6:55
この際、日程に追加して、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案、及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案について、
7:24
提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。
7:40
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、鉄鋼や化学等の脱炭素化が難しい分野においてもGXを推進していくことが不可欠であり、こうした分野では、その安全性を確保しながら低炭素水素等の活用を促進することが重要です。本法律案は、昨年7月に閣議決定された「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」に基づいて、所要の措置を講ずるものであります。本法律案の要旨を御説明申し上げます。
8:44
(1) 低 炭素水素等の定義については、水素等であって、その製造に伴って排出される二酸化炭素の量が一定の値以下であること等の要件に該当するものと定義します。(2) 主務大臣は、低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する基本的な方針を定めることとします。(3) また、国・関係地方公共団体事業者の責務規定を創設します。(4) 低炭素水素等供給事業者または低炭素水素等利用事業者は、単独でまたは共同して計画を作成し、その内容が我が国関連産業の国際競争力の強化に相当程度寄与する等の要件を満たす場合には、主務大臣が認定できることとします。
9:36
(5) これに加えて、いわゆる価格差に着目した支援等を希望する場合には、供給事業者と利用事業者が共同で作成したものであること等を追加的な要件とします。
9:51
(6) 第4に、認定を受けた事業者に対する支援措置を講じます。 具体的には、いわゆる価格差に着目した支援や拠点整備支援として、供給事業者が低炭素水素等を継続的に供給するために必要となる資金や、認定を受けた事業者が共同で使用する施設の整備に充てるため、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が助成金を交付することとします。(7) また、認定を受けた計画に基づく設備に関する高圧ガス保安法の特例を創設するほか、公安法や道路専用の特例を創設します。
10:36
(8) 第5に、経済産業大臣は、事業者の判断の基準となるべき事項を定め、低炭素水素等の供給拡大に向けた事業者の自主的な取組を促します。その上で、必要があると認めるときは、経済産業大臣が事業者に対して必要な指導等を行うことができることとします。引き続きまして、二酸化炭素の貯留事業に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。(9) 2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、鉄鋼や化学等の脱炭素化が難しい分野においてもGXを推進していくことが不可欠であり、こうした分野において脱炭素化を実現するためには、排出された二酸化炭素を回収し、これを地下の地層に貯留すること、すなわちCCSに関する事業環境を整備することが必要です。
11:31
本法律案は、昨年7月に閣議決定された「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」に基づいて、所要の措置を講ずるものであります。次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
11:47
第一に、経済産業大臣が貯留層が存在する可能性がある区域を特定区域として指定した上で、貯留事業や試掘を最も適切に行うことができると認められる者に対して許可を与えます。
12:04
そして、経済産業大臣は、これらの許可を受けた者に対して貯留権や試掘権を設定した上で、二酸化炭素の安定的な貯留を確保するため、これらの権利を「見なし物件」とします。第二に、貯留事業及び試掘に関する事業規制と法案規制を整備します。
12:25
そして、第二は、貯留事業の実施計画については、首務大臣、試掘の実施計画については、経済産業大臣の認可制とした上で、貯留事業者及び試掘者に対しては、技術基準上の適合義務等の法案規制を課します。
12:43
貯留事業者に対しては、二酸化炭素の漏洩の有無等を確認するため、モニタリング義務を課すほか、正当な理由なく二酸化炭素排出者からの貯留依頼を拒むことを禁止する等の措置を講じます。
12:58
さらに、二酸化炭素の貯蔵の状況が安定している等の一定の要件を満たす場合には、経済産業大臣の許可を受けて、貯留事業上の管理業務を独立行政法人エネルギー・金属本部資源機構に移管することを可能とします。第三に、貯留事業等に起因する損害賠償責任は、事業者の故意過失によらない無過失責任とします。
13:27
第四に、貯留層に貯留することを目的として、二酸化炭素を同管輸送事業に関する事業規制と保安規制を整備します。具体的には、同管輸送事業を行おうとする者は、経済産業大臣に届けでなければならないこととした上で、正当な理由なく二酸化炭素排出者からの二酸化炭素の輸送依頼を拒むことを禁止する等の措置を講じます。また、同管輸送事業者に対しても、技術基準への適合義務等の保安規制を課すこととします。以上がこれらの法律案の趣旨でございます。
14:25
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
15:06
冒頭、4月8日に発生をしました海上自衛隊のヘリコプター墜落事故で、お亡くなりになられた方に心より哀悼の意を表しますとともに、今なお行方不明となっている方々の早期発見とご無事をお祈り申し上げます。政府に対し、今回の事故の真相究明と再発防止を求めたいと思います。
15:31
それでは、ただいま議題となりました2法案について、会派を代表し、経済産業大臣に質問をいたします。まず、基金についてお尋ねします。
15:43
今週月曜日に政府の行政改革推進会議が開かれ、本来の業務である補助金の交付等を行わず、支出が管理費だけとなっている給民基金について、11の給民基金を2024年度末までに廃止することとなりました。廃止される11基金のうち、9基金は経済産業省が所管するものです。
16:09
併せて経済産業省では、補助金の交付基準の策定や審査を民間に任せていた事例が多くありました。また、全200基金を点検した結果、5,466億円を不要額として、国庫返納することになりました。
16:30
このうちの約4,000億円が経済産業省の所管でありますが、過大な国費が基金に投入されてきたことが明らかになったわけです。基金については、事業の終了時期が未定なもの、定量的な成果目標がないものもあり、不透明な管理体制を我が党も追求し、税金の無駄遣いであると指摘してきました。
16:58
一昨年度末時点で全基金の残高は16.6兆円にも上ります。子ども子育て支援金、防衛増税等、国民に負担を求める前に、まずは無駄を速やかになくすべきではないでしょうか。
17:16
基金の多くは補正予算で計上されていますが、経済産業省においては、前年度の補正予算の額が当初予算額を上回ることが続いています。2023年度補正予算は、2024年度当初予算の約10倍、2022年度補正予算は、2023年度当初予算の約31倍であります。
17:44
経済産業大臣として多大な無駄遣いの温床となってきた基金に対し、どう取り組んでいくおつまりなのかをお聞きし、法案の質問に入ります。2022年度の日本の温室効果ガスの排出量が発表され、過去を遡ることが可能な1990年度以降で過去最低となりました。
18:09
この統計では、世界で初めて昆布やわかめ等によって海洋に吸収された炭素であるブルーカーボンの量も算定をされています。2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みが進んでいく中、脱炭素化が難しい分野においても、脱炭素とともに産業競争力強化を実現していく、そのために重要な法案であると認識をしています。
18:38
その上で、まず脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案についてお聞きをします。法案名にある「低炭素水素等」について、低炭素の基準や水素等の内容は省令に委任をされています。
19:02
低炭素水素等の定義は法案を議論するための前提となるものです。どのような低炭素の基準を考えているのか、水素以外にどのような物質が想定されているのか、より具体的な定義を伺います。また、国から事業者に対する支援も具体的に明らかになっていません。
19:23
経済産業大臣の認定を受けた事業計画に基づき、事業者が行う低炭素水素等の供給や供用施設の整備に必要な資金を国が支援するとされていますが、内容については法案に規定されておらず、今後検討することとされています。
19:43
事業者への後押しは私も重要と考えておりますが、本来であれば支援制度の詳細、認定のための評価基準等について明らかにされた上で、国会審議においてその課題や運用に当たっての留意点をあぶり出し、より精緻な制度設計としていくことが望ましかったと考えますが、このような法的枠組みとなった理由をご説明ください。
20:10
本法案では、国・事業者の責務とともに第5条で関係地方公共団体の責務が定めてあります。低炭素水素等の供給利用において、地方公共団体の果たす役割をどのように考えているのか、また、責務が規定されている一方で、地方公共団体への支援は明記されていません。地方公共団体に対して国として支援する必要はないのか、お答え願います。日本の技術力を生かした世界の脱炭素化についてお聞きします。日本の温室効果ガスは過去最低となった一方で、世界全体の排出量は増加傾向にあります。日本でいくら温室効果ガスを減らしても、世界で排出量が増えれば温暖化を止めることはできません。
21:03
日本が持つ脱炭素技術を他国にも広めることで、世界の脱炭素化とビジネスチャンスにつながると考えます。低炭素水素等の利用の一つに、水素やアンモニアによる発電がありますが、日本が技術的強みを持つ分野です。
21:21
火力発電の延命ではないかという否定的な意見がありますが、今はガスや石炭との混商ですが、いずれは戦勝を目指しており、インドや東南アジアなど火力発電を利用する国々も、脱炭素につながる技術として注目をしています。水素・アンモニア発電のような日本の強みである脱炭素技術を世界に広め、脱炭素化に貢献できるよう、
21:48
どのような戦略を取っていくのか、政府の見解を伺います。次に、二酸化炭素の貯留事業に関する法律案についてお聞きします。二酸化炭素を分離・回収し、地中に貯留するCCSは、日本のGX戦略において、どのような役割を果たしていくのでしょうか。
22:10
このCCS事業によって、日本の排出量のうち、どの程度貯留する見込みなのか、ご答弁願います。CCSに期待する声がある一方、国民にとっては、なじみのある技術ではありません。CCS事業を進めるためには、国民、特に貯留地域の理解が必要であり、CCSの意義や地域への投資効果等を、政府は説明していく必要があると考えます。CCSに対する国民理解の醸成に向けて、今後どのように取り組みを進めていくのか、お伺いをします。安全についてお聞きをします。私は、ものづくり産業の労働組合の出身でございますが、ものづくり産業では「ご安全に」という挨拶を、ものづくりの現場でやっています。
23:04
これは、危険と隣り合わせの現場の中で、自分と仲間の安全を祈って掛け合う言葉です。CCS事業を実際に実施していくにあたっては、現場で働く皆さん、そして地域住民の安全が確保されることが大前提です。アメリカでは、二酸化炭素を輸送するパイプラインが破断し、高濃度の二酸化炭素が紛失漏洩し、数十名が病院搬送される事故が起きています。CCSは新しい技術です。安全性を高めるための技術研究を進めるとともに、安全規制についても日々見直し、より良いものとしていく必要があると考えます。政府は、CCS事業の安全確保に向けて、どのような措置を講ずるのかお伺いします。
23:53
二酸化炭素の地下貯流にあたっては、我が国の領土や領海、EEZ等の地質情報を取り扱うことになります。国防や国益の観点から見ると、外国法人等の参入に一定の制限を課すことも考えられます。
24:12
今回の法案は、事業者が金属や石油等の資源を採掘する工業権を定めた工業法を参照したとのことですが、工業法第17条では、日本国民又は日本国法人でなければ工業権者となることができないとされています。本法案においては、貯流事業等の許可申請は、外国法人であっても特に制限を設けないのかお答えください。続いて、両法案にまたがるGX全般についてお聞きします。我が国経済を支える製造業は、CO2排出量が大きく、国内部門別排出量の3分の1を占め、業界別に見ると鉄工業がそのうちの3分の1を占めています。
25:01
日本の企業はもちろん、各国の製鉄会社が製造時のCO2排出量を大幅に削減した、いわゆるグリーンシチールの開発にしのぎを削っています。どの国が世界に先駆けて脱炭素化を実現するのか、今後の産業の育成を決め るまさに今が正念場であり、現場の皆さんの努力を見るに、産業と国がしっかり連携を取りながら取り組んでいくべきであり、政府の役割としてGX製品の市場価値の向上や国際的な取引ルールの確立があると考えます。グリーンシチールは従来の製品と見た目や性能は変わりませんが、脱炭素化のコストが反映され、価格が高くなっています。CO2排出量が削減できていますと言っても、なかなかその価値が相手に理解されにくいと聞きます。
25:57
また、そもそもグリーンシチールの定義について国際ルールが構築されていないのが現状です。GX製品に関する国際的な取引のルールづくりに、我が国が積極的に参画し、ルールづくりを主導していくことは、国際的な市場獲得によって大変重要と考えます。
26:19
GX製品が市場に受け入れられるための制度的措置として、政府はどのようなことを検討しているのか、またGX製品に関するルールづくりにどのように取り組んでいく方針かお伺いします。GXに向けた世界各国の状況を見ると、投資競争や他国への規制強化が起きています。
26:41
中国による自国産業への補助をはじめ、アメリカではインフレ抑制法によりクリーンエネルギー分野で政府が企業を支援しています。EUでは昨年10月から炭素国境調整措置、CBAMを発動しました。
26:58
地球の環境を守ることはもちろん目指すべき目標でございますが、保護主義への批判や自由貿易の推進は影を潜め、経済安全保障というテーマも加わり、自国産業の保護や有志国とのサプライチェーンの強靱化が進んでいます。このような中、日本としてどのようにGXを進めていくのか、政府の見解を求めます。
27:24
また、先日の大臣の訪米時には、脱炭素分野での政策協調に向けて、ポデスタ大統領上級補佐官と会合を行い、水素の供給網整備や不体識養生風力の開発等を連携して進めることや、
27:41
補助金がWTOのルールに触れたり、他国の経済に悪影響を与えたりする内容にならないよう、日米で共通のルールを検討すること等が議論されたとの報道がございました。会合において、実際どのような協議がなされたのかお尋ねをします。
28:01
GXに向けた各国の状況を見ていく上で、カーボンニュートラルの目標が国によって異なる点も注視すべきです。日本、アメリカ、EUが2050年カーボンニュートラルを掲げる一方、現在世界最大の排出国である中国は2060年、3番目の排出国であるインドは2070年としており、目標年の開きがあります。
28:29
日本のGX製品が中国やインドの製品とどう勝負をしていくのか、また生産拠点自体が中国やインドに移ることになれば、日本の産業や雇用に大きな影響があります。各国のカーボンニュートラルに向けた目標年が異なることに対し、国としてどのように対処していくのか見解を求めます。
28:54
最後に公正な移行についてお聞きをします。GX推進においては、円滑な移行だけでなく公正な移行も重要です。
29:07
GXの推進は、我が国の産業、国民生活に大きな変化をもたらします。その移行期には、水素、CCSをはじめとするグリーン分野で新しい産業が発展していくことが期待されますが、痛みを伴うことがあることも忘れてはなりません。自動車産業で働く方からは、エンジン部品を作っているけれども、EV化で仕事がなくなるのではないかという不安の声をよくお聞きします。
29:35
さらに地域経済への影響も懸念されます。GX推進にあたり、公正な移行を後押しする具体策について、政府の説明を求め質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。ご安全に。
30:27
村田議員のご質問にお答えいたします。基金の取組についてお尋ねがありました。
30:35
昨年12月20日の行政改革推進会議に おいて策定された基金の点検見直しの横断的な方針も踏まえ、今般経済産業省が所管する基金について真摯に点検作業を実施したところです。
30:53
具体的には、すべての基金で定量的な成果目標を設定、支出が管理費のみとなっている基金事業は令和6年度までにすべて廃止、保有資金規模の精査を踏まえ国庫変納額を算出といった対応を実施いたしました。
31:14
今後にわたり弾力的な支出を可能とする基金の枠組みは、中長期に支援が必要な事業について重要な意義を有するものでありますが、執行管理に一層の留意が必要であることは言うまでもありません。当初所管の基金について、引き続き、普段の点検検証を行い、適切な執行管理に万全を期してまいります。
31:36
水素を社会推進法案における水素等の内容や低炭素の基準、支援内容や支援基準についてお尋ねがありました。水素等の具体的な内容については、水素のほか、アンモニア、合成メタン、合成燃料とする予定であります。
31:58
また、低炭素の基準については、製造に伴うCO2排出量、すなわち炭素収薬度に基づき、国際的に遜色のない水準とする予定であります。具体的な基準は、海外の制度も参考にしながら、有識者に御議論いただいておりまして、例えば、水素については、1kgの水素製造に係るCO2排出量が3.4kg以下との案が示されています。その上で、具体的な支援内容については、価格差に着目した支援措置などを法定しているほか、御指摘の支援基準も法律上認定基準として規定しておりますが、詳細は審議会で取りまとめていただいた内容や、国会での御議論を踏まえ、今後具体化してまいります。地方公共団体の役割と支援についてお尋ねがありました。
32:52
水素サプライチェーンの構築に当たっては、それぞれの地域に精通した地方公共団体が中心となって、各地域の水素需要を創出し、拡大させる役割を担うことが、極めて重要だと考えています。経済産業省としては、バスやトラック等のFCVを導入する事業者や、地方公共団体等への補助、
33:18
商用車等の大規模な水素需要が見込むことができる地域への水素ステーションの戦略的な整備など、意欲ある地方公共団体と連携しながら、政策資源を集中的に投下していきます。世界の脱炭素化に向けた我が国の戦略についてお尋ねがありました。GXの実現に向けて、GX経済移行債による20兆円規模の投資支援策等により、
33:45
官民で150兆円超のGX投資を実現していく方針であります。御指摘の水素アモニアを含め、我が国が先行する革新的な技術開発を進め、将来の成長力を有する産業を創出し、国内外に展開していきます。併せて御指摘の国際的な仕組みづくりやその活用を通じて、国内はもちろん、
34:10
財政削減や経済成長のポテンシャルが大きいアジアも巻き込んだ取組を推進します。具体的には、AZECにおいて、昨年12月に首脳会合を開催し、約70のMOUを含む350件以上のプロジェクトを進めており、脱炭素の実現に向けた世界のルールづくりも進めていきます。さらに、IEAやOECD等の国際機関と連携し、
34:36
グリーンスチールなどの国際評価手法の確立を進めるなど、さまざまな取組を進めてまいります。GX戦略におけるCCSの役割や国民理解の増進などについてお尋ねがありました。御指摘のGX推進戦略では、CCSは2050年カーボンニュートラルを実現するための手段として明確に位置づけられています。
35:01
また、2023年3月に策定したCCS長期ロードマップにおいて、2050年のCO2貯流量の目安を1.2億トンから2.4億トンと試算しています。これは需要見通しではありませんが、政策的な検討を行うためお示ししたものであり、現排出量の1割から2割に相当します。また、CCSは国民理解を得ながら進めていくことが重要です。
35:29
全国各地で説明を行いつつ、貯流場などの立地地域においては、まず事業者が説明を行い、国も自治体や事業者等と連携して説明を行っていきます。CCS事業の安全確保に向けた措置と外国法人への規制についてお尋ねがありました。CCS事業の実施に当たって安全確保に万全を期すため、事業者には公共の安全の維持や災害の発生の防止のために必要な措置を講ずることを求めます。また、安全に係る技術基準については、専門家の方々の御意見や国際的な動向を踏まえながら検討してまいります。その上で、今般のCCS事業法案では、他の一般的な事業法と同様、外国法人が行う貯流事業を一律に制限することとはしておりませんが、仮に外国法人から許可申請があった場合には、その事業者の的確性に加えて、
36:26
その事業者が行おうとする取り組みが、我が国におけるCCS事業の健全発達やカーボンニュートラル実現に資するものであるか、など許可基準に照らしてしっかり審査してまいります。自由薬製品に関するルール作りについてお尋ねがありました。投資促進と需要創出を同時に実現していくため、先行投資支援に加え、規制制度の整備等も一体的に進めることが重要であります。
36:55
そのため、製品あたりの排出削減を示す価値や指標とも言うべき、いわばGX価値について、見える化や許可基準の国際標準化など、GX価値を持つ製品の需要創出拡大のための市場環境整備に取り組み、GX価値が国内外の市場において適切に認められるよう、必要な検討を進めてまいります。
37:21
世界情勢の変化の中で、我が国がどのようにGXを進めていくのか、また、米国との議論の内容についてお尋ねがありました。我が国が進めるGXは、エネルギーの安定供給を大前提に、温室効果ガスの排出削減に係る国際約束と、産業競争力強化・経済成長をともに実現をしていく取り組みであります。GX経済移行債による20兆円規模の投資支援策などにより、
37:50
官民で150兆円超のGX投資を実現し、我が国が先行する革新的技術をアジアにも展開するなど、各国と協調して世界の脱炭素化にも貢献してまいります。その一環として、先日実施した米国のポデスタ大統領上級補佐官との政策対話では、排出削減とエネルギー移行の加速、持続可能なサプライチェーン構築、
38:18
産業競争力向上のため、GX推進戦略と米国のインフレ削減法のシナジーを高めていくことに合意しました。特に、排出削減とエネルギー移行の加速に向けて、日米双方でクリーンエネルギー技術への投資を促す環境整備を進めていきます。次回、閣僚級の政策対話もなるべく早期に開催し、具体的な議論を着実に前に進めてまいります。
38:46
各国の異なるカーボンニュートラルに向けた目標年に対する我が国の対応についてお尋ねがありました。気候変動は人類共通の課題であることを認識し、世界全体で取り組みを加速していく必要があります。我が国としては、日本が議長を務めた昨年のG7気候エネルギー環境大臣会合の閣僚声明において、
39:10
特に主要経済国に対し、2050年までのネットゼロ目標にコミットするよう求めました。また、昨年のCOP28においても、1.5℃目標を達成するために、2025年までに温室効果ガス排出量をピークアウトさせることの重要性に合意をしました。
39:33
我が国として、2030年46%削減に向けた挑戦と、主要排出国の野心引上げに向けた働きかけを継続するとともに、改めてGX市場をアジアと国際的に展開していくことで、公平な競争環境をつくってまいります。GX推進に当たっての公正な意向を後押しする具体策についてお尋ねがありました。
39:58
昨年成立したGX推進法や閣議決定したGX推進戦略において、公正な意向の推進を明確に位置づけております。具体的には、GX経済移行債による20兆円規模の投資支援策などにより、官民で150兆円超のGX投資を実現し、世界がカーボンニュートラルに向けて進む中で、技術革新等も活用し、排出削減に対応した強い産業の創出転換を進め、雇用の創出にもつなげていきます。併せて、リスキリング等の人材育成の取組と、GX分野を含む成長分野への円滑な労働移動を同時に進めるなど、公正な意向に必要な方策に取り組んでまいります。
41:20
日本紙の会、教育無償化を実現する会の東智です。会派を代表して、内閣提出の推進社会推進法案とCCS事業法案について経済産業大臣に質問します。
41:33
まず、産業政策等についてお伺いします。経済産業省はこれまで脱炭素を推進しようと、電気自動車や充電器の普及に補助金を出してきましたが、目標達成には程遠い状況です。我が国の自動車産業がEV市場でもリードできるよう取り組まなくてはならないと考えますが、その戦略についてお伺いします。
41:53
半導体産業は経済安全保障において最も重要であり、半導体の供給を拡大しようと、TSMCの誘致などに多額の補助金を出してきました。今後は投資者だけの効果が見込まれるように、継続的な需要を生み出していく必要があると思いますが、どのように需要を拡大していくのかお伺いします。
42:15
これまで経済産業省全体として多くの税金をかけて各施策に取り組んできましたが、我が国の潜在成長率は1%を切る状態がすでに20年続いており、時間当たりの労働生産性もOECDに加盟する38カ国のうち30位で、G7で最も低い状況です。
42:36
最近の物価上昇も企業業績の改善も円安が一因であり、我が国の国際競争力が取り戻せたわけではなく、安い日本とまで言われています。今月、総務省が発表した人口推計によれば、昨年は前年と比べて日本人の人口が83万7000人減り、1950年以来最大の落ち込みとなりました。