1:09
ただいまから、文教科学委員会を開会いたします。政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。教育文化・スポーツ学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房文部科学戦略官伊藤岳次君ほか8名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することにご異議ございませんか。ご異議ないと見た目、採用決定いたします。教育文化・スポーツ学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次ご発言願います。
2:05
自由民主党の赤池正明です。我が国が抱える課題の根幹は何か、それさえわかれば、あらゆる課題が解決するほど単純な話ではありません。ただ少なくとも課題解決の近道になるはずだと思い、常日頃そういった問題意識を持って議論に臨んでいるところであります。一昨年の参議院の決算委員会、そして昨年10月の党委員会での質疑でも申し上げたのですが、私には国家意識の欠如によって引き起こされている課題が多いように思われ、常日その問題意識を軸に質問をしてまいりました。我が国は長い歴史と文化を持ち、我々日本国籍を持つ日本人であることは事実であるなのに、なぜ明示的に国家意識を持つことがあえて避けて通るのでしょうか。先の大戦の敗戦による連合国軍の占領政策の影響なのか、占領中の大改正を余儀なくされた現行憲法の呪縛なのか、主権開封を既に70年以上経っているのに、なぜ未だ自らの憲法を改正することすらままならないのか。今般のコロナ禍、頻発する自然災害をはじめ、ロシアのウクライナ侵略や北朝鮮の弾道ミサイル連射、チャイナの大軍革等、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなってきております。長年低迷する経済状況により、少子化・高齢化・人口減少社会の本格的到来、将来のみならず、現在進行を受けて生きることに不安を持つ国民が増えていることと言われております。ただ、国家社会の在り方について、誰にとっても完璧に整備することは残念ながらできません。とはいえ、少しでもより良い国家社会を目指す過程において、国民それぞれが生きる誓いや知恵を身につけ、共同し、議論を尽くし、時には議論が紛糾しても折り合い、合意を取り付け、何とか課題解決をできるだけ速やかに図っていくことが求められています。にもかかわらず、残念ながら、建設的な議論すらままないことが多いようにも思います。部分最適が行き過ぎて多数の利益が軽んじられるような不均衡な議論、一周回って結局元に戻る議論、広く全般的に対応することでほぼ全てが包摂されるようになっているのに、わざわざ細分化することで漏れが発生しているような議論等々、議論の中身以前の課題がいくら何でも多すぎると感じております。今般、ますます厳しくなりつつある環境を考えると時間は待ってくれません。同じ議論をするにしても、より建設的に、より合理的に展開することで、より多くの課題に向き合うことができれば、少しでも結果は変わってくるのではないかと思います。今すでに文科省の取組においては、応用力、活用力をどう高めていくかという点や、学力の3要素、特に思考力、判断力、表現力をどう習得させるかなど、教育確定が変わりつつあります。しかしながら、コロナ禍やロシアの暗い侵略、ぶつかる問題をはじめ、近いうちに大地震や火山の噴火が発生する可能性が高いという分析もあり、我々が置かれている環境が日々厳しくなってきております。文科省が推奨する「生きる力以上に、生き抜く力が必要」になってきております。昨今、災害にどう備えるかという点は、国民に浸透しつつあると思います。我が国は、もともと自然災害が多い国であり、様々な経験を踏まえ、研究が行われ、人々の努力により風水害や地震、火山噴火等のそれぞれの災害に対する防災・減災、国土強靱化の対策が進んでまいりました。しかしながら、コロナ禍という感染症の大流行があり、夏になれば熱中症が発生し、そして、それに風水害が追い打ちをかけるという事態が発生しております。複合災害です。加えて、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しくなりつつある今、いわゆる「有事」の想定もしておかなければなりません。もっと 言うと、自然災害と「有事」が同時に起こる最悪の事態も考えておかなければならないと思います。先ほど申し上げたとおり、全てに完璧な制度や仕組みは存在しない上、我々が置かれている環境が厳しくなりつつあるという「現実は現実として受け止め、国民全体にしていかにして生き抜く力を備えてもらうか」この大変責任重大な任務を文科省が背負っていることを今一度認識するべきだと思っています。
6:41
以上のような根本的な思いのもと、本日は長岡経衡文部科学大臣
6:46
所信を踏まえまして、我が国の文科学政策の現状と取組についてお伺いし、改めて課題の受け止め方を考えたいと存じます。まずは、学校での危機管理、災害対応と国民保護の対処についてお伺いしたいと存じます。先ほど来申し上げたとおり、これからは生き抜く力をつけることが重要になると思いますが、制度 や体制において、でき得る備えはしておく必要があります。まずその現状を伺います。
7:19
お答え申し上げます。近年、学校における危機管理につきましては、委員も御指摘のとおり、事件、事故、自然災害のみならず、感染症、あるいは学校への犯罪予告やテロ、弾道ミサイル発射等の国民保護に関する事案等、様々な危機事象への対応も必要になってきているところでございます。こうした危機事象に対しまして、各学校におきましては、学校安全計画に基づく地域の実情に応じた安全教育の実施、あるいは地域住民や関係機関との連携、共同の仕組みを活用した学校安全体制の整備、危機管理マニュアルによる訓練の実施と、その結果に基づくマニュアルの定期的な見直しなどの取組を進めていただいているものと承知しております。
8:08
昨年10月の前回の質問の際にも申し上げたわけですが、安全管理、危機管理の要点というのは、あらゆる危機、最悪の危機を想定すること、それと、危機においては、どうしても思考や行動が渋滞してしまいます。そうならないように、やはり日頃から訓練を徹底的に行うこと、この2点だと専門家は指摘しているところであります。それと、先ほどお話をいただいたように、法律に基づいて、計画を作って、それぞれ危機管理マニュアルを作ってくださいという定期的に示して、普段に見直してくださいということは言っているわけですが、家庭地域、そして関係機関との、それぞれ専門機関との連携をして、改めて訓練ができているかどうか、この徹底をお願いしたいと思います。教育基本法には、残念ながら、安全とか危機管理という、そういう項目がないのでは ないかということが、以前から気になっているところでもあります。また、学校保健法には、防犯・防災・交通事故があっても、国民保護の視点というのが、当然、時代背景からなかったと感じておりますので、その辺、引き続き検討をお願いしたいと思います。そんな中で、学校の中でも、特に、小・中・高というのは、具体的に教育委員会設置者にお願いして、調査も行っているということを聞いているのですが、やはり、高等教育機関はどうなのか、現状はどうなっているのか、見解を伺います。
9:47
お答え申し上げます。大学等の高等教育機関におきましても、学校保健安全法や第三次学校安全の推進に関する計画の下、危機管理に係る学則や災害事象別のマニュアル等の整備、あるいは、近隣の消防署等と連携した避難・消防訓練の実 施など、それぞれの大学等で危機管理の取組を進めていただいているほか、学生が主体となった災害ボランティア活動などの取組も進められているものと承知しております。文部科学省といたしましては、各学校段階で実効性のある危機管理の取組が進められるよう、教育委員会等を促すとともに、ご指摘の高等教育機関につきましては、各大学等の取組事例の周知ですとか、あるいは情報提供といったものを、関係団体等とも連携しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
10:41
高等教育館、大学、短大、高専、専修学校等があるわけでしょうけれども、以前から3つのポリシー、入学や教育課程や卒業後のそういったものを、それぞれが、最近は高校までしっかり示してくださいというような促しを文科省がお願いしているわけでありますから、併せて災害対応、また国民保護についても、各それぞれ がどういう方針で望んでいるのかということの、方針、指針の公表も併せて促していただきたいと思います。また、専修学校はご承知のとおり都道府県認可ということもございますので、この辺は地方公共団体、都道府県としっかり連携をしていただいてやっていただきたいと思いますし、それぞれが統括団体がございますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。実際のところ検討はこれからですか、今までもしているという認識でよろしいのでしょうか。もう一回確認を総裁局長お願いいたします。
11:46
ご指摘ありがとうございます。必要な情報等の周知、通知等、高等教育機関等にも周知はしているところでございますが、ご指摘のように情報共同の把握ですとか、あるいはより緊密な情報提供、取組の周知などについては、今後関係団体と連携しながら進めていきたいというふうに考えております。
12:09
高等教育機関は当然18歳の青年年齢に達しているわけでありますから、大人として自発的に判断し行動することが求められております。そうなるとますます思考力、判断力がそれぞれ大きく問われることになります。現状文科省の取組は通知を出して、高等教育機関の自的な取組を重んじることになっているわけでありますが、それが本当にできているのか、また本人となっていないのか、コロナ禍の丸3年間の対応経験がございます。大変気になるところでもございますので、文科省におかれましては、先ほど創生局長お話いただきましたが、ぜひ高等教育機関に対して、しっかり連携をしていただいて、防災や国民保護の対応について、自ら方針を明らかにすることを求めていただきたいと思います。次に、同じ危機管理、災害対応、有事対応の中においても、人命を守ることは最優先であることは言うまでもありません。一方、文科庁所管の国や地方の共有財産である、相続財産である文化財も、またこれは守っていかなければなりません。その現状と対策について伺います。文科庁杉浦次長 お答え申し上げます。文科財は一度滅出すれば回復することが困難な国民の財産でございまして、日常的な保存管理に加え、ご指摘の危機管理、災害対応や有事対応についても備えが必要でございます。文科庁といたしましては、文科財の盗難に備えるため、文科財の所有者による警報設備の設置等の取組に対して補助を行いますとともに、地方公共団体の担当者向けの防災防犯対策研修会を毎年実施するなど、危機管理に努めているところでございます。加えて、文科財の防火耐震対策等については、防災・減災・国土強靱化のための5か年加速対策に基づく予算を確保し、高級化した防災設備の更新を進めるとともに、電源創出も想定した消火設備を整 備するなど、高機能化も図ってございます。また、令和2年には、国立文化財機構に文化財防災センターを設置いたしまして、全国の文化財を災害から守るため、関係団体とのネットワークの構築や、地方公共団体向けの研修、文化財の防災に関する具体的な調査研究に取り組んでいるところでございます。さらに、災害時の文化財の迅速な修理・修繕にも資しますよう、価値ある文化資源の文化財への指定登録を進めてございます。また、海外の例では、ノートルダム大聖堂の再建において、火災前に記録保存されていた建築資料が活用されていることなども承知しておりまして、我が国でも、こうした観点からも、文化財修理における記録・デジタルアーカイブ化は重要と認識してございます。文化庁としましては、引き続き文化財への被害を最大限防止し、早急の復旧を図るために必要な体制を整備してまいります。自然災害対策、または防犯の面は進んできたということは、ご説明でわかりましたが、一方、有事対応に当たって、文化財をどう守っていくのかという側面に関して、当然、防災と共通する部分があるとはいえ、やはり想定が違うわけでありますから、共通面があるからそれでいいということにはならないと思います。今後の課題として、有事対応についても、対応策をしっかり検討すべきではないかと思っております。先ほど申し上げたとおり、まずはしっかり想定をしていただきたい。弾道ミサイルの部分、一体それがどういう被害を文化財に与えるのか、当然、防犯面ともかなりますが、大規模テロや様々な事案、国民保護の視点から、しっかり文化財面においても検討を進めていただきたいと存じます。そして、冒頭で申し上げたとおり、これからの世の中、制度や体制整備のみならず、息抜く力を身につけることが大変重要に、ますますなってきているなと思っております。これに関しては、知識だけではなくて、