22:05
これより会議を開きます。日程第一、子育て支援法等の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。
22:20
地域活性化・子ども政策・デジタル社会形成に関する特別委員長、谷浩一君。
22:35
ただいま下台となりました法律案につきまして、
22:50
地域活性化・子ども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。本案は、子ども・子育てに関連する各種給付の新設及び拡充を行うとともに、子ども・子育て支援金制度を創設するものであります。
23:15
本案は、去る4月2日、本会議において出資説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託されました。本委員会においては、同日、加藤国務大臣から出資の説明を聴取した後、翌3日から質疑に入りました。
23:38
翌週9日には、参考人から意見を聴取し、また11日には厚生労働委員会との連合審査会を開会しました。さらに、16日には岸田内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行うなど、慎重に審査を行い、同日、質疑を終局いたしました。
24:07
18日、本案に対し、立憲民主党無所属及び日本維新の会教育無償化を実現する会から、それぞれ修正案が提出され、出資の説明を聴取いたしました。
24:24
ついで、両修正案について、内閣の意見を聴取した後、原案及び両修正案を一括して討論を行い、順次採決いたしましたところ、両修正案は何処も賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
24:52
なお、本案に対し、不対決議がされました。以上、御報告申し上げます。
25:33
討論の通告があります。順次これを許します。坂本雄之介君。
26:00
立憲民主党の無所属の坂本雄之介です。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました、子ども子育て支援法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
26:19
はじめに申し上げます。立憲民主党は、チルドレンファーストの考えの下、社会全体で子どもの育ちを応援する政党です。子どもや子育てにお金がかか るのは当然のことであり、子ども子育て政策にかける予算は、より拡充する必要があると考えます。それでも、政府提出法案に反対する最大の理由は、政府が新たに創設する子ども子育て支援金制度に関して、多くの重大な問題があるからです。第一に、新金の負担額に関する政府の説明が、小出しで、極めて不誠実だったことです。今年二月には、子どもを含む医療保険加入者一人当たり月平均五百円弱を徴収することとされました。我々立憲民主党の強い要求の結果、非保険者一人当たりを含む医療保険ごとの試算が示されたのは、三月末です。そして、今月九日に、政府はようやく、非保険者の年収別の試算を示し、その後十一日に、国庫の年収別試算を十六日に、後期高齢者医療制度の試算を提出いたしました。子どもを含む保険加入者一人当たりの数字を強調した施行さも含め、このように小出しで後手の説明に終止した背景には、金額を小さく見せたいという政府の思惑が透けて見えます。このような政府の情報開示に対する後ろ向きの姿勢が、国民の不信を招いたことは明らかです。第二に、今般の支援金制度が明らかに国民苦悩を強いることです。政府の試算では、費用者保険の場合は年収六百万円で、非保険者一人当たり月千円の徴収となり、国庫の場合は年収四百万円で月五百五十円の徴収、後期高齢者医療制度の場合は年収二百五十万円で月五百五十円の徴収となります。石田総理は、歳出改革と賃上げで実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築すると主張しますが、歳出改革による負担軽減は本来そのまま国民に還元すべきものである上、賃上げで実質負担軽減というのであれば、賃上げがあれば消費税を増税しても実質負担なしと強弁するのでしょうか。総理の発言は奇弁であり、支援金制度によって国民負担が増えることは、もはや日を見るよりも明らかではないでしょうか。第三に、支援金制度が社会保険制度の趣旨を大きく逸脱することです。今般の支援金制度は現行の医療保険料に追加する形で徴収するものであり、これでは保険の本来の機能を既存しかねません。医療保険をはじめとする社会保険は基本的には保険料負担の見返りに給付を受けるものです。しかし、子ども子育て支援金は医療に直結しない費用を医療保険の枠組みで徴収するもので、給付特段の関連性が極めて希薄であり、問題であると言わざるを得ません。第四に、支援金制度が現役世代の手取り額を厳重させ、子ども子育て支援策や少子化対策と逆行してしまうことです。支援金制度は社会保険料と同様、収入の多い現役世代に負担が偏ります。これでは子育て世代を支えるべき政策が本来の意に反したものになることが懸念されます。第五に、支援金制度が賃上げが安定雇用に与え得る負の影響についても触れなければなりません。今般の支援金制度は、非保険者だけでなく事業主にも新たな負担をお願いするものです。本来であれば、その分を社員の給料や新社員の採用に回せたかもしれません。支援金制度が賃上げの原資を減らしたり、安定雇用に対して逆効果になったりしたら、本末転倒です。ベル述べてきたように、子ども子育て支援金制度は数多くの欠陥を抱えています。そのため、立憲民主党は、政府案の子ども子育て支援金制度を廃止し、その代替財源として日銀が保有するETFから得られる分配金収入を充てることとする修正案を提出いたしました。先日の委員会では、我が党のこの提案に対して、日銀が保有するETFの分配金収入は既に国の一般財源として活用されており、子ども子育て政策の財源と考える余地はない旨、岸田総理が答弁されました。しかし、修正案の趣旨説明の中で詳細に明らかにした通り、そもそも政府はETFの分配金収入を歳入として見込んでいないのです。したがって、この総理の答弁は国民の誤解を招くものであり、我が党の提案を不当に貶めるものであることから、速やかに撤回すべきであります。最後に申し上げます。政府案の子育て支援拡充策は、児童手当拡充が第三子以降に限定されているなど、不十分な点はありこそすれ一歩前進ではあると考えます。本来であれば与野党の垣根を越え議論を尽くし、共に前へ進めたかっただけに、財源についての政府与党の皆様から理解が得られなかったことは残念です。しかし、私たち立憲民主党は自民党の裏金や脱税の疑念が全く払拭されない中、国民に対して負担像を誤魔化し、真摯に説明をせず、不公平な形で新たな負担を教える本法案には、断固として反対いたします。立憲民主党は引き続き、分断をなくし、社会全体で子どもの育ちを支えるという理念の実現に向けて、全力で取り組んでいく所存であることを申し上げ、討論を終わります。御清聴誠にありがとうございました。
33:29
公明党の加西光一です。歳月にあたり、自由民主党無所属の会、並びに公明党を代表して、政府提出の子ども子育て支援法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論をいたします。
33:48
本法案は、我が党が一貫して取り組んできた児童手当の更なる拡充を図るほか、子ども誰でも通縁制度や妊婦のための支援給付及び妊婦等包括相談支援事業を創設するものであり、育休取得や時短勤務の際の給付を大幅に拡充するなど、我が党提言の子育て応援トータルプランに照らして、いまだ道半ばとはいえ、記者総理の言葉をお借りすれば、参考にして作られた法案として、責任と覚悟をもって賛成票を投じるものであります。
34:27
今回、特に焦点が当たったテーマは、これら給付を支える負担の面、つまり子ども子育て支援金を国民の皆様に拠出いただく制度が、財源を確保する仕組みとしてふさわしいのか、という点でございました。政府は、この法的正確について、子どもや子育て世帯を少子化対策で受益がある全世代、全経済主体が支える仕組みであり、支援金は保険料と整理されるとし、拠出額の目安については、我が党も質疑を重ねた結果、令和3年度の実績でいえば、医療保険料額の4から5%程度であり、子育て世帯における負担と給付を平均的な額で比較した場合、約10万円の拠出に対し、約146万円の給付が拡充されることも明らかとなりました。これに対し、野党の 皆様からはいくつか対案が示され、そのうち具体的な額が示されたものは、立憲民主党の皆さんによる、政府が日元が保有する時価70兆円程度のETFを、後価37兆円で買い取り、その分配金収入1兆円程度を支援の付金1兆円の代わりに充てる案でございました。ご提案に敬意を表しつつ、この分配金収入は、一般会計の歳入、また当初予算からの上振れ分は決算に計上され、いずれにしても日銀から政府に国庫納付されるため、既に一般財源として活用されている点、また、国益30数兆円が日銀から政府に移動するため、日銀の財務体質をめぐる市場混乱のリスクが否定できない点などが明らかとなっており、加えて、仮に日銀がETFの分配金収入に頼らず経営すべきとおっしゃるのであれば、同時に政府がこれを安定財源として活用することにも疑問不がつきます。いずれにせよ、修正期月には至らなかったものと認識をしております。他方、政府は支援金拠出をめぐる負担の考え方について、歳出改革1兆円を行った上で支援金を総額1兆円拠出いただくものであり、加えて医療介護現場従事者の賃上げに資する報酬改定などによる追加的な社会保険負担、約3,400億円についても、令和5年度及び6年度で見込まれる雇用者報酬の伸びにより6,000億円程度の総歳効果が生じるため、全体として社会保障にかかる国民負担率は上がらない。したがって実質的負担は生じないとしています。ただし、この実質的負担という言葉については、政府が説明しようとすれば国民負担率というマクロの視点になる一方で、国民の受け止め方はやはり家計に及ぶ影響などミクロの視点になる。ここにいわばマクロとミクロのすれ違いが生じているものと考えます。また、静かなる融資と指摘される少子化人口減少は、多忙な日常では気づかぬほど静かに進行し、対策の効果が及ぶにも時間がかかる一方、社会に及ぼし得る影響から対策は待ったなしという緊急性も持ち合わせており、一種の二面性や複雑さがあると考えます。これらの点も踏まえ、政府には引き続き、丁寧かつ誠実な説明を求めるとともに、私自身、粘り強く説明し、現場の声に耳を傾け続けてまいりたいとこのように思っております。その上で、少子化人口減少に歯止めをかけるラストチャンスとされる2030年代に入るまでの6、7年を俯瞰するならば、今後3年間の加速化プランに続く第二のプランの策定や、子どもを子育て予算倍増に向けた財源の在り方も極めて重要となります。先般、この点を岸田総理に問うたところ、加速化プランの実現に全力を挙げ、効果検証を丁寧に行いながら、さらなる政策の内容と予算について、走りながら検討していく旨、共鳴がありました。この走りながらの検討に向けて、最後1点申し上げたいことは、政策の大義名分として、少子化人口減少に歯止めをかけることは重要ですが、それにもまして大切なことは、子ども基本法に謳われた 全ての子ども、若者が個人として尊重され、基本的人権が保障されるとの基本理念、また子ども真ん中社会の実現といった原点であるということであります。年齢や発育状況問わず、人は生を受けた瞬間から、1人の確固たる人格であります。現代社会において、子どもを産み育てることは大変である一方、何にも変えがたい価値を与えてくれると、二児の父として心から感謝をしています。しかし、今、子どもを持つことがリスクという意識が、若者の間に広がっているとの指摘に、大きな危機感を抱くとともに、児童虐待死を根絶する仕組みづくりなど、対策は急務であると考えます。そのためにも、本法律案を新たな一歩として、子ども、若者、子育てを支えることが、家族責任から社会全体の連帯へと転換されゆく、社会を目指すことを誓い申し上げ、賛成討論といたします。御清聴、誠にありがとうございました。
41:02
日本維新の会の赤木正之です。教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、政府の子ども 子育て支援法等の一部を改正する法律案に対す反対の討論をいたします。昨年、我が国で生まれた子どもの数は75万人。過去最少更新いたしました。一方、死亡者数は158万人であり、人口の自然減少は83万人。毎年、一つの都道府県がなくなるほどの人口減少がいよいよ加速し始め、すでにどの業界でも人手不足がしきりに騒がれています。このような状況において、人口問題に正面から向き合い、少子化に終止符を打つべく加速化プランをはじめとする本改正法案を作成したこと自体は敬意を表するものであり、若者が結婚、出産、育児に前向きになれるのではないかと大変期待をいたしました。しかし、提示された具体策は非常に物足りない内容でありました。特に、財源確保のための子育て、子ども子育て支援金制度は、大臣の説明のたびに数値が変わり、誰も正しく制度を理解していないのではないかとしか思えません。欠点だらけの制度であるにもかかわらず、強引に可決し、国民からこっそりと財源を聴取せしめんとする不誠実な姿を断じて見過ごすことはできません。子ども子育て支援金制度には大きく3つの問題がございます。第一の問題は、社会保険料の目的外利用であるという点であります。2008年、後期高齢者制度が始まる際、誰しもが高齢者となりサービスを享受し得るという理由で、現役世代から高齢者への支援金が創設されました。今回も同じような連帯の観点から、高齢者を含む全世代から子どもへの支援金制度が創設されますが、高齢者が再び子どもになることはないのですから、同じ理屈で制度を拡張することには無理があると断じざるを得ません。委員会では、子どもが増えれば将来的に税収が上がることをもって、非保険者の受益となるとの説明もありましたが、そのような理屈で社会保険料を徴収できるのであれば、今後どのような名目にも社会保険料の使途を拡大できることになります。第2の問題点は、社会保険料を財源とすること自体が少子化対策に反するというものです。社会保険料に上乗せする政府与党案について、社会保険料は一定収入で負担が頭打ちになるため、逆進性が強く現役世代の中間所得層に特に重く負担がかかることは、委員会で再三御指摘したとおりであります。結婚・出産に望むべき世代の過所分所得を圧迫することは、少子化を反転させるどころか、少子化を加速しかねません。もちろん、政府がその社会保険料について、所得だけでなく資産も含めた大納負担を検討していることは承知していますが、検討ばかりで一歩も前に進んでいません。真の大納負担 に必要不可欠な預貯金口座へのマイナンバー不満についても、全く議論が進んでいません。岸田総理も、社会保険制度の持続可能性の観点から、全ての国民がその能力に応じて負担を負担し支え合う全世代型社会保障の構築が重要であると繰り返しおっしゃっていますが、口で言うばかりでそのためのリーダーシップは全く発揮されておりません。第三の問題点は、増税ならぬ増保険料ばかりを急ぎ、少子化傾向の反転に向けた総理の覚悟が見えないことであります。国民一人一人の結婚や出産に係る人生の選択が自由であることは当然ですが、その上で国としての長期的な人口ビジョンなくして加速化プランの実質的な成功はないと私たちは考えております。政府の目標は結婚、妊娠、子ども子育てに温かい社会の実現に向かっていると思う人の割合を現状の27.8%から引き上げようといったものにとどまっています。他方どのようなエビデンスに基づいて積み上げられたのか全くわからない3.6兆円と予算の金額のみが先行し、そのための増税ならぬ増保険料だけが具体的に決まっていくというのは本末転倒ではないでしょうか。そもそも少子化対策に明確な正解はなく、世界の国々が試行錯誤、トライアンドエラーを続けているのが現状です。そうした中で高級的な財源を確保するための支援金制度の構 築を急ぐことに合理性はなく、国民の皆様のご理解を得ることもできません。こうした観点から私たちは子ども支援に関する責務の負担と給付について抜本的に見直しを行い、この見直しが行われる間の財源について3つの財源を代替案とした修正法案を提出いたしました。1つ国会議員の定数の削減をはじめとする行政改革による支出の削減等、歳出の削減を図ること。2つ国の不要な資産の売却等によって歳入を増やすこと。3つその他の足りない部分には特例交際の発行すること。我々国会議員が先頭に立って見起きる改革を実践し財源を生み出す覚悟を示す必要があります。私たちにはその覚悟がございます。2028年までに我々国会議員が覚悟を示した議論をしっかりと行い、国民の皆様の十分なご理解を得られる高級的な措置を検討していこうではありませんか。今回政府与党が数の力でこうした問題の多い制度を規定した法案を仮に可決するとしても、私たちは来るべき選挙でしっかり力をつけて、近い将来必ず支援金制度を廃止に追い込むことを国民の皆様にお誓いして反対討論とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
49:45
私は日本共産党を代表して、子ども子立支援法等改正案に対する反対討論を行います。政府は2030年までが少子化傾向を反転させるラストチャンスと強調し、3年間に集中して取り組む加速化プランに3兆6千億円を充てるとしました。しかし本当にそれだけの危機感があるなら、実質負担増はない、などというまやかしの説明はやめるべきです。反対の最大の理由は財源問題です。政府は子立支援の財源を全世代と企業で担うとして、医療保険料に上乗せして支援金を徴収するとしています。ところがそれがどれだけの負担になるかは審議入りするまでに明らかにすると答弁を避け続けました。しかも不十分な資産を公表した後は、一定の範囲内に収まると開き直ったのです。しかしもともと社会保険は逆進性が高く、保険者や市町村によって負担に差があるため、そこに支援金を乗せると格差が広がることになります。そのことは予算委員会中央公聴会、並びに地域子どもデジタル特別委員会参考人質疑の中でも複数の陳述人から厳しく指摘されました。政府は歳出改革によって、公費も削減できるとし、その範囲で支援金を徴収するので負担増にはならないと繰り返してきました。しかし質疑の中で政府は、改革工程表のメニューの中には負担増となるものもあること、公費の削減とは利用者にすれば自己負担が増えたにほかならないこと、実質負担増にならないとは社会保障負担率というマクロンの数値でしかないことを認めました。現瞬間の企業の賃上げトレンドをあてにして、その分も計算に入れている、古息さも許せません。次に子ども誰でも通園制度についてです。孤立する子育ての不安に応え、全ての子どもの育ちを応援するという理念は共有できるものです。しかしその内容は、これまで教育保育給付の対象とさえなっていない、子育て支援拠点なども新たな給付の対象とします。全国どこでもアプリで空き状況がわかり、直前でも予約ができるシステムを作ります。これでは利便性の名のもとに、子どもの利益よりも保護者の都合を優先するものと言わざるを得ません。一時預かりと同じ基準で、保育者の半分は無資格でも良いこと、空き定員の活用型なら保育士を一人も増やさなくてもできるのです。子どもの育ちや安 全をないがしろにし、保育者らに負担を強いるこの制度を認めることはできません。保育士の処遇改善と配置基準の抜本改善は全くなしであり、公的保育の拡充でこそ、誰でも通園の土台を作ることができます。加速化プランに児童手当の拡充などが盛り込まれたことは評価します。一方、子立て世帯が最大の負担は教育費と訴え、社会に出た若者が背負わされている小学金返済は10兆円にも上っているのに対し、加速化プランはあまりに貧弱すぎます。それどころか、加速化プランでは明記されていない子どもの貧困対策や医療的ケア児等困難を抱える子どもへの支援策は後回しにされるのではないかとの懸念は拭えません。政府は、若者の過処分所得を増やす必要性については強調しています。しかし、失われた30年、諸外国に比べて賃金がほぼ横ばいの日本は、労働法制の相次ぐ解約で不安定雇用と長時間労働の中に若者を置いてきました。その上、毎年10万人という介護離職やヤングケアラーなど、若い世代が結婚や子どもを持つ希望を持てないだけではなく、社会保障の担い手を掘り崩し、脆弱な制度にしてきたのは政治の責任そのものであります。終わりに、子立支援は社会保障の抑制と支援金で国民に負担を押し付け、それ以外の予算のやりくりは防衛 力強化のためになるという政府に未来を託せるわけがありません。子どもや子立支援は予算の真ん中に据え、大企業や富裕層に大分の負担を求めるなど、税制の見直し、そして戦争準備の大軍閣をやめ、防衛予算の削減で確保するべきです。以上を述べ、反対討論とします。
55:08
国民民主党無所属クラブの田中謙です。私は、会派を代表して、子ども子育て支援法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。国民民主党は、子ども子育て支援の拡充そのものには賛成です。また、我が党が重ねて訴えてきた、ヤングケラーや児童手当の所得制限撤廃などが内容に含まれていることは、一歩前進と評価をします。政府は、少子化対策の財源として、子ども子育て支援金を新設し、健康保険料に上乗せをして、国民と産業界から徴収するとしています。最大の問題は、健康保険に充てるべき保険料を上乗せ、目的外流用であることです。将来、女性の病気や介護などに備えるのが、社会保険の本来の役割で、受益と負担の関係が明確であるのに対し、今回の支援金は、この関係が不透明なため、実質的なステルス増税にほかなりません。それでも、岸田総理が、無理すじの支援金制度に骨折してきたのは、国民の反発が強い増税を避けたいとの支援があり、給料から転引される社会保険料であれば、国民は痛みを感じにくい、何ら合理的な理由がないにも変わらず、まさに取りやすいところから取るという発想です。政府は、支援金は、歳出改革と賃上げによって、実質的な負担は生じないと、繰り返し強弁をしてきました。社会保険の歳出改革で、社会保険料負担が抑制されれば、国民の追加負担も抑えられる。そして、大幅な賃上げが実現すれば、実質的な国民負担は生じないとの論法です。しかし、委員会で何度も質疑をし、要望する中で、年収によっては、毎月の負担額が千円や千五百円を超えることも明らかになり、この政策で保険料負担が増える以上、卑弁であります。春冬においても、賃上げに至っていない中小零細企業が数多く存在する中で、子ども子育て支援金を新設することは、負担が増えないという発言と矛盾をします。さらに、1セブンは、世代一律でなく、現役世代に偏って負担が増すことになり、子どもを産み育てる世代への支援という少子化対策とも逆行します。また、保険料の事業主負担分は、雇用者御集の一部と捉えることもでき、事業主の保険料負担が増加することで、従業員の賃上げが抑制されるといった懸念が生まれ、政労使国を挙げて取り組む賃上げに水を去ることになりかねません。一次元の少子化対策のためには、若者世代、子育て世代、両世代の一次元の過疎分所得対策が必要であり、一日も早く教育無償化を実現し、子どもたちを小学金閉塞から解放し、結婚や出産がディスクだと思わない社会をつくらなくてはなりません。国民民主党は、結婚したくてもできない、子どもを産みたくても産めない、社会保険料負担で手取りが増えない、もう限界だ、そういった国民から寄せられた一つ一つの声を大切に、人づくりこそ国づくりをこれからも無茶苦に訴えていきます。ぜい、社会保障、そして国際学校を含め、どまかすことなく、真正面から堂々とあらゆる選択肢を視野に入れて、財源の議論をし、真の意味でこの国の未来のための子ども子育てを始めつつる人づくりの政策に取り組むべきであることを強く訴え、本法案に対する反対討論といたします。ご静聴ありがとうございました。
59:21
これにて、討論は終局いたしました。採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり、起訴するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって本案は委員長報告のとおり、可決いたしました。
59:50
日程第2、食料農業農村基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林水産委員長野中敦史君。
1:00:12
ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。本案は近年における世界の食料需給の変動、地球温暖化の進行、我が国における人口の減少等の食料農業及び農村をめぐる諸情勢の変化に対応し、食料安全保障の確保、環境と調和の取れた食料システムの確立、農業の持続的な発展のための生産性の向上、農村における地域社会の維持等を図るため、基本理念を見直すとともに、関連する基本的施策等を定めるものであります。本案は去る3月26日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託されました。本委員会においては、同日、坂本農林水産大臣から趣旨の説明を聴取した後、質疑に入り、4月4日には参考人から意見を聴取し、10日には宮城県及び福島県において視察を行い、15日には鹿児島県及び北海道において、いわゆる地方公聴会を開催いたしました。17日には岸田内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行い、翌18日には立憲民主党無所属及び有志の会の共同提案に係る修正案が提出され、趣旨の説明を聴取した後、現案及び修正案を一括して質疑を行うなど、慎重かつ熱心に審査を重ね、同日、質疑を終局いたしました。質疑終局後、自由民主党無所属の会、日本維新の会、教育無償化を実現する会及び公明党の共同提案により、先端的な技術等を活用した農業の生産性の向上に資する施策について、その対象として多数化に資する新品種を明記するとともに、育成に加え導入の促進を明記することを内容とする修正案が提出されました。日本共産党及び国民民主党無所属クラブからも、それぞれ修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。ついで、討論・採決を行った結果、国民民主党無所属クラブの提案に係る修正案、日本共産党の提案に係る修正案、並びに立憲民主党無所属及び有志の会の共同提案に係る修正案は、いずれも賛成少数をもって否決され、自由民主党無所属の会、日本維新の会、教育無償化を実現する会及び公明党の共同提案に係る修正案及び、2、修正部分を除く原案は、いずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。なお、本案に対し、負担決議がされました。以上、ご報告申し上げます。
1:03:37
議員 討論の通告があります。順次これを許します。渡辺聡君。
1:04:02
立憲民主党の渡辺聡です。所属会派を代表し、政府提出の食料農業農村基本法改正案に反対の立場で討論いたします。
1:04:36
私たちは、今回の改正に期待を寄せました。戦後農政を俯瞰し、旧農業基本法、そして現行基本法の下で、この国の農政は本当に十分な成果を挙げたのか。食料や農業、農村を取り巻く環境が深刻になるからこそ、政府与党がこれまでの農政を真剣に総括し、政策転換を図る後期になるはずだと願ったからです。そのために、政府案の充実に向けて、野党も真摯に努力をしようと、昨年6月に見直しに向けた提言を行い、法案提出後も審議や修正協議を通して、より良い基本法となるように合意形成に注力しました。しかし、政府与党は修正を提起した全ての項目に対し、規定済みあるいは対応不可と返答するばかりで、一個打にすることはありませんでした。日本の農業を守り、食料安全保障の向上に資するために、我々が費やした努力は、水泡に帰したため、政府案に反対の立場をとらざるを得ません。具体的な指摘を始める前に、戦後農政を振り返るとき、各種の貿易交渉の結果が、農業者に犠牲をし、日本の食料生産基盤を脆弱化させてきたことは論を待ちません。経済的に優位な立場であれば、輸入による食料確保は絶やすいとの意識が背景にあったことを、私たちは率直に反省すべきと考えます。もちろん、その時々の国益を天秤にかけ、苦渋の選択もあったことは否定しませんが、結果に対する責任は、政治全体が共有するべきものであるはずです。その前提に立ち、政府の真摯な総括と批判的な検証が不十分であったことに起因する課題について、以下3点に絞って指摘します。まず、第一に、38%に低迷する食料自給率についての認識です。現行基本法のもとにおいて、自給率目標は一度も達成されておりません。坂本農林水産大臣は、今月2日の委員会答弁において、小麦や大豆の国産化推進などは一定の効果を挙げたと強調した上で、米消費量の減少などが低迷の原因との認識を示されました。しかし、国内の人口減少や米の消費量減少は見通せた現象です。25年間、全く実現できなかった政策目標に対しての認識としては、あまりに緊張感をかいていませんか。しかも、政府案は、基本計画で必ず定めるべき事項であった自給率目標を、食料安全保障の確保に関する事項の目標の中の一つの指標に交代させています。実現できないので、フェードアウトさせるかのような対応は、看過できません。私たちは、自給率目標を必要的記載事項とする修正を提案したものの、受け入れられませんでした。第二は、新自由主義的政策からの転換を明確に打ち出すべきと考えます。自民党の森山博士総合農政調査会最高顧問は、昨年5月、JA全中全国農政連の大会において、改正案の方向性を新自由主義からの転換である。新自由主義が軽視してきた食料自給、環境、地方重視、食料安全保障の強化も含めて、豊かで強固な日本社会、経済をつくり上げることが大事だ。改革や成長は必要であるが、新自由主義的な改革では持続可能性が広く国民のためになるのか、ということが非常に大事な視点、という旨、発言されたと報じられています。まさにその通りです。しかし、委員会審議を通して、この点を繰り返しと言いましたが、坂本大臣をはじめ、農水省の姿勢は不明瞭なままです。安倍政権のもと、農業でも成長産業化に重きが置かれ、競争力のある経営体を育てることが重要視され、コスト削減などによる体質強化や経営安定に光が当てられました。いわば農政においても、強いものをより強く、大きいものをより大きく、という新自由主義的な考え方が幅を利かせたことが、幅広い農業者の不安を招いているということを重く受け止めなければなりません。安倍農政からの転換を自ら明確に示す被害はないのでしょうか。第三に、多様な農業を維持するという姿勢を明確に示すべきです。この国土は必ずしも、効率的な集約がかなう農地ばかりではありません。条件不立地でも、工夫と努力で営まれてきた農業があります。政府は、効率的かつ安定的な経営を行う、いわゆる担い手や専業的農家が農業者の体操となることを前提に政策推進を図っていますが、それ以外の多様な農業者が、付加価値の高い農産物の生産や有機農業などに意欲的に取り組み、地域農業を発展させているケースはいくらでもあります。そのような存在が農地を維持し 、国内生産の増大に寄与していることは否定しがたい事実です。私たちは、改正案26条第2項に、多様な農業者が果たす役割の重要性を鑑み、その位置づけをより強調するように求めました。修正が受け入れられなかったことは残念ですが、今後も引き続き主張し続けます。討論の最後に、2022年に死去した佐賀県唐津の反骨の農民作家、山下聡一氏の言葉を紹介します。これまで当たり前だと思ってきた日本の四季折々の風景は、当たり前のこととしてそこにあるのではなく、農業の中の農の営みが作り出し支えてきた景観であり景色であったというものです。農は国のもといです。その意味を改めて反省し、立憲民主党は農業者の所得確保に資する直接支払いの充実など、この国の食料と農業、農村を守るため、積極的な政策を打ち出していくことを誓いし討論といたします。ご清聴ありがとうございました。
1:12:13
(小島)自由民主党不所属の会議の小島利生です。私は、食料農業農村基本法の一部を改正する法律案及びその修正案について、自由民主党及び公明党を代表して賛成の立場から討論いたします。
1:12:45
1990年に食料農業農村基本法が制定されてから25年、我が国の食料農業農村をめぐる情勢は大きく変化しています。世界を見れば、気候変動による生産の不安定化、人口増加による食料自給の逼迫、国際情勢の緊迫など、食料がいつでも自由に手に入るというのは当たり前ではなくなってまいりました。食料安全保障を確保していくためには、国内でできるだけものは国内で作り、そしてまかりきないものは安定的な輸入の確保もかかるといった現実的な対処が必要であります。加えて、国内では近年、物理的・経済的要因による食品アクセス問題が顕在化しています。国民一人一人が食料を入手できるようにするといった視点も加えて、食料安全保障を捉え直す必要があります。次に、国内の食料供給能力という観点から、人口減少への対応は避け取れない問題でもございます。悲観的農業従事者が今後20年間で約1/44に減少する恐れがあります。多くの人に参入してもらえるような、 農業の魅力を高めつつ、少ない人数でも食料供給ができるよう備えが必要であります。担い手の方が農地を引き継ぎ、安くふたするように、農地の集約化、スマート農技術等による省力化、サービス事業者によるサポートなどの環境整備が欠かせません。また、全てを担い手に引き受けいただくことはできません。地域の反射を通じまして、担い手以外の多様な農業者の方も、生産活動を通じて農地を保全管理していく。生産しきれない場合には、生産管理できる方に円滑に渡していく。地域の農地を守っていくことが大切になってまいりました。同時に、食料を持続的に供給するためには、スマート農業などを通じた生産性の向上、ブランド化等による付加価値の向上、また輸出を通じた販路の拡大など、若い人が希望とやりがいを感じられる、かさげる農業を実現していくことが大切でございます。併せて資材費や人件費が長期的に行動する中で、食料供給が持続的なものとなるよう、合理的なコストが関係者間の価格交渉を通じて価格に考慮されるような仕組みづくりにチャレンジをいたします。農産物の価格は上げられない、このような諦めた気持ちが長年にわたって、デフェの一員だというふうに考えます。その上で、向上的なコスト上昇分の価格への反映が間に合わなければ、生産主体の行動対策などの経営安定化対策が重要でございます。加えて、持続可能性を高めるためにも、環境と調和などのあらゆる産業への転換が必要となってまいります。以上、こうした観点から、自民党では基本法改正に向けた議論を2年間前から続けてまいりました。今回の法律案は、当時議論してきた内容とも方向性を同じくする時期にかかっているものと考え、賛成するものであります。農林水産委員会では、農業者の方々の収益性などについて、さまざまな議論が行われました。自由民主党、国民党及び日本維新の会、教育無償化を実現する会が提出しました、多収化に資する品種の導入促進を明記する修正案についても、生産性向上に必要な取組であり、賛成をいたします。食料安全保障の基本的強化、抜本的強化等に向けて、本法律案及び修正案につきまして、政策をしっかりと推進していくことを、政府に期待するものであります。以上申し上げ、私の賛成といたします。ご静聴ありがとうございました。
1:19:16
私は日本共産党を代表して、食料農業農村基本法改正案に反対の討論を行います。今回の基本法の見直しは、世界的な食料危機が進行するもとで、先進諸国で最低に落ち込んだ日本の食料自給率を向上させ、崩壊の危機が広がる農業と農村に希望をもたらす改正にしなければなりませんでした。ところが、本改正案は、現行法で第一の目標としてきた食料自給率の向上を、食料安全保障の動向に関する事項などと変更し、農政の最重要課題を投げ捨ててしまったのであります。1965年に73%だった日本の食料自給率は、今や38%に落ち込んでいます。その原因が、輸入重下にあったことが明白です。歴代自民党政権は、麦、飼料、オレンジ、麦、飼料、大豆など、アメリカの漁場農産物を進んで受け入れ、その後も牛肉、オレンジの重化、WTO農業協定、TPP、日予EPA、日米FTAなど、次々に輸入重化を行い、そのために安い農産物が大量に流入してきました。ところが、度重なる輸入重下を反省するどころか、法案では安定的な輸入の確保を明記し、輸入に依存することを正面から認めています。それどころか、輸入相手国の多様化、相手国への投資まで盛り込み、輸入の拡大を正当化しています。到底認められません。政府は米の需要が減退していると言いながら、義務でもないのに米需要の1割を超える77万トンものミニマムアクセス米を輸入し、累積6351億円もの税金を投入しました。その半分はアメリカ産米です。農家に希望を失わせる異常な輸入依存と卑屈なまでの米国追従をやめるべきです。現行基本法は旧基本法にあった農家の生活水準の維持や農業の自然的、経済的、社会的制約による不利を補正との文言を決議、農業を市場現地主義と自由主義政策に委ねることとしました。その結果、この25年で農業従事者は半減し、53万ヘクタールの農地が失われました。今や中山幹地の水田が次々と工作放棄地となり、畜産落の農家は過去最悪のペースで技能しています。農村から学校がなくなり、商店がなくなり、ATMやガソリンスタンドもなくなって生活の基盤が失われようとしています。それなのに法案では農業者の減少を前提に対策を諦めています。疲弊する農村に対しては共同活動を支援することしかない無作武器です。担い手の規定も相変わらず、効率的安定的な農業を営む者、もっぱら農業を営む者だけを支援の対象とし、定年機能や反農反X、自給的農家、消費者グループなどによる小規模で多様な農業はそれ以外と政策の軸に据えていません。農家を苦しめている肥料、飼料などのコスト高に対しては、価格転嫁を唯一の方法としているだけです。しかし実質賃金が低下し続け、低価格農産物の大量輸入をし続けて再生産可能な販売価格が実現できる保証はありません。農業従事者の倒産は過去最多を更新しています。農業予算を抜本的に増やし、価格保証、所得保証を行うべきです。国内農業の生産基盤を維持する方策は輸出の拡大とスマート農業だけです。輸出といっても加工職員が半分以上を占め、輸入原材料を使えば国内農業の助けにはなりません。環境への負荷の低減は盛り込んだものの、最重要課題である温室効果ガス、CO2削減の文言もなく、自然の生態系に依拠した農業の実現が政策の中心に据えられていません。さらに有機農業の推進については全く規定がなく、食の安全を徹底する姿勢も入っていません。以上、本法案は食料と農業の危機を打開するには、ほど遠いものと言わざるを得ません。政府がやるべくことは、食料自給率の向上を国政の柱に据え、再現のない輸入重化路線を転換し、規模の大小を問わず、農家の経営を全力で支えることです。そのことを強く求め、反対討論とします。発表を終わります。
1:24:38
日本維新の会の堀井健二でございます。私は日本維新の会、教育無償化を実現する共同会派を代表いたしまして、食料農業農村基本法改正案について、賛成の立場から討論を行います。
1:24:58
農政の憲法ともいえる、この基本法が開催されるのは、25年ぶりのことであります。この間、現行の基本法は、国民への必要な食料供給、水と緑豊かな国土と農村の保全、そして国の基幹産業である農業の経営維持に対して、大きな役割を果たしてきました。しかしその一方、この四半世紀で食料や農業をめぐる国内外の情勢は、大きく変化してきたことも事実であります。国内では、人口減少と国民の思考と食生活の変化は、農作物の需要と供給に大きな影響を与えております。海外に目を向ければ、気候変動や伝染症の病によって、農産物の不作や、家畜の被害の発生も続発するようになりました。さらにロシアによるこのウクレレな侵略によって、国物輸入の突撃という危機が、現実のものとして国民生活を脅かすようになってまいりました。さらに世界規模の急激な人口増加と経済整地によって、食料をめぐる紛奪戦が生じつつあり、我が国の国力低下による輸入農産物の買い負けも危惧されているところであります。こうした中で、従来の食料の安定供給の確保という観点を進化させ、食料安全保障の確保という新たな概念が、この解析方法に盛り込まれたことは、大きな意義があると思います。もっともこの食料安保という言葉だけをかけば、食と農業が守られるわけではありません。我が会派は、解析方法の実効性をより高めるために、各党各会派に対して積極的に、公案の13の修正項目を提案してまいります。我が会派の提案は、一つは食料安全保障について、食料供給能力確保策に言及するということ、二つは望ましい農業構造の確立について、現行法の方針を維持充実させるということ、三つは農業関係団体について、農協改革の推進を図ることなどを柱とする修正案でありました。まずこの一つ目の食料安全保障については、食料供給能力の確保につき、米は我が国の主食としての役割を果たしておって、日本のフードに適し、連鎖障害もなく、生産性も高く、米こそが不足の事態におきましても、安定的に供給されるべきであるということから、食料安全保障の根幹である食料供給能力の維持を図る方策として、それを明記すべきとの問題意識によって、不足の事態においても、我が国の主要な食料である米国の安定的な供給のために、水田機能を維持する必要があるといった趣旨を明記することなどを指摘してまいりました。我が国において、将来にわたる食料の安定供給を考えた場合、一番に見直す必要があるのが米の問題であります。改めて言いますと、日本の気候保存に適して生産技術が確立した米は、我が国にとって極めて重要な作物であります。今、添削除成を含めて生産調整がなされておりますけれども、国内需要に合わせて生産調整を繰り返していけば、高齢化や人口減少に伴って需要も生産も縮小し続けることになります。そんなことから米の輸出を強力に推進し、米の生産を維持・拡大していくということが、食料安全保障上最も効果的であります。我が国の食料安全保障には、今米の鎖国政策から、今米の解除政策への大展開を図ることが重要であります。二つ目は、望ましい農業構造の確立関係についてであります。第26条の第1項と第2項には、相反する内容が書かれております。本来、二年法にそのような矛盾を記載するべきではないと考えました。第2項の、それ以外の多様な農業者として想定されるこの兼業農家は、現行基本法の効率的かつ安定的な農業経営を営む者、つまり、二代家として既に含まれておりますことから、兼業農家を含めるために、効率かつ安定的な農業経営の例外設定を設ける必然性がないのではないか、こういう問題意識となり、第2項を削除いたしますか。あるいは、国は望ましいこの農業構造の確立に当たっては、地域における、この協議に基づいて、効率的かつ安定的な農業を営む、この兼業者も含めた多様な農業者によって、農業生活活動が行われるよう配慮する、このような修文ということなどの議論も実際はしてまいります。長期的なこの視点をもって、将来の輸入を備蓄計画の中で、国内の農業生産を拡大していくためには、普段から緊急事態に対応できる農業構造が本当に必要であると思います。戦後の農業構造は、農村社会の平等化のために農地改革が行われ、農村の民主化、また、雇用、職業供給等、経済社会の安定には多大な貢献があったと思います。しかし、その後の農業構造は、経営規模が冷裁で経営農地が分散作法するという要因にもなりました。そこで農業を国民経済的視点から捉えて、農業の生産性を向上させるということのためには、効率的かつ安定的な農業経営であるこの専業農家に、小規模な農地利用を集積集約するということで、農業の最大化、また、効率化を目指してきたというのが、この戦後一貫した農業の構造政策であります。しかし、新第26条のこの2項は、国が望ましい農業構造の確立なだったという、このフレームにおいて、多様な農業者によって農地の確保が図れるように配慮するということでありまして、県業農家が望ましい農業構造に組み入れたとしか、なかなか読み取れません。このように農業を副業的に営む経営界や、自給的農家を含む県業農家を、法文で明示するということは、農地、バンクや農地の集積率目標という、これま での構造政策に反するようにも見えました。小規模な農地を専業農家に集約することで、農業の大規模化または効率化を目指してきた従来の政策と矛盾しないのか、また安心化せにならないのか、こういう構造政策の問題について、農業の担い手をより広く捉え、農地の確保を図れるように配慮する。これが日本の農業にとって本当にいいのかどうか、これも含めて議論しました。生産調整や価格安定、同じ課題が繰り返されるという懸念から、これまで議論を重ねてきたわけでありますけれども、国内には多くの中山間地域を抱えて、そこで集約集積を行って、効率的かつ安定的な経営が実際営みにくい、そういった理由は確かにあります。兼業農家には、農地の保全、管理を担っていただく役割として、きちんと位置づけて、農業生産に携わる農家として、フル活動させることが有効であるということでありました。農地が小規模なところに帰ってくるのではない、とあります。申し合わせの時間が過ぎましたから、ならず簡単にお願いをいたします。こういったものを取り組んでいきたいと思います。兼業農家を中心とした生産調整や、また国安定の課題、農家の相互保障の問題、こういった課題解決のために、これからも努力していただくことを期待して賛成討論といたします。お待たせします。ご清聴ありがとうございました
1:36:12
国民民主党の長友信二です。私は会派を代表し、食糧、農業、農村基本法の一部を改正する法律案に反対の立場で討論いたします。
1:36:38
基本法は理念法です。しかし、理念が複数ある場合、そこには「あちらを立てれば、こちらが立たず」というトレードオフの関係がしばしば生じます。今回改正される食糧、農業、農村基本法は、5つの基本理念を掲げていますが、その関係はどのように整理することができるのでしょうか。
1:37:01
例えば、現在の食糧、農業、農村基本法の基本理念は、食糧の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興の4つを掲げています。
1:37:15
この4つを説明すると、農業の持続的な発展を図ることができれば、国内の農産物供給が確保されるので、食糧の安定供給の確保は実現され、農地も有効に活用されて守られるので、多面的機能の発揮も実現することになります。そのため、農業の持続的な発展から、食糧の安定供給の確保と、多面的機能の発揮に一方向の矢印が引かれる関係になっています。
1:37:42
また、農業の持続的な発展と農村の振興は、手を携えながら、まさに車の両輪として進んでいくという関係が想定されています。そのため、両者の間は双方向の矢印となっています。もちろん、これは青写真に過ぎず、実際にはその通りにいかないケースも見られますが、曲がりなりにも理想的な関係を描こうとしていました。現行法には、一本筋の通った哲学が確かに存在しています。
1:38:09
しかし、今回の改正案では、そうした全体的な体系は示されていません。現行法の一番目に掲げていた食糧の安定供給の確保に代わり、改正案では食糧安全保障の確保と環境と調和の取れた食糧システムの確立が新設されましたが、部分にとどまっており、全体像が見えてきません。
1:38:32
これまでの審議で見えてきたことは、政府は食糧持久率を向上させ、国内への食糧供給を増やし、農業を発展させようとしているのではなく、農業を輸出産業化することによって国内の農業生産基盤を確保し、それによって食糧の供給能力を維持しようとする姿勢です。これは、第二次安倍政権が進めてきた新自由主義農政と全く同じです。
1:38:59
その時のロジックは次のようなものでした。少子高齢化によって国内農産物市場が縮小する一方、国際農産物市場は拡大しているので、国内農業を輸出志向型で発展させなければならない。
1:39:17
そのためには、低賃金の外国人 労働者に意気をしつつ、農業規模を拡大し、さらに法人化することでコストを下げ、輸出農産物の低価格化を実現する必要がある。そして農作物の輸出拡大に向けて、国内農業生産を拡大し、それによって食糧持久率を向上させていく。
1:39:39
しかし、このロジックが破綻していることは、安倍政権以降、食品、農林水産物の食糧持久率が向上していないことから明らかです。この方針を続けるなら、いくら基本法を改正したとしても、食糧安全保障を確保することはできません。
1:39:55
さらに、食品産業の輸出が食糧安全保障につながると政府は主張しますが、輸出といっても多いのはウイスキーをはじめとするアルコール飲料やカレーのルーなどの調味料であり、その原料も国産の農作物ではなく輸入品に頼っています。これでは日本の農家の所得の向上にも寄与しません。また、2年前に成立した緑の食糧システム戦略が、農業ではなく環境に区分された点は問題です。