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衆議院 法務委員会

2024年04月26日(金)

2h47m

【公式サイト】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55193

【発言者】

武部新(法務委員長)

是川夕(参考人 国立社会保障・人口問題研究所国際関係部長)

上林千恵子(参考人 法政大学名誉教授)

岡部みどり(参考人 上智大学法学部国際関係法学科教授)

原英史(参考人 株式会社政策工房代表取締役)

中曽根康隆(自由民主党・無所属の会)

平林晃(公明党)

米山隆一(立憲民主党・無所属)

斎藤アレックス(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

本村伸子(日本共産党)

19:00

(会場の声)

19:48

これより会議を開きます。内閣提出、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案及び出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。本日は両案審査のため、参考人として、国立社会保障人口問題研究所国際関係部長 コレカワユウ君、法政大学名誉教授 上林千恵子君、 常治大学法学部国際関係法学科教授 岡部美典君、株式会社政策広報代表取締役 原英二君、 以上4名の方々にご出席をいただいております。この際、参考人各位に委員会を代表して一言ご挨拶を申し上げます。本日はごたばを中の中、ご出席を賜りまして誠にありがとうございます。それぞれの立場から忌憚のないご意見を賜れば幸いに存じます。

21:00

次に議事の順調について申し上げます。まず、コレカワ参考人、上林参考人、岡部参考人、原参考人の順に、それぞれ15分程度ご意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。なお、ご発言の際は、その都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、ご了承お願います。それではまず、コレカワ参考人にお願いいたします。

21:42

コレカワ参考人。

21:50

それでは始めさせていただきます。私は国立社会保障人口問題研究所で国際関係部長を務めておりますコレカワユウと申します。本日は参考人として意見を陳述する機会をいただき感謝申し上げます。私は移民研究を専門にしています。グローバルな人の移動や日本における移民、外国人の受入れ状況などについて研究を行ってまいりました。また、経済協力開発機構、OECD移民政策専門家会合のメンバーを務めるほか、今般の制度改正にあたっては、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議のメンバーも務めました。本日はこうした経験に基づき、意見を申し述べたいと思います。今般の制度改正の方向性として3つのポイントを挙げたいと思います。資料の2ページ目1枚表紙をおめくりいただいたところをご覧ください。1つ目は人材確保と並び人材規制を目的とし、外国人がキャリアアップを図る仕組みをつくるとした点です。アジアは出稼ぎ、つまり国際労働市場が急速に発展を遂げている地域です。日本はその中で最大の移民受入国となっております。年間約590万人の移民がアジアから外国に働きに出ています。日本はそのうち約48万人を受け入れており、これは韓国や米国を抑えて第1位となっております。そうした中、2019年に施行された特定技能制度に加え、今般育成就労制度において人材確保の目的を正面から認めたことは、日本がこうした国際労働市場に本格的に参加する意思を明確にした点、大きな意義があります。例えばこうした動きを受け、インドネシア、フィリピン、ネパール及びインド政府が日本への送り出しを積極に進めています。こうしたことは国際的な人材獲得競争が激化する中、日本が選ばれる国になる上で極めて重要なことです。加えて人材育成を目的に掲げたことも重要です。その理由は現在技能形成を通じた送り出し国への技能移転が世界的に大きく注目されているためです。例えば2018年に国連総会で採択された「安全で秩序ある正規移民に関するグローバルコンパクト」では、国際移住における能力開発及び技能、資格、適正の相互認証の推進の重要性を掲げています。またOECDや世界銀行も技能移転を通じた国際貢献の重要性を指摘しています。少子高齢化が進む先進各国では、広範な技能レベルで外国人労働者の受け入れが必要になっています。とりわけ技能実習や特定技能がカバーするミドルスキル層への需要が強まっています。もちろん資格や経験を有する、いわば即戦力となる労働者を受け入れる制度はこれまでもありました。しかしそれだけでは十分な供給が見込めず、働きながら学ぶエントリーレベルの労働者を受け入れること、つまり就労だけではなく技能形成をセットにした受け入れが国際的に見ても有望な選択肢となりつつあります。さらに技能形成と就労を同時に追求することは、送り出し国や外国人一人びとりから見ても重要です。これまで国際労働意図で見られる人権侵害の多くは、労働者の技能レベルの低さに起因することが明らかにされています。そのため、外国人労働者の権利保護を推進するには、国際条約や法制度などの整備に加え、いかに高い技能を身につけることができるかが最大のポイントとされています。例えば、技能実習制度で実習生が負担する手数料の高さは、労働者の技能水準が低い中、他の多数の応募者との競争に勝つため、現地の送り出し機関などが日本の雇用側に過剰な接待や営業、あるいはキックバックを行うことが原因とされています。なぜなら、そういった競争に勝つためのコストが一番立場の弱い実習生の手数料に転嫁されてしまうためです。仮に高い技能があれば、雇用者としても労働者のパフォーマンスとは無関係な接待やキックバックなどに惑わされず、純粋に能力の高い人を採用するようになります。結果として、仲介手数料も安くなることが考えられます。このことは、技能レベルの高い技術・人文知識・国際業務の在留資格で働く外国人については、このように技能実習生を雇う同じ会社も、そのために自分たちが手数料を払い、労働者から手数料を取っていない、外国人本人からは一切費用を取っていないといったような事例からも確認することが可能です。逆に、いくらルールで縛ったところで、多少高い手数料を払ってでも、海外に働きに行きたい、日本に働きに行きたいという人たちが多数いる限り、いくらでも抜け穴を見つけてしまいます。これでは、いつまでたっても高い借金を抱え、劣悪な職場に縛りつけられてしまう人たちをなくすことはできません。さらに、技能形成は外国人一人びとりの希望とも一致するものです。よく実習生はお金を稼ぎに来ているのであり、学ぼうなどという人はいないと言われますが、これはいずれもエピソードベースの印象に過ぎません。例えば、出入国在留管理庁が令和2年度から実施する在留外国人に関する基礎調査では、実習生の来日理由のうち、スキルの獲得、将来のキャリアのためと答えた者が35.6%、お金を稼ぐ仕送り・送金のためが55.3%となっているなど、学ぶことと働くことは矛盾したものではありません。また、私自身が2017年度より継続的に実施している日本学校で学ぶ留学生に対する大規模な全国調査においても、ベトナム人留学生の7%、インドネシア人留学生の4.9%が留学前に技能実習生として日本で働いていたと答えています。さらに、私が代表者として実施したアジアの送り出し国を対象とした調査によれば、技能実習修了者の技能は国際的にも高く評価されており、日本で経験を積んだ後、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパに行くことが多いといったような結果も得られています。つまり、技能実習生をお金を稼ぐだけではなく、技能形成を通じて留学や進学も含めたその後のキャリアアップを考えている人たちであるといえます。以上のことから、技能形成の観点は日本側から見ても、また外国人一人びとりから見ても重要な要素であり、今般の制度改正において技能形成の観点が盛り込まれたことは極めて重要なことといえます。2つ目に、現行の管理団体に代わる管理支援機関や海外の送り出し機関など移住仲介機能の役割を正面から認めた点について述べます。この点については、管理団体などの移住仲介機能こそが、中間搾取などの問題の温床であり、なくすべきではないかという声があるのも事実です。しかし、それは国際労働医療の分野では非現実的であることが明らかにされています。もちろん、仲介機能を廃止して、労働者個人と雇用企業を直接結びつけようとする試みは過去にも数多くなされてきましたが、ほぼ成功していません。一例を挙げたいと思います。2019年に導入した特定技能制度では、海外の求職者が日本の求人側と移住仲介機能を介さず、直接契約できる仕組みを取り入れました。日本インドネシア間では、インドネシア政府が管理する労働市場情報システム「IPCOL」を導入し、特定技能分野での求人・求職のマッチングを試みています。しかし、うまく機能しておらず、中日インドネシア大使館によれば、特定技能の施行から4年以上経った2023年10月下旬時点で、利用実績は一件もないとのことです。このことは、国際労働医療において、移住仲介機能を廃止することがいかに難しいかを示していると言えます。仮に移住仲介機能を形式的に廃止した場合でも、実質的にこういったサービスへのニーズは残り続けることから、非合法なものも含め、様々なブローカーが罰コすることにつながり、外国人労働者の置かれた状況は、かえって悪化する可能性が高いと言います。すでに特定技能制度において直接契約と言いつつ、裏で非合法なブローカーが暗躍し、現場で深刻な人権侵害を生んでいるといったような報告もあります。また、移住仲介機能を政府部門で担うべきという意見も少なくありません。例えば、韓国の雇用許可制は、国際的な労働合戦のプロセスをすべて政府間、つまりG2Gで行っている点が高く評価されているという意見もあります。しかしながらその実態を見ると、失踪率は日本の約3倍から8倍とはるかに高く、また外国人が実績に負担する手数料も、韓国政府の調査によれば40万円近くになる場合もあることが明らかになっています。また、公的分恩が食用圧戦を担っていることから、採用までの待ち時間が長く、そもそも希望者の半数程度が採用に至らないなど、必ずしもうまくいっていないといったことが指摘されています。つまり移住仲介機能をなくすことや、あるいはそれをすべて公的分恩になることは、国際労働移動の実態を踏まえるならば非現実的といえます。そうした中、厳格に管理しつつ、民間の移住仲介機能を活用することを目指した本改正案は、運用面での改善は既に求められるとしても、国際労働移動のスタンダードに沿ったものといえると思われます。最後に、3の転籍を通じた人権保護について、要点を整理しておきたいと思います。人権保護については、本人の意向による転籍を認めるべきだという論点のみが注目されがちですが、転籍を実際の人権保護につなげるための仕組みは、以下のように多層的であるということを理解する必要があります。資料の3ページをご覧ください。第1層は、現行制度が認めている、やむを得ない事情がある場合の転籍です。現在、技能実習生の失踪は、年間約9000件ですが、これは実習生全体の約3%に当たります。同地は、出入国在留管理庁の調査で、賃金が来日前に期待したより少ないとした実習生のうち、契約よりも少ない、来日前と契約が異なるといった何らかのトラブルを予想させる理由を挙げたもの4.8%とほぼ同程度です。また、技能実習制度の下では、ハラスメントや暴行などの人権侵害が起こっていることも、数々の訴訟によって明らかにされてきました。もし、失踪の多くがこういった問題のある事業所で起きているとすれば、最初に取り組むべきなのはこうした人たちの救済です。第2層は、必ずしも人権侵害と言えないまでも、経営不振など受入れ企業側の都合による実習の中止によるものです。入管庁の資料によれば、こうした実習生たちのうち、約80%は次の受入れ機関が見つかっています。第3層が、現行制度では認められていない本人の意向による転職です。今回の改正案では、受入れ先の企業で1、2年以上働いていること、一定の技能水準や日本語能力があること、転職先が一定の要件を満たすことなどを条件としています。また、元の受入れ企業が負担した初期費用など、転職後の企業が一定程度負担するといったことも想定されています。適切な転職を通じた人権保護を考える際、これら3つの層が有効に機能することが必要です。今回第2層までに加え、新たに第3層が加わったことで、外国人の人権保護をより確実なものとすることが期待されます。最後に、今後の課題について述べます。最後のページをご覧ください。今後の課題は、技能実習制度に蓄積してきた技能形成の機能をどのようにしてより高めるかという点です。特に特定技能1号だけではなく、家族帯同や永住資格の申請にもつながる特定技能2号への合格にどうつなげていくか、これが最大のポイントになるでしょう。また、今後政府は育成就労外国人が習得した技能が帰国後に生かされ、同国からの継続的な送り出し国にもつながるよう、育成される技能の見える化を推進することが必要です。先ほど述べた国連のグローバルコンパクトに見られるように、資格の国際的な相互認証などの取り組みを国が積極的に進めていくことが慣用です。育成就労制度がそうした新たな取り組みの国際的なベストプラクティスとなることが期待されていると言えます。以上で私の陳述を終えます。ご静聴ありがとうございました。ありがとうございました。次に上林参考人にお願いいたします。上林でございます。今は大学を定年退職して何もしておりませんで、肩書は名誉教授になっております。現在の改正のもとになる平成28年に技能実習法がこの委員会で討議されましたとき、参考人として意見を述べる機会がありました。また8年後の今日、ここで同じ技能実習法の改正について意見を述べることができて大変幸運に、しかし緊張してここに立っております。どうかよろしくお願いいたします。2016年に技能実習法ができまして約8年経っております。法ができてから5年後に見直しをするということが法成立時の要件でございましたから、本来ならばもう少し早く改正されるべきでしたが、コロナで事情が変わりましたので、現在ここにこの時点での改正になったものと思われます。前回の法律について、以下の丸ポチをつけた部分が私の感想でございます。もともとこの制度は平成30年にできましたが、その根拠は法務大臣の告示でありまして、関係者はこの制度に関して、意見を、殺殺する権限を持っておりませんでした。例えば、この当時は殺人事件などがあって大事だったのですが、技能実習制度を扱っているJISCOさんは何かできますかというと、私たちは何も権限がないので、警察と入管が入るまで何もできませんということがあって、実際に行われている技能実習制度とそれを監督する機関の権限が乖離されていました。それが初めて2016年の技能実習法で法制化されましたので、制度としては非常に整ったものになったと思っています。内容のポイントは、管理団体が許可制になり、技能実習計画が認可制になったということです。その結果、いろいろな受入れ基準、受け入れ手続きが明確化されまして、透明化されましたから、技能実習制度について知らない企業さんも、政府のバックアップがある制度なら使えるのではないかということで利用が広まったと思います。一方、手続きが非常に煩雑になりまして、技能実習制を受け入れる企業から見ますと、申し込んだ後、いつ認可が下りるかわからないというような事態が出ております。今、受入れ技能実習制をここに書き抜きましたが、平成28年の法律ができた当時は22.9万人でした。現在6月の時点では35.8万人と、非常に受入れ人数の伸びが顕著でございます。この伸びに応じて、いろいろな問題も起きているということを、後で直に申し上げます。今回の法改正について、一番問題になったことが転職の要件です。私は基本的には、技能実習制度で3年間同一企業に勤めることを強制することは人権侵害になるという意見に賛成しております。それを1年にするのか、2年にするのか、どういう条件ならばというところが、なかなか業界や企業によって違っていることなので、それは今後に委ねられているということですから、これからが大変だろうなというのが私の実感でございます。その中の今回の法律で、本人以降による転職の要件となる、同一の受入れ機関での就労期間を、当分の間1から2年の範囲とする。これは1年じゃなければいけないということはありませんので、緩めでもいいと思います。そのときに、特にメディアの方とはご存じない方が多いのですけれども、受け入れる雇用主の方で、本人のおよび面接のために渡航する費用負担をしている。それから職場に慣れるまで、送り出し機関に毎月安くて8000円、高くて2万円、昔は3万円でしたが、送り出し管理費を1人に月1ヶ月払っているわけですね。そういう費用があるときに、途中で転職したら、その費用分担は受け入れる先と、最初に受け入れた先ではどういうふうになるのかという、お金にかかわる問題については、どうしても法律で決めることができないし、決める必要もないと思います。そこで、理想的には本人が3年間自分の意思で就労を受け、同じ場所で働けるというのが理想でございますが、転職をしたいといったときに、それを阻むことはしない方がいいし、してはいけないというのは、今回の法律のとおりだと思います。では、これが現実に転職可能な制度になっているかというと、なかなか難しいだろう。予想以上に転職をする人が少ないのではないかというのが、その次のところです。その理由は2つ挙げました。1つは、日本人を雇用する場合でも、新たに人を採用するときには、どういう理由で前の職を辞めたのかということを問題にします。これは外国人、日本人関係なく、トラブルがあったのか、いやいや、雇い主が悪かったのか、家庭の事情か、いろいろありますが、今まで技能実習生の転職は、リーマンショック、東日本大震災、コロナといった特例措置を適用した場合が多いのですが、ここの部分について、自分の意思で嫌だからというので転職するのは、なかなか難しいだろうということです。事例は、シンガポールの移民の支援団体のNPOにヒアリングに行ったことがあります。これは人権侵害があったときに、シェルターの役割で受け入れていたのですが、受け入れた後どうしますかと聞くと、失踪したという方に、もう次の雇い主が見つからないとおっしゃるのです。どうしているのかと聞くと、自前で職業訓練校をつくって、自前で雇用機会をつくっています。そこまでしないと、なかなか現実に人権のアビューズがあった場合、次の雇用機会を保証するのは難しいなというのが感じたことです。それから、法律では転籍する場合、新たに育成就労計画の認定を受けなければいけないというふうに、法律に書いてありましたが、受け入れる側としては、その認定がいつかわからないというのは、実際には新しく人を雇ったとしても、生産計画が立てられないということになってしまって、雇う方にとっても、新しく転籍を希望する技能実習生を雇うのは、一から始めなければいけないし、今までの雇用機関の間の残りの機関しか雇えないとなると、少し受け入れが滞るのではないかと思います。もともと技能実習生のような海外から来た労働者に対して、アメリカの事例を見ますと、雇用先を特定しない就労ビザを持った人は、フリーライダーによる雇用主が、自分のところの方がいい条件だから来ないかということを誘っていて、非常にここの部分が厄介になるということです。一方、アメリカのH1Bの技術ビザの場合には、これははっきり就労目的で来ましたから、解雇されたら2ヶ月間の給食期間は猶予するけれども、見つからない限り帰ってくださいというふうになっていて、非常に就労に関しての基準が明確に適用されている。技能実習生の場合には、そもそも国際貢献というふうに始まりましたから、労働力が否かというところの基準が非常に曖昧であるために、無職になったら帰れということも言えない。訓練をしましょうというときに、訓練の内容はどうなのかということも、あまり詳しく見ることがなかなか難しくなっています。これが1点です。それからもう1つ、技能実習生の地方圏での役割を申し上げます。これは都会にいるとなかなか感じられないかもしれませんが、今、地方で若年人口が不足しているところでは、非常に労働力不足で、製造業、農業、建設業、介護などに技能実習生が来ていて、労働移動が事実上3年間禁止されていたので、そこに技能実習生がいてありがたい労働力になっていた。じゃあ、これが3年間が1年になったら困るかというと、これはまたちょっと別の問題、枠組みで考えなきゃいけないのですが、ここでのポイントで私が申し上げたいことは、技能実習生の地方圏の役割が非常に大きいということで、表一を掲げましたのは、特定技能に比べて技能実習生の地方圏への割合が高いということです。それから、実際に岡山県美馬坂市、あるいは岐阜県日田市のように、若年人口が顕著に減っているところでは、市が自らの施策として技能実習生を雇用することを支援しているということで、例えば、最近の研究では、カナダのように大きな国でも、移民の方はモントリオール、トロント、バンクーバーといった3大都市圏に集中するので、なんとか地方圏に移民を集中させたい、分散させたいという政策を取っております。以上ですので、私は、短期的技能実習生の人権を守るという意味では、労働移動を禁止するというか、定着を促す期間、短制する期間を1年あるいは2年に短くすることは非常に重要だと思っております。その上で、技能実習生というのが地方圏においては非常に重要な役割になっているので、技能実習生を含む外国人労働者受入れの地方配分に対して、別の枠組みで考えていかなければいけない。それからもう一つは、技能実習生と近い技能レベルにまで就労許可がおけるようになった技人国技術人文知識国際業務の内容です。ここは、この資格を得れば、基本的には雇用先がある限り更新可能なビザです。そこと、技能実習生と、そしてその中間に位置づけられる特定技能者、これがはっきりと技能レベルで3層に分かれているならば、非常に移民政策としてはやりやすいと思いますが、実際には職場も技能レベルも働き方も少しずつ混じり合っていて、同じ仕事をしながら違う在留資格があったり、条件が適用されている。雇用主もまたそれを自覚して、混合状態を利用するということがありまして、いずれこの3つをもう一度考え直す施策を長期的にはお考えいただきたいということです。ですから、在留資格間の技能レベル、条件の比較、それから地方に外国人労働者を定住化するための施策というのを、今回の法律ができました後にもう一度先生方にお考えいただきたいと思います。以上です。

52:15

ありがとうございました。次に岡部参考人お願いします。

52:25

岡部でございます。本日は重要な法案の審議に際し、貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございます。私は常治大学の法学部で教秘をとっておりまして、そちらでは国際政治や外交の方を教えております。研究面においては、まさに国際政治経済や外交との関わりにおいて、いわゆる非伝統的安全保障問題として人の影響を異動問題を研究しております。これまではEU欧洲連合及びその加盟国や米国などの先進事例を対象としてまいりました。この経験に立って本日は今般の法案を評価し、またその運用や関連政策形成の発展に向けて思うところを申し述べたく存じます。なおこれまで私は第7次出入国管理政策懇談会の委員などを務めた経験はございますが、今回は主に学術的見地からの所感となります旨ご開容いただければと存じます。まず今般の法案は国内外で人権侵害の可能性が指摘されていた技能実習制度を廃止し、転職制限の緩和を含む新たな制度枠組みを設けた点、また育成就労制度と特定技能制度の整合性に配慮しつつ、人材をめぐる国際競争の激化を踏まえた、より戦略的な人材確保を目的に据えているという点において、日本の国際社会における信用の向上、並びに日本経済の安定的発展につながるものという意味で高く評価します。他方でこれは同時に、2018年の法改正の本格的な執行、すなわち中長期にわたり日本に滞在する外国人材を、より大規模に、そして広い職種で受け入れるという抜本的な政策であるとも見受けます。この方向性自体は概ね正しいとは思われますが、今回の法改正は終着点ではなく、むしろ出発点とみなすべきです。すなわち、いわゆる狭い意味での出入国管理制度にとどまらず、雇用、労働、経済、財政、治安、教育、そして外交政策など、関連する諸々の政策を包括する組織体制の整備、またその実効的な執行が不可欠であるということが私の見解です。そのために結論から申し上げますと、1、外国人材の受け入れは国際社会における人材獲得競争と密接に結びついていること、2、その国際競争に日本が勝利するには、とりわけ日本の付加価値を高め、また日本人も含むすべての国内労働者が被益するような緻密な戦略が必要となること、そして3、そのような戦略形成を成功させるには、特に欧米諸国の過去の成功だけでなく失敗からもしっかりと学び、その学びを国際協力の発展につなげる必要があるという、3点に照らして御議論、御検討いただければ幸いに存じます。なおこちらは事前に配布いたしました資料の1ページの下のスライドに記載がございます。まず昨今において外国人材をめぐる国際競争は確かに激化しております。お手元の資料2ページの上段にあります資料1をご覧いただければと存じますが、こちらにありますとおり、民間の調査では米国を含む多くの先進諸国において深刻な人手不足が生じています。IT関連などいわゆるSTEM分野の職種が主ですが、これに限らず、例えばヨーロッパではグリーン、つまり環境関連の産業分野やデジタル分野への国家、それからEUレベルの産業移転促進政策に伴う人手不足が懸念されています。このほか、アジア諸国もポストコロナの時期における経済回復に向けては、まずは熟練技能を中心とする人材の確保が急務だというような報告をしています。そしてご案内のように、日本はすでにアジア諸国にとって最も魅力的な労働先ではなくなってきているという実態もあります。例えば日本にとっての受入れ主要国であるベトナムや中国においては、労働者の海外への移動先として日本が占める相対的な順位が低下傾向にあります。ベトナムの送り出し先としては、2018年時点では日本が半数近く、正確には48.1%を占め第一位でしたが、2022年の時点では台湾が第一位の41.5%となり、日本は第二位の39.3%となっています。平均月給においても、日本はもはや韓国や台湾といったライバル国と比べて、触手によっては必ずしも魅力的とは言えない状況にあります。このような国際環境における日本の立ち位置の変化を踏まえた上で、日本が選ばれる国になるためには何が必要でしょうか。今般の有識者会議では、この問題に一定の回答を示したものともあります。特に国内における人手不足を喫緊に解消するための、かつ有望な外国人材を導入することを目標に設定している点は素晴らしいと思います。しかし、日本経済の活性化及び国内の労働者一人一人の待遇改善という目的に照らし合わせるならば、先ほども述べたように、今回の法改正は到達点ではなく、むしろ出発点であるという認識が必要です。従来においては、外国人の暮らしやすさ、外国人の出身国の生活習慣に配慮する形での対応が検討され、また政策などを通じて実施されてきたものと存じます。このこと自体は否定するものでは全くありませんが、それだけでは不十分です。外国人に寄り添う政策に加えて、むしろ外国人を引きつける日本の魅力そのものを高める必要があります。それでは、いかにして日本の魅力を高めるか。まずは賃金です。アジアを含む他国との比較において、日本は決して魅力的な労働先ではありません。さらに、職種によっては、日本で働くよりも外国で働く方が利益が出るという認識さえあります。日本人の給与がふえないことには、外国人を引きつける力も生まれないということです。この点、育成就労制度では、育成就労計画に基づいて、段階的に技能や日本語能力を習得させ、専門的技術的分野の人材育成を目指すものとしていますが、この制度を他の取り組みと有機的に連動させることで、生産性の向上、ひいては日本人労働者と外国人労働者の双方の待遇改善を目指していくべきだと思います。そして、一般的な産業育成、成長分野促進戦略との整合性も図る必要があります。国際的に競争力の高い産業分野や、各種先端技術の開発に向けた投資を増やすなどといった経済戦略と、外国人材獲得戦略を意識的に連結させるということに配慮がなされるべきかと存じます。最後の点といたしましては、他国の事例から学び、国際協力の発展につなげる意義について申し述べます。欧米諸国は現在、ポピュリスト政党等による国民と外国人の分断工作を前に、左右中道政党が大きな政治コストを強いられています。これはなぜか、一般に移民など越境労働者、越境移動者の受入れにおいては、経済界、つまり雇用主と外国人擁護派の主張が共鳴して政治に大きな影響力を与えます。これが移民問題の政治的な特徴です。しかしながら、外国人の受入れが国内経済にいかに有効であったか、国民にいかに悲劇したかという点においては、欧米諸国は結果として十分な説明責任を果たしてきませんでした。このような悲劇を防ぐためにも、我が国では政治の側が継続的、緻密かつ包括的な政策運営を通じて、内外国民のバランスを行いつつ経済成長を図り、その成果を十分な透明性を備えて国民に知らしめる努力が必要だと考えます。とりわけ中長期的な未来を見据えるならば、外国人と日本人を一体的に捉えた上での労働政策のやり方をも考える必要が生じましょう。この意味で外国人政策はまさに経済政策、労働政策として捉えるべきです。同時に外国人政策は、当該国家の安定、公共の秩序を守るための政策でもあるべきです。永住者資格の執行要件に関する方針はまさにこの点で重要です。この政策は外国人を窮地に押しやるものではなく、むしろ守るものだという認識が必要です。多くの外国人は日本で合法的に働き、国籍によらず日本社会の一員として積極的に関与していく存在、またそういったことが期待される存在です。さらに今後やってくる外国人がずっと外国人のままでいるという未来の想定は、あまり現実的ではないということも考える必要があります。その中で永住許可の制度を仮に悪用するような事例が生じた場合、国内の日本から外国人、外国にルーツを持つ人たちがそうじて偏見の目で見られるといったことが発生しないように、きちんとルールを整えておく必要があります。なお資料2、これは2ページの下の方ですが、こちらにありますように、これは国際社会の一つの動向であるということにもご留意いただきたく存じます。米国や欧州主要各国においても、各国の文化に応じ、永住や帰家の要件、その取り消しや退去の要件を独自に設けています。永住者や帰家者が移住先の公共の秩序を乱す脅威となる場合などのほか、アメリカやドイツでは納税義務の違反を行った場合などは、その地位を剥奪し得るとし、フランスではフランス人と婚姻した者の早期に離婚した者や共和国の原則に従う制約を守らない、つまりフランスの価値観を遵守しない者などについては、永住資格を取り消し得る制度としています。そして欧州諸国を観察しておりますと、出入国管理に厳しいルールづくりを望んでいるのは、むしろ外国にルーツのある方々であるという印象を受けます。これは欧米社会の多様性が成熟してきていることの一つの証査であろうと思われます。外国人であった人々が次第に移住先の社会に溶け込み、社会の形成に主体的に関わろうとするという一連のプロセスの中で、外国人自らが法を遵守し、社会で尊重される存在として生きていく姿勢を打ち出しているということです。また、そうすることで社会生活を送る上で、自らの利益にもつながるといった構造変化も併せて生じているということだと考えます。実際、人の越境移動の量的、質的な変化に伴って規制が増えているというのが、各国での、また国際社会での昨今の潮流であります。先ほどの指摘にもありましたように、国連ですとか、それから地域国際機構での人の移動に関わる犯罪撲滅に向けた国際協力はもとより、二国間ベースでも関連の取り決めが増加する傾向にあります。今般、日本政府が協力覚書MOCを通じて、送り出し国とともに、監理団体への監視体制を強める方針を打ち出したことは、良い傾向であると思いますが、今後さらに進めていかれることを期待します。そうして、今般、日本が選ばれる国を目指したことは、時代の要請に応え、また日本の国益にも合致する望ましい在り方であろうと考えます。これを成功させるためには、従来の政策の在り方とは一線を隠す、抜本的かつフォーカス的な政策方針が必要です。今後、大規模に、かつ長期にわたり外国人がやってくる、また中長期に日本の価値や利害を共有するようになっていく未来像を視野に入れた上で、とりわけ一般国民の側に立った政策形成が堪用です。日本ならではの魅力や付加価値を高めることこそが、日本人外国人双方の労働者に比喩すること、そして日本の国益にも資するものとしてご検討いただきますようお願い申し上げ、私の陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。

1:05:02

ありがとうございました。次に原参考人にお願いいたします。

1:05:14

原でございます。政策シンクタンクの代表を務めております。本日は貴重な機会を賜りまして誠にありがとうございます。大変すみませんが、怪我をしてしまいまして、今日は座ったままでお話しすることをご容赦いただけましたらと思います。誠に申し訳ございません。私は外国人雇用協議会、一般社団法人の代表理事も務めております。この団体は日本社会で存分に活躍できる、質の高い外国人材を受け入れる、環境を整えるという理念のもと運営している業界団体です。ただ、今日はこの団体の立場ではなく、個人として意見を申し上げたいと思います。お話ししたいことが5点ございます。まず1点目でございます。外国人に選ばれる前に、外国人を選ぶことが重要だということです。「外国人に選ばれる国になるために」というフレーズが政府の説明でしばしば出てきます。マスコミの論調も揃って、このままでは日本は外国人に選ばれなくなってしまう、外国人に選ばれる国にならないといけないと唱えています。私はこれに若干違和感があります。外国人の中には、日本文化を愛し、地域に溶け込み、経済社会に大いに貢献する、来てほしい外国人もいます。一方で、経済社会に貢献せず、犯罪を起こし、脱税や社会保障制度の悪用などを行う、来てほしくない外国人もいるわけです。公社の来てほしくない外国人に選んでもらっても、外役でしかありません。したがって、まず日本国が外国人を選ぶことが決定的に重要だと思います。したがって、これが抜け落ちたままではいけないということだと思いますが、これが抜け落ちたまま選ばれる国を目指して頑張っても、来てほしくない外国人ばかりが日本を選び、来てほしい外国人は日本から逃げてしまうということにもなりかねません。残念ながら、これまでの政府の外国人政策、また今後の見直し方針においても、外国人を選ぶという視点が欠落しがちであるように思います。ここがまず大きな問題ではないかと思います。日本に限らず諸外国においても、移民をめぐる議論、賛否が大きく分かれがちです。イデオロギー的な対立、感情的な対立にも陥りがちです。解決の道は、安易な受け入れではなく、一方で外国人を排斥するということでもなく、日本にとって有用な外国人材を選び抜いて受け入れるということではないかと思います。詳しくは資料でお配りしましたが、参経新聞の2023年12月10日付、私のコラム「選ばれる国の前に」をご参照いただけたら幸いです。2点目です。従来の外国人政策は、なし崩しの移民受入れだったと思います。政府はこれまで、移民政策は取らないと言い続けてきました。実は、第一安倍政権の初期に一度、経済財政諮問会議の省委員会で、毎年20万人の移民を受け入れた場合にどうなるかという試算が示されたことがあります。これは試算を示しただけで猛反発が起きました。それで政府はそれ以降、移民政策は取りませんと言い続けることになりました。しかし、その間に実際に現実には何が起きたか。外国人労働者の数は、2012年は68万人でしたが、2023年には205万人です。11年で3倍、137万人増えました。実質的には、毎年12万人の移民受入れを行ってきたのに等しいということだと思います。また、政府は建前では単純労働の外国人は受け入れないとも言っています。これも実態とは乖離しています。137万人、11年で増えたうちの相当部分は技能実習と資格外活動です。技能実習は、言うまでもなく国際貢献のために技能水準の低い外国人を受け入れる仕組みです。これが2012年に13万人から、2023年に41万人に増えました。資格外活動は、主に留学生のアルバイトです。当たり前ですが、技能水準の低い外国人です。多くの国では、留学生は基本的にアルバイトは許されないというのが通常だと思いますが、日本では異例なことに、週28時間のアルバイトが認められているわけです。この資格外活動は、2012年に11万人、2023年には35万人に増えました。要するに、過去10年ほどの間に起きたことは、実質的には年間12万人の移民を受け入れてきた、その相当部分は単純労働だったということです。しかも、建前上は移民政策は取らないと言いながら、なし崩しで移民受入れを行ってきたということです。なぜこんなことになったかというと、安価な労働力を求める一部産業界の要望に政府が応えてきたからです。3点目です。技能実習制度の問題と解決策についてお話をします。まず、技能実習制度の根本的な問題は、安価な労働力を求める一部産業界に悪用されてきたということだと思います。もちろん、全てが悪用なわけではありません。制度が有効に活用されている良い事例もあります。

1:11:16

例えば、私が存じ上げている群馬県の農業生産法人さん。

1:11:21

ここは高い給料を出して、快適な寮を自前で建設して、経営者自ら、アジア各国に本人と家族の面談に赴いて、優秀な人材を受け入れ育てあげるということをやっています。他にも、技能実習生たちが地域社会に溶け込み、地域活性化する、また帰国後も日本との架け橋になるといった事例もあります。しかし一方で、悪用の事例も少なからずあります。生産性の低い業界や企業が高い賃金を払えないので、人手不足に陥って、生産性を高めて賃金を上げる代わりに、安価な労働力としての外国人に頼るケースです。政府はこうした一部業界の要望に応えて、対象業種を追加して、悪用を黙認してきたということだと思います。結果として3つのことが起きました。1つ目は、安価な労働力を求める企業が利用するので、おのずと劣悪な労働環境、そういった人権問題が生じがちになりました。このため、失踪などの事案も生じました。2点目に、未熟練労働者を多く受け入れる中で、どうしても犯罪や社会的トラブルといったことが生じがちになるということも出てきます。3点目に、受け入れた企業にとっては、賃上げをせずに生き延びる道ができました。生産性を高めて賃金を上げる代わりに、外国人労働力を受け入れて生き延びて、結果として賃金は低迷し、経済成長が阻害されました。日本は残念ながら、今、他の国々を比べて相対的に賃金の低い貧しい国へと転落しつつあります。要因の1つが、技能実習制度の悪用だと思います。賃金水準が低迷するので、日本は選ばれない国になるということだと思います。本来の解決策は、安価な労働力を求める企業には制度を利用させないということだと思います。そうすれば、この3つの問題はいずれも解決に向かうはずです。例えば、地域業界の賃金水準よりも一定比率以上高い賃金を払う企業にしか制度を利用させないという要件を設ければ、悪用の可能性は相当程度なくせると思います。今回の改正案は、残念ながら根本的な解決にはなっていないと思います。技能実習制度の廃止ということですが、名称育成就労とする、名目があまりに実態と乖離してしまったので人材確保・育成に改める、いわば看板の掛け替えに近いと思います。転職を一部認める、これは労働環境の改善、人権問題の解決のために一定の効果があると思います。しかし、安価な労働力として悪用される可能性が残されている以上、根本的な解決にはならないと思います。また、政府が繰り返し唱えている外国人に選ばれる国に、これも果たされないと思います。安価な労働力の受け入れを続けて、さらに拡大していくことになれば、日本はさらに相対的に貧しい国になります。むしろ、ますます選ばれない国になっていくということではないかと思います。4点目です。個別制度の見直しの前に、外国人基本法を制定すべきと考えます。これまでの対応を振り返ると、なし崩しで移民受入れを行ってきた。その中で、特に技能実習について劣悪な労働環境などの問題が生じた。それに対処して、技能実習という名称を変えて、少し手直しをするということだと思います。こうやって、戦略性を変えたまま、なし崩しとパッチ枠対応を続けているので、根本問題が解決しません。技能実習などの個別制度の見直しを行う前に、まず外国人受入れについて、国としての基本戦略が必要だと思います。そして、そのために、外国人基本法という枠組みが必要だと思います。外国人受入れは、国民にとって、また国の将来のあるようにとって、重大な影響のある事柄です。したがって、行政の担当部局で検討して、戦略を策定するといったことではなく、国民的議論を経て、国会での審議を行って、外国人基本法を制定するということであるべきだと思います。その中で、まず何のために外国人を受け入れるのか、目的を明確にすることが重要です。目的は人手不足の解消と考えられがちなのですが、この考え方は私は危ういと思います。もちろん業種によって深刻な人手不足が生じているということは認識しています。しかし、人手不足は安易に解消してしまったら賃金が上がらないのです。日本をより貧しい国にしていくことになりかねないと思います。そうではなくて、日本を豊かにすることを目的にすべきだと思います。生産性を高めて経済社会を発展させる、日本を豊かにすることに貢献できる質の高い外国人材を選んで受け入れていく、そうした考え方を明確にすべきでないかと思います。その上で、具体的にどのような外国人をどう受け入れるのか、どんな人材は短期で受け入れ、どんな人材は中長期なのか、どこの国からどの程度の規模で受け入れるのか、そういった具体的な戦略を定める必要があります。もちろん経済政策や労働政策との整合性が求められます。経済政策の観点では、生産性を高めて日本経済を強くするためにどんな分野でどんな外国人を受け入れるのか、労働政策の観点では、賃上げを十分達成するためにどの程度の規模までなら外国人を受け入れてもいいのか、また、さらに外交安保政策の観点で人的交流を強化すべき国から重点的に受け入れていく、そういったことも含めた戦略が必要だと考えます。別紙の2でお配りをしておりますが、制度規制改革学会、これは私も所属する学会なんですが、有志による外国人政策に関する意見書、経済成長に貢献する外国人受入れへの見直し書という、2024年1月付の文書をお配りしております。実は、岡部参考にも有志のお一人なんですが、詳しくはこちらもご参照いただけましたらと思います。最後に5点目ですが、外国人受入れについての行政の体制強化につきお話ししたいと思います。近似在留資格審査の遅延がとても目立ちます。別紙の3で、外国人雇用協議会の要望書、東京出入国在留管理局管轄における就労関係在留資格の審査遅延に対する要望、2023年11月15日付の文書をお配りしています。2022年10月の水際措置緩和以降、就労関係の在留資格申請が急増しました。その後、特に東京入管局において、審査の大幅な遅延が生じるようになりました。それまでは1か月から3か月程度だったものが、4か月から8か月、場合によってはそれ以上かかるということが状態化しました。就労を希望する外国人が、何で待たされるのかわからないという状態で、待ちきれずに断念をしてしまう。また、企業側で人員確保の計画変更を強いられるといった現場では大混乱が生じました。この要望を申し上げた後、12月に入管庁で急遽応援体制が組まれて、一旦問題解消したのですが、今年2月頃から再び遅延が生じつつあるような印象を現場では持っています。言うまでもなく、これは申請件数の急増に審査体制が追いついていないためです。人員の増強、またデジタル化の推進によって、人を介さず効率化できることは極力効率化する、この両面で体制強化を緊急に行う必要があります。こんな状態が続けば、それこそ本当は日本に来てほしい外国人が日本を選ばなくなってしまうという重大な要因になりかねません。さらに、体制強化が必要なのは審査部門だけではありません。戦略的な外国人政策を進める上で、省庁横断的に戦略を策定し、実施する体制の創設も必要です。労働行政との連携強化も課題です。例えば、不法就労防止、今回の改正案でもその関係の事項が盛り込まれていますが、これは警察と入管当局だけで取り締まりをやっても限界があって、やはりこの労基所の役割の強化を検討すべきではないかと思います。こういった外国人政策についての包括的な体制整備を早急に行う必要があると考えます。以上です。ご静聴、大変ありがとうございました。

1:20:46

ありがとうございました。以上で参考人の方々のご意見の回遷は終わりました。これより参考人に対する質疑に入ります。質疑の申出がありますので、順次これを許します。

1:20:58

長谷康隆君。

1:21:02

自由民主党の長谷康隆でございます。今日は参考に皆さん本当にお忙しい中貴重なお時間を抑えていただきまして、ありがとうございます。先ほど緊張されているという話もありましたけれども、せっかくいらっしゃっていただいたので、思うことをどんどんと率直なご意見をいただければというふうに思います。今、皆さんのお話を伺っていて、まず思ったのは、やはりこの育成就労の新しい仕組みというのは、ただ単に労働力という問題ではなくて、これからの日本の形をつくっていく、非常に大きな話であって、まさに原参考人がおっしゃったように、戦略を持って、国家的な戦略を持って議論していく、そして法律をつくり実行していく必要があるというのを、まず痛感をいたしました。我が国はご案内のとおりで、どうやったっても人口は減っていく、それに伴って労働力が減っていく。この事実はもう変えられないわけであります。そういった中で、昨今言われている、この女性の活躍とか、シニアの活躍とか、またはデジタルを使って生産性を高めていくとか、AIロボットを活用する、そういったことも大事なんですけれども、やはり現実的に、やはり外国人の皆さんに、本当にこの労働市場を助けていただいているというのは、もう紛れもない事実であります。引き続き、我が国として、外国人に活躍をしてもらう必要、そしてその先の選ばれる国になる必要があるというふうに思います。ご案内のとおりで、これまでの技能実習は、人材育成を通じた国際貢献というものが目的でありました。先週の日曜日、私も地元の群馬県でですね、キャベツの収穫の手伝いをしてきました。日曜日だったんで、パートさんも少ない、人手不足、そこでぜひちょっと手伝ってくれと言ってきたんですけれども、そこにベトナム人の技能実習生の兄弟、20歳と22歳の男の子たちがいました。まあ黙々と働いて、汗を流して、本当に素晴らしい活躍をしているのを見ました。彼らの話を聞いてみたら、仕送りもしていると、そしてお金も貯めていると、これから一旦、お兄ちゃんの方はベトナムに帰って結婚するんだと、その結婚式も貯めていると。結婚したら今度は、日本で培った技術をもって、経験をもって、今度はカナダで働くんだということを、さっきカナダで話がありましたけれども、まさにそういうパターンの技能実習生の男の子でした。その農家さんもですね、やはり混乱で働いてくれる日本人の若者にも、ぜひともこういうのを参考にしてもらいたいというぐらいですね。やはり外国人の皆さん、本当に頑張っていただいています。重要な荷刃であることはもちろんなんですけれども、一方で私そのときに思ったのは、このキャベツの根元の部分をガンガン切っていって、箱に詰めるんですけれども、これが技能実習になっているのかなと、そしてこれが国際貢献になっているのかなという疑問をやはり同時に持ちました。こういった多分疑問が世の中でもどんどん広がってくる中で、今回の新制度の創設という流れになっているというふうに認識をしております。今回の育成就労はですね、育成と確保がポイントであって、この育成と就労を両立させていくのが目的であります。明確に労働力として日本社会に寄与してもらうと同時にですね、特定技能の仕組みと合わせて外国人の皆さんが、しっかりキャリアアップをできる、そしてその形成の道をですね、明確化していくのが今回のこの新制度の大きなポイントだというふうに思います。そういった中で早速質問に移りたいと思うんですけれども、これから参考にお話しされている中で、外国人の皆さんはただ単にお金稼ぎに来ているだけじゃないんだと、このスキルをしっかりと獲得しに来ている、技能形成をしに来ているんだという話を大変印象に残りました。これすなわち、受け入れる側もただ単に安い労働力と知らなくて、この子にどういうスキルを与えてあげられるかなと、どういうスキルを伸ばすような環境を提供できるかなという視点を受け入れる側も持たなきゃいけないんだなというのを非常に痛感しましたし、それをさらに見える化していく。そして送り出し国においても、日本に来たらこういうスキルが身につくんだ、それによってまたさらにそこから国から人がまた来てくれる、そういういい循環を生んでいかなきゃいけないんだなというのを非常に感じました。こういうふうに私の意見でとどめておきます。質問なんですけれども、やはりこれまでの技能実習においては長時間労働とか賃金の複裏合いのトラブルとか、失踪者が多数出るとかですね、その労働者の権利を守る仕組みが不十分だったと。これに対して今回この転職制限の緩和というのは一つの新制度の目玉になるというふうに言われております。先ほどから話し上げるとおりで、新制度では当面最長2年の転職が可能になったわけですけれども、この期間についても政府、自民党、有識者の中で色々議論されたわけであります。その中で多く聞こえたのが、地方から都市へのこの人材移動を懸念するという行為であります。雇用条件のより良い地域、特に都市部へ人材が流出するのではないかという心配があった。先ほど、かんやまいち参考人からも、転職は実は難しいんだという話がありました。その理由も2つ明確にいただきました。これから参考人におかれましては、ご自身の書いた記事において、この人材移動の懸念というのは当てはまらないよという主張をされております。転職者が発生するとは、なかなか考えにくいという話をされています。いまいちと、この理由とか、指針についてお伺いをしたいというふうに思います。

1:26:36

これから参考人。

1:26:38

ご質問いただきありがとうございます。いまの地方から都市部への流出という点について、私が考えていることについてお話したいと思います。私といたしましては、大規模な流出が起こるとは考えにくいと考えています。理由は4点ございます。1点目といたしましては、まずやはり、育成就労1年長働いた段階では、まだスキルレベルが低いということです。実際その労働市場で、非常に魅力的な人材として移るほどのスキルレベルになっていない。これは実際の実習の現場で、いろいろと指導されている方にお伺いしますと、やはり1人前になるには、2年、3年とかかる。そういった人が多く雇われるということは考えにくいというのが1点目。2点目といたしましては、雇用再度、転職者を受け入れる事業者の側にも、今般の改正では要件を課すということにしているということです。費用負担の問題、手続等も課せられており、言わば簡単に引き抜けるという状況ではないというのが2点目。3点目といたしましては、本人たちのサイドから見てもそうなんですが、今回育成就労3年になりました。技能実習5年あったときは、いわば自分たちが費用を払って取り返してあり、利益を生むまでの期間、5年最長をとれたわけですが、3年しかございません。先ほど加藤さんのお話にもありましたが、転職、転職に伴って中断する期間が出てしまいますと、その分給与がなくなってしまうわけですから、より損益分岐点がシビアになるということが考えられます。これは本人から見ても特になりにくいという状況がございます。あと最後4点目、非常に重要な点といたしましては、安い使い捨てになるのではないかという懸念。こちら、既に特定技能がある現在においては当てはまりにくいと思います。例えば、期限付きでスポットベースで雇いたいという事業者の方は、特定技能1号を使えばいいということになります。わざわざ育てて使うというたてつけに乗る必要はないという状況がございますので、こうした点から地方部から都市部への流出というのが大規模に起こるとは考えにくいというふうに見ております。以上です。

1:28:43

長谷川君。

1:28:44

はい、小倉参考人、大変わかりやすいご回答ありがとうございました。次の議論に移りたいと思いますけれども、先ほど原参考人からもありましたが、岡部参考人と原参考人は同じ有志の会で提言を出されております。法務省の有志記者の最小国省に対しても、いくつかの問題を提起されているというふうに認識をしております。そこで、岡部参考人にお伺いしたいと思います。先ほどの、これは出発点だという言葉は非常に印象に残りました。人材獲得の国際競合が一層激しくなる中で、日本全体の魅力とか底上げをすることが大前提になってくるという非常に下に飛んだお話をいただきましてありがとうございました。岡部参考人は、この最小国省に対して、人権問題を改善するという観点においては、高く評価できるという言葉をいただいております。ご案内のとおりで、支援体制を強化するとか、送り出し機関の適正化とか、管理支援機関への厳格な審査基準の設定とかですね、人権を守っていく。ここは評価されている。一方で、単純労働者に従事する外国人の数を増やすという政策につながる可能性があるとかですね。また、国外からの労働力を安定的に確保するという、雇用者側の期待を反映させたものであるようとも述べられております。その上で、これが我が国の経済や社会の発展につながるのかという問題意識をされている。これ非常に大事なことだというふうに思います。また、同時に選ばれる国になるには、単に外国人の人権に配慮するというだけでは不十分であるというふうにおっしゃっております。ここでお伺いしますけれども、この選ばれる国になるため、そして我が国の経済や社会の発展につながる、そういった制度にするためにはですね、どういう視点が必要なのか。ご指摘の人権上の問題について、受入れ側が重視すべきはどのようなものか、含まれてですね、ぜひともお伺いしたいと思います。

1:30:46

岡部参考人

1:30:50

ご質問ありがとうございました。まず、原参考人の述べられたように、確かに私も同じ学会で入っておりまして、将来的な問題提起という点では共鳴するところがありまして、名前を連ねましたが、今般の改正案自体の評価については、私の方は基本的にこれは十分あるべきだと思っております。その上で、これでは不十分だというのが私の主張でございます。その上でですね、先ほど申し上げた、労働者の受入れに当たっては、どうしても大規模な雇用主の希望と、それから外国人を擁護するという団体の希望というものが、どうしても合致する傾向にあると。これは日本だけの問題ではなくて、欧米の先進事例、あるいは欧米に限らずともどこの国でも受入れを経済目的でしようとすると構造的に発生する問題だと思っています。ですので、これは致し方ないと。なんですけれども、そのまま放置してしまい、ともすると一般の人々の目には外国人にだけ優遇をして、かつ一部の大企業だけが儲かってしまうような仕組みをどうも、労働のグローバル化のような形で作っているんじゃないかという懸念を一般の欧米の国民が抱くようになったと。これが私はポプリストの対等の一番大きな原因ではないかと思っているわけです。なので、その同じ過ちを繰り返さないためには、この構造はあることは致し方ないとしても、これに加えてできるだけ日本人の労働者が外国人を受け入れたことによって、自分も働きやすくなった。自分のお給料も上がった。あるいは、もっと魅力ある他の職種にトランスファーを移ることができるようになった。そういうような、何らかの労働市場におけるイノベーションといいますか、改革というか、そういった仕組みが必要になるんじゃないかというふうに思います。もう一点は、やはり皆さんが日本人になる必要はないと思うんです。国籍を取得する必要もないと思う。ですけれども、日本で働き、日本を発展させることが、自分にとっても得だというような、ベネフィットの観点から、日本で働くことを良しとする外国人が増えていけば、自然と日本の付加価値というものが高まっていくんじゃないかと。なので、そういった皆さんがワクワクする方向に経済を進展させていくという、そういうソフト面での拡充というものも必要なんじゃないかというふうに思います。以上です。

1:33:32

長谷川君。

1:33:33

ありがとうございます。この外国人が入ってくるによって、日本人もある意味、刺激を受けて、よりしっかりとした仕事ができる。結果的に経済、社会も発展していくという、その中でウィンウィンの環境をつくっていくということが、非常に重要なのだというふうに思います。次に、原産庫にお伺いしたいと思います。なし崩しで質を問わず、量だけどんどん外国人が入れてくるというのは、なかなかいかがなものかという、大変貴重なまた厳しい御意見をいただきました。私の地元群馬の農業生産法人の、いい事例も出していただきまして、ありがとうございます。おそらくどこのところか、私は頭ではわかっておりますけれども。その上で、まさに新聞の記事にも書かれている、選ばれる国、これは岸田総理も小泉法務大臣もよく口にされているキーワードでありまして、間違いなく重要であるのですけれども、まさに原産庫人がおっしゃっている、その前に自分たちが選ぶことが大事だろうと。この非常に重要な指摘なんですけれども、さっきもおっしゃった通りで、この国際貢献という建前で、その一部の産業界の安価労働力として外人が入ってきている。ここに欠けていたこの視点、我々が選ぶんだということなんですけれども、これちょっといまいちどですね、これについての真意、それは来てほしい外国人に来てもらうためには、どういう具体的な方策が必要なのか。原産庫人がおっしゃっていることは要するに、我々が選んだ人に選ばれる国になるという、なかなかマッチングが完璧にならないと人が入ってこないという状況になりますので、そういった意味で、この労働力が不足しているところを充足できるのかという、ある意味その狭い観点から言えばそこらへんの問題も出てくるでしょうし、そこらへんはどうお考えか教えてください。原産庫人。はい、ありがとうございます。まずどんな外国人に来てほしいのかということを、日本の側が、私たちの国の側が明確にするということが重要なんだと思います。どの人たちは来てほしくて、どこから来てほしくないのかという線引きは、これ実際上相当難しいと思います。極端なところで両側を申し上げれば、例えばトップレベルのデジタル人材、AI人材、日本のこれからのデジタル化や発展を牽引してくれるような人ということであれば、相当外国人背負い的な人たちであっても、まあそりゃいいんじゃないかと言われることが多い。一方で逆の側で犯罪を起こすような人、これはさすがにやめてくださいというのも、あまり反対される方はいないということだと思うんですが、そこの間でどこを線を引くのかというのは、これはもうそれこそ国として国民的な議論を経て基本戦略を作るという中で確定をしていくべきことだと思います。ただ一つ明らかに言えることは、安価な労働力を求めるような企業に外国人受入れを認めない、させないということは、これは一つの有用な基準になれるかと思っています。

1:36:42

長谷川君。

1:36:43

ありがとうございます。いずれにしても、やはりこの戦略というものがあった上で、どういった人に来てもらいたいかというのを考える。戦略なくしてはこれはちょっと本間先頭になるということがまたよくわかりました。次に上前参考人にお伺いしたいというふうに思います。今回非常に重要なテーマになっているもう一つのものが、やはり共生社会だというふうに思います。上前参考人は、昨年書かれた御自身のレポートにおいて、公共政策としての技能実習制度という項目、ちょっとなんか「ああ」って顔をされていますけれども、それを私、拝読してすごく納得をしたんですね。やはりどういう労働者をどういう基準でどの業種にどの地域に配置するかというのは、やはり国の政策としてやはりあるべきだという主張をされていて、さらには国として日本語教育とか医療サービスとか住宅提供などの支援を行うべきである。要するにそれが人権を守ることにもつながるし、やはり公共政策の一環として制度設計をする国がしっかりとその役割を果たしていく。先ほどもおっしゃっていた、やはり地方の役割というのが非常に大きいという意味でも、やはり国とか地方とか、やはり行政側がちゃんと外国人の受け入れをフォーカス的に受けとめて制度設計をする。これが真の共生社会につながるという話をされていたというふうに思います。そういった意味で、この公共政策という視点、そしてこの共生社会の実現という意味において、受け入れる側の企業でも自治体でも国でもいいんですけれども、その受け入れる側のあるべき姿について何かご意見があればぜひとも教えていただきたいというふうに思います。

1:38:24

神戸寺参考人

1:38:29

公共政策と申し上げましたのは、実は日本で研究している方の本から引用したのですが、韓国の雇用強化制度はうまくいっているというふうに言われています。実際うまくいっているのはものすごいお金がかかっているのです。ミャンマーとかあるいはベトナムに事務所を置いて、そこで求職者を受け付け、そして母国に、韓国に紹介するわけです。国際機関、ILOや国連は非常にいい事例だというふうに見たのですが、韓国国内で見ますと、それは特定の素材産業、いわゆるプリインダストリーという韓国語で言うんですが、中造やそういう中小企業の人手不足を補うものであって、特定そこの業種同士としかも中小企業の人たちだけが利益を受けているのではないかと。これはどういうふうに説明するかというと、そこの中造は韓国の産業をリーディングインダストリーとしている自動車産業の基本であるから、この中小企業分野を助けることが韓国全体の経済発展につながるという言い方をしているのです。そこにも国内でいい人材を獲得するための仕組みそのものを維持していくというところに、業界や企業規模間で利益の相反が起きている、納得ができないということで、いい人材を公正に配分していくには、公共的な部分が不可欠だと思うのですが、それにはお金がかかります。お金を支出することが利益を受けて直接には受けない人も納得してもらわないと制度維持が難しいだというふうに思って、それで公共政策という言葉を使いました。以上です。中村委員ありがとうございます。日本の社会のあり方を大きく左右するこの新制度です。戦略とWin-Winとそういったキーワードを持って共生社会を実現して同時に我が国の発展にもつながると非常に重要なものですので、引き続き皆様含めて有識者の皆さんからご意見をいただいてブラッシュアップをしていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

1:41:25

次に平林昭君。

1:41:30

米党の平林昭と申します。参考人の先生方におかれましては非常にお忙しい中、国会まで足をお運びいただきましたことを心から感謝申し上げます。お怪我の中で本当にありがとうございます。私の質問はこれから参考人を中心にさせていただければと思っておりますけれども、他の先生方もどうぞよろしくお願い申し上げます。まず冒頭ですね、選ばれる国なのかそうでないのかというところに関してですね、ちょっとここぜひこれから参考人にお聞きさせていただきたいと思います。この点を理解するために、これから参考人は国際移住が生じるメカニズムが大事であって、経済格差だけでは理解しきれない事象が繰り返し指摘されていると。そこを説明できる理論が意欲潜在能力モデルであると。このように私どもの党の講演もしていただいたり、月間支援も寄稿していただいたり、そういった中でもお話をしていただいております。この理論は要するに意欲大事なんだけども、それと共に能力、要するに経済的に移住できるかどうかということだと思うんですけれども、この両方の要素が掛け合わさって移住っていうのが発生するんだと。結局その掛け合わせた結果、あるピークがあって、そこまでは上るけどもそこから下がると、いうことをおっしゃっておられると。そのピークがだいたい一人当たりのGDP2000ドルと、だいたい約30万円ぐらいになるまで上昇し、その後は低下すると。これは出る方の国の話で、受け入れる方の国に関しては7000ドルぐらいまでは、例えば日本に行きたいということであれば7000ドル、約100万ぐらいまでは高まると。こんなようなことをこの理論に基づけば出てくると、このように言っておられるわけであります。この理論に基づくと、今後も日本に向けた外国人の労働者は増加し続けて、2040年には年間100万人に達成すると、こういうようなことをこれから参考には言っておられて、結論的に日本は選ばれない国である、今後ますます選ばれる国になっていく可能性が高いと、このように言っておられます。これは本当に他の先生方もそうですし、僕の印象もそうなんですけれども、選ばれる国にならなきゃいけないんじゃないかという、そういう危惧を持っている中で、少し相反する意見に感じておりまして、この点に関しまして、これから参考人の御見識を伺いたいと思います。

1:44:11

これから参考人。

1:44:15

御質問いただきありがとうございます。今の点ですが、おっしゃる通りでして、現状を申し上げますと、選ばれる国になっているのかなというのは、これは訂正的評価であって、なかなか難しいところがありますが、量的に見てまいりますと、例えば90年代からの30年間を見てまいりましても、アジア諸国と日本の経済格差は著しく縮まりました。にもかかわらず、アジアから日本に来る外国人はむしろ急増しております。これは中国からの移動においても見られる現象です。それを説明するのが、先ほどおっしゃった、言及されました、遺憶潜在能力モデルというものです。こちらの移住遺憶は、経済発展とともに、最初むしろ高まっていくと、本当に貧しい状態よりは少し豊かになる中で、海外に行きたいと思うようになると、ただそれはある程度豊かになると減っていきますと、一方、移住能力というのは経済発展とともに高くなる。この両者が重なったところで、実際の移住が起きると考えますと、日本のような先進国に向けた移動は、だいたい一人当たりGDPが7000ドルになるぐらいまでというのは高まり続けるということが、IMF、国際通貨基金の研究によっても明らかになっています。アジア、日本に多く送り出している国、現在一人当たりGDPが1000ドル台から4000ドル台ぐらいのところが多くございます。今後、成長していくときましても、まさに日本に向かう流れが加速する、今例に載っていると。そういうことを申し上げた次第です。はい、以上です。稲葉さん。ということは、ちょっとさらっとお言いで恐縮ですけれども、今後も増えていくと。他の私も含めて持っている、選ばれる国にならなきゃいけないんじゃないかという、その器具との矛盾というか、そことの整合性というか、そこはどのように考えればよろしいでしょうか。これから参考に。ありがとうございます。選ばれる国になるための努力をするという点について、その方向性はどの認識から立っても、そこが共通だと思っております。ただ現状どこに立っているかというところに関しては、より正確な理解が必要だという意味で、申し上げているところです。ですので、日本がもう選ばれない国になる、経済格差も縮まっていて、魅力がないというのであれば、そろそろもう誰も来なくなっているはずなんですね。この30年間、アジアと日本の経済格差が一流式に縮まる中で、どんどん減っていって、もう今年来年あたり来なくなるかなという状況だと思いますが、昨年一昨年と年間30万人の在留外国人の増加、過去最高を更新し続けております。私としては、やっぱりこれだけ増えている中、選ばれなくなっているという説明をするのは、アカデミアとしては非常に難しいなと思っております。以上です。

1:46:55

宮本君。

1:46:56

はい。現状認識が大事ということで、理解をさせていただきました。続いて、再びこれから参考にご意見に基づきますけれども、質問自体は4人の先生方にさせていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。先ほどちらっと申し上げた気候の中で、これから参考には、先ほどの意見陳述の中にもありましたが、日本は有数の労働移民受入国となっていると述べられた上で、今後もさらに傾向を強まると。その際、移民社会としての日本の在り方が問われることになるとして、最終的に外国人を受け入れるということを意味するのではなくて、私たちの社会に内在する課題を改めて見直して、より幅広い人が生きやすくなる社会に変えていく、このことを訴えておられると。これは対談形式で、リクルートワークスの孫さんという方と話もされていて、孫さんも同じようなことを言っておられて、外国人労働者が活躍できる環境整備を日本の職場や労働市場の問題解決につなげていく、この視点が外国人労働者、企業、社会、それぞれに望ましい状況を実現していく上で重要であると、こんなふうにも述べておられまして、これは本当にごもっともだなと感じているところでございます。ここで皆様にお聞きできればと思っておりますことなんですが、これが参考にもそうなんですけれども、孫さんが日本の職場や労働市場の問題と、このように言っておられるわけです。この表現から、それぞれの参考人が、この部分がやっぱり該当するんじゃないかと、ご自身の中で、終わりであれば、なければなしでいいんですけれども、ぜひちょっとその部分をご指摘いただきたいのと、もし、その想起される内容に関しまして、今後どう対処していけばいいか、みたいなことも、もし終わりであれば、順にお聞きできればと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、これから参考人からお願いいたします。ありがとうございます。簡潔にお答えしたいと思います。内在する問題として、今後どうしていくかという、日本社会のということですが、例えば日本の労働市場ということで、私がいつも申し上げておりますのが、やはり視覚の見える化ということも共通しておりますが、機能の見える化ということです。外部労働市場、転職市場などが日本は弱いと言われております。これがまさに、例えば女性が一旦、育児等で職業を中断した際に、再就職しにくいとか、あるいは男性の場合だっても、ライフステージの変化による転職等が難しいとか、そういった問題につながっています。外国の方を受け入れることによって、我々が暗黙地としていたようなスキル、あるいは内部のルールをしっかりと可視化して共有していく。それは、すでにこの社会に暮らす我々にとっても、決してマイナスになるものではなくて、むしろ住みやすく暮らしやすくなる、そういったものだと思っております。そういった経験にするということは非常に重要だと思っております。以上です。それでは神原氏、参考にお願いいたします。日本の職場観光の中で、外国人の方に入っていただいて、一番の問題というか違いは、職種別賃金ではないということで、いずれ賃金が上がっていくということで、大卒も専門技術の人も低いんですね。ところが長期に、あるいは短期に日本に来ようと思う人に、大卒の賃金は国際相場に比べて非常に低いです。これから公道人材を受け入れるという政策を、もちろん政府はとっていますけれども、この人たちを採用していくには、今までの日本社会の賃金格差をどういう形で広げて、広げないと上のトップ層は来ない。私が技術開発を中心としている企業に聞きましたら、その人たちを特別に上げると、日本人の技術者の人が意欲喪失する。ではどうするんですかというと、外国人で採用したい人だけの特別な会社をつくって、賃金体系はまるっきり別にして、それで欲しい人材を獲得するということをやっています。ですので、今までとは違う日本人よりも高度の人が来るということを前提にしたときに、賃金格差の問題は、企業内の問題を超えて大きいのではないかと思っています。以上です。岡部参考人お願いします。ご質問ありがとうございます。私が思うところは、今の日本に限らず多くの先進国の問題は、選ばれる国といっても、どんな人にどのように選ばれるかというプロセスのところで、おそらく労働需要側と供給側の不具合が生じている。たまにはマッチングしないという状況が起こっているということだと思います。なので、定量的分析というのは全体の数値を測る必要だと思うのですが、それに加えて定性的なところも追っていく必要がある。一つの例としては、私は去年の夏にブリューステルで、向こうの経団連にあたるビジネスヨーロップのところを訪れてインタビューをしてきたのですが、向こうには今は不幸な偶然ですが、ウクライナから多くの人が来ている。彼らは非常に職業能力が高いということで、EUの国に受け入れられやすいということで、今のところは人手不足の解消に役立っている。ところで、欧州委員会の側が、いやところでEUにはシリアからの難民も今多くいる。この人たちも何とか労働力として使ってもらえないかというような相談をしたようですが、それに対しては、やはり職業訓練コストが非常に高いということで、在会が渋っているようだというような話も伺っています。ですので、一定の人数が領域内にいるからといって、それが全て有効な形で生産性の向上につながるかどうかという話は、また分けて考える必要があるんじゃないかなと思います。以上です。原参考人お願いします。ありがとうございます。これは外国人の話とは別に、この労働市場改革の議論としても、日本型の雇用慣行とか、日本型の会社システムとか、そういった問題は長く取り組まれてきていると思います。この問題は、外国人を雇うときに実際に現場で問題になることが多々ございます。例えば、能力実績が十分に反映されないとか、あるいは年功序列がまだ残っていて、30年経たないと給料が上がりませんとか、これじゃ外国人は困っちゃうわけですね。あとは、仕事の範囲が暗黙の合意で決まっていて、明確には決まっていないとかですね。そういった様々な問題が現場レベルでも問題になって、外国人を雇うことに伴って合理化を進めていくというようなことがなされるケースがあります。これは、こういった外国人を雇うことをきっかけにして、より合理的な仕組みに変えていくということができると、良い課題ではないかと思っています。

1:54:36

平林君。

1:54:37

ありがとうございます。続きまして、転職に関して上林参考人にお聞きできればと思います。先ほど、1年に短縮するということは重要だと。その一方で、地方に分散していくことも大事だから、そこはそこでしっかりと手当てをしていくべきだと、このようにおっしゃられたと理解をいたしております。私、中国地方の選出でして、比例区の選出でして、地元においても本当に懸念ですね。地方から都会への移動、ここは本当にしっかり抑えてもらいたいという意見はいっぱいいただいているんですけれども、一方で人権ということも大事ですので、おっしゃられている意見になるほどだなと思ったわけですけれども、そこの部分をもう少し具体的にどうしていくべきなのかということをお聞きできればと思います。よろしくお願いいたします。上原知事、参考に。はい、私は何回か出雲市に調査に参りましたが、出雲市役所が調査した企業調査で、外国人を雇っていますかという企業で、雇っている企業5%でしかいない。例えば、静岡県でやると25から30%上がるんですね。それだけ地方に外国人が来てくれるということは稀なんだし、将来どうするんですかというと、そのまま企業を、自分も60を超えているから辞めてもいいという企業が5年前の調査に加えてまた増えている。私はそうすると、若年者が出ていっちゃうのを止めることができないなら、来てくれる外国人を大切にするほかないなとは思っていて、だから今私が挙げた例は、来た外国人を雇用しているところに交通手段と宿舎を提供するという。だから、中小企業の福利構成については比較的弱いものですから、その部分を自治体がカバーして外国人の労働条件を良くするというような方向が一つの方向かな。これは技能実習制度とはちょっと離れたところで、外国人定着家促進政策みたいなのを作ってもいいかなと思います。以上です。平林君。ありがとうございます。今のお話と少し関係しますけれども、自治体の対応ということで、これから参考人にお聞きできればと思います。外国人労働者を受け入れたいと考える自治体が多い中、そのためにはやっぱり様々なサポートが必要であると、これにも述べておられるわけでございます。その上で、私の地元広島の事例をご紹介いただいておりまして、昨年9月の広島県の発表によれば、インドシマ鉄鋼という企業ですね、これに所属するベトナム出身の技能者3人が特定技能2号試験に合格したということでありまして、この会社、広島県の支援事業の採択を受けて、様々受験に必要な取組内のプランニングとか、試験対策に関する情報提供などもこういった支援を受けてこられたということであります。広島県今後、2号特定技能外国人の更なる経営アップを目指して、インドシマ鉄鋼の支援をアドバイザーとともに実施するということでありまして、また横展開もしっかりやっていきたいと、このようにも言っておられるということでございます。外国人、こうした自治体のサポートがうまくいっているこういう事例、他にももしご存じであれば共有いただければと思いますし、あるいは事例じゃなくてもですね、こういう考え方とかサポート、これ重要なんじゃないか、そういった意見もいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

1:58:23

これから参考人。

1:58:28

地方における事業につきましては、今ちょうどこれから起こりつつあるかなというふうに思っております。私自身も広島県の事例にちょっと触発されまして、年度末にかけまして、全国都道府県政令指定都市、主な基礎自治体における外国人労働者支援事業についてサーベイを行いました。その結果、見えてまいりましたのは、やはり送り出し国におけるリクルートから現地における定着支援まで、非常に面として広がりがあるリシューに関して、それぞれちょっとずつ対応する自治体が出てきているということです。ただ残念ながらまだその全プロセスを視野に入れて包括的にやれているという自治体はございませんでした。一方、非常に興味深かった事例といたしましては、自治体レベルで外国政府、ベトナム政府などと二国間協定を結んでいるケースがかなり多くありまして、既に50を超えるMOU、二国間協定が自治体と外国政府の間で結ばれております。こちら外国人労働者の採用から地元への定着といったようなことを視野に入れたものというふうに見受けられますが、今後こうした点についてちょっと調査研究してまいりたいと思っております。以上です。

1:59:38

平林君。

1:59:41

ありがとうございます。続きまして、言葉ということに関しまして、これから参考にいければと思うんですけれども、日本語の習得、就労のためにも、日常生活においても極めて重要であります。日常の日本語、これも習得難しいんですけれども、ある意味、日本語学校が近いか遠いかわかりませんけれども、一応存在をしていて学習できると考えますけれども、就労のための日本語、ここ結構難しいところもあるのかなというふうに思っておりまして、勤務先の企業の取組も必要になってくると感じているところでございます。さっきの広島県の例でも、受入れ企業が昼休みを利用して、日本語教室を毎日開いていたということでありまして、これもすごいなと思うわけですが、こうした取組、企業が進めることはなかなか簡単ではないというふうに思っておりまして、政策的に何か後押しすべきではないかというご意見がございましたら、ぜひお聞かせいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。これから参考に。どうもご質問ありがとうございます。仕事のための日本語ということにつきましては、こちらOECDが調査したレポートによりましても、就労のための言語教育というのは、語学教育の最後のハードルと言われております。欧州の主要国、ドイツなどにおいても、そういった点についてベストプラクティスと言えるものはまだないというのが現状でございます。その背景には二つ要因がございまして、やはり働くための語学というのは非常にレベルが高く専門性が高い。そのため、教える側もボランティアなどではやはりまかないきれない。そのため、やはり費用もかかると。ただ、仕事のための語学というのは、基本的に労働者本人が非益し、雇用者としては身につけさせてしまうと、いわば転職されてしまう可能性もある。いわば、雇用訓練において不変的スキルというのは、もともと労働経済においても投資されにくいと言われております。語学はその最たるものです。そのため、費用負担と利益の共持の関係がずれておりまして、なかなか進まないと。そういったことが国際的にも言われております。という中で、やはり働く日本を身につけていくためには、業界団体や地方自治体といったようなところが、インシアチブをとって、きちんとサポートしていく。財政的にもサポートしていく。そういったことが今後重要になってくるのではないかと思います。

2:02:03

では、吉野君。

2:02:04

大変貴重な意見をありがとうございました。これからの審議にしっかり活かしていこうと申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

2:02:15

次に、米山隆一君。

2:02:20

まずは、大変貴重なご意見をありがとうございました。まず、ご質問させていただきたいんですけれども、今ほど以来、選ばれる国というお話がたくさんあったんですが、同時に、前の質問とも重複しますけれども、選ばれる地域であれ、選ばれる職場ということもまた重要であろうと思います。それぞれいろいろな要素として、個別には出ているんですけれども、ざっと概略的に、特にこれから育成就労外国人ということになるんでしょうけれども、働く側の外国人にとって、選びたい地域、選びたい職場というのは、ちょっと概略的な質問の恐縮なんですが、ざっと何が一番重要だと思っておられるのかということを、これからの産耕人と、上林産耕人にお聞きしたいと思います。それでは、まず、これから産耕人をお願いいたします。ご質問いただきありがとうございます。選ばれる国、選ばれる地域、選ばれる職場ということで、何が外国籍に最も要因かということですが、もちろん賃金ということです。ただ、この賃金といった場合、ただの名目賃金ではなく、確実にその賃金が得られるかという期待値、あとはどれくらいの期間働けるかという期間、こういったものをトータルに見て決めているというのが、移民研究において明らかにされております。日本名目賃金が下がっているという中、言われておりますが、一方で雇用の安定性とか、定期昇給といったような点において、他国と異なった特徴を示しております。その結果、例えば5年10年働いて得られる見込み値という点において、十分ペイするなということがあれば来ると、そういう現象が起きているのかなというふうに考えております。以上です。上林さん、購入お願いします。はい、はっきり賃金です。もうその賃金ですが、今、円安です。これは誰もがちょっとどうしようもないんですが、賃金が安定して、来日前に予想した賃金が返るときに得られる、予定どおりに遂行されれば一番いいな、それが変動するというのは一番痛いです。また、為替のことだと私はあまり接していないんですが、高卒の中国から来た技能実習生が毎日為替相場を見て、自分の賃金はいくらかというのを考えている。これだけの集中力というか、賃金に対する重要性というのは大きいと思います。その次に、残業時間なんです。賃金が決まっているとしたら次に残業時間です。「社長、残業ありませんか」と言われるのが一番つらいとある社長さんが言っていましたが、残業時間というのは社長が決めるのではなくて、自重先から来るわけで、それを渡してやりたいけど今ないんだよというのがつらい。だから、規制の改革で、労働時間を短くしましょうというのと反対の動きが技能実習生が持っている。それから職場については、ベトナムでインタビューしたことがありますが、職場も地域もあまり関係ない。実際には北海道か鹿児島かというのは彼女たちにとってはわからないんですね。ですから、賃金で決めます。あとは職場です。職場は何で決めるの?と聞いたら、やっぱり建設と農業は屋外作業だから嫌だ。そこだけで決めるの?と言うのは、そうということでした。ですから、やはりここの2業種はなかなか人集めが大変だなというのが実感でございます。以上です。

2:06:11

宇田山君。

2:06:13

大変ありがとうございます。視察深いところかと思います。次にお伺いしたいんですけれども、安価な労働力というお話がございまして、安価な労働力はよろしくないという意見もあり、一方、原参考人からそういう意見がありですね。一方、上林参考人から、安価というか地方ですよね。私は新潟の出身で、かなり地方なんですけれども、そうするとおっしゃるとおり、人目につかない外国人労働者と言いますかね、ひっそりした地方の工場におられるひっそりとした外国人労働者というのはたくさんおりまして、上林参考人が出していただいた資料にもあるようにですね、そういう人がじゃいなかったら地域の経済はどうなるのでありましょうかと思ったりもするわけなんです。安価な外国人労働者というものが日本社会に与えている影響というものに対して、ポジティブな意見、ネガティブな意見というのがそれぞれにあるんだと思うんですね。原参考人の代わりに、はっきりとネガティブな意見はもうすでに重複になってしまうかもしれないんですけれども、それぞれの方に、現実として今、安価な労働力として使われている部分が大きいと思うんですけれども、それが日本社会にとって、それはポジティブもネガティブもあるんでしょうけれども、概略的にポジティブなのかネガティブなのかということを、それぞれのご意見を伺えればと思います。それでは、これから参考にお願いします。ご質問ありがとうございます。非常に重要な前提となる事実かと思います。機能実習が安価な労働力かという点について、私自身の結論を申しますと、安価ではないということだと思います。こちらは、これまで調査がなくエピソードベースの話が多かった中、2019年より厚生労働省が賃金構造基本統計調査で、外国人も賃金を調べるようになりました。こちらは非常にサンプル規模の大きい全国調査ですが、そちらで時間与え賃金で計算しますと、監理団体等に支払う費用も含めますと、技能実習生時間単価、日本の派遣労働者を雇うよりも4%高くなっております。これは経営されている方の皆さんがおっしゃるのですが、雇うの大変ですよと、金銭もかかるし手間もかかるんだと、雇えるなら日本人に雇えようねと皆さんおっしゃいます。こちらはやはり、どうしてもこういうところで議論していると、ミクロな労働現場、改造度が低くなりがちなんですが、実際お話を伺うとそうですし、データで見てもそのようになっております。ですからここは強調したいと思いますが、安価ではないというのが重要な前提かと思っております。以上です。

2:09:04

神田氏参考人

2:09:07

私も今や安価な労働力ではないと思います。技能実習法ができてから、いろいろ規則が厳しくなりまして、結構だとは思いますが、その結果として事務手続きを受け入れるための時間がかかりまして、そこを考えるとトータルでは安くないんですね。経費と送り出し団体と中間の受入れ管理団体に払うという、それから一番高くつくのは、仕事を教えるために現場の有能な能力のある人がそこにつきっきり教えるんです。その人の時間コスト、機械費用というのは結構かかって、能力のある人だからこそ教えられるんだけど、その人が教えていたら仕事がなくなっちゃう、進まないということで、非常に悩ましい問題です。今、世界的に人権DDということが問題になって、サプライチェーン全体に対して人権を守れという動きがあり、日本の大企業の有数タル、トヨタ自動車が人権DDを日本で実施する場合には、技能実習制度を人権DDの代償にするということをして、3かの一次下請、二次下請の技能実習生の雇用について全調査をした。保証金が取っているか取っていないかやっているんですが、その結果として危ない管理団体は使うな、親会社トヨタが指定した管理団体を通して技能実習生を雇用せよというふうな、法律とは関係なく会社の方針として出しているわけです。そうすると、ますます費用がかかって、じゃあやめようかとした受け切りも出てきて、技能実習生が地に安いかどうかは非常に相対的なものだと思います。

2:11:18

岡部参考人

2:11:21

お質問ありがとうございます。私は日本の中のことについてはほとんど存じ上げずに、今日は他の参考人の方から逆に勉強になっているというところなんですけれども、欧州のケース、それから一般的な考え方という観点から申しますと、現実問題として、単価が安い労働力も高い労働力も両方必要で、そうしないと回っていかないというところだと思うんですが、ある意味人生に一人一人の人間のサイクルとして考えるのであれば、できれば最初は安い労働者であったとしても、そこからステップアップしていくというようなことが、許される社会というのが必要なんだろうということと、外国人同国民、ネイティブにかかわらず、ある意味自然な労働市場の競争論理の中で、相対的に安い労働力であるということであれば、とりあえずいたしかっていないということもあると思うんですが、何らかのそこに規制が入ることで、歪んだ形での賃金格差があるということになると、そこが政治的な混乱や分断につながっていくというところは、気をつける必要があると思います。以上です。原産公認ありがとうございます。まず安価なのかどうかという点に関してですが、本当に高い給料を出せば日本人に後えるんだと思います。したがって、安価という言葉の定義に差はあるのかもしれませんが、少なくとも一定の意味で、安価な労働力を求めて外国人に依存しているという面は否めないと思います。それから、先ほどご指摘のあった、人のいないような地域において、安価な労働力であっても向上があることに価値があるのではないかというお話がございました。これについては、私は基本的には、地域の活性化というのは、地域の活性化で別に考えるべき課題だろうと思います。また、それは基本的にそれぞれの地域や、知事や市長の責任においてなされるべきことなんだろうと思います。日本人の若者が逃げ出してしまうような地域に、無理やり外国人に住んでくださいという政策をとるというのは、やはり無理があって、それこそ人権侵害じゃないかなと思います。以上です。

2:13:56

米村君。

2:13:59

そうでもないんじゃないかなとは思うんですが、時間が残り短くなっているんですけれども、似たお題でお伺いしたいんですけれども、今の神林さんの参考人のお話の中で、公共政策としての意味があるというお話がございました。その逃げ方に進むのが、ちょっと人権侵害かどうかはさておきですね。一定の人員配置というようなことを、もし考えるのであれば、否定するのであれば、それはなくていいという話になるんだと思うんですけれども、少なくとも一定の地域に対して、地域の労働力の不足であるのか、若年人口の不足であるのかを補うためにやろうということになると、それは確かにおっしゃるとおり、その限りで本当は東京に行きたいんだという人に対しては、それを人権侵害とまで言うかどうかはともかくとして、一定の制限をかけることにはなるわけですよね。そういう意味では、外国人の自由といいますか、労働の自由というものと、日本にとっての公共政策的、日本にとってというか地域にとってというか、ともかく受け入れる側からの最適配置というのは、多分そこがあるわけなんです。ただ、そこがある中でどっちも立てられないので、どこかのバランスをとっていかなきゃならないんだと思うんですけれども、それはバランスをとるという一言で言っちゃうと終わりなんですが、どういうふうにバランスをとるべきなのか、考え方といいますか、よりどちらに重点を置くべきなのかというか、そういったところにつきまして、官房主さん、後任の御意見を伺えればと思います。官房主さん、後任。非常に難しい御質問です。自由に移動するのが基本的な人権保障で、地域にとってはとどまってほしいというので、じゃあ法律でその人たちを動かさないようにすることが正しいのかというと、正しくないと思うんですね。私が今考えたのは、結局短期的には、人権の問題は地域の問題よりもどっちかというと見えにくいんですよ。そこで今この法律の改正を機会に、技能実習生なり外国人労働者の人権ということがテーマになったら、地域の活性化というのは10年20年って考えていかなきゃいけないけれども、技能実習生に関しては、1年2年3年という短期で考えなきゃいけないので、地域の活性化は、短期の優先順位の問題としてまず人権確保、それからその上で長期的に彼らが定着してもらうにはどういう方法がいいのかということに、当然そこには財政支出が伴いますので、それを税金で行うことが、そこの地域だけではなくて日本全体でも役に立つよということを納得してもらうから。非常にプロセスが複雑になりますけれども、公共政策というのはやはり受入れに関して一定程度の公的負担が必要である。公的負担が必要であるからには払う人の納得が欲しい。ここが非常に重要だろうというのが私の意見です。以上です。

2:17:42

野山君。

2:17:43

ありがとうございます。最後に技術的なところをお伺いしたいんですけれども、外国人のこれから育成計画の認可という話になって、しかもそれの認定が非常に遅いというようなお話があったわけなんですけれども、それは行政の先生方ではなく、行政そのものの場所にいらっしゃるわけではないので、その原因とか対策とかはわかりづらいとは思うんですけれども、例えばそれこそ法律なんかで、いやもう3ヶ月で、1ヶ月で結論を出せ、我々なんかが立法したらできるものなのかできないものなのか、そのボトルネックというのはただ単に行政の人員にあるのか、それともはもしかしたらその育成計画をつくる方法などにもあるのか、この育成計画等を速やかにすることの現実性というものについて、官媒参考人と原参考人にお伺いしたいと思います。それでは官媒参考人お願いします。はい、技能実習機構が最初は当初は250人で始まったのが、今は320人になって、それでも全然足りないという悲鳴があります。これは、もちろん入管の職員数もちょっと前まで3000人が倍増しています。これは人数が増えればいいんですけれども、そこには他の部分で行政の人数を削っているわけですから、ここだけ増やすと、また当然減らされた部分について不満が出るので、ボトルネックはしばらくはそのままにして、その間、職員の方の能力アップ、ただ来てみるだけじゃなくて、この育成計画が果たして技能育成に合致するかどうかということを見なきゃいけない。となると、ただパートの人に来て、はい、書類を見てくださいじゃなくて、その判断をした人の判断がそこに入ってくるわけですから、それだけの十分な職員の能力をつくらなきゃいけないですね。帳簿を見て、これは脱税しているかどうかというのを見るのには、国税庁で教育訓練をすると同じように、これは技能実習に当たるのかどうかということを判断するのは、やはり技術的な問題があるので、いずれ増やすとしましても、すぐに増やすのではなく、しばらく企業の方に我慢してくださいという方が私は妥当だと思います。原産公認お願いいたします。育成計画の審査について、どの程度実務的にスピードアップできるのかというのは、これは私は今、直ちに分かりかねます。ただ、おっしゃられたように、法令で処理期間を定める、標準処理期間を定めるというのは、有効な手当だろうと思います。

2:20:46

米山君。

2:20:48

あともう1分ですので、大変参考に、いろいろな御意見、ありがとうございます。大変参考になりました。ありがとうございます。

2:21:01

次に斉藤アレックス君。

2:21:05

教育無償化を実現する会の斉藤アレックスでございます。日本維新の会との統一会派を代表しまして、参考人の皆様に質問させていただきます。本当にお忙しい中、本日は、ご貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。また、お腹が参考におかれました、おけがのところですね、来ていただきまして誠にありがとうございます。私、名前がアレックスで、父親がスペイン人でございます。父親はまさに外国人材というか、母親は日本人なので、英住権があるので、働き方というのは、外国から何か先行プロセスを経て受け入れているというわけではないんですけれども、割と自分ごととして、こういった外国人労働者の問題は捉えております。私も職場に、さらに今、来ているときは、職場に外国から来ている方、特に中国から来ている方が多くいらっしゃいましたし、一緒に協力をしながら働いてきて、大変いい関係を築き、また会社にも貢献してきたと思っておりますので、そういった形で海外から日本に人が入っていただいて、そして国内社会に多様性をもたらして、経済発展を実現していくということは、当然日本としても重要な経済政策だと考えております。ただ一方で、私も特に懸念をするのは、日本の賃金が上昇していかなければならない中で、それの上昇を抑えつけるような結果を、この外国人労働政策で生み出してしまってはならないというふうに思っております。この委員会でも先日も紹介されていましたけれども、これから25年間で労働生産年齢の人口が2000万人程度を減るということになります。これが今日本が抱える最大の危機でございまして、この2000万人の生産年齢人口が減る中で、どのようにしてこの経済社会を維持していくのかということが、日本の政治に最も強く問われているんだろうと思います。大きく3つの方向性があって、海外から人材を受け入れる、少子化対策をする、そして賃金を上げていく、この3つがあると思っていますけれども、2000万人移民を受け入れるということは、これどう考えても非現実的だと思いますし、また少子化対策をして2000万人の人口減少を食い止められるかといったら、そんなことはないわけでございます。もちろん海外から人材を受け入れる、そして少子化対策をするということは重要な政策でございますけれども、最も重要で、そして最も伸びしろがあるのが、やはり実質賃金を上げていくと。2000万人の人口減少を、労働人口の減少を補うような実質賃金の上昇、つまり25年間で3割程度、少なくとも実質賃金を上げるということが、最も重要なことだと思っていますので、それに相反するような、外国人材の受け入れ方をしてはいけないということが、これ大前提として私も考えていかなければならないことだと思っていますので、本日原参考人におっしゃっていただいたことを、しっかりと政策に反映するために、努力をしていかなければならないと思っております。改めてですね、原参考人にお伺いしたいんですけれども、今回の法案、私は、技能実習生が抱える様々な課題問題を踏まえれば、それが改善をしていくということは、必要なことだと思っておりますけれども、一方で、賃金の上昇とか、そういったところに悪影響を及ぼし続けるのであれば、私はそれは良くないことだと思っておりますので、改めて本法案に対する評価を伺いたいということと、可能であれば技能実習制度の問題というのは、ある程度改善される部分があるのかというところも併せて教えていただければというふうに思います。

2:24:31

原参考人。

2:24:34

一定の改善ではあると思います。ただ、賛成か反対かと言われれば、私は反対ということです。先ほど最初にお話をしましたように、まず個別の制度の見直しを行う前に、基本戦略をきちんと定めるべきであるということが一つ。それが一旦おいて、まずともかく技能実習の見直しをやるんですということであるとしても、やはり今回の制度改正では、安価な労働力としての悪用の可能性が残っているということなんだろうと思います。その時に、これまで生じてきた劣悪な労働環境の問題を十分改善しきれるのかというと、これは解決しきれない可能性が高いということではないかと思います。それからおっしゃられたように、賃上げを阻害しかねない、日本がより貧しい国になっていきかねないという面もあるかと思います。これも現時点で外国人に選ばれるのか選ばれていないのかという問題はおいても、少なくとも政府がずっと訴え続けている、外国人に選ばれる国になるためにやるのですというのとは、むしろ逆に言ってしまう可能性もあるのではないかと思います。

2:25:53

西藤君。

2:25:54

ありがとうございます。外国人人材の受入れに関しては、国内の賃上げを阻害するようなことがあってはならない。そもそも今、外国人人材の受入れ以下にかかわらず賃金が上がっていない状況でございまして、特に実質賃金は未だにマイナス状況で、メモ審議に関しても大企業では大幅に上がるところがありますけれども、社会全体で見ると極めて低い伸び率で、実質賃金になるとまたマイナスになってしまっている。この状況を改善しない中で、日本で最も給与水準が低い方々と同じ水準の給与で、海外から人を受け入れたとしても、人材不足で賃金を上げなければならないという、その圧力に悪影響を及ぼしてしまうのかなということを考えておりまして、それをどう避けていくのかということが特に重要だと思っています。そういった中でやはり高度な人材、技能を既に身につけている方々、そして日本国内で日本人、あるいは日本人以上の付加価値を提供していただけるような人材を、いかに日本に引きつけるか、どうやって日本に働いていただくかということを、これを考えていくことはとても重要だと思っております。今、為替の問題がありまして、あらゆる努力を吹き飛ばされそうなぐらい、円安になってしまっているので、その部分はその部分でしっかりと対策を講じていかなければならないと思うんですけれども、一旦その部分は置いておいて、賃金のところもあると思いますけれども、どのようにして海外から高度人材を引きつけていくのかというところ、こちらも改めて原参考人にお伺いしたいと思います。

2:27:24

原参考人。

2:27:26

ありがとうございます。日本政府の外国人政策は、技能実習とか特定技能とか、比較的技能水準の低い、あるいは中程度のレベルの外国人政策については、相当きっちりと制度を作り込んで、いかに呼び込むかという仕組みを作られているのですが、高度人材の方になると、大卒だったら来れますよという仕組みだけを設けて、あとはもう受け身の状態になっているということなんだと思います。ここに大きな問題があると思います。私はこの高度人材について、もっと積極的なリクルーティングをやるべきだと思います。例えば、かつてシンガポールの政府が、2000年頃から、高度な人材をシンガポールにもっとどんどん呼び込まないといけないといって、相当戦略的に呼び込みをやったことがありました。彼らは何をやったかというと、個人単位で、この人にぜひ来てほしいという研究者や経営者や、そういった様々な専門家にアプローチして、あなたシンガポールに来たら税金を少し負けてあげるから来てやろうか、とか、そういう交渉までやって、高度人材、自分たちが来てほしい人材を呼び込むということをやったわけですね。日本政府の場合、そこまでできるかは分かりませんが、少なくとももうちょっと積極的なリクルーティングをやるべきだと思います。私自身、自治体の知事や市長にお話をする機会があるときに、よく申し上げるのは、例えばデジタル人材が来て、うちの地域をもっと活性化してほしいということを考えるんだったら、例えばアジアのトップ大学、デジタル分野のトップ大学、インド高科大とかですね、そういった大学に行って、知事や市長が自ら行って、就職セミナーをやったらどうかと。うちの地域に来たら、これだけチャンスがあるよと、これだけ環境を整えてあるから、ぜひ来いというような話をしたら、相当優秀な人材がどんどん来ると思います。そういうことをやったらいい。それから、国もやったらいいと思うんですね。国は、観光政策に関しては、ビジットジャパンというキャンペーンをやって、各国にも相当売り込みに行って、相当の成功を収めたということだと思います。ビジットジャパンに相当するような、日本で働きキャンペーンというのをやって、総理はさすがに行けないかもしれないけれども、大臣がアジアのトップ大学とか、トップの教育機関を回って、就職セミナーをやって、日本にぜひ働いてみるというような話をする。そんなようなリクルーティング活動をやったらいいんじゃないかなと思っております。以上です。

2:30:20

斉藤君。

2:30:21

ありがとうございました。海外から有志な人材を引きつけるために、シンガポールがやってきたように、より積極的に、日本だから来てくれるだろう、みたいな感じでは、やはり無理だということだと思いますので、そういったところも、ぜひ政府には求めていきたいというふうに考えております。ありがとうございました。他の参考人の皆様にも、ちょっと伺っていきたいんですけれども、私も、生まれたのはスペインだったんですけれども、途中で日本に来て、完全に日本人的な感覚になっていると自分でも思っていて、やはりその国の社会とかに、ずっと住んでいると溶け込んでいって、同じ考え方になっていくと思うんですね。そういったときに思うのが、地方に、特に人手不足だから、外国人に来ていただきたいというのは、思いとしてはわかるんですけれども、アジアの国々もどこも都市化していますし、若い方々、都市に住みたいと思われるだと思うんですね。そういったときに、地方の魅力を引き上げて、提示をしてもらうというときに、やはり外国人も日本人もないと思っていて、日本人の若い方々が地方に住み続けると思っていただけるような、魅力ある施策であったりとか、そういったことをしていけば、当然、外国人の方も日本に来ていただいて、そのまま地方に住んでいただくということになると思いますので、そこをあまり切り分けずに、地方でどう住み続けていただけるか、働いていただけるかということを考えることが重要だと思うんですけれども、上林参考人におかれては、実際に海外からの来られている方とも触れ合われて、いろいろ感覚をお持ちだと思うんですけれども、ちょっと変な質問かもしれないですけれども、最近インターネットがあって、アジアの国の皆さんもスマホを持って、情報の非対称性もなくなっているし、みんな感覚も、私は日本人とかアジアの人たちにちょっと近づいてきているんだろうと思っているんですけれども、海外の人だからあまり日本とは違うという考え方で、政策をしていくと難しい面があるんじゃないかなと思っている。そこは日本人ともあまり変わらないという争点に至って、さまざまな政策を遂行していくことが重要かなと思うんですけれども、その点上林参考人はどのように思われるでしょうか。

2:32:30

上林参考人。

2:32:33

生活習慣については慣れると思うんですけれども、ペーパーテストですか、日本語で行うペーパーテストに関しては、やっぱりハンティキャップがあります。ですからそこの部分で、例えば職業訓練校に入るにもやはりテストがあるんです。日本人にとっては小学校で教わるようなことわざが出てくるんですが、学校から来て日本のことわざなのか知る必要がない。だからそういうペーパーテストの部分とか、試験とかっていう部分について、もう少し全部漢字に日本語を振るとか、そういうふうな形で、職業能力を高めていくことが重要かなと思います。以上です。

2:33:28

佐藤君。

2:33:29

ありがとうございます。私は来たとき4,5歳だったので、日本語では苦労しなかったんですけど、やっぱり漢字もあるし、読み方もいろいろあるし、ことわざを勉強する必要性は、よく意味が確かにわかりませんので、そこは本当に必要な技能を身につけていただくためのプログラムは何なのかということは、これはよく政府の方に考えていただきたいと思っています。またそこはぜひ教えていただければと思います。これから参考人にお伺いしたいんですけれども、私最初お話を伺ってすごい興味深いと思ったのが、日本はアジアでも最大の移民の受入国だということをおっしゃったかと思うんですけれども、移民という言葉を使われたその意図というか、理由をちょっと教えていただければと思います。

2:34:16

これから参考人。

2:34:18

ご質問ありがとうございます。移民という言葉を使いましたのは、その前提となっている国際的な統計がマイグラントスタティスティックスですので、マイグラントは移民と訳すということで、そういった観点から移民と訳しております。

2:34:33

斉藤君。

2:34:35

ありがとうございます。もしご専門かわからないんですけれども、日本では移民政策をとってきていないということですけれども、これは国際的に見れば、今日本が受け入れている技能実習生とか、留学生の方はちょっと違うのかな、いろいろなちょっと区分けがあると思うんですけれども、今日本に来ている海外からの労働者の方というのは、国際的に見れば移民だという見え方とかそういう分類になるのでしょうか。そこはいかがでしょうか。これが参考になります。はい、ご質問に答えいたします。国際的な分類で言いますと、1年以上海外に居住している場合というのは基本的に移民と定義するというのが国連の定義です。またOECDの定義におきましても、永住型移民と一時的移民とございますが、永住型移民とされるものは、在留期間が最初から無期限でなくとも、在留期間の更新に上限がない、ビザ等で在留する場合は永住型、パーマネントタイプと呼ぶことになっております。もちろん各国によって何を移民政策と呼ぶかというのは、それぞれのコンテクストによって全く異なってくるわけですが、国際的に見ていく場合、最大公約数的なところで見てまいりますと、今申し上げた定義となります。そしてそういった観点から申し上げますと、日本が受け入れている外国人の約6割ぐらいは永住型移民ですし、それ以外も留学生なども、期限付きの一時型移民という形で分類されることになります。以上です。

2:36:10

西藤君。

2:36:11

大変興味深い情報でした。ありがとうございました。ちょっと話はずれるんですけれども、改めて本法案に対する評価を、これから参考人と岡部参考人にお伺いしたいと思います。一部では、技能実習制度の問題点がついてしまうのではないかと、看板の付け替えではないかという批判もありますし、その点は特に注意をして、この法案審議に取り組んでいかなければならないと思っているんですけれども、本法案に対する評価、特に課題が残っている点、こういったところは取り組みがさらに必要だという点があれば教えていただければと思いますので、またこれから参考人、そして岡部参考人の順でお願いできればと思います。これから参考人、お願いいたします。ご質問ありがとうございます。技能実習制度における問題が、この制度改正で改善されるのか、それによって、今、改正案に対する評価がどうかというご質問だと思います。その点につきましては、陳述のところでも申し上げましたように、技能実習制度に関して問題と言われていた点、例えば技術移転を通じた国際貢献と言いつつ、実際役割を果たしていないのではないか、労働力確保の手段になっているのではないか、また、技能形成という目的があるがゆえに、一つの職場に縛られてしまって、それが人権侵害につながっているのではないか、そういった点につきましては、いちいち全部全てその通りだと思っております。そういった問題を解決していかなければいけないというときに、やはり必要なのはどの程度起きているのかという規模の把握、また、実際どうやって解決していけるのか、これは単に理想論を語るだけではだめでして、実際、他国の例とも言いまして、現実的な方法を考えていかなければいけない、なぜなら、それは実際にそこで働いていらっしゃる方がいるからだということだと思います。そういった観点から、今回の改正を見てまいりますと、確かに基本的な部分、非常に似ているという評価があることは最もだなと思います。ただ一方で、陳述のところでも申し上げましたように、例えば、技能形成という要素を外せばハッピーになるのかと言いますと、これはむしろ国際的な経験から、他国の経験から言いましても、それはむしろ外国人労働者の権利を侵害する方向に働く、また、仲介機能をなくしたらいいじゃないか、それはもう理想論で、例えばアジアの送り出し国、どこもそう言ってやってまいりました。ただ起きたことは、例えば海外に働きに出たメイド、これが非合法なブローカーによって渡って行った先で殺されてしまった、そういった事件がある中で、送り出し国政府、やはりいろんな人たち、業者がいるのがわかるけど、しかしやはり一度自国から送り出した労働者は、帰ってくるまできちんと責任を持ってみる、送り出し機関をつけなければいけないと、そういう判断に変わってきております。また、受入れ側の国に関しても、個人で直接雇用者とやる、できれば確かに素晴らしいのですが、実際はできないと、しかも転職などを個人で繰り返してしまうと、どこに行ったかわからなくなってしまう。そういったことは避けたいということで、やはり送り出し国政府から見ると、技能実習の管理団体等の受入れの仕組みは、確かにいろいろあるかもしれないけど、何もなく個人に任せてしまって、後は知らないよというよりは、はるかにいいという評価が得られています。ですので、確かに看板の付け替えだと、問題の温床をそのまま残すんじゃないかというご意見があるのは最もですし、それはそうなんですが、やはりそういったことをいろいろと慎重にエビデンスをもとに見ていきますと、現状の方向で改正案、そして運用でしっかり改善していく、そういった方向でやっていくしか現実的ではないのかなというふうに評価しておりますし、そういった改善については、指摘された点については、かなり取り込んでおり、評価できるのではないかというふうに思っております。以上です。

2:40:11

岡部参考人。

2:40:14

ご質問ありがとうございます。私は冒頭の陳述の際も、技能実習制度が廃止されるということは、特に国際的な日本の信用を高める上で評価できるというふうに申し上げました。数年前ですけれども、アメリカの国務省の報告書ですとか、それに連なる形で国連でも、日本の技能実習制度が悪用されている、どうも人権侵害ではないかというようなことが、報道ベースで世界に広がってしまった。この評判を払拭するという必要は、どうしてもあったんだろうというふうに思っています。ですので、今回思い切って廃止するという判断を下したということは、より明確な国際社会へのメッセージになったのではないかというふうに思います。他方で、今ご案内があったように、技能実習制度そのものが本当に100%悪かったかというと、私はそうではないというふうに思っています。特に技能継承が必要だですとか、仲介業者が必要だというお話も、その通りだということもありまして、今般の有識者会議の提言や、それをもとにした法改正というのは、そういった過去の反省に立った上で、非常にきめ細やかな配慮が散りばめられている成果だというふうに見受けましたので、私は基本的にはこちらには賛成の立場をとっております。ただ問題なのは、日本政府や政策の執行する人々は、非常に実は丁寧に行うんですね。なんですけれども、丁寧に行っている成果の発信の部門になると、奥行かしというのか、ほとんど成果が見えないという状況が続いていた。ですので、もしかすると、今般のそもそも技能実習制度をめぐる悪い評判というのも、そうした日本側からの発信があまり十分になかったがゆえに起こってしまった可能性もあるわけですね。ですので、今般これから先、私が懸念しておりますのは、新しい制度をつくるにせよ、それがきちんと執行されていますよということを定期的に、かつ分かりやすい形で国民に対して発信するという、そういった努力が必要じゃないかなというふうに思っています。以上です。

2:42:32

はい、齋藤君。

2:42:33

皆さん本当にありがとうございました。終わります。

2:42:39

次に本村信子君。

2:42:41

はい、日本共産党の本村信子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。私の地元は愛知県でございまして、一番技能実習生が多い地域となっております。有名な大企業がございまして、そこの下請中小企業の社長の方からお話を伺ったことがございます。最上位の大企業が下請単価を引き下げるというもとで、下請中小企業の方で言いますと、人件費を削るしかないというふうになりまして、最初日本人が働いておりましたところ、その後日系ブラジル人ということになりまして、そして中国技能実習生というふうに変わりまして、その後また下請単価が引き下げる中で、ベトナム技能実習生と変わっていったというお話をお伺いをいたしました。やはり安い労働力、安い労働力ということで国籍が変わっていったということを私は痛感をいたしました。やはりこの下請単価を上げなければ賃金は日本全体として上げることは難しいというふうに思っております。やはりこの低賃金構造、こういう形の低賃金構造を変えていかなければいけないというふうに思っております。今、物価の高騰、原材料費の価格の高騰、エネルギー価格の高騰ということで、じゃあ下請中小企業の皆さんにちゃんとその高騰分を保証されているかといえば、例えば自動車部品の産業で言いますと、今44.6%しか価格転嫁されていないと、また失踪者が多いと言われております建設で言いますと45.1%しか保証されていないと、こういう状況ではやはり日本全体として賃金を上げていく、そして技能実習生育成就労の労働者の方々の労働条件を上げていくということはできないのだというふうに思っております。やはりこういう構造を変えていくためにも、その公正な取引のルールを強化するですとか、あるいは中小小規模事業者の方々を本気になって応援して、最低賃金を引き上げていくという施策が必要なんだというふうに考えますけれども、全ての参考人の皆様にお話を伺いたいというふうに思っております。

2:45:16

ではこれから参考人。

2:45:20

ご質問ありがとうございます。今の点についてですが、おっしゃるとおり外国人労働者の受入れという個別の論点を離れて、日本経済全体の問題としてということかと思いますが、それは非常に重要だと思います。当然外国人の受入れによって社会が分断するかしないかという論点があるわけですが、重要なのが受入れ社会の側がもともと分断しているかということでして、受入れ社会においてもともと分断があれば、そこに下の方に入ってしまうということも当然あるわけです。そういう意味で申し上げると、やはり全体としてディセントワークを広げていくということは、私も非常に重要だというふうに思っております。以上です。

2:46:05

幹部 神田石井参考人

2:46:07

賃金をあけることは本当に賛成です。例えばイギリスでは、最賃が全国一律に適用されるということを聞いています。ただ、地方の中小企業に行きますと、いつも10月の前にはドキドキして、どれだけ打ちが上がるんだろう、適用されるんだろうということで、こういう状態で、一律に全国一緒の賃金をあげるまでには、中小企業の体力はないかなと思っています。もちろん格差を縮めるのは賛成ですが、一朝一夕にすぐに全国同一は無理だなと思っています。以上です。

2:47:00

幹部 岡部参考人

2:47:03

ご質問ありがとうございます。私も賃金というのは非常に重要だと思いますので、できるだけ多くの方が生活向上を図ることができるようにという努力が必要だと思います。それとともに冒頭にも申し述べたように、できれば外国人、日本人という区別というものも一方では必要ですが、他方ではそれを一体化した形での日本全体としての格差対策を考慮する必要があると思います。以上です。(幹部) 原参考人お願いします。ありがとうございます。日本経済を豊かにする、賃金をあげる、これは極めて重要であるということは言うまでもないと思います。そのために様々な経済政策が必要だと思います。一方で外国人の受入れについては、これを阻害するようなものであってはいけなくて、日本を豊かにする、賃金をあげるということを加速するような外国人受入れをしないといけないということだと思います。以上です。

2:48:08

幹部 本村君

2:48:10

ありがとうございます。上林参考人の方からは、最近全国一律は難しいんじゃないかというお話がありましたけれども、私どもは大企業に減税をしすぎてしまったという点がございまして、そのことも踏まえて、大企業の内部留保に一定期限課税をして、そして財源をつくって、中小、小規模事業者の皆さんを応援して、最低賃金を全国で一律に1500円にという政策提言もさせていただいております。そういう政策が実現すればいいなというふうには思うんですけれども、続きましてですね、転職ができるかどうかということが大事だというふうに思うんですけれども、転職が確実にできるようにする必要があると。転職時の空白期間の問題なんですけれども、この空白期間で生活保障がしっかりとできなければ、転職というのは結局絵に描いた餅になってしまうというふうに思います。転職時の空白期間の労働者の保護という点で、諸外国の状況がわかればぜひ教えていただきたいというふうに思います。これから参考にお願いしたいと思います。これから参考に。ご質問ありがとうございます。ご質問の件につきまして、それに特化して調査したことはございませんが、通常各国の移民政策についてレビューしている範囲で、そういった政策は基本的にないと思います。

2:49:47

本村君。

2:49:50

これは4人の参考人に伺いたいんですけれども、転職先を確保していくということに関して、ご所見があれば、ぜひそれぞれ4人の方にお伺いしたいと思います。これから参考に。すいません。今ちょっと自分の質問について考えていまして、もう一回ごめんなさい。転職先を確保する方法ですね。基本的には、多国の例に、どういう資格かにもよるんですけれども、技能実習のような、期限付きの外国人労働者プログラムみたいなものに関して言いますと、基本的に転職先の確保というところまで視野に入れたものも、関係の限り私は気づいたことはないです。見たことはないです。

2:50:53

神奈川市参考人。

2:50:58

法律で今回転職が可能というふうに書いたのですが、割合そこの部分は、先ほど私の説明で申し上げたように実効性が薄いので、また技能実習ができた25年ぐらい前に、これは国際貢献などであると言って、労働力を受け入れたという乖離がありましたが、今回も転職ができると言っておきながら、転職できないんじゃないかと言われたら嫌だなと。それはまだわからないですよ。これから実効性の問題だけれども、いろいろ厳しい規則がありますから、そう簡単にいかないんじゃないかなと思っております。

2:51:45

岡部参考人。

2:51:49

ご質問ありがとうございます。私自身は転職のことについては、今般は転職を希望する人はそれができるというような法改正だというふうに理解しております。ですので転職を何が何でもさせてあげなければならないというような政策というよりは、本人が自分の労働意欲と、それから社会的なステータスの向上とか、そういったものを目指して、基本的に自由な労働市場の中で、それを享受するという可能性を広げてあげるという、そういった政策ではないかというふうに考えています。以上です。

2:52:36

原参考人。

2:52:40

ありがとうございます。転職をしても、また行った先がブラックな職場だったら、これは意味がないんだと思います。したがって、最初に申し上げたように、安価な労働力を求めるような企業には、この制度を利用させないということが重要だろうと思います。また、より健全な企業が市場に参入してきて、健全な市場企業の中から転職職を選べるような環境にしていくということが重要だろうと思います。

2:53:15

本村君。

2:53:16

ありがとうございます。また、転職についてお伺いしたいんですけれども、転職に語学や技能のハードルを設けるということの妥当性と、他の国の状況がわかれば教えていただければと思っております。これは、これから参考にお願いしたいと思います。では、これから参考に。転職に技能や語学のハードルを設けることですが、ここはすごく難しい問題です。例えば、全く要件を課さずに自由にといった場合、来日直後の日本社会にもよくわかっていないし、本人のスキルレベルも低いし、日本語があまりできないといったような人が、悪い事業者等に搾取されてしまう可能性があると。そういったパターナリスティックな視点というのももちろんございます。一方で、技能や語学のハードルを高くしすぎますと、それ自体が転職の足枷になってしまうという問題もございます。ここは非常に難しい問題でして、ある意味中庸というか、適正な水準というのが非常に重要なんですけれども、それは実際に運用などをしながら調整していく必要があると思います。0か100かという話では、どちらも結論は一緒で、困るのは外国人業者本人ということになると思います。ですので、ここは1年や2年とかいう、非常に難しいところでして、現状においては、そこは運用を見極めながら調整していく必要があるのではないかというのが、研究者の視点から見るとそういうことかなと思います。諸外国の例でいきますと、当然、高度人材に該当するような方々というのは、日本もそうですが、特にそういった要件はございません。自由に雇用先を変えることができるわけです。一方で、こういったマニュアルワークの労働者に関して、期限付きといった場合に、転職要件を認めると、条件に認めますよと言っているように見える国であっても、雇用期間が6ヶ月であるとか3ヶ月であるとか、実質的に転職等の必要性がないようなケース、実際その期間の転職というのはあまりないですよねというような場合、これは条件一見非常に緩く見えますが、実際は多分起きにくい。期間が長くなる場合は、韓国の雇用許可制と日本の技能実習はどちらも長いわけですが、期間が数年単位に及ぶわけですが、それがどちらの場合も一応、回数や条件等されている。そういった意味でも、国際的に見てもここは正解というものはなかなかなく、条件に応じて適正な数字をしっかり見ていく必要があるということになるのかなと思います。

2:56:04

本村君。

2:56:06

今これから参考人から韓国の雇用許可制度の話がございましたので、お話を伺いたいんですけれども、失踪者が多いというふうに伺いますけれども、失踪する理由が日韓で違いがあるかという点を教えていただければと思います。

2:56:29

これから参考人。

2:56:31

ありがとうございます。韓国の雇用許可制は、先ほど申し上げたように日本と比べると失踪率は3倍から8倍程度と、水準は非常に高いのですが、ただ韓国内での制度の変化の前と後で比べますと、失踪率は落ちているということになります。また、失踪の理由ですが、こちらの韓国政府が調査した結果などを見ますと、基本的に日本と一緒です。来館前の借金等が返せないので、より賃金の高いところに移ったというような理由が多数を占めておりまして、構造的に変わりません。また、やはりベトナムからの失踪率が高い。受入停止など、この間、近年ございましたが、直近で申し上げますと、ベトナムからの失踪率40%程度と高いといったような結果が出ております。そしてその理由は、やはりベトナムで高い借金を負って韓国に来ているので、賃金の高いところに移りますということで、そこは非常に酷似していると言えるかと思います。以上です。

2:57:30

本村君。

2:57:32

今の二国間の覚書で言いますと、その失踪問題を解決していくんだというふうなことも書いてあるんですが、日本もこの3年間で見ると、コロナもありまして、増えているという現状がございまして、二国間の協定にするべきだと思うんですけれども、ここに何を明記したらいいかというふうなお考えがあれば、4人の参考人にお願いしたいと思います。

2:58:05

それでは、これから参考人。

2:58:08

ありがとうございます。失踪率自体、件数は増えているところですが、母数となる技能実習生自体が増えているところもありまして、率でも申し上げますと、2、3%のところで特に顕著に上昇しているということはないかと思います。また国際比較の観点からいきますと、こういった期限付き労働プログラムの中で、失踪率2、3%というのは非常に低い水準ということになりまして、実務的にもこれ以上をすごく下げていくというのは、かなりギリギリのところ、限界を超えて行政が能力を上げていく必要があるのかなと思います。また、MOC等で防ぐという点につきましては、すでにそういったMOCの協定もなされているかと思いますが、こういった場合は一般的に重要と言われておりますのが、罰則を強めるというよりは、むしろそういったことをしてしまった場合もきちんと救い出す、セーフティーネットになるようなことを考えていくことのほうが、おそらくここから先、日本が取るべき方向としては重要なのかなと思います。厳しくして下げられるところまでも十分下がっているのかなと思いますので、失踪しても隠れ続けなくてもいいようなこととか、何らかの救済策みたいなことを考えていくという方が、より現実的かなと思います。

2:59:27

岩林寺参考人

2:59:32

非常に難しい問題なんですが、失踪の問題については、ヨーロッパは多いので、それは政府の責任ではない。政府がどうこうしたから失踪したわけではない。だから基本的に問わないでくれという、そこまで言っています。日本はやはり受け入れた国の責任であるというのは非常に良心的だと思っております。以上です。

3:00:00

岡部参考人

3:00:07

今の岡部さんのお話について、ヨーロッパは個人主義が徹底しておりまして、政府レベルでも同様だと思います。日本式のやり方を徹底するのであれば、先ほどのご指摘にもあったように、最初の段階でできるだけ情報を開示して、本人にも分かりやすいように、抑止の意味も含めて、不正があった場合にはこういったことになりますよというような説明をしてあげるということが必要なのかなと思います。以上です。

3:00:41

原参考人

3:00:45

外国人行政については、厚生労働省がもうちょっと前に出てもいいんじゃないかと思います。入管庁に依存しきりになっている面が強いように思います。厚生労働省は労働行政の観点でもっと前に出て、国際連携も含めて、より政策を強化したらいいんじゃないかと思います。以上です。

3:01:07

本村君

3:01:10

ちょっとこれも大きいテーマなんですけれども、移住労働者の地域法設の成功例と要因について教えていただきたいと思います。4人の参考人の方、お願いしたいと思います。これから参考人ですか。ご質問ありがとうございます。移住労働者の地域社会における法設につきましては、海外の事例といたしましては、移住労働者といった場合、基本的に先進国においては、期限付きの労働移民プログラムで受け入れるケースが大半です。そのため、数年にわたる在留ということはなく、基本数ヶ月で帰ってしまう。ですので、法設という視点は非常に弱いのかなと思います。一方、移民の社会統合という視点で、統合の対象になっておりますのは、移住労働者ではなく、主に家族呼び寄せで来た家族移民、あるいは、被護申請等の人道的移民、こういった方々は長期滞在を前提としておりますので、インテグレーションということになりますが、基本労働、就労ビザという形では、期限付きがもっぱらでございますので、なかなかベストプラクティスというものを思いつくのは難しいかなと思いました。国内であれば、既に自治体、外国人集中都市会議など、働いてもいる住民としての外国人の法設という取組既にございますが、そういったところの成果、実績等につきましては、既に広くご存知かと思いますので、割愛させていただきます。以上です。田村保史さん、公認。成功例はないです。多文化共生とか国内の社会の、うまくいっているんですが、出入国の入りコントロールについてはうまくいっていなくて、どうやって移民をコントロールするのかという教科書があって、毎年毎年、何年ごとに開判していく。それぐらい世界の関心事だと思います。以上です。

3:03:31

岡部参考人

3:03:35

質問ありがとうございます。私もないなという結論で聞いておりました。2つの意味がありまして、1つは今ご指摘があったように、なかなか実態として成功例を見出すのが難しいということと、もう1つはどのような観点から成功と見出すかということについて、非常に多様な視点があって難しいと。1つの事例で、多くの研究者が取り上げる事例として、以前のアメリカに、キューバからの実質的ボートピープルがマイアミにやってきたというマリエールズという、実質的に労働者となって移民になるわけですけれども、彼らが結果的にマイアミのGDPを引き上げたということで、よく成功例として語られるということがあるんですが、これもう内訳を見ていくと、彼らと労働市場でバッティングしたアメリカ白人の高卒の人たちに階層を限って効果を見ると、彼らは失業あるいは賃金が下がるという結果が出たということで、どこの角度から実態を見るかということによって、成功失敗という見え方も変わってくるということで、非常に難しい問題だと思います。以上です。

3:04:59

原田参考人

3:05:02

ありがとうございます。アメリカにおいてもヨーロッパにおいても、残念ながら成功はしていないということなんだろうと思います。これはどこの国においても、安価な労働力が欲しいという産業界が一方でいる。その一方で、かわいそうな外国人を受け入れてあげよう、助けてあげようという方々がいらっしゃる。これは全然お立場が違うんですけれども、実は結論としては同じ方向を向いて、社会が悪くなったということが起きてきたんじゃないかと思っています。

3:05:41

本村君

3:05:42

どうも本当に貴重な御意見ありがとうございました。これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。参考人の方々には貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して熱く御礼を申し上げます。この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。両案審査の参考に資するため、来る5月13日月曜日、群馬県及び宮城県に委員を派遣いたしたいと存じます。つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。御異議なしと認めます。よってそのように決しました。なお、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一人願いたいと存じますが、御異議ありませんか。御異議なしと認めます。よってそのように決しました。次回は来る5月8日水曜日、午前8時50分理事会、午前9時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。

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