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参議院 財政金融委員会

2023年03月07日(火)

0h10m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7261

【発言者】

酒井庸行(財政金融委員長)

鈴木俊一(財務大臣、内閣府特命担当大臣(金融)、デフレ脱却担当)

1:04

国政調査に関する件についてお諮りをいたします。本委員会は、今期国会におきましても、財政及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認め、作用決定をいたします。財政及び金融等に関する調査を議題といたします。財政政策等の基本政策及び金融行政について、鈴木財務大臣兼内閣府特命大臣から所信を聴取いたします。

1:37

鈴木財務大臣兼内閣府特命大臣。

1:41

鈴木大臣。

1:46

財務大臣兼金融担当大臣の鈴木俊一でございます。本委員会の開催にあたり、財政政策及び金融行政等の基本的な考え方について申し述べます。日本経済につきましては、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、一部に弱さが見られるものの、緩やかな持ち直しが続いております。一方、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や、欧米各国の金融引き締め等による世界的な景気交代懸念など、日本経済を取り巻く環境には厳しさが増しております。こうした中、足元のぶっか高を克服しつつ、日本経済を民主主導で持続可能な成長経路に乗せていく必要があります。そのため、先に成立した令和4年度第2次補正予算を迅速かつ適切に執行するとともに、同補正予算と一体的に編成した令和5年度予算、そして令和5年度税制改正を着実に実行に移していく必要があると考えております。日本の財政は、これまでの新型コロナウイルス感染症への対応や累次の補正予算の編成等により、過去に例を見ないほど厳しさを増しております。財政は国の信頼の礎であり、有事であっても日本の信用や国民生活が損なわれないようにするため、平素から財政余力を確保していくことが不可欠であると考えております。責任ある経済・財政運営を進めるにあたっては、経済あっての財政という方針に沿って、経済再生と財政健全化の両立を図ることが重要であります。引き続き、経済・財政運営と改革の基本方針2022等における2025年度のプライマリーバランスの黒字化目標等の達成に向けて、歳出・歳入両面の改革を着実に推進してまいります。次に、令和5年度予算及び税制改正の対応をご説明申し上げます。令和5年度予算は、歴史の転換期にあって、日本が直面する内外の重要課題の解決に道筋をつけ、未来を切り開くための予算としております。具体的には、新たに策定された国家安全保障戦略等の下での防衛力の抜本的な強化や、その裏付けとなる財源の確保、本年4月に新たに設置される子ども家庭庁を指令塔とした子ども子育て支援の強化、GXの実現に向けた成長志向型カーボンプライシングによる民間投資を支援する仕組みの創設、デジタル田園都市国家構想の下での地方公共団体のデジタル実装の加速化や、地方創生に資する取組への支援など、現下の重要課題に正面から向き合い、一定の道筋をつけております。また、新型コロナウイルス感染症及び原油価格物価高騰対策予備費を4兆円、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費を1兆円措置し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や物価高騰、世界的な景気交代懸念など、予期せぬ状況変化に引き続き万全の備えを講じることとしております。同時に、経済財政運営と改革の基本方針2022等に基づき、社会保障関係費について実質的な伸びを高齢化による増加分に収めるという方針を達成するとともに、社会保障関係費以外について防衛関係費の増額を達成しつつ、経済・物価動向等を踏まえて柔軟な対応を行うことを通じて、これまでの歳出改革の取組を実質的に継続しております。令和5年度税制改正につきましては、家計の資産を貯蓄から投資へと積極的に振り向け、資産所得倍増につなげるため、2位差の抜本的拡充・高級化を行うとともに、スタートアップエコシステムを抜本的に強化するための税制上の措置を講ずることとしております。また、より公平で中立的な税制の実現に向け、極めて高い水準の所得について、最低限の負担を求める措置の導入、グローバルミニマム課税の導入及び資産移転の時期の選択に、より中立的な税制の構築を行うこととしております。続いて、金融行政について申し述べます。新型コロナウイルス感染症や物価高騰等による厳しい環境が続く中、金融機関による事業者に対する資金繰り支援の徹底や、経営改善、事業転換、事業再生支援等の積極的な対応を図ります。また、地域金融機関等が地域経済の回復・成長に一層貢献できるよう、持続可能なビジネスモデルの構築に向けた取組を促します。さらに、事業制に着目した融資を促進するための制度や、実務の在り方に関する検討を進めてまいります。併せて、金融市場の動向を含めた金融経済情勢の動向やマネーロンダリング対策等の強化に関する国際的要請、サイバー犯罪の動向を踏まえ、金融システムの信頼の確保に努めてまいります。次に、国民の安定的な資産形成に向けて、認査制度等の普及に向けた取組を進めてまいります。また、幅広い金融事業者等による顧客本位の業務運営の取組の定着や、底上げが図られるよう、必要な対応を行ってまいります。併せて、国全体として、中立的立場から金融経済教育を推進する機構を設立し、広範な観点から金融リタラシーの向上に向けて取り組むとともに、顧客の立場に立ったアドバイスの提供を促すための環境を整備してまいります。また、気候変動、少子高齢化をはじめとする社会的課題の解決に向けて、サステナブルファイナンスのさらなる推進を図ってまいります。加えて、企業開示におきましては、人的資本を含む非財務情報の開示の充実を図るとともに、市販機開示の見直しを行ってまいります。さらに、利用者利便の高い新たな金融サービスの創出に向けて、利用者保護に配慮しつつ、金融デジタライゼーションを推進してまいります。今後、御審議をお願いすることを予定している財務省関係の法律案は、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案、所得税法等の一部を改正する法律案、関税定立法等の一部を改正する法律案、株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案、および国際通貨基金、および国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案でございます。また、金融庁関係の法律案は、金融商品取引法等の一部を改正する法律案、情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための、社債・株式等の振り替えに関する法律等の一部を改正する法律案であり、以上7法律案でございます。法律案の内容につきましては、今後改めて御説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。以上、財政政策及び金融行政等の基本的な考え方について申し述べました。今後とも皆様のお力添えを得て、内外の社会経済情勢を注視しつつ、政策運営に最善を尽くしてまいる所存であります。堺委員長をはじめ、委員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。以上で所信の聴取は終わりました。本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会をいたします。どうもありがとうございました。

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