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衆議院 本会議

2024年04月09日(火)

1h45m

【公式サイト】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55117

【発言者】

額賀福志郎(衆議院議長)

勝俣孝明(外務委員長)

岡本三成(経済産業委員長)

星野剛士(内閣委員長)

塩川鉄也(日本共産党)

小林史明(自由民主党・無所属の会)

本庄知史(立憲民主党・無所属)

住吉寛紀(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

吉田久美子(公明党)

浅野哲(国民民主党・無所属クラブ)

松本剛明(総務大臣)

藤岡隆雄(立憲民主党・無所属)

海江田万里(衆議院副議長)

吉田とも代(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

22:00

これより会議を開きます。日程第一、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件。日程第二、所得に対する租税に関する二重化税の除去、ならびに脱税及び租税回避の防止のための日本国とギリシャ共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件。日程第三、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件。

22:45

民意三権を一括のして議題といたします。 委員長の報告を求めます。 外務委員長 勝又 貴昭君。

23:02

ただいま議題となりました3件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。まず、日アンゴラ投資協定は、令和5年8月9日に署名されたもので、我が国とアンゴラとの間の投資の自由化、促進及び保護に関する法的枠組みについて定めるものであります。次に、日ギリシャ租税条約は、令和5年11月1日に署名されたもので、我が国とギリシャとの間の二重課税の除去及び脱税等の防止に関する法的枠組みについて定めるものであります。最後に、日EU経済連携協定改定議定書は、令和6年1月31日に署名されたもので、現行の協定に情報の電子的手段による国境を超える移転及び個人情報の保護に関する規定を追加するための改正等について定めるものであります。以上3件は、去る4月2日外務委員会に付託され、翌3日上川外務大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。5日に質疑を行い、質疑終局後、討論を行い、順次採決を行いました結果、3件はいずれも賛成多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。以上、ご報告申し上げます。

24:41

3件を一括して採決いたします。3件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって3件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

25:01

日程第4、ダス炭素成長型経済構造への円滑なし移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案、日程第5、二酸化炭素の除流事業に関する法律案、右両案を一括として議題といたします。

25:22

委員長の報告を求めます。経済産業委員長、岡本光成君。

25:37

ただいま議題となりました両法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。まず、ダス炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案は、低炭素水素等の供給及び利用を早期に促進するため、基本方針の策定、計画の認定制度の創設、認定を受けた事業者に対する支援及び水素等の供給を行う事業者が取り組むべき措置に関する判断基準の策定等の措置を講ずるものであります。次に、二酸化炭素の貯留事業に関する法律案は、二酸化炭素の貯留事業の健全な発達等を図るとともに、公共の安全を確保するため、貯留事業及び私屈の許可制度の創設、貯留事業及び私屈に関する事業規制と保安規制の整備並びに、同管輸送事業に関する事業規制と保安規制の整備等の措置を講ずるものであります。両案は、去る3月12日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、15日に齋藤経済産業大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。22日に質疑に入り、27日に二酸化炭素の貯留事業に関する法律案について、29日に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低酸素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案について、それぞれ参考人から意見を聴取いたしました。ついで4月3日、環境委員会との連合審査会を開会し、5日、質疑を終局いたしました。質疑終局後、討論・採決を行った結果、両案はいずれも賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。なお、両案に対しそれぞれ負担決議がされました。以上、ご報告申し上げます。

28:06

両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに、賛成の諸君の起立を求めます。起立、多数、よって両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

28:30

日程第6、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案、日程第7、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。

28:52

内閣委員長、星野剛志君。

29:03

ただいま議案となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。まず重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案は、重要経済安保情報の指定、我が国の安全保障の確保に資する活動を行う、事業者への重要経済安保情報の提供、重要経済安保情報の取扱い者の制度等を定めるものであります。次に経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案は、特定社会基盤益務の安定的な提供を確保するため、特定社会基盤事業として定めることができる事業に、一般公安運送事業を追加するものでございます。両案は去る3月19日、本会議において出席説明及び出議が行われた後、同日本委員会に委託されました。本委員会においては、22日、高市国務大臣から趣旨の説明を聴取した後、出議に入りました。28日には参考人から意見を聴取するとともに、4月2日には経済産業委員会との連合審査会を開会し、さらに5日には岸田内閣総理大臣の出席を求めて出議を行うなど、慎重に審査を重ね、同日出議を終局いたしました。出議終局後、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案に対し、自由民主党無所属の会、立憲民主党無所属、日本維新の会、教育無償化を実現する会、公明党国民民主党無所属クラブ及び有志の会の共同提案により、政府は毎年有識者の意見を付して重要経済安保情報の指定等の運用状況について、国会に報告するとともに公表すること等を内容とする修正案が、国民民主党無所属クラブの提案により重要経済安保情報の取りやす化に係る、適正評価の調査事項を追加すること等を内容とする修正案がそれぞれ提出され、両修正案の趣旨の説明を聴取いたしました。ついで両案及び両修正案を一括して討論を行い、順次採決いたしましたところ、まず重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案につきましては、国民民主党無所属クラブの提案による修正案は、賛成小数をもって否決され、自由民主党無所属の会、立憲民主党無所属、日本維新の会、教育無償化を実現をつぶす会、公明党国民民主党無所属クラブ及び有志の会の共同提案による修正案並びに修正案部分を除く原案は、いずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正決議すべきものと決しました。次に経済施策を一体的に講ずることによる、安全保障の確保の中心に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。なお、両法律案に対し、それぞれ二位決議があったれました。以上、ご報告申し上げます。

33:30

両案につき、討論の通告があります。順次これを許します。

33:35

塩川哲也君。

33:49

私は、日本共産党を代表して、重要経済安保情報法案等に反対の討論を行います。本案は、米国などの同盟国、同志国と、兵器の共同開発を推進するものです。米国が初めて策定した国家防衛産業戦略は、同盟国、同志国の強固な防衛産業は、米国国防総省の統合抑止の組織であり続けるとして、他国間連携による兵器の共同開発、共同生産や維持整備網の構築を掲げています。岸田政権は、日A、イの次期戦闘機Gキャップ、日米の極超音速兵器を迎撃する、核空弾回迎撃用誘導弾GPI、さらに米A5のオーカスとの兵器の共同開発を進めようとしています。そのため本案は、秘密保護法の範囲外である、コンフィダンシャー級の情報まで秘密の範囲を広げることで、同盟国、同志国と同等の秘密保全法制を整備しようというものです。イギリスの駐日大使が、機密技術の共同開発には、セキュリティクリアランス制度が欠かせないと述べているとおりです。日本の財界も、国防省関係のビジネスで、さらなる業務獲得円滑化のためには、クリアランスが必要と推進しています。米国などの同盟国、同志国と財界の要求に応えて、兵器の共同開発輸出を進め、日本を紙の承認国家にしようというのが本案です。断じて許すわけにはいきません。米国のキャンベル国務副長官は、明日開かれる日米首脳会談で、極めて重要な防衛装備品の共同開発、共同生産を協議すると述べました。日米首脳会談の手土産にするために、衆議院を通過させようとしているのは明らかではありませんか。憲法の平和主義を投げ捨てる部屋に、タンクを抗議します。軍事兵器の共同開発推進の下で、国民には何が秘密かも知らされないまま、政府が勝手に秘密を指定し、その秘密に触れただけで、公勤刑という原罰で処罰する秘密保護法を拡大するのが本案です。政府が指定できる秘密を経済分野まで大幅に増やし、広範な民間労働者、技術者、研究者を政府の秘密保全体制に組み込んで監視し、処罰するなど、到底認められません。本案が規定する秘密を扱う人への適正評価は、政治的指導、海外渡航歴、精神疾患などの治療歴、借金や家賃の滞納、家族や同居人の過去の国籍まで、機微な個人情報を根こそぎ調べ上げるものです。事情に変更があった際には、報告させる制約まで迫ります。本人だけでなく、上司からも調査票を提出させ、警察公安調査庁や医療機関などにも、本人への通知なく紹介をかけます。適正評価後も、事業者に対象者を継続的に監視させる二重三重の監視体制であることが、質疑でも明らかになりました。本人の同意が前提と言いますが、労働者が調査を拒否しても、不利益をこもらないという保証はなく、事実上の強制です。思想、良心の自由、プライバシー権を踏みにじる憲法違反、そのものではありませんか。しかも、秘密指定された情報は、国民の代表である国会議員にすら明らかにされません。修正されたところで、秘密を知った国会議員が、秘密課への外でもらせば刑罰に処せられるなど、国会の国勢調査権や議員の質問権を侵すものであることには変わりなく反対です。経済分野への秘密指定への拡大は、本来あるべき研究成果の自由な公開やオープンな研究環境を制限し、学問の自由を侵害するのは明らかであり容認できません。重大なのは、政府が本案によって経済分野まで拡大される秘密の範囲に合わせて、秘密保護法を改正することなく、法の運用によって、これまで防衛、外交、スパイカスト、テロカストの4分野に限定されていた特定秘密の範囲を拡大しようとしていることです。10年前、国民の大反対をしきって強行した憲法違反の秘密保護法を運用で拡大するなど断じて認められません。このような拡大は、政府が経済安保の名の下ででっち上げた大河原河口事件のような冤罪事件を引き起こすのは明白であります。以上、本法案に断固反対、廃案にすることを求め、討論を終わります。

39:02

小林明貴君

39:17

自由民主党の小林明貴です。私は自由民主党無所属の会を代表いたしまして、ただいま議題となりました、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案及びその修正案、並びに経済施策を一体的に構造することによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の立場で討論いたします。

40:10

小林明貴君

40:39

自民党は、今月には経済施策を一体的に構造することによる安全保障の確保の推進に関する法律が成立し、公布されました。他方で、経済安全保障を取り巻く環境は日々刻々と変化しており、引き続き迅速に対応していくことが重要です。これを踏まえ、政府では昨年2月から1年間、有識者会議を開催し、その議論等も踏まえて、今国会に提出されたのが重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案です。この法律は重要経済基盤保護情報であって、公になっていないもののうち、その漏洩が我が国の安全保障に支障を与える恐れがあるため、特に取得することが必要であるものを重要経済安保情報として指定し、その保全を行うこととしています。また、重要経済安保情報を取り扱えるものは、原則として適正評価によって認められたものとし、仮に重要経済安保情報を漏らしたもの等には罰則を課すこととしています。加えて、適合事業者として認められた事業者に重要経済安保情報を提供することにより、情報の活用を図ることができるものとしています。このように、本法律案は重要経済安保情報について保護しつつ、民間においても活用を図っていくもので、我が国の置かれた安全保障環境に鑑みれば必要不可欠なものです。本法律案に関する質疑において、本法律の運用に当たっては適切に国会が関与するべきといった観点から、政府は制度の運用状況を有識者に報告し、その意見を聞くこと、また、毎年有識者の意見を付して制度の運用状況を国会に報告し公表すること等を盛り込んだ修正案を6回が共同で提案し、賛同を得られました。これにより、国会による関与も確保され、また、政府部内におけるチェック体制も整備され、政府が情報保全の必要性と国民の知る権利のバランスに立った制度運用を行うことを担保できると考えています。以上、この法律案は修正案も相まって、経済安全保障分野における我が国の情報保全の強化を真に支えるものとなったと考えています。次に、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。本法律案は、昨年7月にサイバー攻撃により名古屋港コンテナターミナルにおいてシステム障害が発生し、コンテナの搬入、搬出に支障が生じるなどの影響が発生したことを踏まえ、基幹インフラ制度に一般公安運送事業を追加するものです。公安の物流機能は、四方を海に囲まれた我が国にとっては極めて重要であり、本法律の取組は国民生活や経済活動の基盤となる公安の物流機能の安定的な提供に必要がかけたものと考えています。以上述べたとおり、両法律案については、経済面から我が国の安全保障を確保していく観点で非常に重要なものです。我が国は戦後最も厳しい安全保障環境にあります。国家及び国民の安全を確保し国益を守っていくため、そのための政策を迅速に進めていく必要があります。上野党を挙げてしっかり取り組んでいこうではありませんか。議員の皆様の両法律案及び修正案に対する御賛同を心よりお願い申し上げまして、私の賛成討論といたします。

44:15

本庄 佐藤君

44:40

立憲民主党を務所属の本庄 佐藤です。私は会派を代表して、ただいま議題となりました重要経済安保情報保護活用法案及びその修正案、並びに経済安全保障推進法改正案について、いずれも賛成の立場から討論をいたします。

45:04

厳しさを増す安全保障環境、激しい国際競争の中、我が国にとっても経済安全保障の重要性は日に日に高まっています。こうした認識の下、2年前には立憲民主党も賛成して経済安全保障推進法が成立しました。その際、我が党主導で二い決議に盛り込まれたのが、経済安保分野のセキュリティクリアランス制度の創設です。こうした経緯を踏まえ、今国会政府が提出した重要経済安保情報保護活用法案は、重要物資のサプライチェーンや基幹インフラに関する機密情報であって、漏洩すると我が国の安全保障に支障をきたす恐れがあるものを重要経済安保情報に指定して保護するとともに、適正評価をクリアした民間企業やその従業員がこれらの情報を利活用することを認めるというものです。経済安全保障の革新部分は、安全保障の確保と自由な経済活動のバランスであり、今回の法案でいえば、機密情報の保護と利活用のバランス、そして情報公開やプライバシー保護とのバランスが堪用となります。この観点から、政府案はおおむね妥当な内容と言えるものの、内閣委員会での法案審議を通じて問題点や課題も明らかになりました。例えば、本法案は具体的な制度設計が今後整備される関連政令や運用基準に委ねられている部分も多く、重要経済安保情報の指定件数や適正評価対象者数の見込み、新設される一元的な調査の実施体制などなお不明点が残ります。引き続き閣議決定などの内容を慎重に精査していく必要があります。また、秘密保護法とシームレスに運用するとしながらカバーされる情報の範囲や罰則のバランスなど、実際にはすぎはぎ凸凹の制度であることも否めません。特定秘密保護法の施行10年間の検証総括含め、今後の検討改善が求められます。政府案の最大の問題は、制度運用に対する監視体制が極めて不十分である点です。このため、立憲民主党は政府による恣意的な運用やブラックボックス化を防ぐため、国会の監視と政府部内の監視を大幅に強化する議員修正を要求しました。これに他の与野党にも御賛同いただき、6会派で修正案を共同提出するに至りました。政府案には問題点や課題もありますが、本修正案とセットで成立させることで一定の評価ができると判断し、立憲民主党は賛成することといたしました。今後は重要経済安保情報を情報監視審査会の対象とする国会法改正などが必要となります。引き続き各党各会派の御理解と御協力をお願いいたします。次に経済安全保障推進法改正案について、その内容には賛成しつつ、あえて苦言を呈したいと思います。経済安全保障推進法の基幹インフラ制度に公安関係を追加すべきではないかとの議論は、2年前の法案審議の中でも指摘がありました。しかし政府の見立ては極めて楽観的で、追加は必要ないとの立場を変えず、推進法は原案のまま成立しました。ところがその翌年、名古屋港でサイバー攻撃による深刻な被害が発生したため、今回慌てて公安運送事業を追加せざるを得なくなったわけです。法律が成立してわずか2年です。基幹インフラ制度はまだ運用も始まっていません。政府の対応は甚だお粗末で、また国会審議を軽視していた単なる通過議例に過ぎなかったと言われても仕方がありません。我が国の安全保障に関わる重大な問題だけに、政府には緊張感を持って臨んでいただきたいと思います。最後に今回の法案の柱であるセキュリティクリエアンス制度は、経済安保情報の機密指定や適正評価のための見事調査などを含むことから、知る権利や情報公開を妨げる、人権やプライバシーを侵害するといった懸念や疑念が根強くあります。もとよりこういった懸念や疑念は、合理的な制度設計と適正な運用によって払拭すべき問題ですが、その大前提は信用され信頼される政府でなければならないということです。その意味において、今の政府に対する国民の信用信頼が十分なのか、十分でないとすればそれはなぜなのか、政府そしてそれを構成する与党、とりわけ自民党の議員各位には、真摯かつ謙虚に自問自答していただきたいと思います。以上申し上げ、私の討論を終わります。ありがとうございました。

51:40

司会 澄吉 宏君。

52:09

日本維新の会、澄吉 宏です。討論に先立ち、今月3日の台湾のファーリンを襲った大震災に関して、お亡くなりになられた方々に、衆心より哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞いを申し上げます。我が党としても、台湾の復興の力になれるよう、今後可能な限り力を尽くしてまいります。それでは、日本維新の会、教育無償化を実現する会との統一会派を代表し、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案、及び経済施策を一体的に講ずることによる、安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案、及び我が会派を含む6会派提出の修正案に対して、賛成の立場から討論いたします。国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等により、安全保障のすそのが経済分野に急速に拡大する中、国家・国民の安全を経済面から確保するための取組を、強化・推進することは重要です。日本では外国政府等の工作員等が現実的に情報活動をしており、実質的にそれを取り締まる法整備が遅れているため、スパイ天国と揶揄されております。そのため、外国政府等の工作員等から政府保有の重要情報を保全するための対策を講じていく必要があります。また、日本の情報管理体制が脆弱であり、同盟国・同志国からの情報共有がなされにくい現状があります。情報管理体制において、同盟国・同志国と同じレベルの制度を整備することで、同じスタートラインに立って日本企業がビジネスをできたり、政府間で経済や科学技術に関する貴重な情報を交換できたりする環境を一刻も早く整備する必要があります。こういった問題意識から、我が会派は、セキュリティクリアランス制度の導入に対し、令和4年に成立した経済安全保障推進法の議論のときから、その必要性を訴えてまいりました。セキュリティクリアランス制度に関して、G7で唯一未整備であることを鑑みると、遅きに失した感はありますが、本法律案に対し慎重かつ前向きに議論を重ねてまいりました。そのため、本法案審議に先立ち、3月15日に我が会派と自民党会派による実務者協議を行いました。最終的には、他会派とも問題意識を共有し、我が会派を含む、自民・立憲・公明・国民・有志の6会派共同の形で修正案の提出に至り、最低限の修正は加えることができたのではないでしょうか。今回の法律案では、情報の指定や管理、適正評価の在り方等重要なことについては、法律制定後の運用基準等で定めることになっております。政府が密室で機密情報指定を運用し続ければ、モラル維持に必要な透明性を損ない、国民の資料権利も疎外されるリスクがあります。指定される情報の範囲やチェック体制についても、後からルールが変わることが十分想定されます。いわばゴールポストを動かすことができるようなものです。我が会派は、第三者がチェックできる仕組みの構築や、特定秘密保護法での国会の情報監視審査会と同様の体制整備を構築することを訴え続けてまいりました。この点について、修正案では、重要経済安保情報に係る運用状況を有識者に報告することとし、その運用状況を国会へ報告するとともに公表することによって、恣意的な運用に一定の歯止めがかかるものになると期待いたします。また、重要経済安保情報の国会における監視体制を修正案に反映できたことは一定評価いたします。しかし、完全に懸念点が消えたわけではありません。我が会派は、本法案と特定秘密保護法の2つの法案をシームレスで運用するには、情報保全の仕組みや法人に対する両罰規定等において無理があるとの考えから、特定秘密保護法の改正でシームレスに運用することを主張しておりました。また、アメリカで問題となっているオーバークラシフィケーション対策については不十分と言わざるを得ません。現在、アメリカの人口約3億3000万人に対し、セキュリティクリアランスを付与されている方が約400万人。これを日本と単純人口比で考えると、150万人の規模となり、予算が莫大になると想定されますが、その対策については、委員会質疑で明らかになりませんでした。オーバークラシフィケーションの姿を示さないことは、制度設計上の欠陥と考えます。情報の総量なあり方や対象者がどれくらいの規模になるのか、また適正評価の体制など、早急に国民に示していただきますよう要望いたします。また、委員会審議においての議論で政務参役等が適正評価の例外となっていることに、多くの委員が疑義を呈しました。本来は、大臣、副大臣、大臣政務官は、情報漏洩のリスクがない人物が当然のように就任するべきです。しかし、岸田政権発足以降、政務参役をはじめとした不祥事が相次ぎ、後退せざるを得ない状況が続き、挙句の果てには逮捕者まで出る始末です。誰とは申し上げませんが、自分の胸に手を当てて該当する方は、申請してください。政府においては、政務参役等が適正評価の例外になっている点について、運用状況を見極めながら、今後しっかりと対応されることを強く求めます。以上のように、本法案に懸念点は残るものの、本法案が我が国の重要経済安保情報の保全と流通において、一歩前進することを期待しております。しかし、これでゴールではありません。本法案の情報保全の体制整備は、政府保有の重要経済安保情報で、民間の情報には及びません。日本の素晴らしい技術が海外に漏洩するリスクは依然として残るわけです。実際に日本の技術流出は現実に起こっております。現在の不正競争防止法、外溜め法等では防ぎきれない現状に鑑み、いわゆるスパイ防止法の検討も早急に必要だと考えます。また、昨今では情報がサイバー攻撃において抜き取られる事案も多発しております。重大なサイバー攻撃を未然に防ぐための、能動的サイバー防御の早急な法整備も必要です。さらに、再生可能エネルギー規制改革の内閣府のタスクフォースで、資料の一部に中国企業のロゴマークのスカシが入っておりました。日本のエネルギー戦略という国家の根幹に関わることに、中国の影響が及んでいた可能性が排除できません。本件は現在、内閣府において調査中とのことですが、徹底的な調査を求めるとともに、全省庁において、政策の意思決定に他国の影響が及んだ事案がないか調査すべきです。以上、政府には一刻も早い対応を求めます。また、経済安全保障推進法改正案については、一昨年に公案を加えることも検討されたにもかかわらず、基幹インフラ制度の対象に追加されなかったことは残念です。今後、医療DXの推進や、ガバメントクラウド等の共通化が図られている地方公共団体もサイバー攻撃を受けた場合、広範囲に影響が及ぶ可能性もあるため、基幹インフラ制度に速やかに加えるべきだと考えます。資源の乏しい日本において、科学技術、産業技術はまさに日本の宝です。多くの日本の研究者、技術者は、それぞれの研究分野の発展のために、失敗を恐れずに試行錯誤しながら研究にあたくれております。そのような方々に報いるために、本法案によって重要経済安保情報が適切に保護されるとともに、最先端技術へのアクセスが可能となり、そのような技術情報が活用され、日本の発展に寄与していくことを切に願い、私の賛成討論といたします。ご静聴ありがとうございました。

1:02:26

吉田久美子君。

1:02:41

公明党の吉田久美子です。私は公明党を代表して、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案、並びに経済施策を一体的に講ずることによる、安全保障の確保の推進に関する法律の一部を改正する法律案、修正案に賛成の立場から討論いたします。まず、基本的な課題の認識として、近年、安全保障という概念が、防衛や外交という領域から、今や経済、技術分野に急速に拡大していることがあります。さらに、軍事と非軍事の技術の境界線が曖昧となっている中で、経済分野の機微な情報の保全の仕組みを整備、強化する必要性は、ますます高まっております。また、特定秘密保護法で保護されている、トップシークレット、シークレットに次ぐ、コンフィデンシャル相当の、我が国の情報保全に万全を期すため、その仕組みを経済安全保障分野において整備する必要があること、そして、その情報を同盟国、同志国と共有し、我が国の経済安全保障に資するとともに、国際社会の安定と発展に寄与する必要があることなど、これらの現状認識を踏まえ、本法案が果たす役割は極めて重要であり、今国会で早期成立を期すべきと考えるものであります。この重要経済安保情報に関する法律案は、政府が有する経済安全保障上重要な情報を管理、活用するルールを定め、セキュリティクリアランスの制度を整え、その保持者を通じて民間事業者の新たな国際ビジネス機会を確保する道を開くものです。これにより、我が国が先進技術開発に関し、他国、他地域に対する優位性を得る機会を創出し、相手国が決定的に重要と考える技術分野で代替困難なポジションを獲得する、いわゆる戦略的不可欠性を高めることになると考えるものであり、かつ、中長期的には国際社会における不可欠性を獲得し得る意味で、本法案の意義は極めて大きいと言えます。さらに、今後、AI、量子、衛星、ビヨンド5Gといった次世代技術の国際共同開発の機会を獲得すべきとの指摘もあり、機密情報の取扱資格者を政府が認定し、国として他国と同等の情報保全の仕組みを速やかに導入すべしとの意見は、経済活動の現場に身を置く当事者の正当な主張であり、政府として正面から受け止めるべきものと考えます。委員会において法案審議を進める中で、セキュリティクリアランスの適正評価を受けることによって、個人が不利益をこむることがないように対策を講じること、行政機関が保持することになる個人情報の厳正な取扱い等について、運用方針の細部の策定をすることなどを確認し、さらに、政府による重要経済安保情報の指定及び解除の適正の確保、国権の最高機関である国会に対する重要経済保護情報の提供及び国会におけるその保護措置の在り方等について明示した修正案は、評価でき賛同できるものであります。ともあれ、経済安全保障分野における情報管理の必要性が高まっていることは明白です。世界中でサイバー等を介して凄まじい情報線が様々な分野で繰り広げられており、この現実を見据えて政府が情報管理と運用の適正を図ることは、当然の国の責務であると考えます。複雑性が増し、混面を深める世界情勢の中にあって、どうやって国民の命と生活を守るのか。こうした時代だからこそ、価値観を共有する国々と経済安全保障上の連携を深め、共同研究、共同開発を通じて、それぞれの地域の発展に寄与するとともに、国際社会が抱える様々な問題解決に貢献することは、先進国日本としての重要な役割であり、責務だと申し上げ、賛成討論といたします。以上、本法案の速やかな成立と着実な執行を強く求め、私の賛成討論といたします。御清聴ありがとうございました。

1:08:47

麻生聡君

1:09:05

国民民主党の麻生聡です。ただいま議題となりました、経済安保関連日本案に賛成の立場で討論を行います。近年国際社会においては、エコノミックステイトクラフト、すなわち国家の政治的な目的を達成するために、軍事的な手段ではなく経済的手段、例えば希少資源の取引規制や、特定国、特定商品に対する輸入規制、関税操作などによって、相手国に影響力を行使する方法への警戒感が急速に高まっています。同時に国際紛争のマルチ領域化が進んでおり、直接的な武力行為に及ぶことなく、サイバー領域などを通じて、相手国に甚大な影響を及ぼすことが可能となる中、我が国が相対として情報管理機能を高め、同盟国、同志国と連携しつつ、これらの脅威に対応する力を高めることは大変重要であると認識しています。そのような観点から、国民民主党は、令和4年に行われた経済安全保障推進法の審議当時から、経済安全保障分野におけるセキュリティクリアランス制度の導入をいち早く主張してまいりました。今国会において、政府が当初提出した重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案は、これまで述べた観点から、その制度の必要性については賛同してきたところです。ただし、適正評価の過程で、多くの個人情報を扱う必要が新たに発生することに加え、重要経済安保情報を指定運用する過程で、いわゆる過剰な秘密指定によって政府が説明責任を許さない範囲が広がる懸念があることから、特定秘密保護法と同様に、国会への定期的な報告を義務付け、国会の監視機能を確保しようとする修正議決の内容には賛成するものです。他方、我が党がこれまでも累次にわたって指摘したハニートラップ対策について、性的行動についての節度を適正評価の調査項目に追加するための修正案を提出したところ、有志の会の皆様からは賛同を得たものの、反対多数で否決されたことは大変残念でなりません。本法案では、性無三役などは適正評価の対象外となっていますが、昨年その性無三役についていた複数の人物が法令違反を含む不適切な行為疑惑を理由に立て続けに辞任しました。仮に民間人が不倫や税金貸の法律違反行為を行った場合、あるいはそのことが疑われる場合、その人物は再度の適正評価を受けることができるのでしょうか。おそらく本法第十二条三の規定、重要経済安保情報を漏らす恐れがないと認めることについて疑いを生じさせる事情に該当する可能性は高く、再評価の対象となるか対象外となるはずです。このように直近の事実を踏まえれば、適正評価の対象外となっているものについても、予断を許すことなく、疑いがある場合には信頼性確保のための措置を必ず講ずることを政府に求めます。それもせずに再び類似の事態を引き起こすことがあるならば、その時は総理が迅速に当事者を罷免した上で、御自身も責任を取られることを強く求めたいと思います。我々は、適正評価を行う際に住所や国籍、借金の有無など外形的な部分だけでなく、性的行動に関する節度を含む実質的な部分についても留意して調査を行うよう、二重決議に明記いたしましたので、政府にも十分に留意していただくよう求め、討論を終わります。以上で、討論は終局いたしました。次より、採決に入ります。まず、日程第6につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よって本案は委員長報告のとおり修正、議決いたしました。次に、日程第7につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よって本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

1:14:40

この際、内閣提出放送法の一部を改正する法律案について趣旨の説明を求めます。総務大臣松本貴昭君。

1:15:03

放送法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。近年、国民視聴者の多くがインターネットを主な情報入手手段として利用しつつあるなど、放送をめぐる視聴環境は急速に変化しています。そうした中において、公共放送と民間放送等の二元体制の下で、日本放送協会の放送番組をテレビ等の放送の受信設備を設置しない者に対しても、継続的かつ安定的に提供するため、インターネットを通じて放送番組等の配信を行う業務を、協会の必須業務とするとともに、放送全体の発展に貢献するプラットフォームとしての役割を果たす観点から、民間放送事業者が講じる難視聴解消措置に対する協会の協力義務を強化する等の措置を講ずる必要があります。次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。第一に、原則として、全ての日本放送協会の放送番組について、同時配信及び見逃し配信を協会の必須業務とすることとしております。また、協会の放送番組の内容が、その主張の環境に適した形態で配信されるよう、放送番組と密接な関連を有する情報であって、放送番組の編集上必要な資料により構成される番組関連情報の配信についても、協会の必須業務とすることとしております。第二に、番組関連情報の配信を行う業務を、日本放送協会自らの判断と責任において適正に遂行するため、協会に対して業務規定の策定、公表等を義務づけるとともに、その実施状況を定期的に評価すること等を義務づけることとしております。第三に、日本放送協会の受信料の公平な負担を図るため、テレビ等の放送の受信設備を設置したものと、同等の受信環境にあるものとして、通信端末機器の操作等を経て、協会が必須業務として行う放送番組等の配信の受信を開始したものを、受信契約の締結義務の対象とすることとしております。第四に、民間放送事業者が講じる難視帳解消措置について、民間放送事業者から、日本放送協会が行う協力の具体的な内容に関する協議の求めがあったときは、協会に対し当該協議に応じることを義務づけることとしております。以上のほか、所有の規定への整備を行うこととしております。なお、この法律は一部の規定を除き、交付の日から掲算して、1年6月を超えない範囲内において、整理で定める日から施行することとしております。以上が、この法律案の趣旨でございます。

1:18:01

ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。順次これを許します。

1:18:13

藤岡 鷹雄君。

1:18:39

立憲民主党無所属の藤岡鷹雄でございます。会派を代表して、ただいま議題となりました、放送法の一部を改正する法律案につきまして、質問をいたします。まず冒頭に、去る4月3日の台湾の地震において、お亡くなりになられた方に、心から哀悼の誠を捧げ、被災された全ての皆様に心からお見舞いをいたします。言うまでもなく、東日本大震災、熊本地震、のと半島地震など、これまでに台湾が我が国に対して寄せてくれた熱い支援を思えば、日本政府としても、まさに今こそ恩返しの思いでも、台湾のニーズなどに基づき、迅速かつ大胆な支援をしていただきたいと思います。放送法に関連し、放送事業者には政治的に公平な立場で放送番組の編集に当たっていただくことが重要ですが、先日、いわゆる自民党派閥の政治資金パーティーに関する裏金問題をめぐり、自民党内の処分が発表されました。明後日の本会議において、林選特が政治改革特別委員会に開所される予定でありますが、法改正の議論の前に、まず岸田総理にこの特別委員会に来ていただき、森元総理の関与、処分の具体的な基準、岸田総裁自身と、2階都市議論議員を処分の対象外とした理由など、国民に説明することから始めていただく必要があるのではないでしょうか。さて、放送法改正案につきましてお尋ねをいたします。テレビ放送は開始から70年以上経ち、インターネットの発達で曲がり方に立っています。視聴時間は若者を中心に減り、スマートフォンやタブレットでの動画配信に人気が集まっております。総務省の調査では、2020年度平日におけるネットの平均利用時間が初めてテレビを上回り、その後差が開いております。テレビを持たない世帯も増えております。国民が情報を入手する主な手段はネットへ移行しつつあります。こうした中で、現行制度下においてもインターネット活用業務として配信されているNHKの放送番組について、インターネット配信を必須業務化することとしていますが、その積極的な理由は何か。また、NHKと視聴者双方にとって必須業務化することによってどういうメリットがあるのか、一方で民業にどんな影響が及ぶのかお答えください。今回、視聴者国民の大きな関心を呼んだのは受信料の行方でありました。テレビを持っていない人も受信料を取られるのか、パソコンやスマホを持っているだけで受信料を払わなければならなくなるのか、といった疑念や不安を抱かれる方もいらっしゃいます。総務省の公共放送ワーキンググループの取りまとめでは、ネットのみで同時配信・見逃し配信を視聴する人にも相応の負担を求めることが適当としました。その上で、スマホやパソコンを保持しただけでこの負担を求める対象とみなすのではなく、視聴する意思が明らかになるような行為を前提とするとして、アプリのダウンロードや利用約間への同意等の行為などが考えられるとしています。スマホなどの通信機器等による受信については、今回改正案として示された第64条第1項では、特定必要的配信の受信を開始した者が受信契約を締結しなければならないと規定されておりますが、受信料支払いが発生する要件の詳細について、大臣お答えください。現在NHKの受信料は、地上契約で月額1100円、地上契約を含む衛星契約で月額1950円でありますが、通信機器等における受信料はテレビなどの受信料と同じ額が提案されていく見込みでしょうか。テレビと同様に、地上契約と衛星契約のそれぞれにおいて定められる見込みなのでしょうか。大臣お答えください。今回の法案で示される第20条においては、通信機器等に対して例外的にテレビと同じコンテンツの提供ができない場合として、著作権の許諾が得られなかった場合などを定めております。著作権の制約で、テレビでは放送できても、スマホなどへの通信ではコンテンツを提供できない場合が想定されますが、これらのことが受信料にどのように反映されていく見込みでしょうか。大臣お答えください。これらのことは、テレビなど受信設備の所持を前提として、一律に受信料の負担を義務づけてきたこれまでの受信料制度から考えると、大きな制度変更を意味しております。テレビなど受信設備を設置しておらず、受信契約を結んでいない方が、スマホなどでは受信料を支払わないとNHKのコンテンツが見られないとするならば、事実上のスクランブル化と同一ということにはならないのでしょうか。大臣の御見解をお伺いします。そして、今後一層テレビ離れが進む中、受信料収入はこれまで以上に厳しい状況に陥っていくことは目に見えています。日本民間放送連盟の調査によると、受信契約を締結していない者や特定受信設備を持たない者のうち、NHKプラスを利用する意向は7%程度であったとなっております。完全に無料でも利用する意向がない者は62.3%にも達しております。本改正案によってスマートフォン等での視聴者向けの契約が創設されることにより、テレビを所有せずに総合の負担の下でNHKを主張する意思がある人たちがどのくらい出てくるのか、受信契約や視聴者はどの程度増加すると見込まれているのか、大臣の見解をお伺いいたします。NHKは「公共放送から公共メディアへ」というスローガンを掲げて、放送の枠を超えた独自のネットコンテンツを育ててきました。総務省の検討会では、情報の多様性の確保を重要視する意見が出されるなど、必須業務化後に放送番組以外のコンテンツをどこまで配信するのかについて、有識者から一定の理解を示す発言が続きました。しかし、今回放送番組の関連情報の提供として、NHK政治マガジンなどの独自情報を配信していた「理解増進情報制度」が廃止されることになっており、すでにNHK政治マガジンなど6サイトは本年3月に更新が終了されました。新聞離れ、テレビ離れの若者にとって、テキスト・文字ニュースはNHKの報道に触れる可能性があるものであります。メディアの多元性が重要と言いながら、なぜネットの独自コンテンツが廃止されるのでしょうか。理解増進情報制度を廃止することは、情報の多様性を減ずることにならないのでしょうか。良質な文章によるテキスト・文字情報は聴覚障害者はもとより、昨今の自動音声読み上げの実用化により、視覚障害者にとっても非常に重要なものと考えられます。新聞が公読できずしっかりとした記事を、実はNHKのネットサービスでしか読めない経済環境にある方もおります。理解増進情報として提供してきたNHKのコンテンツの廃止が、障害者や低所得者に及ぼす不利益についていかがお考えでしょうか。前回の2022年の放送法改正では、民間放送事業者の難視症解消措置に対しては、NHKは必要な協力をするよう努力することとされていましたが、本改正案では民間放送事業者へのNHKの協力を義務としております。また、民間放送事業者から難視症解消措置の具体的な内容に関する協議の求めがあったときは、正当な理由がある場合を除き、NHKは協議に応じなければならないこととしております。NHKの民間放送事業者に対する協力について、本改正案でなぜ強化することとしたのか。前回の放送法改正では、対応できない事態が生じているのか。大臣の答弁を求めます。民間の地方放送局の中には、人口減少や経済の疲弊など地域社会の衰退による広告収入の減少などによって、今後の経営基盤に不安要素を抱えているところが出てきております。今後、こうした地方放送局などの再編も、不可否との声もありますが、大臣のご見解をお伺いいたします。今はまだ、競合する関係にあるNHKと民間の地方放送局を、ともに地域情報の流通を担うパートナーへと作り変えていくことは、公共を担うNHKに期待される役割ではないかと考えます。そこで、総務省として、NHKと民間の地方放送局が連携して、放送ネットワークインフラの維持コストを低減していく取組に対し、どのように対応していくお考えであるのか、お尋ねをいたします。NHK協調について伺います。NHKとNHK協調組合が共同で設置している、運用している施設が約5300施設あり、約30万世帯をカバーしております。今後は組合員の高齢化や人口減少などにより、施設の運営や更新費用の確保が困難になるなど、施設の維持に課題が出ることが予想されています。一層の支援が必要であると考えますが、大臣いかがでしょうか。今回の法改正に至る議論について、NHK対民放新聞という対立で見ることもできますが、今はNHK対民放新聞の競争の外側に、海外との競争を含めて、巨大な競争空間が存在していることは明らかです。今後はNHK、民放新聞の3社が何らかの連携協力して望まなければ、デジタル情報空間での深刻な課題や、海外の巨大なサービスプラットフォームや海外動画配信サービスなどとの競争に対応できない状況にあるのではないでしょうか。大臣の御見解をお伺いします。公共放送が災害時や今回のコロナ禍のような緊急事態に社会インフラとして果たす役割は小さくありません。両室のドキュメンタリーは多くが評価するところであります。しかし何より必要なのは公正中立な報道姿勢であり、NHKが受信料を負担する国民・視聴者共有の財産であることを自覚し、国民・視聴者の信頼・理解・共感などの向上に努めることを期待いたします。一方、信頼を大きく失墜し信頼の回復が求められるのは日本の政治ではないでしょうか。岸田総理は自らの責任を問われ、国民に判断してもらうと発言をいたしました。総理自らが判断できないのですから、国民の皆様の判断で政権交代をして、政治の信頼を取り戻していこうじゃありませんか。このことを最後に申し上げまして、質疑を終わります。ありがとうございました。

1:31:28

総務大臣 松本 武役君

1:31:39

藤岡議員に御答弁申し上げたいと思います。13問御質問をいただきました。まず、必須業務化の理由とメリット及び民業への影響について御答弁申し上げます。本法案は、放送をめぐる視聴環境が急速に変化する中、NHKの放送番組をテレビ等を設置しない者に対しても、継続的かつ安定的に提供するため、放送番組等のインターネット配信をNHKの必須業務とするものでございます。これによりNHKは公共放送として、豊かで良い放送番組を国民視聴者に提供する役割を果たすことができ、国民視聴者はテレビ等を設置しなくても、通信端末機器を通じてNHKの放送番組等を受信することができるようになります。また、他の放送事業者等への悪影響が生じないよう、競争評価の仕組みを導入することとしております。次に受信助詞払いの発生要件についてお答えいたします。本法案では、スマートフォン等が汎用的な機器であることを踏まえ、当該機器の保有だけでなく、例えばアプリのダウンロードやIDの入力等の一定の操作等を行うことにより、受信契約の対象となるインターネット配信の受信を開始したものを受信契約締結義務の対象とすることとしております。さらに具体的な手続については、法案成立後にNHKが受信契約において定めることとなります。次に受信料の額についてお答えいたします。受信料の額については、NHKが毎事業年度の収支予算案を作成する中で検討し、総務大臣の意見を不指定提出された収支予算案を国会が承認することにより定めるものであり、この仕組みは本法案による改正の前後を通じて変わりません。このため受信契約の対象となるインターネット配信に係る受信料の額についても、市場放送等衛星放送等別体系とするかどうかも含め、同様の仕組みの下定められるものと承知しております。次に著作権者から配信の許諾が得られない場合の対応についてお答えいたします。本法案はNHKに対し、原則として全ての放送番組の配信を義務付けますが、著作権者の許諾が得られない放送番組については、国民・視聴者のニーズが満たされるよう、NHKと権利者との間の協議を促す等の仕組みとしているところです。NHKのインターネット配信に係る受信料の額については、本法案の成立後にNHKが毎事業年度の収支予算を作成する中で検討し、国会が当該収支予算を承認することによって定めるものと考えております。次に事実上のスクランブル化ではないかとの御質問についてお答えいたします。受信料制度については、平成29年の最高裁判決において、NHKの放送を受信することのできる環境にある者に広く公平に負担を求めることによって、NHKがそれらの者ら全体により支えられる事業体でありべきことを示すものとされていると承知しております。本法案において受信契約の対象となるインターネット配信の受信について、受信できる環境になった者を受信契約締結義務の対象としており、これは受信料制度の考え方に則ったものであります。次に受信契約や視聴者の増加の見込みについてお答えいたします。近年のテレビの普及率の低下や、テレビよりもインターネットの利用時間が増えていることなどを踏まえれば、国民のライフスタイルの変化として、情報入手手段がテレビからインターネットを移行する傾向は、今後加速する可能性も考えられます。受信契約や視聴者の増加の見込みについて具体的な数値をお持ち合わせとおりませんが、このように今後テレビ等を設置しない接待も増えることが想定される中、NHKが公共放送の役割や受信料制度の利益等について丁寧に説明し、国民・視聴者の御理解が進むことを前提とすれば、テレビ等を設置していない者が一定の割合で受信契約を締結することが見込まれると考えております。次に、情報の多様性の減少への懸念についてお答えいたします。放送法においては、NHKは放送を通じて広く国民・視聴者に放送番組を提供することを使命とし、これに関連する情報をインターネットで提供してきたと理解しております。本法案は、放送をめぐる視聴環境が急速に変化する中、放送という手段に加え、インターネットを通じて国民・視聴者に放送番組とともに番組関連情報を提供することをNHKの必須業務とするものであり、本法案において基本的な考え方を変えるものではありません。その上で、必須業務化に際して、放送の二元体制を含むメディアの多元性を確保するための競争評価の仕組みを導入することとしており、情報の多様性が減少するとの懸念は当たらないと考えております。次に、障害者や低所属者に及ぼす不利益についてご質問いただきました。先ほどお答えしたとおり、放送を通じて放送番組を広く国民・視聴者に届けるというNHKの使命に関する基本的な考え方は、本法案による改正の前後を通じて変わりません。また、番組関連情報においてご指摘の障害者や低所属者の方などを含む国民・視聴者のニーズを満たしていくことは当然であります。なお、障害者や低所属者の方などが基準に該当する場合には、受信料が免除される仕組みはこれまでと変わるものではありません。次に、民放に対する協力義務の強化についてお答えいたします。昨年の放送法改正により中経局の共同利用が可能となり、昨年12月から我々総務省も交えてNHKと民放が全国協議会のほか、全国各地で地域協議会を立ち上げ、各地域において当事者間で検討が進められているところです。そのような中で、地方放送局の経営状況は依然として厳しく、NHKが放送全体の発展に貢献する役割を強化する必要があると考え、本法案において、民放が講ずる難視症解消措置の円滑な実施への協力の具体的な内容に関する協議に応じることをNHKに義務づけるなど、民放に対するNHKの協力義務を強化することとしています。次に、地方放送局の再編への見解についてお答えいたします。近年、広告収入が減少するなど、民放事業者の経営環境が厳しくなっています。総務省としては、昨年の放送法改正で経営基盤強化に支出する放送番組同一化を可能としたほか、マスメディア集中排除原則を緩和するなど、経営の選択肢を拡大する制度を整備してきました。これら制度の活用も含め、地方放送局自らが経営基盤強化を図ることで、災害関係や地域に密着した公共性の高い情報などをあまねく提供する放送の重要な役割を地域から引き続き果たしていただきたいと考えております。次に、NHKと民間の地方放送局の連携によるインフラコスト提言の取組についてお答えいたします。昨年の放送法改正により中経局の共同利用が可能となり、NHKと民放が連携し、インフラ整備・維持コストの提言に取り組むことが期待されます。先ほども御答弁申し上げましたが、昨年12月から我々総務省も交えてNHKと民放が全国協議会のほか、全国各地域協議会を立ち上げ、各地域において当事者間で検討が進まれているところです。次に、NHK協調施設の維持に係る支援についてお答えいたします。協調施設については、老朽化や組合員の高齢化等が進んできており、その運営や更新に困難が生じている地域もあると認識しております。こうした状況も踏まえ、協調施設の更新等の支援を進めておりますが、現在、NHK協調施設への支援も含めて、総務省の有識者検討会でも議論いただいており、その結論も踏まえつつ、協調施設へのケーブル提供やブロードバンドによる代替の推進などの対策についても検討を行ってまいりたいと考えております。最後に、NHK民放新聞の連携についてお答えいたします。情報空間の拡大とともに、偽語情報の問題が深刻化する中で、NHKや民放新聞などの報道機関には、切磋琢磨しながら多元性を確保しつつ、正確な情報を提供することがより強く求められており、放送の役割が高まっていると認識しております。本法案では、NHKに対し、他の放送事業者等が実施するNHKの必要的配信業務に相当する業務の円滑な実施に必要な協力をする努力業務を課すこととしております。

1:41:26

委員長が交代しました。吉田智恵君。

1:41:59

日本維新の会の吉田智恵です。教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案について質問いたします。冒頭、4月3日に台湾東部を襲った大震災に関して、お亡くなりになられた方々に、中心より哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞いを申し上げます。我々としても被災地の復興の力となれるよう、今後可能な限り力を尽くしてまいります。それでは質問に入ります。公共放送の本質的な価値は、私たち国民に信頼できる情報を提供するところにあると考えます。私たちはそれをもとに、国内外の様々な出来事に対して正しい認識を持つことで、初めて自由な意思のもとで判断し、そして行動することができます。インターネットが国民生活に深く浸透し、日常的に触れるメディアの一つとなったように、たとえ今後メディア環境が変わったとしても、先に述べた公共放送の価値は変わらず、私たち国民が享受すべきものであると考えます。情報流通の環境が激変する中で、本改正案は公共放送の本質的な価値を、今後も国民に提供し続けられるものとなっているか、この質疑でお尋ねいたします。同時配信で受信料を聴取するにあたって、NHKはアプリのダウンロードやIDの入力などを求めることとしています。同一の価値、同一の受益を前提として、放送設備の設置で受信料の聴取が可能となるテレビと扱いを等しくするための対応としあんしますが、民放各社が共同で出資するTiVaでは、このような作業は不要です。デジタルネイティブ世代にとって、どちらが使い勝手が良いかは一目瞭然です。なぜこのような手続が必要となったのか、総務大臣の答弁を求めます。また、手続の不透明性も問題となり得ます。オンラインサービスの開約プロセスが意図的に複雑化され、消費者が不本意な契約を継続させられることが世界的に問題となっています。本サービスも勘弁な方法で大会し、受信料の請求を止められなければなりません。本サービスはアプリのダウンロードとIDの入力等をもって受信料の聴取を可能としていますが、逆に何をもって開約と判断するのか、総理大臣に具体的な回答を求めます。本来、放送法が規定しているのは、電波を使った送信であり、多数の人が同時に視聴し、テレビの使途はテレビ放送の受信に限られるものです。一方で、インターネットなどの通信に関しては、好きな人が好きな時にバラバラに視聴し、端末の使途はアプリによって自由に決めることができるなど、両者は性質が全く異なります。当然一家に一台のテレビを前提としたNHKの受信料の聴取方法についても混乱が生じます。現行の受信料制度を前提とし、本にNHKのインターネット事業の在り方を定めるのは、放送法の過度な複雑化を招き、今後、通信を活用した事業の足枷となり得ると思われますが、総務大臣の見解を伺います。そもそも放送法に定める受信料とは別立てで、インターネットでの受益の在り方に適した費用の聴取方法を新しく検討すべきとも思われますが、総務大臣の考えを伺います。続いて、NHKのネットサービスの在り方についてお伺いします。本改正では、NHKの必須業務に番組関連情報の配信を含めることとしていますが、その内容は放送内容と密接な関連を有するもの、かつ放送番組の編集上必要な資料に限るとしています。結果として、NHKは政治マガジン、事件記者取材ノートなど6サイトの更新を先月29日に停止しました。番組関連情報の内容を定める、業務規定が満たす必要のある諸条件の一つに、公正な競争の確保に支障を生じないものとありますが、NHKが先般更新停止が発表されたこれらのサイトのために取材を行い公開することは、公正な競争の確保に支障を生じると考えますか。また、その理由は何か、総務大臣に伺います。NHK幹部は、放送と同一の受益にかなうコンテンツを出す予定でいるので、ネットサービスの縮小にはならない、などと述べています。しかしながら、番組関連情報の内容は、放送番組の編集上必要な資料に限られ、理解増進情報のようにネットサービスでの使用を目的とした資料収集は不可能となります。このような縛りは、ネットサービスの縮小に直結するのではないでしょうか。総務大臣の考えを伺います。総務大臣は、番組関連情報の内容を規定する業務規定に関して、検証会議等を設置し、学識経験者及び利害関係者の意見を聞くこととしていますが、利害関係者の中には、国民、視聴者と合わせて競合事業者が含まれることとなっています。意見聴取の対象に、なぜ競合事業者が入るのでしょうか。専門家また受益者の立場として、学識経験者や視聴者の意見を聴取しつつ、業務規定の適合可否を判断すべきことに異論はありません。一方で、競合事業者の意見を聴取することで、視聴者よりも競合事業者の意見を優先し、国民の知る権利に資するコンテンツ政策が阻害される恐れはないでしょうか。この問題をどのように整理しているか、総務大臣に伺います。新聞社各社で構成される団体は、総務省に設置されたデジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会、公共放送ワーキンググループが提示したインターネット活用業務を必須業務化する方向性に対し、メディアの方向性を脅かす抜け道になりかねない、などと、絶望鋭く批判を繰り広げました。しかし、このような考え方は、受益者たる情報の受け手からすれば、情報の多元性を損なうこととなり、はなはだ不都合であると考えます。日本放送協会のインターネット活用業務の競争評価に関する準備会合では、質の高い情報発信源がNHKだけでなく、民間にもしっかり確保される状態が望ましいとする議論があったと承知しています。業界全体が停滞する中、NHKが放送の枠にとらわれず、ウェーブを活用した新たな発信形態を開発し、民放や新聞社各社がこれに追随することは、民間にも質の高い情報発信源を確保するとする目的に合致すると考えますが、総務大臣の所見を伺います。ワーキンググループでは、メディアの多元性を確保するため、受給調整に基づく参入規制がなされ、そこから生じる聴覚例順によって、中立な報道の維持など公共的役割を果たしてきたのが、今までの我が国のメディアの在り方であったとする意見があったと承知しています。しかしながら、先日のとおり、我が国のテレビ視聴者、新聞公読者数は長期的に低迷しており、また少子高齢化が進展する中、単にNHKの業務を制限することは、情報の受け手を増やすことにつながらず、メディアの多元性は長期的に既存されると考えます。総務大臣の見解を伺います。放送と通信が融合する時代に、NHKが対応するためには、NHKの資産と役割、業務体制を不断に見直し、将来像を改めて描く必要があります。この点に関して、日本維新の会は早くから問題意識を持ち、2年前に日本放送協会改革推進法案を提出しています。今回、政府から本法案が提出されましたが、我が党は、国民のために最もふさわしいNHKの在り方という観点から、個々の業務にとどまらず、NHK全体に抜本的な改革が必要だと考えています。そこで、NHKの体制についてお伺いします。NHKの持つコンテンツには、報道番組や教育番組のみならず、娯楽番組やドキュメンタリー等も含まれます。確かに、NHKの娯楽番組等は、我が国の文化や思想の独自性や一体性を寛容する役割を果たしてきましたが、この役割は民放によっても同様に担われてきました。このようなコンテンツに関して、民放ではなくNHKが担うべきと考える理由を総務大臣に伺います。一方で、今般の野党反党地震によって、地方の情報網としてのNHKの重要性が浮き彫りになりました。しかしながら、ご情報が出回る中、正確な情報を伝えるために尽力された姿は、まさに被災地の命綱であり、これらの機能は我が国になくてはならないインフラであるといえます。このような機能は、国のインフラとして全国民が負担を分かち合って維持するべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。しかしながら、NHKの受信料徴収率は、他の先進国と比べて低調と言わざるを得ません。イギリス、フランス、ドイツの公共放送では約90%を保ち、韓国では電気料金と合わせて徴収することによって100%に近い徴収率を誇る一方で、令和6年度のNHKの支払率は78%を見込んでいます。この現状を踏まえ、NHKの規模適正化を前提として、国民に一律料金を付加する制度を導入することも検討する必要があると試案しますが、総務大臣の考えを伺います。NHKでは、国民が平等に支え合うべきインフラとしての機能と、娯楽等の番組が共に受信料制度により支えられています。しかし、インフラとしての機能を支えるのであれば、受信料制度は徴収率が低く不平等です。また、視聴者の趣味・嗜好が多様化した中で、娯楽等に関するコンテンツに対して、視聴の有無にかかわらず、重い受信料を貸すのは不合理です。これらの機能は、組織上分割する必要があると指摘しますが、総務大臣の見解を伺います。最後に、国際的な視点から、公共放送の役割についてお尋ねします。2000年代以降にインターネットの普及が進み、有料動画配信市場の規模が急拡大した結果、我が国の放送業界は国際競争に巻き込まれつつあります。しかし、我が国の放送業界は、この競争で優位に立っているとは言えません。NHKの国内放送費が全体で約3000億円とされる一方、ネットフリックスでは独自コンテンツの制作費が約1.8兆円まで膨れ上がっています。先日、漫画家の鳥山昭氏がお亡くなりになられましたが、氏の作られた漫画が世界に与えた影響が改めて可視化されました。日本のコンテンツ産業は極めて高い競争力を持つ一方、我が国独自のプラットフォーマーを失うことは、コンテンツ制作の能力にも悪影響を与えると試案します。Amazonプライムビデオやネットフリックスと海外のプラットフォーマーに有料動画配信市場のシェアの大半を奪われている状況を、政府はどのように評価するか、また、我が国がこの市場で存在感を発揮するためにNHKにどのような貢献を求めるか、総務大臣に伺います。国際放送のインターネット配信が必須業務となれば、日本国外の方がNHKの発信情報にアクセスしやすい環境が整備されるでしょう。しかしながら、NHKの国際放送コンテンツの主張割合は、放送経緯が9.9%、インターネット経緯が11.7%であるとするNHKの調査結果があります。より多くの外国の方々に対して、我が国に対する正しい認識を養うという公共放送の役割を全うするために、海外からのアクセスを増やさなければならず、そのためにはコンテンツの強化が必須と考えますが、総務大臣の認識を伺います。ルルー述べてきた通り、我が国のメディアを復元させ、またコンテンツの海外展開を進めるにあたって、NHKは一層の貢献が求められると支援します。放送業界だけではなく、マスメディア全体のリーダーとして、テレビや新聞といった形式にとらわれない、新しい在り方を提示する役割を積極的に担い、競争を活性化する職場となるとともに、自らが持つ機能と役割を見直し、改革によって国民の受信料負担を軽減すべきことを申し述べ、質問を終わります。ご静聴いただきありがとうございました。

1:57:06

総務大臣 松本 武明君

1:57:17

吉田議員から15問ご質問をいただきました。ご答弁申し上げます。まず受信契約の手継ぎについてお答えいたします。本法案は、放送をめぐる視聴環境が急速に変化する中、NHKに放送という手段に加え、インターネットを通じて国民視聴者に放送番組等を提供する役割を担っていただくこととするものです。その上で、受信料制度の根幹である公平負担の考え方を受信契約の対象となるインターネット配信を受信する場合にも広げることに伴い、スマートフォン等が汎用的な機器であることを踏まえ、必要な手継ぎが整備されることとなります。なお、具体的な手継ぎについては、今後NHKが受信契約において定めることとなります。次に、受信契約の解約についてお答えいたします。まず、基本的な考え方を申し上げれば、受信契約の対象となる配信の受信を開始した者が、手榴弾を設置した者と同等の受信環境にある状態でなくなったときに、受信契約の締結義務はなくなることとなります。具体的な要件や手継ぎについては、今後NHKが検討するサービスの設計に応じて、NHKが受信契約において定めることになります。次に、放送法におけるインターネット授業の位置づけについてお答えいたします。今回の法案は、放送をめぐる視聴環境が急速に変化する中に、NHKが豊かで良い放送番組を提供する手段として、放送に加えインターネットでの配信を義務づけるものであり、放送番組を国民視聴者に提供する放送法の目的に則って適切に規定しております。加えて、法の趣旨に沿って授業も展開していただけるものと考えています。次に、インターネットでの費用の徴収方法についてお答えいたします。先ほどご答弁申し上げたとおり、今回のインターネット配信の必須業務化は、放送番組を国民視聴者に提供する放送法の目的の範囲内にあるため、インターネット配信を受信する場合においても、NHKの業務を行うための費用を広く公平にご負担いただく受信料制度に則った徴収方法が定められることが適当であると考えております。次に、番組関連情報の配信における公正な競争の確保についてお答えいたします。本法案が成立した暁には、番組関連情報の配信について、まずNHKが業務規定を作成し、総務大臣に届出るとともに、業務の実施状況について定期的に評価を行い、その結果を総務大臣に報告することを義務づけております。その上で、公正な競争の確保に係る要件への適合性については、NHKから届出等があった後に、総務大臣が学識経験者及び利害関係者の意見を聞いた上で判断することとしており、ご指摘の事案について現時点で考えをお示しすることは控えたいと考えております。次に、番組関連情報の内容についてお答えいたします。本法案が成立した暁には、NHKの放送番組の内容が視聴環境に適した形態で継続的かつ安定的に提供される点において、NHKのサービスが縮小されるとは考えておりません。NHKにはまず、豊かで良い放送番組の放送を行うことによって、国民・視聴者のニーズを満たしていただきたいと思います。次に、競争評価の仕組みについてお答えいたします。本法案が成立した暁には、競争評価のプロセスにおいて、学習経験者のほか、利害関係者として競合事業者に加え、国民・視聴者の立場からのご意見も応急することを想定しております。こうした仕組みを通じ、放送の二元体制を含むメディアの多元性を確保する中で、NHKには番組関連情報を含め、国民・視聴者の皆様に対し、質・量の両面においてサービスの一層の充実・向上に取り組んでいただくことにより、国民の権利に資するコンテンツ政策が阻害される恐れはないと考えております。次に、質の高い情報発信源の確保についてお答えいたします。本法案においては、NHKに対し、他の放送事業者等が実施する、NHKの必要的配信業務に相当する業務の円滑な実施に必要な協力をする努力義務を課すこととしております。NHKは、中期経営計画において、信頼できる多元性確保への貢献を自らの役割として掲げていると承知しており、配信においても新サービスの開発やその成果の共有を通じて先導的に役割を果たすことで、ご指摘の質の高い情報発信源の確保に資する取組が期待できると考えております。次に、メディアの多元性が損なわれるとの懸念について、御答弁申し上げます。NHKの番組関連情報については、放送番組の内容がその視聴の環境に適した形態で提供されることに対する、国民視聴者のニーズを満たすことや、他の放送事業者等との公正な競争の確保に支障が生じないことなどの要件に適応する業務規定をNHKが定めた上で、放送の二元体制を含むメディアの多元性を確保する観点から、競争評価のプロセスを経て確定することとしております。そのため、本法案が単にNHKの業務を制限して情報の受け手を増やすことにつながらず、メディアの多元性が長期的に損なわれるとの懸念は当たらないと考えております。次に、NHKが多様なコンテンツを提供するべき利用についてお答えいたします。NHKは放送法において、あわねく全国において豊かで良い放送番組を受信できるよう放送を行うことが目的とされており、NHKと民間放送がそれぞれ存在する二元体制の下で、その双方が切磋琢磨することによって放送全体が発展してきたものと承知しています。こうした中、NHKにおいては、娯楽を含め幅広く豊かで良い番組を放送すること等により、公共放送としての基本的役割を果たしていただく必要があると考えております。次に、NHKの機能の維持と負担についてお答えいたします。NHKには災害時を含めて信頼できる情報を提供するという機能を果たしていただいているものと認識しています。受信料制度については、平成29年の最高裁判決においてNHKの放送を受信することのできる環境にあるものに、広く公平に負担を求めることによって、NHKがそれらのものら全体により支えられる二元体であるべくことを示すものとされていると承知しております。このような受信料制度を踏まえ、NHKには信頼できる情報を提供していただきたいと考えております。次に、NHKの財源に係る一日料金の付加についてお答えいたします。全ての世帯に一日料金を付加する制度を導入するには、国民・市町者の理解がなければならず、検討が必要なものと考えます。NHKにおいては、受信料制度の趣旨を踏まえ、受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向け、日経役者や見払い者対策として、民事手続や弱いマシンシキン制度の適切な活用も含め、支払率向上のための一層の取組を進めていただきたいと考えております。次に、NHKの措置の在り方についてお答えいたします。さきの質問にお答えしたとおり、NHKは放送法において、あまねく日本全国において豊かで良い放送番組を受信できるよう放送を行うとともに、放送全体の進歩・発達等に貢献することが目的とされており、NHKと民間放送の二元体制の下、その双方が切磋琢磨することによって放送体制が発展してきたものと承知しております。こうした中、NHKは娯楽を含め豊かで良い番組を放送すること等により公共放送としての基本的役割を果たしており、分割する必要があるとは考えておりません。次に、有料動画配信市場についてお答えいたします。有料動画配信市場については、海外プラットフォーマーが豊富な資金を有し、グローバルに展開し、多くの視聴者を獲得している一方で、我が国では優れた放送コンテンツを国際競争力の強化のために、十分に生かすことができていない現状にあると評価しております。このため、放送コンテンツの国内外への流通を支えるプラットフォームとして、NHKにはコンテンツ産業の競争力強化に貢献することを期待しています。最後に、外国人に向けた情報発信におけるNHKの役割についてお答えいたします。NHKの国際放送については、その重要性や世界的な視聴スタイルの変化を踏まえ、その放送番組等のインターネット配信を本法案において必須業務とすることとしております。また、国際放送についてNHKは、中期経営計画において、デジタル活用等により国際発信を再強化し、日本の資産を発信するとしていると承知しており、NHKには中期経営計画に基づき、インターネットも活用し、国際放送の充実を図っていただきたいと考えております。失礼しました。

2:07:16

これにて質疑は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。

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