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参議院 予算委員会公聴会

2024年03月12日(火)

5h56m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7792

【発言者】

櫻井充(予算委員長)

首藤若菜(公述人 立教大学経済学部経済政策学科教授)

大沢真理(公述人 東京大学名誉教授)

加藤明良(自由民主党)

高木真理(立憲民主・社民)

伊藤孝江(公明党)

清水貴之(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

伊藤孝恵(国民民主党・新緑風会)

岩渕友(日本共産党)

大島九州男(れいわ新選組)

遠藤久夫(公述人 学習院大学経済学部教授 社会保障審議会会長)

作山巧(公述人 明治大学農学部専任教授)

小林一大(自由民主党)

小沼巧(立憲民主・社民)

河野義博(公明党)

東徹(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

田村まみ(国民民主党・新緑風会)

紙智子(日本共産党)

大島九州男(れいわ新選組)

櫻井充(予算委員長)

高見澤將林(公述人 東京大学公共政策大学院客員教授)

高田克樹(公述人 元陸上総隊司令官)

臼井正一(自由民主党)

福島みずほ(立憲民主・社民)

宮崎勝(公明党)

金子道仁(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

伊藤孝恵(国民民主党・新緑風会)

山添拓(日本共産党)

大島九州男(れいわ新選組)

1:45

おはようございます。ただいまから、予算委員会公聴会を開会いたします。本日は、令和6年度一般会計予算、令和6年度特別会計予算及び令和6年度政府関係機関予算につきまして、6名の公述人の方々から、順次、項目別に御意見をお伺いしたいと存じます。この際、公述人の方々に一言御挨拶申し上げます。本日は、ご多忙中のところ、本委員会に御出席いただき誠にありがとうございます。委員会を代表して、厚く御礼を申し上げます。本日は、令和6年度総予算3案につきまして、皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に、会議の進め方について申し上げます。まず、お一人15分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。なお、御発言は着席のままで結構でございます。それでは、経済・財政金融・雇用・労働について、公述人、立教大学経済学部経済政策学科教授、首都若那さん、及び東京大学名誉教授、大沢麻里さんから、順次、御意見を伺います。まず、首都公述人にお願いいたします。それでは、首都公述人、よろしくお願いします。立教大学首都若那と申します。本日は、このような場でお話しする機会をいただき、大変光栄に感じております。どうぞよろしくお願いいたします。私は、労使関係を専門に研究しておりまして、その観点から、本日2点お話をさせていただきたいと思います。1つ目が、物流の2024年問題。もう1つが、持続的な賃上げについてです。では、まず、物流の2024年問題からお話しさせていただきます。トラックドライバーのですね、労働時間の短縮に向けては、ここ数年、国交省計算省を中心に、かつてないほど踏み込んだ対策が取られてきました。その結果、物流現場に変化の兆しが現れているというふうに感じております。大手の運送会社、荷主企業を中心に、物流の負荷を軽減させる取り組みが始まっており、これが今後順調に進むかどうかということは、まだ見極めがつかない部分もありますが、長い間、ずっと改善してこなかった現場が変わり始めているという点はですね、高く評価すべきだというふうに考えております。ただ、こうした動きが中小の運送会社、荷主企業にまで広がっているのかというと、そうとは言い切れないと思っております。中小の運送会社のところでですね、今、物流現場、何が起きているのかと言いますと、多くの運送会社の方々がですね、二択を迫られているというふうに語っています。二択というのは、結局、4月から始まります労働基準のですね、強化を遵守せずに荷物を運び続けるか、遵守するために荷物を諦めるかという二択です。どちらを選ぶにせよ、非常に苦しい思いを抱えながらですね、この4月を迎えようとしているというのが実態だと思っています。トラックドライバーの労働時間と賃金は、手元にあります5ページの図表1に示しているとおりです。いわゆる残業時間である、超過労働時間数を見ていただきますと、男性兵器の2.5倍から3倍の長さになっています。賃金水準は、決まって支給する現金給与額、これが残業込みの賃金額になっていますが、これは男性兵器に近くなっておりますけれども、所定内給与額で見ますと、平均の8割ほどに下がります。つまり、長く働くことで平均並みの賃金を獲得しているということがわかります。現状のままですと、残業時間の規制強化によって収入が低下し、それにより離職者が増え、人手不足が深刻化するということが懸念されます。賃金を上げるには、その原始である運賃の上昇が求められますが、次のページの図表②をご覧ください。企業向けサービス価格指数を見ますと、赤い線で示してあるのが、道路貨物運送業の指数になります。コロナ前までは上昇していましたが、コロナ以降ほぼ横ばいとなっているのがわかるかと思います。ドライバの賃金は、実は2010年頃から若干上昇してきているんですけれども、近年は上昇幅が狭くなっておりまして、これは運賃の上昇幅の弱まりと整合的だというふうに考えております。では、どのようにすればいいのかということについて、私の考えを5点述べさせていただきます。7ページから8ページにまとめてあります。1つは価格転嫁です。持続的な物流を作っていくためには、政府が呼びかけているように価格転嫁が必須だと思っております。現在、厚生取引委員会やトラックG面が取組を強化させておりまして、それは非常に追い風になっていることは確かです。広島県等、一部のG面はかなり踏み込んだ取組もしておりまして、取引環境の改善に貢献していると見ています。しかし、中小企業庁の調査によりますと、トラック運送業の価格転嫁率は、全業種の中でも最下位であり、平均45.7%の転嫁率に対して、トラック業界では24.8%と著しく低い状況です。なぜ価格転嫁が進まないのか。それは従来の価格でもしくはもっと安い価格で荷物を運ぼうとする事業者が後を絶たないという実態があるためです。価格を上げようと交渉すれば、転嫁しない事業者に仕事が奪われていくというふうに皆さんおっしゃいます。その安さが生産性の上昇によって実現されていればいいのですが、賃金を上げないことでもしくは賃金を引き下げることで安さを実現しているケースも多々あります。価格転嫁を進めるには中小事業者の交渉力を持っていかなければなりませんが、しかし構造的に交渉力が高めにくいというのが実態です。例えば多層的な下請け構造がトラック業界にはありますが、50受け60受けといった下請け業者は、価格交渉する術すら持っていないというのが実態です。その中でいくら適正価格をと呼びかけられても、その実現は困難だと思っております。価格転嫁を進めるためには、それが可能となるような市場環境を整備するということこそが重要であり、例えば多層的な下請け構造を是正するということが求められているというふうに考えております。これは海外でも行われておりまして、トラック運送業では例えば20受け以下を禁止するといった制約を設けている国があるというふうに聞いております。取締りの強化、呼びかけの強化、これも重要ですけれども、価格が転嫁できる環境をつくっていただきたいというふうに考えております。第2、第3は、運賃と賃金の底上げ、二方的拘束力を持たせるという点です。国土交通省は2018年に標準的な運賃を導入し、運賃交渉の目安とするように呼びかけています。しかし、9ページの図表3を見ていただくとわかりますけれども、標準的な運賃額、もしくはそれ以上の運賃額を獲得できているのはわずか15%にすぎません。半数以上の荷物は標準運賃の7割以下の価格で運ばれていますし、2割の荷物は標準運賃の半額以下で運ばれているというのが実態です。中小の運送事業者たちは標準的な運賃のことを理想の運賃とか夢の運賃というふうに呼んでいます。実態的に標準運賃が標準にはなっていないというふうに考えています。標準的な運賃に実効性を持たせることが難しいのであれば、上限、下限の運賃額を定めたり、最低運賃額を定めるということも検討していただきたいというふうに思っております。第3には賃金の底上げについてです。トラックドライバーの流出を防ぐには、ドライバーの賃金単価を上げていくということが不可欠だと思っております。それには私は特定最賃を活用すべきだというふうに考えております。賃金の最低基準を設けることで、より安い運賃で仕事を獲得しようと、より安い賃金で仕事を獲得しようというような底辺への競争の歯止めにもなるというふうに考えております。第4番目ですが、労働規制が強化されていく中で、現在宅配の現場など一部の物流現場では、雇用労働者ではなくて個人事業主として働かせる動きが広がっています。ギグワーカーに対する労働者保護を拡充していくことや、雇用されるかどうかで労働コストが大きく異なると、こういった状況を変えていくような労働法制や社会保障制度の見直しも急務だというふうに思っております。最後に、人手不足の中で外国人労働力の流入に期待が高まっています。しかし、より安い賃金で働いてもらうために外国人労働者に頼るという発想では、再び労働力不足に陥る懸念があります。外国人労働力の受入れにあたっては、日本人であれ外国人であれ、賃金水準の上昇が必要だという強いメッセージを出していただきたいというふうに思っております。続いて、持続的な賃上げについてお話をしたいと思います。明日は春冬の集中開燈日でありまして、大手企業を中心に昨年上回る大幅な賃上げが達成される見込みです。政府が繰り返し呼びかけ、正路市会議を開催するなど、賃上げを強く求めてきた効果は大きいというふうに考えております。問題は、これが中小企業にまで広がるかどうかという点だと思っています。まず、昨年の賃上げの結果を簡単に振り返りたいと思います。昨年の春冬では3.6%という、30年ぶりの大幅賃上げとなりました。しかし、12ページの図表4をご覧いただきたいのですが、昨年の一般労働者の現金給与総額の伸び率はプラス1.2%で上昇はしましたが、際立って伸び率が高かったかと言われるとそういうわけではありませんでした。また、次のページの図表5のとおり、昨年の春冬は分散係数がかつてないほど高かったこともわかっています。大企業が大幅に賃上げをしているということが数多く報道されていますが、さほど賃金を上げられなかった企業が存在しているというふうに予想されます。その中で、持続的な賃上げを実現させ経済を循環させていくための考えを4点お話しさせていただきたいと思います。第一には、労働生産性と労働分配率の向上です。持続的な賃上げには生産性の向上が不可欠だと思っております。生産性向上に向けた中小企業への支援は、既に数多く行われていますが、より多くの事業者が取り組めるよう後押しをお願いしたく存じます。他方で、急激な賃上げが生産性の向上を伴わない形で進むことへの懸念の声も聞かれます。しかし、日本の問題は過去20年以上にわたり、労働生産性の上昇に賃金上昇が追いついてこなかったことにあるというふうに私は考えております。その結果、日本の労働分配率も低下してきました。内需を拡大していくには、幅広い人々の所得の向上が不可欠だと思っております。そのためには、労働分配率が上昇するような賃上げ、労働分配率にも着目した賃上げを目指すべきだと思っております。第2には、価格転嫁の促進です。価格転嫁率と賃上げ率には相関関係が確認されております。価格転嫁を進めるための方策は、すでに述べましたので割愛しますが、なかなか価格転嫁が進まない状況や多層的な下請け構造は、トラック業界だけの話ではありません。トラック業界で起きている実態は、日本社会の縮図であるというふうに私は考えております。第3に、持続的な賃上げには集団的な労使関係の再構築が必要だと考えています。16ページの図表7をご覧ください。これは、連合が発表した昨年の春冬結果になります。これを見ますと、労組がある企業では、中小企業でも賃上げが行われていることがわかります。昨年の労働経済白書では、企業規模が小さいほど、労組の有無が賃金改定率に影響している可能性を指摘しています。また、非正規労働者の賃上げについても、今年ではイオングループがですね、昨年同様に非常に高い賃上げを非正規含めて行うということが発表されていますが、連合の発表によっても、労組に加入している非正規労働者については賃金が上がっているというふうな実態があります。賃金が上がるかどうかというのは、中小や大企業かどちらかということや正規か非正規かというような違いのみならず、労働組合にカバーされている労働者か否かということにも左右されるというふうに私は見ています。中小企業で賃金をですね、順調に上げていくためにですね、やはり中小企業の組合組織率が極めて低いというような実態をですね、改善していくということも必要だと思っています。この間、組合の組織率が下がり、労働者の発言力や交渉力が低下してきたことにより、賃金が上がらず、内需が縮小し経済が成長しないと、そんな社会が作り出されてきたと思います。経済の再生のためにも、集団的労使関係の再構築が必要だと考えています。今、学校教育では、学習指導用語で労働産権を学ぶ機会がありますが、労働者がワークルールを知らないまま、法令が遵守されずに働くというような実態もありますので、労働法や労使関係を学べる機会をですね、より拡充していただきたいというふうに思っております。同時に、中小の事業者への啓発活動、不当労働行為に対する厳正な処分もお願いしたいと思っています。第4には、多層的な最低賃金の形成です。中小企業や非正規労働者を含めて、幅広く働く者の賃金の底上げを図るには、最低賃金というものが非常に効果的です。岸田総理は、2030年半ばまでに、地域別再賃を1500円に引き上げるという目標を掲げていらっしゃいます。私は中央最低賃金審議会の委員も務めておりますので、総理の目標も念頭に置きながら、審議に参加したいというふうに考えております。ただ、留意すべきは、地域別再賃は、不熟練労働者を含めた全ての労働者に最低限支払われる賃金額です。例えば、今、エッセンシャルワーカーの人手不足が深刻化していますが、これらの労働者の多くは、免許や資格を取得して働くことが求められておりまして、決して不熟練労働者ではありません。こうした労働者たちの賃金の上昇は、地域別再賃の上昇だけでは必ずしも底座さえならないというふうに思っております。特定の産業や職業の最低賃金は、特定再賃で定めることができます。さらに、民間企業の労使の中には、産業別再賃、企業内再賃を締結しているケースもあります。こうした多層的な最低賃金の形成が、中小企業、正規労働者を含む幅広い労働者の賃金の底上げになるというふうに考えています。現在、特定最低賃金の導入や改定は、労働側は再三要請しておりますが、使用者側が慎重な姿勢を示しており、協議が進まないという状況です。持続的な賃上げのために、ぜひ前向きに御検討いただけるように、政治の場からも呼びかけていただきたいというふうに考えております。まだ少しだけ時間がありますので、最後に一言だけ、男女間隔差の是正についても触れたいというふうに思います。今後、人口が減少していく中で、女性労働力のさらなる増大が求められています。年収の壁の解消は、それを促す重要な施策だと思いますが、女性たちが労働時間を制限している理由は、税制社会保障制度だけに起因するわけではありません。男女が共に働く社会が作られていく中で、誰がケア労働になるのかということが問われています。男性の労働時間を短縮し、男女が共にケア労働になれるようにしていただきたい。同時に、正規非正規間の隔差の是正は、女性の就業拡大には不可欠だと考えております。さらに、女性の働きやすさを実現するには、選択的夫婦別姓の導入も前向きに御検討いただきたいというふうに思います。私の専門は労使関係ですが、労使関係とは学問上ですね、三者構成というふうに定義されています。労使の二者ではなくて、政府を含めた三者になります。政府は法制作によって働く者の労働条件を改善させることができます。加えて政府は最大の使用者でもあります。国、地方、自治体で働く者の賃金、労働条件の改善は、各地域の労働条件に大きな影響を及ぼします。国や行政が率先して賃上げをし、労働関係の改善に取り組むことも極めて有効だというふうに考えております。私からは以上となります。御静聴どうもありがとうございました。ありがとうございました。次に大沢光実委員にお願いいたします。

18:29

大沢光実委員。

18:31

大沢でございます。本日はこのような機会を頂戴し、関係の皆様に感謝申し上げる次第です。私の資料を手に取って頂きますと、最初の2枚は微行となっておりまして、これからテクニカルターム、専門用語がたくさん出てまいりますので、最初にそこをまとめておいたというものでございます。ただですね、スライド2の1行目、OECD統計のURLを書いてありますが、現在OECDはこのサイトの移動を勧めておりまして、3月末にはここが使えなくなるということで恐縮ではございます。お知らせをいたします。それから、スライドの2枚目ですね。日本の貧困の特徴としてですね、所得債分配のbefore、afterの近似値を見ようとした場合に、日本ではafterの方が貧困率が高いような人口区分が出てまいります。つまり、簡単に言うと日本では政府の所得債分配が貧困をかえって深めている。これは諸外国に例を見ない事態でございます。相対的貧困率という指標には、限界の御指摘もございますけれども、一応私の考え方はそこに書き留めておきました。いよいよ本題に入らせていただきます。今日のテーマは、ボトムアップこそが成長戦略でも要であるというポイントでございます。これはEUや国際機関での近年の問題意識でもございます。EUを見ますと、2013年に社会的投資パッケージを発表しておりますが、そこでは成長戦略と福祉国家の現代化戦略は一体のものとして推進されようとしております。よく社会的投資といいますと、旧来のような既に貧困に陥った人に対して救済をする、保障といったりします。よりも投資、将来に向けて人々をリスクに備えさせる、その力を付けさせると、そういうシフトなんだというふうに言われがちですけれども、EUの欧州委員会文書等を見る限り一体になっております。同時にジェンダー平等の次元が非常に重視をされております。当然ながら貧困者の多数は女性ですので、そこを見逃してはいないということです。こうした取組は2013年に始まったわけではもちろんなく、遡って97年のアムステル条約以来EUの主要目標の一つでございます。象徴的なのはパッケージのうち子どもへの投資、これは勧告になっておりますが、その付録には貧困や社会的排除と闘い、不平等を縮減するための32もの指標を掲げております。同時に就労貧困、働いているのに貧困から逃れられない、これが現役層の貧困者の3分の1を占めると注意喚起しております。これらのパッケージでは子ども現役層が重視をされておりますが、それはヨーロッパの事情があるということを御理解いただきたいと思います。EU加盟諸国ではバルト3国を除きまして、高齢者の貧困はかなり低いレベルに抑えられております。その反面で子どもの貧困率は高い国が見られる、こういうところからこのパッケージが構成されております。これらの戦略パッケージからはその背骨としてボトムアップの経済学が読み取れます。それをOECDやIMFも共有しております。この背骨がないと成長戦略としても分配戦略としても成功を見込めない、そういう問題意識があるわけでございます。次のスライドは低所得層の置き去りが経済成長を損なうというOECDのパンフレットなんですけれども、そこにある印象的な図でございます。所得分布のボトム40%の人々を底上げすれば人的資本投資が増進をする、それが成長に資するということで、逆にこの間のOECD諸国ではいくつかの国を例外としまして、オレンジ色の部分下に付き出ております。これが不平等が増大したあるいは固定化している結果として成長力が削がれている部分が下に付き出たオレンジの部分でございます。格差と言いましても不平等と言いましても肝心なのは低・中所得層である。それは単に経済成長のためだけではなく、民主主義を擁護、発展させるためにも重要だと考えられております。OECDは2019年にアンダープレッシャー、中間層が圧縮されている、圧迫されているという報告書を出しております。ここで中間層と呼ばれているのは、中位過所分所得の75%から200%の層です。この層こそが、法制的な経済成長にとって重要であり、他者への信頼や民主主義の制度、典型的には議会制度でありますが、司法やそういったものへの制度の信頼にとっても重要だということです。この中間層が所得シェアは低下し、それからトップ10%に置いていかれている。だから中間層の生活費用というのは、一般物価よりも早く上昇している。この恒性を、これを是正し恒性を進める主要な手段としては、税、公的給付、特に資産所得やキャピタルゲイン、相続に対する課税を強めることがこのレポートで推奨されております。他方、IMFのワーキングペーパーやスタッフノートを見ますと、5分位の所得シェアはトップ20%、一番豊かな20%で上昇しても成長率は下がる。利得はトリックルダウンしないという警告が書かれております。反面で、ボトム20%で所得シェアが上昇すると成長率は上昇するという分析結果になっております。そして、所得不平等の上昇、特にボトムが置いていかれる中では他人への信頼が低下をする。この他社への信頼のレベル、日本はOECD諸国の中でも低い方でございます。これが低下すると取引費用が上昇してしまい、イノベーションが阻害されるため、信頼は経済成長にとっても重要な要素であるとIMFは指摘、OECDは指摘をしております。実はこの信頼というのは災害レジリエンスとも関連をしている、そういう研究がございます。日本の状況でございますが、日本ではマクロでもミクロでも所得賃金が伸びない。これは首都公実人のお話にもるるございましたので、詳しくは説明をいたしません。左側が一人当たり実質GDP、右側が実質の平均年収の推移でございます。次のグラフを見ていただきますと、これは全人口の相対的貧困率の推移をG5プラススウェーデン韓国で見たものでございます。日本については2系列を取り上げておりますが、OECDに報告されているのは日本一の方、国民生活基礎調査の方でございます。もう一つの系列、消費実態調査、これは国民生活基礎調査よりも低くなるわけでございますけれども、直近においてはこの2つの系列の指標、ギャップが縮小してきております。日本一では最近微減はしておりますが、表示国で最悪になってしまった。見逃せないのは年齢別で日本の18歳から25歳の若年層、この貧困率がOECD全体で7番目に高いということです。若者の貧困は未婚率の上昇につながり、これが少子化、人口減少の主要な要因であるということは政府のルール白書等でも指摘をされております。次に貧困率だけ見ていても、その貧困者とされる人々の生活の実質は分からないという御意見あろうかと思いますので、この図の4を作成してみました。G5と韓国について、投下化処分所得の中央値。この中央値を挟んで75%から200%がOECDが注目をしている中間所得層でございます。これを名目値の購買力併価でドルに換算したのがこのグラフでございます。日本では中間所得、この半分が貧困基準ですので、ずり落ちて表示国で最低になってございます。下がったのは日本だけですけれども、普通貧困基準下がりますと貧困率は低下するんですけれども、日本での低下はわずかです。日本円で見ますと97年がピークでございまして、以降下がり続けてきた。つまり日本の貧困層の所得というのは、これらの諸国の中で最低であるということに御留意いただきたいと思います。次のグラフは所得階層、所得格差に関するグラフでトップ10%とボトム10%の所得比の推移を見ております。一応貧富の格差を示す指数とお考えいただきたいと思います。G5とスウェーデンの中で日本の所得格差はアメリカに次いで大きい。だから上昇気味であるところも懸念されます。次は、これ最後にどうしたらいいんだろうかと、この状況を。日本で貧困格差をいかに削減するかという方法に関してでございます。まず申し上げたいのは年金額に最低保証が必要だという点でございます。この円グラフは都立大学、東京都立大学の安部彩さんの研究成果からお借りをしておりますけれども、年齢階層性別で分けて貧困者は誰かというのを見ますと、オレンジの24.5%これが女性65歳以上です。つまり日本の貧困者の4分の1は高齢女性である。高齢男性も13.4%ですからなかなかの比率を占めております。もし年金額に最低保証があれば、このオレンジと恋緑の部分は消えてなくなると。一気に日本の貧困率というのは下がるわけでございます。先ほど申し上げましたように、高齢者の貧困率が現役世代より低い国はOECDの多数を占めます。年取ると年金暮らしになるので貧困になるのは仕方がないというのは全くの続説であって、日本ではそうなっているかもしれないけれども、OECDの多数の国ではそうではないということでございます。次に現役層と子どもの貧困に対してどうすべきか。ご承知の持続可能な開発目標SDGの目標8のうちターゲット5番目。これはディーセントワークと同一価値労働同一賃金を加盟国に求めています。日本もこれに同意をしているわけでございます。それを全ての老弱男女、全ての労働者に対してディーセントワークと同一価値労働同一賃金を実現するようにということです。同一価値労働同一賃金というのは、正規非正規を問わず、労働者全員の担当する仕事を構成する職務を分析いたします。職務の4つの面、知識・技能・責任・負担・労働環境でそれぞれ点をつけて合計し、仕事の価値を割り出します。そして価値に見合う賃金を実現しようとする。これが同一価値労働同一賃金の原則でございます。先ほど首都公衆人がおっしゃいました正規非正規のあるいは雇用形態にある格差の解消について、この同一価値労働同一賃金こそが鍵と考えられているわけです。日本では正社員は職能級で非正規は職務級なんだから、この格差の解消は非常に難しいと言われてきたんですけれども、最近の研究によればそうでもないということも分かっております。3番目に金融所得相続への課税強化をする必要があります。これもOECDのレポートの中に入っている点でございます。日本では所得税制の所得向上を税額向上に転換する。できれば給付付きとする。給付付きでなくても税額向上に転換するだけで、税制全体としての累進度はかなり高めることができるという実証分析もございます。最後に住宅給付を導入し、児童手当や児童扶養手当を統合して拡充するといった施策が望まれます。ヨーロッパのことばかり引き上げに出しましたけれども、韓国では非常に政策展開が急でございまして、0から5歳児への無償保育はパク・クネ政権で、それから公的扶助を統合給付から個別給付に改正するという改革も行われました。そして文在寅政権では失業扶助制度、失業保険というのはある期間が来たら尽きてしまいます。それを超えて、その期間を超えて失業し続ける人に対して、一般の公的扶助ではなく失業扶助制度、ヨーロッパではこの制度を持っている国が多いわけですが、そういうものが新設されておりまして、そういった改革が急ピッチでお隣の国では進んでいるということを申し上げまして、私からの報告といたします。どうも御清聴ありがとうございました。

33:30

ありがとうございました。以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。それではこれより公述人に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

33:43

加藤昭雄君。

33:45

自由民主党の加藤昭雄でございます。ありがとうございます。御説明をいただきましてありがとうございました。本日は経済、財政、金融雇用、労働をテーマに。すみません間違えました。ごめんなさい。はい。首都公述人、大沢公述人から貴重なお話をいただきまして誠にありがとうございました。何点かお二方に御質問をさせていただきたいと思います。まず、昨今の日本の経済状況、そしてまた財政状況から見たお二方の御意見をいただきたいと思っております。近年岸田内閣政府によります様々なデフレ脱却からの取り組み、さらには物価高騰対策、様々な政策が講じられて、近年その経済効果というのが現れてきていると思っております。物価高騰、そしてまたさらには様々なそれに対する賃上げ、そのようなデフレマインドを脱却し、着実ななだらかなインフレの中でこれからの経済を循環をさせ、そしてその経済循環に見合う賃上げ、そして様々な労働環境の改善、そのようなことを目的としております。近年そのような効果が見られる中で、株価も市場最高額の平均を2期平均で4万円以上を超えたということも現れております。そのような経済循環型の効果が現れてきている、そのような中で株価も変動はしている中でございますけれども、このような取組の今のお二方の見方について、ぜひとも御意見をいただきたいと思っております。それでは首都公実によろしくお願いします。はい、政権が様々な政策を立てていることはもちろん存じております。その中でも私が専門としております労働の問題から見ますと、それが十分に効果を発揮しているのかどうかというところだと思っています。賃上げについては先ほど述べたとおり、大企業では確かに賃上げがかなり達成しているということはありますけれども、それが幅広く中小企業や組合がないようなところにおいてもなされているのかといいますと、先ほどのデータでもお示ししたとおり、毎金統計によると、昨年もそこまで賃金が一般労働者については上がっていないんですね。ですので、どこまで効果が発揮されているのか、確かに株価が上がっていることは確かだと思っております。でも株価が上がっていますけれども、豊かさが実感できないということがむしろ問題になっているのではないかというふうに私は見ています。大沢光実人大変鋭い御質問ありがとうございます。私の基本的な考え方は、デフレは原因でなく結果というものでございます。ですので、デフレマインドと言われるものや、デフレをそこに攻撃を集中する、対策を集中するということは、対策としていかがなものかというふうに思っているわけでございます。賃金に株価やその他の指標が反映をしていない、今首都光実人がおっしゃったとおりでございます。そのことをやや長期に渡ってみたものが私の資料で言いますと、図の2、平均実質年収の推移でございます。なぜこんなことになるかというと、これ正規、非正規と分けると正規の賃金は下がっているわけではない、少なくとも。それから大手では少しずつ上がってきている。でも全体とってしまいますと、非正規も入れて平均を取るとこうなっているということは、非正規労働者が増えて、その待遇の改善が土として進まないところにある。ということであるとすれば、やはり賃上げのプッシュも重要ですけれども、同時に正規、非正規の格差解消、そのための有効な手段というのは、私は、同一、価値労働同一賃金ではないかと考えて見解を申し上げた次第でございます。以上です。

38:27

加藤君。

38:28

ありがとうございます。明日は春冬開刀日ということでございます。昨年は30年ぶりの公開ということでございましたので、明日の開刀にも期待をしているところでございます。今、お二方から意見をいただきました、株価、高騰に対する実感が持てない賃金に直結をしていないというような背景でありますが、これに対して、さまざまなこれからの取組というのもメニューが用意されております。例えば、子ども未来戦略の中で、加速化プランの中で、今後2028年までにさまざまな取組をさせていただく。その中でも、労働賃金の値上げ、さらには重環境の充実、そしてまた、さまざまな男女間の格差の是正、特に男性が働きやすい、産休育休などを取りやすい環境によって、女性がさらに働きやすい環境、このような環境の中で女性の働き方をさらに社会の中にどんどん取り入れていく。そのようなことが力強く行われる、そのような期待を持っております。そのような中で、これからの女性活躍の在り方について、お二方の御意見をいただきたいと思っております。特に、昨今のテーマで、さまざまな女性のフェムテックという社会活動の中のハードルを、科学的技術的に上げていこうという経済効果が世界的にも注目をされております。今後、2025年までには、世界規模5兆円と言われているような市場も、マーケットがこれから示しているところでありますが、フェムテックの利活用によります女性活躍社会のさらなる経済効果、ボトムアップ、このようなことも、お二方の御意見をいただければ幸いでございます。首都高実認(県立高等学校)御質問ありがとうございます。まず、女性の活躍をさらに求めていくときに、すごく重要なことは、私は男性の働き方の問題だとまず思っております。ですので、女性にさらに働いてもらいたいというときに、男性にどのような働き方をしてもらうのかということがまず問われていて、そちらの改革なくしては、女性だけにさらにもっと働いてもらおうとか、活躍してもらおうということは、非常に難しいのではないかということが、まず第一点です。もう一つは、私も今日述べたとおりなんですけれども、女性たちは、今現在も多くの仕事に就いて働いています。でも、女性たちが就いている職業の賃金水準は、かなり低くなっておりまして、特に非正規の7割は女性でありますし、女性たちが就いている職業の賃金というのは、男性が就いている職業よりもかなり低くなっていて、やはりそこを正当に評価していただくと。そのためには、先ほど大沢光司にもおっしゃっていましたけれども、例えば、同一価値労働、同一賃金によって、女性が就いている職業の価値を見直していくとか、そういったことによっての格差の是正がない限りは、より多く働こう、より活躍して働こうというふうに考える女性も、生まれてこないのではないかというふうに私は考えております。

41:56

大沢光司君。

41:58

大変重要な質問ありがとうございます。女性活躍の在り方について、いろいろと見解を持っておりますが、まず日本企業の実態を踏まえることが重要かと思います。2015年という段階で、ちょっと古くなりますけれども、リクルートワークス研究所が、5カ国管理職調査というのを行いまして、これは日本、アメリカ、それから中国、タイ、インド、シンガポールなど、の5カ国調査です。全国の平均無差別抽出の調査ではございませんから、限界はございますけれども、都会の大企業について、管理職について調べたものですが、日本の管理職のなんと96%は男性でございました。対するアメリカは60%以上、管理職の60%以上は女性。他の中国やタイやインド等でも、管理職の女性比率というのは、日本とは桁違いでございます。ですので、日本の企業の管理職の在り方というのは、異次元の状態にある、まさに異次元の状態にあるということを、御理解いただきたいと思います。年齢でも日本の管理職というのは、ほとんど40代の後半から50代に集中しておりますが、他の国では、なんと20代後半の管理職もおり、30代の管理職は例外ではないという中で、日本はこの状況。そこから10年たった時点で、同志社大学の川口明さんという経済学者が、また上場企業の調査をなさっておりますが、その10年間でほとんど女性の管理職は増えていない。わずかに増えた企業では何が特徴だったかというと、男性社員の育休取得率が高かった。それ以外にダイバーシティの取り組みとか、均等待遇の取り組みとかやっていても、それは統計的な相関は見られない。育休取得だけが相関があったということなんですね。このような調査結果を聞きますと、私は「取るだけ育休」という言葉を思い浮かべてしまうんですけれども、たとえ数日の育休であっても、育児やその他の家事を理由として男性が職場に不在になる、ということが組織風土を変えるということなのかなと理解いたします。逆に言い返せば、それほど日本の組織風土というのは変わりにくいものがある。ここに風穴を開けていくというのは、非常に重要な取り組みでございますけれども、女性活躍推進法というのは、その意味では大きな効果を発揮しております。つい先日にも、企業内の男女の賃金格差の見える化の結果が出まして、多くの人が驚いたと思いますけれども、そういう状況でございます。政府の取り組みは、そういう意味で効果を発揮しておりますので、一層進めていただければと思います。ありがとうございました。

45:02

加藤君。

45:03

お二人の貴重な御意見ありがとうございました。子ども未来戦略におきましては、今後OECDトップクラスのサービスを供給するというような体制を目標にしております。さらには、同一賃金、同一労働からの同一賃金の徹底ですとか、また男性育休の2030年までの85%出足率、これを目標にしていると言われておりますけれども、お二方の御意見を参考にしますと、ぜひともその2030年と言わず、一年でも早いその実施を、これは政府の方にも即していかなくちゃいけないなと思っております。いずれにしましても、これからのボトムアップの必要性というのを、お二人から貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。十分今後も参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

46:00

高木麻里さん。

46:19

はい。立憲民主社民の高木麻里と申します。本日は首相先生、大沢先生、貴重なお話をどうもありがとうございました。早速質問させていただきたいと思いますけれども、まず首相先生の方から伺いたいと思います。トラックドライバーの方のような、体育改善をしないと働き手が集まらない、こういった問題、他の職種にもあるということで、それぞれの職種を賃上げする方法、全体を賃上げしていくための手法なども、たくさんお知恵をいただきました。是非いろいろご提案いただいたことを事項に移せていけたらいいなというふうに思って伺いましたけれども、この近年の政策の中で、逆にこういったことができていないからというのもあるんですけれども、少し長めにスパンをとってお答えいただいてもいいんですが、こういった政策は逆に賃上げをしていかなきゃいけない中では、マイナスに働いているんじゃないか、よかれと思ってやっているかもしれないけど、これはマイナスだったんじゃないかなというふうに、ブレーキになっているんじゃないかといったような政策について、お話をいただければと思います。首都高実に。すいません。賃上げにとってマイナスになったのではないかという政策、ちょっとにわかにすぐ思いつかないんですけれども、近年、特に、例えば春党で見ますと、2014年から安倍政権のときからですね、春党の賃上げを呼びかけられまして、あれ以降ですね、やはり少しずつ賃上げの機運というのは高まってきていまして、かつ、正ロシ会議を含めてですね、開催されたりする中で、やはり、昨年もそうですけれども、賃上げが大手企業中心にはですね、着実に実行されてきていると見ています。そうですね、ちょっと、ご質問の回答にはなっていないんですけれども、特にこれがあったから賃金の足が引っ張られたというようなことは、ちょっとすぐには私の方で思いつかないです。すみません。

48:47

高木さん。

48:49

個別の政策ではということかなというふうに思いますけれども、先ほどの話を伺っていると、医療開户、障害なんかトリプル改定になりましたけれども、業種ごとに採点賃金を上げていくというような考え方でいくと、こういう法定価格的な保育とかもそうですけれども、もっと、ガッとできるんじゃないかなと思ったりするところもあるんですが、その辺の御感想はいかがでしょうか。首都高実認。特にですね、今、非常に長期のスパンで見ますと、やはり経済のサービス化が進んでいく中で、サービス産業で働く人がすごく増えていって、そのサービス産業の中でも、やはり公的サービスで働く割合というのは、社会の中で増えていくんですね。多分経済が成熟していく国どこもそうなんですけれども、この公的サービスで、医療、介護、保育等の分野ですけれども、こういう社会サービスを担う人たちの賃金水準がどれほどであるのかということが、国家全体の格差を縮小するか拡大するかを非常に大きく左右するという指摘は、ヨーロッパでもされています。同じように多くの国が、公的サービス部門の部分が大きくなってくるわけですけれども、ここの部分の賃金ですとか、ここの部分の雇用形態ですとか、いうようなところをどこまで底支えできるのかということが、社会的には格差の是正なかには非常に大きいですし、それが女性の労働の底上げにもつながってくる問題だと私は思っています。これはかなり公的にできる話ではありますので、その政府の政策によって変わってくる部分なんだろうというふうに考えています。

50:35

高木さん。

50:37

ありがとうございました。それでは次に大沢先生に伺いたいと思います。入り口のところでご紹介をいただいた中に、日本では所得再分配後の方が貧困率が高い、所得の再分配がかえって貧困を深めるというのは、ちょっと衝撃的な内容だったので、具体的にどのようなことが問題でそうなっているのか、ご説明いただければと思います。大沢光実に。はい、ご質問ありがとうございます。OECDはこれを分析して狐につままれちゃったんですよ。他の国には見られないことなのに、一体なぜなのか。しかしその先立ち入った分析はしてくれなかったんですね。ある程度立ち入った分析をしたのは、慶応大学の駒村光平さんたちのグループです。これは政府統計を使わず、慶応義塾大学で独自に作っている日本家計パネルというデータを使った分析によりますと、税はいくらか貧困率を低下させる。しかし社会保険料がかかったところで、貧困率が跳ね上がってしまうという結果が出ております。それで日本の社会保険料負担というのは、他の国でもそうなんですけれども、一般に社会保険料負担は逆進的です。社会保険料がかかる所得の上限キャップがございますので、そこを超える人の総収入に対する社会保険料負担は低くなるわけですね。右肩下がりになる。しかし所得分布の下の方を見ますと、下の方では今度は所得に関わりなく定額の負担というのが出てまいります。典型的なのが基礎年金、もう一つ国民健康保険、この中にも定額の部分がございますので、総収入に対する保険料負担の割合を見ると、非常に所得の低い層、具体的には年収200万ですね、名目で、そこのところで保険料負担率が上がってしまうという現象が日本ではございます。このことが、そして社会保険料負担というのは、税負担が上がらない中で、特に日本では個人所得課税と法人所得課税というのが90年代の始めをピークとして基本下がってきておりますが、その中で社会保険料負担だけはうなぎ上りに上がってきていると。このことが財政の所得再分配機能を著しく損なっているというふうに私は考えております。以上です。

53:16

高木さん。

53:18

ありがとうございました。私もお話を伺っていて、ボトムアップが成長戦略の要というのは本当にそうだと思って伺っていたんですけれども、まさにそこに社会保険料の負担の重さというのが重くのしかかっているんだということも大変参考になりました。ありがとうございます。次に伺いたいのが、民主主義にとってもこのボトムアップの成長戦略も必要だということで、本当にそうだと思って伺ったんですが、この所得の中央値も下がって、生活に苦しさを覚える人が増えている今の日本の経済の状況だと、自分は頑張っているから貧困にならないで済んでいるんだと思っている中、低所得層の方々は、自分よりより下の貧困層の方が支援や給付を受けることに、私は頑張っているのに、俺は頑張っているのにということで、嫌悪感を示す傾向というのは強くなっているように感じます。こうした背景が民主主義の中で、より格差をなくす政策を実行しにくくしているとも思うんですが、こういったことに対する打開策、妙案のようなものがあるか、伺いたいと思います。大沢光実人貴重なご質問ありがとうございます。自分は頑張って貧困から脱却をしていると思っている方々も、実は定義、統計から見れば貧困層に属している場合がございます。直近の貧困率は15.4%でございますので、6人に1人は貧困者ということですから、自分は貧困ではないと思っている方は、数字の上では貧困者というケースは多々あろうかと思います。同時に、日本では政府による所得債分配の貧困削減効果が非常に低い、マイナスの場合もあるという中で、現在貧困に陥っている人は、頑張っていないから貧困なのではなくて、政府の税や社会保障制度のせいで貧困に陥ってしまっているという、この事態をもっと広くマスメディアの方々も含めて検証しつつ、広げていただければいいのではないかと思います。同時に、給付について所得の制限をつけるという、選別的給付というふうに申しますが、これはやはり低所得層と中間層との間の溝を深くする政策でございますので、なるべく普遍的な政策をとると、かつて子ども手当は所得制限なしでばらまきというふうに言われましたけれども、この施策の貧困削減効果は大きかったというふうに私は考えております。以上でございます。

56:03

高木さん。

56:04

ありがとうございます。次に伺いたいのは、高齢女性の貧困率の高さの御指摘もありましたけれども、男女賃金格差の問題、あるいは女性の出産後に非正規が多い問題、あるいはシングルマザー家庭の貧困など、全てつながっているというふうに思うんですが、本人の希望の働き方という表現をすると、第三期保険者になって、不要の中で無理のない働き方をしたいという女性も多いわけですが、若い世代にも多いというふうに聞きます。しかし今後この国の人手不足などを考えていく際に、第三期保険者制度をどうするのかという問題も出てくるかと思います。望む働き方と、非正規と貧困に関わるこの第三期保険者という制度を、どのように考えていくのかということについて、大沢公衆議院の御意見を伺えればと思います。大沢公衆議院。これも大変貴重なご質問をありがとうございます。第三期保険者だけではなく配偶者控除のような制度も、女性に就業調整を誘導する制度ではないかというふうに考えております。ですから希望する働き方というふうに、挙針単位に打ってみたときに、その希望って歪められていませんか、制度によって、というのをやはり政治の側ではきちんと検証し、打解策を探っていただきたいというふうに思います。かつて私は厚生労働省の社会保障審議会、年金部会に所属をしたことがございます。2004年改革のときですけれども、そのときには現実に第三期保険者制度の廃止ということも選択肢に上りました。残念ながら経営側ではなく、労働側の委員もそこには反対なさいましたので、この選択肢は取られなかったという経緯はございました。しかし政治の側が、そして社会運動を行う人々が認識を深めれば、人間が作った制度ですから、人間が改めることができるというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

58:16

高木さん。

58:19

お二人から本当に貴重なご意見を伺うことができました。実行に移していけるように、努力をしてまいりたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

58:42

米藤 伊藤 高江さん。

58:46

首都先生、大沢先生、今日は本当に貴重なご意見をありがとうございました。早速質問の方に移らせていただきます。まず首都先生に少し具体的なところも含めてお伺いをできればと思っております。先ほどドライバーの賃上げということで、2024年問題に関しての言及もいただきました。長時間労働をして、残業代も含めて初めて平均というか、人並みの賃金を得られることができるという現状を、どう打開をしていくのかという大変根本的なというのか、大きな課題だと思っております。その中で首都先生の方からは、中小の事業者等を含めて、交渉力をどんなふうにして賃金に関する交渉力を上げていくのか、連携をしていく必要があるんじゃないかとか、また労働組合に関しても言及をいただいたところでもあります。この中で中小の事業者が荷主と価格交渉をしていくにあたり、具体的にどのような仕組みを作っていくために、国として政策面でどのような支えが必要なのか、というところについて改めて教えていただけますでしょうか。首都口実人貴重な御質問ありがとうございます。これはトラック業界だけに限らない話だとも思いますけれども、結局私は価格交渉を何が妨げているのかといったときに、一つは多層的な下請け構造というのがあると思っております。やはり多層的な下請け構造の中で、末端で働いている人たちは価格交渉は当然ほぼできていないというふうに思います。言われる価格で運ばざるを得ないというような実態があって、多層下請けの構造というのはトラックのみならず製造業や建設業やいろいろなところでありますので、やはりそこにメスを入れていくということは非常に重要だと思っています。もう一つは、これはちょっと難しいところではあるんですけれども、結局トラック運送業について言いますと、2024年問題で荷物が運べないかもしれないという懸念があるんですが、ただやはり荷物に対してまだ事業者が多すぎるという実態があるんだと思います。事業者が多すぎるゆえに、やはりより安い運賃で荷物を運ぼうという事業者が後を絶たないんだと思います。ドライバーの人手不足は深刻で、有効求人倍率は高いんですけれども、ドライバーは不足していますが、事業者が多いというちょっと矛盾したような実態が実は業界の中にはあるというふうに思っております。これはなぜ事業者が多すぎるのかというと、やはり規制緩和が1990年と2003年に行われていまして、参入規制がかなり緩和されたことによって非常に容易に入れるようになっていったということは一つあると思っています。事業者数がものすごく増えていきましたので、そこによってその結果やはり交渉力を持てなくなっていったというような実態があります。ですので、もし政策的に何をというようなことになると、やはり事業者数を適正規模にしていくということは、もちろん考えていただくといいかなというふうに思いますけれども、そのためにも、やはりあまりにも小規模な例催のところにおいては、労務管理とかがきちんとされていなかったりというような問題もありますので、例えば一定車両以上の事業者に限るとか、いろんなやり方はあり得るのではないかというふうに考えております。

1:02:18

伊藤さん。

1:02:20

ありがとうございます。今、物流関連の2法の改正という点についても検討をそれぞれしているところでもありますけれども、この法改正の中でも、例えば、元受けのトラック事業者に、下請け企業名や運送内容などを明記した管理簿の作成を義務づくりということでありますとか、荷主にも荷待ち時間の削減等を含めて、働き方賃金と合わせて、働き方をしっかりと守っていこうというような観点も打ち付けているわけですけれども、この法改正によって、物流王家の昇還収というのは、どの程度是正がされるというふうに見込まれているのかという点について教えていただけますでしょうか。首都高実に。はい、ご質問ありがとうございます。この法改正は非常に画期的だとまず思っております。従来、やはり呼びかけて協力を求めるということだけに留まっていた中では、本当にみんなそれはやらないといけないと分かっていたんですけれども、全然やらずに問題意識だけを持ちながらも行動に移せなかったものを、やはり行動に移すための一歩を踏み出すような規制力を持っていて、実際現場でそういった動きも見られますので、非常に画期的だと思っています。ただ、どこまでこれが実効性を持たせることができるのかというところです。結局、先ほど申し上げたとおり、事業者が多すぎて、ひしめき合って競争している中で、例えばパレットを使って荷物を運んでくださいと言っても、パレットも別にただで出回っているわけではありませんので、それにコストも当然かかってきます。そういうコストを担わないで、僕たちがやりますよという運送会社がたくさんある中では、やはりそれがなかなか変わるようなきっかけにならない可能性もあるかなというふうに思っていまして、大手企業ではかなり変わっていくかもしれませんけれども、中小の荷主運送会社のところでどこまで変わるかということは、ちょっと不透明だなというふうな印象を私は持っているところではあります。

1:04:25

伊藤さん。

1:04:27

もう一点、地方自治体による整備を国がどう支えていくのかという点で、御見解をお伺いできればと思っています。この働き方改革等の中で、例えばその輸送区間の中に中継地点を設けてドライバーを交代させる中継輸送の整備の重要性というのも、先生も文献等でも御主張していただいているところですけれども、これも実証実験からはドライバーの労働時間を大幅に減らすという効果も出ている。この物流の中間拠点の整備というのは、地域経済の振興や将来の地域の物流を守るという点では、自治体においても進めるインセンティブがある施策ではないかと思っています。また実際にトラック事業者の方にお伺いをすると、休憩場所を本当に確保してもらわなければ、そもそも時間を守ることができないんだというところの中で、国交省側では例えばサービスエリアだったり、パーキングの整備というのもあるかと思うんですけれども、物流拠点を特に誘致をするような自治体に関しては、そういう点も含めて検討いただかなければいけないんじゃないかということも感じています。これらに関して地方自治体にもしっかりと頑張っていただきたいというところの中で、国がどう支えていくべきなのかという点について、御見解をお伺いいたします。首都高実任ありがとうございます。この2024年物流問題って実は都市と地方の問題でもあるというふうに思っております。東京一極集中の中で地方から荷物を運ぶ方が当然コストは高くなります。高速代金だとその分かかります。その上で、地方よりももっと近いところでというふうになっていくと、どんどん地方の産業は衰退していくということになりますので、地方でどうやって物流を支えるかということを、やはり行政は真剣に考えていかないといけない問題だというふうに私は思っています。そのときに、やはり中継輸送の拠点づくりであるとか、ドライバーの休憩施設であるとか、さらにはシャワー施設であるとか、高速道路における駐車スペースの確保であるとか、そういったことを各地方自治体が整備をしていくことが物流の持続性を高めていくことは確実なんです。それを誰も整備をしないと、結局そこで運べなくなる。中継輸送ができなくなると長時間労働せざるを得なくなるというようなことになっていきますので、やはりそこの整備は国であるのか、各自治体であるのかというのはちょっと難しいところではありますけれども、全国にトラック協会もありますので、業界団体と含めて各地域で業界団体や自治体と協議が進んでいる場もありますので、そういったまず協議を始めるところから始めて何が必要なのかというところを明確にし、適切に国からも支援や補助をしていただきたいというふうに思っています。

1:07:17

伊藤さん。

1:07:19

ありがとうございました。次に大沢先生にお伺いをさせていただきたいと思います。まず一点、具体的な政策の中で、先生の方からも先ほど、住宅給付の導入という観点のお話がありました。貧困状態にある女性だったりシングルマザーであったり、また高齢者、特に単身の方を含めて、その支援を進めていく中で生活を安心して送っていただくことができるという点で、この住宅の給付というのは大変大きな観点だと思っております。例えば、公営住宅の空き室が高まる一方で、なかなか受給のミスマッチが起きているというようなことであったり、入居はできても施設の両給価や部屋数の少なさが課題になっているというところもあります。国が自治体による施設回収費の半額を補助するなどの対策を進めているけれども、なかなかそれだけではもちろん難しいという点があります。この住宅給付の導入というところで、先生が特に政策的にポイントを置かれる、必要だと思われる観点について、御教示いただければと思います。大沢光実人はい。住宅給付、一応現金給付を念頭に置いておりますが、OECD諸国見渡しますと、現金給付ではありながら、これは地方税負担と相際をするというようなやり方をとっている国もございます。御承知のように、地方税には累進性がほとんどないので、低所得層にとって重い税負担になっておりますから、そことの相際を考えるというのは一つの方法かと思います。今、議員公営住宅のこと、住宅ストックのことをおっしゃいました。これもヨーロッパ諸国では、社会住宅というような取り組みがありまして、それから公的な社会住宅と民間の賃貸住宅の在り方というのが連続をしております。これは建設や何かについて規制をした上で補助金を出すという取り組みがあるからで、日本では、こだてと賃貸というのは、いろいろクオリティの面でも格差がございますが、そういう格差が起こらないようにしている国もあるということでございます。いずれにしても、現金給付であっても、それから民間賃貸住宅に補助金を出して供給を促すということであっても、住宅の質の規制ということは絶対に欠かせませんので、現金給付を考える場合には、住宅の質の規制、家賃の規制ということをぜひ考えていただきたいと思います。以上でございます。

1:10:02

伊藤さん。

1:10:04

住宅給付という観点では、現物というのももちろん想定はするけれども、現金というものを中心に考えた方がいいというのが先生のお考えということでよろしいですか。大沢光実に。はい。OECD諸国での推定としては、現物給付を行っていた国が徐々に現金給付の方にシフトをするという傾向は見られております。以上です。

1:10:31

伊藤さん。

1:10:32

以上で終わります。大変ありがとうございました。すみません。

1:10:36

清水貴之君。

1:10:46

日本支の会の清水と申します。今日は大変貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。質問させていただきたいと思います。まずは大沢先生、よろしくお願いをいたします。このいただいた資料の4ページで、EUや国際機関の問題意識というテーマでお話をいただきまして、子どもへの投資というキーワードをいただいたというふうに思います。この子どもへの投資というのは、今この日本でも国を挙げて、また地方自治体を挙げて、一生懸命取り組んでいる課題かなというふうに思います。子どもへの投資は非常に幅広いので、いろいろなやり方があると思うんですけれども、今国もこれに力を入れているのは教育の無償化というところですね。ここもどんどん年齢を広げていって、これは払うお金、負担をなるべく減らしていこうという政策だと思います。もう一方、児童手当の話もありまして、これは手当ですから、家庭に入る、子どもたちのために使えるお金を給付するという、こういう政策だというふうに思います。そのほか、子どもへの投資といったら、いろいろ生活環境だったりとか、非常に厳しい子どもたちもいると思いますので、そういった子どもたちの住環境、生活環境、勉強の環境を整えてあげるという、こういった公の役割もあると思います。いろいろな政策がある中で、もちろんミックスしながら、さまざま手当をしていくんだと思いますけれども、どういったやり方が大変効率的だったりとか、国際的に見て、どういった手当をしたから、結果につながっているなと思われることがあるとか、そういった今までのケースなどを教えていただけたらというふうに思います。大沢光実人子どもへの投資の政策手段は、たったご指摘のようにあるわけでございますが、ヨーロッパ連合、そしてOECDで非常に重視をしているのが、就学前教育の普遍化ということでございます。つまり、ゼロ歳というのは、育児休業を親が取っているという場合もあるので、少なくとも1歳、2歳、3歳というところに、この子どもたちが、望めば誰でも幼児教育ケアに在籍することができるということが、これ資料にはございません、ということが非常に重視されておりまして、国別比較ができるような統計も取られております。日本でも、子どもを子育てて支援ということは、もう何十年の政策課題でございまして、保育所や、あるいは幼稚園に在籍する児童の割合というのは、少しずつ高まってはおりまして、今の政府のそれをプッシュする政策というのも、今までにはない力が入っていることを感じるところでございます。この就学前教育が重視されるというのは、別にいわゆる英才教育ではなく、なるべく普遍的な、つまり地域の子どもが所得階層や出身階層問わずに、在籍してくるような施設の方がむしろ重要だというふうになってまして、それは2歳や3歳から世の中には多様な人がいると、多様なバックグラウンドの人がいるということを実感をしていくことが、子どもの非認知能力を高める、これは将来学校に行き、あるいは成人していく中でその人の人間力、幅を広げるということが重視をされており、なおかつ出身階層によって学業達成であるとか職業達成に差が出る、そういう格差をなるべく早いうちに是正をしようという政策の下で行われております。日本の問題と私が思いますのは、就学前教育の在籍率徐々に上がってまいりましたけれども、教育的要素が低いんですね。これはユネスコとOECD協力しまして、保育園や幼稚園について教育的な施設、サービスであるかどうかというのは認定しておりますが、日本は2歳児に関して言うと、認定されていない施設に在籍している児童の比率が一番高いんです。つまり日本の就学前教育は教育と言いつつ、教育的要素が非常に低いというところに問題がございます。もう一つが、幼稚園や保育所の保育士共有の年齢分布です。これもOECDがエデュケーションアウターグランスってすぐ誰でも見れる冊子がございますけれども、特筆しているんですね。日本の就学前教育ケアのスタッフの年齢が49%が30歳未満である。50歳以上はほとんど見ることができない。つまり、幼稚園や保育園というのは保育士さん共有が経験を積んで、いずれはそれに伴って給料が上がるということを考えますと、給与が、待遇が高くなっていく前にやめてしまわざるを得ないような処遇になっていないかどうか、いうことを非常に考えさせられております。以上でございます。

1:16:00

西梨園君。

1:16:01

ありがとうございます。大変地元の保育園や幼稚園を見ていてもおっしゃっていることを、そうだなと思いながら、今聞かせていただきました。もう一点、これは8ページなんですが、年齢別の日本の18歳から25歳の若年層の貧困率が相対的に高いというお話をいただきました。この世代18から25というと、もちろん働いている人もいるでしょうけれども、そうじゃなくて学生でというアルバイトをしながらとか、そういった子どもたちも、子どもといいですかね、年齢も多いかなというふうに思うんですが、当然なりますと、やはり親から連動してきている部分も大きいのかな、親の収入、生活スタイル、生活レベルがそのまま子に連動しているところも多いのかなというふうにも読み取れるかなと思ったんですが、そのあたりについてはこの数字というのはいかがでしょうか。大沢光実人。大変鋭い御指摘、ありがとうございます。所得のデータ、所得支出のデータというのは世帯単位で取られますので、それを一人あたりに慣らすとは言っても、同じ世帯であれば同じ所得というふうに見なされるわけですから、若者の貧困というのはその若者の親世代の貧困でもあるというふうに考えたほうがよろしいかと思います。かつて日本では高齢者の貧困は非常に深刻でしたけれども、子どもや若者の貧困率は抑えられておりました。それがこの30年くらいで若者の貧困率というのが非常に高くなってしまった。その中には働いて自立をしている人もいますけれども、御指摘のように大学生であって親の世帯に住んでいる、あるいは仕送りを受けていれば同じ世帯というふうに見なされますので、その親の所得というのは劣化をした結果として若者の貧困にも結びついている。この頃は自宅からの通学でないと大学には入れないというような大学生も珍しくはなく、大変長距離の通学を強いられている場面もあるようでございます。そういった事態でございます。ありがとうございました。

1:18:13

西水君

1:18:14

ありがとうございました。続いて首都先生お願いいたします。トラックの物流問題で、私は今兵庫県の天ヶ崎というところで活動しておりまして、非常に工場地帯で大きな物流センターも数多くありまして、それに伴って運送会社さんも非常に多いということで、お話をいろいろ聞かせていただいてまして、最初に言われました、どう対処していくかというところで、本当に荷物を諦めるか、もしくはルールを無視しながらでもやっていくしかないかと。こういったことを言われる経営者の方、本当にたくさんいらっしゃいます。ではどうしたらいいのかというところで、先ほど伊藤先生からもあったんですが、まず荷主さんと交渉する中で、聞いていますと荷主が大手の例えば○○電機さんとか、大手の日本を代表するような企業だと比較的納得してくれてということなんですが、やはり相手が中小企業とか、どこも苦しいわけですね。そうするとなかなかこういう運送料の値上げにつながっていかないという話もいただいています。あともう一点、ドライバーさんの引き留め策についてまずちょっとお伺いしたいんですけれども、お話を聞いていますと、ドライバーさんというのはトラック業界は一角的に給料が、働いたら働いた分だけ返ってくると。だから若いときに一生懸命頑張ってみたいなドライバーもたくさんいるんだと。もちろんドライバーの健康状態って大変大事だからこういった今度の対策が取られるわけですが、ただ一方で現実的には時間いっぱい働いてでも稼ぎたいというドライバーさんがいて、そういった人は今後逃げていく可能性が多いと。そしたらうちと会社としてはどうしていいか分からないというような声も聞くんですね。これがやはり現実的な声かなというふうに思いますね。だから賃金は保たれてもしくは上がって、労働時間が減っていけばいいんですが、なかなかすぐには難しいかなと思うんです。この辺りをまず近い、すぐ先のですね、来月からの話ですから、どう対処していくかというふうに本当に皆さん困ってらっしゃるなというのを感じるんですが、この辺りについての御意見などありましたらお願いいたします。首都高実認。はい、もう来月からの話なんですけれども、まず、あの、路基法改正の適用はこの業界は5年間猶予されてきて、5年の猶予があったはずの話なんですね。それが単純に来月から始まるので今はどうしようって言われてもですね、じゃあ5年間何やってたんですかということは問うべきじゃないかなというふうに私は思ってます。で、あの、もっと働きたいというドライバーがいることは確かです。あのアンケート調査等を見てもですね、そういうドライバーがいることもわかっています。で、ただじゃあほとんどのドライバーがそう考えているかというと、トラック協会のアンケート調査などを言ってもですね、働きたい、もっと働きたいというドライバーとやっぱりちゃんと家に帰りたいという声もですね、同じぐらいいることも事実なんです。で、あのトラックドライバーの労災件数というのは、あの、の心臓疾患の労災の3分の1を占めていて、突出しておいいというような実態があります。やはりこれはですね、健康確保の面で労働時間の短縮、私やむを得ないというふうに思っています。で、結局ドライバーがすごく働き者で働きたいと言っているわけじゃなくて、稼ぎたいと言っているわけですから、やはり賃金を上げていくということが重要で、そのためにはやっぱり運賃を上げていかないといけないと。で、あの中小の荷主さんはですね、当然その価格を上げてくれと言われても難しいというのはあるわけですけれども、その中小の荷主さんにそのコストアップをですね、飲んでくれとお願いしているわけではなくて、中小の荷主さんもさらにそれを価格転換をしていって、最終的には社会全体で消費者みんなでその価格を負担していくというような社会を作っていかないといけないと。そういったそのマクロな視点というのはやっぱり政治の力でですね、ぜひ進めていただきたいというふうに思っているところではあります。

1:22:12

清水君。

1:22:13

時間です。今最後おっしゃった、本当にそうだなと思っていまして、物流がこれ、この結果停滞してしまったら今本当に日本ってこれだけですね、ものがやっぱりいろいろ動き、コロナもね明けて動き始めていますので、経済全体が停滞してしまうと思うんですよ。だから社会全体というのは大事だと思うんですが、改めてその辺、もし最後コメントいただけましたら。首都高実認。はい、なので、社会全体で負担していく仕組みとして、例えばその運賃の最低額を定めたらどうかというようなことも今日提案させていただきましたけれども、やはり各子者レベルのですね、やはり競争によっての交渉形態だけですとなかなか難しいという実態がありますので、何らかの規制ですとかですね、制約等のかけていきながら社会で負担していくような仕組みを作ってほしいというふうに考えています。以上です。ありがとうございました。

1:23:07

国民民主党新緑風会、伊藤孝恵さん。

1:23:14

はい、高述任の双方、今日は本当にありがとうございました。まず冒頭、首都先生に価格転嫁の課題についてお伺いしたいというふうに思います。今ですね、昨年の9月になりますけれども、価格交渉や転嫁というのがちゃんとできているのかというフォローアップ調査を今手元に持っております。3.6万社に対してしっかりと自分の発注側の事業者との間の価格交渉転嫁の状況を問うアンケートでございます。3.6万社中、しっかりと価格交渉と転嫁を行った会社、驚きました。たった5社でした。こういった5社、こういう本田技研、スバル、Jテクト、日立県機、北海道電力、ちゃんとやった会社をちゃんと公表したらいいと思うんですけれども、3.6万社中、たった5社しかしっかりと取り組んでいないという状況の中、なかなか本当に価格転嫁が難しいんだなという思う問題をですね、私この地元で卸売市場の皆さんがですね、今まで買って、これじゃあ店に届けといてとか言われてですね、自分で届けたり、そして今なかなか人不足ですから、運送業の方々にお願いしたりするんですが、自分たちも厳しい、燃油価格も上がって、ガソリン代も全部上がって苦しいんだけども、運送の皆さんももっと苦しいので、上げてくれと言われる。でもそれを包含することができないという中で、どこも苦しくなっちゃっているんです。その卸売市場の皆さん、やっぱり運送費というのは焦点負担なので、こういった根強い召喚集の中で、なかなか運送費を転嫁できない。誰も転嫁できない、誰も幸せになっていない。じゃあやっぱり発注者の大きな会社の皆さんが、それに一番取り組まなきゃいけないのに、3.6万社中5社という状況。こういうところのディフレスパイロが起こっている。このどこからやっぱり直していけばいいのか、これを止めていけばいいのか、ご所見お願いいたします。首都工事通信はい、価格転嫁をどう進めていったらいいのかということで、例えばトラックの協会について言いますと、今回、今の国会で法制化を進めていただいています召喚校の変更等について、法的な規制がかかっていくことが予定されていまして、こういった召喚校をなかなか、市場競争だけでやっていても、本当になかなか変わらないというようなことがありますので、何らかの私は規制的措置等が非常に短期的にはすごく有効だと思います。それによるもちろん弊害もあるかもしれませんけれども、そのときまたそれを見直すということは必要になってくるかと思いますけれども、私はそういったものに取り組むということが重要なんだと思っているんですね。というのは結局、ミクロな、例えば荷主業者と運送会社との取引だけで考えてみますと、価格転嫁しない方が有利だったりするわけですね。結局、しない方が自分の運送も使っていただけるというようなことで、転嫁しようとすると断られちゃうかもしれないというふうになります。召喚校でもパレットを使うにしてもそうですけれども、何でもお金がかかってきますので、しない方が有利だと。でもそれをみんながしないと、結局マクロ全体で見ると物流が持続しないとか、ドライバーが流出しちゃうというようなことになって、物流が持続しないとなりますので、これ、経済学で合成の語尾というふうに言いますけれども、ミクロで合理的でもマクロで不合理なことというのは、往々にして起こると思うんですね。そこをやはり規制かけていくのは、私は政治の役割なんだというふうに思ってまして、これも、なので政治の力が必要な話なのではないかというふうに考えています。

1:27:10

伊藤さん。

1:27:12

続いても規制的措置の話になるかもしれませんけど、今度ですね、土地価格調査士の方々と先週お話をしたら、驚いたんですけど、そういう方々って、価格がそもそも決まっているのかなと思ったら、報酬報酬というのはないそうです。まさに自由競争の中でお仕事をされている。でもなかなか今はね、お家建てる方も少ないですし、それを登記するというのもなかなか少ない中で、国会の議論を聞いていると、大企業とか中小企業の賃上げのことばっかり皆さんおっしゃっているけど、自分たちのような個人事業主の賃上げというのの具体策というのが、なかなか国会の場で話し合われていないんじゃないかとおっしゃるんですね。先ほど首都先生、その労働法制に言及をされておりました、その具体について、どういうものが必要かについて、ご所見伺います。首都口実に。はい。今、ヨーロッパでもそうですけれども、やはり従来は雇用されて働いていたような職業ですとか、産業においてですね、個人事業主として働く割合というものがすごく増えてきています。これはやはりIT技術の発達によって、マッチングがすごく簡単になっていったというような背景があるというふうに考えています。その中で、やはり個人事業主として働く方が、それを使う側にしてみるとですね、雇用するよりも安くて便利とかですね、リスクを回避できるとか、コストを負担しないで済むというようなことが優先されていきますと、雇用されて働くようなものがどんどん侵食されていくというような事態が起きていくんだと思っています。今、厚生労働省の中でも、老期法の研究会、私も参加しているんですけれども、中でも個人事業主の労働者法をどういうふうに拡充していくのかという話を今しているところではありますけれども、まずはですね、例えば、労災の保険とかですね、働く者にとってどんな労働者であっても、やっぱり労災というのはすごく大きな問題ですので、労災保険も今、雇用されて働く者だけに適用されていますけれども、これを今、フリーランスは任意管理が認められていますが、これをより幅広く認めていくことによってですね、労災保険の保険料の支払いなんかも、個人事業主を使っているような事業者にも負担を求めていくというような形にしながら、やはりあまりにも雇用と個人事業主で、ここの落差が大きすぎるということが、私は非常に大きな問題だと思っていますので、ここをできるだけ小さくしていくということがですね、求められているのではないかなというふうに思っています。

1:29:43

伊藤さん。

1:29:44

はい、こういった専門性を持った方々がね、社会の維持に必要な方々が働き続けられるという環境を作っていきたいというふうに思います。続きまして、大沢先生にお伺いしたいというふうに思います。先生の話を伺っていて、本当にこの国に女性として生まれる、男とか女とかいう時代じゃないですけれども、生まれ性、女性として生まれるということは、貧困と隣り合わせなんだなというふうにしみじみ感じましたし、これ、つまり政治がつくった和立ちなんだというふうに思います。大沢先生よくおっしゃっておりますけれども、やはりジェンダー化された事情では、この社会が維持できないんだということをよくおっしゃいます。まさにこの女性に家の中の家事も育児も介護も任せて、この家庭内福祉を完結させることで、この事情が最高に効いている状態なので、それが享受や控除にしみれない、つまり国の福祉良さも使わなくて済むから、これが政治の側として便利だから、それが法制化され、制度として再生産され、固定化されていった。そんな中で、今度は女性に働けや、女性に埋めや、そんなことを言ったって、少子化というのは、我が国最大の病と皆さんおっしゃいますけれども、もっと大きなこの国には病があって、その病の副作用として、この合併症として少子化があるんだというふうに常々思います。そんな中で先生がおっしゃった、その高齢女性の貧困という問題、触れられた安部彩也先生の統計、私も拝見しました。65歳以上の一人暮らしの女性の相対的貧困率44.1%に上ること、またこれらが40年には高齢単身女性は、およそ540万人に達すると推計されること。私まさに就職氷河期98年に社会に出ましたので、この世代が65歳70歳になったとき、我々は好んでではなくて非正規雇用という、そういう働き方を選んだ人も多かったし、そして育児や介護で一旦離れると戻る場所はなかったし、結婚はして離婚はしても、養育費や新型のことはみんな一生懸命語るんですけど、離婚分割のことまで知識としてなかったり、その様々な課題があって、この高齢女性の貧困というところはあります。しかし私も国会で質疑したんですけども、この人たち70歳から急に、このワニの口のように貧困率上がるんですけども、その人たちが1号だったのか2号だったのか3号だったのか、それすら国は把握もしていないし、分析もしていません。そんな中で不合理な状況、例えば公営住宅の60歳入居要件ですとか、身元保証人の問題ですとか、こういった単身孤立女性の実態調査、それからリスキリング、リカレント等の45歳未満要件とか、いろいろあるわけですね。年金の最低保証というのは、もちろん必要だと思いますけど、そこに至るまでに、まずどんな調査をし、どんな課題を解決し、それらを精度化していく、そういう優先順位というのがもしあれば教えてください。大沢光術人。まさに御指摘のように、就業履歴、もっといえば生まれてからの様々な格差というのが積もり積もって、高齢女性の貧困問題というふうになってまいります。ただ私は年金額に最低保証というのは、非常に重要なことだと思っておりまして、それを入れている国はスウェーデンとイタリアだと思うんですけれども、特にスウェーデンですね。税財源によって年金額が公的不上水準に満たない場合には、税財源から補填をすると。自分の納めた賭け金が反映した年金額で、別に貧困に陥っていない人に対しては、そこまで税を投入する必要はないだろうということも考えられているわけですから、今日本では、基礎年金の給付費の半額は国庫負担になっておりまして、かなり有利な就業人生を送って、年金も豊かな人でも半額は国庫負担ということになっている。これ自体がいいことかどうかも議論される必要があり、もし税財源を低所得層に集中するならば、逆に言うとですね、高齢者で生活保護を申請しなければならない人はいなくなるわけですから、そういった特質も考えて、ぜひシームレスな支援というのを考えていただきたいと思います。公的扶助、生活保護を受けるとなりますと、やっぱりいろいろな段差がございまして、申請をためらってしまう人も少なくないわけですので、その辺りをお考えいただければというふうに思います。そもそも日本の年金額がですね、OECD基準に比べて十分なのかという問題はもう一つございます。それで夫が70過ぎても80なっても働き続けているというようなことが、つまり勤労所得があることが前提での年金額の設計になってはしないか、ということも問われる必要はあろうかと思います。以上2点でございます。ありがとうございました。

1:34:52

伊藤さん。

1:34:53

はい、ありがとうございました。まさにスウェーデンというと、特格子供子育てとか家庭における子供子育てにおける、この国におけるGDP比みたいなところにずっとみんな集中してしまうんですけれども、こういった子供のみならず高齢者というところの支援にも、このスウェーデン並というような、そういった支援をしていく必要がある、政策をつくっていく必要があることを学びをいただきました。今日は本当にありがとうございました。

1:35:33

岩渕智さん。

1:35:35

日本共産党の岩渕智です。首都公実人、大沢公実人、本日はありがとうございます。まずはお2人にお伺いをしたいんですけれども、先ほども議論がありました、日経平均株価が市場最高値を更新したわけですけれども、実質賃金が連続して前年同月を下回るもとで、世論調査でも8割の方が景気がよくなった実感がないというふうに回答をしています。中小企業への支援をやはり強めて、物価高を上回る大幅な賃上げが必要だというふうに考えています。日本が賃金が上がらない国になったその原因に、低賃金で不安定な非正規雇用で働く人を労働者の4割にまで広げてきたということがあると思うんですね。今や公務職場でも会計年度任用職員など、非正規雇用が増えていますけれども、非正規雇用に不当な雇い止めであるとか、差別をなくすこと、先ほど大沢公実人から同一価値労働、同一賃金の話もありましたけれども、こうしたことを実現していくことだったり、国や自治体が非正規公務員の時給を引き上げるとか、非正規ワーカーの大群を改善をしていくということが必要だと思うんですけれども、お2人の御意見を伺えればと思います。首都公実人。日本で賃金が下がってきた、上がらなくなった理由としましては、当然、非正規で働く人たちが増大しているということは、非常に大きな要素としてあります。ただ、非正規で働く人の増大というのは、日本のみならず世界的にも見られていて、その中でも賃金が上がっている国もあります。結局、非正規で働いている人たちが増大していっても、例えば、再賃が上がっていくとか、非正規の働いている人たちの格差の是正に取り組んでいるというようなことをやっていくことによって、賃金を上げていくしかないんだと私は思っています。物価を上回る賃上げが必要というのは、まさに本当にその通りでして、そのためにはやはり、賃上げの中でも、今、大幅賃上げというふうにいろいろ報道されていますけれども、特に重要なのはやはり、ベアだと思っています。賃金の改定分がどれくらいあるのかと。定期消費運で上がっていても、実質賃金分というのはプラスにならない可能性がありますので、ベアでどこまで上がっているのかということに注視すべきだというふうに思っています。私も今日の最後に述べさせていただきましたけれども、国や地方行政における待遇改善というものは、特に地方においての賃金水準の向上には、非常に効果的だと思っておりますので、ぜひ進めていただきたいというふうに考えている次第です。大坂御従事人。その成り行きから言うと、私は会計年度、任用職員のことを言わなきゃいけないのかなという気はするんですけれども、関西ワーキングプアと、関と民の関ですね、ということで指摘をされて長くなっているわけですし、それが故に、物件費ではなくて人件費になったところが、会計年度、任用職員というのは、わずかな改善点なのかなというふうに思いますけれども、雇い止め問題等、解決の兆しを見せておりません。やはりですね、国はもちろんですし、自治体ももっと賃上げができると、みんなが豊かさを実感できる社会になろうよということを呼びかけるのであれば、まずお膝元の非正規の公務員、会計年度、任用職員の待遇をいかにしてあげていくかということを真剣に考えるべきだというふうに思います。ついでに言うとですね、自治体の非正規の職員、どんどんどんどん比率増えておりますけど、約75%、4人に3人は女性なんですね。これは男女賃金格差というか、男女格差の問題でもあります。そういう人たちはどういう職種に就いているかというと、人のケアをする仕事、相談の窓口であるとか、それから保育所でもそうですし、看護師さんなんかも非正規化されているという部分はある。こういうことが進んでいきますと何が起こるかというのは、みんな災害が起こったときに、はっとするわけですよね。ケアが必要な避難者、被災者がたくさんいるときに、それをケアをする人手がないということに、そのときはっと気がつくわけですが、この問題も既に中越地震のあたりから指摘をされていますので、人は削ればいいという態度は、もう真っ先に改めていただきたいというふうに思っております。以上です。

1:40:40

岩渕智子さん。

1:40:41

ありがとうございます。今、大沢康二臣がお話しされたことが、まさにのど半島地震でも問題になっているなというふうにも思います。今、お話があった男女の賃金格差ということについても、お二人にちょっとお伺いをしたいんですけれども、非正規で働く7割は女性だと、そうしたことが男女の賃金格差にもつながっています。そして総合職と一般職といった、コース別人事ですよね、が賃金格差を固定化する間接差別にもなっています。その大元に女性は家計補助的な働き方でいいであるとか、総合職は残業も単身赴任もこなすのは当たり前だから、女性は難しいといった性別役割分担の考えがあるんだと思います。国連の女性差別撤廃委員会が、雇用における間接差別の認識不足が、日本政府にあるんだということを、繰り返し指摘をしているもとで、間接差別をなくしていくということを、政治の課題にするべきだというふうに思うんですけれども、お二人のお考えをお聞かせください。

1:42:01

首都高術委員

1:42:04

男女間の賃金格差、日本はすごく大きいわけですけれども、例えば人的資本の情報開示が始まって、各企業が企業内の賃金格差を開示しています。そこの中で説明を見てみますと、皆さんどこも管理職に女性が少ないためとか、こういった職業に女性が少ないため、この賃金格差がありますということで、現状では格差にある程度合理的な理由があるというふうなことが、示されているんだと思います。私は問題なのは、この合理的な理由が含んでいる不合理性を、やはり指摘していくことだし、明らかにしていき、そこの不合理性を縮小していくことなんだと思っています。その話は多分間接差別の話と全く同じ話でして、一見合理的に見える理由で、そこで管理職に女性が少ないため、この賃金格差があるといったときに、なぜ管理職に女性が少ないのかというところを、やはり考えていき、そこを是正させていくというような取り組みが、求められているんだろうというふうに考えています。

1:43:15

大沢光実議員

1:43:17

間接差別を解消する方法としては、繰り返しになりますが、同一価値労働、同一賃金、価値が入っているところが大事なのです。政府の方の御発言や政府の文書、往々にして価値が抜けておりまして、その価値はいかがなものかというふうに私はいつも思っているのですが、同一労働、同一賃金と、価値労働、同一賃金というのは、言葉は似ていますが、かなり日本では違った実態がございます。というのは、さっき4要素で盛って、採点をして、それを加点としてというふうに申しましたけれども、同一労働、同一賃金の場合には、この4要素が揃っていない場合もございますし、なぜか、何とか係数というのをかけて0.8にしてしまうという、要するに同一賃金じゃないということを正当化するような仕組みになっていて、そのところが問題ですので、繰り返しになりますが、SDGの8.5が加盟国に要求しているのは、同一価値労働、同一賃金の原則ですので、ぜひこれを実施をしていっていただきたいというふうに思っております。管理職の女性割合の低さということについては、先ほども答弁の中で申したとおりですけれども、こういう図がパッと浮かんだんですよね。私、リクルートワークス研究所の報告書とか、それ以外の研究論文なんか読んでいる。その中に、総進のはしごというのがあるとすると、それはかなり日本では長いはしごになっているんだけど、そこには延々と掃除系の男性たちが連なっていると。このはしごに足をかけようとすると、女性は自分の働き方も生き方も男性に合わせるというようなことを往々にして強いられる。これが日本の企業における多様性のなさ、それをひいてはイノベーションが不活発であること、経済成長力がそがれていることにつながっているというのを、もう一度認識し直していただければと思っているところでございます。以上です。

1:45:30

岩渕さん。

1:45:31

ありがとうございます。続けてお二方にお伺いをするんですけれども、冒頭、首都口実人からも、選択的夫婦別姓のお話がありました。先日3月8日は国際女性デーということで、国会内でも様々な催しがあったんですけれども、経済団体が主催をする、選択的夫婦別姓の制度の導入を求める集会が行われたり、総理への要請なんかも行われました。世論調査でも7割以上が導入に賛成をしていると、圧倒的多数の声になっているわけですね。性を変えているのはほぼ女性だと。契約書にサインできないといった、仕事や社会生活での様々な不利益があって、個人の尊厳を脅かすということで、制度を導入しないことが、あらゆる分野での損失になっていると思います。すぐにでも導入をする必要があるというふうに思うんですけれども、口実人の御意見をお聞かせください。首都口実人。はい。選択的夫婦別姓は、私自身もですね、個人的な経験から非常に切実に願っていることです。私自身今は通商仕様で旧姓を使用しておりますけれども、様々な不利益不便を感じています。特にですね、やはり最も困っているのは、海外でですね、例えば国際学会に参加をするときに、学会のエントリーは自分の名前でやりたいです、当然。自分の名前で発表します。でもそうすると、今パッケージになってまして、エントリーするとその学会会場のですね、ホテルをそのまま予約をするような形になります。それで予約をして、うっかりそれで行ってしまったらですね、ホテルのフロントでパスポートを見せてくださいと、名前が違うじゃないかと、あなたは泊まれませんみたいな話になります。で、それをまた別で取るとですね、高くなったりしてですね、もう実質的なコストも払わなくちゃいけないと。もう本当に不便を感じて、日々生きて、苛立ちを持って過ごしているというのが実態で、私、今日自民党の推薦でここに来ていて、本当に申し訳ないんですけど、本当に強くお願いしたいと思っております。

1:47:51

大沢公実人、時間が来ております。簡潔にお願いします。はい、私は結婚したことがないので、首都さんのような苦労は知らないで生きておりますけれども、日本の社会政策の流れを思い返しますと、例えば、保育所の制度の改革、あるいは介護保険制度の導入、こういう時に政府は何を言ってきたか、選択できるようにすると。選択できることは、いいことであると。しかしその選択の結果は選んだ人が引き受けるんですよと。選択と自己責任というのが、過去少なくとも30年くらいの政策の流れだったと思います。選択的夫婦別姓で別姓を選択した方々は、それはそれで不都合やご苦労もあるかもしれないけれども、それは自分で引き受ける覚悟をなさって選ばれるのであろうから、なぜそれに反対する人がいるのかということは、私には理解しがたいと申し上げて、お答えにさせていただきます。ありがとうございました。以上で終わります。

1:49:02

大島九州君。

1:49:08

首都公衆議院大沢公衆議院、本日ありがとうございます。令和新選組大島九州でございます。まず最初に首都公衆議院に2点お伺いをいたします。2024年問題を乗り切るための対策として、令和新選組では高速道路の無償化とともに、公共交通の拡充、鉄道、新幹線の効率的な利用での物流の多様化ということを、物流の効率化を進める上で有効な政策というふうに言っておりますけれども、その御意見を1つお伺いしたいというのと、あとテレビなんかでも送料無料というふうになるので、国民の皆さんは、なんかただなんだと輸送コストの意識が非常に低いんじゃないかというふうに思っておりまして、こういった部分、送料無料というような言い方じゃなくて、送料は当社が負担してというような言い方に変えてもらうと、国民の意識も変わるんじゃないかと、この2点お願いします。首都公衆議院。ありがとうございます。高速道路の無償化というのは、運送会社の皆さんも非常に強く要望されていることであり、確かにそれによって是正される部分はあると思うんですけれども、本来、高速代金を支払うべきは荷主であって、その荷主が支払っていないというのが実態だというふうに私は認識をしています。ですので、高速代金を無償化することによって、誰が喜ぶのかというようなところもやっぱり考えないといけなくて、きちんと本来は支払うべきものは支払っていただくことが筋だというふうには思っています。新幹線の効果的な利用等もモーダルシフトの中ですごく重要なんですけれども、政府はモーダルシフトで鉄道等の輸送を2倍に増やすというふうにおっしゃっていますけれども、現実的にはかなり難しい限界があるかなというふうには思っています。今、貨物なんかでもほとんど満載の状態で深夜日なんか走っていますので、もう空いていない中でどうやって増やしていくのかというようなところはちょっと見えないところであります。送料無料につきましては、私は非常に問題が大きいと思っています。それはドライバーの労働が軽視されるといったような問題のみならず、結局送料がわかることによって、消費者が経済合理的な行動を取ることによって、物流の負荷の軽減に貢献できるということがあります。例えば、今日本を買って、明日ズボンを買ってというような形で、毎日こうやって買い物をするのではなくて、送料が例えば1回に500円かかっていると、するならばまとめて買おうといって、1回の配送で済ますよというような行動につながると思うんですね。そういう意味でも送料が見えるようにしていくということは、すごく重要な施策だと私は思っています。

1:51:55

大島君

1:51:57

そうですね。やはりアマゾンなんかで、買いに行ったら送料無料というふうになっていますけど、どれだけ買うと送料無料だとまとめて買いますもんね。そういった部分は、ぜひやるべきだなというふうに思います。次に、大阪公術人に格差の問題。私自身思っているのは、30年前は一力総中流だというふうに言われたのが、今は格差社会と言われている。この格差社会の大きな原因が消費税にあるんだというふうに自分自身は考えるんですね。それは何でかというと、生活保護自給者、年金自給者、子どもからも取って、それがどこに還元されるか。それが輸出戻し税だとか、そういう法人税の方に還元されているという、そういった部分で株価は上がるけれども賃金は上がらない。そして消費は増えないというような循環になる。消費税というのは貧困の格差を拡大する装置になっているという認識を持っているのですが、その件について御意見いただければと思います。大阪公術人。鋭い問題意識からの御質問ありがとうございます。私は格差、貧困の消費税は少なくとも一つの要因ではあると思います。と申しますのは、御承知のように低収入の人ほど、収入に占める消費税負担というのは重いという逆進性があるわけでございますから、このことの対応をしないまま、軽減税率導入されておりますけれども、消費税率を上げてきたということは反省材料の一つかなというふうに思います。さは去りながら、日本の歳入構造を見てみますと、やはり一番逆進的で一番負担が重いのは、社会保険料なんですね。例えば、スウェーデンの話いたしました。スウェーデンは、疾病保険は事実上国民会保険サービスですので、個人の負担はございません。年金については、個人の年金保険料負担ありますけれども、後から税額控除で戻ってくるので、実際働いている個人には、社会保険料の負担はほとんどないというのがスウェーデンの在り方です。その代わりといってはなんですけれども、かなりの所得税を払っていると。この所得税の構造にはあまり類似性がないというようなのが、スウェーデンの特徴になっております。これらの国で、消費税率最低15%がEU諸国の決まりでございますし、スウェーデンだと軽減税率ありますが、25%の付加価値税率になっております。しかしながら貧困率というのは、日本の半分か3分の1なんですよね。ですから消費税率が高いからといって、貧困や格差が広がるわけではないと。そうは言いつつ、低所得層への保障は必要だと。それは税法の専門家がおっしゃるのが、やはり給付付税額控除が1つです。社会保険料負担に関しても、今は所得控除でございますけれども、それを税額控除に移すだけで、相当税制としての累進性は高めることができるというあたりにも留意いただきたいというふうに思っております。以上です。

1:55:31

大島君。

1:55:32

大島根次君。

1:55:35

国が調整して、それをどこに分配するかと。だからこれは消費税が社会保障とかそういう形に全部回っていくような仕組みだったら、極端な話が年収200万の人が20万払って、社会保障が全部受けられるというような形であると、格差はさえままっていくんじゃないかと思うんですね。だから私の思いは、消費税の還元される先、ここが問題なんだと。だから消費税というのは、どうしてもイメージ的に社会保障というよりは、私が思うのは大企業の輸出戻し税であったりとか、そういったところに行ってしまうイメージが非常に強いんですよね。だからこれを1回廃止して、それこそ社会福祉税だとかいう形で、間違いなくそれが今おっしゃる社会保障に還元されるんだという仕組みであれば、これが15%、20%になっていっても、国民はウェルカムだと思うんですね。でも今15%にしろと言っているのは経団連なんですよね。経団連が15%にしろという、そのあなたの心は何なのかという話なんですよ。これ国民が15%にしろよというように仮に発信するとするならば、それが自分たちに返ってくるから国民が言う。ところが経団連が15%にしろということは、大企業に返ってくるんだなという、こういうことだというふうに私は認識している。だからまさにその政府が調整した部分をどこに配分していくかということが大きな問題であるというふうな認識なんですが、ちょっと御意見いかができますか。

1:57:23

大沢光実委員

1:57:25

非常に興味深い御指摘ありがとうございます。一応日本では消費税収というのは法律やその不足によって社会保障、かつては3経費というふうに言いましたけれども4経費、プラス大学の無償の奨学金などに充てられるようになってきて、要するに福祉、医療、教育の一部に充てられるということははっきりしていると思うんですけれども、もちろん大企業が輸出戻し税などでかなり得をしているという事実はありつつも、社会保障に幅広の社会保障に限定して使っているということについては国民の皆さんの理解をより求める努力をした方がいいのかなというふうに思います。社会保障目的税に関して言いますと、これはフランスで1990年くらいに導入されまして、税収はどんどん伸びてきています。実は個人所得税なんですけれども、それを社会保障目的税という形で取っている。なぜそうしたかというと、所得税制本体にはなかなかフランスであっても手をつけにくいから、やはり新しい個人所得課税が必要だというふうに考えた。それは社会保険料負担が逆進的であるので、それを抑えるために導入しました。今やかなり基幹税に近い役割を果たしています。面白いのは、勤労所得、事業所得に付加するのは当然なんですけれども、宝くじが当たったお金とか、それからギャンブルで儲けたお金とか、そういうお金に対してはより高い税率でかけるということになっていますし、金融所得等についても、勤労所得や事業所得よりも高い税率でかけるということをしている結果として、一つの税制としてかなり類似性を確保しているのかなというふうに思います。日本でもそういったことを検討する余地はあるかもしれない。そのともかく、個人所得課税の対GDP比率というのは、1989年がピークでありまして、その後ずっと傾向的に下がっています。ちょっと上がった部分もありますが、大きな傾向としては下がっているので、日本では所得課税が足りない、それから法人税は負け過ぎたというふうに低くし過ぎたというのが私の印象でございます。どうもありがとうございます。大島君、ありがとうございます。私自身、消費税が社会保障に全額当てられているというよく言い方を政府関係者とかやるんですけど、それは消費税を上げるときの増加分は全額そこに当てるというような認識で、実質結果を見ると株主資本主義じゃないけれども、株価のための企業法人の純利益に消費税が回っている。特に輸出産業はというような認識でありますので、そこらへんいろいろな議論があると思うんですけど、ぜひ先生たちのそういう立場の中で、本当の消費税の使い道、これから先の調整の仕方と政府の分配の仕方について格差がなくなるような、そういった部分をぜひ先生方には広めていただくような論文を書いていただいたりとか、そういうことをお願いして最後ご意見お願いします。大塚康述人。私どもの論文や著作では、なかなか読んでいただける範囲に限界ありますので、ぜひ国会の中で奮闘していただければと思います。以上でございます。ありがとうございました。以上で広述人に対する質疑は終了いたしました。この際、広述人の方々に一言御礼申し上げます。本日は有意義な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

2:01:43

速記をとめてください。

2:03:15

それでは引き続き、公術人の方々からご意見をお伺いいたします。この際、公術人の方々に一言ご挨拶申し上げます。本日はご登部中のところ、本委員会にご出席いただき誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。本日は、令和6年度総予算3案につきまして、皆様から忌憚のないご意見を拝聴し、今後の審査の参考に致したいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に、会議の進め方について申し上げます。まず、お一人15分程度でご意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは、農業、地方、社会保障について、公術人学習院大学経済学部教授、社会保障審議会会長、遠藤久夫君、および明治大学農学部専任教授、作山拓実君から、順次ご意見をお伺いいたします。まず、遠藤公術人にお願いいたします。遠藤公術人、よろしくお願いします。学習院大学の遠藤と申します。本日は、このような発言の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。私は、社会保障、とりわけ医療や介護の問題を研究しておりますが、本日は時間の制約もありますので、医療や介護とも深い関係があり、社会保障制度の持続可能性に重要な意味を持つ少子化対策についてお話をさせていただきたいと思います。医療や介護について、必要に応じて、質疑応答あるいは意見交換の中で議論をさせていただければと思います。ご案内のとおり、我が国は少子高齢化に加えて、人口減少時代に突入しております。まず、少子高齢化の状況を振り返ってみたいと思います。資料の2ページをご覧いただければと思います。一般に大きな戦争の後、出生率が高まる傾向がありますが、我が国では、1947年から49年に、第1次ベビーブームが起きました。1949年の出生数は、約270万人でした。その後、出生数は低下しましたが、団塊の世代が子供を産む年齢に達した71年から74年に、出生数は再び増加しました。いわゆる第2次ベビーブームでございます。第1次ベビーブームの出生数の270万人には及びませんでしたが、73年の出生数は約290万人に達しました。しかしその後は、基本的には出生数は減少し続けて、団塊ジュニア世代が結婚・出産を迎える年齢になる2000年前後に出生数が大きく増えるということはありませんでした。つまりこの間、出生率が低下していたため、母親になれる年齢の人口は多かったにもかかわらず、第3次ベビーブームは起きなかったわけであります。1人の女性が一生に産む子供の数である、合計特殊出生率の推移を見ると、第2次ベビーブームの1973年は2.14でしたが、2000年は1.36に低下しておりました。さらに2022年は1.26まで低下しております。直近である2023年の出生数は、速報値ではありますけれども、75万8631人と過去最低の水準であります。このように第2次ベビーブームである1973年以降、出生数はトレンドとして減少し続けているのですが、資料3ページから分かりますように、全人口は増加しております。それは言うまでもないことですが、平均寿命の延伸、すなわち長寿化による高齢者数の増加が、少子化による出生数の減少を上回っていたからです。しかしその転換点が2008年に訪れます。この年の人口は1億2800万人ですが、これをピークに、少子化による人口減少の影響の方が、長寿化による人口増加の影響を上回り、全体としては人口減少に転じて、現在に至っているわけであります。このことから分かりますように、我が国では65歳以上の全人口に占める割合、すなわち高齢化率、これは一貫して上昇しております。具体的には1973年の7.1%から、2022年は29.1%に上昇しております。この傾向は今後も続きまして、国立社会保障人口問題研究所の推計によれば、2070年には総人口は8700万人に減少し、高齢化率は38.7%へ上昇する見込みであります。付け加えますと、これからは75歳以上、すなわち後期高齢者ですね、後期高齢者の人口が増加しまして、65歳から74歳までの前期高齢者の人口は増えません。このことは今以上に介護サービスの体制整備であるとか、認証対策が求められることを意味していると思います。また少子高齢化の影響は地域によっても異なります。団塊の世代が多く居住する大都市やその周辺部では、これからは85歳以上の高齢者が急速に増加します。一方、地方は急速な人口減少が進みます。ちなみに2050年の人口が2020年の半数未満となる市区町村は、全体の約2割、また2050年に高齢者の割合が半数以上となってしまう市区町村は、3割を超えるという見込みも出されております。こうした急速な人口減少に、歯止めをかけなければならないわけでありますが、そうしないと、高齢化によるサービス需要が拡大する社会保障制度において、経済的あるいは身体的に支えてとなる人たちの深刻な不足が懸念されるわけであります。もちろん、社会保障に限らず、これからも続く地方高齢社会は、各国の経済社会システムの維持にあたって、さまざまな問題を生じさせております。このため、少子化人口減少の流れに歯止めをかけることは必要ですが、この人口政策には悩ましい問題があるのも現実です。まず、対策が遅れれば遅れるほど、対策の効果が出にくくなり、先延ばしができないということです。子どもの出生数は、出生率と子どもを産むことができる年齢の女性の人数で決まるわけです。これまでの少子化により、子どもを産むことができる年齢層の女性は、毎年減少しているので、仮に出生率が一定に保たれたとしても、対策が遅れれば遅れるほど、子どもの出生数は減少することになります。実際に、20歳から39歳の女性の人口は、1970年は1819万人でしたが、50年後の2020年では1317万人と500万人減少しております。さらに、資料5ページに見られますように、2045年は1050万人と、2020年と比較しても、260万人減少することが予想されております。この予想ですけれども、2045年の30歳の女性というのは、2025年時点では10歳の少女ですから、すでに生まれているわけであります。したがって、この予測の精度というのは非常に高いわけであります。したがって、いろいろ課題があったとしましても、少子化対策を先延ばしにしないということが、極めて重要なわけでございます。少子化対策の難しさのもう一つは、特効薬がないということであります。少子化の原因を挙げるとするならば、次の3つが考えられます。第一に、未婚率の上昇です。これは少子化の最大要因で、一貫して上昇しています。資料の6ページをご覧ください。50歳時の未婚率は、1970年と2020年を比較しますと、この50年間で男性は1.7%から28.3%、女性が3.3%から17.8%、それぞれ上昇しております。第二は、夫婦間の子供の数の減少です。資料7ページをご覧ください。結婚持続期間が15年から19年の処婚同士の夫婦の子供の数のことを、完結出生時数と言いますが、この推移を見ますと、1970年から1990年代までの約30年間は、約2.2人で安定していたのですが、2000年代に入ると減少に転じて、2021年には1.9人と過去最低の水準になっております。第三の要因は、先ほどお話ししました少子化の影響で子供を産む年齢層の女性が減少しているということであります。現在は未婚率が上昇し、完結出生時数が減少しているので、出生率が低下している。さらにそれに子供を産む年齢層の女性が減少しているということが加わって、子供の出生数が非常に減っているという状況であります。ただ、以上の要因は、いわば表面的な少子化の要因でありまして、なぜ未婚率が上昇したのか、なぜ完結出生時数が、児童数が減少したのかがわからなければ、出生率を引き上げる対策は打てません。これまでの研究で、未婚率や完結出生時数には経済状況が大きく関与していることがわかっています。しかし、結婚や子供を作るということは、多様な要因が絡んでおり、経済的支援だけでは不十分です。少子化対策には、競技の経済政策だけではなく、より幅の広い社会政策が求められると思います。このような課題を持つ少子化対策ですが、私も参画しました子供未来戦略会議で議論をし、昨年末に閣議決定された子供未来戦略においては、少子化への機関が社会全体で共有し、構造意識を変えていく必要があるとしています。この加速度プランには、様々なメニューが盛り込まれております。それらはいずれも重要な取り組みではありますが、強調させていただきたいのは、「共働き、共育て」の推進であります。これは、これまでの価値観を変えるという試みであり、社会を変える試みであります。我が国はこれまで、男性は仕事、女性は家庭という、性別役割分担意識の下で、家庭が成り立ってきた部分があると思いますが、今では全世帯の約3分の2が共働き世帯となり、そうした中で子育てをするという状況にあります。女性の社会進出が進んでいますが、性別役割分担意識は未だ根強く、子育て家庭にあっても、男性が主に仕事をし、女性は育児休業や時短勤務、あるいは出産を機に退職し、子育てが一段落して非正規やパートで仕事に戻るという状況が依然として存在いたします。また、女性が希望する仕事や責任あるポストへ昇進するには、男性と同じような働き方をする必要があり、女性の社会進出は男性的な働き方を前提とした上で、子育ては引き続き女性が行うという、仕事と育児・家事の二重の負担を強いられている状況になっているのではないかと考えられます。加えて、民間の調査によりますと、大卒のフルタイムの女性が出産後に退職し、非正規やパートで再就職した場合には、1億3千万円以上の障害賃金の差が出るとの推計結果もあります。いわゆる子育て罰ということが指摘されております。こうした状況を変えるためには、社会全体の意識の変革や働き方改革を証明に据えた対策を行うことが不可欠であります。このため、男性が育児や家事を担えるよう、男性を含めた働き方改革を徹底して進めるとともに、職場の文化雰囲気を抜本的に変える必要があります。その上で、性別に関係なく、育休や時短勤務をはじめとした柔軟な働き方を選択できるような社会としていくことが非常に重要です。こうした視点から、遠働きとも育てを推進することは大変意義のあることであり、政府として加速度プラン、加速化プランに盛り込まれた取組をしっかりと進めていただきたいと考えます。また、こうした加速化プランでは、これまでの財源規模では対応できなかったものも多く含まれております。例えば、子育て世帯に対する経済的支援を強化する視点から行う児童手当の抜本的拡充や妊娠・出産時の10万円の給付の制度化。すべての子ども子育て世帯をきれめなく支援する取組として子ども誰でも通縁制度の創設などです。これらの施策について、0歳から18歳までの子ども1人与えの給付拡充の額は平均すると約146万円であるとの説明が子ども家庭庁からありました。これはあくまでも平均的な数字であり、全員に当てはまるものではありませんが、これは支援金制度の創設により初めて実現される子育て世帯の確かな受益の姿であると考えております。そしてこのような施策を通じて子育て世帯を支援する支援金制度は単なる拠出の枠組みとしてではなく、高齢者を含めた全世代、企業を含めた全経済主体が子育て世帯を支える新しい分かち合い、連帯の仕組みだと捉えることが重要だと思います。その際、子育て世帯でない人の自益は何なのかという論点がありますが、子育て世帯への施策の拡充により、危機的状態にある我が国の少子化のトレンドに歯止めをかけることは、労働力の確保や国内市場の維持を通じた経済社会システムの維持、地域社会の存続、あるいは社会保障制度の持続可能性の確保、といったことを通じて、我が国の社会の構成員であれば、誰もが利益を受けるものであると考えます。また、医療保険は生まれてから亡くなるまで全てをカバーしているという点で、他の社会保険にはない特徴を有しております。その意味で、記録多くの国民に拠出をいただく支援金について、医療保険の枠組みを活用するということには、一定の合理性があると考えております。このように、少子化人口減少に歯止めをかける上で、この支援金制度の構築は重要な意味合いがあります。支援金制度は、高齢者や子どものいない方を含めた全世代、企業を含めた全経済主体に拠出をお願いするものであり、政府においては、支援金制度の意義やその重要性、仕組みについて国民の皆様に分かりやすい説明を続けていただきたいと思います。以上でございます。ありがとうございました。次に、柵山工術人にお願いいたします。柵山工術人、よろしくお願いいたします。ただいまご紹介をいただきました、明治大学の柵山でございます。本日は工術の機会をいただき、講演に存じます。私の工術は、予算偏差のあり方に関する意見と、農業政策に関する意見からなりまして、特に私の専門であります農業政策を中心にお話しします。お手元に資料を配付していますので、それに沿って講述をさせていただきます。なお、配付資料では、1ページに2枚のスライドを配置しておりまして、各スライドの左下にページ番号を付しておりますので、そちらをご参照いただければと思います。まず、予算編成のあり方についてです。本日の議題は、令和6年度総予算についてですが、私の最近の予算編成のあり方には、若干の懸念を持っております。配付資料をめくっていただきました3ページをご覧ください。資料の左側に示していますように、補正予算に関しては、財政法では、予算の作成後に生じた自由に基づき、金融となった経費の支出を行う場合などと規定しております。しかし実際には、規模ありきのように見える補正予算の編成が状態化しておりまして、特に3ページの右側にあるように、新型コロナ禍で膨張したその基本を元には戻っていないという状況でございます。こうした補正を前提とした予算編成は、農業政策でも見られています。配付資料の4ページをご覧ください。資料の左側に示しましたように、農林水産物の輸出促進は、農水省の重要施策となっております。2020年には農林水産物食品輸出促進法が制定されました。2021年には農水省に輸出局採掘が設置されました。といったように、高級的な体制が整備されてきております。他方で4ページの右側に示しましたように、その裏付けとなる予算については、最近では8割以上が補正に計上されており、その傾向は令和6年度予算でも同じで整合性が取れているとは言い難い、というのが現状です。これは輸出促進対策予算が、2025年度からTPP関連政策対抗に基づいて計上されたという経緯に起因しています。しかし農林水産物の輸出促進政策が高級的な政策である以上は、その裏付けとなる予算についても、令和6年度の当初予算に計上すべきだったと考えております。次に、令和6年度予算との関連で、農産物の価格形成について述べさせていただきます。まず、配付資料の5ページをご覧ください。コロナ禍後の海上温賃の高騰、それから主要生産国での高温乾燥、ウクライナ戦争、円安といった要因により、輸入品の価格高騰を受けまして、国内の食料価格は大幅に上昇しております。具体的には、オレンジ色で示しました食料の消費者物価指数は、2020年平均と比べまして16%の上昇しておりまして、それが青色で示した全体の消費者物価指数を大きく上回っております。つまり消費者は食料の価格が高すぎて困っているという状況にあります。次に配付資料の6ページをご覧ください。これは農業の収益性の推移を示したものです。具体的には、灰色の線は2015年を100とした農産物価格指数の推移であり、生産者にとっての収入を表します。他方で青色の線は、肥料や家畜の飼料といった生産資材の価格指数の推移でありまして、生産者にとっての費用を表します。その上で、農産物価格指数を生産資材価格指数で割ったのが、公益条件指数でありまして、2015年を100とした生産者の相対的な収益性を表します。オレンジ色で示した公益条件指数の推移を見ますと、2023年は95で、少数点以下を考慮しますと、60年ぶりの低い水準となっています。このように、費用が大幅に上昇する一方で、それが農産物価格に転嫁されていないという意味において、生産者は農産物価格が安すぎて困っているという状況です。こうした状況をまとめたのが、配付資料の7ページです。私は農産物の価格形成は、鳥レンマに直面していると考えています。ここで鳥レンマというのは、3つの要求が相対立し相互に両立しないという意味です。まず、消費者にとっては、食料の価格は安いほど良く、それが高すぎることが問題となっているということです。他方で、生産者にとっては、農産物の価格は高いほど良く、それが低すぎることが問題となっております。さらに、野菜のような多くの農産物は、需給を反映して市場で価格が決まるため、価格は市場原理に委ねるべきだという考え方もあります。こうした3つの主張は、あちらを立てばこちらが立たないという関係にあり、だから鳥レンマということです。では、この鳥レンマにどう対応すれば良いのでしょうか。配付資料の8ページをご覧ください。今回のような農産物の生産費用の増加には、3つの対応策があります。第一は、生産者による費用の削減で、その費用を負担するのは生産者ということになります。その具体例は、第二次安倍政権下での農業改革でありまして、日本の生産資材が高い現況として、農業組織がなざしをされました。この主張を踏襲すれば、今回も生産者やその団体による費用削減努力で乗り切るべきだということになります。しかし、日本は、飼料や肥料のような生産資材の多くを輸入に依存しておりまして、国際市場で決まるそれらの価格に、日本の生産者が関与する余地はありません。また、多くの農産物は1年1削であることから、短期的な費用の削減は現実的には困難です。次に、第二の方策ですが、これは生産費用の上昇を農産物の価格に転嫁することで、その費用を負担するのは消費者ということになります。その具体例は、今公開において、重要広範議案として審議が予定されている食料農業農村基本法の改正案でありまして、食料の持続的な供給に要する費用の考慮を求める条文の追加が提案されております。しかし、卸売市場による競りで価格が決まる野菜が典型ですが、価格形成の整備は市場の構造や取引の形態などに依存しまして、それを強要することはできません。また、仮に価格転換が実現すれば、既に高騰している消費者価格がさらに上昇して、特に所得の低い方々に打撃を与えるという問題もあります。第三の補足は生産者に対する直接支払いです。その費用を負担するのは納税者ということになります。その具体例は民主党政権下で実施された米に対する個別所得補償制度です。その効果については、配付資料の9ページをご覧ください。2010年から2012年にかけて実施されたその制度は、米の生産農家に対して10円当たり1万5千円を支払うというものでした。10円当たりのお米の収量を533kgとすると、米1kg当たりの支払い単価は28円ということになります。その上で経済学の分析道具を用いますと、個別所得補償に伴う手取り価格の上昇による生産者のメリットは米1kg当たり11円だったのに対して、市場価格の下落による消費者のメリットは米1kg当たり17円だったことがわかります。配出資料の10ページは、その算出根拠を簡単な経済学の分析道具で説明したものです。技術的な内容になりますので、詳しい説明は省略しますけれども、重要なのは、生産者に対する直接支払いは、その全てが生産者の取り分になるのではなく、市場価格の低下を通じて消費者のメリットを得るという点です。今回の計算に用いたデータでは、青色で示したお米の供給曲線は、価格の変化に対する供給量の変化が相対的に大きいのに対して、赤色で示した米の需要曲線は、価格の変化に対する消費量の変化がより小さいことから、消費者のメリットが生産者よりも大きいという結果になっております。ただ、これはあくまで理論的な予想でありまして、実際の米の価格と照らし合わせた結果もお示ししたいと思います。配出資料の11ページをご覧ください。左側の軸は水田作経における10アラ当たりの農業所得でして、青色の線がその推移を示しています。他方で、右側の軸は2020年を100とした米の消費者物価指数で、オレンジ色の線がその推移を表しています。通常ですと、お米が豊作になると価格が下落するため、生産者の所得は低下します。それを受けて翌年の米の消費者価格も低下するので、オレンジ色の線は青色の線より1年遅れてほぼ同じ動きをします。しかし個別所得補償制度が開始された2010年や2011年には、米生産者の農業所得が上昇する一方で、米の消費者価格は低下しました。つまり配出資料の9ページに示した計算額の分析道具による予想は、実際の米価の動きと符合していることがわかります。こうした食料価格の低下は、特に所得が低い世帯には朗報となります。配出資料の12ページをご覧ください。これは消費支出額に占める食料支出額の割合であるエンゲル係数について、2022年の数値を10段階の年間収入回数別に示したものです。配与で示したオレンジ線グラフを見ますと、エンゲル係数の最も低い回数では32なのに対して、最も所得の高い回数では22と10ポイントもの差があります。逆に言えば食料価格の上昇は、特にエンゲル係数の高い低所得者に打撃を与えることを意味し、これを考慮すると、農産物の生産費用の増加を食料の価格に転嫁することが条件で肯定されるわけではないということになります。私が提案する解決策は、先ほど申しました3番目の生産者への直接支払いでございまして、その仕組みは次のとおりです。配付資料の13ページをご覧ください。これは生産者に対する直接支払いの財源と効果を示したものです。ここで右側の図をご覧いただきますと、例えば、相続税、法人税、所得税のような累進構造を持つ税を引き上げると、高所得者の消費支出額が減少する一方で、それを財源とした生産者への直接支払いを実施しますと、先に説明した仕組みによりまして、消費者の食料価格が低下し、消費支出額が減少します。つまり、後ろ抜き部分の金額が高所得者から低所得者に移転し、それによって高所得者のエネルケースが上昇する一方で、低所得者のエネルケースは低下するため、その意味で価格差は縮小するということになります。こうした政策によって、先ほど述べました取り入れんばは解消されるということになります。まず消費者は食料価格が低下して、特に低所得者が利益を受けます。また生産者は農業所得が上昇して農業の収益性が改善します。さらに直接支払いは政府が価格を直接決定するわけではないので、市場減量を損なうこともありません。市場で決定される価格が生産者にも消費者にも適当でない場合に、政府を介した納税者からの所得移転によって市場減量を損傷しつつ、それを補う政策ということになります。こうした生産者に対する直接支払いは欧米では一般的です。配付資料の14ページをご覧ください。1987年と比較しますと、米国やEUの農業支援額は増加しているのに対して、日本の農業支援額は38%減少しています。また農業支援額に占める生産者の直接支払いの割合は、米国が91%、EUが84%ののに対して、日本は22%に過ぎません。こうした国際比較の観点からは、日本において農業支援の形態を直接支援に転換する余地は大きいと考えます。最後に結論を述べたいと思います。令和6年度の農林水産予算では、食料の安定供給の確保が冒頭に掲げられておりまして、本公開に提出されている食料農業農村基本法改正案でも、食料安全保障の強化が目玉とされています。しかし私が述べたような、生産者や消費者に対して即効性のある対策は盛り込まれておりません。もちろん、今回の物価上昇を起点として賃金の上昇と物価の上昇が連鎖する好従感が実現し、消費者の購買力の上昇によって生産費用の価格転換が進むのが理想であることは言うまでもありません。しかし仮にそれが実現するとしても、既に大きなタイムラグが発生しており、今回の生産市場や食料の価格高騰で、生産者や消費者は既に大きな打撃を受けております。また、低所得者や一部の生産者のように賃金上昇の恩恵が及びにくい方々、また市場構造や取引形態によって価格転換が困難な方々への配慮も欠かせないと思います。今回の反省を踏まえまして、生産者に対する直接支払いのような仕組みを構築していくことが必要と考えます。私の講述は以上です。ご清聴ありがとうございました。

2:31:43

ありがとうございました。以上で公述人のご意見の陳述は終わりました。それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次ご発言願います。

2:31:57

小林和弘君。

2:31:59

自民党の小林和弘でございます。遠藤公述人並びに、櫻山公述人、大変ありがとうございました。人口減少の問題、そして農業の現状について理解をさせていただきました。まず遠藤公述人にご質問させていただきたいと思いますが、前世代社会保障の必要性についてご質問させていただきたいと思います。人口の状況についてはよくよく今ほど理解をさせていただきましたけれども、この構造の変化に対応するためには、給付は高齢世代、負担は現役世代中心であって、これまでの社会保障の現状を転換して、世代にかかわらず負担能力に応じた負担とすることが必要ですし、ここ10年間の社会保障改革についてはこの考えに基づいて行われてきたというふうに承知をしております。現在の社会保障制度改革国民会議や、前世代型社会保障検討会議などの場で議論を重ねて、また国立社会保障人口問題研究所の所長を務められた遠藤公述人に、今後の人口構造の変化を踏まえた前世代から社会保障の構築の必要性について、改めて私たちに教えていただきたいと思います。遠藤公述人 ありがとうございます。前世代型社会保障の視点から見て、社会保障制度どう考えるべきかというご質問だと思いますけれども、まさしく先ほど人口構成の変化を申し上げましたように、これから若い人たちが急激に減ってくる、そして高齢者は増えてくるという、その中で保険料であるならば、所得に依存して保険料を取るというような仕組みでやってまいりましたので、基本的には今後は若い人たちの負担が増える、相対的に増えるということになります。このことは一方で少子化の問題とも関係をしてくるわけでありますので、方向として見れば、この負担のアンバランスというものは、修正されていかなければならないというふうには思います。一方で、しかし、それでは医療や介護のニーズがどうなるのかということになりますと、なかなか必要なニーズは高まってまいります。それから、従ってそのバランスをどうするのか。私が社会保障審議会の医療保険部会の部会長であったときに、後期高齢者の自己負担を一定の所得水準の人は2割にするというような議論をしました。そのときにずいぶん議論をしましたけれども、それがどういう影響を与えるのかということをやはりある程度調べなければいけないねということで、慎重にやはりやるべきだというふうに思っております。そういう意味で、高齢者の方々に負担を増やしていただくということは、これは方向性としては避けられないと思います。これは保険料でやるか自己負担でやるかという議論は、医療の場合はありますけれども、しかしその場合でも、きめ細かい効果を見ながらやっていく必要があるだろう。ちょうど今2割負担が割合が増えたわけですけれども、そのことについてもきっちりと検証するというようなことをやりながら、その負担論というものは議論していく必要があるだろうと思います。一方で非常に高額な医薬品のようなものが技術進歩に伴って投入されてきておりますので、バランスとしてどう考えていくのかということとも考えていかなければならないということです。少し話があちこちに行きましたけれども、基本的には世代間の平等ということは進めていかなければならないけれども、医療や介護というのは重要な課題ですので、慎重な検討をしながら進めていく必要があるだろうと。こういうようなお答えになっているかどうかわかりませんけれども、お答えさせていただきます。

2:35:53

小林君。

2:35:55

ありがとうございました。そうしたいろんな慎重な考え方というのは、時効政権、そしてまた特勤の民主党政権、さらにはまた時効政権でも、受け遣われてきた議論をされてきたというふうに承知をしております。ただこうした考え方は、政策に落とし込んでいくときには、どうしてもやはり、今も高述人もお話しいただいたとおり、給付と負担の見直しが場面場面で出てくるんだろうというふうに思います。こうした場面場面のときに、それを実現可能な話にしていかなければならないというふうに思いますし、それは党派を超えて議論をする必要もあるんだと思いますが、社会的合意を得るためにどのような工夫が必要か、高述人という立場からお話しいただきたいと思います。遠藤公実に。なかなか社会的合意は大変なわけでありますけれども、一つはやはり年齢ではなくて、所得、経済力によって負担をするというような流れ。これは比較的、社会で受け入れやすいし、これまでもその視点で議論はされてきておりますので、そういうような方向で社会的合意が得られるような方向を探していくべきではないかというふうに思っております。その経済力というのはフロー所得なのか、資産を含めるのかとか、いろいろ議論もあることは承知しておりますけれども、その中で議論を進めていくのが一番、社会的合意を得やすいのではないかなというふうに思っております。以上です。

2:37:20

小林君。

2:37:21

ありがとうございました。ちょっと話変わるんですけれども、高述人が別のペーパーなんかで、特にお話をされていただいていた、医師の働き方改革についてちょっとお話をお聞かせいただきたいというふうに思いますが、勤務医の長時間労働が、先ほどもトラックドライバー、この前の回でトラックドライバーの働き方改革の話は出ておりましたけれども、この2024年度から上限規制が撤廃をされることになりました。これによって医療供給体制の減少につながるというような意見もありまして、特に医師不足が激しい、私たち地元新潟なんですけれども、こうしたところでは、医療提供体制の再編や再構築が急ピッチで進んでいるというのが現状です。こうした状況を国民や患者の皆様にもどこまで理解してもらえるのかが、大変な重要な課題だというふうに思っておりますけれども、今後の規制改革の大筋のみ並ぶ細部の工夫も含めて、高述人の円滑な導入に向けたご意見をいただきたいと思います。

2:38:22

遠藤光実君。

2:38:24

重要なご指摘だと思います。これまで日本の勤務医は非常に長時間労働、またそのもとに医療のシステムが回っていたというところがあるわけでありますけれども、これは医師の健康の問題もありますし、あるいは医療のクオリティを高めるという意味合いもあって、長時間労働を規制したわけであります。しかし一般的な労働者よりもはるかに長時間労働は認めているわけなんですけれども、しかしそれによって一部の地域によって医師不足、医療供給不足が起きるのではないかという懸念もあるということで、これまで何度も、これは厚生労働省が行っているわけですけれども、自治体などを通じて医師不足が発生する病院はどこなのかとか、そういうことを聞いております。そういう中で見ると、何とか来年4月、今年4月までには調整がつくところが非常に多いということなんですが、しかし実態は色々な課題も出てきているのも事実であります。まさに勤務と認められるのか認められないかという微妙な問題があったりとか、様々な課題が出ておりますので、これは4月以降どういうことが起きているのかということ、医師不足の問題も含めてきっちりと検証していくこと、これはものすごく大事だというふうに思っております。ということでそれを進めながら、進めながら、今後どうしていくかということをまた考えていくということが重要なんではないかというふうに思っております。以上です。

2:39:59

小林君。

2:40:00

はい、遠藤法人知事ありがとうございました。残りの時間、佐久山法人知事にお話をお伺いしたいというふうに思います。佐久山法人知事に色々なところで直接支払いの重要性等々、ご主張されているというふうに承知をさせていただいております。この度の食料農業農村基本法の見直しの答申についても、色々なご意見をいただいて、その矛盾をご指摘いただいているというふうに承知をしておりますけれども、私が拝見をしていると、農業生産基盤の強化策が欠けているであるとか、この資料の中にもありましたけれども、エンゲル係数の高い所得者、低所得者賞に適正な価格形成は不利に生じるとか、色々なご意見をいただいておりますけれども、この度の食料農業農村基本法について、ご意見をいただきたいと思います。佐久山法人ご質問いただきありがとうございます。小林議員におかれては、私の色々論文など、ご読みいただいているようで、まず感謝を申し上げたいと思います。食料農業農村基本法については、実は私、農林生産省に勤務していた25年前に、策定をしたメンバーの一人だったということで、非常に思い入れもございまして、それで厳しい意見になっているところもあるかもしれませんけれども、率直な評価としては、25年前は、新法の制定として基本を作ったわけですけれども、そのときには、私も担当しましたけれども、中山間地域に対する新たな支援策とか、農業基盤を強化するような新たな仕組みというのを作ったという時負もございます。ただ今回の場合は、残念ながらやはり、そういう生産基盤を強化するような新規軸がちょっとなかったなというのは、残念なところだと思っております。あと、25年前と比べまして、これは審議会の答申などにも書いていますけれども、25年前ですと、日本の経済状況も非常に良くて、あまり低所得の消費者問題というのはなかったかもしれませんけれども、最近はそういうところが問題になっているということですので、やはり今日の私の講述とも関係しますけれども、一方に低所得者の方が増えているという問題がある一方で、農産物のコストが上がっているので、どんどん価格を転化しましょうという、両方のことが書いてあるというところがやはり一番の矛盾を感じるところでして、もうちょっとそこの整合性が取れるような対策を考えてほしかったというのが、私の2番目のコメントでございます。以上です。

2:42:25

小林君。

2:42:26

公示資金が直接支払い、いろんなところでご主張されている中で、目新しいのは財源として、相続税や法人税の引上げを行った上で、課税の強化を行った上で進めるべきだというお話を目にさせていただきました。その一つの原因が、今のそれが推進されない原因として、財務当局の財政負担への懸念があるからだというお話ですけれども、この課税についてご主張される、改めて意図と、ご主張の内容についてお聞かせいただきたいと思います。

2:43:02

佐久山公衆事務局長。

2:43:04

はい。ご質問ありがとうございます。財源のことを申し上げている理由は2つありまして、1つは今日も公示をさせていただきましたけれども、格差を是正するには、所得が高い方から所得の低い方に移転しないと、格差も是正にはならないわけですよね。というのが1つあります。もう1つは、やはり元官僚としてということもありますけれども、やはり財源の議論から逃げてはいけないんじゃないかというふうに思っているということです。直接支払いというのは納税者が払う政策ですので、必ずどこかに財源を見つけなければいけないということがあります。さっきの新しい基本をつくったときの話もございましたけれども、新たに中山間地域を支援する直接支払い制度を、私もメンバーの人たちでつくりましたけれども、財務省の方とも随分議論をして、最終的に納得していただいて、新たな納税者負担の制度を認めいただいたという経緯もありますので、そこはやはり必要性をしっかり詰めた上で、政策の効果を十分にアピールして、財源の問題から逃げないで理解を求めるという姿勢が重要だと思いますので、財源の話もセットでしているということでございます。

2:44:16

小林君。

2:44:17

ありがとうございました。大変勉強になりました。しっかりと活かしてまいりたいと思います。

2:44:21

尾沼匠君。

2:44:35

立憲民主党の尾沼匠でございます。今日は誠にありがとうございます。まず、桜山公術人に伺いたいと思います。先ほどの小林先生の質問で論文のことの質問をかぶっておりましたので、それを除いて、問うていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。まず、資料をおまとめいただいたことに冒頭、感謝申し上げたいと思います。特に輸出が大事なんだなと言っている割には、実は当初予算の金額と補正の全額を見たときに、今回今、令和6年度当初予算案を議論しているわけですが、大幅に減ってしまっているということは、そもそも問題なのではないかなということで、新たな気づきをいただきました。ありがとうございます。その上で、実は衆議院の方でも農林水産業について、さまざまな議論が行われてまいりました。今日はせっかくの公術の機会でございますので、衆議院での議論なんかも参考にしながら、政府が桜山参考人のおっしゃっていただいたようなことに対して、どういう答弁をしていたかということをご紹介し、それに対して桜山参考人からのご意見を聞かせていただきたい。それによって参議院における予算の審議の充実に生かしていきたい。こういった趣旨で質問をさせていただきたいと思います。参考人は、いわゆる直接支払いとか、あるいは米の個別所得保障制度についての分析をしていただきました。衆議院においても、例えば、今年の1月31日の本会議におきまして、米の所得保障制度について導入すべきではないかというような質問が、なされました。それに対する総理からの答弁は、即記録でございますので、若干、修正が事故的にあるのかもしれませんが、米の支払いを基本とすれば、需要のある作物への転換が進まない恐れがあります。主食用米の需要の減少が続く中、収入保険制度等により農業経営の安定を図りつつ、主食用米から野菜など、需要のある作物への本格的な転換を一層進め、生産性の向上や輸出促進を支援すること等によって、農業の所得向上を図っていくということが、総理の姿勢です。また、今年の2月9日、衆議院の予算委員会で、農林水産大臣の答弁は、今言ったようなことに加えまして、例えば米であれば、十分な国境措置があるということ。したがって、その国境措置がある米に助成をすることについて、他の農産物の生産者や他産業、農税者の理解を得がたい、こういうような答弁が、総理大臣や農林水産大臣からございました。3月2日の予算委員会における総理答弁におきましても、そういったことの繰り返しでありまして、収入保険制度等を積極的に使っていく、こういった話でありまして、個別所得補償制度には不定的というのが、現在の政府の見解です。こういった見解に対して、坂山参考人の御意見をまずはお聞かせいただきたいと思います。坂山光述人はい、御質問ありがとうございました。今の小沼先生の御質問に関しては、日本だけじゃなくて世界的にもですね、考え方が2つありまして、1つは、今まさに政府が、米政策を中心に今やっている政府の政策は、どちらかというと、政府がかなり、減炭面積を配分するというのはやめたんですけれども、ただ、その添削に対する補助金の値段を決めたりして、かなり政府が米の供給量を厳格にコントロールしようとしているわけですね。米を作り過ぎないようにすることによって、数量を抑制して、農家の手取りを増やそうという考え方ですね。代わりに、お米が余っているので、その代わりに麦や大豆を作ってください、野菜を作ってくれれば補助金を上げますよという形なんですけれども、やはりそれの問題点というのは、コントロールが難しいということですね、まずは。単価の設定や、米価の推移によって、どうしても農家の方は米を作ると儲かるので、米の値段が上がると米を作りすぎて、値段が下がってしまうと。逆になると、米の値段が上がりすぎるというような形で、価格変動の循環を繰り返すというところが非常に大きな問題で、農家の方にも不信感が生まれてしまうわけですよね、特に米の値段が下がったときにですね。それに対して、私が今日申し上げたようなやり方ですと、市場原理を生かした形で、農家の経営判断も生かした形で、農家を支援することができると。例えば、政府もよく米は国境措置があるからというふうに申し上げますけど、実際には今日私が講じていたように、生産コストが非常に上がっていて、ほとんどの米農家の方は赤字になってしまっていますので、国境措置があるからイコールモーカルではないんですよね。話を戻しますと、私のような直接支配のやり方ですと、例えば米について言えば、作りたい人は作ってもらうと。市場価格が下がれば、そこについては、民主党の米個別所得交渉も補填をするという形でしたけども、それを生産調整とセットにすれば、供給過剰は起きないんですね。実際に民主党の個別所得交渉をやったときにも、米の生産が引き締まって価格が上がったという面もあります。個別所得交渉によって農家の制度にも上がったという面もあります。ということで、農家の判断ですから、自分の土地の状況を踏まえてお米を作って、直接支払いをもらった方がいいと思えばそうすればいいし、農地の条件などを踏まえて、それが割に合わないと思えば、自分が米を作る他の作物を作るということができます。ということで、まとめますと、最後に国際的な比較なども申し上げましたけども、国際的には直接支払いによって農家は支援します。ただ、何を作るかの決定は農家に委ねるというところが、国際的な潮流でありますので、所得交渉というのは国際的な潮流に合っているということと、市場原理を生かすという経済原則に合っているという意味で、私はそれがいいんじゃないかというふうに申し上げているところです。以上です。

2:50:47

小沼君。

2:50:48

ありがとうございます。実は直接支払いについても、衆議院の予算委員会で議論がありました。2月27日の予算委員会第6文化会の方なんですが、財務省の副大臣が直接支払いについて、このように答弁しています。質問の内容は、個別所得保障制度を入れるべきだということ、それを米だけじゃなくて野菜とか果物といったものにも拡大していくべきなんじゃないの、こういう質問に対して財務省の答弁はこういうことでございます。畑作物の直接支払い交付金、就職用米から他作物への作付け転換の取組を支援する水田活用の直接支払い交付金、そして中山間地域と直接支払い交付金などの日本型直接支払いといったものをやっているということ。また収入を減少した場合には、セーフティーネット対策として、ならし対策や収入保険といった制度を設けているということでございまして、政府としても直接支払いという単語自体は言っているというところでございます。他方で本日坂山公実員がおっしゃっていただいた直接支払いということをおっしゃっているからこそ、おそらく政府が言っている、ないし定義する直接支払いという考え方と、坂山公実員が御提案なさる直接支払いの中では、どうやら何かしらの違い、差異があるのではないかなと思っております。したがいまして、このような政府の直接支払いに対する現行の政策と、それに対する坂山公実員の考え方について、御意見をお聞かせいただければと思います。

2:52:17

坂山公実員。

2:52:18

はい、御質問ありがとうございました。今の御質問はまさに、きょう私が公実させていただいたときの配付資料の14ページにまさに関わるところでございます。結論的に申し上げますと、多分財務省の答弁で言っている直接支払いの範囲と、私が言っているところの範囲は、ほとんど不一致はないと思うんです。というのは、14ページをご覧いただきますと、日本の直接支払い額は2020年では0.9兆円だから9千億円ですよね、という数字が出ていますので、今小沼議員がおっしゃったものを全部足すと、大体こういう金額になると思います。ただ、次はその認識の不一致があるところですが、財務省は当然直接支払いというのは納税者が負担するもので、財源を見つけなければいけませんので、やはり本能的に否定的な態度になるわけですよね。誰かが財源を見つけてくれればいいわけですけど、なかなかそういうことにはならないわけで。ということで、私が中産官直接支払いに従事したときもそうですけれども、やはり納税者負担の新たな直接支払い政策は、財務省的な視点では抵抗があるわけですけれども、今日申し上げましたけれども、国際的な視点から見ると、日本はまだまだ少ないということが言えるわけですね。実際日本の農業法案額はここで示しましたけれども、2.5兆円ぐらい減っているわけですから、その分消費者も利益を得ているわけですね。それに対して海外では国の規模、農地の規模が違いますけれども、ユーロ表示やドル表示ですからちょっとわかりにくいかもしれませんけど、EUでいうと直接支払いだけで10兆円以上の支出があるんですね。これ国の規模が27個くらいありますので、直接は比べらないと思いますけれども、アメリカやEUではそういうのが主体だということですので、少しぐらいはそちらの方を参考に、政策を変えていってもいいのではないかという主張でございます。

2:54:13

小沼君。

2:54:14

ありがとうございました。よくわかりました。次に続いて遠藤公実人にお伺いしたいと思います。人口減少、少子高齢化の現状について、データを用いて非常に危機的な状況であるということをお示しいただきまして、改めて非常に危機的な状況だなという危機感を私も共有いたしました。また、前回の子ども未来戦略などにも携わっていただいているというところからのご提言もいただいたところでございます。ありがとうございます。そこで端的にお伺いしたいのは、現在は令和6年度の当初予算案の審議中でございまして、公実人の方から、「訂正的なところ、こういった要素が含まれているんだから」ということの肯定的な評価を受けたところでございます。いろんな制度ですね。子ども支援施設とか人口減少対策とか、そういった中で、その訂正的な意味と定量的な意味、それぞれに聞いてみたいと思うんですが、公実人の今までの議論をしてきたお立場から見たときに、今回の令和6年度当初予算案、例えば抜け漏れとかがあったりするものなのか、こういったところについての支援が弱い、このような課題認識が訂正的な意味で、終わりなのかどうなのかということが一つ。併せてでございますが、訂正的なものが満たされていると仮にした場合に、定量的な意味で予算の支援額として、十分と、必要十分と言えるものなのかどうなのか、この点についての公実人のご意見をお聞かせください。遠藤公実人。ありがとうございます。大変難しいご指摘だと思います。これは一言で申し上げますと、明確なお答えができないというふうなのが、回答かと思いました。それはなぜかと言いますと、私も冒頭申し上げましたように、この効果というのが、はっきりとわからないところが多いんです。まして結婚をするかとか、子供を産むかということですから、経済と所得との関係などはある程度わかるのですけれども、それぞれの細かいところがどう影響しているのか、場合によってはネガティブに影響しているものもあるかもしれない。その辺のところがわからないので、おそらくは今回はこれまでやってきた子育て支援をさらに強化をするということをやっているわけですけれども、今後この検証をしていきながら、どういうのが適切なのかというようなことをしていく。このために多少このオーバーブルマイといいますが、多様な方向からアプローチをしているというふうに思いますけれども、それが今後どうなっていくのか、十分な検討をすることによって、その辺のお答えになるのではないかなというふうに思っております。以上でございます。終わります。ありがとうございました。ありがとうございます。

2:57:09

川野芳弘君。

2:57:11

公明党の川野芳弘です。両先生、今日はお忙しい中ご即応いただきまして、本当にありがとうございます。急なお願いにもかかわらず、心よくお答えをいただきました。本当に感謝と御礼を申し上げたいと思います。早速ですが、遠藤公司の実任から質問させていただきたいと思います。今日は子育て政策の重要性について、御所見を賜りました。私ども公明党は、子どもの幸せを最優先にする社会をつくるんだということで、結党以来、教科書無償配付や児童手当の創設など、政策を実現する後押しを力強く進めてまいりました。2006年には、少子社会トータルプランを策定いたしました。幼児教育・保育の無償化や働き方改革の推進など、着実に具現化してきたという自負を持っております。さらに、2023年3月、昨年3月には、結婚・妊娠・出産、そして子どもが大学を学び終えるまで、切れ目なく支援していこうということで、子育て応援トータルプランを公明党として作成いたしまして、総理大臣にお届けしたところです。この公明党のトータルプランをモデルとして、今回、政府の子ども未来戦略の加速化を私どもも後押しをできたのではないかと思っています。何をやればいいという答えは単純なものではありませんので、切れ目なく推進していくということで、さまざまな施策を盛り込ませていただきましたが、これまでの取組を含めて、先生の公明党に対する子育て政策の評価をお聞かせいただけたらというふうに思います。

2:58:54

遠藤光実議員

2:58:56

ありがとうございます。申し訳ございませんが、公明党さんが出している子育てプランというものを直接評価させていただいたことはないものですから、正確なコメントは出せないと思うんですけれども、恐らくここに書いてある内容と非常にオーバーラップをするというふうに今、理解をさせて、ここに書いてあるというのは今回の家族のプラン等々にあるものと関連が高いものだというふうに理解しておりますが、これはしたがって、どうすれば子育てが進む、子どもがたくさん生まれるのかということはなかなか難しいのですけれども、これまで重要だと思われていた事柄について、網羅的かつ、これまで予算が不足していたものに力を入れるという流れで進んでおるわけなので、それは非常に今の状態であれば、とても子育て、子どもを産むということに対する加速をさせる展開だったなというふうに私は理解しております。申し訳ありません。根平棟さんが出されているプランについて、十分な知識がなくて恐縮でございますけれども、そのようなコメントをさせていただきたいと思います。

3:00:07

川野君。

3:00:09

ありがとうございました。その上で、今回予算委員会でも議論になっておりますが、財源論であります2030年までにしっかり推進を進めていく中で、どうしても財源が必要になる。その中で、政府案としては、社会保障の増加を抑制する、そこで財源として使わせていただく。従いまして、負担増はありませんという説明を申し上げておるわけでありまして、私は極めて、まっとうな方針だなと思いますし、増税や社会保険料の増加ということではなくて、既存のご負担を増やさないことで、歳出改革によって、私は非常に評価できる内容だと思いますが、遠藤先生から見て、今回の財源論、どのようにお感じになられますでしょうか。遠藤公実に。ありがとうございます。もちろん、歳出改革等々は、普段にやらなければいけないことでありますので、それの効率化による原資を充てるということを、明言をしているわけでありますので、その考え方というのは、私は適切な考え方だと理解しております。ただ、そのときに、いろいろと懸念をされる方々もいられるわけでありまして、まさに子育てのために、必要な歳出が抑えられてしまうんではないか、例えば、高齢者医療費とかですね、そういうようなことを懸念する方々もおられるということでありますので、それはそういうことではないのだということを、もう少し政府がきっちり説明をする必要があると私は思います。当然のことながら、それではどこから持ってくるんだというような話になったときに、そこの辺が不明瞭であるということは、あまりよろしくないと思いますので、より適切な説明をするべきだというふうに思っています。したがって負担のあり方については、今の考え方で、この考え方では、私も同意をいたしたいというふうに思っております。以上です。川野君の記者にともアドバイスを 頂戴できたと思います。ありがとうございました。次に、坂山参考人に伺います。ありがとうございました。私も4年前に農林水産省で大臣政務官をさせていただきまして、本当に現場のご苦労や、それから生産者さんのご苦労や、また、官僚の方の悩み、そういったものを共有させていただくことができました。どういう姿を求めるべきか、答えはありませんけれども、健康を不断にしていくということは大事なんだろうと学ばせていただきました。その中で、個別保障制度の重要性、これは分かりやすく解説をしていただきまして、本当に感謝申し上げます。一部重複するかもしれませんが、改めて、財源論と対象のところをお伺いしたいと思いますが、この累進課税を財源としてということであります。ご案内のとおり、農林水産省の補正予算を入れて、だいたい3兆円であります。プロダクト、アウトプットでいうと、農林水産品約12兆円、13兆円の間の農林水産品の算出額であります。一方で、農業所得は約3兆円という形で収まっているのですが、一方で、食品産業や加工物流まで含めますと、108兆円の産業を担っている農林水産省の行政であります。私はプロダクトとしての12兆円と、産業全体の108兆円のギャップ、ここに私は一つの貝を見出したいなと思って、これまで仕事させていただきました。今日、ご案内いただいた直接支払いによって効果を得ると、鳥レンマを解消する策、大きな武器になることは間違いないと、先生の御主張で確信をいたしましたけれども、財源論を改めて御説明いただくとともに、対象地域はどこまでやるのか、米だけ作ってでも赤字だというのはあってはいるのですが、大規模にやっていれば、20兆円をやれていれば、そこそこの米農家でありまして、そこに裏作もできれば、大丈夫だろうと。一方で、条件不利地や中山間地域、また地域のコミュニティを守っていかなければならないところには、直接支払いというのは非常に有効かつ効果的だと思うのですが、対象範囲をどのようなところまで考えておられるのか、併せて教えてください。櫻山光実人。御質問ありがとうございました。直接支払いをもしやる場合の財源と対象範囲という御質問と認識をいたしました。私、今日の個別所得を礼事しましたけれども、これは日本でやった、直接所得交渉と直ってやった唯一の例なので、それを挙げたわけですけれども、直接支払いというのはそれに限られるわけではないということですね。農家に直接支援すれば、そういうことになるわけですので。それで、財源については先ほど申し上げましたように、格差税制と組み合わせるということになると、やはり累進課税のものを当てざるを得ないだろうということは、先ほど申し上げたとおりです。私が今まで、研究成果や発表した論文などを引用させていただきますと、やはりどれくらいのスケールか、どれだけの財源かというのが、イメージが分かないといけないと思いますので、例えば、民主党政権が行ったのは、対象は米だけだったわけですので、財源も人の評価によりますけれども、それほど大きくはなかったんですけれども、例えば今、この時点で、全ての農地に対して10円あたり1万円という支払いにすると、必要な予算額はだいたい4,330億円になりますね。単価を2万円にすると、8,000億円くらいということになります。ですから財源の規模はそれくらいで、消費税収入に直すと、だいたい1兆円が消費税の0.5%だそうですけれども、別に消費税を上げろと言っているわけじゃないんですけれども、財源の規模はそれくらいです。その上で、大規模だったら大丈夫じゃないかというのは、おっしゃるとおりなんですけれども、ただ、今問題になっているのは、大規模な人は非常に少なくなっていまして、それでは農地は全然守りきれないと。今、食糧安保ということが、今回の基本法の見直しでも言われているわけですけれども、私の主眼というのは、大規模じゃない方の農地をいかに守っていくかということで、直接支配が有効なのではないかということを申し上げているということです。ですので、条件不利な方を含めて守るということになると、やはり対象は全ての農地ということになりまして、予算の規模としては、申し上げたような規模になるということかと思います。

3:07:41

川野君。

3:07:42

私、民間企業で11年勤めてこの世界に入りました。農林水産省に入ったときに、やはりいろいろな制度である意味守られているなという面も勉強させていただく中で、やはり条件がいいところでやっている方には、もっともっと頑張っていただいて、努力が報われるような農林水産業であるべきですし、そうでない条件不利地や小規模なところでやっているところには、今まさに教えていただいたような、公衆の取組というのが必要なんだろうなというふうに、今勉強させていただいているところであります。今日は両工術院の先生方、大変貴重なお時間をさせていただきまして、御所見をお述べいただきました。本当にありがとうございました。

3:08:24

東ル君。

3:08:42

日本首都会の東ルです。今日は工術院のお二人の方、お越しいただきまして本当にありがとうございます。早速質問させていただきたいと思います。まず遠藤工術院の方に、ご質問させていただきたいと思います。私は、少子化問題、少子高齢化、人口減少、こういった問題は本当に政治の怠慢だというふうに思っておりまして、これは与党だけではなく、野党も含めて、私は政治の怠慢だというふうに思っております。これはもう30年以上前から分かっていたことに対して抜本的な対策を打ってこなかったということであります。まずお聞きしたいと思いますが、遠藤工術院からいただいた資料の中の6ページに、50歳児の未婚場合の上昇ということで、男性が特に28.3%、女性が17.8%ということで男性の方が高い。これは本当にできるだけ結婚してもらうような施策というものが非常に大事だと思うんですけれども、これについて何かお考えがあればお聞かせいただければと思います。遠藤工術院。失礼しました。ありがとうございます。非常に難しい課題だと思います。まさに得効薬がないというのはそこだと思うんですけれども、ただこれまでの様々な調査等々で婚姻率と経済状況との関係が高いということはある程度分かっておるわけですので、基本はこれを言ってしまうと政策でも何でもないかもしれませんが、経済がどんどん成長するということが一番の効果があるわけでありますけれども、それ以外にやはりこれは婚姻については格差の是正であるとか、そういうことで正規非正規労働の統一、待遇というような問題とか、そういうようなところで経済政策である程度はできるかなという感じは持っております。ただなかなかもっと複雑で女性の社会進出をするということは、逆に言うと男性の経済力に頼らなくても生きていけるということでもあるわけでありますので、さまざまな複雑な要素が絡み合っている話ではあると思いますけれども、一般的にはさまざまな統計から所得を引き上げると、若い人たちの所得を引き上げるということが有効なんではないかなということで、それ以外にもいろいろなことは考えられますけれども、一番重要なのはそこかなというふうに思います。子どもの数をどう増やしていくのかどうかというのは、またちょっと違う視点が必要なのかなというふうには思うわけですけれども、子育てのためのコストとか、教育費とかいう問題もありましょうし、ですが、結婚についてはそういうことが第一義的に考えられるかなというふうに思っております。以上です。

3:11:56

安倍晋三君。

3:11:57

はい、ありがとうございます。今、若い人たちの所得を引き上げていく、これは非常に私も大事な観点だというふうに思います。思いますが、税とか社会保険料、こういったものを見たときに、特に若い人たちの占める割合というのが高いというふうに思うわけですね。また、この社会保険料を見たときに、若い人たちの社会保険料、占める割合が、給与に占める割合が高い。ここを変えていくべきではないのかというふうに考えるわけではありますが、ここをできるだけ引き下げていくという、一方では、所得があり資産がある方には、特に高齢者の方なんかは、ある一定の負担をしていってもらう。こういった考え方が大事ではないかと思うんですが、その点についてはいかがですか。先ほど所得と申し上げましたのは、過所分所得の意味でありますので、そういう意味では、そのような保険料等々の負担ということを軽減させるということは大変重要だと思います。したがって、ただ今のようにフローベースで保険料が決まっておりますから、どうしても働いている人たちからの負担が増えてしまうということになりますので、そこをどう調整していくのかということは、大変重要な課題だというふうには思っております。それから、結局所得に応じてやるべきだという、ベースに置くべきだというようなことは、大変重要なことだというふうに思っております。特に保険料の場合は、逆申請という問題もございまして、上限が決まっておりますので、そういうことの調整などをしながら、若い人たちの負担が減るというようなことも、検討していく必要はあるだろうなというふうには思っております。以上です。

3:13:50

安妻君。

3:13:51

高齢者の方についてはいかがですか。高齢者の方についてはいかがですか。高齢者の負担ですね。高齢者の負担も当然でありまして。あ、失礼しました。すみません。申し訳ありません。高齢者の負担も当然でありまして、ただし、これもやはり所得とか経済力に応じた負担というところが非常に重要になります。特に高齢者は経済力や健康水準の格差は非常に大きいので、これ一律にやるということに対しては非常に課題を持っております。と同時にですね、実は医療費を見たときに、確かに高齢者の医療費は、若い人たちの医療費よりも国民医療費ベースで見ると増えているんですけれども、一人当たりで見ると、高齢者の医療費は、若い人たちの一人当たり医療費よりも伸び率はぐっと少ないんです。つまり、あまり増えてないんです、一人当たりは。ただし、人数がどんどん増えますから、医療費ベースでは高齢者の医療費は増えているんですけれども、一人当たりの医療費というのは抑えられているんですね。そういうようなことで、高齢者医療費というものの補助になっているわけではなくて、かなりいろいろなことが行われているという実態もあるわけでありますね。これは給付の段階の話になりますけれども、そういうことも踏まえながら、しかも高齢者の場合は格差が大きい。健康格差と経済力の格差が大きいという中で、負担を増やすという場合でも、非常にきめ細かく、エビデンスベースで議論をしていく必要があるだろうなというふうには思っております。

3:15:23

安倍内閣総理大臣

3:15:25

ありがとうございます。その医療費の問題で、1点気になるところがありまして、生活保護の問題であります。生活保護者は、今コロナもあって、また数が増えてきているということで、生活保護費のうちの半分は医療費であるという問題が1つあります。また一方では、医療費は全く無料でございますから、貧快受支という問題もあります。この生活保護の方に、たとえ50円でも100円でも、実費負担をしていただくという考え方についてはいかがでしょうか。

3:16:10

遠藤光実員

3:16:12

具体的に自己負担を増やすかどうかということを厳密に研究したことはありませんけれども、当然あり得る話だというふうに思っております。かつて生活保護の方の医療費については、ジェネリックを原則使うというようなことが議論されて、当初はいろいろ反対意見もあったようですけれども、今は基本的にはその方向になっているということもありますので、そのように医療クオリティーは下げないような形で、ある種の医療の、制約というのはおかしいですけれども、何らかの医療費の増幅を抑えるということが、自己負担がない分だけ非常に貧快受支が起きますので、そういうようなことは入れる必要があると思います。貧快受支を抑えるという意味では、自己負担ということも十分考えられる話だというふうに私は思います。以上です。

3:17:03

足立君

3:17:05

ジェネリック予約費のお話から出ましたので、制約会社についてなんですけれども、日本は制約会社の数が非常に多い、また小さい制約会社が多いという問題があります。こういった制約会社、再編統合していくことも必要ではないのかと思いますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。遠藤光実に。まさしくそのとおりで、最近起きましたジェネリックメーカーの不祥事に端を発するところの薬剤の供給不足という問題が起きたわけでありますけれども、そういう中で、これだけが原因ではないかもしれませんけれども、やはり中小のご指摘のとおり、中小の企業がいろいろなルール違反をしたということもありますから、諸外国ではかなり大きなジェネリックメーカーもあるということで、業界の再編成ということは当然必要だというふうに思っております。今そのような形の議論も検討会などが起きて進んでいるというふうに私は理解しております。なかなか業界再編成というのはなかなか優雅やすしで、なかなか難しいわけでありまして、本人たちは早々統合したくないという時も多いわけなんですけれども、それは非常に必要だと思います。国はジェネリックの使用ということをものすごく積極的にやって、様々な方法で進ませたわけですけれども、それに対して適切にメーカーがついてくると思ったらば、実は小さな企業などが十分それにフォローの数はあったわけですけれども、適切に対応していないところが出てきて、こういう問題が起きたわけでありますので、問題点は明らかになったので、提供体制についても、つまりメーカーの産業についても様々な形の改革が今求められている、進みつつあるというふうに理解しております。以上です。

3:18:56

安妻君。

3:18:57

時間がなくなってきました。昨夜はこちらにも1点ご質問させていただきたいと思います。野菜の生産とか長引く肥料とか重高、こういったものでコストが上がってきたと。こういったことにコスト転換できずに利納していく農家も多いというような問題があります。農業資材をできるだけ国産で賄うようにするということが大事だと思いますが、どうやって国産で賄うようにしていくのかとか、例えばまた重量の問題、こういった問題をどういうふうに解消していったらいいのかとか、重量であれば脱炭素化社会においてもどうなのかということもあると思いますが、こういった点について何かご意見があれば聞かせていただければと思います。坂山光実人。ご質問ありがとうございます。時間が少ないようですから簡潔にお答えしたいと思います。おっしゃるとおり、生産資材を国産にするというのは非常に大事なことだと思います。ただ、実際は肥料の原料というのは林の鉱石とかあるところにしかないというものが多いものですから、なかなか難しい面が正直多いと思うんですね。ですので、そういう意味でできる、今例えばやられている取組を一つご紹介しますと、下水の汚泥から林を回収するというような取組がありまして、今東京都がやっているようですけれども、実は今までは生産資材が安かったものですから、海外から大量に輸入して、それを一回使ったら垂れ直してしまうというのが非常に多いんですね。ですので、林を回収するとか、あと肥料であれば化学肥料ではなくて大肥を使うとか、それもコンパクトに集約して使いやすいような大肥というのもありますので、ちょっと時間はかかりますけれども、そういうのを取り組んでいくというのが一番かと思います。どうもありがとうございました。

3:20:51

田村麻美さん。

3:21:08

国民民主党新緑風会の田村麻美と申します。今日はお二人の講述に皆様、いろいろとご説明、ご主催いただきましてありがとうございます。まず遠藤講述人の方からお伺いをしたいというふうに思います。今日いろいろ事前にも私も講述人が書かれた資料だったりとか、あと審議会もさまざまでられているので、どの分野のお話をされるのかなというふうに思いながら来たんですけれども、最後、子ども未来戦略のところから子育て支援金制度の話のところをお話しいただいたので、その点について私、かねがね疑問に思っていたことがあるので、それをお伺いしたいというふうに思っているんです。制度自体というよりも、年末から国会に始まって、いろいろな議論があったり、世の中の報道がある中で、講述人からは、今回の支援金制度、医療保険の仕組みを使って、集めていくということに対しての一定の合理性ということを御説明いただきました。会議の中ではそういう議論があったのを私も承知しているんですけれども、この3ヶ月、4ヶ月の間に、合理性があるはずなのに、ここまで議論が紛糾してしまって、正直、世論的には理解がされづらいというような意見が多く出始めているというところ、また、1人当たりの金額だけに焦点が当たっているような議論が出てき始めているという、こういう今の状態に対して、じゃあ、前世代で私たちの日本の未来を託していきたい、つないでいきたい子どもたちを育てていくための議論を本筋に戻していこうと思ったときに、どういうことが必要なのかということを、今日、ぜひ聞きたいであって、先ほどの話を聞いて思ったので、お願いいたします。

3:22:59

遠藤光実務員。

3:23:00

ありがとうございます。医療保険制度の枠組みを使って、支援金の原資を調達していくという、枠組みなわけでありますけれども、これは、このために全く新しい仕組みを作るというのは、それなりに社会的なコストもかかるわけであります。保険料ということを財源にするということでありますと、いくつか保険の仕組みはあるわけなのですけれども、医療保険というのは、そういう意味では、全ての国民が入っているということで、介護保険の場合は、ある年齢層以下の人は保険料を納めていないということもありますし、そういう問題もあるので、医療保険という仕組みが、一番適切なんではないかということで、選ばれたんだというふうに理解しております。と同時に、先ほども議論もありましたけれども、医療保障というのは、やはり少子高齢化による影響というのは、非常に受けるわけであります。今回は別に、医療保険をそのまま使うという話ではありませんけれども、医療保険というものは、まさに少子化が進むと、非常に制度の維持が困難になりますから、そういう意味でも、医療保険の枠組みを使うということに、ある種の親和性があるんだろうというふうなことになる。ということで、社会保険の枠組みの中で考えるのであれば、医療保険というのが多くの人が支えて、なおかつ、医療保険財政そのものにも長期的には、プラスの影響を与えるということで使われた。こういうふうな理解はしているわけですけれども、その辺のところが、あまり説明されているのかどうかというのは、非常にちょっと疑問なところはあるというところは、正直なところです。

3:24:56

田村さん。

3:24:58

はい。そうですね。制度の仕組みだったり、金額ばかりが前に出ていて、根底のところの制度の考え方というところが、政府から説明をしているというふうにおっしゃっているんですけれども、国民から説明を受けているというように、受けとめられない説明が続いているからじゃないかなというふうに、今の話を聞きながら私自身感じましたので、今後の予算委員会でも、それぞれの委員会でも、そもそもこれがなぜ行われるのかということとか、合理性というところをもう少し政府に説明を求めていかなければいけないなというふうに思いました。そしてもう1つなんですけれども、私自身、医療保険の制度に今触れていただいたので、そこに焦点を絞りたいと思うんですけれども、正直、高齢化が進んでいく中で、医療費自体が縮小していくということはあり得ないというふうに考えています。そうなったときに、この医療保険の持続可能性を考えるときの、いくつか方策はもう既に出てはいるんですけれども、私はやはり医療提供体制の整備、ここしかないというふうに思っています。医療人材だって限られているというふうに思っています。費用は保険料を上げるとか何とか削減するとかという、適用範囲で決められるんですけれども、提供体制についての一番これが改革が進まないネック、これは何なのかというところを教えていただきたいと思います。

3:26:28

遠藤光実君。

3:26:30

ありがとうございます。まさにその提供体制をどうするかということには非常に重要なわけであります。これは医療保険制度、医療提供体制の存続の維持のためにも非常に重要なんですが、一番重要なことは、一番というか、いくつもあるのですけれども、基本機能は先ほど申し上げましたように、各地域が高齢化と人口減少がミックスした形で、それぞれ大きな変化が起きております。つまり医療需要も大きく変わってくるということでありますので、それに合わせて提供体制も変えていかなければならないということで、病院のベッドの機能と病床については、これまでも随分と議論はされてきたのですけれども、なかなか実行がどこまで進んでいるのか微妙なところでありますが、地域医療構想という枠組みでありますね。もう一つは、今度はマンパワーの方の地域的なアロケーションの問題で、これは医師の地域偏在というような枠組みの議論がされているわけですけれども、その辺のところを適切に需要とマッチするような形の調整を行っていくということが、全体を効率化させていく上で非常に重要なところだと思います。他にもいろいろありましょうけれども、まずそこが意の一番かなとのように考えます。

3:27:53

田村さん。

3:27:54

それを変えていこうという動きがあるはずなのに動かないという一番の理由を探していきたいと思いますし、ここは私、国会で議論していきたいなというふうに思っています。ありがとうございます。続きまして、昨日の参考人にお伺いしたいというふうに思います。今日ご説明ありがとうございます。今日、この資料でご説明いただく中で、今回の国会に提出されている法案の中での話でお話しいただいたんですけれども、生産基盤の強化と今国民の生活の状況が変わっているという中で、低所得者対策みたいなことが少し弱いんじゃないかというようなご指摘もあったんですけれども、私、全然違う視点で価格形成のところでお話したいと思います。もちろん心が主体じゃないということは、きょうのお話を聞いてわかってはいるんですけれども、とはいえ議論が進んでいくという中であったりとか、この法案を議論するときに、国内において食料の入手に困難に困る人たちが増大しているというような課題提起があったり、一方で価格形成のところで、私、実はスーパーマーケットでずっと豆腐を並べたり働いていたんですけれども、大手のスーパーが農家をいじめているんじゃないかというようなことを結構批判としていただいているんですが、現実的にはスーパーマーケットの経営指標の利益率なんかも、本当に2%を切るとかそういうようなところの状態で、正直そんなに利益率も高くないというような実態も解明される中で、今回価格形成の話が議論され始めました。もう1つ、この4月から実は食品スーパーマーケットという業種が日本の標準産業分類で改定されて、きちっと個別で特打されて、数字も見えるようになったということで、私は食料安全保障の定義もされていますけれども、安定供給と適正な価格の形成において、日本の市場であったり卸売業であったり小売業、食品スーパーマーケットなどの役割と課題と、この課題があるならば改革の方向性がもしお示しいただけるのであれば教えていただきたいなというふうに思います。佐久山光実に。ご質問ありがとうございます。非常に大きなお話で、私の能力で多分全部答えるのは難しいと思いますけれども、非常に大事なのはおっしゃるとおりで、日本でスーパーが生産者をいじめて儲けているということは全くないと思います。これはヨーロッパなんかでは非常に大きな問題になっていまして、非常に過剰が進んでいまして、価格決定権がもう全て小売業に移ってしまっていて、非常に困っているという話があるんですけれども、これは今回の食料農業農村金融法を検討した検証部会の答申にも書いてありますけれども、日本の場合は全てが低価格金庫に落ちてしまっていて、生産者の方も儲かっていない、小売業の方も儲かっていない、スーパーの方も儲かっていない、まあデフレの要素が非常に大きいと思いますけれども、そういうことが書いてあるので、そういう認識については私は特に依存はございません。その上で、そういうことからすると、そういうデフレ金庫も含めて低価格金庫から抜け出なければいけないということがあるわけですよね。その方策として、今日私が申し上げた直接支払いということを申し上げたわけです。というのは、繰り返しになるので細かいことは言いませんけれども、生産者の価格が上がって消費者の価格は下がるわけですから、当然スーパーの売り上げも増えるわけですよね。という、スーパーも含めてメリットがある方策なので、デフレ脱却ももちろん必要ですけれども、それに比べたらより速攻性があるスーパーの業界も含めてメリットがある政策として、御提案を申し上げました。

3:31:43

田村さん。

3:31:44

ありがとうございます。なかなか所得の個別保障の話だと、小売のところにどういう影響があるかというのが伝わりづらいというふうに思っていたので、御説明いただきましたので、ありがとうございます。もう一点、この制度を入れていこうと思ったときに、もう一つ国民の世論として出てきそうな心配事が、黒四の問題であったりとか、統合産品の問題ではないでしょうか。やはり経費というところの考え方が、経営効率というような視点で、さまざま今改革はされていると思うんですけれども、価格上昇で輸入の資材が上がっているのはわかるんですけれども、経営効率を上げていくというところの指標のつくり方とか、そのあたりが特に小さな農家の方たちに示すのが難しいと思っているんですけれども、そこの解消について何らかのお考えがあれば教えていただきたいと思います。佐久山光術人今御指摘の点について言いますと、政府が進めようとしているのは価格転嫁を進めましょうということですから、そうなると自分のコストを把握していないと、取引業者に対してコストはこれだけ上がりましたよと、だから上げてくださいというのは言えないので、そこをちゃんとつくりましょうということですけれども、私はなかなか難しいと思っています。というのは、細かくコストを把握できるかという問題もありますし、そのコストの中にはいろいろな秘密の情報も入っていたりしますし、それを聞いたからといって相手が言うことを聞いてくれるわけではないので、そういう意味で私の提案というのは、それがなかなか難しい小規模農家の方も対象とできる政策として提案させていただいているということでございます。終わります。ありがとうございました。

3:33:35

上智子さん。

3:33:37

日本共産党の上智子でございます。本日は遠藤久夫公実に、そして、櫻山匠公実に本当にありがとうございます。地方の経済や暮らしのことを考えるときに、今日テーマになっている農業、地方、社会保障、これは本当に大事な役割だと思っていまして、日頃は都会で仕事をして暮らしていても、出身は地方だったりということがあると思いますし、私自身も北海道が出身なんですけれども、日頃からやはり一時産業がいかに地域経済の土台として大事な役割かということを実感していただいています。安心して暮らせるということでいうと、医療や介護や年金などの社会保障がすごく大事な位置を占めているというふうに痛感しています。それで最初に、櫻山公実人からお聞きしたいと思うんですけれども、最初にあった予算の取り方の問題で、当初予算じゃなくて補正の方がずっと占める割が多くなっていて、しかも向上化しているという問題は、私も全く同感で、本来だったらちゃんと当初予算にもっと増やすべきだというのが考え方であります。今度の国会では、食糧農業農村基本法の見直しについても議論されていくことになるんですけれども、1995年にウルグライランドで農業交渉、WTOの協定が結ばれて30年にまもなくですね、成ろうとしています。なかなかですね、途中新たな交渉が進まないという中で、FTAであったりEPAであったり、日米の二国間だったり、それから関太平洋経済連携協定などもね、進められてきたわけなんですけど、関税率を下げていって最後はなくしていくということで、WTO協定よりもむしろ高い水準で、そういう自由化のことが進められてきたと思うんです。それで、そういうのを日本も国境措置を受け入れてきたということなんですけども、これらがですね、日本農業にどういう影響を与えてきているのかということで、公実にご意見を伺いたいと思います。佐久山公実人はい、ご質問ありがとうございます。今のご質問、つまりWTOやそれから自由貿易協定などの貿易自由化の日本農業への影響ということだと思いますけれども、そこは今回の私の資料でもカバーしているところでして、例えば14ページの資料を改めてご覧いただきますと、日本の農業の支援額というのは、1987年は6.5兆円、2020年は4.4兆円なので、2.5兆円減っているというデータを示してございます。実はまさにこれが関税などの削減の効果も入っておりまして、それはどういうことかと申しますと、14ページのその下に内訳がありますけれども、価格指示と直接支払いというのが書いてあって、直接支払いは政府が直接お金を払うものですけれども、この価格指示というのがまさに、関税をかけますと輸入品の値段が上がって、売却額差が生じます。それに生産料をかけたものがまさにこの価格指示なんですね。ですからこの2.5兆円減っているののほとんどはこの価格指示が減ったもので、それは要するに関税を下げたものですから、売却額差が少なくなって、間接的な農業価格が減ったという効果がここに現れているということです。ということで、こういう細かい数字を離れましても、基本的には輸入品がどんどん安くなって入ってくるという状況になっていまして、それは今の価格転換にも関係するんですけれども、要するに輸入品が野菜なんか典型ですけれども無関税で入ってくるものですから、国内のコストが上がりますよね。すると簡単に中国やアメリカから代替になる野菜をすぐに輸入できるわけですから、価格転換が進まない一因というのは、貿易中華も一因になっているという構図だと思います。

3:37:45

上杉さん。

3:37:47

国内、国際相場の不安定化もこのところあるんですけれども、そうして低価格の農産物の輸入が増えて、国内の農産物の価格を引き下げることになって、農家の経営に打撃を与えてきたというふうに思うんですよね。先月、フランスの国民議会の野党の議員の方が来日した際にお話しする機会があったんですけれども、フランスでも新自由主義の振興の下で、フランスの農家が苦境に陥って食べていけなくなっているという話を聞きました。それで、そういう中で、農業者と消費者の共通の利益というのは安全な食料を生産することになると。そこの観点から、やはり農業を守っていく政策が必要なんだという話をされて、私も日本も共通するところがあるというふうに思ったわけです。昨夜、後日には、今度出されてくる農業基本法について、別の資料で言われていましたけれども、農業生産基盤の強化策がないんじゃないかと。それから、効率的かつ安定的な農業経営に固執して、農業者や農地の減少を止められなかった反省がないんじゃないかというようなことを指摘されているんですけれども、そのことについて、ちょっと端的に、もうちょっとどういうことかということをお話しいただきたいと思います。佐久山光術人はい、ご質問ありがとうございます。まず、今上議員はフランスの例を出されましたけれども、今日、私が提案したような直接支払いというのは、別に私の発明でも何でもなくて、むしろフランスをはじめとしたヨーロッパ諸国が始めたもので、それが世界標準になっているという認識だと思います。その上で、今おっしゃいました、食料農業農村基本法の改正案についてですけれども、私の印象は、いろんな要請を受け入れようとして、結局あまり新しいことが言えなかったなということだろうと思います。例えば、大規模な農業を盛んにしていきましょうというのは、それはそれで正論ですし、価格も市場で決めてあまり高くならないようにしましょうというのも正論なんですけれども、結局、それを全部一つのものに入れ込んでしまうと方向性がよくわからないというところが私の印象でございまして、その端的な問題が現れているのが、一方では貧しい消費者が増えていますねと、もう一方では生産コストが上がって農家が困っていますから、どんどん価格転換をしましょうというところに、その衝突矛盾が端的に現れていると思っていまして、今回の答申には残念ながら出ていないんですけれども、それを解決する別な方策として、今日私が提言したようなことを申し上げているということでございます。

3:40:41

上井さん。

3:40:42

もう一つお聞きしたいんですけれども、中産間地域直接支払いを平地に持っていることで、この政策そのものは私は必要だったなというふうに思っているんですけれども、そこで農村振興をどうするかということを考えると、現在の農業基本法は農村について、農業者を含めた地域住民の生活の場で農業が営まれているということが、言ってみれば持続的な発展の基盤の役割を果たしているということなどを含めて、ずっと述べているんですけれども、あと34条のところでも、地域の特性に応じた農業生産の基盤の整備と交通や情報通信や、衛生、教育、文化などの環境の整備その他というようなことで、こういうことを推進するように必要な政策を講ずる必要があるんだというようなことも述べています。かなり網羅されて言っているんだなというふうに思うんですけれども、それで全国町村会が以前から言っているんですけれども、農村価値創生交付金のような、これ過小ですけれども、ようなものを提唱しているんですけれども、地域レベルで独自性を持ってそこを担う人に着目している、新たな交付金的なものを考えたらどうかということなんですけれども、これは農村振興というところで言うと、どう思われますかということを一言お願いします。坂山光述人。はい、ご質問ありがとうございました。今言及いただきました食料農業農村基本法の農村部分はですね、私が25年前に基本法の策定に関与したときに、私は農村の担当でしたので、まさに私に責任の一端もあるかもしれませんけれども、正直あまり書き込めていないというのがあると思います。というのは、農水省は農業に関わることでないと政策ができないということがありますので、ちょっと狭く書いているというところがあると思いますので、そこをもうちょっと広げるところを期待したいと思います。その上で、全国町村会が提言されている交付金ですけれども、これは私の同僚に小田原徳美先生という方がいらっしゃるんですけれども、その方がもともと提唱されているものでして、私はやっぱり農村の多様性を考えると、そういう方向にしていくというのがいいだろうと思います。なかなか国でやるとどうしても確率的になってしまいますので、今、実は交付金というのがすでに少しはあるんですけれどもね、農水省の予算でも。そこを拡充していくというのは正しい方向だろうというふうに思っております。

3:43:09

上杉さん。

3:43:10

ありがとうございました。最後に、遠藤公実議員にお聞きします。それで、いろいろ消費支出家の話を聞いて、人口減ということなども非常に深刻な状況が進んでいるということを改めて認識をしたところなんですけれども、ちょっとそれも含めて、今私直面している問題として、ぜひ聞いておきたいと思ったんですけれども、北海道を私出身ということを言いましたけれども、一つ一つの医療権がすごく広いんですよね。すごく広いんですね。そこで医師、看護師不足というのは切実な問題で、つい最近もある町の話ですけれども、病床数が146床の病院の内科の医師が2020年に8名だったのが23年になると3名に減って、25年になる、4月になると2名になるんだと。それでこのままいったら通常の診療などできないということで、結局残った医師に重圧がかかって、長時間労働でいつまで続くのか不安を感じながら仕事をするという状況で、これは一つの町だけの話じゃなくて、館内全体を影響する病院なものですから、これなくなられたら大変だということで、今必死に医師確保に奔走しているということなんですよね。4月から医師の働き方改革が始まるんですけれども、地域医療を支えるために医師の確保ということでいうと、どうしたらいいのかというのは、これは本当にちょっと一言お願いしたいと思います。

3:44:42

遠藤厚実議員。

3:44:43

ありがとうございます。非常に直急の難しい課題なわけですけれども、医師偏在対策ということなわけですけれども、この医師偏在というのは、医療保険制度、医療提供体制の強制的に保険料を取っていながら、そばに医療提供サービスがないということは、これは制度としておかしいわけなので、これは提供体制は公平にしなければいけない。ただ問題は、特に医師、医療者ですね、この人たちはどこで働こうかというのは基本的人権ですから、それを強制配置するというようなことは、これまた憲法違反になってしまうということで、そのバランスをどうするかということで、さまざまなことがやられてきているんですけれども、一番効果があるのは、地域枠とか、要するに卒業してから9年間はそこが指定するようなところで働くと、その代わり試験は少し普通とは違う試験にする、入学試験ですね、大学の入学。それから奨学金を与えるというようなことなわけですけれども、これについてもさまざまな反応もあるんですけれども、今のところはそれが一番有効ではあるということなわけです。私はさらに、例えばリタイアをしたドクターが少しトレーニングを受けて、そういう壁地みたいなところに行かれるというような仕組みをもっと制度的に作るとか、あるいは今は地方の大学を出てすぐに卒業して国家資格を取れば、そのまま出身地である大都市に戻るというような流れがあるわけですけれども、それをやめるためには一つは、そこの大学を出れば、その地域でしか初期研修というか臨床研修を2年間やらなきゃいけないんですけれども、その地域、例えば北海道の学校、大学を出れば北海道のどこかでやらなきゃいけないようなこと、事前にそういう仕組みを作っておくのであるならば、承知で受けるわけですから、そんなような仕組みを作るとか、そういうようなことを進めていくことが一つ一つ解決になるんだろうと。もう一つは、特に北海道のように距離が遠いところは、それこそDXの利用であって、専門の医師がいなくても、テレメディスの遠隔医療によって適切なアドバイスをしっかりと大学病院から得るとか、そういうようなことをやることによって、医師不足をできるだけカバーしていく。そういうことの総動員をしていく必要があるんじゃないかな、そんなふうに考えます。以上です。

3:47:16

上杉さん。

3:47:17

どうもありがとうございます。参考にしてまた取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。

3:47:29

大島九州男君。

3:47:31

今日は講師の皆さんありがとうございます。早速質問に入らせていただきますが、まずは令和新選組等の考え方を伺いたいと思うんですが、令和新選組は子ども手当を高校卒業まで所得制限なしの一律3万円支給することや、18歳までの子どもの医療費、学校給食費、保育料、学費、小学校の放課後対策事業の費用のすべてを無償化すること、大学院までの教育費を無償化することなどにより、子育てが自己責任となっている現状からの転換を目指しています。さらに一人一人の育ちや学びの寄り添った保育教育を実現するため、保育教育現場の待遇と人員の大幅な増加も提案をしています。こうした大胆で積極的な財政支援を行う支援策がなければ、少子化の解決はできないというふうに考えているというところですが、遠藤厚実人に御見解をお願いします。遠藤厚実人。ありがとうございます。まさにそれだけパワーをそこに集中しなければ、なかなかこの問題解決しないだろう。まさに私もそう思います。ただし、そのための財源をどうするのかという問題をはっきりさせなければ、なかなか実行できないだろうということなので、そこをどうお考えになるかということだというふうに思いますね。

3:48:58

大島君。

3:49:00

令和新選組は積極財政ということで、政府が金を出せという、そういう考え方なんですがね。財源ということで言いますと、先ほど介護保険の話がちらっと出ましたけど、介護保険を導入するときに、介護保険という名前で導入しますよね。そうすると国民は、自分が年を取ったときに、そういう保険制度、火災保険、自動車保険というような感じで、そういういろんな手当が受けられるということで、すんなり入ったと私は思うんですよ。ところがあれはちょっとそういう医療費が足りなくて、調整しなきゃいけないけど、税金を上げるみたいなことを言うと、ちょっと反発があるから、介護保険という名前を使ったんだろうというふうに個人的には認識しているんですけど、どうですか。遠藤光実に。遠藤光実です。西暦2000年に導入された介護保険。介護保険と言っても、実は介護サービスというよりも、医療費が増えていたので、それは削減するための手段ではなかったのかというようなことだと。結論から言いますと、介護保険の目的としては、要するに、病気でなくても長期入院するような、医療費を使っているような人たちを介護保険にするという、そういうような社会的入院の是正ということも、介護保険の設立の一つの目的ではありました。ですから、そこはそういうことを目的として入れているわけなんですけど、多くは基本的には介護の社会化であって、個々の家で介護をしていかなければいけなかった、要するに長男の嫁問題と言われていた介護事業をできるだけ解消しようというところで入れられた。それが目的の主たるところでありますので、医療費の削減という問題も、本来介護でいいようなところにもかかわらず、重装備の病院に長期入院していたという問題を是正しようという意味では、そういう側面もなかったとは言いませんけれども、それは重大な目的だったというふうに私は思っております。

3:51:07

大島君。

3:51:09

社会保障は、いろいろ時代とともに変化をしていかなければならないという部分があるというふうに認識をしておりますので、次に、坂山公衆事務局に、まさに令和新選組では、世界の富裕層のための輸出拡大ではなく、国民を飢えさせないための国の安全保障としての農業政策を提案しており、食料自給率の当面の50%超えを目指しています。そのためには、手厚い農業生産者支援が必要不可欠ですが、食料の確保や安全保障政策の核に位置づけられるアメリカやヨーロッパ各国に比べ、日本では生産者への支援が手薄となっており、特に価格保障、所得保障が不十分となっている。坂山教授は、すべての農地を対象とした直接支払いの導入による所得保障を提唱されていますが、令和新選組でも、米国に行われている不足払い制度や収入保障制度を参考にしながら、農産物の目標価格を市場価格が下回った場合には、差額を政府が補填する仕組みなど拡充すること、農産物の価格保障が国に行うことにより、農業従事者の所得引上げを行い、高齢化した農村に若い世代が収納していくことのできる、増える農業にすることを提案していますが、こうした等の農業生産者支援政策について、坂山公実人の御見解をお願いします。坂山公実人御質問ありがとうございました。端的に言うと、7割8割ぐらいは共通しているんじゃないかなというのが私の印象でございます。まさに、直接支払いというのは、今日私の公実でも申し上げましたけど、ヨーロッパやアメリカでは標準的な政策で、農業政策イコール直接支払いと言っても過言ではないという形になっています。それは先ほど申し上げましたように、農家の所得も上がる、消費者の価格は下がると、市場の原理にも沿ったものという、いろいろな経済的、経済学的な裏付けもあるという、いろいろなメリットに沿っているから、そういうものになっているというところは、全く依存がないところだと思います。ただ、社会保障とも関係するかもしれませんけど、やはり難しいのは財源をどうするかという問題でございまして、やはり財源を確保しないとなかなか実施できないというところがありますので、私は今日の公実では財源のところも含めてお話をさせていただきたいということです。もう一つ、さっき7割、8割ぐらいは同意ですと申し上げたのは、食料自給率については、私はちょっと違う考え方を持っていまして、要するに農業の生産基盤を上げていくのは非常に重要なんですけれども、食料自給率というのは、今日議論になっています、25年前に食料農業農村基本法をつくったときに、その目標設定をするというのが盛り込まれたわけですけれども、実際その後、1ポイントも上がっていないんですね。45%に上げるというのが政府の今の目標ですけれども、実際38%ぐらいで、全く上がったことはありません。その主な理由は非常に簡単なことで、日本でお米の消費がどんどん減っているからということですね。米は日本国内で100%自給できるわけですけれども、日本国民がそれを食べなくなって、輸入の飼料で育てる食肉とか、小麦とかパンとかそういうものを食べている以上、必然的に下がっていくわけなので、農業の基盤の強化、直接支払い、私は大賛成ですけれども、自給率というのは消費分の国内生産ですから、消費のことも考えないと自給率が上がるということにはならない面があるということも、同時に考える必要があると思います。

3:54:56

大島君。

3:54:57

民主党時代の個別所得交渉があるじゃないですか。農家の皆さんに聞くと、それは非常に良かったという声ですよね。これがなかなか続いていかないという一つの理由に、私が考えるのは、やっぱり団体を通じてお金を配ると。そういう仕組みがずっと日本には根付いていると。当然お金を配るところに力が集中するので、個別所得交渉をやると、そういう団体の力がそがれるんだと。そういった部分での抵抗が非常に大きかったんじゃないかというふうに思うんですが、そこら辺、佐久山さんどうお考えられますか。佐久山光術人。今の御指摘は非常に、私はまとおいた御指摘だと思います。ただ、確かにいろんな農業保障金は、JAなどの団体を通じたものが多くて、まさに米の収穫で言いますと、JAは今でもかなりのシェアを持っているんですけれども、今の大島議員の御指摘というのは、どちらかというと団体を通じた政治的な意味合いというのは、一致主催が強いように見受けられましたけれども、やはり直接支払いのある意味、人によってはデメリットというのは、市場の価格が下がるので、市場価格に上乗せして、仲介料を取っているような方については、仲介料が下がってしまう。例えば、生産側の卸売業者、仲介者はJAですよね。消費者側というのも、米の卸売業者さんがいらっしゃるわけですよね。そういう方は、市場価格プラス何%が自分の所得ですので、そこの人たちはやはり所得が減ってしまうということなので、まとめて言いますと、所得保障は非常に優れた仕組みなんですけれども、仲介業者の方の手取りが減るという問題と、仲介業を見つけなきゃいけないということがあるので、すぐに進むということにはなっていないというような、そういう背景があるのだろうと思います。

3:56:58

大島君。

3:56:59

佐藤さん、公実人ありがとうございました。最後に、遠藤公実人に、少子高齢化対策は、今、例えば、子どもに教育費だけを出すだけじゃだめなんだと。結婚率を上げるために、いろんな町が婚活みたいなのをいろいろやったじゃないですか。そういうのでもだめなんだという声を聞いたりするんですけれども、今この時代に、本当に一番有効なものは何だというふうに言われたらどうお答えになりますか。遠藤公実人。先ほども類似のお話がありましたので、結婚については、経済状況との関係ということが重要なので、雇用の仕組みであるとか、全体の賃金とか、そういうようなものの改善というものは、一定の効果はあるだろうというのが、過去のデータから見ては言えるわけですが、それが特効薬かといえば、そうとは言えないので、特効薬がないんです、この世界は。しかもその関係がよくわからないというところがあるので、いろいろやってみながら検証していかざるを得ないというのが、お答えかなというふうに思います。

3:58:12

大島君。

3:58:13

ありがとうございます。両公実人の御意見にもありました。財源をどうするかということが一番だということでありました。そういう意味では、令和新選に関する積極財政ということで、それこそ総理が国債は国民の借金じゃないんだと。その後、鈴木財務大臣が、いや、だけれども、借金を返すためにみたいな答弁はおかしいじゃないかと。ただそのとおりで、他人の借金を我々が返すようなことじゃないわけですから、国民の借金じゃないと総理が言うんですから、国はそこら辺しっかり国民に頼るんではなくて、しっかりとした経済政策の中で財源を生んで、少子高齢化対策やこういう農業政策をしっかりやっていただくことを期待して終わります。以上で公実人に対する質疑は終了いたしました。この際、公実人の方々に一言御礼申し上げます。本日は有益なご意見をお止めいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

3:59:30

午後2時に再開することとし、休憩いたします。

4:01:50

ただいまから予算委員会、校長会を再開いたします。令和6年度総予算3案につきまして、休憩前に引き続き、公術人の方々からご意見をお伺いいたします。この際、公術人の方々に一言ご挨拶申し上げます。本日はご多忙中のところ、本委員会にご出席いただき誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。本日は、令和6年度総予算3案につきまして、皆様から忌憚のないご意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。次に、会議の進め方について申し上げます。まず、お一人15分程度でご意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは、外交安全保障について、公術人東京大学公共政策大学院客員教授高見澤信繁君及び元陸上総隊司令官高田克紀君から順次ご意見をお伺いいたします。まず、高見澤公術人にお願いいたします。高見澤公術人、よろしくお願いいたします。はい、ありがとうございます。高見澤です。本日は貴重な機会をいただき感謝申し上げます。時間が限られておりますので、配付資料に従いご説明させていただきます。2ページをご覧ください。本日は、安全保障環境の変化、戦略実施上の課題、総力安全保障に向けての取組について述べさせていただきます。3ページ、資料1をご覧ください。国際安全保障環境やその枠組みの変化についての私の捉え方をまとめてみました。左側をご覧いただきますと、3つの変化が生じています。既存の国際システムの信任に対する疑念が生じ、さらには国際社会の相互依存関係が進んだ結果、それが逆に利用された形でタブー破りが横行し、民主主義人権よりも目の前の経済的利益と政権の安定が優先するという構図が強まりました。これと並行して生じているのが、右に示すような3つの変化です。まず、抑止をめぐる環境変化。軍事力というハード主体の米ロ二極構造から、情報社会化が進む中でソフト面を含む複雑な構造に変化しました。中国の核戦力の増強など多極化が進展する中で、グレーゾーン事態など対象の多様化に対するトータルな抑止構造の有効性が問われております。第2は、力による現状変更です。抑止構造が変化する中で、一旦破られてしまったルールを守らせるということは非常に難しい、国際システムの限界があらわになっております。第3は、経済はじめあらゆる分野におけるいわゆる安全保障化、セキュリタイゼーションの問題です。軍民融合であるとか、総体的安全保障感、あるいは経済安全保障こそ国家安全保障のベースだというような認識が広がっていることが挙げられます。こうした変化の中、多国間主義の危機が叫ばれ、さまざまなグローバルな課題が浮上しています。中でも資料中央に示すとおり、いわゆるグローバルサービスの関与、それから中国、ロシア、北朝鮮、イランの連携強化、こういった2つの要素にどういうふうに対応するかということが特に重要性を増しております。では、どう対応するか。一言で申し上げれば、明暗はないということであります。あえて申し上げれば、資料の下に書いてございますような努力を積み重ねていくしかないと考えます。多層的、横断的、持続的な対話の実施、既存の枠組みや制度のアップデート、それから戦略でも言っております、いわゆる新たな均衡の形成による力とバランスの維持ということではないかと思います。4ページ、資料2をご覧いただきたいと思います。これは特に民主一国に見られる5つの共通的現象や症状、さらには価値の動揺とその背景にある6つの要素をまとめたものです。実はこれは2016年11月にトランプ大統領が当選したときの日本記者クラブにおける私の講演資料をもとに整理したものであります。政治を取り巻く環境は一層困難になり、価値の動揺はますます広がっているように思われます。5ページ、資料3をご覧ください。多国間主義の危機という表現は、2018年5月にジュネーブでグテーレス国連事務総長が述べた国連軍縮アジェンダの中にありました。具体的には長期にわたるコミットメント、すなわち約束が履行されていない、多国間軍縮交渉がデッドロックに陥っている、軍備競争が制約されずに国際的な規範と制度が遵守されずに境外化している、技術の進展により様々なリスクが高まっているといった危機感が表明されました。この演説から5年以上経ちましたけれども、その間に何が起こったか、エロシアのウクライナ侵攻をはじめ、想像を超える事態が生きしております。右の方にありますように、昨年9月、グテーレス事務総長は国連で演説し、次のように述べました。「世界は混迷を極める異向期にある、多国間制度は問題の一部となる危険性を内包している。21世紀の経済的政治的現実に基づいて、多国間制度を更新する時が来ている」というものです。最大の問題がその具体的対応策にあることは、グテーレス事務総長自身も認めており、お互いの妥協、いわゆるコンプロマイズが必要だということを強調されています。しかし、21世紀の経済的政治的現実とは何でしょうか。これをどう理解するかについて、著しい相違がございます。その上、その現実が急激に変天し、その行方が定まらないのか実態です。制度の更新の具体案が仮に安出されても、その実現は容易ではなく、新たな制度が無視される危険性は深刻化しているわけです。当面は、短期的行動と中長期的ビジョンの組み合わせが不可欠であり、現実的な施策の実施と抜本的な施策の検討の双方について、それぞれが不都合な真実を率直に認識する必要があると思います。具体的には、抑止とリクスル管理に最大限の努力を払いつつ、地道に対話を実現するための条件を構築できるよう、辛抱強く努力を積み重ねていくしかないと思います。日本関係、日米関係の改善は、こうした努力の成果でもあります。妥協ではなく、折り合いをつけることのできる共通の利益と課題、これを発見すること、それを実現するリーダーシップによるものだというふうに考えております。以上、最初のテーマである国際安全保障環境や枠組みの変化について申し上げました。6ページ、資料4をご覧ください。次に、戦略実施上の課題について申し上げます。本年度の予算を含めまして、戦略を効果的に実施するためには、次の5つの柱が重要であります。1つは、官民協力体制の確立のためのソフトウェアの強化。第2に、変化に応じて柔軟に計画事業を見直すメカニズムの確立。第3に、関係府省の各種事業の見える化、生きたデータベース化。さらには、平素からの国際的な情報共有と調整システムの確立。最後に、諸計画の戦略的機動的実施のためのメカニズムの構築というものを挙げております。このうち、第4の柱につきましては、平素から国際的な情報共有と調整システムの確立が大事だというふうに申し上げておるわけですけれども、政府においては、G7、G20、クワッド、日米韓、日アセアなどを含め、体制強化のための努力が積極的に進められていると認識しております。いずれにいたしましても、リアルタイム性があって横断的統合的なシステムの構築がなされない限り、力による現状を許さない危機管理の国際化というものは図られないというふうに思っているところでございます。7ページ、資料5をご覧ください。残りの4つの柱を具体化したものです。この点については、昨年4月の衆議院財務金融委員会、安全保障委員会でも申し上げましたので、簡単に触れたいと思います。まず、官民協力のための、確立のためのソフトウェアの強化については、戦略3文書に従い、様々な取組が進められております。中でも、政府による積極的な情報発信と関係者の安全保障意識の向上に資するものとして、いわゆるセキュリティクリアランス制度の拡大が挙げられます。これが具体化されることは重要だと考えております。次に、変化に応じ柔軟に計画事業を見直すメカニズムの確立については、特にリスクが高くても先端的な内容を目指す研究に対する支援の拡大が重要だと考えています。これは、同時に想定していた前提と大きく異なる状況に直面したときに、機動的に予算を見直していくという体制が必要になると考えております。さらには、各種事業の見える化及び生きたデータベース化に当たっては、計画の目標、内容、達成時期に関する具体的な明示と執行の重視、フィードバックの実施が前提となります。特に、部局間の壁を越える形での各種事業に関するガバナンスの向上、執行の透明性の向上が求められます。いずれにいたしましても、巨額に上る初計画は、戦略的、機動的に実施することが重要であり、その検証メカニズムを構築することが不可欠です。事業の執行や決算の重要性は、これまでも叫ばれていますけれども、新たな計画の策定ばかりに目が行きがちです。スピードの時代に追いついていくためには、複数研究機関や有識者による統合、履行、検証、提言メカニズムの構築が有用であると考えております。8ページ、資料6をご覧ください。戦略の実施にあたっては、安全保障意識の向上が重要ですが、その内容は多様であり、3つの側面に分けて考えることができます。1つは、安全保障問題そのものに対する関心がどの程度あるか。2つは、国際情勢、軍事力、領土主権に関する客観的事実やデータなど、全般的な基礎知識をどうしたら高めることができるのか。3つは、実際に危機が生じた際の個々の決断と対応力はどうしたら身につくのか。このために考えられる施策の一例は、資料の真ん中に掲げましたけれども、いずれにせよ、幼児から高齢者まで一体となって、老若男女を問わず対象とすることが大事であり、中身も学習編、基礎編、応用編といった形で段階を追って、またニーズに合わせてプログラムを設定することが重要であります。若者から創利・革命までを対象とし、それぞれの状況に応じて継続的に実施し、問題に取り組むリーダーシップの寛容、制度に関する理解の向上、具体的な問題解決のための意欲と経験を育むことにつながるように留意する必要があります。さらに、教育現場や地域で進められている先進的な各種の取り組みや、世界各国で活用されている優れた手法を学び、共有することが重要と考えています。9ページ資料7をご覧ください。ここにはサイバー関連シナリオを基にしたシミュレーションの一例を示しております。シミュレーションは、あまり知られていない過去の実例と想像力を組み合わせて精度を運用し、全方位で試して検証し、改善することが必要です。複雑化するサイバー攻撃に対し、事態の原因究明が困難な状況の下で、どれほど多くの国や組織が関係しているのかもわからないまま、サイバー以外の局面でも、同時多照面で急激にエスカレートする場面に直面することも考えられます。事態認定もままならない、情報不足下での判断や、突然起きた事象に対して、瞬時の意思決定が必要となり、外交、情報、軍事、経済、技術などの面での同時対応が求められ、その優先度判断と権限以上柔軟対応を行う、並行して同盟国間、他国間、異分野の調整を行う、こうした状況は容易に考えられるところです。新たな国家安全保障戦略においては、我が国を全方位でシームレスに守るための取組の強化の最初の柱として、サイバー安全保障分野での対応能力の向上が掲げられ、その能力を欧米主要国と同等以上に向上させることや、サイバーセキュリティに関する世界最先端の概念、技術等を常に積極的に活用することが謳われています。その早期試作化が望まれるところです。10ページ、資料8をご覧ください。これは2012年に防衛研究所で行われた防衛力の戦略的マネジメント、変革の方向性と課題の報告書から取ったものです。基調講演は野中育次郎先生にお願いしました。そこでは、産・館・学防衛の共同促進と政治的リーダーシップを含む6つのフロネティックリーダーシップの6能力の重要性が示されております。グローバルエコシステム、分野を超えた場の設定、ありのままの現実を直感する能力なども示されています。以上が戦略実施に向けての提案ですが、まもなく3文書具体化の初年度である令和5年度の期末を迎えます。資料の中央の項目は、共同促進のための施策として昨年講演したときに書き込んだ一例です。既に令和6年度予算案に反映されている部分もあるかと思いますが、しっかりと検証と見直しを行い、計画達成に向けての機動的な取組をお願いするものです。最後に、総力安全保障の取組について述べさせていただきます。11ページ、資料9をご覧ください。これは大平内閣で検討が始まった総合安全保障研究グループ報告書を私なりに整理したものです。当時は現在と背景が大きく異なりますが、キーワードは重なり合っているように思えます。安全保障政策が総合的政策を有意していることや、3つのレベル、すなわち脅威そのものをなくすための努力、あるいは国際環境を全体的に好ましいものにする努力、脅威に対処する自助努力、利益・理念を共有する国々と連帯して安全を守り、国際環境を部分的に好ましいものにする努力についての言及があります。まさに経済的安全保障政策に関しても、3つのレベルの努力が必要であるというふうにされています。また、この報告書の状況と課題として、最も基本的な国際情勢の変化が生じたとして、米国の明白な優位の支援、特に通常戦力分野での自助努力の強化の必要性、新たな南の勢力との関係の安定した発展の重要性、新たな秩序形成への貢献、さらには責任分担による平和の時代に移行することなど、戦略3文書と重なるところがございます。12ページ資料10をご覧ください。これは国会において、安全保障がどのように論じられてきたかについて、一面を切り取ったものです。井沖部誠先生が亡くなる直前に座長を務められた会合において、大平雅義市長と井の木雅美市長を受賞された山口先生が講演されましたが、そこでは、総合安全保障の多様性と多層性ということが言われております。それに加えて、融合性ということも顕著に見られます。何でも安全保障をつけるというわけでもないですが、ありとあらゆる分野が融合し、重なり合い変化している状況を示しているのではないかと思います。13ページ資料11をご覧ください。戦略3文書では、総合的な防衛体制の整備が強調され、様々な施策が示され、その具体化が図られているように思います。もともとこの言葉は、合否と対抗を策定時の佐方防衛上長官が国会で言及されたものでもあります。新たな戦略3文書の前から、戦略や対抗でも使われてきた経緯があります。総合安全保障の融合性の増大と、抑止の対応化ということを考えますと、今後は我が国としてもこれ以上の対応が求められるのではないかと考えております。14ページ資料12に示したとおり、戦略に従い、有事も念頭においた我が国国内での対応能力の強化、あらゆる総合的な防衛体制の整備を速やかに進めるともに、総力安全保障への展開が必要と考えております。そのポイントは、総合だけでなく総力、つまりあらゆる手段を動員し、防衛だけでなく安全保障、何かあった時だけではなく、閉鎖からということが重要だと考えております。国家戦略の検討、迅速な意思決定体制の整備、幅広い人材の育成、個々人の役割と能力の向上なども重要になります。以上、時間が参りましたので、ここで終わらせていただきたいと思いますが、最後の16ページに、これまでの過去20数年の総理の施政方針演説の発言がございます。まさにここでおっしゃっているような政治的リーダーシップ、あるいは決断、そして過段のある実行ということを期待するものでございます。以上で終わります。

4:18:39

ありがとうございました。次に、高田公術人にお願いいたします。高田公術人、よろしくお願いいたします。はい、ありがとうございます。それでは、意見を述べさせていただきます。まず、一昨年末策定された、いわゆる戦略三文書において、防衛力の抜本的強化が謳われ、現在、それが着実にその整備が進められていると思っております。特に国家防衛戦略で選定された十四七項目の中の、軌道展開能力、国民保護についても、統合部隊としての海上輸送部隊の創設や、南西地域へのプレゼンス強化、航空自衛隊のC1からC2への機種変更による航空輸送能力の向上、政府による38空港公安施設の機能拡充の検討、並びにシェルターの整備、国民保護を専門に扱う部局の創設を検討すると、まさに目に見える形で着実に成果が出ており、高く評価できるものと考えております。一方で、自衛隊、特に陸上自衛隊の軌道展開等においては、いまだに多くの法制上の制約が存在するとともに、新たな戦い方に対応する法整備は、いまだ途上であると考えられることから、その一例や解決の方向性について、意見を述べたいと思います。まず、陸上防衛力というのは、海上航空の防衛力に比べ、明らかに鈍重で遅いと自分でも思っております。例えば、東京からF15で福岡へ行きますと、だいたい15分から20分ぐらいで行けます。我々の陸上自衛隊の部隊がそれと同等のことをしようと思いますと、やはり志願地の日にちを見る必要があります。さらには、自衛隊の行動、特に陸上自衛隊の行動は、中途の地の正門を出ると、そこは日本の法律の場でありまして、もちろん中途の地の中でもそうですが、あらゆる道路交通法とか道路法とか、いろんな法律が絡まって、部隊の行動を立しているということ。遅いという弱点はあるにせよ、この陸上防衛力が動くということは、国家の意思そのものを相手国に見せることにつながりますし、相当な抑止体制を腹ぎ目をして、政治の判断によって陸上防衛力を動かすということの意義は、これは非常に大きなものになってくると思います。その上で、自衛隊の軌道展開等において、関係省庁所轄の多数の法律、これは私、自分で数えたところ36個ぐらい法律があると思いますが、その適用除外が期待されているところですが、その適用除外されるタイミングは、事態対処法に示す武力攻撃予測事態認定、あるいは武力攻撃事態認定以降に、初めてその適用除外が適用されると。それまでは国内法に、まあことは悪いですけど、がんじがらめになっているというところであります。事態認定以前の軌道展開においては、部隊から関係省庁の出作機関や自治体に対し、例えば火薬類の取締法であったとか、道路交通法、道路法、電波法、土地収容法、都市計画法等々のですね、法律に基づき、その都度申請し、その承認を得る必要があります。ここで注意していただきたいのは、軌道展開というのはですね、陸上自衛隊の部隊がA地点からB地点に移動することを、軌道展開と言っているのではありません。軌道展開というのは、移動した後に陣地を構築すると、そのいわゆる抑止の体制を整えるというところまでを、軌道展開と申しております。今回、ウクライナ・ザポリジア州で、ウクライナが昨年の6月から大きな反転攻勢いたしましたが、ロシアがそれをわずか17キロの突進で食い止めた。これはロシア側の6ヶ月間にわたるですね、防御準備の賜物ということであります。そういったことで、早期の作戦準備による抑止体制の確立がですね、この予測事態認定の遅れが、大きな支障をきたす恐れがあるということであります。さらに、武力攻撃予測事態認定を含める事態認定行為は、すべて閣議決定を経て、公示行為を伴うということで、官報に記載されるということですので、その事態認定自体がですね、我が国が先に戦争準備を始めて、エスカレーションラダーを上げたじゃないかということを、相手国にその口実を与えかねないという、まあ、配判的な準備を早くやらなきゃいけないんだけど、早くやればやるほど、それが国際的にも国内的にもですね、自らがエスカレーションラダーを上げたんではないかという、口実を相手側に与えるという、配判的な性質を持っているということです。ただ、私ここで強く申し上げたいのは、事態認定にはですね、早期かつ円滑な軌道展開等による、抑止体制の確立と、エスカレーションラダーを我が国が先に上げたという、配判的な性質が、これは確かにあるんですが、優先されるべきは、戦争の抑止であり、国民の生命と財産の保護であることは、これは間違いないというふうに思うんですね。そうやって、ぜひ政治家の皆さんはですね、この躊躇せずにですね、予測事態の認定というものを議論し、決断をしていただきたいということであります。次に国民保護について申し上げます。国家安全保障戦略に、武力攻撃より十分に先立って避難を実現するという、かきぶりがあります。ここは私はもう非常に驚いたところです。この国家の意思というものが、戦場に国民を巻き込まないんだと、しっかりと武力攻撃に先立って避難を実現するんだと、いうことが書かれていることは、本当に高く評価したいと思います。したがってこれはですね、事態対処法の仕組みですけれども、予測事態認定あるいは緊急対処事態認定で、この国民保護のスイッチが入ります。一つ特定公共施設等利用法という法律のスイッチも入ります。さらには自衛隊法の160をはじめとした、関係省庁の法律の適用除外のスイッチも入ります。したがってこの予測事態認定を早めれば早めるほど、抑止体制というのを早くできるんだと、いうことをぜひ仕組みとして、ご理解いただきたいと思うんですが、国民保護の中にはですね、緊急対処事態認定、いわゆるテロやゲリラで、大きな損害が出た場合の事態認定も、この国民保護の方の適用がなされる記述があります。一方で、緊急対処事態認定を行った場合の、国民保護法の適用の中で、武力攻撃予測事態認定ではできたんだけど、緊急対処事態認定ではできないことが、2つだけあるんですね。それが国民保護法の中の60条、広域避難民の受入れのための是正措置と、73条、避難住民の輸送に関する是正措置は、緊急対処事態認定ではできないんです。いわゆる、県をまたいで広域に避難するときに、受入れの県知事が、僕は受け入れたくありませんと言ったときに、内閣総理大臣が何を言っているんだと、受け入れてやってくれと、是正措置を出せるか出せないか、これは緊急対処事態認定ではできず、武力攻撃予測事態認定ではできるという、この法律の立て付け、仕組みになっているわけであります。したがって、予測事態認定を早く出すということが、この国家安全保障戦略に明文化された、武力攻撃より十分に先立って、避難を実現することにつながっていくんだろうな、というふうに思います。もう一つ、これは現役時代、非常に不思議に思っていた部分ですが、日米共同行動への不安です。米軍の行動関連円滑化措置法のうちに、ほとんどの自衛隊との作戦テンポを合わせるために、ほとんどの行動は、武力攻撃予測事態認定とともに、米軍の行動関連措置法も立ち上がることになっているんですが、唯一一つだけ、予測事態では米軍の行動がままならない部分があります。それが、土地の収容、人質の構築であります。要は、米軍の基地から一歩も出れない状態が続くということです。我々は予測事態認定を受けて、防御陣地の構築措置を命令で内閣総理大臣から受けますと、中東地の外に行って防御の準備ができます。一方で、米軍は、これが武力攻撃事態認定が過励されないと、外へ出れないという立て付けになっている。この辺も、現役時代、向こうの将官とよく話していたんですが、どうやって作戦テンポを合わすかね、なんて話もしていましたし、受入国側として日本が先に出るんだろうな、というようなことを、おっしゃる米軍の将官もいらっしゃいました。まとめますと、戦争を抑止するための早期の機動展開、国民保護と、相手国に戦争準備との口実を与えかねないとの背反的な論理に迷うことなく、俊潤することなく、我が国の防衛の目的に鑑み、抑止体制の早期確立を優先するよう、努めて早期に事態認定の政治判断を行っていただけるように、提言をしてまいりたいと思います。このためには、絶対に必要なのは訓練です。国会議員の皆様が一緒に、行政と一緒に一同に返して、訓練の場を設けること、そして、これほど事態認定というのが窮屈で難しくて、いろんな点引を考えないと、政治の決断ができないんだということを、自ら政治家の皆さんが、お一人お一人が経験されることによって、これが解決していくんだろうな、というふうに思います。また、事態認定前の段階で可能となる適応除外の項目が、もう少しあるんじゃないかな、という気もいたします。その辺は、ぜひ、立法府の場で議論していただきたいな、というふうに思います。新たな戦い方に着目した法改正ですが、3文書で強調された、「能動的サイバー防御」、「無人アセットの防衛能力」、これは、ウクライナ戦争等の例を見るまでもなく、早急に整備されるべき能力でありますし、整備が行われていると確信しております。一方で、その法的根拠、特に、能動的サイバー防御、アクティブサイバーディフェンスに必要な、相手側の発信源の特定アトリビューションでは、憲法第21条通信の秘密の解釈や、その実務規則である電気通信事業法の改正が必要である。また、相手側の攻撃プログラムを無効化するには、不正アクセス禁止法の改正が必須であるものの、残念ながら、今、通常国会にも提出された気配はありませんし、まだ、検討の途上と伺っておりまして、非常にここは残念に感じております。また、無人アセット防衛能力についても、自衛隊が運用するドローンの航空砲、通信砲上の位置づけは、民間事業者レベルであり、未だ有事を想定した法整備はなされていないというふうに思っております。また、兵装、相手側のドローンが飛んできた場合に、それを電磁波等で火力じゃなくて、ノンキネティックな電磁波等で落とす、というようなことも考えて、技術開発をやっておるわけですが、その時の電磁波の法整備というものは、許容範囲というのは、いまだに白紙のままであります。こういったように、戦略三文書を実行ならしめるためにも、新たな戦い方に着目した法整備を早急に進める必要があるというふうに思います。私からの意見は以上です。ありがとうございました。ありがとうございました。以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。それでは、これより公述人に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次、御発言願います。

4:32:31

臼井昭一君。

4:32:33

自由民主党の千葉県選出、臼井昭一でございます。両公述人におかれましては、大変貴重なお話をいただきました。誠にありがとうございます。また、後先になったんですが、この校長会での質問の機会をいただきました、桜井委員長、はじめ先輩同僚の皆様方には感謝を申し上げます。今、お二人から共通して聞かれたのは、やはり今の日本の安全保障環境というのは、かつてないほど複雑で多様化した中で、非常に危険というか、安全保障環境が苦しくなっているということだというふうに思っています。特に日本の周りを見てみれば、安全保障理事国、いわゆる世界の秩序を守るはずの安全保障理事国2国が海洋出入室であるとか、周りの国の抑止を聞かずに、力による現状変更の試みをくわだてる。さらには、北朝鮮においては、ミサイル開発、これをどんどん進めて、技術も向上してきているというふうに聞いています。こうした日本の安全保障環境を、しっかり遅れをとることなく、力とバランスという話もありましたけれども、対等、戦争が起きないような状態にしていくことが必要であり、そうした意味でも、戦略三文書の改定というのは意義深いものであるというふうに改めて認識をしたところであります。まず冒頭、非常に素人じみてて申し訳ないんですけれども、日本の安全保障を語る上で欠かせない、日米同盟について、一つ確認をさせていただきたいというふうに思います。5両名とも、米軍との関係があったというふうに思いますが、いざ今、U字が起こった際、アメリカは日本を守ってくれるのかどうか、簡単にはおっしゃられないかもしれませんが、いろんなケースを想定した中で、お答えをいただければありがたいというふうに思います。両参考人ということでよろしいでしょうか。まず、それでは高見沢公術人。私は、日米同盟の有効性というのは、閉鎖からいろんな活動をすることによって確保されるものだというふうに考えておりますので、日本をU字のときに守ってくれるのかというのが、突然、白紙の質問としてあるわけではないというふうに思います。まさに、それぞれの国の状況、あるいは状況の展開の中で、そういった関与を同盟国として高めていくような形で、日本自身も対応していく。ただ、その場合に、アメリカの関与の度合いが非常に積極的になる場合もあれば、極めて消極的になる場合もある。そのことを念頭に置きながら、日本自身としての考え方、あるいは日頃の準備というのを進めておくべきだろうというふうに思います。何より大事なのは、普段からの協力関係を高めることだと思っています。高田公術人。ありがとうございます。まさに高見沢先生がおっしゃったとおりで、兵装のつながりというのは極めて大事です。今、米軍人、私は陸上自衛隊でしたので、米陸軍海兵隊ですが、パートナーに値する仲間だということは、常々言ってくれておりますし、これは海上自衛隊、航空自衛隊でも同じだろうというふうに思います。一方で、アメリカの戦略というものをひるがえて見てみますと、オバマ政権以降、もはや米国は世界の警察官ではないんだ、トランプ政権に至っては、二正面戦略は放棄すると、今のバイデン政権は統合的抑止ということで、同盟国の力というのを非常に頼りにしているということから、昔のような、アメリカはやってくれるんでしょうということでは、とてもじゃないけど、その信頼関係は保てないというふうに思います。まさに、我が国が主体的に、能動的に行動することによって、アメリカを守るべきに値する国だというふうに言わしめる、ということが大事だろうというふうに思います。

4:36:40

清井君。

4:36:41

どうもありがとうございます。まさに、私が聞きたかった点はその点であって、日頃から日米間の緊密な連携、さらには同盟国として日本が、憲務的に守ってもらうというよりは、しっかり我が国は我が国で守る、そういう強い意志を国の内外に示していくことこそ、西米同盟をさらに強固にしていくものだというふうに思っています。昨日は3月11日ということでございます。高田孝述人の誕生日というわけではなくて、東日本大震災があった日であります。原発事故の際、米軍は地震に対して友達作戦を展開してくれたわけでありますが、原発事故がなかなか収束を見ない、またどういう状況かもはっきりわからないという状況下にあって、米軍を撤退させる意思というものを一度表明したわけであります。その中で米軍をとどまらせて、さらに友達作戦を広域に展開した、その一つの要因は自衛隊の決死の惨失であったというふうに聞いています。そういう意味も含めて、やはり米軍は日本を守る、そういう義務を負っているということでありますけれども、日本は日本人としてしっかり自分たちの国を守っていくという、強い意識こそ大事だというふうに思います。丘塾も、両孝述人からも、政治家を含めた訓練が必要だという話もございました。やはりこれから人口が減っていく中で、日本人でどのようにして自衛官を確保していくのか、これは非常に重要なテーマだというふうに思います。そこでまず高田孝述人に、陸上幕僚人事部長もお勤めになられたということであります。いわゆる将軍、そして勤務隊系なんかもございますよね。自衛隊は国家公務員でありますから、日本全国の移動というものもある。さらには海上自衛隊に至っては携帯電話を官邸に持ち込めないというような、現代人でおよそ、「ああ、勤めてみたい」と思えるような環境にないと。処遇の面でも警察、消防と比べて、給与面で劣っているというような話もあります。どういった点で人材を確保していく必要があるのか、我々に対しての提言があれば、簡単にお話をいただければありがたいというふうに思います。高田孝述人。ありがとうございます。非常に今募集の現場が苦しいというのは、後輩所管からも聞いたことがありますし、実際にそうなんだろうなと思います。私も東京地方協力本部長という役職に就いたときに、ちょうど震災の後、上板しましたものですから、これは大量の自衛隊人気が高まって、大量に募集が来るだろうと思ったら、実は減ったんですね、あのとき。なぜかというと、お母様がですね、非常に自衛隊はすごいと思うんだけど、やっぱりうちの子は無理だわ、あれっていう。こういう理屈で、なかなか自衛隊の認知度が上がって、信頼度が上がってもですね、本当のご家族のお母様が子どもさんを自衛隊の現場に出してくれるかって言ったら、悲しみもそこは繋がってないんだなというのも実感しました。これは議員ご指摘の処遇の面ですね。これはやっぱり、二刀陸使、海戍空使で入ってくるのが、ちょっとやっぱり、今の世間一般の給与体系からすると低いんじゃないかなというのは、これは実際に思うところであります。以上です。

4:40:20

宇辻君。

4:40:21

ありがとうございました。しっかり処遇の改善を含め、あとは防衛意識のですね、しっかりとした雇用、これは我々大人だけではなくて、職業教育にも関連してくるかも分かりませんけれども、自衛隊のみならず警察や消防、危険が伴う職種への働くことの意義というものをですね、しっかり教えていかなければならないのかなと、改めて感じたところであります。高見沢故述人にお伺いします。よりですね、経済的にって言い方はよくないんですが、日本は選手防衛でありますから、先ほどおっしゃったサイバーや、あとは情報戦、さらには自衛隊という軍事力、軍事力って言っていいのかな、防衛力ですか、このいわゆるハイブリッド戦争が今叫ばれている中で、故述人はサイバーセキュリティセンター長を務めになられたということであります。これからですね、ある一定の、日本も新しい令和6年度予算では、スタンドオフ防衛能力というものを整備することに向けた準備の予算というのを確保しています。その中で、いわゆる情報、いわゆる守るだけから今度反撃能力を得たときの情報、これ質が違ってくるというふうにも言いますけれども、この装備を整える以外に、サイバー空間、その情報、これからどういったものが必要になってくるか、簡単にはなかなか言えないと思いますが、お願いします。高見沢故述人。お答え申し上げます。基本的に日本の情報能力が弱いところというのは、まさに戦後の中で情報能力を基本的には軽視してきたということに本質的にあると思います。それからサイバー空間の問題でいえば、各国の情報機関が非常にサイバー空間における情報収集を重視している中で、日本というのはそういうことをやってこなかった。それから情報通信関係の企業なり、あるいはプラットフォーマーとの関係でも、いわゆる協力関係というのは必ずしも十分ではなかったというところが、非常に大きな背景があると思います。ただ、そうした中で実際に仮に反撃ということを考えた場合には、要するにいわゆるターゲティング情報が必要不可欠になりますので、まさにそのターゲティング情報というのを自らどういうふうに得ていくのか、それはおそらく不可能であります。やはりこれは日米同盟というのが現状では前提にならざるを得ない。しかし、ではアメリカが情報をくれないときは何もできないかということになってもいけませんので、だからそういう意味でも非常に独自情報の向上というのは必要ではないかなというふうに思っております。ですから私は情報とサイバーと、それからいわゆるファクトチェック的なことは部外に任せるにしても、情報をめぐる認知線とかいろんなことを含めたトータルなセンターが必要ではないかと、単にサイバーセキュリティセンターを向上させればいいという問題ではなくて、そういうあらゆる面を考慮したような体制というのを構築するための検討というのが必要ではないかなというふうに考えております。渡辺内閣総理大臣 どうもありがとうございます。しっかり覚悟を持って取り組んでいかなければならないと思います。ちょっと時間がなくなりましたので、予算委員会で石垣島の新しい中途の地に視察に行ってきました。そして沖縄の人たちの、米軍の西米安全保障の負担が全てほとんど沖縄に行っているという現状も拝見しました。こうした沖縄の方々の思いに寄り添うためにも、万が一のことが起きないような準備というものをしっかり進めていきたいとこのように思っています。また今後とものご指導をいただきますようお願い申し上げ、私からの質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

4:44:18

福島みずほさん

4:44:26

立憲社民共同会派の福島みずほです。今日は両公実に本当にありがとうございます。2016年から私は南西諸島を歩いてきました。石垣本島都、そして種ヶ島、八木島、麻毛島、天見大島やいろんな島を歩いてきました。もう本当に激変をしています。2021年12月24日、琉球新報沖縄タイムズにスクープが載ります。米軍が島々、少人数で30人ぐらいですか、少人数でいて、そして転戦しながら戦闘行為を行うというもので、それを見た沖縄の人たちはまた再び沖縄が戦場になる。また沖縄南西諸島が戦場になると、すざまじい危機感でぬち戸、宝の貝やいろいろ動いています。また沖縄が南西諸島が戦場になるという、もう本当に叫びのようなヒリヒリしたものすごい緊張感は本当に理解できますし、それから本当にそういうことがあってはならないと思っています。安保三文書で敵基地攻撃能力保有集団的自衛権の行使で認めます。そうするとそこで撃つことになれば、まさに反撃を食らうのではないか。先日沖縄県鶴間市の陸上自衛隊活練中等部に地対艦ミサイル部隊の連隊本部と新たな中隊を配備する計画をめぐり、ミサイル配備を許さない鶴間市民の会員なども反対をしたと。それはやっぱり今度は鶴間市ですから沖縄のど真ん中、本当に都市部でそういうミサイル、そしてそれが実は敵基地攻撃を持つようなものになれば反撃をされるとすると逆に戦争を呼び込むことになっちゃうんじゃないか。このヒリヒリした不安、戦場になるこれについて両公術人はどう思われるでしょうか。高見澤公術人からお願いいたします。基本的にそういった住民の感情というのは私どもはよく聞いていかなければいけないと思いますけれども、まず私が申し上げられることは3点ほどあろうかと思います。1つは現在の安全保障環境がこのように厳しくなっていること、そしてまたそのような信仰の意図を伺わせるような客観的な行動というのを行っているのは国が我が国周辺にあるという事実はそれがまさに最大の原因ではないかというふうに思います。それから2点目でございますけれども自衛隊の配備というのは基本的には抑止能力を高めるためのものであって、手を出させないようにするということが基本にあるわけでございますから、そこを十分に理解をしていただきたいというのがございます。それから3点目でございますけれども、やはり反撃能力の有無と自衛隊の有無用ということを考えたときに、おそらく反撃能力というのは抑止を向上する力にはなると思いますけれども、それを持つことによって今までは安全だったけれども急に危険になるというような関係には必ずしもないのではないかなと思います。ただいずれにいたしましても、軍事力だけではなくて外交的な努力なり、いろんな総合的な手段、まさに総力を挙げて紛争を防止するような手立てというものを考えていかなければならないと思っております。それでは次に高田光術にお願いいたします。ありがとうございます。付け加えますと、私が実際現役のときに肌感覚で持っておりましたのは、確かに議員御指摘の部分は十分承知しておりますが、実際に駐屯した隊員とその家族ですね、それはその島で本当に溶け込んで地域の住民の方々と懇親を深めですね、例えば隊長が離任するときには、隊長は行っていいから奥さんは置いてけとかですね、言うぐらい言われるぐらいですね、本当に深い関係をつくってくれたなという、宇宙統治も実際に私見聞きしております。そういった意味で沖縄がまた戦場になるのではないかということはですね、もうそうしないでと相手国にぜひ伝えていただきたいなということなんですね。我々はその気配があるのでそこに準備をし、抑止の体制を高めていくっていうのであって、彼らがそれを放棄して能力がなくなれば、我々もそれを捨てるわけであります。今回の戦略3文書の一つ大きな肝としては、相手の能力と戦い方に着目して防衛力を抜本的に高めていくんだというふうに謳われています。今までは、自らが地域の不安定要因にならないように、独立国として必要最小限の防衛力を積み上げていくという基盤的防衛力構想だったんですけど、今回の安全保障戦略で、明らかにこれは脅威対抗の所要の防衛力を積み上げていくという考え方に変わったんだと思うんですね。すなわち、相手がいて自分がやるんだという考え方になっていると思います。したがって、議員御指摘のところはですね、ぜひ相手側に伝えていただければなというふうに思います。以上です。

4:49:48

福島さん。

4:49:49

日本全国に弾薬庫ができていっています。横須賀であったり大分であったり、その現場に行っています。大分だと大分市もそうですし、郵務員、非重大。郵務員から、もし敵地攻撃能力で撃つことができれば、やっぱり例えば大分市は、まさに大分大学などすぐ大分市の中心部というか学校が近いところにありますし、非常に問題ではないか。自衛隊は強靱化、あるいは自衛隊施設の、自衛隊の司令部は全国地下化していく。それは取りも直さず、やはりそういうところが攻撃対象になると自衛隊は考えているんじゃないでしょうか。高田光術人いかがでしょうか。高田光術人。攻撃目標にならないではなくて、敷の継続性ですね。敷を途絶えさせないということがまずもって大事なんだと思います。今、言っていただければわかりますが、本当にプレハブ小屋みたいなところが司令部のところもありますし、実際にしっかり地下に潜っている地下施設もあります。これは一律にですね、そういう攻撃を受けても敷が継続できるようにしていこう。すなわち高端性を高めていこうという施策の一環と理解をしております。以上です。

4:51:06

福島さん。

4:51:07

はい。2016年、たまたま宮古島で離島奪還作戦という自衛隊のビデオを見ました。たまたまそれ、島民が一人も出てこないというのにちょっと私は驚いたんですが、まさに島民保護は自治体あるいは内閣府というふうに分けているんでしょうかという質問が1点。それと、この間、避難の頭上作戦が発表されました。沖縄本島120万、140万は屋内避難。だけれども離島は12万人が避難すると。船で、飛行機で。船だと8日、6日ぐらいかかるんですかね。船ですと、6日間で九州へ避難すると。でもこれ、飛行機で避難するとすると、飛行機では当該避難に必要な飛行機は、航空機は381機になるとすごい数ですよね。この避難を見て、本当にその船で避難する。安全な九州と言うけれど、九州安全なんですかということも含めて、この避難計画。沖縄本島は屋内避難。でも島々は12万人は船か飛行機で。世田谷なども荷物1個持って飛行機で避難しなくちゃいけない。島を捨てなくちゃいけない状態になるというのも、本当にすごく心が張り裂けるような思いがするだろうと思いますが、この避難訓練についての御意見、高田工術人教えてください。高田工術人。国民保護専門に扱う部局の創設等の表現でも表れてますように、これは国が実際に本格的に乗り出したんだなという印象を受けております。その飛行機の所要であるとか、機関であるとかというのは、さておきですね。非常にそこは真剣に取り組まれているんだなと思います。その上で申し上げますと、例えばロシア・ウクライナ戦争を見てまいりますと、戦闘を実際にやっている市レベルでも、残留の住民というのは5%から2%いるわけなんですね。これはそこのウクライナの市役所の人だったり、公務員の方とかですね、やっぱり残ってらっしゃる。これが武力攻撃より十分に先立って、避難を実現するという国民保護法というのは国民保護するものですけど、大前提として残っている人がいるんだということも、ちょっと光を当てて今後考えてみるべき点じゃないかなと思いますし、もう一つは、輸送もですね、これは大変申し上げにくいんですが、自衛隊の護衛艦なんかに住民を乗せて移動し、国民保護をやりますと、これは国際砲機場はですね、軍艦ですから攻撃の対象になります。これは住民乗っけてるから撃たないでくれって言っても、それは通りません。そういった意味で、国民保護派遣、自衛隊法にあります国民保護派遣で、自衛隊のプラットフォームを使って移動することが本当の国民保護に当たるのかどうかというのは、もう一度議論する必要があると思います。むしろ、海上保安庁等のですね、白い船だとか、小船だとか、そういうものを使って国民保護を考えた方が現実的ではないかなというのも私の考えであります。以上です。

4:54:36

福島さん。

4:54:37

はい。沖縄辺野古の新基地建設なんですが、いくら基地負担の軽減と言われても、沖縄の人たちが反対する理由はすごくわかるんです。やっぱりそれは基地の負担増だ、新たな基地だ、そして自然を壊す、軟弱地盤でできないはずだ、莫大な予算、なぜ沖縄がさらに負担を受けなくちゃいけないかという思いはすごく理解できるんですね。そして辺野古の新基地建設に南部泉石のまさに遺骨の入った土砂を使わないでくれと、リストの中から外してくれということなどで、すごく活動していらっしゃる人もいて、その気持ちはもう本当に痛いほどわかります。こういう問題について高田光術にどうお考えでしょうか。高田光術に。なかなか真情のことは私、直接伺ったことがありませんのでわかりません。ただし、やはり橋本内閣のときの約束というのが、もう何十年もずれ込んでいることも事実であります。この辺はもう私レベルが、申し述べる立場にはないと思いますが、私としては是非、移設の方を進めていただきたいというふうに思います。以上です。

4:55:49

福島さん。

4:55:50

今日とても印象的だったのは、まさにエスカレーション・ラグを設けないということをおっしゃってくださって、本当に抑止力、抑止力と言っていると、まさに逆にお互いにエスカレートしていくので、戦争を止めていく。戦争は最大の人権侵害ですから、とにかく戦争をさせないためにやっていきたいと思いますし、これからもご享受いただければというふうに思います。ちょっと1分余ってもったいないんですが、質問する時間がないでしょうから、これで終わります。ありがとうございました。ありがとうございました。

4:56:37

宮崎雅君。

4:56:39

公明党の宮崎雅と申します。よろしくお願いします。本日は公実人の皆様、本当に貴重なご意見、大変にありがとうございました。最初に私は、両公実人の方にご質問させてもらいたいのは、先ほど高田公実人からもご話がございましたけれども、ウクライナ戦争から、組み取るべき我が国の防衛力整備を考える上での教訓ということについてお伺いしたいと思います。先ほどもちょっと話がありましたけれども、ウクライナ戦争ではドローンであるとか、あるいはロシアの国会艦隊が自爆無人艇の攻撃を受けて撃沈したりとか、そういった事象があったというふうに報道などでされているところでございます。こうした無人アセットがいろいろ活用されているという中で、我が国の防衛力整備を考える上での教訓をどう考えるかということについてお伺いしたいと思います。特に高田参考人が先ほどちょっとお話になっていますので、もう少し踏み込んだお話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。それではまず最初に高見沢公実人からお願いいたします。私、ウクライナ戦争の教訓は非常にたくさんあると思いますけれども、かつて書いたことがあるのは7つのアイだということを言っておりまして、1つはやはりインテリジェンスインフォーメーション、これは情報の力ということですね。それからあとインフラストラクチャーということで、通信基盤のあり、あるいは民間防衛も含めましたインフラの力でございます。3点目はイニシアチブということで、まさに政治家のリーダーシップ、それとインタラクションということで国際社会の協力を得るという、この2つは非常に重要だというふうに思っているところでございます。それからあとインプロビゼーションということで、戦争がどんどん大きく展開していきますので、その場で考える力、状況に応じて戦法をどんどん変えていくと、それもありあわせのものを組み合わせて新しいものを作る力、これはやはりウクライナ戦争では非常に大きかったのではないかというようなことを考えております。最後に一番大事だなと思っているのは、これまでやればできたことを実際やっていないということがよくあるわけですけれども、まさに実践、インプリメンテーションを徹底、つまり実装化することを構想だけではなくての重要性ということを今回のウクライナ戦争は示したのではないか。以上のようなことを私としては教訓として考えております。はい、ありがとうございます。それでは次に高田光術によろしくお願いします。はい、ありがとうございます。私の方はロシアウクライナ戦争を見まして、まず大きな一つ目は防空であります。防空の能力、地上戦もちろんのことですが、ロシアからのミサイル攻撃ですね、これに対してウクライナの防空体制が今のところ2年を過ぎても何とか持ちこたえているという、この量と質をしっかり評価をしてですね、日本の防空に跳ね返らせていただきたいなというふうに思います。現状の自衛隊の防空体制が十分なのかという視点は、このロシアウクライナ戦争から読み取れるというふうに思います。また、ドローンを主体とした新しい戦い方と、相反するようですが火力の重要性についても大きく私は教訓として取り上げたいと思います。現在、ウクライナ軍が正面で小さなドローンを駆使して敵の戦車等を食い止めておりますが、本来であればですね、あれは火力の役割であります。本来十分な火力があれば、その火力を施行して敵の突進を止めているところを、やむなくドローンを使ってやっているというところはですね、新しいもの、それから旧来あるものを惑わされないでですね、しっかりとした伝統的な火力というものも、軍事組織においては非常に大切なものだなということは教訓として私は読み取っております。最後には、キルチェーンと申しまして、目標を発見して、同一化し、ターゲティングをして、戦力を発揮して、火力の効果を評価するという、F2、T2、EA、FIND、FIX、TRACK、ターゲティング、ENGAGE、ASSESSという一連の動作ですね、これをいかに早く回さなきゃならないんだと、そのF2、T2、EAのサイクルが早く回れば回るほど、地上戦、戦いには勝てるんだなということは、今回の2年間の戦争で見て取れました。それは、ウクライナ軍が採用したGISアルタという火力戦闘システムにも、如実に現れておりまして、こういうのは、我が自衛隊も大いに参考にすべきところじゃないかなと思います。以上です。

5:01:43

宮崎君。

5:01:44

はい、ありがとうございます。続きですね、今、ROADSという、いわゆる自立型の地域兵器システム、これの議論が国際的にも行われているところでございます。CCWの枠組みの下で、その定義であるとか特徴とか、あるいは人間の関与のあり方とか、規制のあり方ということが議論されております。日本は、こうした中で、いわゆる人間の関与の及ばない、完全自立型の地域兵器の開発を行う意図はないと。また、その一方で、この自立性を有する兵器は、システムというのは、ヒューマンエラーの減少であるとか、精進化、省力化という点で、安全保障上の意義を有するという立場で、議論に臨んでいると承知をしております。今、AI技術が著しく進歩をする中で、この自立型の兵器システムの開発というのが急速に今進んでいると思いますけれども、こうしたローズをめぐる国際的な議論について、見解をあったらお伺いいたしたいと思います。じゃあ、高水澤公術人からお願いします。高水澤公術人はい、ご質問ありがとうございます。ローズにつきましては、政府専務労働会合が、確か先週開かれていたというふうに思います。それで、現在の議論の焦点は、私が聞いておりますところでは、どの技術を規制するかというよりは、まさに目的に着目した議論というのが行われているというふうに思います。一方で、日本の今置かれている状況というのことを考えますと、人的パワーのなさというのことを考えますと、これからの日本の安全保障防衛を考えていたときには、いわゆるそういった無人のシステムでありますとか、あるいはAIを効果的に活用するというようなことも必要になってくるかと思います。あくまでも大事なのは、やはり人間の関与ではあるし、そのときのコンテクストが非常に重要だというふうに思っておりますので、今まさに世界ではAIの活用合戦が進んでいるわけで、かなり状況は変わってきているというふうに思いますけれども、日本としては、やはり外交的な場で、日本単独ではなくて、いろんな国との共同作業を深めて、またNGOの見解なども聞きながら、どういったアプローチが最も適切かということを堂々と発症していくと、それと同時に技術の持っている功用というのは失わないようにするという、この2つが重要ではないかなというふうに考えております。高田光実に。はい、ありがとうございます。いわゆる兵器1個1個のプラットフォームの能力は、もはや現代のシステム兵器にはかなわなくなっておりまして、プラットフォーム全体をつなぐシステムこそが力というふうになっていると理解をしております。その中で、我々が経験してきたことを振り返ってまいりますと、1個1個の、例えば火力戦闘とか、対空戦闘とか、近接戦闘とかという、小さな機能ごとのシステムの部分最適から全体最適をなすようなシステムのグレードアップですね。部分最適、それから全体最適、それから自動化、自立化というふうにシステムは発展していくんでしょうけど、私は個人的には自立化というところは非常にそこは危険な部分が内在しているなというふうに思います。まさに今、高見澤先生がおっしゃったような、そういった反反的な部分を感じながらですね、必ず人の介在というものを最終的に残す。今、米軍がJADC2という、ジョイントオールドメインコマンドアンドコントロールという事業を進めておりますが、最終的にはやはりそこには人の判断を入れるというところが、彼らの良心というふうに私も理解しております。以上です。

5:05:59

宮崎雅君。

5:06:01

はい。次に高見澤公実人にお伺いしたいと思います。定断の官邸官僚が本音で語る権力の使い方というのを読ませていただきまして、その中でも今日ご紹介いただきました総力安全保障ということが必要だということを公実人が提言をされておりましたので、大変興味深く読ませていただきました。実際その中で公実にいわゆる全部一遍に動かしたことがないので、いわゆるわからないことも結構あるということもおっしゃっていたんですけれども、今日最後の資料13の中でいわゆる法体制の整備ということで、いうこともご提言をされておりました。その関係であまり触れられなかったかと思うんですけれども、いわゆる実際にこの総力安全保障というものを確保する上でですね、やはり実際に訓練であるとか、実際に動かしてみないとわからないというのも結構あるかと思うんですけれども、その上でこの法整備のあり方についてですね、もう説明をいただけるかと思います。高見澤公実人。ありがとうございます。資料13ですね。15ページの資料で私が申し上げたかったのはですね、その平和安全法制のときにはどちらかというと我が国とか国民に関する事項と国際社会に関する事項というのが切り離されていたという部分がございます。それからその劣等というのが比較的ステップを踏んで時代ごとに上がっていくというようなイメージがやはり強かったのではないかなと。この2つの前提が大きく変わってしまったということだと思います。ですから、安全保障ということですから、あらゆる力を結集する。防衛というよりは抑止なり、未然防止もやる。それからいろんな人の協力も得る。さらには外交手段も尽くすという中で、それで実際にことが起きたときに金融とか財政とかいろんな側面を全部頭の体操してみてですね、それでどういうことが起きるかというのを政府全体として考えなければいけない。有事だから防衛力を全面に出してやるというだけではなくて、平素からどんどん基調が高まっていたときに、一体何が政府力を尽くしてできるのか。そういうキープレイヤーはどこにいるのか。何が問題になるのかということをやはり把握する必要があると。そういうふうな思いでございます。はい、宮崎君。大変にありがとうございました。以上で終わらせていただきます。

5:08:45

金子道彦君。

5:08:49

日本医師の会、教育無償化を実現する会、金子です。本日は貴重な公術人の先生方からの御講演、本当にありがとうございました。まず最初に高見澤公術人にお伺いしたいと思います。今日お伺いした内容、15分ではちょっと短すぎるぐらいの充実した内容で、私も参加させていただきながら、ぜひ深く教えていただきたい点がございまして、資料の5ページ目、グティエレスの事務総長の演説のところで、20世紀にできた多国間制度は問題を解決するどころか、問題の一部になる危険性を包含しているというところ。問題を包含しているということはよくわかるんですけれども、危険性を包含しているというところ、そのあたりどのような発言者の意図があったか。さらに多国間制度の更新をする時が来ているというこの発言者の意図、及びこの発言に対する先生の御意見をぜひお伺いできればと思います。高見澤公術人。多国間制度が問題の一部になる危険性を内包しているといいますか、包含しているということは、逆に一度できている制度なものですから、それを変えるにはコンセンサスが必要であるとか、要するに、参加している国の全てが一致しないと変えられないということになりますから、一度できた制度が現実と合っていないという状況が生まれているときに、99%の国がそれに変えることに賛成していても、多国間制度によって少数意見を尊重するという形で、それが実現できないというような、そういう危険性があるということだと思います。それから、ある程度制度に欠陥がある場合、その欠陥をある国が利用してきたときに、それに対応できないという部分があるかと思います。それから、それが基本的には、多分、出現者、テーレス国連事務総長が言いたかったところではないかと。一方で、更新する時期が近づいてきているというポイントは、現在の制度が、あまりにも民主主義国中心といいますか、より厳密に言えばヨーロッパ、欧米中心でできた制度であると。これを改善しなければいけないんだけれども、当時その制度ができた時代と今では、国力も経済構造も全てが変わってしまっていると。だとしたら、それを新しい現実に合わせるように制度を変えていかなければならない、そういうことを言っていると。つまり、ある種の先進国に対する批判、グローバルサースに対するサポートというような側面もあるのではないかというふうに見ております。

5:11:27

金子君。

5:11:29

ありがとうございます。そのグティエレス発言を踏まえて、先生はこの多国間制度の更新という具体的な内容、何か御意見がございましたらお聞かせください。

5:11:40

高見澤公衆議員。

5:11:43

一つ言えるのは、いわゆる現状一致型でないとできないものについて、特に大国がそういった権利を持っているような枠組みというのをどういうふうに変えていくのかということがあるのではないかと思います。ですから、国連常任理事国の権利というのは変えられないにしても、今の安全保障理事会の構造を従来から検討されていますようなメンバーを増やしてあるとか、あるいは準常任理事国的なところを入れていくとか、そういった一つの方策というのはあるのではないかというふうに思います。それから、あともう一つは、いわゆるNGO主体による制度づくりというのも現実には起きていることがございますので、それについては非常に批判も強いわけですけれども、私は行き詰まりを解消する方策として、そういった日本政府もNGOとも協力しながら新しい枠組みというのを枠組みの外で作るということもおそらく必要になってくるのではないか。これには非常に議論があると思いますけれども、それも一つの方策ではないかと思います。

5:12:53

金子君。

5:12:54

ありがとうございました。先生は続いて、安全保障意識の向上というところで、様々なレベルでの段階を追って、検証をしていく、実践をしていくという話をしてくださいました。併せて高田光一審の方からも、国民保護についてもお話をいただきました。私も国民保護のこと、国民避難のこと、非常に関心を持っていさせていただいて、昨年の4月に沖縄で予約卓上の訓練が行われたということは、国際安全保障環境が悪くなっているということは非常に残念なことですけれども、こういう訓練を行うこと自体は非常に意義があることだというふうに考えております。先ほど高田光一審も少しおっしゃっておられましたけれども、実際の国民避難、特に当初部からの避難において、自衛隊は国民避難の主役になり得ないというような趣旨の発言をいただいて、まさにそのとおりだと思っています。自衛隊は、ジネーブ国際自衛空手場、ひとたび商標をつけた艦船は、紛争の期間中、軍事行動に一切参加してはいけない。ですから、自衛隊としては、このジネーブ条約をしっかり守って、国民保護に参加しないという選択をするか、参加して戦闘行為には一切参加しないという選択をするか、どちらかしかないということであれば、やはり国民保護の主体にはなり得ないというふうに私自身は考えています。PFI船舶であったりとか、そういう民間の船舶を使って、何とか足を確保しようとしても、実際にそのような武力紛争予測事態というような事態に、今2隻しかないPFIに対して、さらに多くの船を民間から集める。どれだけの船が集まり、どれだけの乗組員が集まるのか、非常にそのあたりも実際を想像すると難しさを感じるんですけど、そのあたり国民保護に関して、お意見をお伺いさせてください。高田光述人ありがとうございます。本当に確信をつかれているところでありまして、予測事態認定と国民保護法の適用、それから特定公共施設等利用法、これがもう一連の鎖でつながっているわけで、予測事態のスイッチを入れると2つの法律が立ち上がるということになっております。そうなりますと、武力攻撃が予測されている地域に、普通の民間の船舶が出かけていって、国民を保護すると危なくないですかという議論にもなるわけですね。一方で、そのスイッチを早く入れてもらわないと国民保護法の適用ができないというので、我々としたらなるべく早く適用してくれという。これはなかなかだから、法律のたてつけに文句言ってもしょうがないんですけど、果たしてその予測事態認定と国民保護法、特定公共施設等利用法をリンクさせる必要があるのかないのかというのは、ぜひ皆さんの中でも議論していただきたいなと兼ねてから思っているところなんです。本来、武力攻撃事態になりますと、海上保安庁というのは防衛大臣の作戦統制を受けるような形に法律上なっていますけれども、一緒に軍事行動をするのかといったら、これは海上保安庁法の中で軍事行動は一切しないんだということになっておりまして、そうなるとやはり海上保安庁の船で国民保護を受け持ってもらった方がより効率的ですし、あそこの総務省が出してもらった国民保護のマーク、丸字に三角のマークがありますけれども、あれは万能化というと、実は護衛艦につけると、これまた国際法違反になるんですね。船艦に国民保護のマークをつけること自体は、これはジュネーブ条約違反になります。ちょっとしたことで錯誤があるように感じますので、そこらへんも一回整理してですね、やっていただけたらなと、かねてから思っておりました。ありがとうございました。

5:17:06

金子君。

5:17:08

ありがとうございます。いずれにせよまだ詰まってないということはよくわかりましたので、ぜひ、卓上を訓練しながら、実際の状況も、災厄の事態も想定しながら訓練をするという立て付けになっていますので、そのあたり本当に実効性のある訓練というか、そのようなものを想定して進めていただければと思います。時間が限られていますので、三つ目の質問として、サイバー防衛について、高見沢公術員、サイバーの専門家というふうにお伺いしておりますので、ぜひ一つお伺いしたいことがございます。サイバー防衛能力の抜本的な強化ということで、防衛省の方はサイバー人材を令和4年度末の890人から最終的には4000人、サイバー関連の人たちを2万人に増やしていくと。これは非常に政策としては理解はできるんですけれども、実際にその人員がサイバー防衛能力にしっかりと特化した人材がそれだけ4000人集まるのかどうかというところに私自身非常に懸念を持っております。今どのようにしてその人たちを集めるのか。内部人材の流用ということで通信で採用した人たちを内部で研修してサイバー人材に育てていく。それも一つの方法でしょうけれども、1、2年の研修でサイバー防衛の第一線のスペシャリストになれるかどうかそのあたりも疑問があります。また外からの有意な人材の流入とか運用という点でもわずか年間で1、2名ぐらいしかそういった方々が入ってこない。そんな中で4000人の人材を令和9年末までに投与していくというめど目算。ハリコの虎にならないようにするためにはどのような方策が考えられるかご意見お聞かせください。お願いします。高見澤工術人大変難しい質問をいただきました。私自身その4000人の育成というのは非常にチャレンジングな課題であるというふうに思います。ひるがえって考えてみます。1つはまず、いわゆる幼稚園からとは言いませんけれども、小学校も含めた教育の重要性。そこではインテリジェンスに対してのリタラシーとそれからプログラミングみたいなですね。サイバーに関する全体的な底上げというのはものすごく必要ではないかなというふうに思います。それから2つ目はやはり官民を通じたエコシステムと言いますか、人材の移動なり統合と言いますか、一緒の作業ができるようなですね、そういった感覚を作っていただくと。さらにはサイバーセキュリティ人材というのは日本の中でも最も大事な人間だというような、いわゆるサイバー分野に対する高い評価を国民世論として作っていくと。そういったことをやりながら大学生レベルでもそういう思いを持っていくというようなことをやっていくしかないんではないかなと。ただいずれにしても自衛隊なり日本政府全体のそのソースの中でどれだけサイバー人材を発掘できるかというような、そういうことも非常に含めて考えていかなければいけないのではないかと。自衛隊だけで4000人を確保するというのは非常に難しいと。ただし政府全体として考えていって、そこをエコシステムで回していくというようなことではないかなと思っております。

5:20:31

金子君。

5:20:33

時間が回りましたので質問を終わりにしたいと思いますが、先ほどの政府の中で人材を回していくというのは確かに非常に有益な方法。防衛省だけではなくて内閣全体でもこのサイバーセキュリティを考えていかないといけない話だと思いますので、参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

5:21:03

伊藤孝恵さん。

5:21:06

自国の利益を保護にして他国の利益を守る国はございません。私たちが自分の国を自分で守るには、まず何より戦争を始めさせない抑止力、そしてそれに連なる自衛のための反撃力の保持が堪用です。加えてミサイル等の強義な安全保障ではなくて、サイバー、エネルギー、食料、文化、それから昨今は研究者の頭脳の海外流出、こういった抗議の安全保障、総和としての日本の安全保障力について御示唆をいただきたいという意図で、まずは高見沢公術人に、外国人土地規制取得規制についての御所見を伺いたいというふうに思います。日本はWTOにおける土地取引における内国民待遇を留保しておりません。一方でアメリカや中国は留保をしております。つまり日本の土地を中国の方は買えるけれども、中国の土地は日本人は買えないというような非相互主義に陥っています。RCEPでは日本は留保しましたが、例えば中国に対して留保しませんのWTO、留保しますのRCEPどちらが有効ですかというふうに問うと、政府はどちらも有効だというふうに答えます。取得が例えば日本の法人の名前になっていれば、後ろに誰がいるか、バックヤードは見えないじゃないかというような声もありますけれども、少なくとも日本は留保しますという立場を明確にするとともに、重要土地規制法においても防衛施設のごく今狭い範囲しか規制されていないという現状を早急に解消すべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。高見沢公術人私はこの問題につきましては他にも共通して言えることだと思いますけれども、日本政府としてこういった土地取引の実態といいますか、その背景についてちゃんとしたデータベースといいますか、リアルな形で把握しているという体制を構築しない限り、なかなか立法もできたとしてもその実装化ができないということだと思います。ですから今のDXなりいろんな行政デジタル業界の中にもよると思いますけれども、そういったあらゆる土地取引をデジタル化して、それが目に見えるような形で進められていくと。さらにそれは国民の理解もお願いして、そのデジタル的な作業に伴う必要な情報というものを必ず登録するというようなことを高めていくということがまず大前提になるのではないかなと。そういう体制ができればいろんなレベルでの政策手段というのは展開できるのではないかというふうに思います。それで、相互主義の関係については、おそらくいろんな外交的なところでのやり取りということもあるかと思いますので、私は今まさにそういう前線に立っている政府の判断というのをもうちょっと詳しく国民には明らかにして議論ができるようにすべきだと思いますし、少なくともそういった選択をとった場合に、どういうメリットとデメリットがあるかということを明らかにする責任があるのではないかと思います。以上です。

5:24:22

伊藤さん。

5:24:23

はい、まったくそのとおりでですね、私、地元の方が、山をね、うちの山を、煮ても焼いても食えんような山を、歯科の5倍で買うと言ってきている外国の方がいると。これは売ってもいいのか、というふうに聞かれて、法律ではもちろん売ってもいいんだけども、そこに何を建てるかなんか、アンテナのようなものを建ておるぞと。それでいいのかと。国民もですね、そういった安全保障の観点から、課題感を感じている。そういうところに、我々はまさに今おっしゃったような、まず事実を把握する。もちろんDX等を利用して、そしてその我が国を、自分の国を自分で守るための体制を、軍事のみならず作っていくというのが大切だというふうに思いました。続いても高見澤公術人にお伺いしたいんですが、コロナウイルス感染症というのはまさに日本の脆弱性というのを明らかにいたしました。デジタル化の遅れ、ワクチン開発能力の欠如のみならず、これはサプライチェーンの過度な他国依存の現実というのも明らかにしました。私は地元が愛知県でありまして、このものづくり愛知ですので、今回G7の広島サミットで経済安保、特にサプライチェーンの強靭化について話し合われたということに着目をしておりました。安全保障上、日本は今後国内回帰だけじゃなくて、中国依存を一定度下げつつ、友好国にサプライチェーンを移管していく、フレンドショアリングというようなものが大切になってくると思いますし、G7がその枠組みを提供するのが好ましい、まさにグローバルサウスを含めた供給面の強靭化というのを進めていくことが必要だと考えます。安全保障の観点で御所見をお聞かせください。高見澤公術人サプライチェーンの問題については非常に複雑な側面があるかと思います。つまり、いわゆる戦略的不可欠性に関わるようなテクノロジーに関するものから、それからいわゆるミドルテクノロジーといいますか、半導体でもそんな、ナノ数がそんなに高くないものも含めたものもあれば、さらには一般的なコモディティというような形であって、それぞれのサプライチェーンについて、やはり我々としてレベルに応じて考えていかざるを得ないと。今も、いわゆる供給剤については、日本は中国に50%依存している供給剤が圧倒的に多いという現実もございますので、サプライチェーン問題を一変に解決しようということはできないというふうに思います。ですから、そういった日本の脆弱性がどこにあるのかということについては、一度包括的な評価というのを政府内で有識者も集めてやる必要があるのではないか。食料もあればエネルギーもありますけれども、普段のいわゆる医療関係のものも含めて、包括的な評価をしていただきたいというふうに思っております。その関係で、例えば食料について言うと、ほとんど依存しているものが、いわゆる我が国の同盟国とか同志国なわけですね。それはそれでいいのかということもあるかと思いますので、プラスワンなり、あるいは供給源の多様化ということも、それだけで問題の解決にはならないということも留意しなければいけないと思います。特に中国との関係で言うと、他の国にサプライチェーンを移したつもりでも、その国のサプライチェーンの中で中国が非常に大きなウエイトを持っているというようなこともありますので、いろいろ工夫すべき要素がある。長くなってしまいましたけれども、要するに中身に応じて考える、で、包括的なアセスメントをする。その結果、日本の強みと弱みを把握して、それをどういう形の協力でやるかということを検討すると。これに尽きると思いますし、政府もそういうアプローチでやっているというふうに信じているところでございます。

5:28:14

伊藤さん。

5:28:15

おっしゃるとおり、もはやもう中国の部品を使っていないものが探せないぐらいになってくる。サプライチェーンの中に中国という国が深く組み込まれていて、中国の対日輸出の中間材の8割が、例えば2ヶ月間停止をしただけで日本の製造業には53兆円の経済損失があるという、そういった深刻な事態になっているからこそ、今この時点で、まさにこのサプライチェーンの課題について御所見を伺いしたかったという背景でございます。続きまして、高田光術人にお伺いしたいと思います。台湾有事が一見防衛上の事態とは言い難いサイバー攻撃や偽情報等の状況から始まるというシナリオ、ハイブリッド戦から始まる政策シュミレーションに参加された旨、光術人の機構、戦略三文書に魂を吹き込め、で拝読をいたしました。私も現代戦の難しさというのはまさに平時と有事がシームレスであって、非軍事部門が極めて重要である点だというふうに思います。それからデータを制するものが戦いを制すると、今やもう8割がサイバーだというふうに言い切る専門家もいらっしゃって、私も昨年台湾に参りまして、例えば平時から攻撃者の動向を調査をして対処するアクティブサイバーディフェンス、それから国民にワン・トゥー・ワンで正しい情報を届けるというストラティックコミュニケーション、それからドローンの有用性についてもいろいろな方から教えていただきました。光術人に伺いたいのは台湾同様に日本も海に囲まれた環境であります。それからこの場所をお引越しできないという難しい環境下の中にあって、台湾ではすごくびっくりしたのが、例えば滑走路のレジリレンスに取り組んでいますとおっしゃるんですね。滑走路の強靭化、それから壊されてもすぐに直せるように部材を調達したり、それからその素材を採用したり、こういうことを日本で、例えば国土交通省に聞いても、そんなことは考えてもいないというようなことをおっしゃる。そういった滑走路のレジリレンスですとか、先ほどから話が出ていますけども、弾薬のおよそ7割、北海道に備蓄をしている。そういった状況で線路を壊されてしまったら運べません。トンネルを壊されてしまったら通れません。じゃあ船、と言うかもしれませんけど、この南西諸島の港湾に自衛隊の艦船は接岸できません。こういった海に囲まれている国ならではの課題、それからそれにどういうふうに対処していくか、ご所見を伺います。高田光術人。ありがとうございます。ご質問の中で非常に感じましたのは、今回政府による38空港港湾施設の機能拡充の検討。これは私も新聞を見て、いよいよだなというところを感じております。特に航空自衛隊なんかは今、ウクライナで、ウクライナの空軍がやっておりますように、1回飛び立った空港には着陸しないで、レリジェンスを高めている。使った空港には降りない。で、また飛び立って、また別の空港に降りるという。そういった分散、自ら防護していくという戦い方というのは、ウクライナを見ても見て取れるわけであります。そういった意味で、この38空港港湾施設の機能拡充の検討というのは、ぜひ進めていっていただきたいんですが、私、ちょっとあれと思ったのは、空港港湾で鉄道が入ってないんですよね。これは何でなんだろうなと思って、実はこの鉄道というのは、ロシア、ウクライナ戦争を見ても、ロシアが、ウクライナ側、鉄道輸送というのは非常に大きな輸送力なんですね。そういった部分に、この鉄道が抜けているのが、戦略3文書からそもそも抜けているんですけど、何で抜けちゃったのかなと思います。あと、ハイブリッド戦を言われますと、我々が感じます以上に、もう既に入ってきているかもしれません。最終的には、この人間の脳に働きかける認知戦というところで言うと、2014年のクリミアのダッシュなんかは、ゲラシモフドクトリンの通りに、まったく弾一発も撃たず、クリミアハントを占領したわけでありまして、これはもう、まったくの認知戦でいい例だと思うんですね。そういった意味で、サイバー防御、それからアクティブディフェンスもそうなんですけど、例えばクラウドでまとまったデータをいかに保護していくかという、サイバー攻撃に頼るものになっているのか、政府系クラウドが今後できるかもしれませんが、そこにあるデータが容易に盗まれるようではいけないわけですよね。そこらは今後注意していくべき点ではないかなと思います。

5:33:20

伊藤さん。

5:33:21

はい、ありがとうございました。

5:33:23

山添拓君。

5:33:33

日本共産党の山添拓です。ご意見拝聴いたしました。まず高見澤公術人に伺いたいと思います。殺傷兵器の輸出に関わってです。従来、我が国の立場は、武器輸出禁止であり、1981年には衆参本会議の前回一致の国会決議でも確認されています。その後例外が作られ、包括化されるなどをしましたが、国際紛争の助長を回避するという、その理念は維持されておりました。これを大転換したのが安倍政権下2014年4月の防衛装備移転三原則であり、ここでは国際紛争を助長しないという、いわば革新的な理念も消してしまいました。我が党はこれを厳しく批判してきました。ただし当時の三原則とその運用指針を読みますと、殺傷能力のある武器の輸出は国際共同開発生産の場合に限り、それ以外の輸出は、救難輸送警戒監視及び総会、いわゆる語呂域へに制限し、殺傷武器の輸出はしないことを原則にしていたと言えるのではないかと思います。伺いたいのですが、少なくとも2014年のこの当時ですね、国会答弁など政府の発信では、語呂域へに殺傷兵器の輸出が含まれるとはしていなかったと思うんですが、いかがでしょうか。高見澤さん、高見澤公術人。はい、まず冒頭申し上げたいのは、日本は武器を輸出してきたということは事実でありますので、殺傷性も含めて殺傷性のあるものもずっと輸出していたわけですね。それを転換したのが政府の見解なわけですので、まず大前提として、今まで一度も日本が殺傷性のある武器を輸出していなかったかということを前提としたかのようなご質問については、それは事実と違うというふうに申し上げたいと思います。それから、第2点目でございますけれども、2014年の防衛装備移転三原則の考え方というのは、2013年12月にできました国家安全保障戦略の考えに従って整理をしたものであると。つまり当時の国家安全保障戦略の目標の達成に必要な範囲で、武器輸出三原則等を見直して防衛装備移転三原則をだったというものだと思います。その時の大きな考え方は、基本的にはまず閣議決定した方針と、それから国家安全保障会議で決定する運用指針がございまして、そこで運用指針というのはある程度機動的に見直すということが前提になっていたように思います。そしてその五類型というのは運用指針に含まれているということではないかと思います。

5:36:26

山添君。

5:36:29

五類型に殺傷兵器、殺傷能力のある兵器が当然に含まれるかのような、そういう発信は当時は政府としてはしてはいなかったのではないかと思うんですが、この点は重ねていかがでしょうか。高見澤光術人。当時は時効の与党協議でも非常に慎重に議論したので、殺傷性ということを含むということをことさら強調するような議論というのは、それはございませんでしたし、かなり具体的にどういったところまで認めるのかということについては、慎重な議論が行われていたということは実際だと思います。

5:37:04

山添君。

5:37:05

ありがとうございます。実は昨年4月21日の衆院安保委員会では、防衛装備庁の土本長官が、直接人を殺傷することを目的とする防衛装備の移転が、これら五類型に該当することは基本的には想定されていないと、こう答弁していますので、したがって2014年の当時だけでなく、少なくとも昨年4月頃まで、政府も殺傷兵器の輸出は原則としてできない、こういう前提で臨んできたのだろうと思います。そのことを確認できたかと思います。その上で、もう一点高見澤光術人に伺いたいと思います。以前、ジネーブ軍宿会議の大使を務めておられました。そこで伺いたいのですが、今のイスラエルのガザー攻撃では、欧米、特に米国によるイスラエルへの軍事支援が、事態を一層深刻にしているという側面があると思います。このときに日本の姿勢が改めて問われると思うんですね。日本は中東を植民地にしたことがなく、宗教的にも中立であり、欧米諸国やロシアや中国と違って、武器輸出もしてこなかった。中東で戦争が起きても、軍需産業が儲かるという構図にないのも、信頼につながる。こうある自民党の議員がかつて述べていたようなんですけれども、こうした日本の立場に基づく中東派兵への関わり方、その意義について、光術人の御意見を伺いたいと思います。高見澤光術人。はい。御質問ありがとうございます。私自身は中東の専門家ではないので、今、議員の御質問にお答えするような質問は持ち合わせておりませんけれども、いずれにいたしましても、私が思ったのは、ハマスが10月7日に、イスラエルの国内的な状況につけ込んで、あれだけの大規模な攻撃に出た時に、それの正確なり対応についての評価を、政府全体として総合的に行っていただくことが非常に大事だったのではないかと。それを踏まえて、いろんな外交的な対応なりを、政府全体としてできたのではないかなというふうに思っております。

5:39:24

山添君。

5:39:26

外交的な対応としては、現在、国連総会では即時停戦を求めるという決議が賛成多数となり、またICJはゼノサイドを防ぐための措置を講ずるように、暫定措置命令を下すと、こういう状況があるかと思います。ご意見も参考にしたいと思います。高田光術人に伺いたいと思います。武力攻撃などの事態認定を早めるべきだと、それは平時は、回復取締法や同行法や、あと自主要法、いろんな申請をしで承認を受けなければならないと、光術人の言葉では、いわば、元字絡めだということでした。そしてそれに加えて、事態認定以前においても、自衛隊に関して様々な法規の適用除外を拡大するよう求めると、こういうご意見であったかと思います。私はこれは率直に言って驚いたんですね。我が国が平和憲法を定めて、自衛隊についてシビリアンコントロールを厳格にしているのは、戦前の軍国主義による侵略戦争と植民地支配が、国内外におびただしい犠牲をもたらした、その反省に立つものです。憲法の平和主義とは、我が国が攻められない、そして国民の命を守るというだけの意味ではないかと思うんですね。したがって、自衛隊の活動については、有事はもとよりですが、平時においても、軍事的合理性が優先されるということではなく、制約を受けるのが大前提だと思うんです。高術人のお考えは、これは自衛隊の幹部やOBの皆さんの間で、かなり共有されている考えなのでしょうか。高田高術人お答えします。例えば、車両制限令というのがありまして、車幅とか高さ、重さで、一定の制限を超える車両については、事前に申請をしてくださいね、というところがあるんですが、例えばこれを、自衛隊の車両は、兵曹から適用除外して、自分たちが勝手に通れると。もっと言えば、赤信号でも自衛隊の車両は通れるという、こういうことを申し上げているわけではないわけであります。私が申し上げているのは、36個、私が数えただけで36個あるんですけど、その法律の中で、すでに兵曹から適用除外を受けている法律は、12個あるんです。例えば、自衛官が鉄砲を持つ、重刀砲の話であとか、危険物を取り扱うとか、通信事業者としての通信をするとか、そういうのは、適用除外を受けて、自衛隊員であれば、その職にあるものはやっていいよ、ということになっているんですね。そういった部分を、もうちょっと、広げるようなところはないでしょうか、というご提案でありまして、何も赤信号で渡らせろとか、そういうことを言っているわけではありません。以上です。

5:42:30

山添君。

5:42:31

それはもちろんだと思います。ですが、こうして適用除外を求める、その範囲を拡大することが、事態認定、前も含めて、後半に必要だということは、それはやはり自衛隊の性質からして、一定の制約を受けるのは当然だと思うんですね。そのことはお伝えしようと思いました。もう一点、高田公衆議院に伺いたいと思います。現在審議している来年度予算案には、陸海空自衛隊を一元的に指揮する、常設の統合司令部として、統合作戦司令部の創設が盛り込まれています。その目的は、米インド太平洋軍司令部と調整する機能だと、説明されております。調整とは何を意味するのか、という点も大変気になりますが、この統合司令部の創設は、米国側にとっては、どのような意味があるとお考えでしょうか。高田公衆議院。一般的に統合幕僚幹部というのは、大臣を、政府の代表者の統合幕僚長が、運用に関して一元的にお支えする組織、ということで、性質的には大臣の補佐機能が主であります。一方で、例えば3.11のときは、織木統合幕僚長でしたが、大臣が出された命令を一部、指揮するということで、指揮しているわけではないのですが、大臣の指揮機能を補佐するという形で、なっておりました。したがって、部隊指揮の部分は、ちょっとおろそかになって、大臣補佐、官邸報告というような部分が、統合幕僚長の仕事でいうと、当時は6対4、7対3だったなというようなことを、織木統合幕僚長も開庫録で書かれております。そういった意味から、部隊を専門的に指揮する部署という観点で、統合作戦指令簿を作るという趣旨だと思いますし、カウンターパートの関係で言いますと、統合幕僚長のカウンターパートは、ワシントンの東幕議長なんですよね。本来はですね。インドペコムというのは作戦指令簿ですから、いわゆる国防大臣、国防長官を補佐する機能ではないわけです。そういった意味で、ちょっと制度上のねじれがあったので、それを統合作戦指令簿を国内に作れば、インドペコムとの正式なカウンターパートになれるじゃないですか、という、そういう趣旨だろうというふうに思います。

5:45:12

山添君。

5:45:13

日米2+2で、米国側は常設の統合指令部の設置、日本の決定をですね、歓迎するとしておりました。より効果的な式統制関係を検討するとも、表明しておりましたので、今後の議論の参考に、ご意見もしていきたいと思います。ありがとうございました。

5:45:31

大島九州君。

5:45:42

はい、小泉議員さん、ありがとうございます。それでは、簡潔に質問をさせていただきますが、素人なので、国民目線で質問させてもらいますが、いろいろお話を聞いていると、高田公主人も相手がいて、相手がどういう国、どこをイメージするのかな、というのがちょっと私には分からなくて、日本がある国と敵対をして、戦争になるような事態というのは、どういうことを想定されているのか、というのをちょっと聞いていて、分からなかったので、高見沢さん、高田さんと、ちょっとお答えいただければと思います。高見沢公主人。はい、よく分からないということだろうと思うんですね。そうすると、我々が注目するのは、能力と、あるいはドクトリン、そして政治家なり軍人なりの発言でありまして、それからすれば、やはり日本に対する、意図というのは非常に厳しいものがあるなと思います。これまでも楽観的に思って、まさかというようなことが、現実にリーダーが発言したときに、まさかと思っていると、それがその通りになっていく、ということが多々あるものですから、私はやはり、安全保障をやるサイドからすれば、そういった個々の発言については、注意深く、そして最悪のケース、あるいはその意図が本当であるという前提で、ある程度議論せざるを得ない、ということではないかなと思います。高田光術人。はい、私も一緒でありまして、その相手側の能力と戦い方、ドクトリンに着目して、抜本的な防衛力を強化するという、相手側というのは、そういうことなんだろうなと思います。現実に、ロシアという国が、常任理事国として、力による現状変更を試みているという、これ現実、目の前にあるわけでありまして、そういうことが対岸の国にも、適用されかねないと、それは彼らの持っている能力が、10年前から、それから10年後を察したときに、とてつもなく大きなものになっていく、これはもう十分に予想できるわけでありまして、そういうところだろうと思っています。

5:48:11

大島君。

5:48:13

家庭の話ですけど、ロシアがウクライナというようなことで、戦争状態とか入ると、じゃあ、ロシアが日本に対して、そういう国土を侵略していくとか、何かの形で、戦いを挑んでくるというようなことは、想定できるんですか、お二人。高見澤光術人。ロシアのこれまでの言動、最近の言動ということを考えると、少なくとも、中国、ロシア、北朝鮮、イランの連携、ということは非常にありますから、そういったことを排除できる確信はございません。高田光術人。全く一緒であります。

5:48:58

大島君。

5:49:00

そうすると、防衛力を均衡に保っていくということで、いくならば、日本も核武装が必要だという、そういうご判断ですかね、お二人。高見澤光術人。私はそのような考え方というのは、現実には成り立たないというふうに思います。それは、日本はNPTのメンバーでもございますし、それから被爆した経験もあり、国民世論もございますし、かつ、それを準備するための作業ということを考えれば、その間、国際社会からのいろんな批判もございますし、なかなか生きていけないということになると思いますので、だから、それ以外の方策を考えていくということに尽きるのではないかと思います。高田光術人。私も一緒であります。私は被爆地の広島の出身でありますから、特にその点はそのように思います。

5:49:58

大島君。

5:49:59

私の父母も広島なんですよ。そういうことで言うならば、核兵器のない世界の実現に向けて、核兵器禁止条約に日本が署名、批准することについては、必要だというふうにお考えですか、お二人。高見澤光術人。その問題について、私はいつもこうお答えしているんですが、一つは、対人地雷禁止条約、これは日本はすぐに署名批准しまして、それで直ちにお金をかけて、地雷をすべて廃棄いたしました。それから、クラスター弾につきましても、陸上自衛隊のMLRSという、タレンソーロケットシステムがこれに該当するということになりましたので、日本は軍縮義連のリードもあって、それについて署名批准し、直ちに何百億円かけて、それを廃棄いたしました。なぜそれが可能だったかというと、代替手段があるかという問題で、当時国会なりにもご理解をいただいて、対人地雷に代わるシステムを整備するお金であるとか、あるいはタレンソーロケットがないといったらどうするんだ、というようなことをやっていたわけでございます。ところが核兵器については、日本は保有をしておりません。それで核抑止力に依存しているという実態がございます。一方で今の核兵器禁止条約というのは、そういった関係自体を禁止する条約になっておりますので、直ちに日本は代替手段のないまま、放り出されるということになりますので、それは現時点では非常に難しい。ただ同時に、アメリカの国家安全保障戦略でも言っておりますように、核兵器への依存を減らしていく可能性というのは、これは追及すべきであろうというふうに思っておりますので、そういう意味で日本としては、そこに焦点を当てた取組というのを進めていくべきではないか、というふうに考えているところでございます。高田光術人。同じ意見であります。

5:51:54

大島君。

5:51:56

今おっしゃることはわかりますが、日本は唯一の被爆国であるということからして、この日本がそこに積極的に世界に発信をしていくという意味において、批准していくという、そういう考え方は成り立ちませんかね。高田光術人。批准、署名批准いたしますと、それだけでその条約に拘束されるわけでございますので、その瞬間に今の日米安保体制を見直さなければいけないということに、条約上はおそらくなるのではないかと思います。

5:52:33

大島君。

5:52:34

今おっしゃった日米安保もですね、見直しやっぱりしていく必要があるんじゃないかという考え方があるんですが、特に地位協定とかいろいろ問題があると認識しているんですけれども、高田光術人、高田光術人、もしここはこういうふうに変えた方がいいんじゃないかというようなことがあれば教えていただければと思います。高見澤光術人。先ほどしたただらずだったかもしれませんけれども、日米関係を見直さなきゃいけないということは、日本の安全がそれでは持たないという意味で、ちょっと申し上げたんですけれども、一方において、ただいまの質問について申し上げればですね、いろんな配慮があるかと思いますけれども、あらゆる選択肢というのは常に考えて、それを議論していくということは、今でもないと思います。高田光術人。地位協定の部分については、詳しい知見も持ち合わせておりませんので、お答えは差し控えさせていただきますが、彼らがいる環境というのは、本当に日本の防衛のために中途にしてくれている連中ですし、我々は仲間だと常々思っていますので、心情的な方向から言うと、そういう話になります。

5:54:08

大島君。

5:54:10

防衛省出身のお二人でございますのでね、私自身は自衛隊の皆さんのいろんな活動については、すごく敬意と感謝を持っています。特に被災したところでの活躍、人命救助においてもですね、素晴らしい活躍をしていただいていると。これはもう大きく考え方が違うので、私の意見を言うと、それこそ国際救助隊のようにですね、何かが起これば、自衛隊が世界にでもそうやって救助に出ていくような、そういう活動をしていくような活動をやってもらうといいなと思うんですけど、やはり自衛隊の人たちには、いやいや、我々は他国を守るんじゃなくて、日本を守るんだと、やっぱりそういう強い意思があるんでしょうか。特に現場の高田光実によろしくお願いします。高田光実に。35年陸上自衛隊におりまして、私の周りでいた隊員たちはですね、それがやっぱり根っこにあります。議員ご指摘のですね。この国のためにという、国民のためにという、それが評価された瞬間に、彼らの汗と涙というのは一瞬に消えて、達成感に変わっていきます。これは災害派遣の現場で、どんなに苦しい現場を体験してもですね、彼らが本当に達成感を持って、部隊に帰ってきてくれる、そういうものを、隊員を迎えてですね、本当にそう思いました。そこにやっぱり、国防を念頭に置いた、厳しい教育訓練というものが根っこにあってですね、特段災害派遣のための訓練というのは、自衛隊は行っておりません。それは国防のための訓練がベースにあって、それを応用することによって、いかなる任務にも対応できる、そういう強靭な隊員が育成できているというふうに思っています。

5:56:06

大島君。

5:56:08

日々厳しい訓練に耐えてやっているという認識も、私も持っております。先ほどおっしゃった、お母さんが自衛隊に、うちの子供は無理だな、みたいなお話がありましたけど、戦場へ向かうというふうになると、余計に親は自衛隊に入れたくなくなるんじゃないか、という懸念があるんです。そこら辺の高田さんはどうですか。高田公衆に。それぞれの家庭のことは分かりませんが、私は子供3人おりまして、娘夫婦が自衛官です。2番目の娘の旦那が自衛官です。3人目の長男坊が自衛官です。やっぱりそれぞれの家庭の事情がありますのでしょうから、一概にお答えすることはできません。以上です。

5:57:00

大島君。

5:57:01

自衛隊の皆さんが、そういう戦場へ行かない外交安全保障が行われることを期待して質問を終わります。ありがとうございました。以上で公衆議院に対する質疑は終了いたしました。この際、公衆議院の方々に一言御礼を申し上げます。本日は有益な御意見を述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

5:57:40

これをもって、校長会を散会いたします。お疲れ様です。

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