6:14
【会議を開く】これより会議を開きます。議長は、去る2月22日の委員議に基づき、ガーシー君に対し、懲罰委員会起訴の陳謝文を朗読し、公開議場において陳謝の意を表することを命ずるところでありますが、ガーシー君の出席が得られません。ガーシー君は、委員議に従いませんから、議長はこれを、院内の秩序を乱すものと認め、議員ガーシー君、懲罰事犯の件を、懲罰委員会に負託いたします。【会議を終了する】日程第一、所得税法等の一部を改正する法律案、趣旨説明。本案について提出者の趣旨説明を求めます。
8:05
ただいま議題となりました、所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨をご説明申し上げます。本法律案は、持続的な経済成長や、より公平で中立的な税制の実現等の観点から、国税に関し所要の改正を一体として行うものであります。以下、その対応を申し上げます。第一に、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげるため、認査制度の抜本的拡充及び高級化を行うこととしております。第二に、スタートアップエコシステムを抜本的に強化するため、スタートアップへの再投資に係る非課税措置の創設等を行うこととしております。第三に、より公平で中立的な税制の実現に向け、極めて高い水準の所得について、最低限の負担を求める措置の導入、グローバルミニマム課税の導入及び、相続時生産課税制度等の見直しを行うこととしております。このほか、土地の売買等に係る登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うこととしております。以上、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
9:55
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
10:41
立憲民主社民の柴です。柴信一です。会派を代表して、ただ いま議題となりました、所得税法の一部を改正する法律案について、財務大臣及び金融担当大臣に質問いたします。冒頭一言申し上げます。我が党の小西博之議員が予算委員会で取り上げた 放送法をめぐる問題についてです。そもそも小西議員が提供した文書を、総務大臣、総務省が公文書だと認め、確認するのに一体何日かけたのですか。怠慢も甚だしく、極めて遺憾です。予算委員会での資料配付すら拒否した与党側の姿勢もいかがかと思います。そして、文書の正確性について熱像だと言い張り、立証責任が小西議員にあるなどという高市大臣に至っては、もはや論外です。御自身が言及されたとおり、大臣の職、議員の職に関わる問題だと断然ざるを得ません。ことは、放送法の公平性にもかかる重大な問題です。認めるべきことはしっかり認め、過ちを繰り返すことのないよう、国会審議への真摯な対応を政府与党に強く求め、質問に入ります。岸田総理は、昨年の臨時国会における所信表明演説で、日本は国難ともいえる状況に直面してい る。世界が、そして日本が直面する歴史的な難局にある、との認識を示されました。私もそう思います。この国難ともいえる状況、歴史的な難局を乗り越え、未来を切り開いていくための政策の転換が必要です。しかし、本法律案では従来ベースの延長線でしかありません。岸田総理は、本年の年当会見において、この30年間、企業収益が伸びても、期待されたほど賃金が伸びず、想定されたトリクルダウンは起きなかった。私はこの問題に終止符を打ち、賃金が毎年伸びる構造を作ります、と述べています。岸田総理、いいこと言うな、と思いました。日銀による異次元の金融環をはじめとするアベノミクスは、結論だけ見れば、大企業、資産保有者に大きな成果、株価上昇、金融資産の増大、巨額の内部流報という形でたまりましたが、実質賃金の引上げ、中小零細企業の収益改善には、ほとんど効果がありませんでした。たまった富は、滴り落ちてこなかったのです。岸田総理、御自身がおっしゃるように、この問題 に終止符を打つ、政策の転換が求められています。賃上げを実現するための政策の転換が必要です。岸田総理は、成長と分配の好循環を回すとしていますが、ある意味、アベノミクスによって一部で成長はしたのです。今はその効果を全体に及ぼす分配のときなのです。まさに、税による所得再分配機能を発揮させるべきと考えますが、政府の見解を求めます。岸田総理は、年頭会見において、成長と分配の好循環の中核である、賃上げを何としても実現しなければなりません、と発言されています。ところが、政府の期待する春都の集中開通日が今月終旬に迫る中、本法律案では、賃上げに資するような目星い税制措置が示されていません。昨年、令和4年度税制改正において、企業向けの賃上げ促進税制が強化されたことをもって、政府は、税制による賃上げ支援は十分である、とのお考えでしょうか。本制度による賃上げの政策効果をどの程度なのか、具体的に、全法人の何%が賃上げ税制を利用する見込みなの か、明確にお答えください。また、岸田総理は、本通常国家主政方針演説において、公的セクターや政府調達に参加する企業で働く方の賃金を引き上げます、と述べられていますが、どのようにして賃上げを行うのか、具体的にお答えください。私自身、労働組合出身であり、賃上げ自体は労使交渉で決せられるものとの認識がありますが、岸田総理は行政府の長であり、ある意味、雇用主、使用者でもあります。経団連に賃上げをお願いするだけでなく、自らの責任で賃上げを実現するべきではありませんか。くれぐれも人事院勧告に基づく賃上げなどという責任逃れをなさらないよう、あるべき賃上げの姿を政府自らが見せることが必要です。見解をお示しください。すでに本年1月の消費者物価指数は、昨年同月より4.2%上昇し、41年4ヶ月ぶりの水準となりました。高熱帯などが高騰し、経済的な理由により、シングルマザーの4人に1人が主職を切り詰めたり、高齢者が医療機関に受診するのを控え、病状が悪化するケースまで出始めている、そんな状況が広がっています。加えて追い打ちをかけるように、年度初めの4月には、輸入小麦の政府売り渡し価格の改定時期が迫り、大手電力会社も4月からの料金引上げを経済産業省に申請しています。価格改定が集中する時期である4月を見据えれば、たとえ労使交渉で賃上げが実現しても、物価上昇群に見合う賃上げ額となるかは不透明な状況です。こうした現状に鑑み、政府は賃上げの責任を企業や労働組合に押し付けるのではなく、政府による直接的な支援策を税制において急ぎ検討するべきです。消費税の次元的な減税は、生活者にとってみれば家計の過所分所得を増やし、実質的な賃上げ効果をもたらします。これは税制による分配政策です。税率5%よりの次元的な消費税減税を、今こそ検討すべきと考えますが、政府の見解を伺います。本法律案の目玉の一つとされている、認査の抜本的拡充につい て伺います。法案では、認査口座を利用した年間投資額及び障害投資額が引き上げられ、非課税保有期間も高級化されるとしています。政府はその政策目的を、眠った現預金の有効活用による経済効果にあるとしていますが、その効果を具体的に数字で示すべきです。認査拡充は歳入源を伴う減税政策であることの重みを踏まえ、明確にお答えください。今後、長期、積み立て、分散投資の重要性は、とりわけ現役世代にとってますます高まっていくことから、そのための支援措置が必要であると認識しています。一方、総務省の全国家計構造調査によると、30歳未満の世代平均貯蓄額は約150万円、30歳以内でようやく360万円です。金融資産を持たない世代も少なくありません。このようにターゲットとなるべき若年層は、投資に回す原資そのものが不足しています。こうした現状で貯金を持たない世代の資産所得倍増は、どのように実現されるのですか。お答えください。そして今般の二次拡充案の要件では、その恩恵は富裕層に偏り、富の集中だけが加速するのではありま せんか。さらに富裕層は年間投資額の範囲内で短期的に売買を繰り返して、上等所得非課税の恩恵をフルに活用することも想定されます。衆議院財務金融委員会における質疑において、同僚議員がこうした懸念を指摘したところ、鈴木大臣は、場合によっては必要に応じて何らかの措置を検討すると答弁されています。そうであるならば、制度開始の前に国会で方針を明確に示すべきです。金融担当大臣に答弁を求めます。認差拡充は金融所得課税の強化と一体で進めるべきであり、かつて民主党政権において認差を導入した際には、株式上等所得の税率を引き上げた歴史的経過も忘れるべきではありません。本法律案では、極めて高い水準の所得に対する負担的成果が盛り込まれていますが、追加負担が生じる所得水準は約30億円、人数にすれば200から300人程度とされています。所得に占める所得税と社会保険料の負担率が1億円を境に低下する、いわゆる1億円の壁の問題解決には程遠い内容となっており、全く不十分です。岸田総理は、これまでの委員会審議においても金融所 得課税の強化に対し、マーケットへの影響を考慮し、との答弁を繰り返していますが、アベノミクスによってマーケット、金融資産保有者はすでに大きな恩恵を受けており、今こそ適正な税負担を求めるべきではないでしょうか。政府が目を向けるべきは、マーケットの外に存在する大多数の生活者であり、取り組むべきは税制における往々負担減速の回復です。本法律案において金融所得の総合課税会の密通事が開けたことは、前向きに受け止めたいと思いますが、そこに課される税率が、所得税の最高税率である45%を適用せず、半分の22.5%とした理由をお答えください。政府は所得税の世界で累進性が損なわれている現状において、金融所得課税の見直しについて今後どのように進めるのか、明確な日程とともにお示しください。本年10月導入予定のインボイス制度について伺います。これまでも関係団体の皆さんから、不安のみならず不安にとどまらず、廃業せざるを得ないとの悲鳴ともいえる声が寄せられ、多くの議員がインボ イス制度の問題点を指摘しているにもかかわらず、政府はインボイス制度は必要、円滑な導入に向けて、きめ細かく対応していくとの答弁を繰り返すだけです。10月に向けて政府が言う、円滑な導入ができる状況であるとお考えですか。お答えください。本法律案では免税事業者がインボイス発行事業者になった際の、納税額の軽減措置が講じられていますが、軽減されるとしても税負担が増えることに変わりはありません。そしてその軽減措置も3年間だけ。廃業を検討せざるを得ないのも最もです。免税事業者であり続けた場合、取引先から取引を断られるかもしれないという不安も払拭されていません。厚生取引委員会のQ&Aでも優越した地位にある事業者が、不当な値引きを要求することは優越的地位の乱用に当たるとしていますが、事業者がどの事業者と取引するのかは基本的に自由としています。消費税相当額の8割を仕入れ税額控除とする軽減措置が講じられていますが、問題を先送りするだけのごまかしでしかありません。免税事業者が取引から排除されることは本当にありませんか。政府の見解を明確にお示しください。政府は複数税率下での適正な税徴収を確保するために、インボイス制度が必要としていますが、そもそも軽減税率は消費税の逆進性を是正するため、つまり低所得者の救済を謳って導入されたものです。その逆進性緩和効果には大いに疑問があり、そのために中小零細企業に負担増を強いるのは大きな問題です。改めて制度の廃止を明確に求めます。お答えください。最後に令和6年以降に予定される 防衛増税について伺います。防衛費増額の最大の問題は、精緻な積み上げのない総額ありきとしか言いようがない 異例の予算形状です。ところで岸田総理は、 子ども子育て予算倍増について問われると、額ありきではない。まず内容をしっかり具体化した上で、 その次に予算を倍増する大枠を示すと、防衛費とは真逆の方針を掲げます。なぜ防衛費も子ども子育て政策と同様に、 予算内容の具体化から始めないのですか。防衛費を総額ありきで進める理由をお示しください。防衛費増額が総額ありきである以上、 その財源確保措置として示される、法人税、所得税、タバコ税の増税は 到底認められるものではありません。税制の観点で見れば、予定される増税は、防衛費の目的税として使用される方針を 政府が示したものといえます。しかし目的税化するのであれば、 納税者の納得感が必要不可欠です。復興特別所得税は、国民、納税者に、 震災復興のためならと負担を分かち合うことに合意いただけたからこそ増税が可能だったのであり、 その流用は国民への裏切りです。防衛費においても、子ども子育て政策と同様に、 丁寧な積み上げが必要であり、その上で初めて必要な財源確保のあり方が、 国会で建設的に議論できるものと認識します。それでも額ありきの防衛費増額、 そのための増税を強行するのなら、国民の視野を問うべきと考えますが、 見解をお示しください。以上のように岸田政権は分配政策を含め、 表向きは聞く心地の良い政策に挑戦する姿勢を見せますが、具体的な政策が共に打ち出されない以上、 政治の責任を全うしているとは言えません。時代の大きな転換期にあるからこそ、 政策の裏付けとなる、ふさわしい税制で、新しい社会、一人一人の生活、暮らしを大切にする社会の 創造を後押しすべきです。政府からの真摯な答弁を求めて質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
26:21
柴信一議員の御質問にお答えいたします。まず、税による所得再分配機能について お尋ねがありました。再分配機能の強化の観点から、税制については、これまでも時々の経済社会の変化を踏まえながら、 累次の改正を行ってきております。具体的には、所得税について、 再分配機能の回復を図る観点から、平 成25年度改正において、 最高税率の引上げを行っております。相続税につきましても、 格差の固定化防止等の観点から、平成25年度改正において、基礎控除の引下げや、 最高税率の引上げ等の見直しを行っております。今後の税制の在り方については、 これまでの税制改正の趣旨や経緯のほか、経済社会の構造変化も踏まえながら、 引き続き検討してまいります。次に、賃上げ税制についてお尋ねがありました。賃金につきましては、税制のみならず、 企業収益や雇用情勢など、様々な要因から影響を受けることが考えられますが、 過去に行われた調査によれば、賃上げ促進税制が賃金の引上げを後押ししたと 回答した企業が多くあったことや、毎年おおむね約10万社の企業に ご活用いただいてきたことなどを踏まえれば、一定の効果があったと考えております。また、令和4年度税制改正の影響を反映した 賃上げ税制の利用見込みについては、アンケート調査の結果等をもとに行った推計においては、 全法人の3%程度と見込まれています。次に公的セクターや政府調達に参加する企業で 働く方の賃上げについてお尋ねがありました。民間部門だけでなく公的に価格が設定されている 保育などの社会保障分野においても、制度に応じて民間給与の伸びを踏まえた 改善等を図ることは重要であり、今後それぞれの制度を所管する関係省庁において、対応を検討し取組を進めていくものと承知しております。また公共調達に参加する企業の賃上げについては、令和4年度から所定の賃上げを表明した企業に対して、入札において評価の加点措置を実施するとともに、公共工事設計労務単価を引き上げてきたところだり、こうした取組を通じて参加企業の賃上げにつなげていくことが重要であると考えております。失礼しました。次に政府自らが行う賃上げについてお尋ねがありました。政府が支払う賃金として国家公務員の給与については、公務員の適正な処遇を確保し、公務員の給与に対する国民の理解を得る観点から、人事院勧告を踏まえ、民間巡協を基本とすることが適切であると考えております。また政府が主導して決める賃金についても、民間に賃上げをお願いする以上、率先して引き上げる努力をしていく必要があると考え取り、これまでも岸田内閣において、看護、介護、保育などの現場で働いている方の収入の引上げに取り組んできたところであります。次に物価対策、賃上げ対策としての消費税減税についてお尋ねがありました。政府としては、年度末に向けて総合経済対策、補正予算の施行を加速するとともに、賃上げに向けた取組を強化してまいります。また足元の物価高騰に速やかに対応すべく、エネルギー・食料品価格の影響緩和について、必要な追加策を検討してまいります。その上で、急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中において、全世代型社会保障制度を支える重要な財源として位置づけられている消費税についてはついて、減税を行うことは考えておりません。次に、新井さんの抜本的拡充の経済効果についてお尋ねがありました。新井さんの抜本的拡充・高級化が日本経済に与える影響は、実際にどのような株式・投資新宅・債券に、それぞれどの程度の規模の投資がなされるかなどにより、様々であるため、具体的な数値でお答えすることは困難でございます。その上で、一般論として申し上げれば、まず、資産所得倍増プランでは、家計に根むる現預金を投資につなげることで、勤労所得に加え、金融資産所得を増やしていくことを目指しており、これが家計の過所分所得の増加となり、消費の増加につながることが期待できると考えます。また、家計の投資が企業の成長の原子となれば、企業価値の向上が期待され、それはまた、家計の金融資産所得のさらなる拡大につながるものと考えております。政府としては、こうした成長と資産所得の好循環を実現していきたいと考えております。次に、資産所得倍増についてお尋ねがありました。今は、投資余力がないという方も含め、広く国民の所得を引き上げていくためにも、賃上げが最重要課題と認識しております。政府としては、物価上昇を超える賃上げの実現に向け、賃上げに取り組む中小企業等の生産性向上の支援の拡充などに取り組むとともに、成長分野への円滑な労働移動を人への投資の強化と一体的に進めることで、構造的な賃上げの実現を目指してまいります。また、資産所得倍増プランは、賃上げを通じた家計の金融所得だけではなく、金融資産所得も増やしていく観点から策定したものであり、小額ずつでも長期的、継続的に安心して投資を行うことができる環境を整備することで、家計の資産形成を促進していきたいと考えております。次に、ニーサの恩恵についてお尋ねがありました。現状、ニーサの利用者の7割は年収500万円未満であるなど、ニーサは中間層を含めた幅広い層の資産形成に活用されていると考えています。さらに、今般のニーサ制度の見直しを行うことによって、これまで以上に長期積み立て分散投資による資産形成を行いやすくなり、中間層など資産形成をより一層サポートすることができるものと考えています。一方、今般のニーサの拡充に当たっては、年間投資枠や一生涯にわたる非課税保有限度額を設定することにより、投資余力が大きい層に対する再現ない優遇とならないよう留意しております。特に年間投資枠は売却しても再利用できないこととしており、短期的に売買を繰り返すような取引をする上で大きな制約になるものと考えています。また、金融庁としても、証券会社等による回転売買の勧誘が行われることがないよう監督指針を改正し、モニタリングを行うとともに、長期積み立て分散投資による安定的な資産形成の重要性について、家計への金融経済教育を強化していく方針です。こうした対策も併せ、短期的な回転売買を抑制していきたいと考えています。次に、金融所得課税の見直しについてお尋ねがありました。いわゆる1億円の壁と呼ばれる問題については、税負担の公平性を確保する観点から、市場への影響も踏まえ、総合的な検討を行うこととされていたところです。こうした中、かなりの高所得者層では、所得税の負担率の低下が著しいことなど、現下の状況等を踏まえ、このような所得税の負担構造の問題について、早期に是正する観点から、与党税制調査会において幅広い観点から御議論をいただきました。その上で、今般、極めて高い水準の所得を対象として、最低限の負担を追加的に求める措置を導入することとし、所得税法の長期町土所得に対する課税の考え方も踏まえて、最高税率45%の半分である22.5%に近い負担を求めることとなりました。政府としては、まずは、令和7年から施行される今回の改正の効果をよく見極めてまいりたいと考えております。次に、インボイス制度の円滑な導入についてお尋ねがありました。インボイス制度への円滑な移行に向けて、個々の事業者の方々に制度の内容や各種の支援策を御理解いただき、必要な準備を行っていただくことが重要だと考えており、リーフレットの作成、税務署の窓口や確定申告会場等での配付、テレビCMや全国紙への広告掲載、インターネットを活用した広報、インボイスコールセーターの体制の拡充といった取組を行ってまいりました。また、中小・小規模事業者のインボイス対応を支援するため、令和4年度補正予算においては、中小企業団体による相談体制の整備のための予算措置など、様々な支援策を盛り込んでいます。こうしたこともあり、インボイス発行事業者の登録申請者数につきましては、令和5年2月末現在で累計約270万件、直近では1月当たり約23万件の事業者の方から申請があり、順調に推移していると考えています。本年10月1日の円滑な導入に万全を期すためにも、引き続き丁寧に周知広報を行い、事業者のインボイス制度への対応を支援してまいります。次に、免税事業者の取引に関する御懸念についてお尋ねがありました。インボイス制度への移行により、免税事業者は取引から排除されるのではないか、といった小規模事業者の方々の御懸念は承知をしており、政府一体で連携して丁寧に課題を把握しながら、きめ細かく対応してまいります。具体的には、免税事業者をはじめとした小規模事業者が取引で不当な取扱いを受けることがないよう、特勤法や下請法等の取扱いの明確化、各事業者団体への法令遵守要請、署名調査や下請辞免といった取組を通じ、取引環境の整備に政府を挙げて取り組んでまいります。また、制度移行後も6年間は免税事業者からの仕入れであっても、一定割合を控除できる十分な期間の経過措置を設 けているところです。引き続き、円滑な制度の移行に向けて、関係省庁で連携しながら、免税事業者が取引から排除されることがないよう、適切に対応してまいります。次に、軽減税率制度とインボイス制度についてのお尋ねがありました。軽減税率制度は、消費税率10%への引上げに伴う低所得者への配慮として、日々の生活において幅広い消費者が消費・利活用している商品の税負担を直接軽減するものであり、消費税の逆進性を緩和しつつ、買い物の都度通税間の緩和を実感できるという点で一定の効果を上げてきたものと考えています。この複数税率の下で、適正な課税を確保するために必要なインボイス制度の導入に向け、政府としては、免税事業者をはじめとした中小・冷裁事業者の取引については、取引環境の整備に取り組むとともに、令和4年度補正予算においてインボイス対応のための支援策の充実を盛り込み、さらに令和5年度税制改正においては、追加的な負担軽減措置を講ずることとしています。政府としては、引き続き円滑な制度の移行に向けて、関係省庁で連携しながら、制度の内容や支援策をきめ細かく事業者の方々に周知してまいります。最後に防衛費についてお尋ねがありました。防衛力の抜 本的強化は、我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中で、欠近の課題です。こうした問題意識の下、国家安全保障会議4大臣会合や与党ワーキングチームなどでの1年以上にわたる活発な議論の積み重ねを経て、昨年12月の防衛力整備計画において、今後5年間で必要となる防衛力の内容と規模を定めております。これらは防衛力の抜本的強化を達成でき、防衛省・自衛隊としてしっかりと役割を果たせる内容及び規模として積み上げた結果であり、総額ありきとの御指摘は当たらないものと考えております。また、抜本的に強化される防衛力は、将来にわたって維持・強化していかねばならず、これを安定的に支えるため、令和9年度以降、裏付けとなる毎年度約4兆円のしっかりとした財源が不可欠です。その財源確保にあたっては、国民のご負担をできるだけ抑えるべく、税外収入の確保などあらゆる工夫を行うことで、必要な財源の約4分の3を確保しましたが、その上で、それでも足りない約4分の1については、税制措置での御協力をお願いしたいと考えております。こうした内閣の方針について、国民の皆様に御理解をいただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。なお、何について、どのように国民の心を問うかについては、財務大臣としては答弁を控えさせていただきたいと思います。
43:28
公明党の若松金重です。令和5年度の所得税法等の一部を改正する法律案について、自民・公明を代表して質問をいたします。はじめに、今回のトルコ南東部を震源とする地震では、平和23年に起きた東日本大震災の3倍に及ぶ死者が出ており、他人事ではありません。中心より、哀悼の意と心からの御見舞いを申し上げます。政府に対しては、大震災時にいただいた支援の恩返しも含めて、最大の支援を求めて質問に入ります。我が国では、近年、冬の大雪、雨の大雨、台風の大型化と、上陸回数の増加、巨大地震、噴火のリスク等、災害列島といわれる日本国内の災害による被害へのきめ細やかな対応が求められます。公明党は、以前から、被害が甚大で広範囲の地域生活基盤が著しく損なわれた場合、被災前の生活に戻るには時間を要するため、災害損失、控除期間の延長等を強く要望してきました。その結果、今回の個人所得税改正において、特定非常災害特別措置法上の特定非常災害による火災の損失、または事業損失の繰り越し控除期間を3年から5年に延長する措置が講じられました。これは、自ら被災された東北税理士会会員が当時のデータを収集し、3年間では控除できない被災者が大勢いる実態が明らかになると、関係者の粘り強い要望の結果、今回の措置に至ったと考えています。今後は、周知徹底と合わせて、災害で生じた新たな課題には真摯に対応すべきと考えますが、財務大臣のお考えはいかがでしょうか。次に、認識者の抜本的拡充、高級化についてお尋ねします。我が国は、2000兆円に及ぶ個人権利資産の5割以上が預金資産となっており、他の先進国と比べ、貯蓄比率が著しく高く、経済成長の果実が資産形成につながる環境にはなっていないため、国内消費が弱い原因と言われてきました。今回、若年期から高齢期に至るまで、長期積み立て分散投資による継続的な資産形成が行えるよう、非課税保有期間を無期限化するとともに、口座開設期間について期限を設けず、認識者制度を高級的な措置とすることは、安定的な資産形成を進めることが期待でき、強化できます。これらの措置により、資産所得倍増プラン実現に向けた貯蓄から投資の流れが加速され、中間層の資産形成に寄与していくものと期待できますが、期待する姿はどのようなもので、かつどのように実現していくのか、金融担当大臣にお尋ねします。日本の企業はIPOに返上し、上場後に成長が鈍化する傾向があり、時価総額1000億円以上のユニコーン企業の数が著しく少ないのが実態です。このため、日本経済の成長、エンジン役としてのスタートアップ企業の成長を促すためには、創業、事業展開、出口の各段階を通じたインセンティブとして、スタートアップエコシステムを抜本強化するための再投資に対する非課税措置が創設されることは大変重要です。さらに、M-1デーを促進し、スタートアップが既存企業の資金や人材の経営資源を積極的に活用する企業経営者の意識改革も必要であると考えます。政府としてスタートアップエコシステムをどのように取り組んでいくのか、スタートアップ担当大臣にお尋ねします。経済と環境の好循環の実現も大事です。税制改正においては、約550万人の雇用を持ち、日本の基幹産業である自動車産業に対して、車体課税の見直しが一部行われました。しかし、今後の自動車関係諸税の見直しについては、2050年カーボンニュートラル目標実現に向け、ケースに代表される環境変化に対応するためのインフラの維持管理、機能強化の必要性を踏まえながら、国・地方を通じた財源の安定確保と受益と負担の関係を含め、中長期的な視点に立って検討を行なければなりません。電気自動車等の普及や市場の活 性化を進める観点から、次のエコカー減税の期限到来時までにどのように検討を進めるのか、国土交通大臣に伺います。私たち与党は、中小企業の事務負担軽減に尽力してきました。消費税の複数税率制度の下で、令和5年10月に施行される消費税の的確請求書等保存方式、インボイス制度については、インボイス発行事業者の登録申請件数が、令和4年11月末で約200万社が対象となります。そしてこれまで免税事業者であった社が、インボイス発行事業者を選択する場合に、納税額を売上税額の2割に軽減する3か年の激変緩和措置は、緩和課税制度を適用の場合と比べ、さらに事務負担が軽減されることになり、大変評価されます。この2割軽減策を導入するに至った経緯と、現時点の登録申請件数についてお尋ねをいたします。また課税売上高が1億円以下である事業者については、インボイス制度の施行から6年間1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存がなくても、帳簿のみで仕入れ控除、税額控除が可能となりますが、令和5年10月のインボイス制度移行後においては、登録事業者の事務処理の不慣れも予想されることから、国税当局の納税者に寄り添った対応が求められています。この2点について財務大臣に伺います。私たち与党は、基調水準の向上と、帳簿等の税務関係処理の電子化には、IT導入補助金の拡充等を通じて積極的に推進してきました。しかし、現在でも、小規模事業者の半数以上が、帳簿を手書きで作成し、個人事業者の場合、正規の簿記の原則、いわゆる複式簿記による基調をしている者は、約3割にとどまっています。この2点について財務大臣に伺います。現在、固定資産税の申告は、法人税申告では、決算日、固定資産税では、1月1日と2度出馬となっており、大変な事務負担が強いられています。今後、e-TaxとL-Taxのデータ連携を行い、一度で申告ができるような工夫等が必要といった要望があります。この点について、財務大臣、総務大臣にお考えか、伺います。最後に、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてお尋ねします。税制改正対抗に、令和9年度において、法人税、所得税、タバコ税から1兆円強を確保する旨の記載があります。昨年末に岸田総理が指示した防衛力強化税制は、国民負担を求める以上、国民の十分な理解を得なければならず、その議論のための時間を確保したことは妥当と考えます。その施行時期は、令和6年以降とありますが、現下の新型コロナ感染症が平時の対応となり、六日高を超える賃上げ環境ができるまでは、慎重に施行時期を検討すべきと考えます。今後、施行時期も含め、どのように国民に説明していくのか、財務大臣にお伺いし質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
53:03
若松金重議員の御質問にお答えいたします。まず、災害損失に係る税制上の対応についてお尋ねがありました。頻発する自然災害への対応として、令和5年度税制改正においては、特定非常災害による脱損失と純損失の繰り越し期間について、損失の程度や基調水準に応じ、現行の3年から5年に延長する措置を講ずることとしたところです。今般の措置については、御指摘のとおり、今後周知に努めるとともに、税制だけでなく、歳出も含めた総合的な災害対応を適切に行ってまいりたいと考えております。次に、新潟の抜本的拡充・高級化についてお尋ねがありました。新しい資本主義の下、若松議員御指摘のとおり、貯蓄から投資へのシフトを進めることで、中間層をはじめとする幅広い層で、勤労所得に加え、金融資産所得を増やしていく。そして、家計 の投資が企業の成長の原始となれば、企業価値の向上により、家計の金融資産所得はさらに拡大する。こうした成長と資産所得の好循環を生み出していきたいと考えております。資産所得培造プランには、そのために必要な施策を盛り込んでおり、新潟の抜本的拡充・高級化のほか、官民一体で金融経済教育に関する戦略的な対応の推進、金融事業者等による顧客本位の業務運営の定着底上げなど、政策を総動員して、国民の安定的な資産形成を実現していきたいと考えております。次に、インボイス制度についてお尋ねがありました。インボイス制度の導入に伴い、これまで免税事業者であった方がインボイス発行事業者になる場合における、新たに生じる消費税・納税額の転嫁が難しいのではないか、消費税の深刻等について新たな事務負担が生じるのではないか、といった課題に対応する観点から、御指摘の2割特例を講じることとしています。この措置により、納税額の激変緩和を図り、税負担の転嫁の困難さを和らげつつ、事業区分が不要となるなど、簡易課税制度よりもさらに事務負担が軽減されるものと考えています。次に、インボイス発行事業者の登録申請者数につきましては、令和5年2月末現在で累計約270万件、直近では1月当たり約23万件の事業者の方から申請があり、順調に推移していると考えています。また、御指摘の事業者、特に免税事業者から新たにイン ボイス発行事業者になられた方に対しては、円滑に対応していただけるよう、今般の負担軽減措置等を的確に周知するとともに、個別相談を充実するなど、事業者の皆様に寄り添った取組を進めていきたいと考えております。次に、基調水準の向上のための環境整備等についてお尋ねがありました。電子帳簿等の活用を通じて基調水準の向上に取り組むことは重要な課題であると認識しております。これまでも、青色申告特別控除について、一定の要件を満たす電子帳簿で保存する者等については、65万円を維持する、正規の帳簿の原則に従うなど、一定の要件を満たすものであれば、紙に印刷することなく、データのまま電子帳簿を保存しておけば良いこととするなどの措置を講じてきたところです。引き続き、電子帳簿の利用促進や、個人事業者全体の基調水準の底上げに向けて必要な検討を進めていきたいと思います。また、電子取引データの保存については、令和3年度税制改正において、出力書面の保存をもってデータの保存に変える措置が廃止されていたところですが、今般の令和5年度税制改正では、令和6年1月1日以降に行う電子取引データの保存について、相当の理由があると認める場合には、データ保存と出力書面による並行保存を可能とする猶予措置を整備することとしております。いずれにしても、国税関係聴簿書類の電 子化を進める必要があるとの考え方は変わるものではなく、今後とも税務関係手続のデジタル化を通じ、適正公平な課税の実現につなげてまいりたいと考えています。次に、法人税と固定資産税の申告についてお尋ねがありました。法人税につきましては、法人が定める一定の会計期間を対象とした決算に基づき申請を行うため、決算時期に応じて申告期限は様々です。したがって、固定資産税のように、1月1日現在の固定資産を1月31日までに申告するような特定の期日を申告期限とする制度への変更は、納税者の利便性や適時適切な申告の確保の観点から困難であると考えています。一方で、e-Taxとl-Taxのデータ連携については、納税者の利便性の向上や国地方の行政の効率化を図る観点から重要であり、これまでも、例えば、国と地方の双方に提出を求めていた財務諸表について提出先を一元化するなどの取組を実施してきたところです。引き続き、国地方のデータ連携を進め、納税者の事務負担の軽減が図られるよう、必要な対応を進めてまいりたいと考えております。最後に、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてお尋ねがありました。今般の防衛力強化の財源確保に当たっては、国民のご負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約4分の1について、今を生きる我々の将来 世代への責任として、税制措置でのご協力をお願いしたいと考えております。その際、税制措置については、法人、個人への影響に最大限配慮する仕組みとして、法人税については、全法人の94%は対象外としたところです。また、実施時期につきましても、若松議員ご指摘のとおり、ご指摘の景気や賃金の動向及び、これに対する政府の対応や行財政改革を含めた財源調達の見通しを踏まえ、閣議決定した政府の税制改正の対抗の枠組みの下、判断していくこととなります。こうした内閣の方針について、国民の皆様にご理解を深めていただけるよう、国会での議論も含め、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。
1:01:47
若松金重議員のご質問にお答えします。スタートアップエコシステムの構築に向けた取り組みについてお尋ねがありました。我が国に、世界にごするスタートアップエコシステムを構築するためには、人材、資金、オープンイノベーションに関する施策を一体的に推進することが必要です。そのため、これら3つを柱とするスタートアップ育成5カ年計画を、昨年11月に決定いたしました。本計画では、創業の数と規模の拡大の2つを包含する指標として、5年後にスタートアップへの投資額を10倍の10兆円規模に拡大すること、将来的には、世界にごするユニコーン企業を100社創出することなどを目標にしています。これらの目標を実現するため、創業、事業展開、出口の各段階を通じた支援策を講じてまいります。税制面の措置について具体的に申し上げれば、特に資金の集まりにくい創業初期のスタートアップへの資金供給を強化するため、自己資金による創業を行った場合や、創業初期のスタートアップの再投資を行った場合における再投資分の非課税措置の創設、事業展開を後押しする観点から、ストックオプション税制の権利公式観の上限の延長、スタートアップの成長につながるM&Aを促進するためのオープンイノベーション促進税制の拡充などの措置を、令和5年度税制改正において講じることといたしております。スタートアップは、社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現する、新しい資本主義の考え方を体現するものであります。この認識の下、5カ年計画を着実に実 行し、日本にスタートアップを生み育てるエコシステムをしっかり創出してまいります。
1:04:36
若松金重議員から、電気自動車等の普及や市場の活性化の促進の観点からの、今後の自動車関係所税の見直しの検討についてお尋ねがございました。自動車関係所税につきましては、令和5年度与党税制改正大綱において、日本の自動車戦略やインフラ整備の長期展望、カーボンニュートラルへの貢献、地域公共交通へのニーズの高まりなどの観点を踏まえつつ、国地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、受益と負担の関係を含め、中長期的な視点に立って検討を行うこととされております。国土交通省としては、こうした方針に基づき、引き続き与党における議論を踏まえつつ、適切に対応してまいります。
1:06:07
若松金重議員から、固定資産税と法人税の申告について御質問いただきました。固定資産税における消却資産の申告期限を法人税と合わせることについては、法人の固定資産台帳の整備が年一回で済むなどのメリットがあります。一方で現状では、法人の欠産時期の事務料増加や、地方団体の課税事務の増加などの課題が指摘されております。そのため、納税側・課税側双方の事務の効率化を図るため、消却資産に係るLタクスの利便性の向上とともに、財務書票の提出先を国税庁に一元化するなど、EタクスとLタクスのデータ連携に取り組んできたところでございます。今後も総務省としては、令和8年度のEタクスとLタクスのシステム公開に向けて、国税・地方税のデータ連携の拡充を図るなど、環境整備に取り組み、納税側・課税側双方の事務負担の軽減に努めてまいります。
1:07:51
日本維新の会、浅田ひとしです。私は、会派を代表して、所得税法等の一部改正する法律案に関連して質問いたします。私たち日本維新の会は、社会の成り立ちが大きく変わるとき、税制もそうした変化に合わせて抜本的に変えていく必要があると、常々主張しています。その一つが、フローからストックへという改革です。いわゆるフロー部分にかかる税制を軽くして、過所分所得を増やし、消費を換気する、そして経営を刺激し、経済成長を支える。同時にストック部分にかかる税制を適正化し、資産を流動化することにより、これまた経営を刺激し、経済成長を支えるという考え方です。いわゆるコストプッシュインフレの現状下では、最終消費者の過所分所得を増やすことは、ひいては中小企業の製品への価格転嫁を可能とし、賃金上昇や予想インフレ率を高めることにも資すると考えますが、内務大臣は我々の主張をどのようにお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。私たちの税制改革のもう一つの柱は、簡素公平活力の税制へという考え方です。先日国会に提出されたGX推進法における成長志向型カーボンプライシング構想の内容についても、我々は非常に危機感を持っています。各国が2035年までに電力部門のすべて、または大部分を脱炭素化するというG7の合意目標を達成に向けて、脱炭素化をスピード感を持って進める中、政府方 針は2026年度頃から自主産化型の排出券取引市場の本格稼働、2033年度頃に発電部門のみに段階的な有償オークション導入等、遅くて中途半端かつ世界標準からかけ離れた内容となっています。このままでは我が国の経済成長牽引主流GX分野が世界から大きく遅れをとり、国内産業の国際競争力が大きく損なわれる事態となることを強く危惧していますが、財務大臣はどのように受け止めておられますか。カーボンプライシングについてはCO2排出量削減にインセンティブを持たせる使用炭素量に応じた税制への移行、そのための既存エネルギー税制の再編や、例えば法人税減税といった減税措置を組み合わせた世界標準の炭素価格の設定などといった骨太方針に基づく基本設計が欠かせません。そこで財務大臣にお伺いします。財務大臣は今後カーボンプライシングの制度設計にどのような形で関わっていくのでしょうか。日本企業の思惑を超え、世界のEV化の進行は急速に進んでいます。世界の数星がEV化でまとまりつつある中で、政府は遅くとも2030年代半ばまでに、常用車の新車販売で電動車100%を実現できるように包括的な措置を講じるとこわだかに宣言していますが、ここでいう電動車には電気自動車EVのみならず、ハイブリッド自動車HVやプラグインハイブリッド自動車PHVなどが含まれています。今般のエコカー減税においても、プラグインハイブリッド自動車PHVや天然ガス自動車CNGなどが電気自動車と同様に引き続き2回免税の対象となっていますが、財務大臣としてなぜこのような措置としたのかご答弁願います。EV時代への対応が遅れれば、国内での投資は喚起されず、海外からの投資も呼び込めません。海外においては輸入物品に対して炭素比例で高額の関税を課す動きも具体化してきており、日本企業の国際競争力は大きく損なわれることとなります。未だにカーボンプライシング制度や税制が決まっていないのは、欧米との競争において致命的と考えます。まさに活力を欠きますが、財務大臣の見解をお尋ねいたします。こうした状況にあるにもかかわらず、今般、自動車関連税制の抜本的な見直しが3年先送りされた理由と併せてお答えください。次に資産所得培造計画について伺います。日銀の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産は2000兆円を超えます。この金融資産のうち、現金預金が50%を超える1088兆円です。このうちいくらかが、二位差の拡充枠に向かえばよいのですが、これが米ドル等外貨建ての資産購入に向か えば、円安の起爆剤になると考えられます。そういう事態は想定されていますか、想定していないとすれば、なぜですか、財務大臣に伺います。次に金融政策についてお伺いいたします。昨年12月の予算委員会で私は日銀の天宮副総裁に金利上昇時の日銀の保有債の評価存について尋ねました。その際、副総裁は金利が1%上昇すると28.6兆円の評価存となる旨の答弁をされました。2022年9月末時点で日銀の準資産は5.0兆円、債券の価格変動のための引当金5.8兆円を足し合わせても11兆円ほどにしかならないので、1%金利が上がるだけで実質的な債務超過状態になります。しかし副総裁は評価存とか一時的な赤字が出ても中央銀行はお金を発行できるので、一般企業のように支払い能力に既存が生じるとか、それによって経済取引ができなくなるということはないとして、金融政策の遂行の能力が損なわれることがない。また中央銀行の信用は金融政策の運営で裏付けされているので問題ないという趣旨の答弁をされました。そこで財務大臣にお伺いします。大臣は日銀は損失を繰り越せるという認識でしょうか。また中央銀行の信任に対する考え方は日銀のそれと同じ認識でしょうか。平成10年に施行された新日銀法において、それまで不足にあった準備金並びに特別準 備金の金額を使用しても、なお毎事業年度に生じた損失を補填するに不足する場合には、政府はその不足額に相当する金額を普及しなければならないという規定が削除されました。当時の岩田一政副総裁は、国会審議において損失補償規定を削除した理由について、日本銀行が政府とかあるいは財政当局から独立して金融政策を運営できることを財務面でも補償するためにそういうことが起こらないようにやるのが新しい中央銀行だということで、わざわざ財政補填の条項を除いたと述べています。つまり、中央銀行の政府からの独立性が理由であるとしており、政府が補填しなくても日銀がいくらでもお金をすることができるからという理由ではありませんでした。当時の白川総裁も、中央銀行の予算財務面の独立性の観点から、一定水準の自己資本が必要と述べています。こうした日銀法改正の際の経緯と、先の日銀副総裁の発言には整合性がないと考えますが、総務大臣の見解をお伺いいたします。これまでの量的、質的金融緩和、救急費の副作用として、日銀が副作用を買い占めることによる市場の機能不全や、10年ものよりも残存、8、9年ものの利回りが高いといったイールドカーブの歪みなどが挙げられていますが、財務大臣は、こうした副作用について、どのような認識をお持ちでしょうか。お伺いいたします。現在の複雑な金 融緩和を正常な状態に戻していくには、相当な期間を要することが考えられます。マクロ経済運営に足枷をはめられた状態で、財務大臣はどのような経済成長戦略を描こうとされているのでしょうか。見解をお尋ねします。総理は、施政方針演説の中で、冒頭、これまでの時代の常識を捨て去り、強い覚悟と時代を見通すビジョンを持って、新たな時代にふさわしい社会・経済・国際秩序を作り上げていかなければなりませんと演説されました。例えば、異次元の少子化対策というのであれば、子どもをもてばを持つほど税負担が軽くなる制度の構築や、そもそも結婚や出産に躊躇する若者世代の背中を押すためのセーフティーネットの構築、すなわち最低所得保障制度の構築は急務です。これらの制度構築の必要性に関し、財務大臣の御見解をお尋ねし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
1:18:20
浅田人史議員の御質問にお答えいたします。まず、過処分所得と賃上げ等についてお尋ねがありました。浅田議員の御提案は、減税により消費者の過処分所得を増加させ、賃上げ等につなげていくことであると理解しておりますが、政府としては、令和4年度税制改正において、賃上げ税制を抜本的に拡充するとともに、中小企業等に事業再構築、生産性向上等の支援を行う際、それと一体となった賃上げ支援を大幅に拡充するなど、あらゆる政策を総動員することで、賃上げを行うことができる環境整備に取り組んでまいる考えです。また、価格転嫁対策については、賃上げ原資の確保につながるように、現在、下請地面を300人体制に拡充するなど、その強力な推進に取り組んでいるところです。政府としては、引き続き、政府に一銀が一体となって、構造的な賃上げを伴う経済成長と物価安定目標の持続的、安定的な実現に向け、取り組んでまいります。次に、成長志向型カーボンプライシング構想についてお尋ねがありました。カーボンプライシングについては、低炭素な代替技術の有無や国際競争力への影響等を踏まえて実施しなければ、我が国経済への悪影響や国外への生産移転が生じる恐れがあることに鑑み、直ちに導入するのではなく、GXに集中的に取り組む期間を設けた上で導入することとなっていると承知をいたしております。政府としては、カーボンプライシング導入の結果として得られる将来の財源を裏付けとしたGX経済移行債を発行し、20兆円規模の先行投資支援を実施することで、2030年度の温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラルの実現といった国際公約と、我が国の産業競争力強化、経済成長の同時実現に向けて取り組んでまいります。次に、カーボンプライシングの精度設計についてお尋ねがありました。カーボンプライシングについては、財務大臣が厚生委員となっているGX実行会議における議論を経た上で、排出量取引制度と炭素に対する付加金を導入することとされ、その具体的な精度設計を盛り込んだGX推進法案を国会に提出し、御審議をお願いしているものと承知しています。財務省としても引き続き、関係省庁とともに議論・検討を行ってまいります。次に、国家減税制度についてお尋ねがありました。プラグインハイブリッド自動車や天然ガス自動車については、2020年7月に閣議決定された成長戦略フォローアップにおいて、2030年までにその普及を目指す、いわゆる次世代自動車に位置づけられるなど、環境性能に優れていると判断されることから、2回免税の対象としているところです。次に、カーボンプライシングと自動車関連生成の見直しについてお尋ねがありました。炭素排出に根付けを行う、いわゆるカーボンプライシングについては、内閣官房よりGX推進法案が既に提出されており、今後国会において御審議をいただくことになるものと承知をいたしております。また、自動車関連税制の抜本的な見直しについては、電気自動車等の普及の状況を見極める必要があることなどを踏まえ、与党税制改正大綱において、引き続き検討課題とされているものと承知しております。政府としても、与党での御議論を踏まえつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。次に、任意差拡充の為替相場への影響についてお尋ねがありました。貯蓄から投資へを進めていくためには、家計による投資の対象として、魅力ある日本の金融資本市場を構築していくことが不可欠であり、資産所得培造プランでは国際金融センターとしての地位を確立していくための施策も盛り込んでいます。それは同時に、海外投資家の資金を日本に呼び込むことにもつながるものと考えています。このように、投資資金は内外の双方向に流れることが考えられ、また、為替相場は様々な要因を背景に市場において決まるものであることから、資産所得培造に向けた取組が円安を招くとは一概に言えないと考えています。いずれにしても、貯蓄から投資へのシフトによる、我が国の経済や金融市場にもたらす影響については、十分に留意していきたいと考えています。次に、日銀の損失と中央銀行の浸入についてお尋ねがありました。日銀の期間損益について、準損失が生じた場合、民間企業と同様に、これを翌季以降に繰り越すことは法令上禁止されていないものと承知しております。また、中央銀行の浸入については、黒田総裁は、管理通貨制度の下では、通貨及び中央銀行の浸入は、適切な金融政策運営により、物価の安定を図ることを通じて確保されるものである、旨答弁されているものと承知しており、政府としても同じ認識です。次に、日銀法の改正経緯と日銀副総裁の発言との整合性についてお尋ねがありました。平成9年に改正された新日銀法の下では、旧日銀法において設けられていた政府による損失補填の規定を削除しましたが、これは金融政策における日銀の自主性を確保することを目的としたものです。昨年12月の予算委員会における日銀副総裁の答弁の趣旨についてお答えする立場にはありませんが、その答弁の趣旨が、日銀は損失補填を目的として自由に通貨を発行することができるという趣旨でなければ、特段整合性に問題があるとは認識しておりません。次に、金融緩和の副作用についてお尋ねがありました。金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えており、金融緩和の副作用に対しても、日銀においてこれまで様々な配慮を行ってきたと承知しております。例えば、昨年末の金融政策決定会合においては、金融緩和の効果をより円滑に波及されるとともに、金融緩和の持続性を高めるための決定がなされたと承知しています。日銀には、引き続き政府との連携の下、経済・物価・金融調整を踏まえつつ、適切に金融政策運営を行われることを期待しております。次に、成長戦略についてお尋ねがありました。金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきと考えており、日銀において適切に判断されるものです。そうした前提の上で、政府としては、新しい資本主義の考え方の下、科学技術イノベーション、スタートアップ、GX、DXの4分野に重点を置いて、官民連携で投資促進を図ることを通じて、社会課題の解決を成長のエンジンへと転換していくとともに、人への投資を抜本的に強化し、継続的な賃上げを実現することを通じて、分厚い中間層の形成を図っていくことで、成長と分配の好循環を拡大し、力強い成長を実現してまいりたいと考えています。最後に、少子化対策についてお尋ねがありました。朝田委員から御提案のあった、子どもを持てば持つほど税負担が軽くなるような税制上の措置を講じることについては、総世帯の約3割を占める所得税・非課税世帯の方々にはメリットが及ばないこと、もともと税負担の大きい高額所得者に有利となり得ること、といった懸念点があることも踏まえて、丁寧に検討することが必要だと考えております。また、御指摘の最低所得保障制度については、国が全ての個人に対して最低限の所得保障を無条件に与えるベーシックインカムということであれば、社会保険方式を基本とした我が国の社会保障制度との関係、また、年金や生活保護など既存の制度との給付の重複、追加の必要財源の確保、既に支払った保険料・積立金の扱いなど、現実的に乗り越えなければならない大きな課題があり、慎重な検討が必要であると認識しています。いずれにせよ、最も有効な未来への投資である子ども政策の強化は重要な課題であり、総理からの指示を踏まえ、今後、子ども家庭庁を中心に、政策目的や支援対象の実情に応じて、具体的に検討を進めていくものと承知しております。
1:29:30
国民民主党新緑風会の大塚光平です。ただいま議題となりました、所得税法等改正案について、会派を代表して財務大臣に質問させていただきます。税制は国の骨格です。国が抱える構造問題を改善・解決するとともに、目指すべき方向へ誘導するのが税制の役割です。そうした観点から質問させていただきます。税制に関連して、最初にデフレに対する政府の認識を伺います。退任する黒谷一吟総裁の異次元緩和政策及びそれを支持した経済学者等の主張の背景には、デフレは金融現象であり、金融緩和で解決できるとの論理が通定していました。もともとデフレの原因は金融現象の影響、実体経済の影響、心理面の影響の三つの角度から議論されていました。黒谷一吟の壮大な社会実験は金融現象なのだから思い切った金融緩和を2年程度断交すれば解決するという論理でした。しかし10年を経た結果、デフレは金融現象ではない、あるいは金融緩和だけでは解決しないことが明らかになったといえますが、黒谷一吟の10年間に対する評価とデフレの原因についての認識を伺います。実験結果を得るために払った代償は大きく、異次元緩和の10年の間に他の要因も相まって、我が国の経済や社会は多 くの構造問題を抱えました。第一に、コスト返帳志向の海外進出の結果、国内生産の輸出品が減少し、貿易収支は赤字化し、経常収支は第一次所得収支で支えられる構造になりました。第二に、第一の変化の結果、サプライチェーンと原燃料、エネルギー、食料等の海外依存傾向が強まり、安全保障上深刻な問題を抱えた国家構造が極まりました。第三に、2000年代後半までは日本の企業、産業、経済に対する期待から円高傾向が続いていましたが、以後は円安傾向となり、異次元緩和も相まって、一昨年来、単なる円安ではなく日本売りの要素を呈しています。第四に、その間に技術革新が加速し、新興企業をめぐる世界の勢力図が激変、流れに取り残された日本の生産性定名は、異次元緩和化で固定化しました。第五に、第四の結果として諸外国の所得水準が上昇した一方で、日本は停滞、勤労者や消費者の過所分所得が増えず、実体経済定名を深刻化しました。以上の第1から第5の構造を改善するための工夫が、今回の税制改正の内容にどのように盛り込まれているか伺います。第六に、異次元緩和によって日銀が国債を大量購入し、事実上の財政ファイナンス状態が構造化しました。この構造をどのように認識し、今後どうしようと考えているのか伺います。以上のように、異次元緩和等の影響から構造問題が極まった中で、国民民主党は選択可能な政策的工夫として、日銀保有国債を一部永久国債化して財源確保を図る一方、ETF、リート等を計画的に売却し、成長戦略と出口戦略を両立させ、確保した財源で人材育成、技術開発、産業支援、防衛強化等欠金の課題に迅速に重当することが不可欠と考え、税制改正においてもそうした対応を促す内容、すなわち一例を挙げれば設備投資に対するハイパー焼却税制等を提案しています。ただいま申し上げました国民民主党の政策パッケージについて、所見を伺います。以下、国民民主党が昨年末にまとめた提言書「令和5年度税制改正と財源」についての内容に沿って何点か伺います。新政治出生数が80万人割れとなりました。少子化対策は我が国の命運を握ります。現役世代の出産・子育て・教育負担軽減に資する税制改正が必要です。児童手当の所得制限変更に伴う年少扶養控除・復活、ベビーシッター寮・保育寮・熟大・下宿大・授業料等、子どもに係る処刑費の所得控除制度創設、子どもの養育に係る扶養控除引上げ等の対応が必要です。これらの内容に関連して、今回の税制改正案ではどのような工夫がなされているか伺います。N分N情報式等、多子世代ほど納税負担が軽くなる制度の導入が必要です。N分N情報式に関する認識及び今回の税制改正案では、多子世代に対する配慮・工夫がどのように行われているか伺います。国民民主党は子どもに関する政策制度における所得制限は合理性に欠けると考え、累次にわたり所得制限撤廃法案を提出しています。税制を含め子どもに関する政策制度に所得制限を設けている根拠、政府としての考え方を伺います。現役世代の負担軽減のため、勤務先が提供する所得当ての非課税限度額引上げ、単身不認者規制旅費、住宅費等の非課税化等も必要です。これらに対する認識及び今回の税制改正案における工夫を伺います。国民民主党は一昨年来、老後の資金不足問題や格差固定化防止等を踏まえ、積立に差等の拡大を提言してきました。今時法案に盛り込まれ、制度の高級化も目指していることは評価します。ただし、認差利用が特定層に偏る傾向があることの是正、勤労者の安定的将来設計及び長期投資による産業育成等の観点から、一般型と積立型のバランスは少なくとも同額、あるいは積立型が一般型を上回ることが望ましいと考えます。税制改正案では逆に、一般型が積立型を上回っていることの 理由及び、ただいま申し上げた提案に対する認識を伺います。また、投資額自体が所得向上されていないために、米国401系等に比べて投資インセンティブが高まりません。格差拡大抑止と平均的勤労者世帯の投資インセンティブ向上のため、一定所得以下の場合、認差投資額の所得向上制度を導入すべきと考えますが、認識を伺います。いわゆる1億円の壁是正のために、年30億円超の最低負担率導入を決めたことは、格差是正の観点から一歩前進ですが、1億円から30億円の階層を放置した理由及び、当該層に1億円未満層の負担率27%よりも若干高い税率、例えば10%を加算した率を付加する提案について認識を伺います。インボイス制度導入による混乱に配慮し、納税額2割特例、売上高1億円以下商品1万円未満特例等の工夫を講じるとしていますが、そうした対応自身が制度の不合理性を象徴しています。その原因は、複数税率に起因します。国民民主党は、税率5%への引き下げ、単一税率化を目指すとともに、インボイス制度の凍結中止、少なくとも開始延期及び改正伝聴法の適用延期を訴えてきました。改正伝聴法の有助措置が延長されたことは評価しますが、延長はいつまでかお答えください。完全適用された場合、多くの事業者、税理士等がシステムベンダー を介してクラウドにデータを保存するものと想定されますが、そのクラウドが外国企業提供の場合は、経済安全保障上の懸念があります。経済安保及びITセキュリティの観点から、日本独自のクラウドを創設し、有助解除時には当該クラウドの使用を放棄すべきと考えますが、認識を伺います。最後に、自動車税制について伺います。走行距離課税やEV等に対するモーター出力課税等は、エコ化普及阻害、脱炭素化逆行等多くの問題を内包しています。また、現行の自動車重課税化は、景気に対してマイナスです。これらに関する認識を伺います。国民や産業及び技術革新にとって必需品である自動車に対する減税は、景気対策、脱炭素、産業振興の観点から一石三鳥です。自動車減税に関する今次法案における工夫及び令和6年度以降の方針を伺います。税制は国の骨格です。日本の経済や社会が構造問題を抱えているとすれば、それは骨格が揺るがんでいるからにほかなりません。国民民主党は問題を正直に認識し、偏らない現実的な税制を目指すことを申し上げ、代表質問といたします。
1:39:36
大塚公平議員のご質問にお答えいたします。まず、この10年間の金融政策の評価と手触れの原因についてお尋ねがありました。1990年代のバブル崩壊以降、生産年齢人口は減少する中、企業は賃金を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制し、結果として需要が低迷し、リフレが加速するという悪循環が生じたと承知しています。こうした中で、政府と日銀は2013年に共同声明を公表し、互いに連携し、それぞれの責任において必要な施策を実施してきたところであり、金融政策については、日銀が定めた独安定目標の実現を目指して、金融緩和を推進してきたと理解しております。こうした政府と日銀の取組の結果、デフレではない状況を作り出すなど、大きな成果を上げてきたと認識しています。次に、経済・社会構造の変化を踏まえた、税制面での対応についてお尋ねがありました。政府はこれまで大胆な金融政策、機動的な財政政策等により、いもはやデフレではないという状況を作り出してきました。一方で、諸外国に比べ低成長となっており、賃金の伸びも小幅となっている状況が 続いてきたと認識しています。その上で、問題として挙げられている御指摘の点の全てについて、税制のみで対応しているわけではありませんが、令和5年度税制改正においては、こうした諸課題や個人金融資産等の日本のポテンシャルを踏まえた対応を行うこととしております。例えば、欧米に比べて低い水準となっている開業率や、企業の国際競争力強化の必要性といった課題を踏まえ、スタートアップエコシステムの抜本的強化や、企業の成長を先導する人材の育成を促す税制措置を講じ、生産性の向上を図ることとしております。また、個人金融資産の過半が現預金で保有されている現状を踏まえ、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向けることにより、資産所得倍増につなげ、過所分所得の増加を図る観点から、任意差の抜本的拡充・高級化を行うこととしております。引き続き、経済社会構造の変化を踏まえた税制の見直しを進めながら、持続的な経済成長につなげてまいります。次に、日銀の国際購入についてお尋ねがありました。現在、日銀が行っている国際買入は、日銀が物価安定目標の実現に向けて、金融政策の一環として実施しているものと承知しており、ご指摘の財政ファイナンスには当た らないものと認識しております。他方、政府としては、日銀が国際を買い入れるとの前提に立った財政運営を行うことが適切とは考えておらず、また市場からそのような疑いを持たれ、市場の信任を失うような事態を招くことがないようにしていく必要があると考えております。このため、政府としては、財政健全化に向けて、プライマリーバランスを2025年度に黒字化すること、これにより債務残高対GDP費用を安定的に引き下げることとの方針の下、引き続き責任ある経済財政運営に努めてまいりたいと考えております。次に、日銀保有国債の永久国債化やハイパー消却税制など、国民民主党の政策提案についてお尋ねがありました。金融政策の具体的な手法は、金融緩和の出口の考え方を含め、日銀に委ねられるべきと考えており、日銀が保有する国債やETF等の取扱いについても、日銀において検討されるべきものと考えております。また、日銀保有国債の永久国債化については、政府が日銀の機能を利用して財政調達を行うこととなり、財政に対する信任や金融政策の独立性が損なわれる恐れがあることに留意する必要があると考えております。その上で、政府としましては、人への投資の抜本的強化や官民連携による 成長分野への大胆な投資拡大等を通じて、成長と分配の好循環を実現してまいりたいと考えております。ご指摘のハイパー焼却税制については、デジタル化やカーボンニュートラル投資を加速するため、取得額以上の減価焼却を認める制度であると承知しておりますが、デジタル化や気候変動問題への対応における民間投資を促すという観点からは、政府においても現在、デジタルトランスフォーメーション投資促進税制やカーボンニュートラル投資促進税制などを講じているところです。次に、消費化についてお尋ねがありました。燃焼不要控除の復活等、具体的なご提案につきましては、今般の税制改正には盛り込んでいませんが、その上で、それらに対する政府の考え方を申し述べます。まず、燃焼不要控除の復活や、子どもに係る処刑費の所得控除制度の創設などのご指摘ですが、各種控除のあり方等については、経済社会の構造変化のほか、所得再分配や消費化対策の観点等を踏まえ、税制全体の議論の中で引き続き、検討していくべき課題と考えております。次に、いわゆるN分N乗法式については、低中所得層には累進緩和の効果が全く及ばない一方、高額所得者、とりわけ、肩働き世帯に税制上大きな利益が生ずることになるため、我が国への導入については、極めて慎重な検討が必要と考えております。次に、子どもに関する政策の所得制限についてのご指摘ですが、児童手当など各制度における所得制限のあり方については、個々の制度の目的や支援方法に応じて、それぞれの制度において定められているものと考えております。最後に、勤務先が提供する所手当の非課税限度額引上げや、単身不妊者の寄生旅費や住宅費などの非課税措置などのご指摘ですが、原則として、給与の正確を有する手当は課税することとなっている一方で、通勤手当のように、出勤費用の実費弁債として広く支給されているものは、一定限度額までは特別に非課税となっております。引き続き、こうした考え方に沿って対応してまいりたいと考えております。次に、認査についてお尋ねがありました。新しい認査制度における年間投資枠の水準については、120万円の積立投資枠は、若年期から長期にわたるコツコツとした投資を支援するものである一方、成長投資枠は、個人のライフステージに応じて、すでに積み上げた預貯金などによるまとまった資金での投資にも対応できるように、240万円としております。こうした投資枠は、認査を中間層を中心とする幅広い層にとって、使い勝手の良い柔軟な制度とするために適切な水準であると考えております。また、認査制度は、非課税保有機関における配当等や上等益を非課税とするものであり、こうした税制優遇措置に加えて、ご提案のように、さらに認査口座への投資額を所得控除することについては、慎重な検討が必要であると考えております。次に、いわゆる1億円の壁についてお尋ねがありました。現貨の所得税の負担率を見ると、所得が1億円を超えるあたりの所得層では、負担率がそれほど大きく低下していない一方、それを上回るかなりの高所得者層では、負担率の低下が著しい状況にあるといった現状になっています。このような負担率の状況等を踏まえ、与党税制調査会において幅広い観点から御議論をいただいた上で、今般、おおむね平均的な水準として、約30億円を超えるような、極めて高い水準の所得を対象として、最低限の負担を追加的に求める措置を導入することとしたものです。こうした措置により、税負担の公平性の観点から、一定の対応が図られていると考えております。政府としては、まずは、令和7年から施行される今回の改正の効果を、よく見極めてまいりたいと考えております。次に、改正電子貯物保存法の有助措置等についてお尋ねがありました。電子取引データの保存については、令和3年度税制改正において、保存要件に従ってデータのまま保存しなければならないこととされましたが、事業者の実情を踏まえ、令和5年末まで、出力書面による代替保存を可能とする有助措置が適用されているところです。現行の有助措置は、適用期限の到来をもって廃止することになりますが、中小企業団体等から強い要望があったことを踏まえ、今般の税制改正では、電子取引データを保存要件に従って保存することができなかったことについて、相当の理由があると認められる場合には、データと出力書面による並行保存を可能とする適用期限のない新たな有用措置を整備することとしております。また、行政府や民間の行政手続におけるクラウド利用については、利便性の向上やセキュリティの確保、クラウドサービスの提供主体の観点も含め、さまざまな検討がなされているものと承知しています。特定のクラウドサービスの使用の法定化については、こうした検討等を踏まえる必要があると考えております。最後に、自動車関係所税についてお尋ねがありました。自動車関係所税のあり方については、与党税制改正大綱において、日本の自動車戦略やインフラ整備の長期展望、カーボンニュートラル目標の実現への貢献、インフラの維持管理、機能強化の必要性などを踏まえつつ、国・地方を通じた財源の安定的な確保を前提に、受益と負担の関係も含め、中長期的な指定に立って検討を行うこととされているところです。政府としても、与党での御議論を踏まえつつ、検討を進めて まいりたいと考えておりますが、御指摘の重課税化を含め、いわゆる走行距離課税やモーター出力課税については、政府としてその導入の方針を決めているものではございません。また、今般のエコカー減税の見直しに当たっては、県下の半導体不足等の状況を踏まえる必要があることから、慰霊の措置として本年末まで現行制度を据え置くこととしました。その上で、エコカー減税は長期にわたって現行基準を維持すれば、政策インセンティブ機能が低下し、その制度趣旨が没却されてしまうことから、末置き期間後である令和6年1月からは、2035年の常用車・新車販売に占める電動車の割合を100%とする政府目標と整合的な形に見直し、制度の対象となる燃費基準達成度の加減を3年間で段階的に引き上げることとしております。
1:53:30
私は日本共産党を代表 して、所得税法等改正案について質問します。冒頭、政治的公平性に関わる放送法の解釈変更に、政治的な圧力がかけられていたとされる内部文書をめぐる問題で質問します。昨日、松本総務大臣は、行政文書であることを認めました。当時総務大臣だった高市氏は、内部文書を捏造だとし、これが捏造の文書でなければ、大臣も議員もやめるとの考えを答弁しました。高市大臣、自らの言明に従って、大臣も議員も辞職すべきです。いかがですか。
1:54:24
この問題は、放送事業者の自立性や、報道の自由に関わる重大な問題です。高市氏はじめ、関係者の調査と徹底した真相究明を行うべきです。総務大臣の答弁を求めます。国会として、究明のために、磯崎元首相補佐官の承認喚問を求めるものです。
1:54:49
生活出自貧の相次ぐ値上げが家計を直撃しています。帝国データ バンクの調査では、食料品の値上げが3月は3,000品目を超え、8月にも累計2万品目を超える可能性が指摘されています。生活出自貧は、所得が低いほど消費支出に占める割合が高くなります。再現のない値上げが、低所得・中所得の家計を圧迫し、貧困の拡大が懸念されています。岸田政権は、分厚い中間層の再構築と言いますが、進んでいることは真逆の方向ではありませんか。家計への深刻な打撃を回復するために、最も有効な方法は消費税の減税です。幅広い所得層の家計を底上げし、貧困と格差の是正、経済の立て直しを進めるために、今こそ消費税の減税に踏み切るべきではありませんか。以上、財務大臣に伺います。電気料金の高騰が、家計や事業所に重い負担となっています。1ヶ月の請求が10万円超え、とても払えないという訴えや、年間数千万円の負担増という病院など、国民の命、経済全体への影響は深刻です。前例のない、思い切った対策というのであれば、政府の責任で、電気料金を実質負担増にならない水準まで引き下げる、負担抑制の追加策を正しに行うべきではありませんか。日本のエネルギー自給率は、わずか10%です。石炭や天然ガスなど輸入化石燃料に依存し、この11年で、原発に23.5兆円もつぎ込んできたことが、電気料金を底上げしています。諸外国のように、エネルギー機器への対策として、省エネと再生可能エネルギー導入を抜本的に強化することこそ、必要ではありませんか。以上、経産大臣の答弁を求めます。以下、鈴木大臣に伺います。10月に迫ったインボイス制度導入による影響は、小規模冷裁事業者、農家や一人親方、個人タクシーなど幅広く、中止を求める声が広がっています。インボイスの中止、延期などを求める自治体の意見書は、昨年末で389人に上っています。アニメ業界、声優業界で働くフリーランスを対象にした調査では、インボイス制度で4人に1人が廃業するかもしれないと回答しています。アニメーターも声優も年収300万円以下という方が多く、免税事業者のままでは取引から排除されかねず、課税業者になれば1ヶ月分の収入が消費税に消えることになり、実質的な増税となります。本法案の激変緩和措置は期限付きであり、問題の解決にはなりません。中止を決断するべきではありませんか。物価上昇を上回る賃上げ、雇用の7割を占める中小小規模事業者の賃上げが重要です。帝国データバンクが1月に行った調査では、2023年度に賃金改善があると見込む企業は、全体で56.5%です。ところが、従業員5人以下の事業所では、その割合は39.6%に下がり、しかも3社に1社が賃上げを実施しないと回答しています。日本共産党は、アベノミクスで増えた大企業の内部流庫に適切に課税し、中小企業への賃上げに回すこと、賃上げに応じて社会保険料を軽減する制度や、賃上げへの助成制度を提案しています。こうした手厚い賃上げ支援策が必要ではありませんか。岸田総理は、一昨年の総裁選で1億円の壁の打破を掲げました。しかし、本法案は、所得30億円以上のごく少数の高額所得者に対し、わずかに税率を上げるという極めて不十分なものです。金融所得への低い税率には指一本触れていません。その理由について総理は、二言目には市場への配慮、マーケットへの影響を口にしますが、重要なのは一時的な株価の動きではなく、実体経済の底上げです。できない理由を上げるのではなく、金融所得への低い税率を引き上げるべきではありませんか。小額投資、非課税制度認査の拡充も問題です。本法案では、一人当たりの投資上限額を1800万円に引き上げ、生涯非課税とします。現在の制度と合わせて、5年後には夫婦で4080万円までの投資が可能になります。これだけの資金を株や投資新宅に投資できるのは、ごく一部の富裕層クラスです。資産化にまで転税を行うのは制度の趣旨に反するものであり、なぜここまでの転税が必要なのか、納得のいく答弁を求めます。岸田政権の資産所得倍増プランでは、認査の購入額を5年間で28兆円から56兆円に倍増させるとしています。金融庁のパンフレットでは、老後のための費用などまとまったお金が必要になるとして投資を呼びかけています。岸田政権のもとで年金はめべりし、医療介護の負担は増えるばかりです。将来への不安を煽りながら、老後の資金は投資で稼げというのは、公的責任を投げ捨てて、国民に自己責任を押し付ける新自由主義そのものです。これが、岸田政権の言う新しい資本主義なのですか。お答えください。一方、投資をめぐるトラ ブルが急増しています。詐欺的な投資関与による被害は5000件を超え、5年前の10倍以上になっています。若者の被害も深刻です。20代の女性が投資トラブルに巻き込まれ、自ら命を絶つところまで追い詰められるという痛ましい事件も起きています。対策の抜本的な強化が必要ではありませんか。税の深刻なあり方について一言述べます。戦前の税制は、政府が決めた金額を納めさせるものでしたが、戦後、日本国憲法の下で、主権者、国民が税金を自主的に計算し深刻し、納税することを通じて政治参加することを理念とする深刻納税制度になりました。納税者同士が税金について学び、押し合う実種深刻運動は、税について誰もが相談に乗り、意見を交換することであり、当然の権利であるとともに尊重されるべきです。岸田政権は、5年間で43兆円もの大群格を進めるとしています。その財源を賄うために、防衛省の予算とは別に、防衛力強化資金を創設し、国立病院などの積立金やコロナ対策事業の残金、東日本大震災復興のための復興特別所得税の一部を流用し、期間の延長で増税するなどとんでもないことです。さらに、岸田政権は、戦後初めて自衛隊の艦船など、軍事目的で4343億円の建設国債を発行しようとして います。戦時国債を発行して侵略戦争に突き進んでいった歴史の教訓を踏まえ、財政法4条は公共事業費、出資金、貸付金を除き、国債発行を禁じています。1966年、当時の福田武雄大倉大臣は答弁で、防衛費は消耗的な性格を持つため、施設も含めて公共事業費には含まれず、建設国債の対象とはならないという厳格な歯止めを示しました。この一線を超えてしまえば、軍事費が拡大することは必至であり、戦前の反省からも平和憲法の趣旨からも、歯止めの撤廃は到底認められません。国会答弁との整合性をどう考えるのですか。安全保障政策の大転換、大軍閣と大増税の撤回を求め、質問を終わります。
2:04:09
岩渕智議員の御質問にお答えいたします。まず、生活支出費の値上げについてお尋ねがありました。消費者物価はこれまでの世界的な原材料価格の上昇や円安の影響により、食料品やエネルギーなど国民生活に身近な品脈を中心に上昇が継続しており、特に 低所得者の負担感が相対的に増加していると考えられます。このため、特に低所得世帯に対しては、昨年6月から低所得の子育て世帯に対し、児童1人当たり5万円を給付し、昨年10月頃から住民税・非課税世帯への5万円給付を開始し、現時点で対象世帯の約8割に給付金が支給されるなど、重層的な支援策を切れ目なく講じてきました。その上で、年度末に向けて総合経済対策補正予算の執行を加速しつつ、エネルギー・食料品価格の動向等を踏まえ、必要な追加策を検討するとともに、分厚い中間層の形成を図っていくためにも、あらゆる政策を総動員し、物価上昇を超える賃上げの実現を図ってまいりたいと考えています。次に、消費税減税についてお尋ねがありました。消費税については、急速な高齢化等に伴い、社会保障給付費が大きく増加する中で、これをあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、社会保障の財源として位置づけられております。このように消費税は、全世代型社会保障制度を支える重要な財源であるため、減税は考えておりません。次に、インボイス制度についてお尋ねがありました。インボイス制度は、複数税率の下で、適正な課税を確保するために必要なものです。ご指摘のような、小規模事業者の方々の様々なご懸念について、政府一体で連携して丁寧に課題を把握しながら、きめ細かく対応してまいります。具体的には、免税事業者をはじめとした事業者の取引について、取引環境の整備に取り組むとともに、令和4年度補正予算において、インボイス対応のための支援策の充実を盛り込んでいます。また、令和5年度税制改正においては、これまで免税事業者であった方がインボイス発行事業者となった場合の負担軽減措置や、奨学のインボイス保存に関する中小事業者の事務負担軽減措置などを講ずることとしております。引き続き、丁寧に課題を把握しながら、関係省庁で連携して必要な対応を講じてまいります。次に、内部留保と賃上げについてお尋ねがありました。内部留保への課税については、二重課税に当たるとの指摘があることから、慎重な検討が必要であると考えています。また、社会保険料の事業主負担の軽減については、社会保障の給付の見直し等を行わないまま、単に社会保険料の事業者負担のみを引き下げれば、社会保障の持続可能性に支障が生じることから、慎重な検討が必要と考えております。その上で、政府としても中小企業等においても、物価上昇を超える賃上げに取り組んでいただくことは重要な課題であると認識しており、令和4年度税制改正で拡充した賃上げ税制において、中小企業等について税額控除率を大幅に引き上げたほか、事業再構築、生産性向上等支援と一体的に行う賃上げ税制については、今後、政府としても中小企業等においても、物価上昇を超える賃上げ支援を大幅に拡充し、さらに下請地面を300名体制に拡充するなど、価格転嫁を強力に推進するなど、中小企業等においても賃上げを行うことができる環境整備にしっかり取り組んでおります。次に、いわゆる1億円の壁についてお尋ねがありました。この問題については、税負担の公平性を確保する観点から、市場への影響も踏まえ、総合的な検討を行うこととされていたところです。こうした中、かなりの高所得者層では、所得税の負担率の低下が著しいことなど、現下の状況等を踏まえ、このような所得税の負担構造の問題について早期に是正する観点から、与党税制調査会において幅広い観点から御議論をいただいた上で、今般、極めて高い水準の所得を対象として、最低限の負担を追加的に求める措置を導入することとしたものです。政府としては、まずは、令和7年から施行される今回の改正の効果を、よく見極めてまいりたいと考えております。次に、新居佐についてお尋ねがありました。現状、新居佐の利用者の7割は、年収500万円未満であるなど、お新居佐は中間層を含めた幅広い層の資産形成に活用されていると考えています。さらに、今 般の新居佐制度の見直しを行うことによって、これまで以上に長期積み立て分散投資による資産形成を行いやすくなり、幅広い層の資産形成をより一層サポートすることができるものと考えています。また、今般の新居佐の拡充に当たっては、年間投資枠や一生涯にわたる非課税保有限度額を設定することにより、投資余力が大きい層に対する再現ない優遇とならないよう留意しております。こうした一定の制限を設けつつ、幅広い層にとって使い勝手の良い柔軟な新居佐の制度とすることで、家計の資産所得の拡大を目指していきたいと考えております。次に、資産所得培造プランによる投資の促進についてお尋ねがありました。岸田内閣の目指す新しい資本主義においては、国民の所得を広く引き上げ、成長と分配の好循環を進めていくことを最重点課題として位置づけております。そして、急速に高齢化が進展し、暮らし方が多様化する日本社会においては、家計の勤労所得だけでなく、金融資産所得も増やし、安定的な資産形成を実現していくことが重要と考えています。社会保障制度は、国民の安心や生活の安定を支えるセーフティーネットであり、政府として持続可能な制度の構築に取り組んでいるところですが、その上で、資産所得培造プランに基づき、中間層を含めた幅広い層が、自らのライフプランに応じた資産形成を実現できるよう、貯蓄から投資への流れを後押ししていきたいと考えています。次に、詐欺的な投資関与への対策についてお尋ねがありました。金融庁においては、金融商品取引業の登録を受けず、違法に投資関与等を行っている事業者の実態把握に努め、警告書の発出、公表や警察当局との情報共有を行っています。金融庁のホームページやSNS等も注意喚起に活用しており、ご指摘の痛ましい事件も踏まえ、SNSやマッチングアプリ等で知り合った者からの投資関与についても注意喚起を行っています。また、資産所得培造プランでは、金融経済教育推進機構「カショウ」を設立し、官民一体となって金融経済教育に関する戦略的な対応を進めていくこととしております。その際には、家計の金融リテラシー向上に向けて、こうした投資被害に遭わないための金融教育にもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。最後に、財政法第40条の趣旨と国会答弁の整合性等についてお尋ねがありました。ご指摘の1966年の福田大倉大臣の答弁においては、防衛費は消耗的な性格を持ち、公共事業費等に準ずることは適切ではない旨の答弁があったと承知しております。この点につき、昨年12月に閣議決定した国家安全保障戦略等において、防衛力の抜本的強化を補完する取組として、防衛省と海上保安庁との 連携や公共インフラ等が明確に位置づけられた中で、海上保安庁の船舶等が建設公債の発行対象であることを踏まえ、安全保障に係る経費全体で整合的な考え方をとる観点から、防衛省、自衛隊の施設整備や幹線建造に係る経費について、建設公債の発行対象として整理することとしました。これは従来であれば赤字国債を発行していた経費について建設公債に振り返ることとなるものであり、防衛関係費の増額の財源とするためのものではありません。さらに今般の防衛力の抜本的強化に当たっては、必要となる財源は単純に赤字国債で賄うのではなく、税外収入の確保などあらゆる工夫を行うこととしており、実際令和5年度予算においては防衛関係費の増額分1.4兆円に対応する財源は公債には依存しておりません。このように今般の防衛力の抜本的強化に際しては、公債発行に依存せず財政規律との両立も図っており、防衛関係費が歯止めなく増加することにはならないと、そのように考えております。
2:15:37
岩渕智議員からは、放送法の解釈に係る内部文書についてお尋ねがございました。総務省が昨日公表した行政文書につきましては、昨日の記者会見におきまして、総務大臣がお答えになりましたとおり、相手方の確認を取るなど、正確性を期する手順が取られていないこと、関係者から聞き取ったところによれば認識が異なることが判明しており、正確性が確認できないものがあることが判明していると承知をいたしております。私に関係する計4枚につきましては、私自身に確認が取られていないものであり、私が発言したことのない記述がなされているなど、正しい情報ではなく、捏造された行政文書4枚によって、大臣や議員を辞職すべきだとは考えておりません。
2:17:15
岩渕智議員から、放送法の解釈に係る文書についてご質問いただきました。平成28年の政府統一見解につきましては、従来の解釈を補充的に説明し、より明確にしたものであり、従来の解釈を変更したものとは考えておらず、放送行政を変えたとも認識しておらず、放送関係者にもその点について、御理解いただいていると認識しております。その上で、小西議員が公開した関連の文書については、総務省において、慎重に精査を行い、行政文書であることの確認ができましたので、昨日すべて公表いたしました。文書の記載内容が正確であるかという点は、引き続き確認を進めております。ただし、正確性を期するなどの平成29年の行政文書の管理に関するガイドライン改正の前に作成された文書であることから、記載内容が正確であることを前提に議論することは、難しい面もあることを御理解いただきたいと思います。
2:19:02
矢渕議員からのご質問にお答えいたします。電気料金の支援策についてお尋ねがありました。総合経済対策に基づき、電気料金の負担軽減策として、2月の請求文から、低圧契約の家庭や企業等に対しては1kWhあたり7円、高圧契約の企業等に対しては1kWhあたり3.5円の値引きを行っております。まずは、この値引き支援を確実にお届けできるよう、予算執行に取り組みます。その上で、先月の第7回物価賃金生活総合対策本部における総理からのご指示を踏まえ、 規制料金の値上げ申請については、4月という日程ありきではなく、厳格かつ丁寧に審査を行っていくとともに、今後の電気料金支援についても、総合経済対策の執行状況や現場の地域の実情も踏まえながら検討してまいります。省エネと再エネの抜本強化についてお尋ねがありました。エネルギー安定供給の確保と2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、S+3Eの確保が重要であり、省エネ・再エネ・原子力・火力・水素・アンモニアなど、あらゆる選択肢を追求してまいります。委員ご指摘の省エネと再エネにつきましては、2023年2月10日に閣議決定されましたGX実現に向けた基本方針においても、その重要性が明記されているところであります。省エネについては、中長期的にエネルギー基金に強い自給構造を構築するためにも重要であり、今年度の補正予算では、企業向けの省エネ補助金については、今後3年間で5000億円規模の支援を行うこととしております。また、家庭向けの省エネ対策として、経済産業省、国土交通省、環境省の3省が連携し、省エネ効果の高い住宅の断熱窓への改修や、給透機能高効率化などに、総額約2800億円の支援を行うこととしております。再エネについては、重要な国際エネルギー源として、2030年度の電源構成に占める再エネ比率を36から38%とする目標を掲げております。その実現に向け、地域の共生と 適切な国民負担を図りつつ、あらゆる手段を講じ、関係省庁とも連携しながら、最大限の導入に取り組んでまいります。
2:21:46
これにて質疑は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。