます。
4:04:24
一応私、こちらのところで質問させていただいているんですけど、1年は持つんですよ。やっぱり5年、10年後が大事なんですね。1年はみんな頑張れますけど、やっぱりその後なんですよ。その後をやっぱり、たぶんですね、調べていらっしゃらないと思うんですけど、ありますか。もしかして。すみません、じゃあよろしくお願いいたします。
4:04:52
すみません、ちょっと資料を見ながらのです。ちょっと舌を噛んでしまうかもわかりませんが、まずですね、経済士型資金ですね、これを受けた者のうち、令和5年度において経済士6年目の、これは失礼いたします。これは支援終了後1年後ということになります。これは約2000名とい うことですけども、すみません。失礼いたしました。経営開始6年目の者がですね、約2000名ということになっております。なぜこれが難しいかという、すみません、説明になってしまうんですけども、調査対象は1年拡大するごとに追加で約2000名対象者が増えてくるということで、これをなかなかですね、市町村の方に確認をしていただくことが非常に難しいということで、大変恐縮です。今の段階ではその1年目の数字しか把握していないというのはそういうことなんですけれども、ご指摘の、確かに1年ということじゃなくて、ある程度のスパンで見ていかないと意味がないんじゃないかというご主体をご持っているのでございますので、ちょっとこの辺りにつきましては、今後ちょっとどういう工夫ができるかということについては、引き続きの検討課題としてさせていただきます。失礼いたしました。
4:06:14
ありがとうございます。焦っていらっしゃるお姿を見ますと、やっぱりやれるんですね。やってください。これから先の10年後20年後の次世代のことを考えると、これが大事なんですよ。技能者を減らさな い。新規就農者ではなくて技能者をまずは減らさないようにすることっていうのは、私はやっぱりこちらの方が大事じゃないかなと思うんですよ。その後に新しい方たちに農業をやってもらうきっかけ作りをやるということは大事ではないかなと思っておりますので、また5日農林水産委員会で質問させていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。農業の従事者を増やすためには、そういうことを調べるとともにやはり交流イベントとか魅力を発信する、こういうことが大切だと思っております。前の以前も質問させていただいたんですが、子どもの成りたい職業ランキングの10位以内に農業が入っていないとか、実際農業の高校生の生徒からですね、スマート農技術を学ぶ環境を作ってほしいという子どもたちから要望があるという、そういうような状況では、それは私は努力されていないというふうに私自身はそういうふうに思いました。ですから教育分野との連携強化も大事であると思っております。そういう中で教育との連携の強化、そして農業の魅力アップ、それをまた伝えていく、こういうことが必要だと考えるんですけど、どのように努力をさせていくお勧めでしょうか。
4:07:42
委員、ご指摘の通りですね、子どもたちに農業に関心を持ってもらうためにはですね、若者の憧れとなる農業者の情報発信というものを行うとともに、夢を持って働ける、稼げる産業だと感じてもらうことが重要だと思います。例えば、委員ご指摘のお知らせになられるかと思いますが、元アスリートの農業者からの情報発信、こうしたものも有効な取り組みではないかというふうに思っております。その関係で申しますと、つい先日もですね、坂本大臣には元サッカー日本代表選手とトークイベントを行っていただきまして、農業の未来を語っていただきました。またさらには、農業現場で活躍する若手農業者からの農業のやりがいなどの生の声を発信する、これは若者が触れやすいですね、例えばSNS等を駆使して発信に努めていく。こうしたことを通じてですね、子どもたちにいわゆる農業というのはかっこいい仕事なんだと、そういうことを若者が取り組んでいるロールモデルというふうに言いますけれども、そうした事業をですね、我々今農水省としても推進をさせていただいているところでございます。併せてご指摘いただきました、将来の担い手となる農業高校生が、例えばスマート農業を学べるようにする環境を整えていくことは大変重要だというふうに考えております。具体的には農業高校等には 、スマート農業機械等の導入とともにですね、農機メーカー等のご協力もいただきまして、外部講師として実演会を行っていただいたり、スマート農業の体験実習などの取り組みなどについても農水省として支援を行っておりまして、こうしたハードソフト両面から教育環境の整備を進めているところでございます。他方で機械等の整備がまだまだ不十分な学校もございます。さらなる充実を求める学校もございますので、こうしたところに対してもですね、しっかりと手当てができますように、今後とも必要な予算の確保に努めまして、全国的にスマート農業教育の技術などについても取り組んでまいります。
4:10:03
サッカー選手の中田選手ですかね。どんどんと発信していただければなと思います。憧れのサッカー選手であればですね、自分もやってみようかなというふうに思うと思いますので、ぜひ発信の方をよろしくお願いいたします。最後になります。簡単に質問させていただきます。所有者不明のうちにつきましてお尋ねいたします。長崎県の千島市では、陶器が変更されないままリノーが進んで、所有者不明のうちが全農地の63.6%となっているということをお聞きしました。かなり大切な難しい問題だと思っておりますが、現在全国の所有者不明のうちはどれくらいあるのか。また、第三者の担い手への妨げにもこれはなると思うんですが、増えていく恐れがあると考えるんですが、どのように対応していくのか、簡単に教えてください。
4:11:02
お答え申し上げます。所有者不明のうちでございますが、令和3年に農林水産省の調査を実施しております。その調査の結果、所有者不明のうちの面積が約103万ヘクタールとなっております。これ全農地面積の約2割となります。そのうち有給農地は約5万8千ヘクタールとなっておりまして、所有者不明のうちの約6%と多いことになります。今ご指摘いただきましたように、所有者不明のうちにつきましては、権利関係が不明確であり、第三者の担い手が仮有給用としても手続が進められないなどの支障を生じて、結果としてその所有者不明のうちが有給農地となることにつながる恐れがあるということを考えておりまして、我々としてもこの所有者不明のうち問題というのは重要な課題と受け止めておるところでございます。このため、まず本年4月から相続登記の義務化がスタートしておりますけれども、このことにつきまして、現場で周知徹底し、所有者不明のうちの発生を未然に防止してまいりたいと考えております。また、すでに所有者不明となった農地につきまして、担い手などが当該農地を利用する際に、簡易な手続で農地中間管理工法に長期間利用権を設定することができる所有者不明農地制度がすでに措置をされておりますので、この制度の活用を促してまいりたいと考えております。
4:12:39
よろしくお願いします。終わります。ありがとうございました。
4:12:59
確認しております、長谷川静でございます。農政の憲法と言われる食料農業農村勤務法、衆議院の審議を終えて、参議院に回ってまいりました。午前中の田中委員の質問にも冒頭ありましたけれども、やはりこれ基本法ですから、できるだけいいものを作っていきたい、その思いは与党や党また政府、同じ思いだと思います。そういう中で、衆議院の議論では、さまざまな意見、さまざまな提案、修正案等も出された中で、残念ながらほとんどそれが採用されなかったというのは、これ大きなカクを残すのではないかと思います。国会は任性ですから、この参議院の中で、ぜひしっかりとした議論の中で、ぜひ柔軟にこういった提案にも耳を傾けていただいて、必要な修正にもぜひ応じていただきたい。これは与党の皆さんにもお願いしたいと思いますし、また政府にもお願いしたいと思います。さて、現行基本法は平成11年、1999年に成立をいたしました。その際には、これ参議院におきましては、決議、本会議での決議というものが行われております。本会議決議ですから、一般の二位決議以上に大変重みのあるものだと思っています。この際には、国内農業政策の増大を図ることを基本にしながら、食料自給率の向上ですとか、農業の維持拡大を可能とする所得経営安定対策を講ずること、そして必要な予算措置を講ずることと、全会一致で決議がされております。この決議の達成状況について教えてください。
4:14:43
基本法制定時に参議院の本会議におきまして、この決議をされましたこと、十分承知をしているところでございます。その達成状況についてでありますけれども、まず国内農業生産の増大につきましては、食料自給率は基本法制定当時の40%から38%に低下をしていますが、これは国内で自給可能な米の消費の減少など、消費面での変化が大きな要因になっています。一方、小麦や大豆などの輸入依存度の高い品目の国産化の推進によりまして、自給率が1.4ポイント上がるなど、国内生産の増大につきましては一定の効果があったというふうに考えております。米が3ポイント減少し、そして、麦、大豆の方が1.4ポイント上昇しております。トータルでマイナス2ポイントということであります。また、農地の確保につきましては、農業生産基盤の整備や農地中間管理機構を活用した農地の集約化が、交配農地の発生防止等に一定の効果があったというふうに思っております。しかし、基本法制定時から約60万ヘクタールの減少というふうになっております。担い手の確保等につきましては、基幹的農業従事者は、基本法の制定時からおおむね半減をしております。法人化が進みまして、この法人等が農地面積の4分の1を占めております。そして、販売金額の約4割を担うまでにもなっております。その結果、全体として農業者数が減少しても、農業総産出額は、基本法制定時の同水準である約9兆円を維持しているところであります。WTOの農業交渉につきましては、我が国は、多様な農業の共存を、その基本的な考え方として、農業への多面的機能への配慮や食料安全保障の確保を追求するなど、輸入国と輸出国のバランスの取れた農産物貿易ルールの確立を主張してまいりました。今後とも、食料安全保障の確保に向け、国民の皆様の広いご理解のもと、農業に関わる方々が、将来に向けて夢と希望を持って取り組めるよう、必要な取組を行ってまいります。決議の総括というふうなことで言いますと、私はポイントとして減少した面もあるけれども、明るい面も出てきているというふうに考えております。
4:17:41
明るい面もというお話がありましたけれども、今、大臣からもご説明いただきました、農地面積が減り、生産農業所得もさほど増えておりません。むしろ減っているんですね。農業総産出額も、横ばい若干減って、また増えてきておりますけれども、基本法制定時、これだって、国内農業生産の増大を図るということを言われているんですね。持久率に関しては、米のお話ありましたけれども、総体としてどう上げていくかということが問われていた中で、下がってしまった。生産額も減ってしまっている。そして所得も減っていると。こういう状況の中で確かに、規模拡大とか、そういったことで多少集約化が進んだにしても、全体としてはですね、基盤の、農業生産基盤の弱体化ということにつながってしまったんじゃないかと考えています。そして何よりも、この決議の中では、必要な予算措置を講ずると、そんな約束がありました。ところが、お配りした資料をご覧ください。これは予算委員会の時に使った資料ですので、防衛予算と比べております。なぜかといえば、食料安全保障ということが今回強調されておりますので、安全保障という括りの中で、やっぱり農業のこの食料の安全保障に関しては、しっかりと予算を確保しなければならないんじゃないかということをずっと私も提起をさせていただいております。7月26日の本会議では、藤木議員からもそのようなご提起があったと記憶しておりますけれども、ところがこれ、図を見ていただきますとですね、平成11年の食料農業農村基本法制定以降、急激に予算が減っているということ。これ大問題だと思うんですね。先ほどの午前中の大臣のご答弁でも、法律が制定すればしっかりと予算の確保をしていきたいと言ってましたけれども、でも前回の、今の現行基本法に関して言えば、ここから急激に減っているんですよね。その前に増えているのは、ウルガラウンド対策とかいろいろありましたけれども、でも減っているという現状です。2枚目、もうちょっと細かく見ていくんですけれども、これ当初予算が緑の濃いところです。ところどころですね、補正等がついておりますし、もう一つ言えば、よくですね、農水省は民主党政権時代が一番少なかったと言いますけれども、この年は補正でどんとついておりますので、トータルとするとそのほかのほうがずっと少なくなっています。いずれにしても、微減傾向というんですが、全く増えていないということでありまして、もちろん予算が全てじゃないかもしれませんけれども、やっぱり必要な政策をするには、役所の皆さんにお聞きしてもですね、何かをやるにはこっちを削らなきゃいけないと、そういった苦しい状況かと思うんです。やっぱり全体として安全保障を強調するんであれば、なおさらですね、これまで以上に総枠としてしっかりとっていくということを、これ、農水省だけではなくて、政府全体として、そういう意味で私も予算委員会等で、総理にもこの問題提起をさせていただきましたけれども、そこをやっていかないと、金つければいいってもんじゃないにしても、でもやっぱり必要な予算というのはあると思うんですね。そこのご決意を改めてですね、これはもう政府全体として取り組んでいただくためにはもう、大臣のリーダーシップで、政府に呼びかけていただく、そういったことが必要であるかと思います。少なくとも、決意が全く踏みにじられている今、改めて今回のこの法案成立をきっかけとして、しっかりとですね、安全保障という枠組みの中で、他の予算にも食い込むぐらいの勢いでやっていく必要があるんじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。
4:21:22
決意が踏みにじられているとは考えておりません。やはり当時と比べて、いろいろな環境変化の中で、農業者の皆さん方、それぞれ頑張っていただいた、それを後押しする政策を進めていくことができ、進めていることができると、進めることができたというふうにも思っております。そして、農業の総予算につきましては、先ほどから言いますとおり、この基本法を成立させていただきましたならば、基本計画をしっかり作ってまいりますので、その基本計画の原動力となるべく、その予算をしっかり獲得してまいりたいというふうに思っております。それは私の大臣としての責務であると同時に、国会の方のご支援もぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
4:22:12
はい。まあ決議が云々というところは、この予算の話ですよ。だって、しっかり確保するという決議があったにも関わらず、圧倒的に減っているのは、これ目に見えて明らかなんですけども、やっぱりこういった状況があった中で、今回はしっかりやっていただきたいということをお願いしたいと思います。そしてですね、やはりこの現行基本法の大きなポイントの一つは、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当分を担うと、ここにあったのかなと思います。まあこれは基本法に始まったものではなくて、まあ遡ること数年前ですね、まあ平成4年の新政策からこの定義が確立いたしまして、そこからこういった方向になったと記憶しておりますけれども、このことで、生産基盤は強化されたのか否かが端的にお答えください。
4:23:04
これまで経営規模の大小や家族化、法人化を問わず、農業で生計を立てる担い手を幅広く育成支援してきた結果、多くの品目で中小経営、家族経営を含めて、担い手が農業生産の相当部分を担う構造というふうになっております。この経営形態を見れば、経営体数の約96%を占めます家族経営につきましては、小規模で付加価値を高めたり、一定規模で生産性向上を果たすなど、多様な経営が展開され ているというふうに思います。法人経営につきましては、経営体数が3万を超え、農地面積の約4分の1、販売金額の約4割を担うまでになっておりまして、これからもそれらの組み合わせで、我が国の農業を成り立たせてまいりたいというふうに思っております。そうした中、基本法制定時から約20年で農地面積が1割減少しましたけれども、農業総産出額は9兆円を維持しているところでございます。一方で、現在116万人おられる家族経営の基幹的農業従事者は、70歳以上の層が68万人、約6割となっている年齢構成や、我が国全体が平成20年をピークに人口減少の局面に入っていることを踏まえますと、今後大きく減少する恐れがあり、人と農地の確保をいかに図っていくかが、今後の大きな課題と認識をいたしております。米と果樹を除いては、私はおおむね基幹的農業従事者、あるいは集中的な対応策、これができているというふうに思っております。
4:25:02
はい、ありがとうございました。今の大臣の御答弁にもありましたけれども、やはり、いわゆる基幹的農業従事者の高齢化が進んでいるということ、そしてまた、やはり数が減っているということ、こういった今の現状を、結果的にですよ、結果的にそうなってしまっていることに対しては、やはりこれからそれをどう解消していくのかということを考えていかないと、課題解決にはつながっていかないかじゃないかと思うんですね。そういう中で、随所に今回の改正法案の中には、人口の減少に伴う、農業者の減少とか、人口の減少に伴う、その消費の縮小の中で輸出とかですね、人口の減少というその社会減少を理由にいろいろと論じようとしてますけれども、でも農業者の減少って、全体の人口が減ったから農家人口が減ったということだけなんでしょうか。むしろ政策的にですね、そういった公安経営を作ってきた、集約化してきた、そういう中で周辺の農業者がやれない状況になった、もしくはやめてそこに集約した、これは人口の減少によって農業者が減ったのではなくて、政策によって減ったか、もしくはそういった政策の中で小規模の人たちがやれなくなってしまったか、こういったことではないかと思います。そういう中で、今大臣のご答弁で人と農地を確保していきたいということ、私若干気になっているのがですね、今回の法律、今のその人口減少だから農業者減るのが仕方がないかのようなかきぶりと、あとはそういう中でサービス事業体に変わってもらおう、交流人口を増やしていこう、私それ全て否定しているわけじゃないんですよ。だけど、基軸はそこで農業をやる人をどう確保していくのか、どう増やしていくのか、その観点がすごく弱いんじゃないのかなっていうのが大変大きな懸念なんですけども、そこの懸念をぜひ吹き飛ばすようなご答弁をお願いします。
4:27:06
60歳以上あるいは70歳以上が6割弱を占める、我々の20代30代の頃あるいは学生の頃、私は特に田舎の小中学校でありましたので、大体6割から7割は農業者でありました。その長男はほとんど何の迷いもなく農業高校に行っておりました。そうするのが当たり前だというふうな考えで、皆さん進学していったというふうに思います。その年代が今60歳から70歳、それがそのまま今度はやはり農業というものが経営を重視する、あるいは経営判断というものをこれから求められるということで、これからそういう層がごっそりと抜けた後にどういうふうな農業をつくっていくか、このことが今一番大事であるというふうに思っております。ですから、その中で機関的農業者、そして経営判断を持つ農業者、選ばれた農業者、こういったものを育成していく。さらに一方の方で、やはりスマート化を図っていく。と同時に、やはり経営判断でもって輸出、こういったものを増やしながら、農業所得もしっかりと確保していく、向上させていく。こういった農業に向けて、これからこの基本法をもとにして、日本の農業の展開と、そして食料の確保、こういったものを図ってまいりたいというふうに思っております。
4:28:38
はい。まあ、現行基本法が制定されて以降、まあ、いろいろと政策が変わりまして、一時期ですね、まあ、選別政策とも言われるような、一定規模以上に政策を集中するようなやり方がありました。まあ、そこまで、それは少しね、あの、だんだん緩和されてきましたけども、でも少なくとも、いわゆる担い手、公立的かつ安定的な経営体という担い手と、その他の経営体ということで分けてますよね。そういった分けたことが良かったのか。私は、その、いわゆる担い手と位置づけられていなく ても、やっぱりその地域で一定の役割を果たす人を大事にしていくということが、場合によって全体の底上げにつながるんじゃないかと思うんですけども、そこがですね、全く今回の改正の中で違いが見えないわけですよ。確かにその他経営体というものが一応位置づけられましたけども、どうも農地の維持とかね、そういったことで生産には期待していないのかなというふうにしか読めませんし、本来はやはりこう、いろんな人が入って来れるような、そういう政策の中でパイを広げていく、このことの方が今重要じゃないかと思います。そういう中で私は、いま、いわゆる効率的かつ安定的な農業経営が相当部門に似合うということが本当に良かったのかどうなのかということの質問をさせていただきましたけれども、やはり幅広くね、幅広く担い手というものを位置づけるということを是非やっていただきたいと思います。そして、参考までにお聞きしたいんですけども、いまですね、EUとかアメリカも中小規模農家従事への転換の方向性をそれぞれのトップがですね、示しています。政策的にも、そういったことが用意されておりますけども、この辺りのですね、今の現状について、アメリカEUの農業政策、特に中小規模農家をどのように扱っているのか、その辺りの現状についてのご説明をお願いします。
4:30:33
お答えいたします。昨年12月のアメリカ農務省の公表資料におきまして、大規模化を推奨する農業政策が地域社会の弱体を招いた、旨野美麗作農務長官の発言が引用されていることは承知しております。また同じく昨年12月にEUのボイチェホフスキー農業委員が、中小の家族農業への支援を増やす必要がある旨会合で述べたことも承知しております。他方で、これらの発言の後半で、アメリカ農務長官は、農業者と地域社会の所得向上に資する新たな市場創設に係る現行の米国農業政策を説明しており、またEU農業委員も、小規模農業者への再配分所得指示という現行の直接支払い制度を説明しているところでございます。現実の農業政策といたしましても、アメリカは農地面積10エーカー、約4ヘクタール以下の小規模農業者を補助金の対象から除外し続けておりますし、EUも大規模農業者への支払上限額を10万ユーロ、日本円で約1600万円の水準で継続しているところでございます。このようにアメリカもEUも、現時点では中小規模農業者に対する農業政策について大きな変更はなく、現行の農業政策を継続していると承知しておりますが、今後とも欧米の農業政策については、状況を注視してまいりたいと考えております。船山清君。 私もですね、いろいろアメリカ、EUの農業政策をいくつか見てますけれども、特にEUに至っては、いわゆる所得価格政策についても、農村振興政策についても、いわゆるその小規模農家向けの政策というものも用意されてますよね。で、大規模のところを頭打ちにしているとか、そういったところで再分配、再配分、そういったことにも力を入れておりますし、もう一つ、これいわゆる担い手とかその他ということで色分けしているもんなんでしょうか、他国の農業政策で。さっきアメリカは規模の小さいところは対象外という話がありましたけれども、私が見るところですね、小規模農家にも使いやすいように少し変更を加えているというような説明を見たんですけれども、これ規模で切ったりしているんでしょうか、EU、アメリカそれぞれ、分かる範囲で教えてください。
4:33:00
先ほど申し上げました通り、アメリカについては一定の小規模なものを補助金の対象から除外しているということがございます。一方で大規模なものについ ても一定の条件を設けるということを行っていたりとか、あるいはEUについては特に小規模農業者に対して手厚く支払いが行くような施策も中には盛り込まれているところでございますけれども、現時点でそれらについて大きな変更がないまま推移しているという状況で理解しております。
4:33:30
そういった他国の農業政策も参考にしながら、これから日本のいわゆる担い手とその他と分けるやり方が果たしていいのかも含めて、今国際部からお答えいただきましたけれども、これ国内政策にもしっかり活かしていただきたいと思います。アメリカに関して言えば、いろんな政策、要は環境政策もありますけれども、基本はその実効参照価格ですか、一定の価格を決めて不足払い的なものが用意されていますよね。そういった意味では、いわゆるコストをきちっと賄えるような所得が確保できるような仕組みがあったりとか、あとEUはもう少しちょっとデカップルしてますけれども、そういったところで農業の再生産、支えているやり方、それがやはり農業の健全な発展につながっているんじゃないかと思うんですね。もちろん、自給率が100%を超えている ような国と日本との違いとか、気候の違いはあるにしても、参考になるところはたくさんあると思いますので、改めてこういった、いわゆる公安経営を中心にしていく今のやり方、AグループBグループに分けるやり方、そういったことが果たしていいのかどうかは改めて今後検討いただきたいと思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
4:34:39
私たちとしては、法人経営も、それから96%を占める家族経営もしっかり守ってまいりたい。そして、その組み合わせによって日本の農業、そして食料、そして農村、こういったものを守ってまいりたいというふうに思っております。
4:34:57
続きまして、改正案の中身について少しお聞きしたいと思います。農林水産省では、今が農政のターニングポイントを迎えているとの強い認識のもと、現行基本の検証を始めたということを杉永副総括審議官が発言されておりますけ れども、このターニングポイント、先ほど横山議員からもありました、これまでいろんな政策を打ってきましたよね。そういう中で、何がターニングポイントで、どう転換しようとしているのか、その政策の方向自体を転換するのか、そのあたりの問題意識というんでしょうか、その検討に当たっての問題認識、大きなターニングポイントを迎えているのであれば、本来は改正ではなくて進歩でもよかったのかなということも含めて、その軌軸の考え方を教えてください。
4:36:00
私の記述についての質問ですので、お答えさせていただきます。まず、現行基本法でございますけれども、国民全体の視点から、食料、農業、農村、政策の意義、あと政策の方向性について、規定をしたものでございます。この法律としての枠組みは、今日でも適当であると考えておりますけれども、基本法制定当時と比べて、食料や農業を取り巻く情勢というのは大きく変化している というふうに認識しております。一つ目につきましては、世界の農産物輸入における中国の台頭、あと紛争等の地政学的リスクの顕在化、気候変動による食料生産の不安定化などによって、基本法制定当時では当たり前だった、いつでも好きな量を安定的に輸入できるという状況ではなくなったこと。二つ目につきましては、世界及び我が国の環境問題への関心の高まりというのを踏まえまして、農業と環境に関する議論というのが、この25年間で大きく進展をいたしました。環境的にも気候変動が進展し、異常気象による干ばつというのが頻発化するというふうになっております。こういう意味で、農業、食料、産業分野においても環境問題への対応、常に環境というのを考えながら施策をする必要というのがより重要になった。また、国内人口が減少局面に生じる中で、国内市場が今後処分に向かう。また、農業者についても、年齢構成から見ても、急激な農業者の減少が見込まれる中で、食料の安定供給を確保するための生産基盤の確保というのが求められるようになったことというふうに考えております。こうした状況を踏まえて、農政の基本法である基本法の基本理念や施策を全面的に見直す必要があるという意味で、今が農政のターニングポイントであるというふうに発言をさせていただいたところでございます。