2:10
それでは、ただめから総務委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告をいたします。昨日までに中西佑介さんが委員を辞任され、その補欠として上谷雅一さんが占任されました。また、本日野田邦吉さんが委員を辞任され、その補欠として三上恵さんが占任されました。地方税法等の一部を解説する法律案及び地方交付税法等の一部を解説する法律案の両案を一括して議題といたします。両案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。ご意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
2:50
立憲民主社民の小沢雅人です。ただいま議題となりました地方税法等の一部を解説する法律案には反対。地方交付税法等の一部を解説する法律案には賛成の立場で討論を行います。まず地方税法等の一部を解説する法律案は、森林環境税及び森林環境常用税の常用基準の見直しが行われたことは一定評価しつつも、以下の理由で反対します。第一は岸田内閣の支持率が低迷する中で、イメージの払拭を狙った減税は極めて問題である上に、自治体の基幹税である住民税を利用した減税政策は歳入の自治に逆行していることです。また、給与所得者は低額減税で個人住民税所得割の年税額の負担は減る一方で、月々の特別徴収額の負担感は増える世帯が生じることです。公助対象配偶者を除く同一生計配偶者の低額減税分は、2025年度分の所得割額から控除することから速攻性に欠けます。さらに、住民税の低額減税並びに低所得者支援及び低額減税を補足する給付の実施にあたっては、システムの改修のほか事務負担 が生じることです。第二は、法人事業税の外計標準課税が見直されますが、意図的に資本金を1億円以下とし、外計対象法人になっていない企業が外計対象法人とならず、経済力が同等であれば等しく負担すべきであるという水平的公平の租税原則に反する状態が継続することです。第三は、賃上げ促進税制は2013年度から講じられていますが、我が国の実質賃金指数は下落傾向であり、赤字企業には無縁で有効性に疑問があることです。四は、現在6対4となっている国税と地方税の割合について、国と地方の役割分担を勘案すれば、地方税の範囲分割合をさらに引き上げるべきところ、いまだ抜本的な税源移情が行われていないことです。次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。賛成の理由の第一は、地方財政計画の規模、一般財源総額、交付団体ベースの一般財源総額は、いずれも3年連続で前年度を上回り過去最高水準となり、交付税総額も6年連続で前年度を上回る高い伸び率となり、地方財源が一定確保することができたことです。第二に、赤字地方債である臨時財政対策債の発行額は半減し、地方財政の健全化にも一定配慮していることであります。第三は、会計年度認用職員への勤勉手当の支給所要額も、一般行政経費に計上されたことです。一方、地方財政計画上の財源不足 は年々縮小傾向にあるものの、長期債務としての臨済債等の償還費、短期債務としての交付税、特価借入金があり、いずれも多額の残額が残っていることから、今後、金利上昇が財源不足を拡大させる要因となることが懸念されることを申し上げ討論とします。
6:06
日本維新の会の高木香織です。教育無償化を実現する会との統一会派を代表して、地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から討論いたします。令和6年度の地方財政計画は、地方の負担を軽減するものであり、大枠で一定程度評価しています。地方交付税交付金の総額は、昨年度に比して2%近く増加し、また臨時財政対策債発行額は過去最低となるおよそ5000億円まで圧縮し、年度末の残高見込みも本年度から3兆円以上縮減するなど、地方への影響を最低限にとどめるものと受け止めています。これらを高く評価した上で、以下2点を指摘させていただきます。1つは、本法案に関する採決の在り方です。今般の地方税法改正では、定額減税による個人住民税 減税とそれ以外の内容が一体となっていますが、総理のトップダウンで実行する臨時的措置の定額減税と地方税体系の向上的な改善であるその他の内容では、性質が全く異なります。これらを一体で議論することは筋違いであると指摘しなければなりません。我々は質疑で指摘したとおり、定額減税は国の都合で地方に事務負担を押し付けかねない政策であり、最高の余地があると考えます。もう1つは、臨時財政対策債の在り方です。地方財政計画では、倍年多額の財源不足が生じており、令和6年度では1兆8千億円余りに上ると試算されています。臨済債の償還費用は、基準財政需要額に算入されますが、地方交付税交付金の不交付団体は、償還費用を自前の財源で賄う必要があることを審議の中で指摘させていただきました。臨済債が例外的な措置であることを踏まえ、法定率の引上げなど、正面から地方の財源を確保する抜法的な改革をすべき段階に入っていることを政府は認識しなければなりません。日本維新の会は、臨済債の制度を改めるため、関連法案提出の準備を進めます。来年度の地方財政計画は、全体として地方の負担を軽減するものと試案しますが、今後、総務大臣及び財政当局は、さらなる地方財政の健全化に努めるよう取組を加速すべきです。また、定額減税には諸手を挙げて賛同できないも のの、地方への影響を考慮し、苦渋の決断ではありますが、賛成とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
8:56
日本共産党の伊藤岳です。私は、会派を代表し、地方税法及び地方交付税法等改正案への反対討論を行います。まず、地方税法についてです。消費税増税と相次ぐ社会保障の負担増、給付削減が国民生活を追い詰め、そこに物価高騰が襲いかかっています。実質賃金は上がらずに、暮らしはそこが抜ける寸前です。今、全省で行うべきことは、消費税減税や課税最低限の引上げなど、整形費・非課税の徹底であり、大企業向けの研究開発減税の廃止・縮減をはじめ、富裕層大企業に大分の負担を求めることです。医療・介護・教育・子育て・年金・生活保護などを抜本的に拡充して、所得の再配分機能を発揮させることこそが求められています。本法案の目玉である低額減税は、個人住民税を1万円、1回限りで行うものです。国民の生活機器を打開するものとは到底言えず反対です。また、アクサ協定に基づいて、オーストラリア軍などの船舶に自衛隊を行う経由の譲渡に対する課税免除の特例を3年間延長し、新たに提携する日独アクサ協定に基づいて特例措置の対象に、ドイツ軍船舶を追加する内容も入っており反対です。次に、地方公務税法等の改正案についてです。第一に、本法案は、地方の一般財源総額を実質同一水準ルールに従って、地方公務税の総額を定めており、地方の一般財源を十分に確保しておらず反対です。地方自体が住民福祉の向上を図るという役割を果たすよう、実質同一水準ルールはやめるべきです。第二に、定額減税による個人住民税の減税分には国費を充てる一方で、所得税の定額減税に伴って生じる地方交付税の減収分は、交付税の繰越金と所得税以外の法定率分の増額分で固定するとしています。定額減税に伴う地方の税収減やの補填は、全額国費で行うべきで、地方の固有財源である地方交付税を使った補填には反対です。第三に、地域デジタル社会推進費に追加されたマイナンバーカード利活用特別分の継続、デジタルCIO砂漠などの外部人材の任用経費への特別交付税による財政措置の拡充など、マイナンバーカード普及と自主体DXの推進に地方交付税制度を利用するべきではありません。