19:30
これより会議を開きます。裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。この際、お諮りいたします。各件調査のため、本日政府参考人として、
19:54
政府大臣官房審議官伊藤哲也君、警察庁長官官房審議官鑫河一君、消費者庁政策立案総括審議官藤本健君、総務省大臣官房審議官山崎良二君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長木村君彦君、
20:20
法務省大臣官房政策立案総括審議官植原隆君、法務省大臣官房審議官柴田紀子君、法務省大臣官房司法法制部長坂本三郎君、法務省民事局長竹内智子君、法務省刑事局長松下裕子君、法務省共生局長花村裕文君、法務省保護局長押切日佐藤君、
20:50
法務省人権擁護局長蒲田孝君、出入国在留管理庁次長丸山秀春君、文部科学省大臣官房審議官淵上隆君、文部科学省大臣官房文部科学戦略官中原裕彦君、厚生労働省大臣官房審議官宮本尚貴君、
21:15
厚生労働省大臣官房審議官泉淳一君、厚生労働省社会援護局障害保険福祉部長平美里君、国土交通省不動産建設経済局次長川野豊君及び、環境省環境再生資源循環局次長住倉一 郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、ご異議ありませんか。
21:44
ご異議なしと認めます。よってそのように決しました。次にお諮りいたします。本日、最高裁判所事務総局、総務局長小野寺真也君、人事局長徳岡修君、経理局長染谷武信君及び、民事局長兼行政局長福田智子君から出席説明の要求がありますので、これを承認するにご異議ありませんか。
22:13
ご異議なしと認めます。よってそのように決しました。質疑の申出がありますので、順次これを許します。
22:26
おはようございます。自由民主党のエリー・アルフィアで す。大臣の所信に対して、本日は会派を代表して質問させていただきます。機会をいただきましてありがとうございます。
22:39
我が国は今、緊迫した国際情勢の中にあります。ウクライナ侵攻も続いており、ガザレの情勢も悪化する一方でございます。台湾有事も目先にあるかもしれません。国際的な情勢を鑑みると、人権のスペースというものも国際的にも縮小していて、特に法の支配というものも由来できています。
23:07
その中、法の支配に基づく国際秩序を揺るがす力による一方的な現状変更の試みに直面しているという国際情勢を鑑みると、法の支配の促進という観点で、外務省はもとより法務省の役割も重要になっていると考えます。昨今の国際情勢の中で、日本として国際社会における法の支配の維持、強化に向けてリーダー指揮を取っていくため、法務省はどのような施策に取り組んでいるのか、法務大臣にお伺いしたく 存じます。よろしくお願いいたします。
23:37
ご指摘のとおり、法の支配に基づく国際社会の維持、強化に向けて、我が国がリーダーシップを取っていくことは、非常に重要なことであると認識しております。法務省としても司法外交という活動として、これを総括し、強力に進めてきています。中身は二つあると思うんですね。一つは、理念の共有です。
24:02
これは、法の支配、基本的人権の尊重といった価値、これをできるだけ多く国際社会に発信をし浸透させ、これを国際社会のフレームワークとしていく、価値観のフレームワークとしていくという意味での理念の共有に向けた、我が国のリーダーシップが求められている、その中の法務省のリーダーシップが求められている。これが一点目ですよね。
24:26
各国の司法制度、司法インフラの整備、これも進めていく必要があります。理念だけでは進まない面があります。理念と制度、この両面において、我が国がやるべきことをしっかりやりたいと、このように考えて取り組んでいるところであります。
24:45
この司法インフラという点では、もう30年にわたって、アジア諸国を中心に法制度整備支援というものが、底堅く形成されてきています。実施されてきています。一方で、理念の面に、これは近いと思いますけれども、昨年G7司法大臣会合、日アセアン特別法務大臣会合、後ほどお話があるかもしれませんが、
25:12
日アセアン、これを架け橋になっていくという取り組みも進めているところであります。世界的な恐竜の中で、我が国が、我が国の中で法務省が取るべきリーダーシップを深く自覚して取り組みたいと思います。はい、エリック。大臣、心強いお言葉ありがとうございます。先ほど、アジア、アセアンに関しても言及がありました。
25:36
この理念の共有、そして司法インフラの整備、大臣がおっしゃるこの2つの論点におきましても、日本は特にアジアで大きな役割を担えるかと思います。日本はよく最近、国際情勢の中でも、中国と比べられることがよくあると感じます。その中で、日本は中国とどこが違うのか、そして最近は中国にGDPも追い越されてしまった、ドイツにも追い越されてしまったと。
26:01
日本にいるとちょっと後ろ向きなニュースが多い感じがしますけれども、国際的に見るとまだまだアジアで最も経済力の高い民主主義は日本であるわけでございまして、アジアでその立ち位置としてのリーダーシップが今も求められる環境にあると思います。その中で、先ほど少しお話もありましたけれども、法務省では法務司法分野における国際協力の取り組みにより、アジア諸国における法の支配の確立に貢献し、相手国からも高い評価を得ているとお伺いしております。具体的な成果について法務当局にお伺いしたく存じま す。よろしくお願いいたします。
26:38
お答えいたします。法務省では関係機関と協力しながら、長年にわたってアジア諸国を中心に基本法令の起訴、司法制度の整備運用、司法関係人材の育成等に関し、寄り添い型の法制度整備支援を実施、それから法務省が運営する国連アジア極東犯罪防止研修所、UNAFAEの国際研修を通じた犯罪防止や犯罪者処遇等に関する各国の取り組みの支援などを通じて、法の支配の促進に取り組むこととなります。具体的には、ベトナム、カンボジア等10カ国以上に法制度整備支援を実施し、これらの国において民法や民事訴訟法などが推立するなどしたほか、UNAFAEにおいては、144の国及び地域からの6500人以上の刑事司法実務課に対し、これまで研修を実施し、これらの国の刑事司法制度の発展に貢献するなどの成果を挙げております。これらの取り組みは各国から高い評価を得ており、例えば、1994年から30年にわたり支援をしているベトナムからは、昨年11月の日ベトナム首脳会談において、当選国家主席が、日本の流れにわたるベトナムにおける法制度整備支援を高く評価する旨、述べるなど、ハイレベルでの試合が示され ているところでございます。はい、エリク。ありがとうございます。私も元国連職員でして、国連時代、特にアジア諸国における日本の役割というものが国際的に評価されていること、重宝されていること、肌で感じてきました。法務省の方々のこのような取り組みもその一環だと思います。感謝申し上げるとともに、引き続きよろしくお願いいたします。そして先ほど、ASEANに対する言及がありましたけれども、日本はG7のメンバーでもあります。そしてG7の中で日本は非常にユニークだなと思うところが、唯一G7の中で欧米系の国であるのが日本であり、キリスト教文明でもない国が日本であります。そして唯一アジアの国でもあります。そのような中で日本だからこそ代表できるアジアの考え方、ないしは別の欧米以外の諸国の考え方というものもあると思いますし、このような間にある立ち位置である日本であるからこそ取れるリーダーシップというものがあると思います。その中で法の支配に基づく国際秩序を維持し、さらに強化していく上では、G7をはじめとする先進国とASEANなどをはじめとする新興国とが対話を通じて連携していくことが不可欠と考えます。法の支配の推進のためのASEANとG7の連携における日本のリーダーシップについて、法務大臣にお伺いしたく存じます。お願いいたします。
29:28
委員まさにおっしゃるとおりでありまして、先進国の中の我が国の立場、それはアジアの諸国とのプラットフォームを持っているという強みがあります。比較有意性があると思います。そこを生かして法の支配、国際秩序を評価する上で、我々が架け橋になってG7とASEANをつなぐ会合を昨年開催いたしました。ASEAN G7法務大臣特別会合、こういう架け橋を作りました。ただこれを継続する必要があります。時間をかけて深めていく必要もあります。そこでこの会合の中で合意されましたのがASEAN G7の若手法務職員等が定期的に集い意見交換を行う、NEXT LEADERS FORUMの創設を提案いたしまして、各国から大きな支持が寄せられたわけであります。未来の各国の司法制度、あるいはその国の民主主義を担うであろう非常に有望な有能な若手が、若いうちから交流する、友達になる、人間関係を作る、そして醸成された信頼関係というのは簡単には崩れないだろうという長期的な視野を持ってこれを進めていきたいと思います。この6月に第1回フォーラムが開催される予定でありますので、しっかりと取り組みたいと思います。
30:53
ありがとうございます。NEXT LEADERS FORUM非常に画期的なプログラムだと思います。1回目の開催ということで成功を祈るとともに、我々議員も応援していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。また、ASEANとの連携は今後より重要となってくるところ、昨年司法外交閣僚フォーラムの一連の会議の一つとして、日ASEAN特別法務大臣会合を開催した意義と、今後のASEAN地域における司法外交の展望についても法務大臣にお伺いしたく存じます。お願いいたします。
31:26
今のお答えと若干ダブりますけれども、このASEANというのは、自由で開かれたインド太平洋の要ですよね。非常に重要なポジションにあり、しかし多様な国々であり、多様なんだけれども固まっているという、そういう大切なパートナーだと我々は思っています。これまでのアプローチが十分であったかどうかということもありますが、是非我々と一緒にやりましょう。イコールパートナーシップでやりましょうという、ラブコールではないんですけれども、メッセージを一生懸 命送ってですね、一緒にやりましょう。イコールパートナーシップでやりましょう。こういう働きかけを法務省としてもさせていただいているところであります。この努力を続けたいと思います。
32:12
ありがとうございます。まさに先ほど申し上げたとおりだと思うんですけれども、この日本の良さというのは、各国と上から目線で対話するのではなくて、イコールパートナーシップでやっていこう、寄り添おう。各国々の文化を尊重しながら、意見を尊重しながら、相手を尊重しながら、外交やそれこそ法務外交もそうですけれども、担っていこうというところだと思いますので、引き続き日本の良さが見えるような形でリーダーシップを取っていただければと思います。お願いいたします。司法外交閣僚フォーラムのもう一つの重要な会議として、G7司法大臣会合が開催されました。法務司法分野におけるウクライナの復興支援について議論されたとお伺いしております。この議論の概要についても、国民の関心も高いと思います。概要と成果について、法務副大臣にお伺いしたく存じます。お願いいたします。
33:04
G7司法大臣会合におきましては、ウクライナの司法大臣や関係する国際機関の長等も交え、委員御指摘の司法インフラ整備等を通じたウクライナ復興支援をはじめとする三つのテーマについて議論し、成果文書として東京宣言を採択いたしました。とりわけ司法インフラ整備等を通じたウクライナ復興支援のテーマに関しましては、我が国が提唱したウクライナ汚食対策タスクホースの設置が決定されたことは大きな成果であると認識しているところです。汚食対策は健全な経済活動の基盤となるだけではなく、ウクライナが復興するにあたり公平、公正、透明な資源の活用を行う上で重要でございます。さらに汚食対策はウクライナがEU加盟に向けて取り組むべき課題等を位置付けられており、同国の安全保障の観点からも極めて重要なものです。本タスクホースはすでに2回の会合を重ねており、引き続き次回会合に向けて準備を進めるとともに、G7と密接に連携して、法の支配や基本的人権の尊重といった価値を国際社会に推進するべく取り組んでまいります。私は千葉五区という、市川市、浦安市、福大神ご存じのとおりですけれど も、の選出なんですけれども、私の選挙区でも本当にウクライナの情勢、そしてガザーもそうですけれども、昨今の人道状況、人権状況に心を痛めている方々が多くいらっしゃっており、引き続き日本が人道的な立ち位置から、そして付加価値を与えられるような立ち位置から、このような問題解決に貢献していくことを願っている方々が多くいらっしゃいます。地元を代弁する形としてましても、引き続きこの取り組み、そして他の人道状況の中でも、日本のリーダーシップが見えるようお願い申し上げます。ありがとうございます。そして先ほど、日本はG7の中で唯一アジアの国であるというお話と、その中での役割というお話がありましたけれども、ASEANだけではなくて、それは世界中の他の国々にもレレベントなお話なのかなと思います。国際社会における法の支配の推進の上では、もちろんASEANやG7だけではなく、その他の地域の国々とも連携を進める必要があると思われるところ、そのための具体的な取組について、法務大臣にお伺いしたく存じます。お願いいたします。
35:33
ASEANと先ほど申し上げたような取り組みを進めていけば、当然のことながら、ASEANの外側にある、周辺にある国々とも同じ関係をつくりたいというふうに、我々も考えているわけでございます。幸い、法務省はこれまで様々な実務的な支援をしてきています。各国の司法制度、あるいは司法制度の運用にかかわるアドバイス、人材の派遣、研修の受入れ、そういう地道な長い長いお付き合いがかなりありますので、それを活かすチャンスが来たんだろうというふうに思いまして、東諸国、太平洋の東諸国、中央アジア地域、大きく地政学的に変動しています。両地域とも。そういうところに戦略的な対話をしましょう。戦略的という意味は、継続的な、そして深い、今だけではない、表面だけではない、戦略的な長い深い、そういう対話をしましょう。価値観を共有しましょう。こういうメッセージを送り続けながら、お一人お一人の外務大臣とお会いする、司法大臣とお会いする、そういう努力を今始めているところでございます。しっかり取り組みたいと思います。
36:45
ありがとうございます。そして次に、経済活動の国際化についてお伺いしたく存じます。日本企業が海外に進出し、その競争力を発揮する上では、特に特許や著作権といった知的財産権が適切に保護されている必要があり、とりわけ日本企業の進出が乏しいアセアン諸国において、公正かつ予測可能性のある知的財産法制度や運用の改善に日本が貢献することが重要でもあると存じます。アセアンにおける知的財産権制度や、その運用の改善支援の取り組みについて、法務当局にお伺いしたく存じます。お願いいたします。
37:29
はい、お答えいたします。日本企業が海外でビジネスを展開する上では、特許や著作権、商標といった知的財産権が適切に保護される法制が整っていることが重要であると認識しております。また、知的財産法制の整備や運用能力の構築を支援することは、相手国においてルールに基づく公正な民生取引や投資の基盤を整備し、法の支配の推進や持続可能な発展に資するといえます。そこで法務省は、とりわけ日本企業の進出が著しいアセア諸国における知的財産制度や運用の改善を支援するため、二国間及びアセア地域全体を対象とした他国間の双方の枠組みで、知的財産法制の整備及び運用能力構築を支援する取組を行っています。例えば、二国間の取組としては、インドネシアにおいて、知財紛争解決能力向上を目的としたプロジェクトを、財科と関係機関と連携しながら実施しています。また、アセア地域全体を対象とした他国間の取組としては、知的財産権保護に関する各国の課題解決をバックアップするための国際知財司法シンポジウムの開催やそのフォローアップ会合を、最高裁や特許庁、日米連等と連携しながら実施しているところです。引き続き、これらの取組を通じて、アセア地域を含むアジア諸国の知財紛争処理能力の向上を図るとともに、知財に携わる実務化やビジネスの海外展開を進める企業等に最新の知財情報を提供することで、日本企業の海外進出を後押ししてまいりたいと考えています。
39:09
ありがとうございます。最初にお話があったとおり、国際情勢が乱れる中、一つの国に対して経済パートナーとして依存しない、多くの国々とパートナーシップをとれることができる。これ は法の面でも外交の面だけでもなくて、経済面でもそうだと思いますので、そのインフラ整備というものになっていらっしゃるとお話をお伺いして思いました。本当に感謝申し上げるとともに、引き続きこのような取り組みがASEANだけではなくて、世界各国とも行われることを願い、次の質問に移りたいと思います。国境を超えた経済活動が活発に行われることに伴い、それに伴う国際的な法的紛争も増加します。国際的な法的紛争の手続きとしては、契約の一方当事者の国の裁判所による裁判ではなく、契約の当事者同士が選んだ仲裁に判断してもらう国際仲裁がグローバルスタンダードとなっていますが、我が国においてはその活用がかなりまだ低い状況にとまっております。政府として国際仲裁の振興に取り組んではいるものの、昨年、港区虎ノ門に開設していた国際仲裁専用施設が閉鎖となるなど、必ずしも順調ではない部分もあるかと思います。日本企業の海外進出に当たっては、国際仲裁の振興は大変重要であると考えるところ、今後の展望について法務当局にお伺いしたく存じます。お願いいたします。
40:40
お答えいたします。国際仲裁は、契約当事者が選んだ仲裁人の判断に従うという、私的自治を尊重した公平公正な紛争解決手段であり、国際商取引における紛争解決のグローバルスタンダードとなっています。国際仲裁の活性化は、国際的な法の支配の促進や、日本企業の海外進出の支援等の観点から重要であります。法務省は、令和元年6月からの5カ年の事業として、人材育成、広報意識啓発、施設整備といった各施策を包括的に行いながら、国際仲裁の活性化に向けた効果的な施策のあり方について、調査分析する業務を民間事業者に委託して実施してきておりました。この調査等委託事業が今月末に終了することに伴い、現在、内閣官房に設置された国際仲裁の活性化に向けた関係不詳連絡会議において、同調査等委託事業の結果や、民間有識者から構成された研究会の提言も踏まえ、新たな政府の方針を策定中であります。この民間有識者から構成された研究会の報告書においては、これまで5年間の取組により、広報意識啓発や人材育成は一定程度進んできているとされている一方、日本少子仲裁協会、JCAAをはじめとする我が国を拠点とする仲裁機関の国際的な認知度及び評価を向上させる必要があるとの指摘や、国際仲裁の活性化は短期的に成果が上がるものではなく、長期的指定に立って進めていくべきなどといった指摘もあったところでございます。