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参議院 経済産業委員会

2023年03月07日(火)

0h15m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7265

【発言者】

吉川沙織(経済産業委員長)

西村康稔(経済産業大臣、原子力経済被害担当、GX実行推進担当、産業競争力担当、ロシア経済分野協力担当、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構))

古谷一之(公正取引委員会委員長)

1:04

国政調査に関する件についてお諮りいたします。本委員会は、今期国会におきましても、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を行いたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、裁を決定いたします。経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題といたします。

1:28

経済、産業、行政等の基本施策に関し、西村国務大臣から所信を聴取いたします。西村国務大臣。

1:38

第211回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、経済、産業、行政を取り巻く諸課題及び取組につきまして、経済、産業大臣、原子力経済被害担当大臣、GX実行推進担当大臣、産業競争力担当大臣、ロシア経済分野協力担当大臣、内閣府特命担当大臣、原子力損害賠償配慮等支援機構として申し上げます。今、日本経済は、デフレから脱却し、持続的な経済成長を実現していく大きな分岐点になります。民間企業による賃上げや国内投資への意欲が示される中、昨年成立した補正予算をはじめとして、予算・税・規制改革など大胆な施策を講じることで、民間の投資を呼び込み、イノベーションによって生産性を上げ、所得を向上させる好循環を実現していきます。2050年カーボンニュートラルという国際公約と産業競争力強化、経済成長の同時実現に向け、日本の経済社会・産業構造のグリーン・トランスフォーメーション(GREEN TRANSFORMATION)GXを進めます。今後10年間で、150兆円超の官民投資を実現するべく、GX経済交際の発行、成長志向型カーボンプライシングの導入など、先月閣議決定した「GX実現に向けた基本方針を具体化する脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進」に関する法律案を今、国会に提出しました。同じく基本方針に基づき、脱炭素電源を将来にわたる選択肢として活用するため、地域と共生した再エネの最大限導入に向けた系統整備、事業規律の強化、原子力の安全性の確保を大前提とした運転機関に関する規律の整備などを内容とする脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を今、国会に提出しました。加えて、次世代再エネ技術の開発、洋上風力発電や屋根置き太陽光発電等の導入促進に取り組むとともに、水素・アンモニアの大規模かつ強靭なサプライチェーンの構築に向けて、既存燃料との価格差に着目した支援やインフラ整備支援などの準備を早期に進めます。また、原子力については、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省と教訓を忘れることなく、いかなる事情より安全性を最優先するとの前提のもとで、原子力発電所の再稼働や新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新路の開発・建設に取り組むとともに、バックエンドの課題にも正面から取り組みます。併せて、足元のエネルギー価格高騰に対しては、電気・都市ガス料金や燃料油価格の撃遍緩和措置、電力料金改定申請についての厳格審査、徹底した省エネなどを進めます。また、不確実性が高まっている燃料市場の動向も踏まえ、エネジーの安定供給確保に取り組むとともに、CCSの事業化に向けた取組も加速させていきます。ロシアのオクラエナへの侵略は、断じて許容できるものではなく、同志国と連携した輸出入の制裁や、影響を受ける日本企業への適切な支援などを引き続き行います。国際秩序の根幹が揺らぐ中であっても、分断ではなく協調が重要であり、自由で包摂的な経済秩序の構築を我が国が指導します。デジタル経済に関する国際ルールづくりを含め、インド太平洋経済枠組(IPF)、日米経済盤2+2、経済連携協定(WTO)といった枠組を活用してまいります。加えて、今年は日本がG7の議長国を務め、日アセアンが有効協力50周年を迎える重要な年です。アセアン各国の持続可能な経済社会の実現に貢献し、同時に成長の果実を我が国に取り組むため、日アセアン経済競争ビジョンの策定、サプライチェーンの強靱化や日本のスタートアップ企業などによる現地企業との協業の促進など、協力の具体化を進めます。併せて、各国の事情に即したエネルギートランジションを実現していくための幅広い支援を講じ、アジアゼロエミッション共同体構想を具体化します。そのための閣僚会合を先週末に初開催いたしました。サプライチェーンにおける人権配慮を促すため、ガイドラインの普及や予見可能性を高めるための国際協調を推進します。また、先端技術の輸出管理について、同志国と連携します。「ひとえの投資」は未来への投資です。今は労働移動が乏しい正社員について、一本道のキャリアパスではなく、リースキリングにより多様なルートを切り開いていけるような環境整備が重要です。出向企業や副業、兼業への支援、キャリア相談からリースキリング、転職までのきめ細かな支援、人的資本経営の推進などを行います。関係省庁と連携しながら、正規非正規、社内転職問わずキャリアアップできる環境を整備いたします。また、雇用の7割を占める中小企業が賃上げできる環境の整備が必要です。取引適正化、価格転嫁対策を実現するため、パートナーシップ構築宣言のさらなる拡大と実効性の向上、従来の倍となる30万社の中小企業に対する調査の実施、親事業者への指導助言のほか、厚生取引委員会とも連携して取組をさらに進めます。新たな取組に挑戦する中小企業の後押しのため、事業再構築や生産性向上、輸出拡大に向けた支援を推進します。さらに、コロナ禍を乗り越え、さらなる成長が求められる中、経営者保証改革や商工中期による再生支援の強化などを進めるため、中小企業信用保険法及び株式会社商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の今国会への提出を検討しております。また、引き続き、厳しい事業環境にある地域の中小企業の資金繰り支援にも万全を期してまいります。国際的なサプライチェーンの脆弱性が顕在化した現在、一国主義・法主義ではなく、有識国地域と強調して経済安全保障を強化することが必要です。半導体・蓄電池の国内生産拠点の整備など、重要物資の安定供給確保や日米欧共同での次世代半導体の技術開発を進めるとともに、創薬・バイオ・量子・AI・ロボット・グリーンなどの先端技術の研究開発を大胆に推進します。イノベーションの担い手であるスタートアップを支援するため、1兆円規模の予算や強力な税制措置など、あらゆる政策資源を総動員し、エコシステムを発展させます。また、デジタル社会の実現に向け、クラウド・サイバーセキュリティ等の産業基盤の確立、デジタル時代の社会インフラ整備に向けた長期企画の策定、デジタル人材育成、ウェブ3への対応などの取組を進めます。知的分野におけるデジタル化や国際化のさらなる進展を踏まえ、スタートアップによる知財を活用した新規事業展開を投資するなど、知的財産制度を一体的に見直すため、不正競争防止法等の一部を改正する法律案を今国会に提出します。機関産業である自動車については、GXやDXによる知覚変動とも言うべき大変革期を迎えています。産業界との対話を深め、自動車産業の枠を超えたモビリティを軸とした成長の実現に取り組みます。また、成長志向型の資源自立経済の確立についても、今年度中に戦略を策定し、国際的な議論や取組をリードしていきます。大阪関西万博の開催までおよそ2年となりました。全国的な機運醸成に一層力を入れつつ、海上建設を着実に進め、空飛ぶ車など未来社会の実現に向け取組を進めます。日本全国の皆さんが変革に挑戦し、新しい時代を切り開くための以上のような施策を、経済産業政策の新規軸として推進してまいります。福島復興と東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策は、経済産業省の最重要課題です。廃炉に向け、燃料デブリ取出や、今年春から夏頃の開始を見込むアルプス処理水の開用放出への準備などを進めます。安全性確保、補充対策、漁業者の方々が安心して漁業を継続していくための基金事業や、地元産品の魅力発信、消費拡大などに全力で取り組みます。昨年、避難指示が解除された特定復興再生拠点に加え、残る拠点も解除に向けた取組を進めます。拠点外についても、期間以降のある方が帰還できるよう取組を進めてまいります。事業なりわいの再建や、新産業の創出、交流人口拡大、福島国際研究教育機構における研究、映像芸術を活用した新たなまちづくりなど、福島復興に全力で取り組みます。以上、申し述べたとおり、経済産業行政は多くの課題に直面しております。様々なご意見に耳を傾けながら、経済産業大臣として全身全霊で職務に取り組んでまいります。吉川委員長をはじめ、理事、委員各位のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。以上で、所信の聴取は終了いたしました。この際、河野内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。

10:48

河野内閣府特命担当大臣

10:51

河野太郎でございます。公正取引委員会に関する事務を担当する大臣としてご挨拶を申し上げます。公正取引委員会による厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用が確保されるよう、公正取引委員会の体制について、質的、量的な充実を図ることに努めます。公正取引委員会は、カルテル入札団合や優越的地位の乱用行為をはじめとした、独占禁止法違反行為及び下請け法違反行為を取り締まるとともに、これらの行為を未然に防止します。独占禁止法、下請け法の執行強化の取組を進めることや、迅速かつ的確な企業結合審査も重要です。これに加え、特に透明性・公正性を確保する必要性の高いデジタルプラットフォームをめぐる取引分野をはじめとして、様々な分野における取引実態の把握や競争の活性化に関する衝動などを通じて、競争環境の整備を進めることも必要です。吉川委員長をはじめ、理事委員各位の一層のご理解・ご協力、またご指導を賜りますようお願いを申し上げます。ありがとうございました。河野内閣府特命担当大臣は、ご退席いただいて結構でございます。

12:15

次に、令和4年における公正取引委員会の業務の概略について、古谷公正取引委員長から説明を聴取いたします。令和4年における公正取引委員会の業務について、その概略をご説明申し上げます。公正取引委員会は、以下に申し述べる施策に重点を置いて、独占禁止法等の厳正な執行や、競争政策の積極的な推進に取り組んでまいりました。重点施策の第1は、厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用です。価格カルテル事件及び入札団合事件について、排除措置命令及び課長勤納付命令を行ったほか、不公正な取引方法に係る事件について、海外のデジタルプラットフォーム事業者等による閣役計画を認定するなど、社会的ニーズに対応して多様な事件に対処しました。合併等の企業結合事案については、企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針等に基づき、当事会社との意思疎通を密にしつつ、また、第三者からの情報収集などもしつつ、対象市場の実態に即して、迅速かつ的確な企業結合審査に努めました。重要施策の第2は、中小事業者に不当に不利益を与える行為の取締りです。市場における公正な競争を確保するため、中小事業者に不当に不利益を与える不当連売、優越的地位の乱用といった不公正な取引方法に該当する恐れのある行為等に、厳正かつ積極的に対処しました。下請法の運用については、下請代金の減額買い叩き、不当な経済上の利益の提供要請といった違反行為に対処し、2件の勧告公表を行ったほか、7,932件の指導を行いました。また、中小企業等が労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁できるようにし、賃上げの環境を整備するため、パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージに基づき、緊急調査、下請法上の重点的な立入調査、法遵守状況の自主点検の要請など、従来にない規模の取組を進めました。引き続き、関係省庁と連携して、中小企業等が賃上げの原資を確保できるよう、コスト上昇分を適正に転嫁できる環境の整備に取り組むほか、独占禁止法や下請法上問題となる事案について、厳正な方針を行ってまいります。重要施策の第3は、競争環境の整備への取組です。各種のガイドラインを策定し、独占禁止法上の考え方を明らかにするとともに、市場における公正かつ自由な競争を促進する観点から、様々な調査・研究などを行いました。デジタル分野について、政府で進めているデジタルプラットフォーム事業者に関するルール整備に参画しており、この検討に資するよう、モバイルOS等に関する実態調査を進めました。そのほか、クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書を公表するとともに、新たにニュースコンテンツ配信分野に関する実態調査を行っております。また、電力分野、携帯電話端末の廉価販売、フィンテックを活用したサービス市場などの分野について、独占禁止法や競争政策の観点から取引実態を把握するための調査を行うとともに、スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針を関係省庁と連携して策定するなど、競争環境の整備のためのアドボカシー活動に積極的に取り組んでおります。以上、簡単ではありますが、業務の概要についてご説明を申し上げました。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。以上で説明の聴取は終了いたしました。大臣の所信等に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。ありがとうございます。

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