19:29
これより、会議を開きます。議事に配りに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。去る2月6日に、トルコ南部で発生した地震による被害でお亡くなりになられました方々と、そのご遺族に対しまして、深く哀悼の意を捧げます。また、被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。これより、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷を捧げたいと存じます。全員のご期日をお願いいたします。黙祷。
20:25
黙祷を終わります。ご着席をお願いいたします。災害対策に関する意見について調査を進めます。国土・強靭化担当及び防災担当大臣から所信を聴取いたします。
20:48
国土・強靭化担当、防災担当大臣の谷光一でございます。第211回国会における御審議に当たりまして、災害対策に関する私の所信を申し上げます。我が国は、その自然的条件から災害が発生しやすい特性を有しており、この1年間にも、福島県沖を震源とする地震や、昨年7月から8月にかけての大雨、台風第14号、第15号、この冬の大雪等により多数の方々が被災されております。また、世界に面を転じると、パキスタンにおける水害や、トルコシリアにおける大地震をはじめとして、各地で災害が頻発しており、極めて甚大な被害が発生しております。こうした災害により亡くなられた方々と、そのご遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。防災は、国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害の度に得られた経験や教訓を生かして、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいります。とりわけ本年は、 大正12年に発生した関東大震災から100年の節目にあたります。関東大震災は、その発生日である9月1日が、防災の日と定められているように、近代日本における災害対策の出発点となった災害です。我々は、この節目の年に、今一度、大災害への備えに思いを新たにし、災害対策の一層の強化と、国民一人ひとりの防災意識の向上に取り組まなければなりません。まず、地震対策の強化についてであります。関東大震災から100年を終えて、いつ起きてもおかしくないとされる人直下地震に備え、引き続き、防災対策をしっかりと進めてまいります。大都市化における大規模地震に伴う帰宅困難者対策については、昨年8月、有識者検討会において、今後の対応方針が取りまとめられました。今後、関係省庁等とともに、対応方策の具体化を図ってまいります。南海トラフ地震についても、広域で甚大な被害が想定される中、来年3月には、具体的な減災目標などを盛り込んだ基本計画の策定から10年を迎えます。これまでの防災対策の進捗状況の確認や被害想定の見直し、新た な防災対策の検討を行い、基本計画の見直しにつなげてまいります。日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震については、昨年9月に変更した基本計画に基づき、命を守るための防災教育や訓練の充実、避難路等の整備、建物等の耐震化、給与による授業継続計画の策定促進等、関係機関における防災対策が着実に進められるよう、しっかりと支援してまいります。また、北海道三陸沖高発地震注意情報の運用を、昨年12月から開始いたしました。南海トラフ地震臨時情報についても、令和元年より運用を行っておりますが、これらの制度が住民の適切な防災対応につながるよう、関係自治体等としっかり連携しながら、引き続き周知に努めてまいります。このほか、中部圏、近畿圏直下地震による被害想定についても検討を進めるなど、大規模地震への対応のため、引き続き関係機関と連携し、防災対応の一層の向上に努めてまいります。保守災等からの避難対策については、首都圏等における大規模水害時の広域避難対策のさらなる具体化に向けて検討を進めています。また 、高齢者や障害者等の避難の実効性を確保する、個別避難計画の作成促進などにも取り組んでいるところです。災害による犠牲者を一人でも少なくするためには、住民が適切な避難行動をとることが重要であり、関係機関と連携し、避難対策の一層の強化に取り組んでまいります。火山災害の対策については、火山地域の自治体において、住民等の安全を確保するため、避難確保計画の作成支援や訓練の実施などの取り組みが進められています。引き続き、地元自治体の声を伺いながら、これらの取り組みに対し一層の支援を講じるなど、関係機関と連携した対策を推進してまいります。また、大規模噴火時に想定されている、広範囲にわたる火山灰の影響に備えるため、富士山の噴火をモデルに、関係省庁及び自治体等と連携し、具体的な対策を検討するなど、引き続き、火山防災対策に取り組んでまいります。次に、デジタル防災技術の活用促進についてです。誰もがデジタル化や先進技術の恩恵を受けることができる社会を目指し、防災分野においても、デジタル防災技術を活用し、被害の最小化、被災者支援の充実等に努めてまいります。具体的には、関係者間での災害情報等の共有を強化する防災デジタルプラットフォームの構築や、自治体のニーズと民間協和をまつ先進技術のマッチング支援などの取り組みを進めてまいります。近年、多様な課題を抱える被災者に対するきめ細やかな支援の必要性や、この中における避難所運営の変化など、被災者支援の在り方が変わってきています。昨年5月には、これらの課題を多角的な観点から検討する有識者検討会を立ち上げたところであり、官民連携による被災者支援体制の整備強化や、災害ケースマネジメントの全国への普及にも取り組んでまいります。引き続き、より効率的で質の高い被災者支援の在り方について、検討を進めてまいります。地域の防災力を高めるため、地区防災計画の策定や、ボランティア等との連携、共同の取り組みを進めるとともに、防災推進国民会議等を通じた防災意識の 啓発、「津波防災の日」や「世界津波の日」を中心とした津波防災の啓発などに一層取り組んでまいります。また、実践的な防災教育の推進や、避難生活支援の専門性を有する人材を育成する仕組みの構築に取り組んでまいります。仙台防災枠組に基づいて、より良い復興など、我が国の取り組みや教訓を世界に発信し、防災分野での国際協力や、官民連携による防災技術等の海外展開を推進してまいります。災害から国民の命や財産・暮らしを守るため、防災・減災・国土強靱化のための5か年加速化対策に基づき、追加的に必要となる事業規模として、おおむね6~5兆円程度を目処に、流域治水対策やインフラの老朽化対策、デジタル技術の活用など、123項目の対策について、重点的かつ集中的に取り組んでいます。これまでに9兆円を超える事業規模を確保しており、今後も災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土づくりのさらなる加速化・進化を図ります。また、5か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に国土強靱化の取組を進めていくことが重要です。新しい資本主義やデジタル田園都市国家構想も踏まえて、 災害に強い国づくりを強力に推進します。そのため、5年から10年の中長期を見据えた新たな基本計画を、本年夏をめどに策定すべく検討を進めているところです。こうした取組を着実に進め、継続的・安定的に防災・減災・国土強靱化を推進してまいります。国土強靱化を効果的に進めるためには、自治体や民間と連携して取り組むことが極めて重要です。このため、自治体が策定する地域計画の内容の充実性に向けた支援、民間の国土強靱化の取組を促進する税制の充実や、先導的な取組の発信などに取り組んでまいります。さらに、国土強靱化の広報・普及啓発について、理念や具体的な効果のわかりやすい発信に努めるなど、関係省庁と連携して戦略的に進めてまいります。また、船舶活用医療については、一昨年の5月に災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律が公布されたことを受けて、昨年7月に内閣官房に準備室が設置されたところであり、引き続き関係府省とも連携・協力しつつ、同方の施行に向けた準備を加速してまいります。振り返れば、我が国の災害対策は、大災害の教訓を今後の対策に生かすことで強化されてきました。私は28年前の冬、神戸で阪神淡路大震災を経験し、復旧・復興に取り組みました。その中で身にしみて感じたことは、その柄なくして命と暮らしを守れないということでした。様々な災害から国民の生命・身体・財産そして生活を守り、安心して暮らせる社会を実現する。この決意を新たに、災害の経験を通じて得られた教訓を生かしながら、防災・減災・国土強靱化に全力を挙げて取り組んでまいります。江藤委員長をはじめ、理事・委員閣議の各別のご指導、ご便達を賜りますようお願い申し上げます。以上で大臣の所信表明は終わりました。次に、令和5年度における防災関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。
32:15
国土強靱化担当、防災担当、内閣府副大臣の星野剛史でございます。災害から国民の生命・身体・財産を守るために、国土強靱化担当、防災担当、内閣府副大臣として谷大臣を補佐し、中野政務官とともに力を合わせて、一連の災害からの復旧・復興、今後の災害対策と強靱な国づくりに全力で取り組んでまいります。江藤委員長をはじめ、理事・委員閣議のご指導、ご便達を賜りますようお願い申し上げます。さて、令和5年度の防災関係予算案の概要につきまして、お手元の資料によりご説明をいたします。まず、1ページ目の総括表についてご説明を申し上げます。この表は、関係省庁の施策のうち、防災関係のものとして予算額を特定できるものについて取りまとめたものであります。科学技術の研究関係が約74億円、災害予防関係が約6438億円、国土保全関係が約1101億円、災害復旧等関係が8465億円となっており、これらを合計しますと1兆6079億円となります。次に、主要なものを簡単にご説明申し上げます。2ページからの科学技術の研究につきましては、文部科学省において、地震・津波観測や火山研究、人材育成等に要する経費を計上しているほか、国土交通省、気象庁等において災害に関する研究等に要する経費を計上しております。4ページからの災害予防につきましては、内閣府において政府における教育訓練等を、5ページでは警察庁において災害警備活動用、資機材等の整備等を、消防庁において緊急消防援助隊関係施設等の整備等を行うための経費を計上しているほか、6ページから15ページでは文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、防衛省等において、それぞれの所管施設等の整備、耐震化や防災対策の推進等に要する経費を計上しております。16ページからの国土保全につきましては、主に農林水産省、国土交通省において、地産事業、地水事業、地滑り対策事業や沿岸事業等に要する経費を計上しております。最後に18ページからの災害復旧等につきましては、内閣府において災害救助費等の国庫負担や被災者生活再建支援金の支給、復興庁において東日本大震災からの災害復興対策等に要する経費を計上しているほか、農林水産省、国土交通省において、所管施設の災害復旧事業や災害復旧対策等に要する経費を計上しております。以上の予算に基づき、過去の災害からの教訓を十分に踏まえつつ、最新の科学的知見を生かしながら、政府一体となって総合的な災害対策を推進し、国民の安心・安全の確保に努めてまいる所存でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。以上で説明を終わらせていただきます。
36:29
以上で説明を終わりました。被害は広報をもってお知らせすることとし、本日は これにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました