21:44
おはかりいたします。内閣から、検査官、厚生取引委員会委員、預金保険機構理事及び同幹事、情報公開個人情報保護審査会委員、中央厚生保護審査会委員長、日本銀行総裁及び同総裁、労働保険審査会委員、中央社会保険医療協議会公益委員、社会保険審査会委員、土地鑑定委員会委員、運輸安全委員会委員及び公害健康被害保障不風審査会委員に、次の職務を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。内閣からの申出中、まず検査官に、菱文子君を、厚生取引委員会委員に、千水文夫君を、預金保険機構理事に大塚英光君を、同幹事に坂本博子君を、情報公開個人情報保護審査会委員に白井幸男君を、勝丸千明君、磯部哲君、野田隆君及び田村達久君を、中央厚生保護審査会委員長に小川英樹君を、労働保険審査会委員に金岡京子君を、中央社会保険医療協議会公益委員に本田彩子君及び安川文明君を、社会保険審査会委員に田村博美君を、土地鑑定委員会委員に高田美佳君、長山敦志君、加藤瑞樹君、川添義一君、勝雄裕子君及び坂本慶君を、運用安全委員会委員に伊藤博之君、上野道夫君及び安田真紀子君を、当該健康被害補償副審査会委員に山下直美君を任命することについて、申し出のとおり同意を与えるにご異議ありませんか。(( 合 ))ご異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
24:35
次に、預金保険機構理事に森内明君を任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よって同意を与えることに決まりました。
24:59
次に、情報公開個人情報保護審査会委員に藤谷俊幸君を、中央社会保険医療協議会公益委員に飯塚俊明君を、土地鑑定委員会委員に杉浦彩子君を任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よっていずれも同意を与えることに決まりました。
25:36
次に、日本銀行総裁に上田和夫君を、同副総裁に秘美野良造君を任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よっていずれも同意を与えることに決まりました。
26:04
次に、日本銀行副総裁に内田信一君を任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
26:20
起立多数よって同意を与えることに決まりました。
27:34
この際、内閣提出「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進」に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。
28:10
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨をご説明申し上げます。世界的規模でカーボンニュートラルの実現に向けた大規模な投資競争が激化しています。こうした中で、我が国においても、2050年カーボンニュートラル等の国際公約と産業競争力の強化を通じた経済成長を同時に達成するグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXを実現するため、官民で連携して、今後10年間で150兆円を超えるGX投資を実現する必要があります。そのためには、今後10年間で20兆円規模の大胆な先行投資支援を行うとともに炭素排出に根付けを行う成長志向型カーボンプライシングを将来導入する方針をあらかじめ示すことにより事業者の先行投資を促進する仕組みを措置する必要があります。本法律案は、こうした内容について取りまとめ、令和5年2月に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針に基づき、所要の措置を講ずるものであります。次に、本法律案の要旨をご説明申し上げます。第一に、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため政府は脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を策定することとします。第二に、設備投資支援等脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策に充てることを目的として政府は令和5年度から令和14年度まで脱炭素成長型経済構造移行債を発行するための措置を講ずることとします。第三に、令和10年度から化石燃料の輸入事業者等から化石燃料付加金を徴収するとともに令和15年度から発電事業者に対して二酸化炭素の排出額を有償または無償で割り当て有償で割り当てる排出額の量に応じて発電事業者から特定事業者負担金を徴収するための措置を講ずることとします。第四に、脱炭素成長型経済構造移行推進機構に化石燃料付加金及び特定事業者負担金の徴収、排出額の割り当て脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動を行う者に対する債務保障等の支援等を行わせるための措置を講ずるこ ととします。第五に、政府は脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する投資の実施状況等を踏まえ施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとします。また、排出額等に係る制度を実施する方針を検討し、この法律の施行後2年以内に必要な法制上の措置を講ずることとします。以上が本法律案の趣旨であります。
31:17
ただいまの終始の説明に対して、質疑の通告があります。順次これを許します。山岡達丸君。
31:41
立憲民主党の山岡達丸です。立憲民主党未所属を代表し、ただいま議題となりました、脱炭素成長経済構造への円滑な意向の推進に関する法律案、いわゆるGX推進法案につきまして質問をいたします。はじめに、経済安全保障担当大臣としてGX推進法案にも関わる高市大臣におかれて、その政策の遂行の信用にも関わる問題が生じていることを踏まえ、法務省法における政治的公平について、高市大臣に伺います。平成27年5月12日、参議院の総務委員会において、当時の 高市総務大臣は、一つの番組のみで政治的公平が確保されていない場合があるという旨を答弁されています。高市大臣は、今回のいわゆる総務省文書の一部が捏造だと主張されていますが、この5月12日の答弁は、78ページにわたる総務省文書の筋書き通りになっているのは間違いないのではありませんか。この事実を踏まえれば、高市大臣こそが黒だと見るのが自然ではありませんか。そうではないというのであれば、なぜ高市大臣は平成27年5月12日の参議院総務委員会で、それまでと違う答弁をされたのでしょうか。その経緯を詳しくお答えください。高市大臣が捏造されたものと主張する文書の一つに、平成27年2月13日の高市大臣レク結果というものがあります。この日に高市大臣レク、つまり総務省の職員から高市大臣に対して政治的公平についての説明があったのか、なかったのか、ここで明確にお答えをお願いします。もしレク事態がなかったというのであれば、高市大臣が個別のテレビ局の名称を挙げて苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか。具体的に述べたとして記録されているこの文書を総務官僚がなぜ作成できるとお考えでしょうか。お答えを願います。この高市大臣の答弁によって、一つの番組の内容次第で政治的公平が確保されないとみなされ、電波を 止めることはあり得るというメッセージが伝わることになったのではありませんか。民主党政権に比べ安倍政権では、報道の自由度の国際ラーキングが大幅に低下しました。この10年は自民党政権による報道の自由が失われた10年ではありませんか。報道の自由に関わる重要な放送法の解釈について補充だという言葉を使いながらも、国会答弁を利用し政府が主導する形でその意向を広げようという行為は国会啓示、一方不衛の冒涜ではありませんか。そして、民主主義の根底を覆す行為であると思いますが、高市大臣にそのご自覚はおありでしょうか。お答えください。
34:49
そして、すくずく気の毒だと思いますのは、高市大臣の当時の部下の職員の皆様です。極めて政治リスクの高い案件について、慎重に対応しようと、関係各所に必死に調整され、駆け回っていたであろう当時の部下の方々が、できる限り正確に事実を関係者と共有しようと作成された行政文書に対し、熱像だと言い放たれました。当時の担当官僚は、嘘の行政文書を作り上げたということでしょうか。どのような動機があって、そのようなことをするというのでし ょうか。高市大臣は、ご自身の身を守りたいと思いがあったとしても、あまりにも心ない発言ではありませんか。当時の部下の職員の皆様に対し、高市大臣からお詫びのことはありませんか。この当面の機会にぜひ、考えを述べられていただきたいと思います。GXという、国家の将来を懸けた政策を成功させるためには、関係大臣と多くの官僚の皆様との強い信頼関係に基づいて推進をすることが不可欠です。高市大臣の一年の問題は、その信頼関係に大きなひびを入れるものではないかということを強く申し上げます。これより先は、西村経済産業大臣に伺います。気候変動への危機に対する意識は、国境を越えて広がり、人間社会全体の在り方を問う大きな議論に発展しています。特に、気候変動の主な原因とされる二酸化炭素の排出、その中心となる産業の在り方について、大きな変革を求められる時代となりました。新たな時代に対応するべく、政府から今回の法案が提出されましたが、政策の推進に当たっては、産業の成長はもちろんのこと、そこに携わる人に対して、十分な目配りをしながら遂行していくべきものと 考えます。この法律の条文には、目的、基本理念、戦略の策定が掲げられていますが、これらの項目に、労働者の雇用や地域の経済を含めた、公正な意向という言葉は盛り込まれませんでした。昨年の政府のGX実行会議において、その公正委員からは、再三にわたり、「失業なき労働移動を念頭に」「公正な意向」という考え方を、具体的に盛り込むようにするべき意見が述べられ、最終盤でようやく、GX実現に向けた基本計画に盛り込まれたという経緯があります。しかし、そうした経緯があっても、今回具体化された法律案には、結局、「公正な意向」という言葉は含まれませんでした。これは岸田政権が働く者、労働者の立場を軽視しているということの表れではありませんか。西村経済産業大臣は、この指摘についてどのようにお考えになりますか。産業構造が大きく変化するのとしたら、失業なき労働移動について、政府は真剣に向き合うことは極めて重要だと考えますが、大臣の見解を伺います。将来の脱炭素への取り組みを進めた結果、現在の日本の産業競争力を失うようなことも避けなければなりません。特に昨今のエネルギー価格の高騰は有識事態です。おととし、当期の電力スポット指導が一時的に大行としたこと、昨年には東北の地震を機に電力供給の予備率が一時的にマイナスになるなど、ここ数年、電力安定供給の課題は健在化しているところでもあります。エネルギーの取り巻く環境の変化は、国民生活にも直接影響を与え、また産業の競争力にも影響します。いわゆるカーボンニュータルの実現に向けては、S+3Eを原則にしながら競争力の確保と雇用への影響を最小限にとどめる努力が必要だと考えます。大臣の見解を伺います。GXの政策の推進にあたり、負担のあり方について伺います。脱炭素社会の移行にあたっては、設備投資や制度設計を含めて多大なコストがかかります。世界各国の政府の姿勢を見れば、これらのコストの負担は特定産業のみに課すのではなく、その益を享受する国民全体で広く負担すべきものとの考えに基づいて進めることが主流となっています。こうした流れに対し、今回の法案に基づく制度設計では、一部の産業に負担が与えるのではないかという懸念も寄せられているところです。脱炭素への移行のためのコストが、特定の産業等にかかることがあるとすれば、適正な価格転換も含めた環境整備し、負担の公平性、透明性が確保されることが重要だと考えますが、大臣の見解を伺います。各国の脱炭素をどのように評価していくのか、国際的なルール作りにきちんと日本がコミットすることも重要です。現在は各国がそれぞれ基準で脱炭素を進めていますが、特に金融関係者が投資対象と見るかどうかという点において、国際的な基準が大きく影響するものと考えます。政府はこのルール作りにどのような考えで臨むか、大臣の考えを伺います。京都議定書をはじめとする、これまでの環境負荷軽減に向けた議論では、先進国と発展途上国の間に大きな対立を生んだという歴史もあります。特にこれから大きな市場として期待が集まるアジアの諸国において、現実的な脱炭素への取り組みがどのように進むのか、これは十分に見極めていかなければなりません。そして、アジアをはじめとする諸外国に対する脱炭素界の支援については、日本の優れた環境対策技術によって、その存在感を大きく示すことができるということも見込めます。日本から諸外国の脱炭素への取り組みに対する支援は、それを数値化し国際社会において適切に発信をするとともに、脱炭素の国際貢献として正当に評価されるルールを求めていく必要があると考えますが、大臣の見解を伺います。先月28日、国内大手8社が出資する、実在半導体の開発・生産を目指すラピュタスが、初の工場を建設するにあたり、その場所として北海道地と瀬市を選んだということが発表されました。ラピュタスの小池社長は、北海道を選定した理由について、水・電力等のインフラに加えて、自然環境との調和においても、半導体の生産に最適だとして、半導体生産に欠かせない豊富な水が得られるほか、太陽光や風力など再生可能エネルギーの確保が見込めることなどに、大きな期待をしていることが講じられています。世界的なカーボンニュートラルの調理の中で、こうした理由が企業における立地の選定につながったという話は、地方都市にとって非常に勇気づけられるものであると考えます。大臣に伺いますが、再生可能エネルギーが豊かな北海道について、GXの政策の推進の視点からどのような期待をせますか。そして、地方都市には、豊かな自然のみならず、多くの人材もいます。ラピュタスの事例でいえば、近隣には、北海道大学、室蘭工業大学、トマコマイ工業高等専門学校など、いわゆる理系人材を輩出する環境が整う中で、地元の機関との連携も非常に重要であり、政府として大きな関わりを持って推進するべきと考えますが、大臣の見解を伺います。昨年は、政府の大きな支援に基づいて、最先端の半導体製造技術を持つ台湾のメーカー、TSMCが熊本の進出を決めました。近年の半導体の教育不足を機に、経済安全保障の議論も盛んに行われています。半導体の国内生産体制の再構築を 図ることの意義について、西村経済産業大臣に見解を伺います。北海道を含めて、現在の日本の経済は中小企業に支えられています。今回のGXの推進において、一部の大企業だけが成長や技術革新の恩恵を享受するのではなく、国内の意欲ある全ての事業者が、新しい産業構造に参画する枠組みを形成していくことが重要だと考えます。特に、ものづくりに関わる中小企業は、目の前では人手不足の中で、目一杯に生産活動を行っており、変革に対応する余力を持つことが非常に難しいというのが現状です。中小企業に蓄積された技術力を生かし、新しい時代に対応するためには、政府の包括的な支援が必要です。GX政策推進における国内中小企業に対する考え方について、大臣の所見を伺います。米国バイデン政権は、昨年の夏、GX分野への投資として、50兆円の政府の直接支出の方針を打ち出し、その規模の大きさと本気度に、先行するEU諸国の関係者を焦らせたという話も聞こえてきます。日本政府の打ち出した20兆円という規模は、国際社会の投資を呼び込むという視点において十分なのでしょうか。政府は20兆円を呼び見ずに、官民に合わせて、10年間で150兆円の投資を目指すと打ち出していますが、この政府の支出規模で、そこまでの投資を集めるというのは、甘い見積もりではありませんか。大臣の考えを伺います。カーボンニュートラルの流れの中で、特に大きな変革を求められる産業の一つに、鉄鋼があります。鉄は国家なりという言葉もありますが、多くのものづくり産業の基盤となるもので、国内企業は質が高く、より安価なものというニーズに応え、国際競争に晒されながら、今日まで言葉に尽くせぬ努力を重ねてこられました。しかし、脱炭素に資する超革新技術を要する製鉄砲の開発は、理論上は可能とされるも、技術の壁は遥かに高く、民間企業のみの力ではとても達成できないとして、各国が莫大な支援をもとに研究を進めています。日本の鉄工業が他国に先駆けて、水素還元による製鉄技術の開発を実現することは、最重要課題と考えます。また、それまでの間においても、国際競争力の強化とイコールフッティングの環境整備を進めるべきと考えます。大臣に伺いますが、GXの推進に当たって、日本の鉄工業をどのように位置づけますか。現状の政府の支援の枠組みで十分でしょうか。見解を伺います。この法律により、新たな機構が設立されることになります。しかし、新たな機構の設立ということになりますと、どうしても思い出すのが、経済産業省が温度をとって設立したクールジャパン機構です。2021年度末の累積赤字が300億円に達するなど、失敗が続いています。完成機構がメキキをして成功するのか、その点を指摘せざるを得ません。新たな機構はどのような点で、他の機構より存在する有利性があって、適切なメキキができるのか、クールジャパン機構の現状を踏まえてお答えください。また、この新たな機構の設立の一方で、環境省には株式会社脱炭素化支援機構なるものがあります。脱炭素に向けた取り組みとしては、こちらの機構の業務とも重なるものがあるのではないでしょうか。GX推進機構と脱炭素化支援機構との違いについてお示しください。同種種の機構が複数存在するということになれば、いわゆる省庁の焼ける鳥という観点で、行政改革の観点からも問題が生じるものと考えますが、大臣の見解を伺います。以上、それぞれについて明快な答弁を求め、質問を終わります。
47:01
山岡議員からのご質問にお答えいたします。公正な意向と、必要なき労働移動についてお尋ねがありました。議員ご指摘の公正な意向は、GX実行会議における日本労働組合総連合会の吉野公正委員のご意見も踏まえ、働き方々の立場を重視し、本年2月に閣議決定した「GX実現に向けた基本方針」にも明記しております。政府としては、この方針に沿って、多排出産業などでのGXに資する革新的技術開発などの投資を促進し、雇用確保の観点をしっかり踏まえるとともに、リースキリング等の人材育成の取組と、グリーン分野を含む成長分野への円滑な労働移動を同時に進めます。GX推進法案で掲げている脱産総成長型経済構造への円滑な意向の実現には、排出削減と経済成長を両立させ、雇用の創出、所得の拡大につなげ、成長と分配の好循環を生み出すことが不可欠であり、公正な意向や雇用の確保の重要性を重く受け止めた規定としております。また、本法案成立後に、法案に基づき策定するGX推進戦略についても、この考え方を反映したものとします。カーボンニュートラルの実現と、競争力の確保と雇用への影響についてお尋ねがありました。今年2月に閣議決定したGX実現 に向けた基本方針では、脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長、産業競争力強化を同時に実現するため、GXを進めることが重要であるとしております。具体的には、御指摘のS+3Eの原則を大前提として、産業競争力の確保にとっても不可欠な、安定的で安価なエネルギー供給を確保するため、再エネの最大限導入、安全性が確保された原子力の活用を進めるとともに、徹底した省エネを進めてまいります。また、カーボンプライシングは、代替技術の有無や国際競争力の影響等を踏まえて導入しなければ、国外への生産移転や雇用の流出が生じる可能性もあります。このため、成長志向型カーボンプライシング構想は、技術開発も含め、企業が先行してGXに取り組む期間を設けた上で、当初低い負担から徐々に引き上げる形で導入してまいります。脱酸素への移行のためのコストについてお尋ねがありました。成長志向型カーボンプライシング構想の負担については、企業がGXに取り組む期間 を設けた上で、当初低い負担から徐々に引き上げる形で、具体的には、EUと同様に、既に商用化された代替技術を有する発電事業者が一義的に負担する特定事業者負担金と、化石燃料の消費に対し根付けする化石燃料付加金を組み合わせて実施します。また、その設計においては、広くCO2排出に対して適応される点で公平性を考慮したものとなっており、負担水準の算定方法を肯定し、制度開始前に示すことで、透明性も確保しております。今後の詳細な制度設計や運営においても、ご指摘の負担の公平性、透明性の観点などを十分に勘案して取り組んでまいります。脱炭素における国際的なルール作りについてお尋ねがありました。政府としては、脱炭素の取り組みを適切に評価し推進していくため、国際的な金融機関が参照する基準を含めて、GX関連の投入子を円滑に進めるための環境整備をはじめとしたルール作りを進めております。具体的には、鉄鋼における電路の活用や、将来的な水素還元製鉄の導入などの多排出産業が着実に炭素中立に向かうトラ ンジションの取り組みについて、国際資本市場協会等と連携し、基本指針や分野別ロードマップの策定をしております。また、国際的なサステナビリティ情報開示基準について、国際財務報告基準財団の議長と意見交換を行うなど、グリーンスティール、グリーンテスなどの市場形成に向けた国際評価手法の確立を推進してまいります。アジアをはじめとする諸外国に対する脱炭素化への支援についてお尋ねがありました。各国では、それぞれの実情に応じた脱炭素化に向けた取り組みが進められており、我が国としては、世界規模でのGXの実現に貢献するべく、国市場の形成やイノベーション協力を主導してまいります。アジアの脱炭素化に向け、先日、カーボンニュートラルに挑むアジアの各国とともに、アジアゼロエミッション共同体AZECという枠組みを立ち上げました。このAZEC構想のもと、標準づくりといった政策強調、カーボンニュートラル達成に向けた定量分析などを含むロードマップの策定や、脱炭素技術の開発、実証、実装等に向けた支援を行い、これら取り組みをG7を含む国際社会に発信しながら、アジアのGX実現につなげてまいります。GXに関する北海道への期待についてお尋ねがありました。御指摘の北海道の事例は、水資源、土地の拡張性、そして人材等の利点に加え、北海道が大きな可能性を持つ再生可能エネルギーの導入を他地域に先駆けて行い、クリーンなエネルギーを安定的に供給できるようにしたことも、一つの材料として、向上率を実現したと承知をしております。脱炭素化と経済成長を同時に進めていくというGXの地方への広がりの観点も重要になっている中で、地域の特色を生かして脱炭素化により向上率を呼び込んだ事例であり、他の地域の良いモデルケースになると考えております。このような事例を日本各地で増やし、全国において経済、社会、産業の前向きな大変革を実現したいと考えております。次世代半導体に関する人材育成と半導体の国内生産体制構築の意義についてお尋ねがありました。次世代半導体は、AIや自動運転などの次世代のデジタル技術を支えるキーテクノロジーであり、日米欧が連携して、2020年代後半の設計・製造基盤の確立に向けて取り組んでいるところです。ご指摘のとおり、北海道 には理系人材を輩出する大学や高専などが立地しており、ラビタスの拠点選定に当たっては、それらが要因の一つになったと考えられます。次世代半導体プロジェクトの実現には、それを支える人材が重要であります。例えば、九州をはじめ各地で、産学間連携による半導体の人材育成コンソーシアムが蘇生され、取り組みが強化されております。北海道においても、九州と同様の取り組みを進めてまいりたいと考えております。その上で、次世代半導体に限らず、半導体はあらゆる分野に使われる、いわば産業の脳細胞とも言うべきものであり、委員のご指摘のとおり、経済安全保障上重要な物資の一つであります。また、周辺地域への産業収穫等の経済波及効果も期待されており、例えば、熊本でのJASM新工場建設に伴い、地域に10年間で4兆円を超える経済効果と、7000人を超える雇用を生むとの試算もあります。半導体製造基盤の強化が、投資、イノベーション、所得向上、この好循環の実現につながってきております。こうした観点を踏まえ、経済産業省としては、令和4年度補正予算で半導体関連予算として約1.3兆円を措置しており、これを活用し、我が国半導体産業の復活に向けて大胆かつ迅速に取り組みを進めてまいります 。GX経済交際の支援規模についてお尋ねがありました。欧米を中心に出す炭素化を成長の機会と捉え、いかに先行して利益を得るかという新技術、新製品の実装と市場獲得の競争が始まっております。こうした中、まずは10年程度の先行投資支援で構造転換を促し、いち早く新市場獲得を実現することが重要であり、今後10年間で約150兆円超の官民一体でのGX投資を実現していくことといたしました。この150兆円超の官民投資を喚起するために、新たな市場需要の創出に効果的につながるよう、規制制度的措置と一体的に20兆円規模の大胆な先行投資支援を講じていくこと、カーボンプライシングによるGX投資先行インセンティブを導入すること、国内外から民間資金の供給拡大に向け、官民協調でのいわゆるブレンデッドファイナンスなどの活用を推進すること、という3つの投資促進策を一体的に講じてまいります。また、20兆円という支援の規模は、必要な廃止削減規模や経済規模などの観点からも、現時点での他の先進国の支援規模と遜色ないものと認識しており、不十分とは考えておりません。鉄工業への支援についてお尋ねがありました。20万人の雇用を抱える鉄工業は、我が国経済を支える屋台骨である一方、我が国産業部門の約4割のCO2を排出するセクターであります。鉄工業などのCO2多排出産業において、世界に先駆けて技術革新に挑戦することで、今後創出されるグリーン市場の獲得につなげていくことが、GX実現に当たっての最大の課題の一つと考えております。このため、グリーンイノベーション基金などを活用し、水素還元製鉄などの革新的な技術の開発を支援しており、今後も国際協調を踏まえ、支援の拡充を検討してまいります。こうした支援を含め、今後、成長志向型カーボンプライスイング構想の下、政府として今後10年間で20兆円規模の先行投資支援を行う方針であり、国際競争力強化、経済成長と排出削減のいずれにも貢献する取組に対しては、鉄工業界も含め、大胆な支援を行ってまいります。GX推進機構についてお尋ねがありました。GX推進機構は、主として化石燃料付加金や特定事業者負担金の徴収や排出用取引制度の運営といった公平性・中立性が求められる業務を担うことになるため、営利を目的とせず、株式会社形態ではない認可法人として設立いたします。また、GX推進機構は長期かつ大規模で、直ちには収益の見込みが立ちにくいGX投資に対する民間金融機関等の融資を引き出す観点で、債務保証を行うことを中心とした金融支援を行います。一方、クールジャパン機構は、財政投資を活用する機関として、長期的な収益性の確保を前提とする株式会社形態で設立され、主に出資を行っており、法人の目的、形態、主な金融手法に関しては、GX推進機構とは大きく異なっていると考えております。
58:50
山岡徹まる議員からは、まず平成27年5月12日の参議院総務委員会の答弁の経緯についてお尋ねがございました。ご指摘の私の答弁は、委員会の前夜に質問通告をいただきましたので、条文と畜生解説を参考にしながら、自ら答弁、答弁案、一つ一つに目を通して確認し、答弁させていただいたものでございます。また答弁の中でも述べておりますとおり、これまでの放送法の解釈を変えるものではなく、不自由的な説明であり、それまでと違う答弁をしたというご指摘は当たりません。次に、平成27年2月13日の政治的公平性に関するレクについてお尋ねがございました。当時、様々な部局より、法律案や決裁案件などレクを受けておりましたが、平成27年2月13日に、磯崎元総理補佐官と総務省事務方とのやりとりや、平成27年5月12日の参議院総務委員会の答弁案など、放送法の政治的公平に関するレクを受けたことはございません。そもそも、磯崎元補佐官と総務省放送部局がやりとりをされることにつきまして、私も当時の大臣室の職員も先週まで知りませんでした。当該文書の配付先には大臣室も事務次官も入っておらず、また大臣室のパソコンからは放送部局のフォルダは開けないといったことから、当該文書について当時チェックをすることも不可能でございました。ご指摘の私の発言とされる内容につき、私は一切発言をしておりません。なぜ作成できるのかというご質問を私にいただきましても、私にはお答えできません。次に放送法の解釈についてお尋ねがございました。平成27年5月12日参議院総務委員会における私の答弁は、昭和39年に当時の郵政省政府参考人が行った「極端な場合は一つの番組で判断することがあり得る」旨の国会答弁とも整合性の取れたものであり、これまでの放送法の解釈を変えるものではございません。最後に当時の部下の職員についてお尋ねがございました。総務省に正確性が確認されていない文書が保存されていたことは大変残念でございますし、私自身大きなショックを受けております。ただ私は足掛け4年にわたって総務大臣を務めました。今でも総務省には愛情を持っておりますし、多くの素晴らしい職員がいらっしゃることは誰よりも承知をしていると思っているつもりでございます。
1:02:10
経済産業大臣から答弁を補足したいとの申出があります。
1:02:16
これを許します。経済産業大臣 西村康俊君。
1:02:22
((( 答弁は書いてないですよ )))答弁漏れがございましたので、お詫びを申し上げ、追加で答弁させていただきます。GX政策推進のための中小企業への支援についてお尋ねございました。産業競争力の強化とカーボンニュートラルの実現を同時に達成するためには、大企業のみならず、中小企業も取り残されることのないよう、GXの取組を支える官民での環境整備が不可欠であります。このため、令和4年度第2次補正の中小企業対策予算の中で、例えば、温室効果ガスの排出作源に資する革新的な製品等の開発に必要な設備投資等を支援する、ものづくり補助金のグリーン枠を拡充する、また、事業再構築補助金のグリーン成長枠についても、中小企業の使い勝手が良くなるよう、研究開発期間を2年から1年に短縮する、など要件緩和を行いました。さらに、こうした支援がより効果的に中小企業に届くよう、中小機構における相談窓口の体制強化や、専門家によるハンズオン支援の体制構築などで中小企業を支援してまいります。