19:39
農林水産関係の基本政策に関する 件について調査を進めます。この際、お諮りをいたします。本件調査のため、本日、政府参考人として、農林水産省大臣官房総括審議官杉中敦君、大臣官房総括審議官高橋貴雄君、大臣官房技術総括審議官農林水産技術会議事務局長河合豊彦君、大臣官房サイバーセキュリティ情報科審議官関係英徳君、消費安全局長森崇君、輸出国際局長水野雅之君、農産局長平方雄作君、畜産局長渡辺陽一君、経営局長村井雅之君、農村振興局長青山豊久君、林野町長官織田博史君、水産庁長官高谷隆君、文部科学省大臣官房審議官阿美子光生君、国土交通省大臣官房審議官石坂聡君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。御異議なしと認めます。よってそのように決しました。質疑の申出がありますので、順次これを許します。
21:40
ありがとうございます。自民党の安岡博史です。本日は質問の機会いただき誠にありがとうございます。委員長をはじめ、理事、同僚委員の先生方に感謝を申し上げます。また野村大臣をはじめ政務三役、そして当局の皆様にも答弁のため、お時間をいただき重ねて御礼を申し上げます。また本日は国際女性デーです。私は特にフェミニストではございませんが、いつも私を支えてくれている妻や女性スタッフ、そしてこの委員会をはじめ国会内でも多くの女性の方が支えていただいております。また私を産んでくれた母をはじめ、全ての女性の皆さんへの感謝も含め感謝を伝え、質問をはじめさせていただければというふうに思います。大臣、私は本当に今日の日が来ることを夢見ておりました。決して夢見ていたというのは大げさな表現ではなくて、地元の大先輩である野村先生、先生が農林水産大臣になられ、農林水産委員会で質問をさせていただく、農林水産委員会に配属をされたその日から、そういう日が来ないかなという思いをずっと持ち、そして昨年の参議 院選挙もその夢の実現のために頑張ったといっても過言ではございません。本日は先生の胸をお借りする気持ちで、質問の最後に存分に思いの丈をぶつけてみたいというふうに思っております。ぶちつけであったり、突拍子もないことを申し上げるかもしれませんが、何卒お許しいただけますようよろしくお願いいたします。さて、3月に入り、高校入試も一段落してきた頃だというふうに思います。先週、地元鹿児島でも県立高校の入試が終わりました。学校ごとの志願倍率も発表されましたが、少子化の影響下、地方は軒並み定員割れで、団塊ジュニア世代の私たちの頃とは大きく様変わりをしておりました。とりわけ、農業高校は、すべからく定員割れの状況で、鹿児島県内10校ある農業高校全体、749名の募集に対し、志願者350名、平均倍率0.5という状況でございました。文科省に伺います。全国の農業高校の平均倍率がどうなっているか、お示しいただけますでしょうか。
24:14
お答え申し上げます。まず農業高校の入学の倍率でございますが、最新の令和4年度の入試についてでございますけれども、公立農業学科の募集定員、約2万8000余りでございますが、これに対する入学者数の割合であります、充足率で申し上げますと、 全国平均で82%となっております。またあの、あ、以上でございます。
24:49
ありがとうございます。今お答えのように全国平均も一応割っておりますが、農業生産額全国2位の鹿児島の0.5という数字は、野村大臣もそうですが、同居の私も足元で進む人口減少と農業離れを、隅々数字として大変重要な数字かというふうに思っております。引き続き文科省に伺います。では農業高校への予算措置は、普通高校と比べて特別なものがあるのでしょうか。同時に農水省としても文科省とは別に、農業高校への予算措置などがあるのでしょうか。えー、合わせて伺いたいと思います。お願いいたします。
25:33
(文部科学省安倍晋寺)お題申し上げます。文部科学省におけます農業高校、はじめとします専門高校への予算措置でございますが、まず産業教育のための施設整備の、施設設備の整備に関する経費の補助というのがございます。これは令和5年度の予算案でございますが、約690億円の打ち数として措置しております。また産業界と農業高校を一体となりまして、地元の産業の成長を牽引します、最先端の職業人材の育成を推進します、マイスターハイスクール、こちらの事業の実施におきまして、令和5年度予算案においてまして、3億円を計上しているところでございます。またこのほかにも、専門高校の特色、魅力の発信、また中学生、保護者に対する理解・関心を高める取組としまして、産業教育フェアという全国的なイベントである、イベントの実施やポータルサイトの構築、こういった経費を計上しているところでございます。
26:34
お答えいたします。私も農業高校の卒業生の一人でありますけれども、地域における将来の農業の担い手を育成する上で、農業高校は農業を志す若者が、農業技術や農業経営を学ぶ場として、重要な役割を担っていると考えております。このため、農林水産省では、農業高校の生徒が、技術や経営をしっかり習得できるよう、研修用機械設備の導入、スマート農業技術を体験する現場実習、地域の先進的農業者による出前授業の実施など、教育の高度化に必要な取組を支援するとともに、農業高校の活動などを紹介するパンフレットや、動画の作成などの、農業高校の魅力を伝えるための取組についても支援を行っているところでございます。先生、御指摘のとおり、鹿児島県 、今年が0.58倍、私の熊本県も0.58倍ということで、非常に転院割れをしておりますけれども、私が卒業した熊本農業高校は、2.58倍と、例年非常に高い倍率を誇っております。ただ逆に、農家の指定の方が、試験で合格できないという、そういう現象も起きているのを、学校の先生にとっては、悩みの種だというようなお話も聞いてございます。引き続き、文部科学省とともに連携をしながら、農業高校の教育環境の充実や、魅力発信を図り、農業の担い手の確保に努めてまいります。
28:19
ありがとうございます。藤木大臣政務官におかれましては、先日鹿児島までも、お越しいただきまして誠にありがとうございました。今、政務官お話になられましたように、政務官お父様も、政務官もお子様も、3代にわたって、農業高校の御出身だというふうに、伺っております。農業高校にも一一倍思い出が、終わるかというふうに思います。そしてまた、熊本の、ご卒業された熊本の農業高校の事例は、非常に羨ましい限りだなというふうに、お話を聞いていて思いました。あのう、うちの選挙区の、とある地域のことなんですが、えー、隣接する鹿児島市に私立高校が、スクールバスを出し、その地域の高校生を運んで、行っています。もちろん、地域にある農業高校は、定員割れの状況です。スクーターで通えば、いいじゃないか、と思われるかもしれませんが、今の時代そういう細かなところで、学校が選ばれる時代でもあります。せっかく地元に子供がいるのだから、将来の農業の担い手として、なんとかその地域に残って学んでほしいと、その地区にある農業高校の先生は、おっしゃっていました。予算に関しては、各自治体ごとに、よるものもあるかとは思いますが、農業の担い手、地域の担い手を育てる農業高校に関して、国ももう少しめくばせをし、今の地域の置かれた、さまざまな状況を鑑みた地方創生、並びに消費者化時代の農業、並びに農村の担い手確保など、時代に即した視点からの農業高校への、農水省の予算措置なども、ぜひお考えいただけたら、ありがたく存じます。大臣政務官におかれましては、差し支えなければ、もうお答えいただいても結構でございます。ありがとうございました。
30:19
続きまして、大臣所信、食料安全保障強化政策大綱、岸田内閣の進める新しい資本主義化の農業を踏まえて、いくつか質問をさせていただきたいというふうに思います。岸田内閣の進める新しい資本主義化の農業は、4つの柱で構成をされています。1つ目、スマート農林水産業等による、生産・成長産業化。2つ目、農林水産物・食品輸出の促進。3つ目、農林水産業のグリーン化。4つ目、食料安全保障の強化の4本柱です。まず1つ目の、スマート農林水産業等による成長産業化ですが、現在ドローンによる農薬散布などによって、時間も労力も大幅に削減できたとか、データを活用した生産やロボットを使うことによって、生産効率を上げたとか、成功事例も多くある中、スマート農業化による成長産業化に、私も意を唱えるものではございません。ただ、このデジタルを活用した問題解決となると、私が地元の農家さんたちを回っていると、それ以上に必要性を感じるものがございます。それは、各種手続がもう少し勘弁にならないか、というようなことでございます。今国会で、マイナンバー法等の一部改正も審議されると、伺っておりますが、今後、マイナンバーやマイナンバーカードを利活用した、生産者の各種補助金の申請であったり、申請手続の勘弁化について、農水省の方で、お考えなどございましたら、方向性などございましたら、お示しいただけますでしょうか。お願いいたします。
32:12
農林水産省関係サイバーセキュリティ情報課審議官。
32:18
お答え申し上げます。農林水産省におきましては、生産者の方々の申請の負担を軽減する観点から、所管の法令、補助金等、すべての行政手続につきまして、申請等の手続に係る書類や申請項目等の抜本的な見直し、こういったことを行うとともに、パソコンやスマホ、タブレットからオンラインで申請を行えるようにする農林水産省共通申請サービス、いわゆるeマフでございますけれども、この整備を進めているところでございます。現時点で約3300ある手続のうち9割以上について、オンライン化が完了しているところでございます。このeマフでオンライン申請を行うためのIDを取得する際に、先生御指摘ございまして、マイナンバーカード、これによって本人確認を行うことができることとしております。引き続きマイナンバーカードの活用を、こういった形で進めていきたいというふうに考えております。
33:26
ありがとうございます。次に農林水産物食品輸出の促進について伺います。現在国内の縮小するマーケットから、海外の拡大するマーケットへという取り組みがなされておりますが、特に国内の需給バランスが、とりわけ悪く逼迫している業種がございます。ラクノでございます。現在、牛乳、乳製品の輸出の状況がどうなっているのか、今後どのように農水省として推進なりをしていくのか、お考えがあればお締めいただけますでしょうか。お願いいたします。
34:20
お答えをいたします。牛乳、乳製品の令和4年、2022年の輸出実績でございますけれども、対前年比31%増加の約320億円ということでございまして、過去最高となってございます。牛乳、乳製品でございますけれども、輸出重点品目に位置づけられておりまして、2030年には720億円の輸出目標を設定してございます。この達成に向けまして、顕著な輸出動向をさらに強化するために、オールジャパンでのプロモーションなどの取り組みに加えまして、生産者、乳業者、輸出事業者の3社が連携したコンソーシアムによる産地の特色を生かしたプロモーション 、あるいは商談の実施、輸出先国のニーズに合わせまして、牛乳、乳製品を製造するための輸出先国が求める水準を満たす乳業施設の整備、輸出先国におけます輸入規制の緩和撤廃の働きかけなどを通じまして、さらなる牛乳、乳製品の輸出拡大を推進していきたいというふうに考えてございます。
35:37
ありがとうございます。出口のところ非常に大事かと思いますので、実効性ある取組をぜひよろしくお願いいたします。また、昨年輸出額が1兆4千億円を超えて、目標値の2025年までの2兆円、30年の5兆円も、視野に十分入ってくる数字となっておりますが、目的はより 高く売り、国内の生産者の稼ぎ利益が増えることに資するということに尽きるというふうに思っております。このような観点から、指標が輸出額だけで十分かと常々考えておりますが、例えば来日観光客数も、人数だけではなくて、かけるいくらお金を落としてくれたか、というところが非常に大事なポイントかと思いますけれども、このような輸出額、総額だけではなくて、何か他の指標みたいなものがあるのかどうか、ありましたら教えていただけますでしょうか。
36:58
お答えいたします。農林水産物食品の輸出に当たりましては、海外のマーケットをしっかりつかみ、日本の高品質な農林水産物食品が、その価値に見合った価格で販売されることが重要と考えております。このため、輸出先国において、高価格で販売されている事例等を引き続き収集し、GFP(農林水産物食品輸出プロジェクト)などを通じて、生産者に情報発信することで、生産者の意欲向上につなげているところでございます。これらの取組によりまして、さらなる輸出拡大に向けた支援を進め、農林水産業の稼ぐ力の強化に取り組んでまいります。
37:40
ありがとうございます。例えば、私の地元のキャベツが、市場平均率100円ぐらいのところを、ある輸出の会社が130円で生産したから買い取り、輸出業者はそれに大体15%ぐらい利益を上乗せして、輸送料を加え、大体150円プラス輸送料ということで海外に、香港に出し、香港では25HKD、17円計算で425円、130円が150円、輸送料を合わせて向こうに行くと425円になっているというような状況もございます。これが適切なのかどうか、私にはまだ判断ができませんが、ぜひそういう個々の事例なども参考に、何が適切な価格かということは、ぜひ追跡をしていただければありがたいというふうに思います。また輸出に関してもう一つ、農水産物の知的財産も非常に重要なポイントだというふうに考えております。植物新品種や和牛の遺伝子資源など、育成権者に代わってその保護の目的、育成権管理機構が今回立ち上がりますが、当該国に保護法がない場合など、その実効性の確保にいささか心配がございます。どういうようになっているか、実効性の確保などについてお示しいただけますでしょうか。お願いいたします。
39:31
お答えいたします。委員御指摘の育成者権管理機関につきましては、来年度から農研機構を中心に関係者が連携し、育成者権者に代わって海外出願や海外ライセンス等に向けた取組を開始することとしております。一方でこの取組が効果を発揮するためには、品種保護制度が外国で整備されている必要があるため、特に東南アジア諸国について、制度整備に向けた取組を行っているところでございます。具体的には、東アジア植物品種保護フォーラムの開催などを通じまして、各国の政府関係者に対して、法整備に関するセミナーや審査技術の研修などを行うほか、CPTPPでのUPOF植物品種の保護条約への加盟義務付けなどがございますので、これらを踏まえまして、政府間での働きかけを行っているところでございます。農林水産省としては、日本の新品種が海外においても適切に保護されるよう、他国政府による制度整備も含めて取組を進めてまいります。
40:36
ありがとうございます。農林水産物の知的財産、非常に質に対して重要なポイントかと思いますので、ぜひ注意をしながらお願いいたします。それと、先日、自民党の部会において、お茶の輸出をされている輸出業者の会社が、抹茶とかお茶というのを日本製品に限って言えないかな、というようなことをおっしゃっていました。なかなかそれは難しいのかもしれませんが、例えば、お茶は本当に日本の大事な食文化にもなっています。ビールといえばドイツ、ドイツのビール法、ワインといえばフランス、フランスのワイン法などに、準じたというか、そのようなお茶法というものが、日本にあってもいいのかなというふうに考えておりますということも、問題提起としてお示しをしていきたいというふうに思います。次に農林水産業のグリーン化についてでございます。この項目の中に、オーガニックビレッジの創出という項目がございます。これも私の地元でございますが、南薩摩市にありのまま文庫というオーガニックビレッジの計画の中に、挙げられているものがございます。この南薩摩市というのは、健康元気都市を目指しておりまして、健康の源は食にある、異色同源というところに着目をして、自然農法普及院の指導のもとで、自然農法を学びたい農家さん、また一般の方が参加をされています。地元の農業高校ともコラボをして、定員割れということを先ほど申し上げましたけれども、農地も幾分か余っておりますので、そういったものを市に貸し出しをして、農業高校の生徒さんもそこに行って実習をしたり、一緒に販売をしたり、そのような取り組みをしているところが、南薩摩市のありのまま文庫でございます。非常にこれは私、この緑の食糧システム戦略を実現していく上でも、大事な取り組みの一つになろうかというふうに考えております。現在、オーガニックビレッジについて、2025年までに全国100市町村、2030年までに200市町村の目標となっておりますが、現状の進捗状況などをお示しいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
43:20
お答えいたします。農林水産省では、委員御指摘のとおり、有機農業の生産から消費まで一貫して地域組みの取り組みを進める市町村、オーガニックビレッジを目標を持って進めているところでございますが、現在は南薩摩市も含めまして、32の道府県で55市町での取り組みが開始されているところでございます。具体的には、栽培技術の普及、実証などによる地域での有機栽培の拡大、さらに、ご指摘もございましたけれども、学校 給食での利用ですとか、農業体験など地域の住民や子どもが有機農業に触れるさまざまな機会の創出、さらに、マルシェや道の駅等での販売を通じた販路拡大など、地域組みでの取り組みが展開されております。農林水産省としては、まずは目標で掲げました200地区の早期達成を進めるとともに、さらなるオーガニックビレッジの拡大を進めてまいる考えでございます。
44:31
ありがとうございます。昨年の時点で55市町村ということは、非常に達成率としては、ハイスペースで今進んでいるというふうに拝察いたします。ぜひ、これ非常に見える取り組みだと思いますので、私たちが実感できる、水の食料システム戦略の実現に向けての施策として、活用をしていただきたいというふうに思います。次に木材に関してですが、昨年の通常国会で省エネ建築法の改正というのがございました。先生方、ご存知かと思いますけれども、その中で木材を利用した省エネ住宅の促進というのが、この改正法を全国で広がっているというふうに伺っております。具体的な事例などございましたら、国交省の方から先進事例などをお示しいただけますでしょうか。お願いいたします。
45:37
2050年のカーボンニュートラルに向けて、建築物の省エネ化対策とともに、吸収減対策として地域財を含む木材の活用は大変重要と考えているところでございます。