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参議院 法務委員会

2024年03月12日(火)

0h24m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7783

【発言者】

佐々木さやか(法務委員長)

小泉龍司(法務大臣)

門山宏哲(法務副大臣)

2:00

ただいまから法務委員会を開会いたします。議事に先立ち一言申し上げます。この度の令和6年の野党反党地震により、甚大な被害がもたらされ、多くの尊い人命が失われたことは誠に痛ましい限りでございます。亡くなられた方々及びご遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。ここに亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、慎んで黙祷を捧げたいと存じます。どうぞ御起立を願います。黙祷を終わります。御着席ください。委員の異動について御報告いたします。昨日までに福岡高麻郎さん及び世耕弘重さんが委員を辞任され、その補欠として北村恒夫さん及び地見花子さんが専任されました。理事の補欠専任についてお分かりいたします。委員の異動に伴い、現在理事が1名欠員となっておりますので、その補欠専任を行いたいと存じます。理事の専任につきましては、専令により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。御異議ないと認めます。それでは、理事に古生春友さんを指名いたします。国勢調査に関する件についてお分かりいたします。本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。御異議ないと認め、裁を決定いたします。法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。法務行政の基本方針に関する件について、小泉法務大臣から所信を聴取いたします。

4:13

小泉法務大臣。

4:15

佐々木委員長をはじめ、理事及び委員の皆様方には、平素から法務行政の運営につき、各別の御理解と御尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。最初に令和6年、野党反党地震により亡くなられた方々と、その御遺族に対して深く哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に、忠心より生まれを申し上げます。法務省としても、例えば地方公共団体と連携の上、金沢地方法務局和島市局が入居する和島地方合同庁舎において、被災した方々の受入れに対応するなど、できる限りの支援を行ってまいりました。引き続き、被災した方々に対し、ホーテラスにおいて、適切な相談窓口等に関する情報提供や、私力の状況に関わらない無料法律相談を実施するなど、被災者の方々に寄り添った支援に全力で取り組みます。また、災害発生時に避難所としての機能を果たし得る共生施設をはじめとする法務省施設の耐震化、同級化対策にも国土強靱化の視点も取り入れ取り組みます。内外諸情勢の変化が極めて激しい中、法規範に対する国民の信頼をいささかも揺るがせにすることなく、他方で大きく変化する経済社会や国民意識に適切に寄り添っていかねばなりません。何が国民の幸せにつながるのか、常に考え抜いていく必要があります。それでは、法務行政において当面する具体的課題を述べます。再犯者数は減少しているものの、刑法犯で検挙された者の約半数は再犯者という状況は依然として続いています。再犯防止こそが新たな被害者を生まない安全安心な社会実現の鍵を握っています。第2次再犯防止推進計画に基づき、国地方公共団体、民間協力者の連携をこれまで以上に進めます。地方公共団体や保護士等の民間協力者への支援などの一層の充実強化に取り組むとともに、満期釈放者対策等を着実に進めます。令和7年6月に公勤計が導入されます。公勤計は個々の受刑者の特性に応じたきめ細かな処遇の実施により効果的な改善構成と円滑な社会復帰を図ることを目的としています。その導入に向けて運用の検討を進めるとともに、刑務所等における適正な処遇の実施に努めます。性犯罪・性暴力は被害者の尊厳を著しく傷つけ、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けます。性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針等を踏まえ、昨年6月に成立した改正刑法等の趣旨、内容の周知、同法等による厳正な対処及び再犯防止施策の更なる充実強化等を図り、引き続き性犯罪・性暴力対策を進めます。安全・保障環境が一層厳しさを増す中、公安調査庁においては、人工知能等の新たな技術も活用しつつ、公共の安全を脅かし得る偽情報の拡散を含む影響工作や経済安全保障、サイバー空間上の脅威、国内外におけるテロ関連動向に関する情報収集分析等にも努め、政府の施策に更に積極的に貢献します。北朝鮮に関しては、各ミサイル関連の動向、日本人拉致問題を含む対外動向や北朝鮮内部の状況等について、関連情報の収集分析等を進めます。我が国の領土、領海、領空の警備、警官に関しても、関係機関と連携し、適時適切な情報提供を行います。いわゆるオウム心理教について、団体規制法に基づく観察処分の適正かつ厳格な実施や、アレフに対する再発防止処分の実効性の確保等を通じた公共の安全の確保に努めます。犯罪被害者等の方々に対しては、第4次犯罪被害者等基本計画及び犯罪被害者等施策の一層の推進についてに沿って、きめ細やかな支援を実施します。生命や身体に重大な被害を及ぼす一定の犯罪の被害に遭った方々が、被害直後から弁護士による包括的かつ継続的な支援を受けられるようにするため、犯罪被害者等支援弁護士制度を創設することを内容とする総合法律支援法の一部を改正する法律案の今国会での成立を目指します。また、昨年12月から運用が開始された、いわゆる被害者等の心情等の聴取・伝達制度について、引き続き犯罪被害者等の方々に寄り添った制度となるよう適切に運用します。犯罪被害者等の方々の思いに応える保護観察処遇等の充実にも取り組みます。父母の離婚等に直面する子どもたちの利益を確保するため、父母の離婚等に伴うこの養育のあり方に関する制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律案について、今国会での成立を目指します。また、児童虐待については、政府で取りまとめた児童虐待防止対策の更なる推進についても踏まえ、関係機関と連携し、その根絶に取り組みます。いじめや虐待マイノリティの方々に対する偏見や差別、インターネット上の人権侵害など様々な人権問題への対応については、一人一人がお互いを尊重し合える社会を目指し、関係省庁等と連携し、人権相談や調査救済活動を充実強化するとともに、人権啓発活動等の取り組みを推進します。様々な困難を抱える方々が、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるよう多様化する法的ニーズを的確に把握し、法テラスによる支援やその体制の拡充を図るなどして、総合法律支援の一層の充実強化に取り組みます。旧統一協会問題については、関係省庁及び関係機関・団体等との緊密な連携の下、法テラスにおいて必要な情報共有を図りつつ、総合的対応窓口による一元的な相談対応を行うとともに、先般の臨時国会において成立した特定不法行為等被害者特例法に基づく支援を着実に実施し、被害者の迅速かつ円滑な救済に万全を尽くします。昨年10月、最高裁判所において、性同一性障害特例法に関する意見決定がなされたことについては、厳粛に受け止める必要があると認識しています。立法府の動向等を注視しつつ、関係省庁と連携して引き続き所要の検討を進めます。外国人との共生社会を創造していくために、外国人の人権に配慮しながら、ルールに則って外国人を受け入れ適切な支援等を行うとともに、ルールに反する者に対しては厳正に対応することを基本として取り組みます。引き続き、外国人支援コーディネーターの育成・認証制度の検討や、外国人在留支援センターフレスク等における支援等の取り組みを推進します。共生社会の実現を目指しつつ、我が国を魅力ある働き先として選ばれる国にするという視点に立って、現行の技能実習制度を発展的に解消して、外国人在留を育成・確保するための制度を創設します。併せて、我が国に適法に在留する外国人の利便性を一層向上させるとともに、行政運営の効率化を図るため、在留カード等とマイナンバーカードの一体化も実現します。これら外国人の権利の擁護と、適正な出入国在留管理の実現を図る出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案等について、今国会での成立を目指します。さきの通常国会で成立した入管法等改正法による諸施策の実現を着実に図るため、改正法の全面施行に向け、その準備に万全を期します。この入管法等改正法により在留特別許可の申請手続が創設され、その考慮事情が法律上明示されることに合わせ、在留特別許可に係るガイドラインを改定するなど、制度の運用の一層の適正化を図ります。また、保管的保護対象者の認定制度の創設に関する規定等については、既に施行されていますが、この制度を適正に運用します。国際情勢が引き続き緊迫する中、法務省では法の司法や基本的人権の尊重といった価値を国際社会に浸透させるべく、司法外交を強力に、一層強力に展開します。私自身、機会を捉えて各国の大使らと意見交換を重ねておりますが、とりわけ昨年、我が国が所催した司法外交閣僚フォーラムにおいて、合意されたウクライナ汚職対策タスクフォースの設置運営や、ネクストリーダーズフォーラムの創設等の不正化を着実に実行に移すとともに、中央アジア諸国や太平洋等諸国等との間で新たに戦略的司法対話を実施します。また、これまで法務省が長年にわたり続けてきた法制度整備支援や、国連アジア極東犯罪防止研修所、UNAFAを通じた国際研修等については、人材育成支援を通じた底堅い信頼関係構築のため、取組を一層推進します。我が国が誇る保護制度を世界へ発信、普及させる取組を推進します。国際仲裁が紛争解決手続のグローバルスタンダードであることに鑑み、国際的な法の支配の促進に向け、我が国における環境整備を進めるとともに、東南アジア地域等における普及を図ります。国連国際小取引法委員会アンシトラル等の国際機関におけるルール形成を主導します。また、国際小取引を円滑化し、単日投資を促進するための基盤として、関係省庁等と緊密に連携し、AI翻訳を活用するなどして、我が国法令の外国合約を整備して国際へ発信する取組を一層加速させます。最後に、時代に即した法務行政に向けた取組等について、主要な項目を申し上げます。刑事手続等において、情報通信技術の活用を図るため、取扱い書類について、電子的記録として作成、管理、利用することに関する規定の整備などを内容とする、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案下書について、検討を進めます。当該技術の活用に不可欠となるシステムの整備についても、関係機関と緊密に連携しながら、スピード感を持って進めます。また、司法試験等について、令和8年に実施する試験から、CBT方式による試験の導入等を目指すなど、試験のデジタル化に向けた取組を進めます。さらに、デジタル技術を活用した裁判外紛争解決手続きである、ODRの推進を照らすにおける各種業務や、公正保護行政のデジタル化に取り組むとともに、デジタル技術の活用による出入国審査業務のさらなる高度化を進めます。所有者不明土地問題への対策は、将来を見据えて政府全体で取り組むべき課題です。この対策の中核をなす、相続登記の申請義務化が本年4月から施行されます。国民各層に大きな影響を与えるため、関係機関と連携し、十分な周知、広報を実施するなど、円滑な運用に向けた準備を着実に進めます。これと共通の課題があり、今後、急増することが見込まれる老朽化マンション等についても、区分所有法制の見直しに向けて、しっかりと検討を進めます。土地に関する重要な情報基盤である、冬季所備え付地図の整備については、全国において法務局の地図作成事業を推進するとともに、令和7年度以降の次期地図整備計画の策定に向けた検討を進めます。自由で公正な社会を実現するには、社会を活躍する一人一人が、自らの考えをしっかりと持つこと、そして互いの考え方を尊重して生きていく力を身につけることが重要です。その基礎となる諸原理や法の役割を理解し、法的なものの考え方を身につけられるよう、法教育を積極的に推進します。高度複雑化する法的需要に的確に応えるため、関係機関等と連携し、より多くの人材が放送を志望する環境整備を推進します。また、法務省における消耗機能の充実強化にも取り組みます。裁判所の事務を合理化、効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減ずることを内容とする裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につき、今国会での成立を目指します。今後とも、公正公平な社会を目指し、副大臣政務官、そして全ての法務省職員と一丸となり、全力で職責を果たしてまいります。そして職員らの能力が最大限発揮されるよう、ワークライフバランスの実現にも引き続き取り組みます。佐々木委員長をはじめ、理事、委員の皆様方には一層のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。次に、令和6年度法務省及び裁判所関係予算に関する件について、順次説明を聴取いたします。

19:01

門山法務副大臣。

19:04

令和6年度法務省所管等予算につきまして、その概要をご説明申し上げます。法務省の一般会計予算額の総額は、8133億3300万円であり、前年度当初予算額と比較しますと、216億2300万円の増額となっております。所管別に区分いたしますと、法務省所管分は、7400飛4億7900万円。デジタル庁所管として計上されている法務省関係の政府情報システム経費の予算額は、656億5300万円。国土交通省所管として計上されている法務省関係の国際観光旅客税財源重当事業の予算額は、72億100万円となっております。また、復興庁所管として計上されている法務省関係の東日本大震災復興特別会計の予算額は、5400万円となっております。次に一般会計予算の内訳は、人件費5349億8300万円、物件費2783億5100万円となっております。そのうち、主要性額の経費についてご説明申し上げます。まず第一に国民の安全安心の確保につきましては、再販防止対策の推進のための施設内社会内処遇等の充実強化に必要な経費として127億7200万円。良好な治安を確保するための検察活動の充実強化及び刑事手続のIT化デジタル化に必要な経費として10億9100万円。経済安全保障偽情報等に対応するための公安調査庁の情報収集分析能力の強化に必要な経費として31億3500万円。冷官処遇法等への対応、一人親支援等を含むホーテラスによる総合法律支援体制の充実強化に必要な経費として325億3600万円。子ども若者を取り巻く人権問題等の解消に向けた人権擁護活動の強化に必要な経費として35億3700万円を計上しております。第二に外国人材の受入れ、共生社会の実現等に必要な経費として283億900万円を計上しております。第三に国際化国際貢献の推進につきましては法令外国語訳整備の強化、国内外への予防手法支援機能の強化等に必要な経費として21億5500万円。司法外交の戦略的推進に必要な経費として5億9000万円を計上しております。第四に時代に即した法務行政に向けた取組につきましては法務行政司法分野におけるDXに向けた取組の推進に必要な経費として385億8800万円。所有者不明都市等問題への対応、当基礎備え付地図整備の推進、民事基本法制の整備等の推進に必要な経費として74億800万円。法務省施設の整備維持運営の推進に必要な経費として194億7200万円を計上しております。次に定員の関係でございますが令和6年度においては相続当期申請義務化の施行への対応、経済安全保障関連調査等の情報収集分析体制の強化等の政府の重要課題に対応するため法務省全体で1165人の増員が認められており、定員合理化による一線取り74人の原因を差し引きいたしますと91人の順増となっております。以上令和6年度法務省所管等予算の概要を御説明させていただきました。

23:06

次に染谷最高裁判所事務総局経理局長

23:15

令和6年度裁判所所管歳出予算について御説明申し上げます。令和6年度裁判所所管歳出予算の総額は3309億7900万円でありまして、これを前年度当初予算額3222億1700万円と比較いたしますと、差し引き87億6200万円の増加となっております。次に令和6年度歳出予算のうち主な事項について御説明申し上げます。まず司法の体制の充実強化に必要な経費であります。一つ目に裁判事務処理体制の充実を図るため182億1300万円を計上しております。その内容について申し上げますと、第一に裁判手続等のデジタル化関係経費として55億8100万円を計上しております。この中には民事刑事過時の各デジタル化関連経費、情報基盤整備関連経費が含まれております。第二に民事意見関係経費として26億3100万円を計上しております。この中には民事調停委員手当専門委員手当労働審判員関連経費等が含まれております。第三に刑事意見関係経費として41億1200万円を計上しております。この中には裁判員制度関連経費、心身喪失者等医療観察事件関連経費、法定通訳関連経費等が含まれております。第四に家庭事件関係経費として58億8900万円を計上しております。この中には過時調停委員手当等が含まれております。二つ目に庁舎の深営等のための経費として146億3900万円を計上しております。次は定員の関係であります。事件処理の支援のための体制強化及び国家公務員の子どもの共育て推進等を図るため、事務官を44人増員することとしております。他方政府の定員合理化計画への協力等として75人の原因をすることとしております。なおこの増員等の中には即期間から事務官への振り替え5人が含まれております。従いまして裁判所全体で差し引き31人の準元となります。以上が令和6年度裁判所所管歳出予算の概要であります。以上で法務大臣の所信並びに令和6年度法務省及び裁判所関係予算の説明聴取は終了いたしました。法務大臣の所信に対する質疑は後日に譲ることとし本日はこれにて散会いたします。

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