20:04
これより会議を開きます。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正をめぐる諸問題について自由討議を行います。この自由討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず各会派1名ずつ、大会派順に発言していただき、その後各委員が自由に発言を行うことといたします。それでは、まず各会派1名ずつによる発言に入ります。発言時間は7分以内といたします。発言時間の経過につきましては、おおむね7分経過時にグザーを鳴らしてお知らせいたします。発言は、自席から着席のままで結構でございます。発言の申出がありますので、順次これを許します。
21:04
おはようございます。本日から国会で憲法議論の実質的な協議が開始されますが、これまでの議論の到達 点につきまして述べてみます。第一に、緊急事態条項、特に国会機能維持についてです。我が国を取り巻く安全保障環境の緊迫化や大地震、新型コロナの蔓延などを背景といたしまして、国民の間には、緊急事態においても国民の声が国政に届く仕組みをあらかじめ憲法に構築しておいてもらいたいとの世論が高まっており、この最重要課題に応えようとするのが、議員任期延長をはじめとする国民の生命財産を守るための国会機能維持であります。衆議院での議論は、参議院の緊急集会を軽視しているのではないかとの誤解があるようですけれども、そのようなことは全くありません。現行の憲法の定める参議院の緊急集会はあくまで、衆議院解散による総選挙が実施される見通しがついているということが大前提になっているものでありまして、そのような場合には、今後とも参議院の緊急集会で対応するということは当然のことであります。これに対して私たちが提案している任期延長というのは、衆議院の総選挙のみならず、参議院の通常選挙も含めまして、その実施が全国の広範な地域で困難であり、かつそれが相当程度地方機関に及ぶ場合の措置、つまり参議院の緊急集会の規定すら想定していなかった憲法の空白にどう対応していくかという問題でございます。また、議員年長はお手盛りだ、身分保持のための憲法改正だという声につきましても、これは任期延長が目的なのではなくて、あくまでも国会機能の維持が目的であります。緊急時においてこそ、被災者、国民の切実な思いを国政に反映しなければなりませんが、そのためには、任政国会をフルに機能させる措置がこの国会機能維持策なのであります。だからこそ、任期延長だけではなくて、閉会禁止、また解散禁止の措置も講じることとしておりまして、これらをセットにした緊急事態条項は十分に合理性が認められると、識者からも評価をされております。第2に、憲法における自衛隊の明記が必要であるということについてです。有事という典型的な国家緊急の場合における実力措置について、国家の基本法に定めておくことは、世界各国憲法の常識でありまして、最近の国際情勢に鑑みましたら、その重要性はますます高まっております。自民党は平成30年に自衛隊明記の条文イメージを発表いたしましたが、これは現行9条1項2項を維持するものであり、自衛官の行使は必要最小限度という現在の解釈に全く変更はありません。憲法に自衛隊を明記するということは、多くの会派においてほぼ合意が形成されつつありますが、残る論点といたしましては、戦争放棄、戦力保持を定める9条付近に規定をするのか、それともシビリアンコントロールの観点から73条の内閣の章に規定をするのか、いずれの主張にもそれぞれの思いがあることでありますが、目的は憲法に自衛隊を明記することでありまして、憲法改正という国家、国民にとっての一大事業を成し遂げるには、自節にこだわるのではなくて、大同団結が必要であります。いずれにしましても、違憲状態のままで自衛隊に任務を与えているように思う国民がいまだいる状態は、早く解消すべきであります。諸外国の憲法改正をつぶさに見てこられた憲法調査会長の中山太郎先生は、「多様な国民の基本法となる憲法だからこそ、偉大なる妥協が必要だ」と言っておられることを改めて思い起こす次第でございます。第3のテーマは教育の充実についてです。日本維新の会がすでに平成28年に教育無償化の憲法改正案を発表されていますが、最大の課題は経済格差による教育格差でありまして、誰でも能力や意欲、適性、個性に合った教育が受けられる環境を整備しなければ なりません。自民党の叩き台素案におきましても、国は各個人の経済的理由にかかわらず、教育を受ける機会を確保できる教育環境の整備に努めなければならないとしております。教育の格差の是正、子育て支援、またデジタル化など、教育立国を目指す枠にとって、喫急の課題でありまして、今こそ国民の教育を受ける権利を実現、実質化をし、そして国の教育環境整備の責務を憲法に規定をして、教育立国を宣言する必要があると思います。また、私学女性を禁止しているかのように読まれる89条の改正も行う必要がありまして、今後、条文化に向けて議論を進めていければと思っております。4番目のテーマは、デジタル時代の新しい人権についてであります。昨年の臨時会で立憲民主党の品幹事から、党の憲法調査会のワーキングチームの議論を踏まえて、国民投票法の問題とは切り離して、情報化時代の新しい人権として、自己情報コントロール権、情報アクセス権、情報環境権の3つのデジタル人権を議論しようという提案をいただきました。衆議院憲法審査会としても、山本達彦慶応大学教授を参考人として招くなど関心を持って取り組んできたところでありますが、立憲民主党側からの積極的な提案として、懐を広く受け止めておりまして、さらに議論を含めてまいりたいと思います。最後に、今後の議論の展開につきまして、各党の条文起草作業に向けて提案を申し上げます。緊急時の国会機能の維持につきましては、いつでも条文起草作業に入っていけれるところまで議論は進んでおります。その他にも、条文起草作業に入る一歩手前のところまで来ているテーマもあります。この状況を踏まえまして、今後の審議のためには、幅広い会派間で憲法改正原案作成の協議を行う環境を早期に整備することを提案いたします。もちろん、反対の意見もお持ちの会派もあると思いますが、その場合でもぜひ、協議のテーブルについていただきまして、御意見を述べていただきたいと考えます。憲法審査官におきましては、国民に開かれ率直で、そして透明性のある丁寧な議論をしてまいりたいと思いますので、引き続き委員各位の御協力をお願い申し上げまして、自民党の意見発表といたします。ありがとうございました。
29:03
皆さん、おはようございます。大坂誠二でございます。よろしくお願いいたします。日本国憲法といえども、決してすり減ることのない不満の対天ではないと考えております。従いまして、一時区変えてはならないというものではありません。社会の変化に応じて、不断の見直しを行うことが求められていると考えております。ただ、その見直しを行う主体、これは憲法で命令される側の国会ではなく、主権者である国民自身です。ここに立憲政治の確信があると考えています。ところが、最近の憲法議論を見ていると、この立憲政治の確信が由来でいると感じております。1月30日、岸田総理は施政方針演説で次のように述べました。総裁任期中に改正を実現したいとの思いに変わりはなく、議論を前進させるべく最大限努力をしたいと考えています。今年は条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速してまいります。本来、まな板の上の小いである公権力の側の総理自身が期限を区切った上で、条文案の具体化と議論を加速することに言及したことに、私は大変驚きました。3月3日の衆議院予算委員会で、この総理発言に対する私の質問に、岸田総理は次のように答弁しまし た。昨年12月、自民党総裁として、衆参の憲法審査会の幹事など、関係者に対して国会の発議に向けて各党と共有できるような叩き台案について、ぜひ議論を進めてもらいたい。党総裁としては、そういった要請をした。国会において、条文案の具体化を加速していくためにも、我々自民党として、そういった議論をリードするべく、まずは自らの考え方を整理し、その議論に臨んでいかなければならない。私は、岸田総理のこうした姿勢や答弁に触れ、憲法を変えること自体が目的化していると危惧しております。これは極めて危ういことであり、こんなことをすれば、憲法の価値を既存させてしまいます。立憲主義を進化させる観点から、憲法議論を真面目に下向きに行うことは、憲法の役割、その意義を常に確認する観点からも、極めて大切なことです。しかし、とにかく憲法を変えたい、どこか変えやすいところからとりあえず変える、こうしたことが目的化する議論は不見識です。特に、数の力でその議論を押し切る姿勢は、つつまねばなりません。さて、自民党の裏金問題、そのお金の使い道も含め、善用は全く明らかになっておりません。法律を犯しているかもしれない議員を多く抱える自民党、及びその総裁 が、国会議員を縛るとも言うべき憲法改正を、こわだかに叫ぶ切度のなさに驚きを禁じ得ません。裏金問題の解決もできず、事情作用のない自民党が、憲法改正を論ずることに正当性があるのでしょうか。一刻も早く裏金問題に、けりをつけていただくことを強く要請します。私は本来の当事者である国民自身の議論を喚起することこそが重要であり、そのための素材を提供するという謙虚な姿勢で、憲法議論に臨みたいと思っています。次に立憲民主党の綱領の話をさせていただきます。私たちは立憲主義を深化させる観点から、未来志向の憲法議論を真摯に行います。これは立憲民主党の綱領の一文です。綱領の素案は私が書きましたが、この一文も私が書いたものです。立憲主義とは権力者、国会議員、公務員、裁判官などの権力乱用を抑えるために憲法を制定するという考え方です。立憲主義を深化させるとは、権力者の権力の乱用を抑制する方向で考えを深めることです。次に未来志向。この言葉は難しいのですが、いくつかの思いを込めています。未来志向といえば、過去を一切不問二伏かのように聞こえるかもしれませんが、もちろんそうではありません。日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義、この三大原則を守ることは当然です。日本国憲法の平和主義は、先の戦争への反省に基づいて、基本原則として採用されたものです。三大原則を守るということは、過去への反省を前提にした未来志向であることは言うまでもありません。また、日本国憲法の成り立ちについて、いろいろな御意見があることは十分承知しております。一方、今の日本国憲法は施行後70年以上が経過し、この憲法の下で日本の様々な営みが行われてきたのは厳然たる事実です。その事実を消し去ることはできません。したがって、成り立ち云々に言及してはならないとは考えておりませんが、ことさら強調するのは意味をなさないとも言えます。未来は過去の積み重ねと今の延長線上にあり、時代や社会は動いています。過去を踏まえた上で、時代の変化などに合わせて、憲法をより良くするために、変えるべきところがあれば積極的に対応する。これが私の思う未来志向の憲法議論です。私は立法事実の存在と国民の納得があれば、いずれかの日には憲法改正をすべき時期を迎えると思っています。しかし、その際には多くの国 民が納得する結果となるように、私たちは努める必要があると考えます。よもや国民の対立を煽り、国民が分断されるようなことはしてはなりません。憲法に関する議論を落ち着いて進めたいと思います。なお、先ほど中田幹事から発言のありました議論の到達点については、到達点とは何かも含め、今後その内容を丁寧に点検させていただきたいと思います。以上です。
35:26
日本維新の会教育無償化を実現する会のババ、信之です。本日ようやく今国会初となる本審査会の実質討議の場が持たれました。昨年の通常国会では3月2日に最初の実質討議がなされました。それでも遅いくらいでしたが、今国会では和をかけて1ヶ月以上も空避されました。誠に違和です。去る4日に開かれた本審査会は、幹事選任の手続きのみで、わずか数分で終わりました。この非生産的であられもない立法府の姿を国民の皆さんはどのようにご覧になっていらっしゃるでしょうか。審査会開催事態に反対している共産党は論外として、立憲民主党の集大は目に余ります。国家の根幹たる憲法を議論する場に、関係のない自民党派閥による裏金問題を持ち出し、本審査会の開催にブレーキをかけ続けてきたことは、不見識の極みだと断じざるを得ません。国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に、不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは、国会議員に課せられた重大な責務であり、奥面もなく難癖をつけて、拒否を決め込むのは言語道断です。我が市中山太郎先生が、憲法調査会長時代に会長代理を務めた中野寛生元衆議院副議長は、往年、憲法論議に対してあるべき与野党の姿勢をこう活発されました。すなわち、与党には野党を包み込む奴隷が、野党にはそれ に応える良識が必要だと。野党筆頭幹事の大坂委員に伺います。大坂委員にとって、民主党の先立ちの敬願と存じますが、その言葉をどのように受け止めますか。今国会での憲法審査会をめぐる立憲民主党の対応は、良識にかなったものであると胸を張れますか。会見に反対の立場であっても、議論のテーブルにつき、堂々と反対の論順を張るのが筋ですが、謙虚不快に過ぎない反対論をぶっても、国民に支持、理解を得る自信がないため、議論から逃げ回っているのが実態ではありませんか。逃げないでお答えください。平成23年10月に、衆参両院で憲法審査会が始動してから12年半が経ちました。西尾山小松澤大学名誉教授の調べだと、スタートから令和4年までの約11年間における本審査会の運営経費総額は約19億円、参議院憲法審査会のそれは約14億円、両院トータルで33億円超に上りました。ちなみにこの金額には、23年度から25年度の職員の給与関係費は含まれていません。一体これほどの国税を使ってどれだけの成果があったのでしょうか。国費の無駄遣い以外の何物でもありません。もはや不毛な意見発表会に浮き身をやつしているいと まはありません。岸田総理は今年9月末の自民党総裁任期までの憲法改正実現を目指すと明言されています。国民投票の実施には国会発議後60日から180日間必要なため、この国民への重い約束を果たすには、今国会終盤までに発議をしなければなりません。ただちに条文案の起訴期間を設け、改憲項目を絞り込み、憲法改正原案の策定に着手すべきです。本審査会を開期末まで、毎週定例日に開催してもあと10回です。時間が足りなければ定例日以外の開催は当然ですし、衆議院憲法審査会規定によると、閉会中も手続きの必要なく開催し、付託された憲法改正原案を審査できます。長田町の悪しき前例主義に恒例せず、ゴールに向かってギアを上げ、作業を進めていくことが不可欠です。本審査会ではこれまで大規模災害など有事に対応する緊急事態条項の創設をめぐり、自民党、公明党、国民民主党、有志の会、そして日本維新の会の5党派が緊急時には必要に応じて議員任期を延長できる条項を設けることなどの必要性で一致し、国民民主党有志の会、日本維新の会の3党派は独自に条文案をまとめました。喫緊の改正項目は、元日に襲った野党反党地震で改めて浮き彫りになったように、緊急事態条項の創設はもちろんのこと、憲法9条への自衛隊名記や教育無償化の名記などがあります。それらを軸に、遅滞なく改正原案の合意形成を図るべきです。とはいえ、やる、やると異性よく叫びながら、得てして抵抗勢力の立憲民主党と慣れ合い共闘している自民党、そして、指揮官たる総理自身の本気度は疑わざるを得ません。自民党にはこれ以上、特定野党の妨害行為を許さず、改憲を問うぜとする与党として議論をリードしていく責任があります。与党筆頭幹事である自民党の中谷委員にお尋ねします。総理が掲げる改憲目標の実現に向け、いつまでに改正原案を仕上げ、いつまでに国会発議に持ち込むかなど、具体的にどのようなスケジュール感で党審査会での議論を進めていくお考えでしょうか。衆議院において憲法改正原案は、提出者を含む101人の賛成で提出できます。立憲民主党がまた審議を妨害するような愚行に走れば、同党抜きで審査を進め、最後は多数決で民主的に改正原案を策定すべきだと考えますが、いかがですか。公明党の北川幹事にも伺います。状況によっては立 憲民主党抜きで、憲法改正をめぐる審査を進めることも、やぶさかではないとお考えでしょうか。また改正原案の集約に向け、公明党幹部は参議院側との党内調整が難しい旨発言されていますが、集会遅れの参議院憲法審査会を動かすためにも、ぜひとも党内の合意形成にご尽力をいただけませんでしょうか。さて、昨今、今国会会議中の衆議院解散がささやかれています。まさか岸田総理が国会発議をほったらかしたまま、解散に踏み切ることはないと存じますが、解散するなら9月の総裁任期までの会見実現の前提となる国会発議を成し得た上で、総選挙に臨むべきだと考えます。選挙後、たとえ総理総裁が変わっても、国民投票は実施されます。そもそも憲法は、主権があって初めて制定・改正されるべきものですが、戦後GHQ側が天皇の一心の保障はできないという脅し文句で、急ごしらえした草案を日本政府に押し付けました。帝国議会での修正もGHQの許可が必要でした。今こそ主権喪失のもとで作られた現憲法が抱える諸問題を乗り越え、憲法を国民の手に取り戻す時です。我が会派は会見論議の先頭に立ち、一日も早く国民投票が実施 されるよう、全力を傾けることを約束し、意見表明を終わります。ありがとうございました。ただいま、馬場信之君のご発言の中で、大坂誠二君、中谷玄君、北川和夫君の3区に対してご質問がありましたけれども、馬場君の質疑時間を終了しておりましたので、後ほど自由投議の中でお答えになる方は、適宜ご発言をお願いしたいと思います。
43:54
公明党の北川和夫です。衆議院の憲法審査会では、昨年2022年1年間で20回、昨年2023年1年間で19回、この2年で計39回の実質投議を行ってまいりました。委員の皆様の活発な憲法論議に心から敬意を申し上げたいと思います。これからも毎週の定例日には、憲法審査会を開催し、憲法論議を推し進めていくべきと思います。この39回の投議の中では、様々なテーマが取り上げられましたが、特に研究事態における議員任期延長問題については、多くの会派の委員から発言がありました。議員任期延長について議論となった審査会の回数は、この39回のうち33回に及びます。論点は既に出尽くしていると言わなければなりません。この間、緊急事態条項の論点について衆議院法制局において、昨年12月1日、昨年6月15日の2度にわたって論点整理をしていただきました。この論点整理を見てもわかるとおり、自民・公明・維新・国民・有志の会の5会派においては、参議院の緊急集会の意義と適用範囲、議員任期延長の必要性、議員任期延長の具体的な要件と効果等について、若干の意見の相違点があっても、基本的な考え方はほぼ一致しています。今後の憲法審査会では、緊急事態における議員任期の延長というテーマについて、改正条項案の叩き台を作成し、これをもとに議論を深めていくべきと考えます。内容の賛否は別として、その方がより建設的な議論となりますし、仮に懸念される点があっても、より具体的、的確な、的確な討議ができるのではないかと思います。一方、緊急事態における議員任期延長問題に関連して、立憲民主党の考え方について、私からの質問を受けまして、昨年12月7日の憲法審査会で、今日もご出席をされておられます奥野委員からお答えをいただきました。奥野委員からは、概ねつきのような発言がありました。議員任期延長問題について、党内にワーキングチームを設置し、一応の結論を得たとされ、その概要が紹介をされました。公職選挙法に定められた栗の部投票制度には、4つの問題点があることを指摘された上で、被災地以外も含め、一体性が確保できる程度の地域で選挙が実施できる時点まで選挙を延期する。また、衆議院総選挙が延期されている間、参議院の緊急集会での対応を可能とするとともに、従来限定的に開始されてきた緊急集会の権限・案件を拡充し、選挙困難事態制度を創設して、参議院の緊急集会に完全な国会機能を与える。繰り返しますと、第一に、衆議院解散から70日を超えて、選挙の適正な実施が困難な選挙困難事態には、その地域で選挙を延期すること。これは、私どもの言う「選挙困難事態があり得ることを認められた」と理解できます。そして第二に、緊急集会の権能を拡充して、完全な国会機能を与えることの2点を提案をされています。これは、衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に衆議院議員の総選挙を行うとした憲法54条1項や、また、任意性を定めた憲法42条、両議員の同時活動の原則を定めた54条2項などに明らかに疎後するもので、私にはともに憲法改正が必要な提案と受け止められます。以上の私の受け止め、認識は間違っていないのかどうか、その後、この取りまとめはどうなったのか、また改 正の具体的な内容の検討状況について、さらにどのように進んでいるのか、この審査会にぜひお示しいただきたいと思います。先に述べましたように、今後の憲法審査会では、緊急事態における議員任期の延長については、改正状況案の叩き台を作成し、これをもとに議論を深めていくべきと考えますが、その作成に当たりましては、他の会派の皆さんとも協議調整をしまして、叩き台となる案を具体的に提示できるようにしてまいりたいと考えます。その基本的な内容については、2023年6月15日審査会での論点整理にあるとおりで、詳細ははびきますが、5会派間のいくつかの相違点、例えば選挙困難事態の認定に当たっての国会承認の議決要件や司法の関与等については、同じく昨年6月15日の審査会で、私が提案している内容で調整できればと考えております。さらに、改正条項案の項目に、緊急事態における国会機能の維持という観点から、次の2点を追加できないかと提案をします。ともに憲法解釈が置かれていると思われている事項を、憲法に明文化する内容です。1つは、衆議院議員の任期満了後に、総選挙が行われる場合においても、国に緊急の必要があるときは、内閣は参議院の緊急集会を求めることができると明記することです。もう1つは、オンライン国会です。国会議員が議場に参集することが困難なときは、情報技術通信を利用する方法等で会議に出席することができると明記することです。各会派に おいても検討をしていただければと思います。国民投票制度に関連し、国民投票、広報協議会の役割を充実強化していくべきとの意見は、これまでも多くの委員から発言をされているところです。まずは広報協議会規定を策定しなければなりません。昨年11月21日の衆議院憲法審査会の幹事コンで、規定案等について協議をいたしましたが、最終的には両議員の憲法審査会幹事会で協議し、広報協議会規定の成案を得る必要があります。特に憲法改正国民投票法が制定された当時は、インターネットが現在のように普及されていなかったこともあり、インターネットを活用した情報発信やインターネット広告について国民投票法等には何も書かれておりません。国民投票に当たって、国民に正確な情報を提供することは必要不可欠であり、また偽情報や誤情報を排除するためにも、広報協議会の役割は極めて重要です。憲法審査会の幹事会のもとに、広報協議会規定の基礎委員会を設けて早急に議論を開始すべきと改めて提案をいたします。以上、私の意見表明といたします。ただいまの北川君の御発言の中で、立憲民主党多くの委員に対する御要請がございましたけれども、質問時間が終了いたしておりますので、いずれかの機会に立憲民主党からお答えを願います。
52:19
会長、日本共産党の赤嶺政賢です。私たちは、会見のための憲法審査会は、動かすべきではないという立場を表明してきました。それは、国民の多数が会見を求めていないからです。国民の中から会見の要求がないのに、政治権力を持つ側が会見を献殿し、雰囲気を作り出し、国民に会見を押し付けるのは本末転倒と言わなければなりません。加えて重大なことは、裏金事件で自民党政権が国民の信を失ったもとで、会見を議論する前提そのものを書いているということです。裏金事件は、自民党の主要派閥が政治資金パーティー収入を派閥ぐるみで裏金化するという政治資金規正法違反を長年にわたって行ってきたものであります。前代未聞の極めて悪質な組織的犯罪行為であり、自民党全体が問われているのであります。政治資金規正法は、政治資金の収支の状況を国民の不断の監視と批判のもとに置くことで、政治活動の公明と公正を確保すると強調しています。長年にわたって国民を欺き、議 会正民主義の土台を踏みにじってきた自民党に会見を語る資格はありません。自民党がやるべきは、いつ誰が裏金システムをつくり、裏金を何に使ったのか、その内容全容を明らかにすることです。ところが、成林審に出席した安倍派幹部らは、秘書に任せていたわからないなどと何も語らず、疑惑は深まるばかりです。にもかかわらず岸田首相は、真相解明に蓋をし、党内処分で幕引きしようとしています。絶対に認められません。今、国会が果たすべき使命は、関係者を承認・観問し真相解明をすることです。会見のための議論を進めることではありません。もう一つ重大なことは、岸田政権が憲法に基づく平和国家としての理念を次々に破壊しようとしていることです。現実の憲法理念の破壊を放置して会見を議論することは、まさに立憲主義を蹂躙するものであり、断じて許されません。今、沖縄県鶴間市では、政府が陸上自衛隊の新たな訓練場の整備を、住民に一切の説明なく決めたことに怒りが沸き上がっています。自治体・住民は、党派を超えて計画の断念を強く求めていますが、政府は整備を強行する構えです。国が決めたことには、黙って従えと言わんばかりの姿勢で、民主主義も地方自治もないがしろにするものであります。武器輸出の問題も、岸田政権は、昨年12月殺傷能力のあるライセンス兵器などの輸出を、今年3月には殺傷兵器の最たるものである磁器戦闘機の輸出を一変の閣議決定で容認しました。国際紛争を助長し、憲法の平和主義を投げ捨てる傍挙です。さらに、今回の日米首脳会談では、日米の四季統制の連携を強化することで合意しました。台湾誘致などを想定し、自衛隊を米軍の指揮下に一層深く組み込み、日米一体で敵基地攻撃を行うための体制強化にほかなりません。日米の軍事産業の連携を強化する協議隊を立ち上げ、アメリカ、イギリス、オーストラリアの軍事同盟オーカスとの先端軍事技術での協力を検討することも確認しました。自衛隊も軍事産業も、全てをアメリカの戦略に組み込み、利用しようとするものです。アメリカのエマニエル駐日大使は、岸田政権は70年来の安全保障政策を根底から覆したと称賛しています。アメリカの軍事戦略に追従し、憲法を踏みにじり続けているのが岸田政権です。この憲法十輪の政治を正す議論こそ、私たち国会議員に求められているということを強調し、発言を終わります。
58:01
国民民主党の玉木雄一郎です。先ほど維新のババ代表から、長山太郎先生と長野寛生先生の話がありましたけれども、ずっと同じような議論になっていて、もう少し与野党を超えた建設的な議論ができないものかなと思います。その観点から、今から申し上げますけれども、皆さん、前回この憲法審査会が開かれたのをいつか覚えていらっしゃいますか。去年の12月7日です。あれから4ヶ月経っていますが、憲法改正の具体的な議論は1ミリも進んでいません。前回、最終回だったと思いますが、中谷議員、平人幹事から、既存に向けた機関を創設する旨の発言がありましたけれども、発言があっただけですね。衆議院の憲法審査会規定第8条では、閉会中にも開かれるという規定がありますが、開かれませんでした。でも一方で岸田総理は、総裁は、姿勢保守演説や自民党の党大会で一斉のいい掛け声だけは続けています。残念ながら私にはパフォーマンスしか見えません。そこでまず中谷筆頭幹事に確認したいのは、岸田総裁として3月17日の党大会で、総裁任期中に実現するとの思 いのもと、今年は条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速してまいりますと述べられましたけれども、これはどういう意味なんでしょうか。9月までの現在の総裁任期中の憲法改正はもう諦めて、総裁選で再選されることを前提に、年内、つまり秋の臨時国会で条文案の具体化を進めるという、そういう趣旨を宣言されたのか、それでもあくまで9月までの今の任期中の憲法改正を考えておられるのか、この発言の意味がわからないので、真意を教えていただきたいと思います。もし今の任期中に憲法改正を目指すのであれば、今後から10回の審査会しかありません。既に先ほどの幹事会で次の審査会も自由討論と決まりましたので、間に合わないと思います。憲法改正のテーマを絞り込み、条文案を作り上げるということが果たしてできるのか、正直絶望的だと言わざるを得ないと思います。明確なスケジュールや戦略もなく、だらだらと時間を浪費するべきではないと思いますので、具体的なスケジュールと戦略を与党筆頭幹事として明確にお示しをいただきたいと思います。9月までの任期中に改憲したいならば、もう選択肢は1つしかないと思います。これは既にいろいろな方々から意見が出ていますが、これまで丁寧な議論を重ねて、5回派で概ね意見の集約が図られてきた緊急事態における議員任期の特連調規定を中心とした憲 法改正だと思います。日本維新の会、有志の会、そして我が党国民民主党の2都1会派による共通条文は既にありますので、会長にもお願いしたいのは、中谷人幹事がおっしゃった、起草に向けた期間を具体的に動かしてもらいたいと思います。もう1つ自民党に申し上げたいのは、今からあまりテーマを広げないでほしいということです。テーマを広げても、本年9月にはますます間に合わなくなります。特に9条の2を創設して自衛隊を明記する、いわゆる自衛隊明記論については、これ何度も申し上げていますが、意見論を解消することのできない、法律的にはほとんど意味のないものであって、労多くして益なしの改憲案です。個人的な意見を申し上げれば、まだ2012年の自民党改憲案の国防軍の創設の方が、法律的には筋が通っています。自民党の自民党明記案の最大の課題は、仮に自衛隊という組織名が明記されたとしても、その自衛隊の行使する自衛権の範囲については、これまで同様に解釈に委ねるとしています。条文の改正案を議論するときに、その条文を解釈に委ねるという条文改正案は意味がわかりません。もしその解釈があるとすれば、その解釈を明示すべきではないでしょうか。条文上、戦力法事を定めた9条2項との関係で、意見論争が、特に共 産党さんからの意見の指摘に対して答えられないような改正案ほど、私は意味のないものはないと思っていますので。そこは自民党も一度、安倍総理のときの、いろんな背景があったと思います。まさにこのゴールデンウィークを迎える中で、読売新聞に発表したあの4項目間は、一つの妥協点だったと思いますが、一旦原点に変えて、本来やるべき9条改正案、自衛隊の組織として、あるいは行使する自衛権についてどうするのかという議論を、党内でもしっかりやっていただきたいと思います。それが責任与党としての、私は役割だと思います。我が党は、自衛隊の行使できる自衛権を、戦力保持を定めた9条2項の例外として明確に位置づけるなど、本質的な議論が必要だと考えておりますが、繰り返しにありますが、この議論は9月までには間に合いません。荒い議論もすべきではないと思っていますので、この点については改めて申し上げたい。その上で、永谷一統官、人事院質問なのは、自民党として改憲テーマの範囲ですね、スコープ。これは、つまり最初の憲法発議というのは、1つの項目では駄目なのか、複数項目を必ず提示しなければならないのか、そのことについてどう考えているのかも、併せて教えていただきたいと思います。次に、野党代理大臣の立憲民主党さんにも、これはお願いです。先ほど大阪さんから大きな方針が示されましたけれども、ぜひ憲法改正絶対反対ではなくて、前向きに議論に参加をしていただきたい。特に有事における権力統治のあり方については、イデオロギーを超えて、国会中心主義の観点から合意が得られるテーマだと考えます。野党反党地震が本年1月1日に発災しました。あれから実はもう100日以上経っています。先日、鈴市、七尾市、各地域を私も訪問しましたが、現時点において東海各区はそのままです。駿河に北陸新幹線が延伸して、金沢はもうまるで震災がなかったかのようなにぎわいを取り戻していますが、逆に県内での格差がすごく感じました。今、仮にですね、この発災直後に任期満了を衆議院が迎えたとして、今の私は石川山区では円滑に選挙はできない可能性が高いと思います。水も通っていません。やはり70日を超えて選挙ができない事態に備えた、現任期の特連庁規定が必要だと改めて思います。もし今ですね、近藤和哉さんや西田昌司さんが国会にいな かったとしたら、被災地の実態を踏まえた議論はできたでしょうか。金沢では先ほど申し上げたように震災の痕跡もないので、全県の参議院議員だけでは私は不十分だと思います。立憲民主党が長期間選挙ができない場合には、参議院の緊急集会を滑稜する場合は良くて、現任期の延長規定は必要ないという立場だと承知していますけれども、奥野さんにちょっと違うと思いますが、その対応をやるときにはですね、違憲の可能性は否定できないと思います。これは北川幹事がおっしゃった通り。特にですね、これは何度も私が申し上げていますが、2つです。暫定予算だけではなくて、本予算の審議も緊急集会に直すことができるのか。あとは相手国のある条約の承認ですね。これもできるのか。この点については具体的にどう考えるのか、立憲民主党の考えを知りたいと思います。仮に本予算の議決や条約の承認を参議院の緊急集会に認めることになれば、それは少なくも現行憲法下では、一時的、暫定的、限定的である緊急集会の本来の権限を変えることになります。予算と条約には衆議院の優越が認められていますし、現行憲法にもですね、例えば集散同時活動の原則もあります。70日を大きく超えて、しかも本予算や条約といった範囲まで権限を広げるのであれば、その場合は我々とは違った憲法改正案が必要ではないでしょうか。立憲民主党の考えを伺いたいと思います。なお、立憲民主党さんは、憲法改正の条文作りをも国民投票法の議論を先にやるべきと主張されているとも承知しておりますが、これは両方を並行してやればいいと思います。私たちも、立憲民主党さんがおっしゃっているような、広報協議会の協会やネット対策などには賛同できる部分も多いので、我が党としても国民投票法の改正案には協力していきたいと思います。いずれにせよ、憲法改正をやるやると言ってやらない与党自民党と、憲法を変えてはならないとこだわる野党との間の奇妙な共闘関係の続く、ネオ55年体制が続く限り、憲法改正をめぐって、これ実際野党側が割れ続け、結果政権交代が実現しないのではないでしょうか。逆説的に聞こえるかもしれませんが、今の硬直した状況を打破するためには、野党第一党である立憲民主党が幅広く合意が得られるテーマ、具体的には議員任期の特連庁規定の創設で、改憲議論をリードする必要があるのではないでしょうか。立憲民主党には野党第一党として建設的な憲法改正議論をリードされることを期待すると同時に、自民党にはスケジュールと改正項目の対象を明確にする審査会運営をお願いしたいと思います。最後に、会長には、本審査会のNHK中継をぜひ導入することを求めて発言を終わりたいと思います。ただいま、御発言の中で、自民党あるいは立憲民主党に対して御質問御要請がございましたけれども、それも後ほど、適宜自由討議の中で御答弁願いたいと思います。また、私に御要請のあったNHK中継の件については、既にいろいろと各党にお願いしているところで、しっかりと受け止めて進めたいと思います。
1:09:14
有志の会の北上慶郎です。私は議員として4期目に入るんですけれども、1期目のころから憲法審査会に所属をしてまいりました。前回、寂しい浪人時代を経て、国政に戻って辺りを見回すと、顔ぶれや議論の風景もすっかり変わったなぁと、浦島太郎のような気持ちでありました。憲法審査会もさぞかし改正案くらいできていて、自分にもついていけるかなぁと不安を抱えておりましたが、顔ぶれは変われども相変わらず議論ばかり、いや開催にすら至らないこともあり、これぞ憲法審査会と妙に懐かしさを感じた記憶があります。あれから2年4ヶ月も経ちました。非常時において国会の機能をいかに守るのかという議論を中心に、自由討議・集中討議は35回、参考認出議は5回開催されました。しかし未だに条文の作成すらされていません。昨年の春頃には、すでに議員の任期延長については、少なくとも5回派の間でほぼ共通の認識が得られております。有志の会としては維新の会、国民民主党とともにすでに条文案も作成しております。これに対し立憲民主党と共産党は条文の審議に反対をされています。私は健全な民主主義のためには、少数の意見をできるだけ尊重することにより、数の暴力を避けなければいけないと思います。ただ本件に関しては議論を尽くした上で、多くの会派が一定の結論に達している以上は、審査会としてはどこかで決断をする必要があるのではないでしょうか。そうしなければ、単なる意見交換の場で終わってしまいます。今私は議論を尽くしたと申しましたが、これは単に時間を通夜したということだけではありません。実際これにとどまらず、立憲民主党からのご意見を参考にするとともに、我々の案に具体的に取り入れているくらいであります。つまり少数派の意見を聞いて、はいそうですかと終わらせていないことを、ぜひ強調をしたいと思います。例えば令和5年12月7日の本審査会において、立憲民主党の奥野委員より、いかなる事態においても憲法が国会中心主義を維持できるよう、選挙困難事態への対応を検討したとして、栗述投票について、広範な地域において長期間投票が困難な事態についてまでこれを利用することは、総選挙の一体性の欠如をもたらすのではないかと指摘をされました。我々三回派の案では、その趣旨をも組んで、選挙実施困難事態を選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において、国政選挙の適正な実施が70日を超えて困難 であることが明らかなものとして定義づけております。同委員が強調された国会中心主義についても、我々の案は非常時においていかに国会の機能を維持することに主眼を置いています。また同委員よりは、議員自らその任期を延長することはお手盛りになるという危険性を指摘し、憲法裁判所を含む司法の関与を早々に提案されておりました。我々の案にも司法に一定の役割を貸しているのは決して偶然ではありません。立憲民主党の中川前幹事よりは、令和5年6月1日に選挙困難事態を利用とする権力の維持、暴走の危険性をいかに防ぐかという観点が大切。また、選挙困難事態をでき得る限り早急に解消し、選挙を実施すること。さらに選挙の延期や実施の決定は国会の関与が必要であること等について御発言がありました。こうした御意見をも踏まえ、我々の案においても、一つは選挙困難事態の認定は内閣ではなく国会が行うこと。二つには、その認定には厳しく3分の2以上の国会の議決を要すること。他方3つは、任期延長を解除する議決は過半数と緩い条件にすることにより、恣意的な先延ばしや権力の暴走を防ぐこととしています。また、同前幹事からは、令和5年4月6日に憲法53条をめぐり、臨時国会の招集の期 限を法定化すべし旨発言がありました。その思いを引き継いで、我々の案には、臨時会招集要求に係る招集期限を20日以内と明記しております。同日に立憲民主党の紀伊委員からは、議員任期延長の議論と併せて、閉会禁止、解散禁止等の憲法改正事項の検討を提案されました。この点も我々の案では取り入れており、閉会禁止、解散禁止に加え、さらに憲法改正禁止も含めております。以上、立場が異なる立憲民主党さんの提言の相当部分を、案の中に組み込んでまいりました。決して議論を平行線に終わらせることなく、拠針単開に、良い意見は良い意見として採用するように心がけてきたつもりであります。一方でそれでも依然として、立憲民主党と共産党が条文案の作成に一貫として反対をされていることも、これもまた事実でございます。結果、今、ルール、皆さんからお話があった、硬着状態が続いています。それでも中谷筆頭幹事は、反対派を巻き込んで、丁寧に粘り強く運営をされようとしています。その涙ぐましい努力には敬意を表します。表しますが、仮に定例日に毎回開いても、もはや私はお互いの時間の浪費にしかならないと考えます。これ厳しい言葉かもし れませんけれども、このまま条文案なしに、同じ論点を、乾いた雑巾を変わり番号に繰り返し繰り返し絞り合うのか。それとも指導教授のいない大学のゼミのように、憲法のあらゆる論点について、それぞれの個人的な見解を発表し合うのか。これを時間の浪費と言わずして何というのでしょうか。ここまで少数派の意見を聞くだけでなく、具体案に取り入れてきている以上、多数派の横暴の阻止を恐れる必要はないと思います。条文に関する起訴委員会を立ち上げるなどして、決断の上、結論を出す憲法審査会に舵を切ることを要請します。森会長の左背もお願いをして、私の発言を終わります。次に、委員各位による発言に入ります。発言を希望される委員は、お手元にある名札を立ていただき、会長の氏名を受けた後、御発言ください。発言は、自席から着席のままで結構でございます。なお発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いいたします。また、幹事会の協議に基づき、1回当たりの発言時間は5分以内といたします。質疑を行う場合は、1回 当たりの発言時間は、答弁時間を含めて5分程度といたします。委員各位の御協力をお願い申し上げます。発言時間の経過につきましては、おおむね5分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。それでは、発言を希望される委員は、名札を立てください。
1:17:48
各党から大変貴重な御意見と、また御質問御指摘をいただきまして、誠にありがとうございました。まず、ババア幹事からですね、御指摘のように、定例日だけでは日程がタイトであるので、従来、前回派が参加するような幹事懇談会を、定例日の前々日である火曜日に開くことが多かったために、このような場を用いまして、議論を進めてみたいと思います。それから、定例日以外の開催の方も、協議の上、お願いをいたしたいというふうに思っております。そこで、この起草委員会をつくるべきだという御意見もありましたけれども、この幹事懇談会の場で、多くの会派の間で合意が得られる、まず緊急事態における国会機能維持を中心とした緊急事態状況について、起草委員会をつくりまして、条文作成作業が進めていかれるように、この場を借りて、各会派に御提案を申し上げます。憲法は国民のものでありますから、反対の立場の御意見もございますが、その方の意見も大変貴重でございますので、ぜひ御参加をいただきまして、堂々と御意見をお述べになっていただきまして、各党で協議をすることが慣用だというふうに思います。スケジュールにつきましては、各党の議論を踏まえた上でございますが、この国会中には一定の節目が迎えられますように、努力をしてまいりたいというふうに思います。そして玉木幹事からのテーマにつきましては、緊急事態状況と自衛隊の命期、これは先ほど私が発言をいたしましたけれども、審査会での議論の中で、ある程度の近づいてきた御意、重なる部分が含まれてきておりますので、条文作成を含めて、基礎委員会の場におきまして、最大限の努力を払ってまいりたいというふうに思っております。以上です。
1:20:16
大坂でございます。我が幹事、それから北川幹事をはじめ、幾人かの皆さんから、我が党に対する質問がございました。加えて過去の奥野委員、それから中川委員の発言に対する質問もございましたけれども、これらの質問、御要望などにつきましては、きょうの議事録、改めて精査をさせていただいて、次回以降の憲法審の中で答えるべきものがあれば、対応させていただきたいというふうに思います。なお中谷幹事から、突然、御提案、基礎委員会ですか、の御提案がございましたけれども、この憲法審、基本的には筆頭間で協議をしてという話をしておりますので、改めて中谷幹事から御提案をいただいた上で、筆頭間でとりあえずの整理をさせていただきたいと思います。私からは以上です。
1:21:17
ありがとうございます。自民党の船田恥であります。この国会で初めての自主投入が始まったことを歓迎いたしたいと思います。今後、精力的に議論を進め、改正原案の策定に向けての道筋が明らかになることを心から期待をいたしております。自民党が考えております憲法改正の方向性については、先ほど中谷筆頭幹事から述べられましたが、私は主に国民投票の環境整備を中心に述べたいと思います。かつて、公正法の改正の見合いとして、7項目の国民投票法改正の際に、1つは投票環境の整備、2つ目には投票の公平・公正の確保、この2点について3年を目途に検討することが条項で決められましたが、その期限が、実は今年の9月に迫っております。そのため、できるだけ速やかにこのことを検討すべきでありますが、申すまでもなく、憲法改正の中身の議論の前提であったり、あるいは障害となったりということでは決してございません。同時平行的に進めるべき議論だと思っています。まず、①投票環境の整備に関しましては、公正法で整備されている3項目案、すなわち、開票立ち上げの選任規定の整備、投票立ち上げの選任要件の緩和、FM放送を広報のための広報に追加する、この点につきましては、令和4年1昨年の4月に、この等審議会で、審査会で趣旨説明がされておりまして、まずこれらは国民投票法にも反映すべきでありまして、速やかに処理すべきものと思っております。次に②投票の公平・公正の確保につきましては、運動資金の上限規制など有力な意見もあることは承知しております。しかし、国民投票運動は原則自由ということと考えるのであれば、放送CMについては直接の数量規制ではなく、民放各社がCM講座を行っており、その講座の報告や広告費がどのぐらいかかったかということについての報告を、広報協議会が受けた後、特に不適切な案件については是正を求めるなど、間接的な方法で規制をすることが妥当であると思っています。また、近年、ネットの広告・意見表明、様々な議論が出ておりますが、これを直接規制に加えるということは、物理的にも、また表現・言論の自由の観点からも、現実的には不可能であると思っています。そこで、主なプラットフォーマーに対しまして、運動期間中の広告・意見表明の回数や広告費など、広報協議会に報告をさせることによりまして、一定の歯止めを利かせたいと考えております。しかし今後、個人的には、何らかの法的規制も含めて、幅広く検討していきたいなと思っております。なお、これまで多くの同様議員からも指摘されたフェイクニュースなどのファクトチェックにつきましては、やはりこれも、広報協議会によるフェイクニュースの典型例やガイドラインの提示を行うこと、あるいは外部のファクトチェック機関との連携も有効な手段であると考えております。最後に、国民投票・広報協議会は、今申し上げたように、国民投票運動の公平・公正を確保する上で、極めて重要な役割を持っております。その初期定の整備につきましては、昨年11月、幹事コンで事務方から聴取いたしました。公明党北川幹事からも御指摘がございました。今後、着実に幹事会のもとにチームなりを作りまして、その整備を進めていっていただきたい、このように切に願っております。以上であります。
1:25:22
おはようございます。立憲民主党の近藤昌一でございます。私からは、地方自治法改正案が閣議決定され、3月1日、国会に提出されました。このことについて、申し述べたいと思います。この法案については、総務委員会でしっかりと議論されるものと思っておりますけれども、私は、憲法92条に定めた地方自治の保障の観点から、国会法102条の6に規定されているこの審査会の目的のうち、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について、広範かつ総合的に調査を行うことに関連した問題と考えて発言をさせていただくわけであります。そもそも、日本国憲法2は、第日本帝国憲法2は、定めのなかった地方自治の制度の規定を設け、これを保障した意義は、第一に、中央政府から独立した地方公共団体が地方の事務を処理することによって、強大な地方政府の権限を抑制すること、第二に、地域の特性に応じて処理されるべき事務は、そこに居住し生活する住民の意思に基づいて決定し、住民の権利を保障することと言われています。前者が地方自治の文献的側面を示す団体自治であり、後者が地方自治の民主的側面を示す住民自治であります。こうした意義をよりよく果たしていくために重要なことは、強大な地方政府と地方自治体が対等平等な関係に立つことであります。ところが、今回の地方自治法の改正案は、強大な地方政府の権限をより強大にし、地方政府と地方自治体との関係に上下関係を持ち込むことになるではないかという危惧を抱かざるを得ません。具体的に地方自治法改正案の条文を見ていきたいと思います。改正の中心は、第十四章、国民の安全に重大な影響を及ぶ事態における国と地方公共団体との関係等の特例を申請することであります。252条の26の3から252条の6の10まででありますけれども、いずれも大規模な災害、感染症の蔓延、その他その及ぼす被害の程度において、これらに類する国民の安全に重要な重大な影響を及ぼす事態が発生し、または発生する恐れがある場合に適 用されるわけであります。災害や感染症に限らずその他に適用もされるものでありますけれども、適用される自由は無制限であります。戦争や内乱なども含まれるわけでありましょう。また、被害の程度が国民の安全に重大な影響を及ぼす事態というのは、一般中小的で恣意的運用の兼ね寄せが大事であります。しかもその恐れがある場合、つまり現実の被害が生じていなくても適用され、運用の恣意性は無制限に膨らむのではないでしょうか。こうした恣意的運用の危険が大きい国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に生じる法律効果は、国が地方公共団体に対し、必要な措置を講ずる指示ができる252条の26-45というものであります。この必要な措置の指示にも限定制約がありません。しかも以上の第14章の規定は、現行の特設として新設されるもので、新設される指示、ただしこれは法廷事務に限られるわけであります。245-7であります。への地方公共団体の義務違反に基づいて、大執行、これは245-8でありますが、できる範囲も大きく広がるものではないでしょうか。以上見てきた、見てまいりましたように、地方自治法改正案は、適用自由、要件、国が与える権限、いずれについ ても具体的、客観的な制約がなく、地方自治体に対する国の支持権を無制限に認めるもので、国と地方自治体の関係を大きく変容させ、憲法92条の地方自治権の保障を壊しかねない重大な問題を払っています。また立憲主義の検知からも到底容認できるものでありません。玉城沖縄県知事は、大執行の乱発を招くものではないかと懸念を示し、元鳥取県知事の片山芳代氏は、時代を逆行されるものと断じ、日本弁護士会弁護士連合会は、地方自治法改正案の原案となった答申に反対する立場から意見書を提出し、国の支持権を認める法改正案文の削除等を求める会長声明を発表しています。第92条、地方自治体の本質の原点に立ちかかった真摯な調査と検討が必要だと思っております。以上です。
1:30:28
会長、ありがとうございます。日本維新の会教育商会を実現する会の小野太一です。今日冒頭、中谷筆頭幹事から従来のように、憲法改正項目についての様々な列挙があって、私はそれで終わってしまうのか な、今日もそういう形なのかなと思っていたのですが、その後に具体的に条文の起訴作業を進めていきたいと、そしてまた先ほどの質疑の御答弁でも、起訴委員会もつくりたいというような御発言もあってですね、やはりそういった形で、具体的に我々がちゃんと議論するものが出来上がってくるということが必要なんだという御認識を示されたことは、私はこれは評価したい、させていただきたいというふうに思っています。ただ、馬場代表からも申し上げたようにですね、やはりスケジュールの提示というのが必要だと思います。この憲法審査会の中でも散々いろんな議論がありました。岸田総理がおっしゃっている、自らの総裁任期中の間に憲法改正を実現するという御発言があって、その意図は何なのかと、それはこの任期中なのか、それともその次まで含むのかというような議論がされていましたが、こんなことはビジネスの世界では普通あげないことで、例えば、私も地方自治やっていましたが、自分の任期中、まさに選挙で付託された中で何をやるのかをはっきり示すのが当たり前のことだと思うんですね。ですから中谷人幹事には、ぜひ総理に改めてそのことを確認をされた上で、この憲法審査会の動かし方は、その総理の考えによって与党の動き方も変わるわけでありますので、ぜひ この秋の総裁の任期中までに、どこまでやるのか。ババア幹事からも先ほどありましたけれども、仮に解散するあるいはしないということは関係なく、この任期中で政治家として自分が約束したことをどこまでやるのかということをしっかり明示した上で、それをスケジュールに落とし込んでいただきたいということをお願いをしたいと思います。今日はもう答弁はいただかなくて結構ですが、ぜひ直接岸田総理にこのことをぜひご相談をされて、そしてどういうスケジュールでやっていくのかというのを、これを明らかにしていただきたいと思います。先ほど玉木委員から、この憲法審査会は4ヶ月ぐらいずっと動かなかったと。我々の国民に対してサボってきたと思うんですね。ですからやはりサボった分は取り返さなければいけないというふうに思いますので、先ほど永谷幹事からもご発言がありましたけれども、その分をキャッチアップするために、これはもう定例の毎週木曜日以外でも開くべきだと思いますし、そしてこの審査会の外でも作業はできるわけですから、急速にキャッチアップをして、この秋までに何ができるのかということを、ぜひ幹事官で協議もしてお示しいただきたいというふうに思います。先ほど大阪委員からですね、不満の大点ではないというようなご発言もありました。非常に重いご発言だというふうに思います。条文の具体化の加速化というのはやはり、それは本当に拙速なんではないかというようなこともありましたけれども、ただ私は初当選以来この憲法審査会に参加をさせていただいておりますが、いまだに大きな違和感を持っていることがあります。我々は政治家として自分がどういう法律を作りたいのか、そのことを党内でも議論し、そして会派として自由に提案して、それを徹底的に議論する。そして最終的にそれが是か非なのかということを採決して決める。それが私は民主主義だと思っていますが、この空間はそういったことは全く許されず、多くの議員が、会派が合意して、こういった形で憲法の改正を国民に見せる。その、ケツを取るかどうかという道のりよりも前の、そういったものが果たして是か非なのかということを国民の皆さんにも考えていただく材料すら提供できないということに大きな違和感を持っていまして、今国会での憲法審査会、残りの時間は非常に少ないですけれども、そのことをちゃんと国民の前に示すような場にしていきたいというふうに思っておりますので、今までのように各委員の皆さんが、それぞれの憲法改正項目について自責を述べるだけであれば、本当にこれは時間の浪費に過ぎないと、北上委員がおっしゃったとおりで、これ全くですね、落選している議員の人たちもこんな状況を見 たらですね、今の負託されている議員が一体仕事をしているのかどうかということを問われても仕方がないというふうに思っています。最後にですね、この憲法起訴委員会に加えまして、北川幹事もおっしゃったように、広報協議会の規定の起訴委員会の方も同時に作って進めるべきだと思います。この点に関しては、私も憲法審査会の事務局にも、昨年は夏休みの宿題ということで具体的な案を作ってくださいということもお願いして、やはりこの国会の事務局の皆さん本当に真摯にやっておられます。我々がギアチェンジをして、本当に憲法改正をするというようなスピード感に乗ってきるように、いつでも準備をされているんですね。ですから今度は我々が本当に頑張らなければいけないということで、今日はもうあと時間はありませんけれども、来週からはですね、今までのような同じような議論の繰り返しにならず、具体的な条文がこのテーブルの上に乗ってくるということを目指してですね、行動すべきだということを申し上げて、私の発言とさせていただきます。
1:36:18
公明党の大口よしのりでございます。ようやくですね、実質審議が始まりました。本日は議員任期延長をはじめとする緊急事態における国会機能の維持について発言をさせていただきたいと思います。昨年12月7日の憲法審査会では中谷人幹事から緊急事態における国会機能の維持の憲法改正について、具体的な条文の起訴作業のステージに入るというご提案がございました。そして本日、起訴委員会をですね、これを設けたいと、こういうお預けもあったところでございます。また、我が党におきましても、北川幹事始め委員からこれまでの議論も踏まえた条文案の叩き台を作成し、そのような具体的な案をもとに審査会で議論をさらに積み重ねていくことが必要ではないかという発言をさせていただきましたし、本日も北川幹事から同様の発言をさせていただきまして、私どももそう思っておるところでございます。そこでその条文の叩き台作成に向けて、改めて議論を整理したいと思います。まず参議院の緊急集会の位置づけについてでございます。日本国憲法には、衆議院不在時に国に緊急の必要がある時への対応として、参議院の緊急集会制度が設けられており、72時程度の期間内に総選挙実施が見通せる場合には、最大限これを活用することが現行憲法の求めるところと考えております。このように関し、憲法54条2項では、参議院の緊急集会の開催は衆議院の解散された 時とされていますが、衆議院議員の任期満了後に総選挙が行われる時も、類推的により参議院の緊急集会は開催可能という解釈が多数説とされています。そこで、条文案のたたき台には、この解釈を明文化する憲法改正に関しても書き込むことを提案いたします。こうすることで、衆議院解散任期満了を問わず、72時程度の期間内の総選挙実施が見通せる場合は、参議院の緊急集会で対応し、長期にわたって総選挙実施が見通せない場合は、議員任期延長で対応するという、両制度のすみ分けがより明確になると考えます。このように、議員任期延長をはじめとする緊急事態における国会機能の維持に関する憲法改正が行われたとしても、参議院の緊急集会の役割はなお、引き続き重要であり、その権限や権能が縮小されるようなことはありません。次に、これまであまり議論されてこなかった、選挙期日の延期に関する論点です。この間の憲法審査会の議論では、後半かつ長期間にわたって国政選挙の適正な実施が困難であることが明らかであるとき等という要件で、議員任期延長という効果が生じると考えてきました。しかしながら、国政選挙の実施の困難性を要件としていることを考えると、まず、選挙は困難な事態であることを認定した上で、その効果として、その事態が収集した後まで国政選挙の選挙期日を延期するとすることが、より自然な構成となのではないでしょうか。すなわち、国政選挙の実施が困難であるから、その選挙を延期せざるを得ないという前提の上で、選挙が延期されている間は、国会員が不在となってしまうため、新しい議員が選べるまでの間、議員任期延長により対応する必要があるということが論理的であると考えます。つまり、私たちの議論の筋道を適切に表現すると、緊急事態発生時に議員任期を延長するのではなく、選挙期日を延期するものだということでございます。実際に東日本大震災の際には、被災地自治体の議会の議員と首長の選挙を延期した上で、選挙期日まで当該議員と首長の任期を延長することが特例法でなされております。また、選挙期日の延期、議員任期延長のほか、緊急事態における解散権の制限や国会閉会の禁止、オンライン国会という論点も条文案のたたき台に書き込むことにより、緊急事態における国会機能維持がより総合的なものとなると考えます。以上、これまでの議論を踏まえ、条文案のたたき台に書き込むべき事項の整理をしてみました。条文案のたたき台を作成することにより、これまでの議論の内容がより可視化され、建設的な議論ができるようになるとともに、国会における議論の内容が国民にも理解しやすくなると考えます。条文のたたき台の作成をぜひ進めていただきますようお願い申し上げまして、私の発言をとさせていただきます。
1:41:42
自由民主党の小林貴之です。私はいついかなるときも、国家機能を維持し、国民の生命財産を守り抜くために、憲法に緊急政令制度を設ける必要があると考えています。緊急政令制度とは、国会が立法機能を行使することができない状況に陥ったり、立法措置を講ずる時間的余裕さえないような極限的な状況において、一時的、暫定的に、内閣が政令によって必要な措置を講ずる制度であります。あくまでも、一時的、暫定的に、必要な限度で内閣が措置を行うものであって、国会が事後的に民主的統制を果たすことは当然であります。本日は、この緊急政令制度創設の議論に資するものとして、諸外国の憲法典における緊急命令規定と明治憲法下の緊急勅令制度について述べたいと思います。まず、諸外国の憲法典におきまして、どのように位置づけられているかを確認したいと思います。昨年9月に国立国会図書館が発表したOECDに加盟している38カ国についての緊急事態状況に関する調査に よりますと、緊急事態状況の発動の効果としては、憲法上の機関の権限配分の変更を規定するものが多いです。その中でも最も多く見られるものは、行政府への例外的な権限付与、つまり法律の効力を有する緊急命令を発する権限の付与であります。具体的には、緊急事態状況がある30カ国のうち、過半数の16カ国に緊急命令に関する規定があります。例えばイタリアでは、緊急の必要がある非常の場合には、政府が法律の効力を有する暫定措置をとることができるとされており、この暫定措置、すなわち緊急命令に基づきまして、今般コロナ対策が行われております。またスペインでは、特別かつ緊急の必要がある場合には、内閣は代行命令の形式をとる暫定法を発することができるとされております。さらに、このような緊急命令の規定がなくとも、例えばフランス憲法の大統領の非常措置権のように、類似する法的効果を有する規定がある場合もございます。こうした調査結果に鑑みますと、約6割の国が国会機能が維持できなくなるような緊急事態をもみ据えて、万全の体制を整えているともいえます。昨年の憲法審査会の海外調査報告書にも、フランスの憲法学者の方が、たとえ実際にはほとんど使われなかったとしても、緊急事態に関する憲法規定は有用であり、万が一例外的事態が発生したときに、これに対処するためには必要可 決なもの、という説明をしたことが記録されております。他方、フランスのように、大統領の公判打裁量権を認める条文には懸念も示されているところでありまして、直ちにこれに倣うことには正直躊躇も覚えます。そうしますと、より要件を具体化した個別的な緊急政令制度の明文化の道を模索するのが適切ではないかと考えます。我が党が条文イメージとして示している緊急政令制度は、そのような条文化の一つの形となっていると考えます。次に、明治憲法に規定されていた緊急勅令について取り上げたいと思います。日本国憲法に緊急政令制度を設けることには、明治憲法下における緊急勅令を持ち出して、その乱用のそれを指摘する声も少なくありません。確かに緊急勅令の手続によって治安維持法が改正されるなど、乱用としか評価することができない例もあります。しかし、関東大震災の際に発生された緊急勅令は16件ありますが、その内容を見ますと、被災者の金銭債務の支払延期、いわゆるモラトリアムや生活必需品の買い占めや売り惜しみなどへの対応、さらには、府県会議員の任期延長などでありまして、緊急事態対応として必要不可欠なものであったことがわかります。さらにこれらの措置は、現在の最大法などにおける緊急勅令規定におおむね取り込まれておりまして、緊急勅令の必要性はむしろ歴史的に証明されているとも考えてよいと私は思います。現在、緊急事態における国会機能維持に関する議論が進展しているところでございますが、私はさらに一歩進んで、緊急勅令の議論も深めていくべきであると考えます。以上で私の発言を終わります。
1:46:35
先ほど、ババカンジーからご質問がありました。いずれにいたしましても、憲法改正に向けて、これは幅広い合意形成をしていくことを目指さないといけないと思います。やはり当然のことながら、いろんな新調論、反対論があるのは当然ですし、それも大事ですし、それは尊重されなければならないと思います。大事なことは、この審査会にご出席をいただいて、堂々とその主張をしていただくということが大事なんだろうと思っております。それから参議院との関係についてもご質問がございました。この議員任期延長の問題は、参議院の緊急集会の検納をどう考えるのかというところが大きな論点になります。したがって、参議院側の方で、これは参議院側の検納なので、参議院の憲法審査会の方で、ぜひこの緊急集会の適用範囲がどこにあるのかということは、しっかり参議院の憲法審査会でも議論をしていただかなければならないと、我が党の中でもしっかりそのことは申し上げたいと思っておりますし、また、我が党内については、もちろん党内の中にもいろいろな意見がありますが、しっかりこれは合意できるというふうに私は考えているところでございます。まだまだご発言のご希望もあるようでございますが、予定した時間が経過いたしました。この自由投議の取扱いについては、与野党の筆頭官で協議をいたしておりますので、今後についてはこれを踏まえ、幹事会等において対応をいたしたいと存じます。これにて自由投議は終了いたしました。次回は広報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。ありがとうございました。