19:40
これより会議を開きます。環境の基本施策に関する件について調査を進めます。この際、お諮りいたします。本件調査のため、本日、政府参考人として、消防庁国民保護防災部長、小谷敦志君、厚生労働省大臣官房審議官、鳥居大石君、厚生労働省大臣官房審議官、吉田康則君、農林水産省大臣官房三次官、大島秀彦君、経済産業省大臣官房審議官、浦田秀幸君、環境省大臣官房地域脱炭素推進審議官、上田昭博君、環境省大臣官房環境保健部長、上野田雅博君、環境省地球環境局長、畑康幸君、環境省水大気環境局長、土井健太郎君、環境省自然環境局長、白石貴夫君、
20:34
環境省環境再生資源循環局次長、澄倉一郎君、環境省総合環境政策統括官、矢水陽君、防衛省地方協力局次長、山野徹君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。(( しっ ))御異議なしと認めます。よってそのように決しました。質疑の申出がありますので、順次これを許します。
21:04
おはようございます。本日トップアッターを務めさせていただきます、立憲民主党矢野智博でございます。本日は伊藤大臣、それから穂坂みやけ、両政務官、よろしくお願いいたします。今日はですね、ピーファスの問題、さまざま議論が進んでおり、この委員会でも過実質疑があったところでございます。
21:29
ピーファスの雨が降っている。南極大陸やチベット高原でさえ、雨は飲料水として安全ではありません。といった報道がですね、もう世界で溢れていた。それは昨年のアメリカ政府がですね、
21:49
EPAが、基準値の設定方針を示してから、大変な量の報道がなされて、しかもその基準値というのがものすごく厳しい。もはや今私たちが持っている技術では検出不可能だとさえ言われるぐらいの
22:16
基準値を示しました。それはこの地球上にあってはならない物質だからだということだを示していると思います。この問題に対処するには、私は日本でも国家プロジェクトとして対応する必要があるのではないかと、そのように考えているところでございます。2019年にストックホルム条約でP4が付属書Aに追加されたことで、
22:45
P4とも製造使用輸出入が世界的に禁止されました。沖縄では2016年から米軍基地の汚染源とするのではないかという、そのような問題認識の中で表面化しておりました。
23:08
それはアメリカの中でこのP4の汚染問題がものすごい社会問題になって、議会の中 でも大変な議論があった状況の中で、沖縄の企業局がP4の労働を調べたところアメリカの基準値は大幅に上回っていたという問題があります。
23:32
その頃というのは、映画「ダークウォーター」が放映されて、国民の関心を呼んだ頃でございます。大臣ご自身でも映画を撮られていたことがあったというふうに伺っておりますけれども、この映画をご覧になったと、以前お話されていたのをお話されておりました。
23:59
この映画はウエストバージニア州の田舎町にあるルポン社。ルポン社がP4混じりの汚染水を河川に垂れ流していた。それでこの町では奇妙な病気が蔓延して、リュッポン病とも呼ばれるようになっていたというような問題。それがアメリカの中でものすごい騒ぎになっていた頃です。
24:23
しかし日本国内ではほとんどこの問題を知られておらず、政府内の雰囲気はとても冷めたものでした。当時私が環境委員会で質疑したときには、これって沖縄の基地問題でしょというような受け止めだったと、そのように記憶しております。
24:43
国際保健機構WHOが健康への影響評価を定めていなかったため、対応ができませんという、そんな答弁が続いておりました。そうした中でも当時環境大臣だった原田芳明先生の政治家としてのとても重い判断が示されました。
25:06
私、政府の対応を聞いたときに、原田大臣こういうふうに述べられました。そんなに長い間放置されていたのは大変問題だと、重く受け止めなければならない。今後政府と政府を挙げて取り組む必要があるというふうに答弁されたわけでございます。そのことは私も鮮明に覚えておりまして、その直後から環境省、厚労省、対応が俊敏になったんです。ものすごく早いペースで対応されて、翌年には暫定指針値、暫定基準値50ナノグラムパーリットルが設定されたわけです。この対応、やはり今考えてみるとエポックメイキングだったのではないかというふうに思っております。環境省はその後もこの問題に熱心に取り組まれ、大変な御努力を重ねておられると思っております。さてこれまでの専門家会議の議論、知見の集積が進められており、今後それをもとにどう展開されるかという大変大切な時期に差し掛かっているというふうに思います。汚染の全国的な把握、土壌汚染の除去だけれども、これは空前の作業になるでしょう。汚染水の浄化にも施設整備、活性炭などの浄化剤の確保と処理を全国で対応可能にしなければなりません。さらには国民の健康影響調査をどうすれば的確に効率的に実施し、全体の傾向を確認できるのか、さらには農水産業など食品への含有をどのように防ぐのか、汚染除去に向けた対応を含めて、PFASは私たち人類に大きな試練を与えているものというふうに受け止めなければならないと思っております。今まさに政府が国家プロジェクトとして取り組む必要があり、ぜひとも環境省はその動きをリードしていただき、予算もがっつりとってきて、しっかりと対応してもらいたいというふうな思いを込めて、以下質問に移らせていただきたいと思っております。まずは健康です。やはり毎日飲む水の中に毒性の高いものが入っているかもしれな いという、それを口に入れる不安感は大変なものだというふうに思います。さまざまな病気との因果関係が指摘されている中です。一般的にPFASは血中濃度が高いほど、脂質異常性、肝臓癌、子どもの発育の低下、抗体反応の低下につながる恐れがあるとされております。健康影響に対する環境省としての御認識をお示しいただきたい。過日、空本議員が質問されて答弁もございましたけれども、大臣一般論で結構ですので御認識をお聞かせください。
28:26
お答え申し上げます。御指摘のようにPFAS、PFOR、これについてはコレストロール値の上昇や発汗等との関連が報告されております。ただ現時点においてはどの程度の量が身体に入ると影響が出るのか、まだ確定的な知見はないというふうに承知しております。
28:59
民間が、民間というか市民がですね、これ自費で自主的に血中濃度を調べているのが東京都と沖縄でありましたけれども、これかなり高い血中濃度だったというふうに新聞でですね、報道されています。しかも東京の方がですね、沖縄より高かったということは驚きでございました。血中濃度の基準値を設定する必要性が指摘されていますけれども、どうなんでしょう。この辺の取組、御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いします。
29:40
お答えいたします。現時点では国際的に見てもPFASの血中濃度と健康影響との関係を評価するための科学的知見は十分でないため、血中濃度基準の策定は困難であると承知をしております。このためまずは科学的知見の収集に努めてまいります。
30:05
ありがとうございます。WHOによる発願制評価を受けた今後の対応について議論を持っていきたいと思っております。WHOの専門機関である国際眼科学研究機関は、昨年12月にPFORを発願性がある第一分類とし、PFOSを発願性の可能性がある第二分類Bと評価しました。第一分類にはタバコやアルコールも含まれる一方、ロッカクロムとかアスベストなど深刻な健康被害を引き起こす物質も含まれており、先ほどの御答弁にもありましたとおり、科学的な知見がまだ十分ではない、何かの病気に直結するような、そんな有害物質であれば、これは急いで対応しないといけないというところだと思いますけれども、まだそのへんの評価が定まっていない。タバコ、アルコール、吸いすぎ飲みすぎは危険ですよというレベルなのか、それともロッカクロムやアスベストのように法的にその対応がしっかりと整備されて、政府として進めていく、そのような対応をしなければいけないのか、それがまだ定まってい ないために、やはり対応も先ほどの説明員の方がおっしゃったように、科学的な知見がまだ十分ではないので、これからやっていきますよというようなことだと思いますけれども、そうした中で、私たちはこの現状をどのように受け止めればよいのでしょうか。Q&A集なども環境省を用意されて、パブリックコメントもなさっておられるというふうに聞いてますけれども、大臣、環境省として国民に対して今の現状、おそらく不安は高まっているということがあります。しかし、ちょっと待ってよと、少しまだまだ研究が足りません。もう少し知見を集めてから、それから対応を考えしますと言っても、やはり不安は消え去らないわけですね。大臣、国民に対して今の現状、どのように説明されるのかということを教えてください。
32:29
このPFORS、PFORについては、昨年12月1日、WHOの専門機関において発言性の評価が変更されたことはよく承知しております。他方、この評価というのは、人に対 する発言性があるかどうかの証拠の強さを示しておりまして、曝露量に基づくリスクの大きさを示しているものでないというふうに承知しております。
32:59
やはり、どのように対応すればいいのか、どのような反応をすればいいのかというのが、なかなかわかりにくい現状だと。今、もしかしたらそういう過渡期なのかなというふうな気もしておりますけれども、そういう状況が非常にわかりにくい環境、雰囲気を生み出しているのではないかと。病気との閻化関係が特設されていない。そんな中でどのような対応をするのか、これまさに難しい課題だというふうに思います。今は、知見を集めていますという答弁がずっとありますけれども、そうするとどうも臨場感とか切迫感がなかなか感じられない。その知見を集めた結果、健康には特に問題を引き起こすような物質ではありませんというような評価になるかもしれない。そうすると今、私たちがここで質問をしたり、政府が対応したり、専門家委員会が協議を重ねたりするのが、もしかしたら退散迷路なのかもしれないというふうな非常にわかりにくい状況だと思います。なので、ちょっとここでアスベストのときどうだったのかということをちょっと振り返ってみたいと思います。日本の今の現状、PFOSを抱えている今の現状と、アスベストが問題になった頃とが非常に重ねて見えたりすることがあります。資料1をごらんください。国内外におけるアスベストに係る規制の状況、これ年表になっておりますけれども、このアスベストについて、アメリカで論文が発表されて、疾病との関わりについて指摘されたのが1964年です。その後、国連健康機関WHOが発願制を指摘したのが1972年。その同じ年に環境庁はアスベストの生態影響に関する研究報告を発表しております。その翌年、日本では石綿による初の配管労災認定がなされて、75年ですかね、スウェーデンが初めてアスベストの流通使用を禁止しております。そして80年代になると、アイスランド、ノルウェー、オーストラリアなど、原則使用禁止とする国々が出てきます。90年代に入って、オランダ、イタリア、ドイツ、フランス、ベルギー、英国、立て続けに使用禁止の決定をして いる中、日本は95年に一部の石綿の輸入製造を使用禁止を決めたということでございます。そして2000年に入って、南米、チリ、アルゼンチンでも原則使用禁止として、その後になるんですね。日本が使用禁止を打ち出すのは。そして、その2005年には各省庁で公共施設の調査開始がなされております。2006年2月には、石綿被害者救済法が成立され、関連法が改正されるなどの対応が国会でもなされております。このアメリカでですね、最初の論文が発表された1964年から、実に42年後のことになるわけですね。なので、実にこれミラーイメージというか、PFOSと石綿、WHOが危険性を、発願性を指摘した、日本も研究を進めるという流れが出来上がってくる。まさに今の状況に重なるのではないかと。そんなふうな印象を持っておるわけでございます。そこでですね、まず免疫調査、血中濃度はどのぐらいなのかということも、やはり気になるところですね。資料2でお示ししたのは、このミシガン州の保健福祉局のホームページにあるグラフから抜き出してきたものでございます。このホームページの記事には、2000年から2010年まで、疾病管理予防センターが実施した検査では、98%のアメリカ人の血中に、一定濃度のPFOSが含まれていた、ということが示されております。そして検査によって平均値との差を知ることができるが、この記事の中にはですね、さらにこういうふうに書かれているんですけれども、検査によって平均値との差を知ることができますけれども、あなたとアメリカの平均値を知ることができますけれども、それで医師が健康被害を診断できるわけではありませんよ、ということがはっきり書かれている。血中濃度を下げるには、高濃度汚染地域で捕れた魚や野生生物、ジビエですね、野生生物を食べないようにしてください、というふうなこともですね、書かれている。いずれこれ合理的で、なんかこう、丁寧な説明だな、しかも現状を踏まえた上での、しっかりとした説明になっているのではないかと、いうふうな気がします。週ごとに行われているこうした情報提供が、住民に与えているのは、おそらく安心感じゃないでしょうか。PFASは体に取り組まれて半減期があるので、時間の経過とともに血中濃度が減少している様子が、このグラフから見て取れるわけです。ということは、しっかりと環境汚染、感染源、感染源じゃなくて汚染源の対応がなされており、国民の摂取量、体内に入れる量とか、その曝露量が、しっかりとコントロールされているのかな、というふうなことがですね、このグラフから見て取れるのではないか、というふうに感じたりします。このような情報を国民にお知らせすることは、大変大きな意味がある、というふうに私、受けとめておりますけれども、この取り組み、参考にならないでしょうか。大臣、お考えをお聞かせください。
39:57
お答えを申し上げます。環境省では、一般的な国民の化学物質への曝露量を、経年的に把握するために、PFASの血中濃度の調査を含む、化学物質の人への曝露量モニタリング調査を実施してございます。現在は100人程度の規模で、パイロット調査として実施しておりまして、本調査に向けた調査手法等の検討を進めております。本調査の規模や開始時期等については、パイロット調査の結果を踏まえ、有権者の条文を得ながら検討してまいります。
40:39
今、パイロット調査を各地で実施されている、年間100人ぐらいだという御説明でございました。やはりこれも大事な取組だと思います。これをぜひ続けて、さらに広げていくと、調査の裏付けがしっかりと取れていくと、そうすることで対策も見え てくるというふうなことだと思っておりますけれども、そこで大臣、提案がございまして、今日この場を借りて、私、時間を結構いただいておりますので、ちょっと提案させていただきたいんですけれども、PFAS汚染がはっきりしている地域が、全国的にわかっているわけですね。例えば、資料3でお示しした河川環境省、一生懸命この河川の現状もモニタリングしておられる、継続的になさっている。そこでわかってきた、ホットスポットと言われている地域がございます。その地域の医療機関、そこで訪れる患者さん、おそらく診断の中で血液検査をされる方もいらっしゃるでしょう。その血液検査の中にPFASの項目を加えていただければどうでしょうか。このPFAS検査をやりますよということで、アナウンスをして集まってもらってやってもらう。これ、それも大事なんですけれども、否定はしませんが、このコスト的に考えると、今やっているものにプラスアルファ、項目を付け加えて、知りたい人はどうぞ受けられます、というふうな仕組みをつくってみれば、これはしっかりと曝露対策とか、接種を食い止める地域で、というふうな対策も見えてくるかもしれない。それだけで全てがわかるというわけではないと思いますけれども、こうした情報の入手をやる、免疫調査、疫学的な調査をやるということは、やはり今、PFASの健康被害がわからない中での何ができるかというと、やはりモニタリングをして現状を把握することだ、それはしっかりなさっているとは思いますけれども、今のパイロット調査では、先ほどの大臣の説明にもありましたけれども、年間100人ぐらい、この地域で30人、30人、30人と、かなり数字としては、今現在は限定的だと思うんですね。今、地域でやられている、医療機関でやられている血液検査に、この項目を加えてみる。そうすることで、知見の収穫も増えていくんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうでしょう。大臣、御検討いただけませんでしょうか。
43:46
ご提案いただきました。現在の状況をお知らせいたしますと、特定の地域での血中濃度調査については、PFASに対する総合戦略検討専門家会議において、血中濃度のみを測定しても、健康影響を把握することができないのが現状であるとともに、地域における存在状況に関する調査としては、環境モニタリング調査で対応することが妥当とされております。これを踏まえて、環境省においては、自治体に対して幅広い地域における公共用水域や地下水の調査の実施を働くなど、水の環境モニタリングの強化を進めていきたいというふうに考えております。