19:54
それでは、これより会議を開きます。北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。この際、お諮りいたします。本件調査のため、本日、政府参考人として、内閣官房・内閣審議官平井康生君、警察庁長官官房審議官千代信光平君、総務省大臣官房審議官山崎良二君、及び外務省大臣官房参事官浜本幸也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。ご異議なしと認めます。よって、そのように決しました。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
20:53
自由民主党の塚田一郎です。質疑の時間を賜りましたことに感謝を申し上げます。私は新潟県新潟市で生まれ育ちました。今から46年前、私が14歳、新潟市立頼井中学校の2年生に在学をしていたときに、一つ下の学年に横田恵美さんが13歳で在学をされていらっしゃいました。恵美さんのお父さんの横田茂さんは日本銀行にお勤めで、転勤の関係で日本銀行新潟支店に転勤をされ、新潟小学校を卒業された後に、頼井中学校に進学をされたということであります。恵美さんはバトミントン部に所属をされて、一生懸命バトミントンの練習をされていた。11月15日、練習からの帰宅途中、自宅目前で北朝鮮の工作員に拉致をされ、以来46年の歳月が流れ、恵美さんは現在59歳。北朝鮮のどこかで祖国への帰国を絶望されていると思います。当時は新潟県警の大捜索がありまして、私も同じ通学路を通っておりましたので、警察の方に事情を聞かれたことを今でもよく覚えております。我々にとっては本当に自ら同じような思いで、もしかしたら自分もそういうことにあったのかもしれないという思いで、子ども時代を過ごしました。拉致問題ということがわかるのに20年以上かかり、さらに小泉包丁2002年から2022年の歳月が流れたわけであります。大変に大きな時間がたってしまいました。私が国勢を目指す一つの大きな理由は、この拉致問題、横田明美さんを含む全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現するという思いでありますので、いまだにそのことが実現できていないことはじくちたる思いでありますが、政府には最優先課題としてしっかりと取り組んでいただきたいとこのように思っております。家族会・救う会は昨年2月に、親の世代の家族が存命のうちに、全拉致被害者の一括帰国が実現するならという前提で、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しないとの運動方針を示しました。さらに本年2月25日には、同じ前提で、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないとの運動方針を発表しております。家族会代表の横田拓哉さんは、3月4日岸田総理と面会をした際に、「個人の立場では北朝鮮への感情は、怒り、憎しみ、敵対心、恨みしかありません。それでも、拉致被害者家族の親世代である有本昭弘さんと横田昭恵が自分たちの家族との再会を実現させることを優先させるために大きく方針を変えた次第です」と述べられております。まさに苦渋の決断をされたということでありまして、我々は真摯に受け止めなければなりません。有本昭恵さんが95歳、横田昭恵さんが88歳と、本当に解決への時間的制約が非常に切迫をしている状況を踏まえ、今回の運動方針の政府としてどのように受け止めているのか、林担当大臣に伺います。
24:55
ご指摘がありました家族会、救う会、今後の運動方針につきましては、今お話がありましたように、先月家族会、救う会から総理に直接指向された際に私も同席しておりまして、有本昭恵さん、そして横田昭恵さんをはじめ、ご家族の皆様から何としてでも、肉親との対面を果たしたいという切実な思いを直接伺ったわけでございます。そして今、塚田委員からもお話のあった苦渋の判断だったというご発言、横田昭恵家族会代表から直接お聞きをしました。私といたしましても、もはや一刻の余裕もないという切迫感、改めて痛感をして、拉致問題の解決に向けた強い思いの現れと厳粛な思いで受け止めたところでございます。ご家族がご高齢となって、解決への時間的制約が切迫している状況であるということをご指摘のとおりであります。委員におかれましても、昨年5月に、拉致疑伝の一員として家族会、救う会とともに訪米をされまして、米国の連邦議会議員や政府公館有識者に対して、拉致被害者の早期帰国の実現に向けた働きかけを行っていただいたと、大変ありがたいことだと思っております。この時間的制約のある拉致問題、ひとときもゆるがせにできない人道問題であります。岸田総理は何としても、自分自身の手で拉致問題を解決するという強い決意を述べてきております。私自身、担当大臣として、ご家族のさし迫った思いをしっかりと共有しながら、すべての拉致被害者を必ず取り戻すという断固たる決意を持って、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
26:37
はい、ぜひ岸田内閣としても、最重要課題と位置づけていただいておりますので、政府一丸となって、拉致問題の一日も早い解決に向けて取り組んでいただきたいというふうにお願いをさせていただきます。我が国は、北朝鮮に対して、国連安保利制裁に加えて独自の制裁を開始しておりますが、どのような内容なのか、外務大臣、ご説明いただけますでしょうか。
27:10
我が国といたしましては、関連する国連安保利決議に基づく、特定品目の一瞬出入禁止措置や、資金移転防止措置等に加えまして、我が国自身の措置として 、北朝鮮との全ての品目の一瞬入禁止等の措置をとっており、北朝鮮の人、物、金の流れを厳しく規制する措置を実施してきております。我が国といたしましては、引き続き国際社会と協力しながら、関連安保利決議の実効性の向上に取り組んでいくとともに、日本としてとっている措置の実施を徹底してまいりたいと考えております。
27:56
今回、ご家族救う会が、我が国独自の措置を解除してでもという思いの新しい方針を述べられたわけでありますから、裏地問題を含む、我が国懸案事項の交渉の進展によっては、国連安全保障自治会制裁の決議に違反しない範囲で、我が国がこうした独自の制裁について、我が国独自の判断で解除することは可能だと考えておりますが、いかがですか。
28:37
北朝鮮への対応についてでありますが、ご指摘の、我が国自身の措置の在り方を含めまして、裏地核ミサイルといった主権案の包括的解決に向けまして、何が最も効果的かという観点から、普段に検討を行っていく考えでございます。
29:01
当然、検討していただいて、時が来た時には、当然、我が国独自の制裁ですので、我が国の判断で解除するということも、交渉としては私はあり得ると思います。そこは深掘りはいたしませんけれども、そういう決意で政府には臨んでいただきたいと思います。過去にストックホルム合意のときに一部の措置が解除されましたが、その経緯についてご説明願います。
29:35
2014年7月でありますが、北朝鮮が特別調査委員会を立ち上げまして調査を開始することから、我が国は同年5月のストックホルム合意に従いまして、北朝鮮との人的往来に関する措置を解除する。そして北朝鮮向けの支払報告及び支払手段等の携帯輸出届出の加減金額の引下げ措置を解除する。そして人道目的の北朝鮮籍船舶の日本への入港を認める、こういった措置を取ったところでございます。
30:16
過去も外交交渉の経緯で、こうした我が国独自の措置については解除された経緯もありますので、しっかりとそうしたことも踏まえて、時が来たときにはご判断をいただきたいとこのように思っております。日朝間の交渉の最大の手小は、日朝国交正常化後の経済協力だというふうに言われております。日朝平安宣言では国交正常化交渉において、経済協力の具体的な規模と内容 を誠実に協議すると明記されておりますが、岸田内閣としては、この日朝平安宣言のすべての文言の内容について、引き続き有効であるという認識でよろしいでしょうか。
31:05
委員を御指摘の日朝平安宣言でございますが、これは日朝双方の首脳の議論の結果として、日朝関係の今後の在り方を記載した、首脳により署名された文書であり、現在に至るまで北朝鮮側も否定をしておりません。我が国といたしましては、この日朝平安宣言に基づきまして、拉致核ミサイルといった処刑案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す考えに変わりはございません。
31:44
日朝国交正常化というのは、これは最終ゴールでありますので、それ以前に当然、拉致問題、そして我が国の懸案事項である核ミサイルといった問題についても解決をしていくことが当然前提となりますが、その基本となる日朝平安宣言については、引き続き堅持されているというふうに理解をいたしました。岸田総理は今日お立ちになるんですかね。今週から来週にかけて国賓大宮で褒美されます。核ミサイル問題ももちろんありますが、拉致問題の解決については、やはり日朝の首脳が直接話をしていただくことが非常に重要であり、米国の理解が不可欠であります。横田拓哉さん、4月5日の外国特派員協会の記者会見で、「拉致事件を強くアピールし、協力と支援をいただけるよう、米国と約束してほしい」というふうに述べられているわけですね。北朝鮮との交渉について、当然今回の日米首脳会談でも議題になると思いますが、岸田総理とともに褒美をされると伺っております上川大臣に、どういった決意で臨まれるかをお聞かせいただきたいと思います。
33:08
今般の北朝鮮褒美に際しましては、私も所反の事情が許せば、褒美を指定、首脳会談に同席することで準備をしているところでございますが、政治安全保障、経済、人的交流等を含みます幅広い議論について、意見を交わすことが想定されております。この拉致問題を含む北朝鮮をめぐる問題への対応のためには、我が国自身の主体的な取組に加えまして、米国や外国をはじめとする国際社会と緊密に連携をすることが重要と考えております。こうした観点から、米国政府から拉致問題について一貫した理解と、また支持が表明されていることを高く評価をしておりまして、私自身、2月の日米韓外相会合などの機会を通じまして、武林圏国務長官に対しましても謝意を表明しているところでございます。米国政府との間におきましては、これまでも北朝鮮との対話の道が開かれていることについて、認識を共有しているところでありまして、総理、訪米の機会などを通じて、引き続き北朝鮮への対応について、米国と緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。
34:31
対北朝鮮の外交交渉においては、日米の連携、日米間の連携は大変重要だと思いますので、しっかりと日米首脳会談においても、また上川外務大臣にもその点を踏まえて、米国で対応いただきたいというふうにお願いをさせていただきます。私も長年、ご家族の皆さんと訪米をしておりまして、最初のころはなかなか拉致問題の認識はそれほど高くなかったんですが、今ではアメリカ政府議会、この日本の拉致問題ということはもう大体認識をされていて、非常に協力的に対応いただけるような状況になりました。さらにそれを進化をしていきたいと思っておりますし、何よりも解決に向けて引き続き頑張っていきたいと思います。政府による認定拉致被害者についてお尋ねをいたします。警察庁では北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に係る方々を公表しており、特定失踪者問題調査会も特定失踪者を公表しております。先日その特定失踪者の一人である大沢隆さんのお兄様が、ご面会のご要請があってお会いをしました。大沢隆さんは間違いなく拉致被害者だと家族の皆さんも強く思われていて、なぜ認定が得られないのかという思いを強く思っていらっしゃいます。特にこうした拉致の可能性は高い方々が大勢いるわけですが、なぜ拉致と判断されないのか、この点について松村国家公安院長にお尋ねいたします。
36:24
北朝鮮による拉致被害事案が発生して長い年月が経過しているところでございますが、いまだに全ての被害者の帰国が実現しておりません。拉致被害者やそのご家族もご高齢になられており、一刻の猶予も許されない状況であると認識をいたしております。警察におきましては、これまで拉致容疑事案と判断している事案以外にも、塚田委員御指摘の大沢孝さんの事案も含めまして、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識のもとに、拉致の可能性を含めまして、事件、事故などあらゆる可能性を念頭に所要の捜査、調査を進めているところでございます。しかしながら、これまでのところ、御指摘の大沢さん事案を含めまして、北朝鮮による拉致容疑事案と判断する証拠や関連情報を得るには至っておりません。従いまして、今後とも被害者のご家族のお気持ちを十分に受け止め、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現と、