1:10
ただいまから財政金融委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告をいたします。昨日までに、田中雅史君、石田雅博君、浅田仁君及び松山雅史君が委員を辞任され、その補欠として大江聡君、竹見恵蔵君、藤巻武君及び松川瑠衣君が選任されました。理事の補欠選任についてお諮りをいたします。委員の異動に伴い、現在、理事が一名決意となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。理事の選任につきましては、選例により、委員長の氏名にご一任願いたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。それでは、理事に白坂昭君を氏名いたします。政府参考人の出席容器に関する件についてお諮りをいたします。財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長、伊夫基幸君のほか2名を、政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに、ご 異議ございませんか。ご異議ないと認め、採用決定をいたします。参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁、上田和夫君、同理事、高内弘秀君、同理事、加藤武志君、及び同理事、清水誠一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、採用決定をいたします。財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第54条第1項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を、議題といたします。日本銀行から説明を聴取いたします。
3:14
日本銀行は毎年6月と12月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について、詳しくご説明を申し上げる機会をいただき、初恒例申し上げます。まず、最近の経済金融情勢についてご説明いたします。我が国の景気ですが、一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出は横ばい圏内の動きとなっています。企業収益が改善するもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。雇用所得環境は緩やかに改善しています。本年の春季労使交渉では、昨年に続きしっかりとした賃上げが実現する可能性が高まっています。個人消費は物価上昇の影響に加え、一部メーカーの出荷停止による自動車販売の減少などが見られるものの、底が沢山維持しています。先行きは海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペンタプチュウオの顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けると見ています。物価面を見ると、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転換の影響が減少しつつも残るもとで、サービス価格の緩やかな上昇も受けて、足元は2%台後半となっています。先行きについては、今年度は2%を上回る水準で推し、その後はプラス幅が縮小すると予想しています。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、展望レポートの見通し期間終盤にかけて、2%の物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくと考えています。先行きのリスク要因を見 ますと、海外の経済物価動向、資源価格の動向、企業の賃金価格設定行動など、我が国経済物価をめぐる不確実性は極めて高い状況です。そのもとで、金融為替市場の動向や、その我が国経済物価への影響を十分注視する必要があると考えています。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。先行き、内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相互の関係性を有しています。より長期的な金融面のリスクとしては、金融機関収益の下押しが長期化しますと、金融仲介が停滞方向に向かうおそれがある一方、利回り追求行動などから金融システム面の脆弱性が高まる可能性もあります。現時点では、これらのリスクは大きくないと判断していますが、先行きの動向を注視する必要があります。次に、金融政策運営についてご説明申し上げます。日本銀行は、先月の金融政策決定会合において、各種のデータやヒアリング情報から賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、先行き未投資期間終盤にかけて2%の物価安定の目標が持続的安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断しました。その上で、これまでの長短金利操作期、量的・質的金融緩和の枠組み及びマイナス金利政策は、その役割を果たしたと考え、金融政策の枠組みを見直しました。具体的には、政策金利を「単幅オールレート・オーバーナイトモノ」とした上で、これを0から0.1%程度で推移するよう促すことなどを決定しました。日本銀行は引き続き、2%の物価安定の目標の下で、その持続的安定的な実現という観点から、単金利の操作を主たる政策手段として、経済物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。現時点の経済物価未踏出を前提にすれば、当面緩和的な金融環境が継続すると考えています。ありがとうございました。以上で、説明の聴取は終わりました。これより質疑を行います。質疑のある方は、順次ご発言願います。
8:28
自民党の西田昌司でございます。上田総裁に質問をさせていただくのは初めてでございます。よろしくお願いします。総裁から報告がありましたように、いわゆるイールドカーブコントロールを解除し、マイナス金利の解除ということが決定さ れたわけでありますが、その理由を先ほどの説明の中では、例えば、春党の結果などによって金融量が上がっているという方向が言われているんですけれども、しかし春党は確かに5%決定したと言っていますが、実施はしていないんですね。これから給料が上がるのは、これからそれが上げられて初めて実現するわけで、しかも、今日もちょっと新聞にも出ていましたけれども、新聞はその前に出ていましたけれども、実質的に個人消費も2019年のレベルにはまだ回復していないと。今日出ていたのは、23ヶ月連続実質給与が下振れであるというようなことも出ておりましてね、こういう客観的な事実を考えてみると、この決定は時期早消ではなかったのかと印象を持っているわけですが、総裁はどのようなお考えでしょうか。
9:51
お答えいたします。まず委員御指摘がありました個人消費でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、これまでの輸入物価上昇の影響によるインフレのまた影響に加えまして、一部自動車メーカーの生産出荷停止、あるいは断頭などの一時的な要因から一部に弱めの動きが見られるということは事実でございます。もっともこのかなりの部分は一時といいますか、自動車の生産停止等一時的な要因は剥落していくと見られるほか、インフレでございますが輸入物価上昇を起点とする価格転換の影響も減衰していくというふうに見ております。また先ほどの今継続中ではありますが春季労使交渉の初期の結果を踏まえますと、先行きしっかりと下地上げが継続し家計所得を支えていくものと予想されます。こうしたもとで個人消費は緩やかではありますが増加していくと予想しております。その上で3月の私どもの会合ですが、こうした点を踏まえ、含め最近の経済物価金融情勢、特に賃金と物価の動向をしっかりと点検いたしました。その上で様々なデータヒアリング情報等から賃金物価の好循環の強まりが確認されてきており、先ほども申し上げましたが、先行き展望レポートの見通し期間終盤にかけて、2%の物価安定の目標が持続的安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断いたしました。そうした情勢判断に基づき大規模金融緩和の見直しを決定 したところでございます。
11:54
今のお話を聞いていると、実体経済が10%の物価上昇が持続化できてきて、デフレ需要経済がなくなってきていると、そういう認識だという意味だと思うんですけれどもね。そこはちょっと見解が違うんで、まだ後ほどそれを言いますが、そのことにもまして、私がちょっと違和感を感じていますのは、この決定の前から、今回の決定を予測する記事が、もう度々報じられてきました。そしてですね、4月8日の産経新聞でもですね、植田総裁と市長とがですね、対話を重視していると、ということで評価している記事も見られます。私はですね、事前にこういうことが報道されていたことも含めですね、事前に情報を漏らして市長の反応を見ているのではないか、とも思えるわけですね。そういうふうに市長の反応を見るのが市長との対話になるのかと、非常にそこは疑問に思うんですけれども、市長との対話を植田総裁が重視されているという報道がありますけれどもね。市長との対話はどういう意味なのか、総裁の御見解をお聞かせいただき たいと思います。
13:07
私どもの金融政策でございますが、これは金融市場あるいは金融機関行動への働きかけなどを通じて経済、物価に波及していくものと考えております。私どもとしましては、政策効果が十分に発揮されるためには、適切な情報発信が重要であるというふうに考えておりまして、経済、物価に関する基本的な見方、あるいは政策上の基本的な考え方について、丁寧かつ分かりやすく発信することを心がけております。ただ、その際、情報発信でございますが、例えば決定会合後の私の記者会見、あるいは各ボードメンバーが日本各地等で行っています講演、あるいは国会での答弁等、幅広く公的な場で行うというように心がけております。したがいまして、私どもが事前に特定の関係者に情報を伝えるようなことは当然適切でないというふうに考えてございます。引き続き、厳格な情報管理の下で、日本銀行の考え方が適切に伝わるよう努めてまいりたいと思っております。
14:29
公的な場での講演や記者会見、レクなど、また国会の答弁などで対話をしているということなんですけれども、どうも私はあまりそこがそのまま理解できないんですね。と言いますのは、このいわゆる異次元の金融緩和、10年続けてきて、いつこの異次元の金融緩和が終わるのか、また終わらせなければならない、という、いわゆる市場の講座からの声は非常に前々からあったわけですよ。だから、総裁が白川さんから上田総裁に変わられると、当然いつかそういうことが出てくるだろうという期待感、これはあったと思うんですね。そこで、そういうことを期待しながら、この様々な日銀からの情報、レクも含めて、市場が、すなわち金融機関にとっては、そういう先取りがそういう方向になるんじゃないのかな、ということは非常にありがたいことなんですね。まさに情報が先に提供を受けられると、情報の先取りというのはまさに利益そのものなんですよね。そういうことが、実際、結果としてされてきてしまったのではないのかと。つまり、総裁が情報漏洩したということよりも、そういう期待が金融機関の何かにあって、現実もまさにそういう報道の方向に政策決定がされていまして、利益を得るのは誰かといえば金融機関な んですよ。ですから、これはやはりいかがなものかなという気がするわけですが、総裁の御見解を求めます。
16:25
先ほど申し上げた点ですが、私どもは事前に特定の関係者に情報を伝えるようなことは当然適切でないし、してございません。私どもの情報発信は、幅広く国民各層を対象として行っております。したがいまして、金融機関や市場参加者、市場関係者への利益共有になっているとは考えておりません。
16:55
そういう答えしかないんでしょうけれどもね。しかし、事例として聞きますが、今回のマイナス金利解除、それから先ほどのオーバーナイトローンが0から0.1、それからイルドカーブコントロールをやめるということによって、利益を得るのは金融機関じゃないですか。
17:21
私どもの政策の決定なし変更でございますけれども、これはあくまで2%の部下目標の持続的安定的な実現という観点から実施してきたところですし、今後もそういうふうに努めるつもりでございます。例えば、今回日本銀行当財金の不利金利を0.1%というふうにマイナス0.1%から変更したところでございますが、これは当然、金融機関の補助金を作り出すという目的のためではなく、短期市場において、私どもの政策金利、誘導金、目標金利を実現するために行うものでして、その先には、部下安定目標の実現という目標があるわけでございます。また、こうしたやり方は海外、例えば米国、欧州、英国等の地方銀行でも同じ扱いとなっているところでございます。
18:32
そういう答弁なんですけれども、私、現実を言っているわけですね。現実は異次元の金融緩和をやめる方向に行くと、間違いなく金融機関に利益が出ます。そして、それは別に金融機関を助けるためじゃなくて、要するに経済が正常化している、経済がデフレ化していない。だから、そういう金流をつけていくことが、金融政策として新しいからやっていくというのはわかるんですよ。わかるんですけれども、果たして経済が正常化しているのかというところに、私は非常にまだ疑問が残るわけですよ。それができていない一方で、今回の日銀の、このいわゆる異次元の金融緩和の一端であった、このイールドカーブコントロールとマイナス金利をやめることによって、まさに正常化の方に一歩踏み出したというサインを示したことは間違いないんですね。そのサインを待っている人がいるんですよ。それが誰かというと財務省ですよ。要するに財務省は、かつて安倍総理と工田総裁との間で、安倍のミクスという政策協定をして、このデフレ状況を脱するために、2%の物価上昇をするために、金融面では西銀がしっかりやっていこうという話でやってきたと。3本の矢と言われる形で、財政面、それから様々な規制緩和を含め、民間投資を伸ばしていこうというのをやってきたわけです。わけですけれども、具体的には、私は、それはうまく機能していないところもたくさんあったと思うんですよ。しかし実際に、西銀は約束されたことを誠実に実行されてきたというので、非常に 私は評価しているんですよ。ところがやってこなかったのは財務省の方でね。財務省の方は、じゃあその分、その間財政出動ができる環境を整えてきたのに、やってきたのかというと、これやってこなかった。これは安倍総理自身も、もう亡くなられましたけれどもね、辞められたから、自分の会合録の中でもそのことは話しておられるんですよ。要するに消費税を上げてしまって、上げた分の消費税を財政出動で回させてもらおうと思っていたら、それもしてなかった。とんでもないことだと。というので安倍さん自身も、反省と同時に財務省批判されているわけですね。その財務省が今やろうとしているのが、いわゆる、今年の6月ぐらいに骨太方針、来年度やるんですけれどもね。そこで議論しているのが、いわゆる2025年プライマリーバランスですよ。今まで2025年にプライマリーバランスを黒字化するという目標を掲げていました。これをどうするかというのが、これから与党最大の政策の論議になってくるわけです。私は財政政策検討本部の本部長というのを、私自身が勤めております。安倍総理が最高顧問で私と一緒にやってきたんですけれども、その中で言っているのは、まだそこまでの経済の状況になっていないという認識です。我々。ところがもう片方で財政健全化本部というのがあってね、そこはもう、何とか2025年のプライマリーバランス目標を達成しようというのに躍起になっているわけですよ。その時の大事なメッセージが、日銀がすでに異次元の金融緩和から違う方向にハンドルを切ってきた。金融政策も異次元から正常化に向かおうとしている。その時に我々、財政の方、預かる方も当然正常化の方に切らねばならないじゃないかということに使われるわけですよ。まさにこれが今回の、私が次期総長じゃないかということを冒頭申し上げたのも、一番心配しているのは実はそういう議論があるからなんです。日銀の政策は、日銀の金融政策として独立した立場で行われているのはわかります。しかし、現実は完全にそれとリンクして財政政策も議論されようとしているんですよ。そのことについて、そういう現実があることを、まず、上田総裁ご存知ですか。
23:16
財政運営については、私からはコメントを差し控えさせていただければと思います。その上でですが、私ども、今回政策変更をいたしました、基礎的な考え方としましては一部繰り返しになりますが、消費者物価総合はしばらく2%のインフルエンスを超えておりますけれども、より基礎的な動き、つ まり一時的な動きを取った物価と賃金の好循環に根差す動きのところ、基礎的物価上昇率は、と言いますとまだ少し2%を下回っているというふうに見ております。ただし、それが見通し期間の終盤にかけて2%に向けて収束していく可能性が高まったということで、政策の変更に至ったわけでございます。しかし現状まだ2%をそこがちょっと下回っているということですから、緩和的な金融環境、金融状態を維持していくということが大切であるというふうには考えております。ただし今後どうなるかという点につきましては、我々の見通し通りに推移していきますと、基礎的な物価上昇率が少しずつ上がっていくという中で、緩和の度合いの縮小ということも考えていかないといけないと思います。ただ本当にそうかどうかは今後のデータ次第でございまして、これは丁寧に毎回の会合で点検していきたいというふうに考えております。
24:58
私は上田総裁はもともと学者でもおられますし、非常に誠実なお人柄の方だとも思います。誠実に今お答えいただいたんですが、その誠実な答弁が深掘りと先読みされるんですね。だから緩和しないとは、この緩和的な状況は続けていくとはおっしゃっているけれども、先行き物価が上昇していく局面になってくるとまた変わることもある。当然といえば当然なんですね。それは。そのとおりなんです。ところが、そういう答弁を繰り返しておられる中で、先日ですね、きのうだったかなこれはね、既に利上げの報道が出ているんですよね。今年の9月から12月の間に利上げがあるのではないかというような報道がドカーンと出るわけですよ。この報道についてどう思われますか。
25:56
先ほどのお答えと重なりますけれども、先行き経済物価情勢が私どもの見通した日どういうふうに推移していくかということを丁寧に点検してまいるという所存でございます。したがいまして、現時点で先行きどういうタイミングでどういうふうに短期營利を動かしていくかということについて予断は持っておりません。
26:28
だから、もしね、黒田総裁に私が同じ質問をしたらですね、こう答えたんですよ。そんなこと思ってませんと。否定されるんですよ。否定するんだけど、実際には経済が良くなれば当然、利上げとか金融引き締めというのは当然あるんです。あるんですが、私は黒田さんはそういう答え方をされたと思いますよ。とりあえず否定しちゃいます。要するに情報提供を与えないんです。ところが、上田総裁はお人柄、人格も円満で、そして頭脳明晰で、全体を見ながらお話になってますからね。肯定はされてないんだけど否定もされてないんですよ。ここは。それが実はね、それが実はこういう報道になってくるというふうに思いますが、その辺はどうでしょう。これはそういう報道をされることは、肯定してないから別にいいんだというお考えなのか、そういう報道が出てきたら困るというお考えなのか、そこちょっと端っ切りさせて欲しいです。
27:34
私どもだけじゃなくて、海外でも、金融政策の先行きについてどうしていくということは、皆さんお話になりませんけれども、どういう考え方に基づいて動かしていくかという基本的なところは、前もって開示して、市場、あるいは経済の様々な参加者が対応しやすいように努めるということが行われているように思います。
28:07
これはお人柄の問題なので、それはそれで結構ですが、私は先ほど言いましたように、市場との対話といえばそうなるかもしれないけれども、完全に誘導されて、もう片っぽで何度も言いますけれども、我が国の財務省がそのことを機関として、次の財政の緊縮を考えているという事実だけは指摘しておきたいと思います。その上で私が申し上げるのは、私はずっとこれ指摘したんですけれども、要するにずっと30年間にわたるデフレが行われてきたと、その原因は一体何なのかと、これ様々な原因がありますよ。しかし一つの大きな事実として、この30年間、民間企業部門が要するに貯蓄超過だったと、不良再建処理をして、それからそのときと同じ時期にいわゆるビス規制、このバーデル条約が変更なって、4%から8%の自己資本率を余儀なくされてしまった。そこから貸し出し額がもう大幅に減っているのは事実なんですよ。そしてその後、貯蓄超過、ISバランスがずっと貯蓄超過できている。今日もまだそういう傾向だと思いますよ。つまり民間の方が貯蓄をしていない、もっと言えば借り入れをしていない。借り入れをするための需要がないわけですね。だからその金融政策として安くして、需要を掘り起こしていこうというのがある意味で言うと、アメノミクス、クルダ総裁がゼロ金利マイナス金利まで含めてやってこられたんですけれども、現実にはそれはなかなかうまくならなかった。しかし、これは怪我の公明と言いましょうかね。政府の方もそれに対して積極的な財政指導をしなかったんですけれども、結果的にいわゆるコロナ禍の中において大変な医療危機、それから経済の危機が目の前にあって、そこで一変に100兆円を超えるような国債発行をして財政指導をやった。結果が要するにこの経済が好転していくと税収も上がってくる、物価も上がってくるというふうになっていると思うんですが、クルダ総裁、その辺はどのように捉えとられますか。
30:32
委員御指摘の貯蓄投資バランスでございますが、確かに企業部門を見ますと、90年代後半以降、貯蓄超過ですいしております。これは90年代の資産化学バブル崩壊、あるいは金融危機を経て、残念ながら企業の成長期待が低下し、設備投資を抑制するなど、企業の支出行動が相次いで新調化した結果、あるいはそれが続いているということだと思います。ただ、それでデフレの原因について考えてみますと、それだけでなく、さまざまな要因があると思います。私どもは加えまして、デフレ期に定着した賃金や物価が上がらないということを前提とした考え方、あるいは企業行動、これの転換に時間を要してきたということも大きいかなというふうに考えております。
31:39
今日は初めての質問だったんですが、また重ねて質問の機会を得たいと思っていますが、私はですね、黒田総裁もそうだし、上田総裁もね、日元は金融の一番の責任者としてよく頑張っておられるという評価をしているんです。異次元の金融関羽を含めてですね、今までこんな、言ったら非常識な政策をですね、すぐまで考えることはやらなかったし、しかしそれでもそれをやってきたんですよ。それを評価したいと思いますし、これから経済が回復してきたらそれを徐々に変更していく。これもそのとおりだと思います。問題は、そのパートナーである政策をですね、これ一緒にアコードしてきた財務省側が誠実にこの経済の現場を見ていない。で、いまだにですね、このいわゆる国の借金は国民の借金だというようなバカなことを、まだ言っている人が中にいるんですね。これはもう経済学者からすると本当に非常識がありなんですけれども、そういう人が上田総裁のパートナーでやっていかなきゃならないということを念頭において、正しい金融政策をやっていただきますように希望いたします。終わります。ありがとうございました。
33:17
立憲民主社民の柴です。柴信一です。よろしくお願いいたします。上田総裁は、今日で総裁就任、ちょうど1年ということを聞きをしています。大変な1年だったというふうに思います。前任者の大きな負の遺産を引き継いで苦労されたというふうに思いますが、この1年を振り返り、今後の、まだ4年ありますので、残る任期4年に向けての思いなどをお聞かせいただきたいと思います。
33:56
1年間、ここまでの1年間でございますが、おそらく様々な幸運にも恵まれまして、いくつかの政策決定、政策変更を進めてくることができました。今後も、いろいろ難しい局面に当たると思いますが、日銀役職員と一丸となりまして、適切な対応をしていきたいというふうに考えております。
34:33
ありがとうございます。ぜひ、体に気をつけて活躍いただけたらと。西田先生も評価して、私も素晴らしい方だなというふうに思っていますので、ご活躍いただけたらというふうに思います。それでは、本題に入っていきたいと思います。まず、基本認識として、今回の上田総裁、日銀が行った金融政策の見直しについては、異を唱える、反対するものではないという前提の上でやりとりをさせていただきたいというふうに思います。私、前回の委員会で、同僚の勝部議員が、ブルームバーグが伝えた内容ですね。海外メディアでは、国内メディアではあまりそういう批判がなかったですが、海外からは政策決定の正式発表前の国内メディア報道がルーティン化しているんだと。情報セキュリティの甘さが露呈していると、国会の調査が必要というような厳しい報道もされたということに触れて、内田副総裁とやりとりをしました。上田総裁は、このような指摘があることについて、認識や受け止めをお聞かせいただきたいと思います。
35:45
先ほど申し上げましたが、私どもは、通常より金融政策の基本的な考え方を丁寧に説明するという心がけで政策運営をしてきております。今回は、特に難しい政策変更になる可能性もありましたので、基本的な考え方を、最初は私の1月の決定会合後の記者会見で少し前広に説明したところでございます。具体的には、無鑑定目標の持続的安定的な実現が見通せるかどうかを確認していく上で、春季労使交渉の動向が1つの大きなポイントになる。それから、目標の実現を見通せる状況に至れば、大規模緩和の修正を検討すること。それから、さらに政策を見直すことになった場合には、その前後で大きな不連続な変化が生じることはないように努めるということを1月の記者会見以降、記者会見、あるいは国会の答弁などで説明してまいりました。その上で、ご指摘がありましたような、報道内し外部からの批判も含めてですが、批判のところはあれですが、一例の報道のところですけれども、これはこうした私どもからの情報発信をもとにしつつ、さらに春季労使交渉の動向等も踏まえた上で各社がそれぞれの見方を示されたものというふうに理解しております。一方で同時に、私どもは、金融政策決定会合に関する情報管理について厳格なルールを定めているところでございます。引き続き、厳格な情報管理のもとで、私どもの 考え方が適切に伝わるよう努めてまいりたいと思っております。
37:56
ブルームバーグの記事にも様々な意見があるというのは、私も認識をしています。ただ、今おっしゃられたとおり、これまでの総裁を含めた関係者の発信を踏まえて、各報道機関が記事にしたんだということですが、どんなことをやるのかという政策のメニューであるとか、というのは大体わかりますということですけれども、ただ、2024年の春季生活交渉、老死交渉の結果をどういうふうに見るのか、大企業だけの数字でいいのか、この3月のタイミングでよかったのかと。4月にはまた金融政策決定会合があるということでいけば、そのときでは、だったら中小の数字も大体見えてくるということだとすると、3月でやるのか、例えば4月でやるのかということって、よくわからなかったというふうに思うんです。なぜあそこまで決め打ちの報道がされたのかということについて、何らかの発信ってされているんでしょうか。
39:05
私どもは、ギリギリまで春季老死交渉の初期の結果はわかりませんでしたので、どういうタイミングでもし政策変更をするとしたらするのかということは決めかねていたところでございます。その上で第1次の回答が出まして、会合の割と直前でございますが、議論を重ねまして、3月で変更するという決定に至ったところでございます。したがいまして、春季老死交渉の第一の結果が出た後、3月の会合でどうするかということについて、私どもから情報発信をしたということは一切ございません。
39:53
そうであるとすると、あそこまでのタイミングというのは、やはり違和感があるということを改めて申し上げたいと思います。別な視点から、金融政策決定会合の2日目の議事がしているとき、3月19日のお昼のNHKニュースをずっと注目して見ていたのですが、NHKのニュースでマイナス金利政策の解除など、大規模な金融緩和策の転換について、これから総裁が議案を提案するというような報道がされたのです。私もそのニュースを見ていて、こんなことってあるのかなというふうに思ったのですが、日銀の情報管理がしっかりしているとすれば、これは政府関係者がリークしたということでよろしいでしょうか。
40:45
当然、私もその場におりました。私どもから外に情報を発信するというようなことは、うつり的にできない状況にあったわけです。したがいまして、報道した社の観測報道であるというふうに考えてございます。
41:08
政府関係者の緊張感を持っていただきたいなというふうに思います。日銀と しては、情報発信が大切だということで、その基本的な考え方についてお聞きしたいと思います。西田先生からも話し合ったとおり、上田総裁は市場との対話を重視してこられたということだと思います。その延長線で考えると、今回の報道というのは、上田総裁が狙ったとおりの結果になったと、混乱もなく乗り切れたというようなことを含めて、これが上田流なんだというような受け止めをしてよろしいでしょうか。
41:55
個別の報道についてのコメントは差し控えたいと思いますけれども、次々に報道された内容全体といたしましては、私どもが1月の後半から、基本的な考え方について情報発信をしていったということと、整合的な内容であったというふうに考えております。
42:20
金融緩和にするときはサプライズであった方が市場への効果が大きいと、バズーカを売っちゃった人がいたりすると。逆に金融引き締めの局面では、市場に織り込ませて市場の動揺を軽減させることが重要だというようなことも記事で見たこともあります。だから今後も当面緩和的な金融環境が継続するとしていますが、いずれかのタイミングで引き締めの方向に、さらにまた金利の引上げに向かっていくということであれば、今後もそういう今回同様の丁寧な情報発信をしていくということでよろしいでしょうか。
43:06
政策変更のタイミングであるとか、金利の引上げ、例えば引上げ幅であるとか、そういうことについてこと細かに事前の情報発信をするというふうには考えておりませんけれども、繰り返しになりますが、どういう考え方で仮に金融緩和の度合いを促進するのであれば、そういうふうにしていくのかということは、前もって伝わるように努めていきたいというふうには思っております。
43:38
上田総裁の最近の単独インタビューとかそういうのを見ると、先に話し終わったとおり、すでに金利引上げに向けた発信が始まっているのかなというふうに感じたりもしています。先ほどもちょっと聞きましたが、なぜこのタイミングだったかということです。今回の金融政策見直しの判断、なぜ中小企業の賃上げの状況が見通せる状況まで待たなかったのかと。展望レポートを出す4月の金融政策決定会合としなかったのかについて、もう少しお聞かせいただけますか。
44:21
委員ご指摘の、特に中小企業の賃上げのところでございますが、個別にあるいは業種によっては賃上げがなかなか難しいという声が存在することもよく承知しております。そうした中で私ども、3月の会合に先立って、本試験でヒアリングをいたしまして、企業収益が改善を続け、労働需給が引き締まるもとで、人材確保のための取組が必要という声もお聞かれたところでございます。さらに全体としてみれば、地域 の中小企業を含め、幅広い企業で賃上げの動きが続いているということが伺われたところでございます。また、規模が小さい企業を中心に、大企業の打結動向を見極めた上で賃上げを判断していきたいという声も多く聞かれました。過去にも、大企業の結果が中小企業に波及していく傾向があったことも踏まえまして、今年も規模が小さい先にも一定程度の賃上げの動きが広がっていくことができるということを、広がっていくことが期待できるということを一つの判断の根拠としたところでございます。もっとより、先ほど来申し上げていますように、今回の政策変更後も金利水準、あるいは実質金利は、金利水準は低いですし、実質金利は大幅にマイナスで推移するというふうに考えておりますので、こうした緩和的な金融環境が中小企業の経営環境を含め、経済物価をしっかりと支えるというふうには見ております。次の、物価目標2%の認識についてお伺いしたいと思います。これまでも、金融政策を見直さないのかといったときにでも、今、例えば足元では2%を超えているけれども、これは円安を含めた輸入物価が上がっている特殊要因なんだというようなことを言われたりとか、展望レポートでは1.9%の予想がされても、政策見直しがされてこなかったんですね、これまでは。今回は、その2%が達成されたということではなくて、物価目標の実現の角度が高まったと いう言い方をされていまして、それで政策の見直しが行われたと。このことはどう理解すればいいんでしょうか。物価目標2%の意味合いが変わったということなんでしょうか。
47:16
結論的には、私どもの見通し展望レポートの見通し期間の終盤に従いまして、25年度にかけて2%の目標が持続的安定的に実現していくということは見通せる状況に至ったと判断したわけでございますけれども、25年度にかけておおむねに1%になるという見通しは、過去の展望レポートでも出しておりました。それと今回1月以降の違いは、見通しの経路自体についてはそれほど大きな変化はないわけでございますけれども、見通しに対する自信の度合いといいますか、見通しが実現していく可能性、これが様々なデータあるいは情報から高まったというふうに判断したというところでございます。
48:16
そのことは理解したいというふうに、確実にするんじゃなくて、見通せたんだということで変更されたということだというふうに理解しました。また今回は、政策の変更の発表の中で、マネタリーベースの残高に関するオーバーシュート型コミットメントについて、その要件を充足したと判断という表現もあります。オーバーシュート型、ここを超えるまでは続けますよという約束ということだとすると、それを外すとまだ角度が高まっただけで、超えていないんじゃないかということでいくと、この意味するところを教えていただきたいと思います。
49:03
ご指摘のコミットメントのところですけれども、これはマネタリーベースにつきまして、消費者物価の前年比上昇率の見通しではなくて、実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続するという約束でございました。現実のデータを見ますと、消費者物価、例えば除く生鮮食品で見ますと、前年比ですが、過去2年間ほど継続して2%以上を維持しております。これをもちまして、 このコミットメントは要件を充足したものと判断したところでございます。
49:55
黒田総裁の下で膨れ上がった負の遺産というところで、日銀のバランスシートの正常化をどのようにしていくのかというのが、次の総裁の取り組む課題の大きな一つだというふうに思います。日銀が保有する大量の国債、ETFをどうしていくのか、特にETFについてどうしていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
50:26
バランスシートを今後どういうふうに動かしていくか、縮小していくのかという点のご質問ですが、まず長期国債につきましては、3月の決定会合でお知らせしましたように、当面これまでと同じ程度で購入を続けるということにいたしました。この結果としまして、私どもは応援します。国債の残高は当面 、おおむね横ばいですいするというふうに考えております。その先については、これを減らしていくということを展望していますが、具体的にどのタイミングでどれくらいということは、現時点ではまだ確定的なことは申し上げられないところでございます。一方、ETFでございますが、これは新規の購入を停止いたしましたので、残高は価格変動の部分を除きますと、一定ですいすることになります。その上で、保有しているものの処分ですけれども、これは常々申し上げておりますように、すぐに行うというふうには考えておりません。今後、処分をするのかしないのか、処分する場合にどういうやり方をとるのかということについては、少し時間をかけて検討させていただければなというふうに思っております。
51:58
ETFについては、本当に難しいことだろうというふうに思っています。ですから、ETFの処理について、日本銀行の内部での頭の体操として市場に影響を及ぼさないように、もし少しずつ売却するとしたら、どの程度の期間がかかるかについてのシミュレーションとかはされているのでしょうか。
52:25
これは、様々な検討はもちろんしておりますけれども、具体的なコメントは、今日は差し控えさせていただければと思います。
52:38
売るといった瞬間に大変なことになるということですし、影響がないように売るとしたら、様々なシミュレーションがあるようで100年以上もっとかかるというふうに言われているということであると、やはりそれも現実的ではないんじゃないかということだと思います。私たちは立憲民主党としても、新しい金融政策の実現に向けてとする政策パッケージを発表していまして、この中ではETFを日銀のバランスシートから切り離し、国民に有益な形で移転することを検討、実行するべきだという提言をしています。ぜひ検討いただ きたいと思いますが、いかがでしょうか。
53:20
ETFの処分の仕方について、様々な具体的な提案をいただいていることは事実でありますが、それを含めて検討をさせていただきたいと思いますが、繰り返しですが、それぞれについて具体的にコメントをするのは差し控えさせていただければと思います。
53:42
ここのやりとりで株価に影響があると大変なことになるので、そういうことだと思います。続いて、賃上げを持続的にしていくことが極めて重要だということでいきますと、賃上げ促進税制の課題、実効性の確保についてお聞きをしたいと思います。今回の日銀の政策変更によって、いよいよ金利のある世界が到来するということです。金利が上昇する中で、政府の掲げるデフ レからの完全脱却を実現するためには、業績が好調な大企業から下請け、下請けという言葉自体はあまり使わない方がいいということですが、関連企業、中小企業の価格転嫁が今後ますます重要となってきます。賃上げ促進税制に関わる質問、私は前回自分のタイミングでさせていただいたのですが、高取委から指導勧告等がされた企業に対する賃上げ促進税制の適用についてお伺いをしたのですが、指導とか企業名が発表されたら取り消すのでしょうかということを質問したときに、前回の委員会ではすぐにお答えいただけなかったということで、後日財務省の方からご回答をいただきましたが、この委員会の場でもそのことについてお示しいただきたいと思います。
55:28
そうではなくて、賃上げ促進税制を受けていました。ただ、マルチステークホルダー宣言というのが賃上げ促進税制適用の前提となるのです。そのときに高取から指導とか勧告された場合は、マルチステークホルダー宣言が取り消しになっちゃうといったときに、今まで受けていたものは訴求して返納なり何なりするのでしょうかという質問を前回させていただいて、どこの会社じゃ なくて、制度としてどうなっていますかということをお答えいただきたいと思います。
56:10
お答えいたします。令和4年度税制改正を受けた賃上げ促進税制におきましては、この適用の要件となっている、今委員御指摘のマルチステークホルダー方針、この公表にはパートナーシップ構築宣言を公表している旨の記載が必須とされているところでございますが、仮にこうした法人に対して、下請け法に基づく厚生取引委員会の勧告が行われた場合には、パートナーシップ構築宣言の掲載が取りやめられることとされております。それに伴いマルチステークホルダー方針につきましても公表できないこととなりまして、勧告を受けた事業年度については、賃上げ促進税制の適用が受けられないこととなります。尾立の訴求の件でございますが、現在の制度では勧告を受けた事業年度以外の年度が勧告の対象期間に含まれていたとしても、当該年度について本税制の適用が受けられないという仕組みにはなっていないところでございます。はい、柴信一君。 受けられないという仕組みにはなっていないということは、返さなくていいと。返さなくていいという。貰ったも のは返さない。税制措置で軽減されたものについて返さなくていいということですよね。
57:33
当該年度については、本税制に仕組み上、適用を排除しているものではないという仕組みになっておりますので、ご理解いただきたいと思います。
57:45
現状については理解をしたいと思いますが、マルチセイコフォルダー宣言というのが、適用の前提条件になっているということです。そして、コートリーも頑張って自治体派遣に勤めていただいていると思いますが、実際は手が回りきっていないんじゃないかと。年度を超えての指導勧告となるというのが実態です。ですから今回の大手自動車会社については、2021年から23年の間の内容について勧告がされた。企業名が公表された10社についても、2022年の6月から2022年の5月に実施された取引の部分なんです。そうすると、その訴告をどう捉えるのか。過去の事象で取り消されると、今回の適用ができなくなっちゃうんですよね。逆に過去のところで指導されたとしても、現在はそれを是正していますということであったら、適用するべきじゃないかというふうに思うと、実際に事象が確認された年度については、税制措置が受けられないようにすべきではないかと訴求するなりするということが必要だというふうに思うんですが、検討いただけないでしょうか。
59:09
賃上げ促進税制の適用関係につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、これは制度としてマルチステークホルダー方針の実効性を担保する観点からは、勧告を受けた事業年度において、仮にその事業年度に下請け法違反の行為がなかったとしても、本税制の適用を受けられないようにすることで十分な県政効果が働くことを期待されるとの考え方によるものでございまして、制度の在り方としては一定の合理層を有するものと考えているところでございます。その上で、訴求の件でございますが、本制度は令和4年度から投入されておりまして、適用初年度の税務申告が足元でようやく一順するところでございます。そうしたことを踏まえまして、まずは引き続き実態をよく把握した上で、マルチステークホルダー方針の実効性というものの確保の在り方を考えていくことが重要だというふうに考えているところでございます。
1:00:13
優しいのか厳しいのか、よくわからない対応だなというふうに思うので、ぜひ実態を把握した上で検討いただけたらというふうに思います。次に、今回の日銀の金融政策の見直しを受けて、今後金利が上昇していくと、さまざまな幅広い方面に影響が生じていることが想定されます。例えば、中小企業の資金繰りであるとか、住宅ローンや、また変動金利の奨学金なんかもあるということでいくと、影響が出てくるんじゃないかと。今はまだ大きな影響とはなっていませんが、今後金利の引き上げがされてくる状況においては、政府としての対応も必要になってくるというふうに思いますが、その認識について お答えください。
1:00:56
はい、お答えいたします。上田総裁は、今回の金融政策変更決定以降、預金金利は幾分上昇しているものの、貸出の基準金利である短期プライムレートは、現時点では変わっておらず、また貸出金利が大幅に上昇するとは見ておらず、先行きにつきましても、現時点の経済物価未踏出を前提とすれば緩和的な金融環境が継続する旨、述べておられるものと承知しているところでございます。いずれにしましても、政府と一緒しましては、今般の金融政策の変更を踏まえまして、引き続き、今後の個人や家計の動向を注視していくとともに、デフレ脱却と持続的な経済成長に向けて、経済財政運営に万全を期してまいりたいというふうに思います。
1:01:49
今はまだ大きな影響が生じていないということですが、前回の委員会でも東京のマンション価格のことが話題になって、パワーカップルが高額のマンションを買っているという中で行ったときに、やはりその低金利の中で何とかローラー返済されたものが、それができなくなったとしたら、経済の影響は小さくないというふうに思いますので、ぜひ政府としても必要な対応を的確に講じていただくようお願いしたいというふうに思います。次に、円安の状況に対する認識についてお伺いしたいと思います。現在の円安の状況について、日銀としてコメントするのは難しいとは思いますが、金融政策決定会合の後、金融政策の見直しが発表された後、円安に触れたということを踏まえると、日銀の金融政策が円安に影響を及ぼしているんじゃないかというふうに思いますが、その要因の分析を含めて、上田総裁の認識をお聞かせいただきたいと思います。
1:02:58
為替相場でございますが、その動きや水準について、具体的にコメントすることは、すみません、差し控えさせていただければと思います。多様な要因で決定されていると思いますが、いずれにせよ、為替励闘は経済企業のファンデメンタルズに沿って、安定的に推移することが重要であると考えております。
1:03:27
日銀の金融政策が円安の要因の一つであるということは認められますでしょうか。黒田総裁ともちょっとやりとりさせていただいたときに、黒田総裁、日銀は物価の番人なんで、為替は私の守備範囲じゃないというふうにおっしゃったり、国民生活を顧みに見ない人だなというふうに思ったんですが、円安について、日銀の政策というのが円安を招く要因の一つだというふうに考えられるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
1:04:06
一般論としてでございますが、金融政策は為替を決めるファンデメンタルズの一つであると認識しております。
1:04:17
ありがとうございます。円安が進むということは、輸入物価上昇というコストプックス型のインフレを招くということで、日銀が目指す物価と賃金の好循環による目標達成を阻害するというふうに思います。日銀として円安を無視できない場合は必要な対応をとるというようなご発言もあるようですが、その認識についてお聞かせいただきたいと思います。
1:04:47
金融政策は為替レートをコントロールするために運営するものではありません。その上でですけれども、為替レートの動きが、場合によっては経済物価情勢に無視できない影響を与えるということもあり得るかと思います。そういう事態に至りましたら、それは金融政策の対応をもちろん考える可能性が出てくるということでございます。一般論でございますが。
1:05:22
一般論として誠実にお答えいただいたというふうに思います。次に、円安が急激に進んだことを受けて、3月27日に開かれた国際金融市場に関する三者会合について伺いたいと思います。財務省、金融省に加えて日銀がメンバーとなっていることの意味を教えていただけないでしょうか。財務省ですか。
1:05:59
お答えいたします。先月3月27日に委員御指摘のとおり、財務省金融庁、日本銀行の間で国際金融資本市場に係る情報交換会合、いわゆる三者会合というのが実施したところでございます。そういった中で、経済と金融市場の同行をしっかりと意見交換したわけでございますので、そういった中で日本銀行にも入っていただきながら会合しているということでございます。
1:06:30
日銀もこの対応のメンバーだということは改めて確認したいと思います。次にマイナス金利についてお伺いしたいと思います。改めてマイナス金利導入の目的とその目的が達成されたのか教えていただきたいと思います。
1:06:54
マイナス金利政策は2016年の1月に導入したところでございますけれども、金利のカーブの起点を引き下げることで、イルドカーブ全体に金利低下圧力を加えることを意図したものでございます。このマイナス金利政策でございますが、同じ年の9月に導入しました長期金利のコントロールとともに、首都市で低金利そして実質金利の低下を通じて経済活動を支え雇用を仕上げてきたというふうに見ております。こうした点に関しては私どもの実証分析でもある程度それを支持する結果が出ているところでございます。その上でですけれども、3月の決定会合では先ほど来申し上げておりますように賃金物価の好循環が強まりつつあるという中で、マイナス金利政策を含む賃金物価の好循環が強まりつつあるという判断をいたしました。その背景としましてマイナス金利政策を含む大規模な金融緩和を粘り強く続けてきたことが、経済活動、そして物価の動きを支持してきたというふうに考えております。そういう認識に基づきまして、その会合で大規模な金融緩和、マイナス金利を含むものでありますが、これは役割を果たしたというふうに判断し、停止したところでございます。
1:08:48
イールドカーブ全体を引き下げるというところから言われると、なかなか反論しづらいんですけれども、もう一方でいけば、銀行の貸し出しを増やしていくんだというようなことの意味もあったんだというふうに思うと、もう一方でいくと、政府の政策が、アビノミクスでいう3本目の矢がうまくいかなかったということで、結果としてそういう貸し出しは増えなかったんじゃないかというようなことも言えると思います。一方、マイナス金利というのは、銀行の経営、収益の悪化を招くこととなりました。収益の悪化によって、これまで銀行が社会的責任として負ってきた業務、サービスを維持できなくなって、結果として国民生活に影響を与えた側面もあるというふうに思います。私は郵便局出身なので、郵貯銀行が高価の両替手数料を有料化したりとか、あとは銀行が公金の取扱いを取りやめたりするというところに影響が来たんだというふうに思います。今後も経済の悪化によって、金融政策の見直しを行わざるを得ないこともあるというふうに思いますが、マイナス金利の導入については、これまでの検証、評価を踏まえて慎重に行うべきだというふうに思いますが、総裁の認識をお聞かせください。
1:10:11
今後再びマイナス金利政策を導入することがあるかどうかということだと受け取りました。その他に関しましては、当面そういう状態ではないということではまずあると思います。そういう状況でありますので、昨年来行っております、私どもの長い期間の金融緩和政策に関する多角的レビューというものがございますが、この中で過去行ってきましたマイナス金利政策のプラスの面、マイナスの面を多角的に評価いたしまして、将来もしもそういうことを検討しなくてはいけない事態が来ましたならば、そこで参考にしていきたいというふうに考えております。
1:11:09
結果としてやはりマイナス金利、弱いところに石川予想が行ってしまったんじゃないかということもあって、ぜひ慎重な検討をお願いしたいというふうに思います。続いて、アコード、政府に一銀の共同声明についてお聞きしたいと思います。