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参議院 環境委員会

2023年03月07日(火)

0h36m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7267

【発言者】

滝沢求(環境委員長)

西村明宏(環境大臣、内閣府特命担当大臣(原子力防災))

山田美樹(環境副大臣)

永野厚郎(公害等調整委員会委員長)

山中伸介(原子力規制委員会委員長)

0:59

ただいまから環境委員会を開会いたします。理事の辞任についてお分かりいたします。丸川珠代君から文書を持って、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することにご異議ございませんか。はい、ご異議なしと認め、作用決定いたします。この際、理事の決選を行いたいと存じます。理事の辞任につきましては、選例により委員長の指名にご一人願いたいと存じますが、ご異議ございませんか。はい、ご異議なしと認めます。それでは、理事に松山正治君を指名いたします。国勢調査に関する件についてお分かりいたします。本委員会は、今期国会におきましても、環境及び郊外問題に関する調査を行いたいと存じますが、ご異議ございませんか。はい、ご異議ないと認め、作用決定いたします。環境及び郊外問題に関する調査を議題といたします。まず、環境行政等の基本施策について、西村国務大臣から所信を聴取いたします。

2:15

西村国務大臣

2:19

環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の西村昭弘でございます。第211回国会における参議院環境委員会のご審議に先立ち、所信を申し述べます。まず、東日本大震災原発事故からの復興再生の推進について申し上げます。基幹困難区域のうち、特定復興再生拠点区域内においては、今年春頃の避難指示解除に向けて、富岡町、浪江町、飯舘村における除染や家屋等の解体を着実に実施いたします。また、拠点区域外においては、基幹移行のある住民の方々の基幹に向けて、関係省庁と連携して取り組んでまいります。福島県内除去土壌等の県外最終処分に向けては、福島その先の環境へ対話フォーラムの開催等を通じ、まずは全国の皆さんにこの課題を知っていただく取り組みを着実に推進いたします。また、本年に開始が見込まれるアルプス処理水の海洋放出に対応した海域環境モニタリングをはじめとして、放射線健康管理や住民の不安解消、風評払拭に取り組みます。さらに、福島の産業、町、暮らしの創生に向けた「福島再生未来志向プロジェクト」により、脱炭素を基準とした事業創出等を推進してまいります。次に、関係省の大きな使命の一つである「時代の養成園」の対応について申し上げます。関係省は、我が国が直面する数々の社会課題に対し、炭素中立、カーボンニュートラル、循環経済、サーキュラーエコノミー、自然最高、ネイチャーポジティブの同時達成に向け、地域循環共生圏の構築等により統合的に取り組みを推進することを通じて、持続可能な新たな成長を実現し、将来にわたる質の高い生活の確保を目指してまいります。まず、環境外交での主導的な役割の発揮について申し上げます。本年4月に札幌で開催されるG7気候エネルギー環境大臣会合では、議長国として、世界全体でのカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブのさらなる進展に向け、国際的議論をリードしてまいります。また、条約交渉が開始されたプラスチック汚染対策についても、大阪ブルーオーシャンビジョンの提唱国として条約交渉を主導してまいります。アジアゼロイミッション共同体構想の実現等に向けては、2国間クレジット制度(JCM)のさらなる推進、我が国主導で立ち上げたパリ協定6条実施パートナーシップ等を通じた国際的な質の高い炭素市場の形成、都市間連携による世界の都市の脱炭素化・強靭化、昨年のCOP27で私から発表したロス&ダメージ支援パッケージの実施などを推進してまいります。国内の気候変動の緩和と適応の取組について申し上げます。気候変動は、既に顕著なレベルで我々の生活に影響を与えています。国内の年平均気温は、この100年で約1.3度上昇しており、直近4年が最も高い気温となりました。気候変動の影響による熱中症死亡者数は、近年では年間1,000人を超えるなど、自然災害による死亡者数をはるかに上回っています。こうした状況を踏まえ、今後起こりうる極端な降雨も見据え、熱中症特別警戒情報の創設や、暑さをしのぐ場所を確保する仕組みなどを含む気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の改正案を本国会に提出いたしました。2050年カーボンニュートラル、2030年度温室効果ガス46%削減、さらに50%の高みに向けた緩和策の加速化も待たなしの課題です。地球温暖化対策計画に基づき取組を進めるとともに、政府全体の施策の進捗管理を行ってまいります。さらに、本年2月、脱炭素と産業競争力強化の同時実現を図るGX実現に向けた基本方針が閣議決定されました。今後、GX実現のための関連法案に基づいて、必要な役割を果たしていくことを含め、成長志向型カーボンプライシング構想の実施、地域脱炭素移行の加速化、商用車の電動化、住宅の断熱回収をはじめとして、GXの実現に全力で取り組んでまいります。需要側からのGXの推進が重要となることから、環境省として、地域暮らしの脱炭素化を実現するべく、地域共生、疲役型の再エネの最大限導入拡大と再エネと合わせた地区エネ・小エネを推進してまいります。具体的には、脱炭素先行地域や、脱炭素の基盤となる重点対策の全国実施を通じて、地域課題の解決に貢献いたします。さらに、株式会社脱炭素化支援機構による資金供給、社会インフラや中小企業をはじめとするサプライチェーン分野の投資、脱炭素経営促進、地域金融機関とも連携した環境金融等を推進してまいります。また、暮らしの観点では、住宅・建築物の「絶地化・税埋化」や「省CO2回収」などの既存最先端の脱炭素製品サービスの社会実質を促進します。これらの取組を、昨年から開始した「新しい豊かな暮らしを提案する国民運動」で後押ししながら、産業社会の構造転換や面的な需要創出を進めてまいります。サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組について申し上げます。GX基本方針や循環経済工程表に基づき、製造業など同脈産業と廃棄物処理業など縄巻産業が連携した同縄脈一体の資源循環を実現し、2030年までにサーキュラーエコノミー関連ビジネスの市場規模を80兆円以上とすることを目指します。国外を含めたライフサイフル全体の徹底的な資源循環により、ダスタンスと生物多様性の保全、我が国の経済安全保障の強化にも貢献してまいります。具体的には、プラスチック等のリサイクル体制の整備、バイオマスプラスチックや持続可能な航空燃料サフの製造実証、太陽光パネルのリサイクルや国内外の金属資源のリサイクル等を推進します。加えて、食品ロスの削減やサステナブルファッション推進などにも取り組んでまいります。また、災害廃棄物の円滑迅速な処理と、大規模災害に備えた万全な災害廃棄物処理体制の構築に取り組んでまいります。同時に、一般廃棄物処理施設の更新需要への適切な対応、浄化層整備の推進等を進めます。さらに、海洋プラスチックごみについても、関連する科学的知見の集約に努めつつ、発生・抑制・リサイクルの取組を通じた陸域からの流出防止と、海岸に漂着したごみ処理の両輪によって着実に対策を進めてまいります。魅力ある我が国の自然の保全・活用など、ネイチャーポジティブの取組について申し上げます。昨年末に、生物多様性条約COP15で採択されたコンメン・モントリオール生物多様性枠組みを踏まえ、生物多様性の損失と気候危機への統合的対応を進めてまいります。生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの実現をキーコンセプトとする、我が国の新たな生物多様性国家戦略を策定いたします。2030年までに、陸と海の30%以上の保全を目指す30×30目標の達成に向けては、国立国庭公園の新規指定等により保護地域を拡充するとともに、民間の取組等によって生物多様性が保全されている里地・里山や木折市等の区域について、自然共生サイトとして、今年中に100ヵ所以上の新規認定を目指します。加えて、昨年改正した外来生物法に基づく日和等の外来種対策や長寿保護管理を着実に実施して、生態系や農林水産業等への影響を抑えつつ、気象種保全や動物愛護管理等に取り組んでまいります。また、企業経営においても、豊かな生物多様性は必要不可欠な経営資源でもあるとの認識のもと、経営の釈度としての自然資本の考え方の導入を促すため、「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」の策定に向けた検討を進めます。さらに、国立公園満喫プロジェクトにおいて、新たに民間提案を踏まえて、利用拠点の面的魅力向上に取り組み、インバウンド拡大や地域活性化につなげ、保護と利用の好循環を実現してまいります。次に、人の命と環境を守る基盤的な取組について申し上げます。南波病をはじめとする公害健康被害対策と石渡健康被害者の救済、子どもの健康と環境に関するいわゆるエコチル調査に引き続き真摯に取り組みます。また、1月に新たに立ち上げた専門家会議による知見集積などを通じた有機物素加工物対策を推進するほか、良好な環境の創出に向けて取り組んでまいります。これらの取組は、冒頭申し上げました東日本大震災・原発事故後の復興再生の取組と合わせまして、環境省の普遍の原点であり、絶えまず改善を図りながら進めてまいります。原子力防災等について申し上げます。万が一の原子力発電所の事故に対応するための備えに、終わりや完璧はございません。東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をしっかりと胸に刻み、今後も安全信用にとらわれることなく、内閣府特命担当大臣として、関係自治体等と一体となり、各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画・避難計画の継続的な充実強化等を図り、原子力災害対応の実効性向上に取り組んでまいります。また、原子力規制委員会が独立性の高い参上委員会として、科学的・技術的見地から公正・中立な立場で規制を進められるよう、環境大臣として、予算及び体制面でサポートしてまいります。以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。滝沢委員長をはじめ、理事・委員各位におかれましては、今後とも、環境要請及び原子力防災の一層の推進のため、ご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

13:40

次に、令和5年度環境省予算及び環境保全経費の概要について、

13:47

説明を聴取いたします。山田環境副大臣。

13:51

令和5年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について、ご説明いたします。まず、一般会計予算について、ご説明いたします。一般会計の予算額は、3,257億円余であります。具体的には、地球環境保全対策といたしまして、パリ協定の下で、国内及び世界全体の地球温暖化対策の推進、気候変動適応策の推進、環境インフラの海外展開などに必要な経費として、1,333億円余。資源循環政策の推進といたしまして、プラスチックの資源循環など、循環経済の実現に向けた取組の推進、廃棄物処理施設や浄化槽の整備、不法陶器対策や適正処理対策の推進などに必要な経費として、444億円余。自然環境の保全対策といたしまして、国立公園や世界自然遺産などの優れた自然環境の保護と適正な利用の推進、長寿保護管理の強化、動物愛護管理や外来生物対策の推進などに必要な経費として、143億円余を計上しております。また、ミナマタ病対策や石綿健康被害救済制度の適正かつ円滑な実施などに必要な経費として、230億円余。大気、水、土壌環境の保全や海洋プラスチックなどの海洋ごみ対策などの推進に必要な経費として、52億円余。原子力規制委員会が行う原子力安全の確保に必要な経費として、395億円余を計上しております。次に、特別会計予算についてご説明いたします。エネルギー対策特別会計の予算額は、2,317億円余であります。具体的には、エネルギー需給勘定といたしまして、2030年度削減目標、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、地方公共団体に対する交付金制度の拡充など、地域脱炭素の推進、住宅や建築物の脱炭素化などライフスタイル転換の促進、ESG金融や脱炭素経営の促進、脱炭素技術の社会実装の推進、我が国の環境技術等による世界の脱炭素化への貢献、脱炭素成長型経済構造移行への推進のための商用車の電動化などに必要な経費として、1,910億円余を計上しております。また、電源開発促進勘定といたしまして、原子力安全規制のさらなる高度化及び原子力規制委員会の専門能力の強化等を図るために必要な経費として、407億円余を計上しております。次に、復興庁所管として計上しております環境省関係の東日本大震災復興特別会計の予算額は、3,230億円余であります。具体的には、特定復興再生拠点区域における除染及び家屋解体、中間貯蔵施設の整備、管理運営や除去土壌等の県外最終処分に向けた取組の推進などに必要な経費を計上しております。以上が、令和5年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の概要であります。最後に、政府全体の環境政策の効果的な実施を目的として取りまとめております環境保全経費といたしまして、令和5年度の予算額は、1兆6,399億円余であります。以上、令和5年度の環境省所管の予算及び各府省の環境保全経費について、ご説明いたしました。次に、郊外等調整委員会の業務等について、ご説明を聴取いたします。

18:36

長野郊外等調整委員会委員長。

18:44

郊外等調整委員会は、郊外に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図るとともに、工業等と一般工益または他の産業との土地利用に関する調整などを行うことを任務とし、総務省の外局として置かれている委員会でございます。当委員会が令和4年中に行った郊外紛争の処理に関する業務及び工業等に係る土地利用の調整に関する業務について、ご説明申し上げます。まず郊外紛争の処理に関する業務について、ご説明申し上げます。第一に、当委員会に継続した郊外紛争事件についてでございます。当委員会は、郊外に係る紛争について当事者からの申請に基づき、双方の御条による合意を促して解決に導く調停、加害行為と被害との因果関係の損費や損害賠償責任の有む及び賠償額について法律判断を行う最低等により、事件の迅速かつ適正な解決に努めております。令和4年に当委員会に継続した郊外紛争事件は朝廷が3件、最低が73件、合計76件でございます。主な事件としては、東京都など7都府県の新生人らが自動車からの排出ガスによる大気汚染により機関支全足等に罹患し、人間らしく生きる権利の侵害及び医療費負担による精神的な損害を受けたと主張して国及び自動車メーカーらに対して損害賠償を求めた責任採定申請事件、横浜市の新生人が自宅付近を走行する新幹線からの騒音により、受人限度を超える騒音被害を受けたと主張して新幹線を走行させている鉄道会社に対して、環境基本法等に定める適正な新幹線騒音対策及び損害賠償を求めた調停指定事件などがございます。また、令和4年中に集結した事件は26件でございます。主な事件としては、茨城県白里町の住民らが所有する建物の柱、壁、基礎等の損傷と建築業者や建築会社が行った土地造成工事や窯壁工事との因果関係の損費について裁判所から原因採定を承諾された事件がございます。本事件については、当該建物の損傷と土地造成工事及び窯壁工事との因果関係を任用する採定を行いました。また、奈良県安土町の申請人が牛舎から牛の尿を農業用水路に不法投棄されたことにより、悪臭による健康被害等を受けたと主張して牛舎を所有する畜産会社に対して損害賠償を求めるとともに当該因果関係の存在の確認を求めた責任採定及び原因採定申請事件がございます。本事件については、当事者双方から主張と証拠を調出しつつ調整を進めた結果、職権で朝廷に移行し、当事者間での朝廷が成立しました。そのほか、水俣病損害賠償を朝廷申請事件の朝廷成立後に症状が進行したとして、医者料等の増額を求める申請が2件継続しうち1件について手続きが終了しております。党委員会は、事件処理にあたり、多様化・複雑化する公害紛争への機動的かつ的確な対応を図るとともに、公害紛争処理制度の利用の促進に努めております。具体的には、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、被害発生地などの現地で診問記述等を開催すること、事実関係を明らかにし、判断の精度を高めるため、事件調査の充実と専門院の知見の活用を図ること、広報活動として国民や放送関係者関係する相談機関に本制度を積極的に周知することなどがございます。今後もこうした取組を一層推進してまいります。第2に、都道府県公害審査会等に継続した公害紛争事件についてでございます。都道府県公害審査会等では、当該都道府県内における公害に係る紛争についての調停等を行っています。令和4年には70件の事件が継続し、公害の種類別では相応に関する事件が最も多くなっております。これらのうち同年中に集結した事件は29件でございます。第3に、全国の地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情の実態を調査いたしました結果、令和3年度の公害苦情の受付件数は前年度から約8000件減少して約74000件となっております。これを苦情の種類別に見ますと、大強煎、衰湿おだく、騒音、悪臭などいわゆる典型7公害に関する苦情は約5万1000件、それ以外の苦情は約2万2000件となっております。当委員会は今後とも全国で発生する様々な公害関連の事案を全体として適切に解決する観点から、住民に身近な場で公害紛争や公害苦情の処理を担う地方公共団体への情報提供、相談支援などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。続きまして、工業等に係る土地利用の調整に関する業務について御説明申し上げます。第一に、工業等に係る行政処分に対する不服の最低に関する業務についてでございます。当委員会は、工業法に基づく特定の許認可などの処分に不服がある者からの申請について最低を行い、一般工益や他の産業との調整を図っております。令和4年に当委員会に継続した事件は、山形県において岩石採取計画認可申請を行った採石業者が有水の水量減少や水質悪化により、これを水源とする徴営浄水道の施設の機能が損なわれる恐れがあることなどを理由として、処分庁が行った不認可処分の取消しを求めた不服最低申請事件など2件でございます。そのうち例に挙げた事件は、不服最低申請を棄却し、同年中に終結いたしました。第二に、土地収容法に基づく意見の紹介等に関する業務についてでございます。土地収容法に基づく審査請求に対して、国土交通大臣が採決を行う場合などに党委員会の意見を求めることとされております。令和4年に党委員会に継続した土地収容法に基づく意見の紹介等は13件であり、そのうち同年中に処理した事案は11件でございます。以上が令和4年中に行った公害紛争の処理に関する業務及び工業等に係る土地利用の調整に関する業務の概要でございます。続きまして、公害等調整委員会における令和5年度採出予算案について御説明申し上げます。党委員会の採出予算額は5億6千万円でございます。厳しい財政状況の中、公害紛争の迅速かつ適正な解決に資するよう、第一に、事実関係を明らかにする事件調査の実施経費として2500万円、第二に、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、現地で新聞記述を開催する経費として1000万円をそれぞれ計上しております。以上が公害等調整委員会における令和5年度採出予算案の概要でございます。公害等調整委員会としましては、今後とも新型コロナウイルス感染症の感染防止のための対策を講じつつ、これらの業務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいり所存でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。次に、原子力規制委員会の業務について説明を聴取いたします。

27:04

山中原子力規制委員会委員長。

27:08

昨年9月26日付で原子力規制委員会委員長を拝命いたしました山中信介でございます。原子力規制委員会は東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓等に基づき設置された組織ですが、私は5年前、このような原子力災害を二度と起こさないとの決意の下、原子力規制委員会の委員に任命され、原子力施設の審査・検査などの規制に当たってきました。委員長が交代しても福島を決して忘れないという強い思いを持ち続け、独立性・透明性を堅持し、厳正な原子力規制を遂行することが原子力規制委員会にとって重要であると考えています。規制に関する情報発信と対話、現場の設備や運用の実態、規制に関わる人材育成などに重きを置き、常に自らに問いかけ、変化を恐れることなく改善を続けることが重要であり、委員や規制庁職員とともに最善を尽くす確固です。よろしくお願いいたします。それでは参議院環境委員会における、御審議に先立ち原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。まず第一に、原子力施設等に関わる規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、強化した規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた27基の発電用原子炉のうち、17基に対して設置変更許可を行いました。また、申請がなされた21基の核燃料施設等のうち、これまでに核燃料物質の加工施設、塩積み燃料の再処理施設等について、11件の事業変更許可を、試験研究炉について2件の設置変更承認、及び5件の設置変更許可を行いました。発電用原子炉の運転期間延長については、これまでに申請がなされた6基のうち、4基に対して認可を行いました。原子力施設の廃止措置計画については、これまでに発電用原子炉に対して計18基の認可を、核燃料施設に対して計9基、9件の認可を行いました。また、平成29年に改正された原子炉統計政法に基づき、令和2年4月から原子力規制検査制度の運用を開始し、事業者のあらゆる安全活動について監視を行っております。東京電力柏崎刈は原子力発電所におけるIDカード不正使用事案、及び核物質防護設備の機能の一部喪失事案については、昨年4月に追加検査の中間取りまとめを行うとともに、昨年9月に東京電力の改善措置活動を評価するための確認方針を作成するなど、重大な問題を繰り返さないための対策が実施されているかどうか等について、確認を行っているところです。引き続き追加検査を進めるとともに、原子力規制委員会委員長及び委員全員が現地を訪問し、東京電力の改善状況を直接確認するなど、核物質防護への取組を監視指導してまいります。原子力規制検査については、引き続き事業者等とのコミュニケーションを図りつつ、検査制度の継続的改善に努めてまいります。また、これ以外にも原子力施設等で事故・トラブルが発生した場合は、速やかな状況確認を通じて、今後とも引き続き適切に対応してまいります。以上のとおり、原子力施設に関する審査・検査を順次進めております。規制基準については、安全研究等に得られた最新の科学的技術的知見、新規制基準に関わる適合性審査の実績等を踏まえ、継続的に改善を図っております。第2に、東京電力福島原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、積極的な監視指導を行うとともに、関係省庁との連携を行い、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。令和3年4月13日に、政府方針が決定された多核種除去設備等処理水、いわゆるアルプス処理水の開用放出については、アルプス処理水の開用放出設備が、昨年7月に認可した実施計画に沿って、適切に設置されているか等について、厳正に検査を進めるとともに、昨年11月に東京電力から申請のあったアルプス処理水の開用放出時の運用等に関わる実施計画については、審査省案を取りまとめ、現在、科学的技術的意見の募集を行っております。本年1月16日から20日には、国際研修機関IAEAによる第2回アルプス処理水の開用放出に関する規制レビューを受け入れ、審査等の客観性及び透明性を高める取組を進めました。昨年4月には、関係省庁との連携を行い、開用放出が行われる前の海域の状況を把握するためのモニタリングを開始しました。東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、令和3年4月から令和4年12月までの放射性物質等の移行メカニズム、要有露出の挙動等調査分析に関する検討内容について、科学的技術意見の募集の結果を踏まえ、取りまとめを行います。引き続き、これまでに得られた知見等規制等の関係を精査するとともに、調査分析を継続してまいります。第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実、並びに保障措置について申し上げます。原子力規制委員会では、原子力災害対策指針の継続的な改定を進め、昨年7月に防災業務関連関係者の放射線防護対策の充実等を内容とする改正を決定いたしました。また、基幹行動医療支援センターの機能強化など、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進める等、原子力災害対策の充実を図っております。放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係同府県への技術的支援により、緊急時モニタリング体制の充実を図っております。また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続してIAEAより得ております。最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。今般、政府としてGX実現に向けた基本方針が取りまとめられたことを受け、経済産業省において電気自重法を一部改正し、原子力発電所の運転機関に関する定めを整理することとしています。原子力規制委員会としては、これがどのような内容になっても、高経年化した発電用原子炉に関する安全規制が損なわれることがないよう、厳格な安全規制の検討を進め、今国会に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正案を提出いたしました。原子力規制委員会としては、引き続き実効性の高い規制の実現に取り組んでまいります。以上、原子力規制委員会の業務についてご説明いたしました。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が回復されるよう、今後とも努力してまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。以上で、所信及び予算等の説明の聴取は終わりました。本件に対する質疑は、後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。3回いたします。

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