17:35
ありがとうございます。ありがとうございました。
19:34
これより会議を開きます。令和6年度一般会計予算、令和6年度特別会計予算、令和6年度政府関係機関予算、以上3案について、公聴会を開きます。この際、公実人閣議に一言、御挨拶を申し上げます。公実人閣議におかれましては、御対応所にも関わらず、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。令和6年度総予算に対する御意見を拝聴し、予算審議の参考にいたしたいと存じますので、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。御意見を賜る順序といたしましては、まず熊谷光丸公実人、次に清水秀行公実人、次に末富香織公実人、次に大端雅子公実人の順序で、お一人20分程度ずつ一通り御意見をお述べいただきまして、その後委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。それでは熊谷光実人にお願いいたします。
20:54
おはようございます。台場総研副理事長の熊谷光丸と申します。本日はお招きいただきまして、心より光栄に存じます。御審議の参考にさせていただきたく、令和6年度の予算案につきまして、賛成の立場から意見を申し述べたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それではお手元の資料で、まず1ページ目ご覧いただきたいと思いますが、本日はここにございます3つのお話をさせていただきます。まず1点目が日本経済の現状と展望ということでございますけれども、4ページ目ご覧ください。ページの一番上のところにございますが、今後の日本経済はですね、24年度が0.8%成長、25年度が1.3%成長ということで、緩やかな景気拡大が続くという見方をしております。4ページ目でございますが、23年にですね、景気が回復をした背景ということで申し上げますと、コロナ等のですね、こういったその特殊要因が解消したということがあります。左端がインバウンド消費、そして常用車の生産、実質サービス消費でございますけれども、コロナの解消ですとか、常用車については半導体不足の解消等によってですね、かなり高めの経済成長となりました。5ページ目ご覧ください。この5ページ、6ページで主なポイントをお示ししておりますので、詳細は後ほどご覧い ただきたいと思いますが、まず一番上のところでですね、賃上げについては4%台に乗せてくる可能性というのが生じていると。そして物価は2%程度で安定をする。また後ほど申し上げるようにですね、慢性的な人手不足ということで、余剰労働力というものがですね、足元で非常に低水準であるということがあります。経済の下支え、押し上げ要因ということで言えばですね、自動車の挽回生産、これが現時点でですね、33万台程度、0.9兆円程度、今年の夏ぐらいまで挽回生産が続くことが見込まれます。インバウンドについてもですね、2行目のところにございますが、これから消費額がかなり増えてまいります。またサービス消費もですね、かなりコロナで抑えられてきたものが、これから2兆円程度の回復余地がございます。さらには家計の金融資産はですね、236兆円程度増加をしている。グローバルに見ればシリコンサイクルもですね、回復の方向であるということです。6ページ目でございますが、政府の経済対策、これはですね、所得減税が実質所得を1%近く押し上げる。また日銀はですね、4月にはマイナス金利を解除いたしますけれども、その後も極めて緩和的な金融環境が続きます。他方でリスクとしてはですね、そこにございますようにもっぱら海外経済のリスク、後で中国について言及いたしますが、これについては一定の留意が必要であるというところです。7ページ目をご覧いただくとですね、私どもが推計をしているこの今年度の春冬の賃上げ率は3.8%。これは保守的な数字でですね、おそらくここから上振れする可能性というものがある。8ページは中国のリスクでございます。左のグラフがですね、資本係数と申しまして、中の1のところにある資本ストック割るGDPということでですね、これが相当上振れをしているということは、今中国の設備は2840兆円程度ですね、過剰になっている可能性があります。右のグラフはかなり専門的なグラフでございますけれども、縦軸が労働係数、労働投入割るGDP、横軸が資本係数、資本ストック割るGDPでですね、いずれもですね、値が小さくなって原点に近づくほど労働とか資本の効率が良くなってですね、遠ざかるほど効率が悪くなる。グラフの中で左上から右下に何本も細い線が引いてありますけれども、この1本の線上だとマクロ的な中国の技術レベルが一定でですね、これが左下に行くほど技術が進歩するということでございますが、赤い線の中国を見ていただくとですね、ここ10年余り1本の線の上で動いていますので、要は自転車創業的に外国資本を呼び込んでですね、設備を増やすことによって経済成長してきたんだけれども、技術は進歩していないということ。その中で設備がですね、2840兆円の過剰を生んでいるという状態であります。9ページ以降でですね、インフレの動向と日銀の金融政策でございますけれども、まず10ページにですね、世界経済の長期サイクルをお示しをいたしましたが、この長期のサイクルは2020年で底入れをしてですね、グローバルに見ればインフレ的な方向へと入ってきております。11ページ、こちらは我が国の物価について、訂正的なことをお示ししておりますけれども、輸入インフレ、労働需給の逼迫、経済の正常化、過剰貯蓄、そして価格転換等々によってですね、かなりそのデフレから脱するこの要因というものがですね、増えていると。12ページでお示しをしているのはですね、我が国の物価を2種類に分けてですね、価格改定頻度の高いものと低いもの。ご注目いただきたいのは、ブルーの線のですね、価格改定頻度の低い粘着価格でございますけれども、これは90年代の頭からガンとして上がらなかったわけですが、この粘着的な価格がですね、今3%程度のところまで上がってきているという状態です。13ページのですね、左のグラフでございますが、IMFが作成をしているデフレリスク数というものを私どもが応用してですね、日本のデフレリスクを見たものでございますが、これが下がるほどデフレリスクが小さいと。直近は0.23ということでございまして、アメリカ と同じぐらいの水準でですね、かなり日本のデフレリスクは後退しているという認識です。14ページは非常に大きな問題となっております、自質賃金の低迷でございますけれども、オレンジ色の線がですね、自質賃金に対して2四半期程度先行する先行指数をですね、私どもが作成したわけでございますが、先行の自質賃金はですね、私どもの見立てでは早ければ、今年の7、9月期にもですね、プラスの方向に転換する可能性があるのではないか。そうした中で15ページでございますが、日本銀行の金融政策はですね、上半分のところにございますように、イールドカーブコントロールによってですね、13兆円程度GDPを押し上げました。ただ下半分のところにあるような、再建市場の機能低下、生産性の低迷、財政規律の主観というですね、これらの問題があるわけでございますので、おそらくは4月にはですね、マイナス金利をゼロ金利に戻していく可能性が高いと。他方で16ページは、この金利がですね、短期金利、長期金利が1%上昇したときの影響ということですが、一番上のところにあるようにですね、短期金利上昇の悪影響は長期金利よりも大きいということがあります。こういったことを受けてですね、日本銀行はゼロ金利に復帰した後もですね、極めて緩和的な金融政策を続けるという見方です。ご参考まで17ページでですね、一番上のところに書いてございますが、歴史を振り返るとですね、利上げの順番はアメリカ、欧州、日本の順でですね、そして日本が最後に利上げをすると、日本は景気交代に陥るということでございますので、おそらく日銀は利上げについてはかなり慎重なスタンスをですね、続けるのではないか。その中で18ページでございますが、今までは左側のゆで返る構造であったものがですね、これから右側に移行する。左端のところを見ていただくと、お金が余って、軽常黒字になって、円高になり、デフレになり、金利が低いというですね、こういった状況でございましたけれども、これからは高齢化で貯蓄が取り崩され、軽常黒字が減少して、円安、そしてインフレもしくはスタグフレーションのリスクがですね、出るわけでございますから、こうした状況の中でですね、一番上に書いてございますが、財政規律を維持するということが極めて慣用であるという考え方です。19ページ以降で今後の政策対応でございますが、20ページ、21ページはですね、日本政府の方針、後ほどご覧いただきたいと思いますが、22ページがですね、私なりの解釈でございますけれども、まず給付金でホップ、そして減税でステップ、そして中長期でジャンプということで、日本経済の体質を改善をしてですね、縮小金庫型コストダウン型の経済から成長指向型の経済へと移行する。23ページでですね、左の1番が所得の低い方、右の10番が所得の高い方ですけれども、そして緑で書いてある線が、その負担がどれぐらい増えているか、オレンジ色の線がどれぐらい支援をしているかということでですね、ご覧いただくとですね、1番左端の所得が低い方について言えば、相当支援が長過をしている。右端の所得が高い方に関して言えば、負担の方が大きくてですね、その間の方々はおおむね均衡しているということですので、低所得者世帯を中心にですね、幅広い世帯の負担を軽減しているということだと思います。より長い課題として申し上げるとですね、しっかりと設備投資を出すこと、そして賃金を上げること、さらには社会保障の改革を行うことがですね、課題であると考えておるところでございまして、24ページがまず設備の話でございます。上の所に3つ書いてございますが、日本の設備は3つの問題を抱えていてですね、まず量が足りない、これ200兆円以上おそらく不足をしていて、これを挽回すればGDPは1割ぐらいですね、上がってくる。2点目として、質が低い、これによってGDPが1割失われている。そして生産性が低い分野に偏在していること、これによって2割ぐらいがですね、失われていると。やはり設備を出していく余地が大きいと。具体的には真ん中の左側のところでございますが、非製造業の無形固定資本だとかで すね、それから製造業の情報通信機器などの資本の限界生産性の高いところでですね、しっかりと設備投資を増やす必要があると。またこのページの一番下のところにございますけれども、今5兆円ぐらい年間行っているですね、精進化投資をもし年間16兆円行ったとすればですね、10年後の就業者の減少分をですね、相殺することが可能であると。設備について今申し上げた数字、ざっと確認をさせていただくとですね、25ページでございますが、あるべき量と比べれば200兆円以上ですね、不足している可能性があると。右側の囲みのところに指揮が書いてありますが、最終的にはこれによってですね、12.5%程度GDPが失われている可能性がございます。26ページは2つ目の問題点の質の低下と低生産性分野に偏在していることでございますが、左のグラフの各国の資本の生産性を見るとですね、日本は黄色い線で極めて低いと。右のグラフの右端から2番目のところを見ていただくとですね、まず②の資本の質の低下、これはビンテージが伸びて老朽化をしているということですが、これによる下押しが10%程度。それから③のですね、生産性が低いところに設備が張り付いていることによって18%程度というですね、これぐらいの下押しが想定されるということです。27ページ、精進化投資でございますけれども、赤いところに書いてあるようにですね、現在5兆円を行っております が、これをですね、これからもし16兆円に増やしたとすれば、人手不足を賄うことが可能になる。また、ケースの③はですね、産業構造が変わって介護の人などが増えたときですけれども、これも34兆円程度によってですね、ある程度賄うことが可能だと。28ページはですね、その上で賃上げを起点にして賃金と設備のですね、好循環を回すことがポイントであるということ。まず右端のステップの①のところでですね、今人手不足、20年前にはですね、余剰労働力が280万人ございましたけれども、現状は30万人程度であるということですから、まずしっかりと賃上げをですね、行うと。次に上のステップ②でございますが、これによって資本と労働の相対価格が変化することによって、設備投資がですね、増えると。そして左半分の資本というところでステップ③でございますけれども、例えば資本ストックがですね、資本総比率が1%上がると、生産性は0.4%上がります。また労働のですね、質が上がる、例えばパートタイム比率が5%低下することによって、潜在成長率は1.6%上がりますので、結果ですね、労働生産性が上昇をして、ステップ④のところですね、実質賃金の上昇へとつなげていく。こういう形で賃上げを起点として設備を増やして、生産性を上げて、実質賃金を上げるということをですね、これをしっかりとやっていくことが慣用であるということであります。29ページは、余剰労働力のデータですので、ここは後ほどご覧いただくとしてですね、30ページの左のグラフでございますけれども、資本と労働の相対価格を見ていてですね、90年代までは設備投資をした方が有利なので、みんな設備投資をしたわけですけれども、2000年代に入ってですね、バブル崩壊で賃金が上がらなくなってですね、結果設備はある程度増えたけれども、人への分配がですね、なくなったと。足元で今賃金が上がっているんでですね、この賃上げを手小にして、そこからですね、設備投資、生産性上昇、実質賃金の増加のですね、好循環というものをしっかりと回していかなくてはいけないのではないかと。31ページ、私もメンバーを務めさせていただいております、前世代型社会保障構築会議でございますけれども、この論点をですね、これを工程表を作って、今粛々と実行していくという方向であります。今回の予算でもですね、支援金が盛り込まれておりますが、私はこの支援金を含むですね、この広く巣く国民が子育てを支える仕組みについてはですね、基本的には支持をしているという立場であります。そして32ページでございますが、今申し上げたようなですね、前世代型社会保障改革等によって、将来不安が解消すればですね、そこから消費の押し上げが期待される。左のグラフを見ていただきますと、20代 、30代が将来不安からどんどんお金を使わなくなってですね、これが日本の経済を下押しをしている。右のグラフでですね、これからもし将来不安がなくなって消費成功が戻るようであれば、7兆円から10兆円程度のですね、消費の押し上げ効果というものが期待されます。今日は3つの点についてですね、申し上げました。1点目として、日本経済はですね、いくつかの要因があって、巡航速度での緩やかな景気拡大が続きますが、ただ海外経済の下振れリスクにはですね、最新の注意が必要である。2点目として、日本はですね、やはりグローバルな流れの中で、徐々にデフレを脱する方向に来ていますので、その中で日本銀行はですね、おそらく4月に向けてマイナス金利をゼロ金利に戻してですね、ただその後の利上げについては、かなり慎重な緩和的なスタンスを続けるのではないか。3点目として、今回の政策対応ですね、短期のものと中長期のものがある程度バランスよく盛り込まれているということでございまして、他方でこれからの課題としてはですね、やはり設備が足りないのでそこをしっかりとですね、出していくこと。それから賃上げを起点にして、そこから生産性を上げてですね、さらに実質賃金を上げるような賃上げを起点にした好循環というものを起こすということ。さらにはその 前世代型社会保障改革というですね、やはり国民の将来不安をしっかりとこうなくしていくような対応が必要ではないかということでございます。私の方からはご説明以上でございます。ご静聴ありがとうございました。ありがとうございました。次に清水公実人にお願いいたします。ただいまご指名をいただきました、連合の清水でございます。本日はこのような場で私たち連合の意見を表明する機会をいただき感謝を申し上げます。連合は働くことを軸とする安心社会を目指しており、本日は働く者、生活者の立場から意見を申し述べます。冒頭1月1日に発災をしました、野党反当自身の被災地の1日も早い復旧復興に向けて、与野党が建設的な議論を行っていただいていることに感謝を申し上げるとともに、一層の充実した政策論議をお願い申し上げたいというふうに存じておるところでございます。それでは初めに、連合の減価の経済、社会の課題認識について申し述べます。歯止めのかからない少子化と生産年齢人口の減少は国力に直結する重大な課題であります。加えて、この間の長期にわたるデフレは、格差の拡大と貧困の固定化を助長させ、これに大打ちをかけるような物価上昇が、 低所得者の暮らしと中小企業の経営基盤に大きな打撃を与え続けております。言うまでもなく、予算とは国の在り方や進路を示すものでございます。日本の構造課題を解決し、安心・安全に暮らせる社会を将来世代に引き継ぐには、財政規律の徹底による歳出構造の抜本見直しと、税と社会保障の一体改革による重層的なセーフティーネットの構築が必須であり、もはや残された時間はわずかであるというのが私たちの考えでございます。今国会で政治資金問題の真相を明らかにすることも重要ですが、立法府の責任として政治の停滞を招くことなく、まったなしの日本の構造課題の解決に向けた審議が尽くされることをまず強く期待をしたいと存じます。さて、連合は2024春季生活構想を現在戦っております。経済も賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換を図る正念場と位置づけて取り組んでおるところでございます。その成果の鍵を握るのは、雇用労働者の7割が働く中小企業と4割を占めるパート有機契約などで働く仲間の賃上げでございます。資料の3ページをご覧ください。2023当選では30年ぶりとなる高水準の賃上げを実現しましたが、賃上げを上回る物価上昇が続いているため、実質賃金を上昇させるまでには至っておりません。また、中小組合の賃上げは業績回復の遅れなどから全体よりも定位にとどまっております。本年、昨年上回る高い水準での中小企業の賃上げを実現するには、価格転換、価格交渉、取引環境の整備が必要でございます。3ページ下の表をご覧ください。価格転換状況に対する連合加盟組合の調査でございます。価格転換できた組合の賃上げが価格転換できなかった組合を上回っており、価格転換と賃上げには相関関係が見られます。次に資料の4ページをご覧ください。取引環境の整備に向けて、厚生取引委員会から労務費の適切な転換のための価格交渉に関する指針が示されたことは大きな前進でございます。あとは実効性の担保が課題でございますが、昨年9月の中小企業庁の調査では、全体として価格転換は改善傾向にあるものの、価格交渉が行われたのは全体の6割弱にとどまっています。コスト要素別に転換率を見ますと、労務費は現在料費を10ポイント下回っているということでございます。政府には中小企業が躊躇することなく、取引先へ価格交渉の申し入れができるよう、大企業のパートナーシップ構築宣言を促すとともに、指針の実効性を高める一層の取組強化と、不利益取扱いの禁止などを求めたいと思います。次に雇用形態間の賃金格差の是正も重要であります。連合加盟組合では、組合員であるか否かにかかわらず、同じ職場で働く仲間の賃金が働きの価値に見合わせた賃金となるよう、要求交渉をしておるところでございます。政府には労働組合のない職場においても、同一労働、同一賃金が実現されるよう企業への指導を強化するとともに、最低賃金の大幅な引上げが実現できる環境整備を期待するところでございます。2024春季生活動向は、3月11日の週に回答引出しの山場を予定しております。先行組合が引き出す賃上げの流れを、労働組合のない企業も含め、多くの中小企業などに波及させることが慣用であり、政労使による社会的メッセージの発信なども検討を求めたいと思います。次に、政府内で検討が進められているライドシェアについて、一言申し述べておきたいと思います。本年4月からタクシーが不足する地域や時間帯に限って、タクシー事業者の運行管理下で自家用自動車を活用した新たな仕組みが導入される予定となっておりますが、新たな仕組みにおいても、既存のタクシー事業等の応用に、公共交通で保障されている利用者、歩行者等の交通参加者、そしてドライバーの安全・安心、車両の管理責任などを十分に確保する必要があると考えます。特にドライバーについては、雇用された労働者でなければ、行動関係法令が適用されず、過重労働による健康障害や事故につながる懸念があり、タクシー事業者との雇用契約に限に限る、そのように述べたいと思います。なお、タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことは、先行する諸外国において様々な問題が指摘されていることを加え、タクシー産業の健全な発展を阻害する懸念があり、極めて慎重であるべきと考えます。次に、税制改正関連法案ですが、昨年6月に政府が閣議決定をしました「骨太方針2023」では、税体系全般の見直しを推進すると示されていましたが、今回の法案では、税体系の全般の見直しには全く踏み込んでいないということで、修正案を2点申し上げたいと思います。1点目は、低所得者への給付と合わせて行う所得税、個人住民税の定額減税です。政策目的が税収増 の還元から、物価高に負けない賃上げを実現するための環境整備に変更されたことで、連合の組合員からも何のための減税なのか分かりづらいとの声が寄せられています。さらに、企業や地方自治体からも、事務費用の増加や申請にかかわる人的負担増に対しての懸念の声が寄せられています。資料の5ページをご覧ください。連合は、今回のように給付と減税を同時に行うのであれば、マイナンバー制度を活用した正確な所得補足に基づく、給付付き税額向上の仕組みを早期に構築すべきと考えます。特に所得税、非課税世帯などには、食料品など生活の基礎的消費にかかる消費税負担分を給付する消費税完付制度を導入し、低所得者の負担軽減につなげるべきと考えます。2点目は、ガソリン価格高騰対策です。連合は、そもそもガソリン価格の約3割が税金であることも踏まえ、50年にわたって課税している当分の間税率は、2009年に課税根拠を失っているので廃止をし、ガソリンの価格を引き下げる高級的な措置を講ずるべきと考えます。なお、その際は、税制全体の見直しの中で、地方財政の根拠にもなっておりますので、地方財政に影響を及ばさない代替財源の確保も必要であると考えております。連合は、この間、地方連合会とともに、全国の首長や地方議会から給付付き税額控除の仕組みの構築と、当分の間税率の廃止を求める意見書の国への提出を働きかける取組を行っています。現時点で、全国約30の県や市町村と協議をしており、さらに進めていきたいと考えております。次に、子ども子育て政策について4点申し上げます。1点目は、新設する支援金制度を盛り込んだ子ども子育て支援法等改正法案でございます。岸田首相は、支援金制度については、医療保険料と合わせて徴収する額は月額平均500円弱だが、賃上げ等歳出改革により実質的な負担は生じないと述べていらっしゃいます。連合は、子ども子育ては社会全体で支えることが大前提であり、そのために必要な負担について反対するものではありません。しかし、結果として、過小分所得が減少してしまうことや、医療保険の保険料と合わせて徴収されることなどについて、国民の理解や納得は全く得られていないということを申し上げたいと思います。加えて、支援金制度は給付と負担の関係が不明確、子ども子育て支援以外にも使徒が広がりかねない、労働者の拒出する側の意見反映の仕組みがないなど、多くの課題があります。これらの点について、国会での徹底した審議を求めたいと思います。2点目は、検討中の日本版DBS法案についてでございます。子ども基本法の理念のもと、子どもの最善の利益を実現するため、性犯罪を防止することは極めて重要であります。しかし、検討中の日本版DBSでは、処犯を防ぐことはできません。そのため、学校や保護機所などで、子どもが大人と密接で一対一とならないようにすること、あるいは、性加害者への公正プログラム受講の義務化、被害者も加害者も出さないための教育・研修の充実など、十分な予算措置を伴う実効性ある包括的な対応が必要であると思います。さらに、事業者が労働者の性犯罪歴を紹介し、事業者が回答を得る仕組みでは、個人情報の漏えいする懸念が払拭できません。職業選択の自由や個人情報を保護する観点からも、労働者本人が申請に基づき、労働者本人が性犯罪歴がないことの証明を受ける、そういった仕組みとすべきではないかと考えております。また、性犯罪歴がある者への安全措置が取れない場合は、解雇可能とする方向での検討は、解雇権の乱用を促し兼ねず、乱事定容認できない部分がございます。3点目は、育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案についてです。男女がともに、育児・介護などの家族的責任と仕事やキャリア形成を両立するためには、法改正により柔軟な働き方の選択肢を増やすことに加え、長時間労働を前提としない働き方を実現することが重要であります。また、一人親家庭、障害のある子や医療的ケアが必要な子を育てる親など、労働者の個別の事情に配慮した対応も必要と考えます。4点目は、民法等の一部を改正する法律案です。法定養育期の制度化や先取り特権の付与により、養育期を確保の実効性を高めること、これは一人親家庭の貧困 解消に向けて一歩前進するものと考えます。夫婦離婚後の共同申請に関しては、夫婦間に対立がある場合などに家庭裁判所が関与する仕組みが設けられました。これまで以上に重要な役割を果たすことになる家庭裁判所の体制強化と、そのための財源確保をはじめ、この福祉確保の観点から慎重な審議を求めたいと思います。次に雇用保険関連でございます。今国会に雇用保険法等の一部を改正する法律案が提出されています。法案には、労働者の主体的な能力開発を支援し、労働者個人への給付を拡充するための教育訓練給付の給付率の引上げや、子ども家庭庁が少子化対策と位置づける育児休業給付の給付率引上げなどが含まれております。能力開発や子育て支援の充実は重要ですが、雇用保険の本来の目的は、労働者の生活及び雇用の安定であり、その目的の範囲を超えるような政策は、雇用保険財源以外の一般財源などで実施することが引き続き求められると考えます。また、育児休業給付の保険料率の引上げは、引 上げを含めた雇用保険料率の引上げは、労使の多大な負担増となります。今回のように、雇用保険管条の育児休業給付部分を子ども金庫に移管したとしても、保険料やその種との在り方については、保険料納付者である労使が参加する労働政策審議会において議論することが重要ではないでしょうか。次に、今国会に提出予定の技能実習制度等の見直しに関する法案について申し述べます。法案検討のために、入管庁に設置された有識者会議には、連合も委員として参画してまいりました。政府が2月9日に決定した法改正に向けた方針では、管理団体の減額化、管理支援体制の強化、検討プロセスの透明性確保策など、外国人労働者の保護に資するものと受け止めております。しかし、方針には有識者会議の最終報告書と異なる記載も散見されます。育成就労制度の職種につきましては、特定技能制度の分野に合わせるとする一方、技能実習でしか受け入れていない職種については、当該職種が果たしてきた人材確保の機能の実態を確認した上で、特定産業分野への追加を検討とされております。最終報告書の就労を通じた人材育成になじまない分野は、対象外とした記載から大きく変更されており、未熟練外国人労働者の安易な受入れ拡大につながりかねないと危惧しておるところでございます。加えて、改正法の施行前に特定技能制度への分野追加が検討される旨の報道もございましたが、法改正の趣旨である制度の適正化を実現するためには、こうした駆け込み追加が行われることはあってはならないと考えます。両制度の受入れ分野の追加設定は、改正法の施行後に検討すべきだと考えております。なお、施行指針には、制度の運用状況について、普段の検討等必要な見直しを行うとあります。その際は、公開された公的な場において、労使を含めた関係者等によって検討することが重要であると考えます。また、当該制度だけでなく、他の在留資格を含めた外国人労働者の受入れと共生の在り方全般について検討する場が必要であると考えます。次に、カーボンニュートラルの実現に向けた対応について申し上げます。政府が宣言しました「2050年カーボンニュートラル」は、気候変動対策としての観点をもとより、我が国の産業競争力の維持・強化、グリーンで良質な雇用の創出、地域経済の維持・向上の観点からも、あらゆる手段を総動員した取組を進めなければなりません。今、国会に提出されました「CCS事業法案」と「水素社会推進法案」は、我が国の産業競争力の維持・強化に資するものであり、早期の成立を求めたいと思います。一方、昨年成立した「GX推進法」の理念に盛り込まれた公正な意向を実現するには、国・地域・産業の各レベルで、政労・市が加わる社会対話の場が必要であります。政府には、省庁横断的な体制のもとでの社会対話の場の早期設置と、その場での課題の深掘りや複数のシナリオによる政策立案のプロセスをロードマップに織り込み、十分な予算措置を行うことを求めたいと思います。次に、持続可能で法制的な社会の実現について、3点申し述べます。1点目は、あらゆるハラスメントの防止です。連合は、安心して働ける職場環 境を構築のため、あらゆるハラスメント禁止に関わるILO第195条約の批准を求めています。特に、カスタマーハラスメントは、事業主の望ましい取組として指針に定められているに過ぎず、法的には何ら措置されておりません。ハラスメントを根絶するためには、ハラスメント自体を禁止する法整備が必要と考えます。2点目は、選択的夫婦別姓制度です。住民票やマイナンバーカード、運転免許証など旧姓兵器を認める対象は徐々に増えていますが、公文書などは原則、戸籍名しか認められていないケースが多いのが実態でございます。また、G7の中で認めていないのは日本だけであり、国際社会では旧姓仕様の通称仕様は通用しません。1996年に法制審議会が法案要項を答申してから28年が経ちました。個人の尊厳や人権の保護のため、今こそ選択的夫婦別姓制度を導入すべきと考えます。最後に3点目でございますが、差別禁止のスタンダードであるIOロー第111号条約です。IOロー111号条約は、IOロー下面187カ国中175国が既に批准しており、日本が未批准であることは大きな問題であると思います。日本が差別を許さない国であることを国内外に示す意味でも、条約の早期批准を求めたいと思います。以上を申し上げまして、私の意見陳述をさせていただきます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。次に、末冨厚実人にお願いいたします。
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皆さま、日本大学の末冨でございます。お手元の黄色い資料をもとに、今日はお話をさせていただきます。本日、私は令和6年度予算案、そして今国会で予定されております子ども子育て支援法の改正につきまして、大変意義があることであるという立場から意見を申し述べさせていただきます。安心で幸せな子育てを支える子ども金庫創設の意義と展望ということでお話をいたします。私は、実は教育無償化を含む教育行財政の専門家でございます。ただし、内閣府時代から10年にわたって子どもの貧困対策に関わっており、子ども政策についても長年蓄積を積んでまいりました。例えばですけれども、1ページ目の左側、子ども基本法に関する著作もございますし、右側にですね、この子育て罰という本も記してございます。2ページ目に進みますが、この子育て罰というのは何かと申しますと、OECDでチャイルドペナルティと呼ばれているものが元の言葉になります。先進国際役の我が国の一人上の貧困というものは、特に子育てをしながら働く母親の賃金水準が著しくよくないことによります。ただし、それ以外にもですね、率直に申し上げて、この国では長年子育てを自己責任とみなし、親子に詰めたく厳しい政治や社会であったのではないか、そのように子育て当事者が受け止めざるを得ない状況があるということです。特にですね、2021年の7月に児童手当の所得制限が導入されるということで、私も怒って本を出版してしまいました。次のページに参りますけれども、ただですね、以前の明治日本というのは、子供天国というふうに呼ばれていた 時代がございます。ところが、令和の日本というのは正直に言うと、女性として母として生きているととてもつらいです。例えばですけれども、3ページ目の絵にございますが、ぶつかり男ぶつかり女と呼ばれる妊婦さんやママや赤ちゃんを狙ってくる人たちがいるんですね。こうした方たちは迷惑行為防止条例の対象となっていないんです。本当は誰よりも守られなければいけない人たちが守られていないということで、このような大人たちが平気で赤ちゃんやママをターゲットにしないようにしてほしい。それも子育て罰をなくすことだろうというふうに考えています。そして4ページ目ですけれども、この場に私が立っておりますのは、ここまでの国会参考人としての経緯があるからだろうと思います。まずですね、2021年、児童手当の取得制限は子育て罰だとすごく怒っていました。そして2022年、子ども基本法成立、大変うれしかったですけれども、大事なのは財源財源財源だということで、この時もまだまだ怒っていました。次のページに行ってください。5ページ目、エゴです。なぜかと申しますと、子どものための財源がしっかり確保される、特に全ての子どもを応援するという姿勢がまさに次元であるということで、私自身は日本も本気で子育て罰をなくすために変わろうとしているんだということを大変高く評価しております。ここからが本論ですけれども、6ページ目。本日はごらんの3つの柱でお話をさせていただきます。7ページ目。まず1番、子ども金庫創設の意義ということですけれども、5ページに要点をまとめてございます。子ども金庫創設の意義ですけれども、まず子どもを産み育てることはリスクであるということで、公助のための特別会計ができるということは非常に意義があることです。また、前世代事業主が連帯して子ども子育てを支えるということで、支援金だけではない一般会計からの作り入れや、あと歳出削減も含めて子ども若者を支えていくんだという多様な財源、それが子ども政策への使途限定、リングフェイスト財源として使われるということ。それとともに、消費増税のときは正直子どもたちにいくら使われたのか見えづらかったんですね。そうではなくて特別会計にすることで、いくら使って、いくら子ども若者のために応援しているんだということがわかりやすく見えるか。合わせまして、全ての子どもを応援するということについて大変高い意義が認められます。これらはまさに普遍主義の子ども政策であるということで、これまでの日本政府とは次元が異なる、私たちレベルが上がっているというふうに捉えています。また、支援金制度については、この予算委員会でも大変真剣な御議論が交わされておりますけれども、私自身は、リスクを支える、子育てのリスクを支えるための多様な財源の一つとしては、極めて重要で意義があるものであるというふうに考えております。9ページ目に参ります。こちら、子ども未来戦略マップです。確かに専門家が見れば、ここはもうちょっとこうした方がいいんじゃないかということはございます。ただし、子どもを産み育てることはリスクということから、子どもを産み育てることは幸せで楽しい日本になっていくんだというふうな、子育ての安心をつくる、控除システムの基礎設計としては重要です。これは大変重要なスタートラインだと思います。そして10ページ目ですね。実は私は自身も、子どもの貧困対策団体の理事をしておりますが、子ども子育ての4団体として、この間、子ども財源、そして子ども赤間の政策の拡充をぜひしてくださいということで、明るい圧力団体をやってまいりました。それらの団体の採点表がこちらになります。妊娠・出産手当の無償化、児童手当のユニバーサル化をはじめ、大変評価できる部分もあるけれども、例えばですけれども、子育てのケアマネージャー制度、ここからしっかりつくってほしいというふうに、まだまだここから2歩目、3歩目、4歩目、さらにその先へ駆け出していってほしいという願いも込めて、採点表をつくっております。そして11ページ目ですね。令和6年度予算案ですが、特に多子世帯に手厚い支援が行われております。こちらについても、大変いろいろな視点から御議論があることは承知しておりますが、私自身の課金費の調査結果によれば、多子世帯ほど所得制限なく全ての子どもを応援してほしいんだということ、例えば上の子が成人しても支援は続くということを指示されているということでございます。そして次のセクション、12ページ目。それでは、この3.6兆財源、そしてここまで積み上げてこられた財源含め、ここからの財源も含めて、子ども財源が少子化対策として効果を上げるための条件についてお話をさせていただきます。13ページ目、参ります。御存知のとおり、少子化というのは、非婚化と無子化、一人っ子化によって起きています。この非婚化は、若者の非正規化、低所得化、長時間労働による時間貧困、そして女性の就労上の不利、特に子育てする女性の不利やケアの負担も女性に偏りがちである。さらに言うと、教育、子育てにお金がかかる社会によって促進をされてきました。これらにアプローチするために、3.6兆円財源、大変重要なわけですが、次のページに進んでください。さらに3.6兆円財源の向こうを見据えて、私たちが何を意識しなければならないかというと、日本の若者は、今、大変資料深いプレーヤーだということです。今、日本の若者たちは、結婚して出産したいなと思ったときに、子供を大学に行かせられるか、幸せな子育てができるかということを最初によく考えます。そうすると、この世の中では無理だと思って諦めてしまう。その諦めを生まないことというのが、実は日本の少子化対策のポイントとなるということでございます。次のページに参ります。15ページ目。すなわち、子供を見育てることが、若い世代にとって、今は明確にリスクです。そうではなく、国は 出て応援する。そして事業の人はもう応援する。ということによって、これはメリットだと。子供を持つことはメリットなんだと。ための信頼される制度設計が不可欠でございます。この間、特に次元の異なる少子化対策については、私のところにも様々な御意見が寄せられました。その様々な御意見の中から、子供財源が効果を上げるためには、3つの問題の改善が必要だという整理をいたしました。まず1つ目、政治不信問題。これは今話題の件ではございません。もう1つが、子供を真ん中3点セット問題。そして最後が、充益期間なし問題ということです。16ページ目、参ります。まず、政治不信問題というのは何かというと、無償化や児童手当の所得制限撤廃、どうせ続かないのではないですか。総理が変わる、政権が変わるたびに目まぐるしく変化を繰り返してきてしまった日本の子ども子育て支援政策に対して、実は多くの子育て当事者は不信感を持っているということでございます。これは改善されなければなりません。併せて、課税でもほとんど税金にもっていかれて、所得制限も重いということも指摘されております。さらに次のページですけれども、私も自分の講義で、異次元の消 費者対策がこんなふうになるんだよというふうに嬉しく話したところ、大学生から応援されている気がしません、自分たちをという厳しいご指摘をいただきました。併せまして、地方の助産者さんからは、子ども誰でも就営制度は生後6ヶ月からだと、実は産後打つにとって一番大事な生後6ヶ月までの支援が足りていないんですと、地方にはリソースも少ないですというご相談もいただいております。これらにどう対応していけばいいのかということで18ページですね。まず政治不信問題につきましては、やはり政権政党を超えて子どもたちの財源をつくるんだ、そして後戻りはしない、全ての子ども若者を応援するんだということで、この点だけは必ず与野党でご応援いただきたく存じます。併せまして右側、子ども真ん中3点セット問題ですが、実は他の参考にもご指摘されていますけれども、この国では不要控除、減税の仕組み、そして現金給付がまずばらばらです。ここをまず一体化させていただきたい。すなわち給付付き税額控除の仕組みとして、あらゆる世代に優しい仕組みをつくっていただきたいということです。それと併せて後ほど申し上げますが、実は若い世代が一番望んでいるのは、保育教育の無償化、そして質の向上となっております。現在、与党でご検討されている高校生の不要控除の縮小、子ども増税は今のタイ ミングではやめた方がいいというのが私の明確な意見です。特に物価高の中でせっかく支援がふえたのに増税しますということは、やはり今までの悪夢を繰り返しているじゃないかという失望に子育て当事者や若い世代をいざないます。今じゃない。次のステップで考えてください。19ページは、私自身も高校生不要控除の廃止は今やめてください、縮小もやめてくださいということで、与野党の皆様方にお願いしていますけれども、それは別に与党が憎いとかそういうわけではないです。今ではない。少子化対策というのは、今増税をしては意味がなくなるからということで、一生懸命訴えているということです。21ページに参ります。現在の子ども若者の支援政策というものの充実を考えたときに、実は15歳から19歳、20から24歳の若者期の貧困が深刻であると。この点について今後更なるアプローチが必要であるということを訴えたいと思います。次に22ページですけれども、先ほど無償化の話を申し上げました。こちらも私自身の家計費の調査ですけれども、20代から30代の若い世代、特に若い女性の5割弱が所得制限のないゼロ二妻保育無償化、高校無償化、そして児童手当等を含む経済的支援について支持する。つまり若い世代は所得制限がない方がいいと思っているわけです。これは40代以上の意 識とは明確に異なるということになっております。さらに次のページに行くと、では今回は経済的支援、保育無償化、高校無償化の3つで聞いたけれども、所得制限がないものということで一番支持されるのは高校無償化です。ただしもしもこの調査に大学無償化減税、働き方改革、支援金等を入れたらどうなるのかということについては、まだ調査はできていません。逆に言うとここからの少子化対策をより効果的にするために、こちらの方は政府で迅速に行われるべきだというふうに考えております。24ページの方ですけれども、こちらもインターネットを利用して行われた異次元の子育て政策の王座決定戦ということですけれども、小中高大全員無償化というのが優勝しました。ただし非常な激戦でして、準優勝が所得制限撤廃や専門職員の待遇改善といったものになっております。こうした子育て当事者の声に応えるためにも25ページですね。子ども子育て4団体からのお願いとしては、子ども健康、子ども財源の基盤を確立して加速化プランを実施するのは頑張ってほしい、応援していると。ただし深刻化する少子化の中で、直ちに第二歩第三歩も加速していただきたいと、一歩一歩着実に歩んでいただいているのはわかります。ただしこの国の少子化のスピードは、厚労省の予想をはるかに上回 る速度で進んでしまっています。私たちは共に手を携えて少子化の改善、若い人たちが幸せで安心な子育てをするということのために、全力で駆け出さなくてはならないということをお願いしたいと思います。26ページの子ども未来戦略にも、決して加速化プランで終わるものではないとございますが、どんどん先に進んでいきましょうということをお願いいたします。そして最後に27ページですけれども、子ども基本法第11条にのっとった子ども若者真ん中政策マネジメントの提案ということをいたします。28ページ、子ども基本法の第11条には大変重要な条文があります。何が書かれているかというと、子ども若者に関する政策を決めるときには、子どもや若者、そして子育て当事者の意見を反映させていくようにしましょう。これはなぜ重要かというと、政策効率を高めるために重要です。併せて子ども家庭庁設置法には、子ども家庭審議会もそのための機関としてしっかりと活動するんだということも書かれております。ただしこの際に29ページ、子ども家庭庁の体制、なお一層の進歩が必要です。特にEBPM体制の強化は重要でございます。子ども家庭庁には大臣直属のEBPM研究会という組織がございますけれども、省庁横断型でEBPMをしていただきたい。特に迅速な子ども若者、子育て当事者のニーズを調査し、効果ある政策を精査できる状態にしていただきたいということです。併せまして、若者支援に関する部会は子ども家庭審議会にはございません。それを支える体制がないからです。だからこそ子どもたち、若者たちのために日夜を問わず頑張ってくださっている子ども家庭庁の定員体制の拡充をお願いいたしたく存じます。次のページ、30ページですけれども、子ども若者真ん中政策マネジメントの提案ということをお願いいたします。特にKPIとして重要なのは赤いセルですね。若い世代の人たちが妊娠・出産・子育てを希望できるようになって、希望できる人たちが実際に子育てに至ったかどうかということの検証こそが極めて重要です。そこに至るプロセスを書いてございますが、特に私自身は今、若者や子育て当事者に、本当に自分たちに受益があるのかと、応援されている気がしないというその感覚を解消する、そのギャップを埋めることこそが大事で、そのためにはEBPMを活用し、子ども若者の真ん中の政策マネジメントを実施する必要があるということでございます。そして31ページですね。併せまして、なぜ政府を挙げた子ども若者の真ん中の政策マネジメントが重要かと言い ますと、国民や事業主に支援金負担をお願いするのであれば、政府による説明責任や結果責任をきちんと国民や事業主さんにお返しすることが必要でございます。だからこそ政策マネジメントを重視してくださいということです。併せまして、令和8年度以降に予定されます支援金負担につきましては、政府が今示しておられる主条件ございます。賃金上昇と一生懸命頑張っていただいているなというのもわかりますけれども、特に若者や子育て当事者の手取り減になるということは、率直に申し上げて、今までの日本国のエビデンスは手取りが減れば少子化が進むという鉄則がございます。そこに抵触するようであれば、若い世代への支援金の負荷を高めるということについては、慎重なご判断をお願いいたしたくございます。最後のページになりますけれども、いろいろ厳しいことも申し上げましたが、とはいえこの子ども金庫そして令和6年度の予算というものは、安心で幸せな子育てが実現できる日本国への大切な第一歩です。どうぞ、夕野党を挙げて、令和日本を再び子ども天国、子育て天国として進化させていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。ありがとうございました。次に尾端工事室任にお願いいたします。全労連の尾端です。本日は2024年度政府予算に関わって、労働者の立場、労働組合の立場からの発言の機会をいただきありがとうございます。長く続いたコロナ禍、相次ぐ自然災害などにより地域経済は疲弊し、そこに物価高騰が追い打ちをかけています。この間の労働組合などの奮闘により、二三春党では一定の賃上げを勝ち取ることができましたが、長く続く日本の低賃金構造を抜本的に転換するにはいたっておらず、実質賃金は下がり続けており、労働者、国民の要求はますます切実なものがあります。現在全労連は、二四国民春党の取組を進めているところですが、現場の声も踏まえ、働く仲間の要求を実現する観点から、いくつかの点について意見を述べさせていただきます。1点目です。元旦の野党反党自身により甚大な被害が発生し、現在も被災地では断水が続くなど、ライフラインの復旧がままならない中で、避難所生活を強いられている皆さんが多数おられます。被災地の皆様に心からの哀悼とお見舞いを申し上げます。私も1月26日、全国の働く仲間から寄せられた義援金をもって、直接石川県庁を訪問し、また七尾市の医療機関や労働組合にも義援金や支援物資を届けながら懇談をさせていただきました。その中で、ご自身も被災されながら地域医療のために必死に頑張る医 療従事者の皆さんから、今は使命感で気持ちが張り詰めているが、これが切れてしまったら離職者も出るのではないかとの切実な声を伺いました。実際、資料に入れてありますが、2月9日には読売新聞、14日にはテレビ朝日が、奥の都地域の4つの病院で、およそ70人の看護師が退職以降と報じ、被災地に不安が広がっています。医療体制の確立なくして、地域の復興はありえません。地域のために頑張る病院や医療従事者の自助努力のみに任せることなく、医療従事者の皆さんが働き続けられる職場環境づくりのために最大限の努力を国にお願いします。その上で、政府がこの間進めてきた公立公的病院などの削減・縮小ありきの地域医療構想を撤回し、医師・看護師・医療技術職員・介護職員等を大幅に増員し、薬金改善等勤務環境等処遇を改善すること、また公立公的病院の再編統合や病床削減方針を見直すことなど、安全・安心の医療・公衆衛生・介護・福祉提供体制を確保することを求めます。医療体制のみならず、野党反党自身の被害がこれほど甚大で長期にわたっている背景には、この間進まれてきた自治体の公益合併や公務員削減などにより、地域の実態に応じたきめ細かな施策が取れなくなってきてしまったことがあります。また、広域集約化で地方のインフラを切り捨て、インフラ整備のために欠かせない国の予算を切り詰めてきたこともあると思っております。資料を3ページ、4ページ、5 ページなどに入れてありますのでご覧ください。2024年度予算にあたっては、野党反党自身からの復旧・復興予算の確保を最優先にするとともに、今後も予想される自然災害への対応と備えとしても、国家公務員の定員合理化計画の廃止をはじめ、公務員の定数削減をやめ、地域住民が安心して暮らせるきめ細かい公務公共サービスを提供できる体制を確立できる予算とすることを求めます。2点目は、大幅賃上げ・底上げについてです。いよいよ、二四春党が山場を迎えます。全労連は今春党にあたって賃金が下がり続ける国から上がる国への転換を求めて、賛別と地方が一体となった取組を強めています。政府財界も年明けから構造的な賃上げと言っておられるわけですが、そこで掲げられている三密体の構造改革、これは生活型賃金の促進とさらなる雇用の流動化政策であり、全ての労働者の賃上げを実現するものではありません。私たちは構造的な賃上げというのであれば、政府にできる賃上げのための政策がいくつもあると考えています。例えば、公務員労働者のみならず、公務公共関連で働く労働者なども含めて、資料7ページに入れてありますが、全労連公務部会の資産では、900万人以上に影響を及ぼす国家公務員賃金を抜本的に引き上げること、また、診療報酬や障害福祉サービス等報酬、介護報酬など、政府が設定する公定 価格に大きく左右されるケア労働者の処遇改善を行うこと、そして、全国一律最低賃金制度を確立し、少なくとも1500円以上に引き上げることなどです。本日は時間の関係で、最低賃金について絞ってお話をさせていただきます。長期にわたる日本経済の停滞と衰退から、経済の好循環に転換させるためには、GDPの6割を占める国民の消費購買力を高める必要があります。そのためにも、最低賃金の改善による賃上げの底上げが必要だと思っています。日本の最低賃金は、旧ページにありますが、地域別であることが海外と比べても上がらない原因になっています。現行法では、最低賃金決定の3要素、その地域の労働者の整形費と賃金、事業の支払い能力を考慮し、最低賃金額を決めています。地域別である限り、最低賃金が低い地域では、その現状の支払い能力や経済状況をもとに最低賃金額が決められ、低いままとなってしまいます。また、最低賃金額の高い地域は、低い地域を考慮し決められています。このように、地域別制度は、最低賃金額が低い地域は、常に低いままにとどまり、引上げを妨げる構造的な欠陥があります。人口の一極集中や、若者の都市部への流出を止めることもできません。最低賃金が低い地域は、労働者 の賃金が低くなり、年金、生活保護費、公務員賃金など、あらゆる生活と経済格差につながっています。最低賃金額が低い地域の経済の疲弊を生み、日本経済を歪め、冷え込ませている決定的な原因になっています。労働者の賃金は、経済の最も基本的なベースです。このベースを一律にしなければ、どんな経済対策を講じても、日本経済を再生することはできないと思います。日本の最低賃金は、10ページにありますが、最も高い東京は時給1113円、最低は893円となっており、その差は220円。この格差は16年で2倍強まで広がっています。月12万円から16万円では、とても自立して生活することができません。私たちの最低生計費資産調査、11ページに資料を入れてありますが、健康で文化的な生活をする上で必要な最低生計費に、地域による大きな格差がないということが、この調査でわかっています。また、若者が自立した生活をする上で必要な最低生計費は、月に25万円程度、月150時間の労働時間で換算すると、時給1500円以上がどこに住んでいても必要だという結果が出されています。全労連は、こうしたことから最低賃金法を改正し、早期に全国一律化と1500円以上にすることを求めています。資料12ページをご覧ください。改定のポイントは4つです。1、地域別を全国最低賃金にすること。5年の経過措置を設け、公務にも適用すること。2、健康で文化的な最低限度の生活が確保できる水準を、科学的な生計調査をもとに決めること。最低賃金決定の3要素のうち、企業の支払い能力は削除すること。3、中央最低賃金審議会で全国最低賃金を決め、地方最低賃金審議会では地域別特定採賃のみの審議とすること。そして4、中小企業支援を国に義務付けることです。中小企業支援策として、国の責任で中小企業・小規模事業所への特別補助を行うことや、原材料費と人件費が価格に適正に反映される仕組みを総合的に整備することなどが求められると考えています。以上のように、最賃法を改定することで、誰でも、全国どこに住んでいても普通に暮らせる賃金が保障されることになり、地域間格差を解消し、地域経済を活性化することにつながります。同時に、全国一律最低賃金1500円以上の実現は、男女賃金格差を解消し、ジェンダー平等を実現する上で、欠かせない課題であるということも申し上げておきたいと思います。2022年の国税庁民間給与実態調査によれば、男女の賃金格差は歴然としています。グラフを入れてありますが、平均給与は男性563万円に対して女性は314万円、正規雇用の場合は男性584万円、女性407万円、非正規雇用では男性270万円に対して女性166万円です。正規でも男女の格差は100対70ですが、平均では100対55と、さらにその差が開きます。これは平均給与の低い非正規雇用に女性が多いことが大きな原因の一つです。男性正規雇用を100とすれば、女性非正規雇用の平均給与はなんと28にしかなりません。これでは自立して普通に暮らしていくことは到底無理です。この間、政府財界は男性稼ぎ主モデルの日本型雇用によって、男性に長時間労働、女性には不安定雇用を押し付けてきました。雇用機会の均等や女性活躍を唱えつつ、女性差別を温存して、世帯単位で見れば女性の働き方は家計補助的なものだから、低賃金に置かれたままでいいと、こうした考え方で、パートアルバイトなどの非正規雇用労働者、とりわけ女性労働者を低賃金に置いてきたことが根底にあります。女性労働者の5割を超える非正規雇用労働者の賃金を速攻上げすることなしに、男女の賃金格差を解消することはできません。そのためにも、全国一律最低賃金1500円以上の実現は喫緊の課題であると言えます。女性活躍推進法の改正によって、2022年7月から男女賃金格差公表制度が開始されました。全体としてしかつかめなかった男女の賃金格差の実態が、企業ごと、国の省庁ごと、地方自治体ごとにつかめるようになったのは、大きな前進だと思っております。その実態をつかんだ上で、企業ごと、省庁ごと、自治体ごとになぜそうなっているのかの分析を進め、改善に取り組んでいただきたいと思います。同時に根本の原因を取り除いていくことは、政府の責任であると考えます。2月9日には、ILOの条約勧告適用専門家委員会が、同一価値の労働についての男女労働者の同一報酬に関するILO105条約、この日本での適用に関して、全労連を含む政労史の報告を踏まえて、所見を発表しています。その結論部分で、日本政府に対して、日本において顕著なジェンダー賃金格差が引き続き存在していることを指摘した上で、水平的・垂直的な職業的ジェンダー格差、長時間労働と仕事と家庭の調和を含む根底にある要因に対処するために、労働者と使用者組織と協力して積極的措置を継続させること、及び男女間の同一価値労働・同一賃金の実現を視野に現行法の改正を進め、適切な監視と手続き、及び是正措置に必要な措置を講じることを要請しているということも申し添えておきます。3点目に、労働時間・労働法制についてです。最低賃金のところで申し上げたとおり、日本型雇用の男性稼ぎ主モデルによって、男性には長時間労働、そして女性にはケア労働と低賃金の不安定雇用が押し付けられてきました。ここを変えていくためには、男女ともに労働者が生活時間を取り戻し、家族的責任・ケア労働を担えるように、労働時間そのものの短縮が求められています。資料14には、家庭内のケア労働時間についての資料を示してあります。全労連は、そうした観点から労働時間の短縮はジェンダー平等実現を推進するものと位置づけて、23春党から所定労働時間を1日7時間、週35時間とすることを重要な要求の1つとして職場討議を積み重ねてまいりました。女性部でこのことを議論したときにも、もし1日の労働時間が7時間だったら、正規で働くことを諦めずに働き続けることができた、最初から正規雇用を選択することができた、との意見が多数寄せられました。男性も女性も家族的責任を果たしながら働き続けることができる条件を確立していく要求として、賃上げと一体に法定労働時間1日7時間、週35時間を目指す運動として、さらに発展させていきたいと考えています。それは先ほどご紹介いたしました、ILO条約韓国適用専門家委員会が日本政府に要請する内容とも合致するものだと考えます。ところが今、政府財界は労働時間短縮 を求める労働者の行為に背を向けて、労働者保護法制としての労働基準法自体を編出させる具体化を急速に進めようとしています。昨年10月20日に発表された厚生労働省新しい働き方研究会報告では、多様な働き方が広がる中で、労働基準法の基本的な概念の社会の変化に応じた検討が必要としました。さらにそれを受けて具体化する形で、今年の1月16日には、経団連が労使自治を軸とした労働法制に関する提言を発表しています。経団連の提言では、柔軟な働き方を労働者が求めているとして、労働基準法による労働者保護のための労働時間規制ではなく、個別企業の労使が話し合い、働き方を選択できる労使競争協議会の創設を法制化する検討すべきとまで述べています。それは、これまで労働者の戦いが築いてきた、権利としての1日8時間の労働時間規制など、労働者保護のための労働基準法の概念を企業利益優先に変質させようとするものであり、断じて容認できるものではありません。労働者保護、家族的責任を男女共に果たすことができる労働時間の上限を法律で規定した上で、さらに働きやすい職場、働きやすい労働条件をつくるために、労使対等に進められるのが労使交渉です。柔軟な働き方を実現するためとして、個別企業の労使関係のあり方にまで踏み込む議論はやめ、労働者の要求に基づいて、労働者保護・労働時間規制を確固として確立していくことを求めます。最後に、以上申し上げてまいりました施策を進めるための財源について申し上げたいと思います。貧困と格差の広がりを是正し、公正な社会を転換していくために国の果たす役割は大きいと言わなければなりません。私たちは、以上述べてきたような施策は、税の集め方や税の使い方を変えれば可能であるというふうに考えています。2023年、これほどの物価高騰、資材高騰の下でも資本金10億円以上の大企業は、内部流報16兆円余りも積み増しして、その額は527.7兆円にも膨れ上がっています。この内部流報を下請中小零細企業への支援や取引価格の適正化、生活できないほどに下げられてしまった労働者の賃上げに使うべきだと考えます。同時に、内部流報への課税や累進課税への転換によって税収を増やすことは可能です。そして何よりも、岸田政権は一昨年の暮れに閣議決定のみで改定した安保三文書に基づいて、5年で43兆円ともなる軍事費を使うという大分割方針を急速に強引に今進めています。しかも防衛省が先頃立ち上げた有識者会議では、物価高騰や円安などを理由に43兆円をさらに増額する議論までされていることが報道されています。しかし物価高騰で苦しんでいるのは労働者国民の側です。5年で43兆円もの予算を軍事費に回すのではなくて、1日も早い被災地の復旧復興、 抜本的な賃上げ策、そして今最も重要な課題の一つである少子化対策にこそ継ぎ込んでほしいというのが国民の率直な願いです。一元の少子化対策と言いながら、その財源として公的医療保険の保険料に1000円も上乗せしていたのでは、いつまでたっても少子化問題は解決しないと思います。岸田総理大臣は通常国会の施政方針演説において、憲法改定にかかわって、あえて自民党総裁として申し上げれば任期中に実現したいというふうにおっしゃいましたが、自民党総裁としてやるべきことは、憲法改定ではなく、自民党の裏金問題の真相の徹底解明ではないでしょうか。改憲ではなく、憲法を生かして労働者国民の命、暮らしを守る2024年度予算案の策定をお願いいたしまして、私からの発言を終わらせていただきます。本日は大変ありがとうございました。
1:39:00
自由民主党の大岸貴雄でございます。熊谷公実人、清水公実人、そして瀬戸見公実人、岡田公実人、今日はお忙しい中お時間を使っていただいて、ここに来ていただいてですね、お話しいただいて、これから意見交換させていただけると本当にありがたいというふうに思っております。戦後80年が経とうとしておりますけれども、前半戦はよくやったなと思うんですけれども、この30年、なかなか苦しい時期が続いております。失われた30年とも言われますけれども、私は10年ごとに挑戦しては挫折してという思いでやっておりまして、最初の90年代は統治システム改革をやったわけでありますけれども、2000年代に入って、小泉構造改革、そして2010年代に入って、アベノミクス。アベノミクスでは、一億総活躍ですとか、働き方改革ですとか、いろいろ議論されていますけれども、生活変革まで踏み込んだというふうに思っております。そして今、4回目の挑戦でありまして、新しい資本主義を掲げておりますけれども、これをどうにかして実現をしていかなきゃいけないということだというふうに思っております。後日に皆さんには、そういう中で、この現時点での重要ないろいろな課題、あるいは取組をご紹介いただいて、ご意見いただいて、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。まず最初の質問なんですけれども、私最初の質問でしたので、4人の皆さんそれぞれに、この令和6年度予算についての評価と課題についてお伺いしたいんですけれども、政府の方は、この予算のテーマといいますか課題として、当然賃上げですとか、あるいは内需手動の持続的な成長、子ども子育て、安全保障環境への対応、また財政の信任確保といろいろと課題を挙げていますけれども、それぞれのお立場から見たときに、特にこの点は評価したいとか、ある いは特にこの点は課題だということがあれば、お一人ずつ端的にお話をいただけたらありがたいと思います。
1:41:00
ご質問ありがとうございます。まず、令和6年度予算について、評価ができる点というところでございますけれども、1つは、骨太の方針で、この歳出構造を平時に戻していくということでございまして、基本的にはこれに沿った予算なんではないか。具体的には、コロナの予備費を5兆円から1兆円に減額をして、また補正の規模の縮小、さらには基金の資金投入の縮小等々によって、新規の国債発行額は0.2兆円減額したと承知しております。それから2点目としては、やはり賃金が物価になかなか追いついていかないというところが、ここが課題でございましたが、例えば、新量報酬改定における賃上げ枠の設定ですとか、もしくは公共事業の単価の引上げ等によって、物価上昇に負けない賃上げを目指すという点も、ここも評価できるのではないか。3点目としては、メリハリでございますけれども、やはり子ども子育て予算だとか防衛力の強化、さらには科学技術の振興といったものは、ここはいろいろなご意見はあるのだと思いますが、過去最高を記録していて、これは私なりに解釈をすると、1つは社会的課題をしっかりと解決をするということ、もう1つは成長基盤を強化するという、また、現下の国債情勢の中で、やはりこのままでは防衛についても強化しなくてはいけないということだと思いますから、そういった意味でメリハリが非常についた予算だったのではないかと考えます。他方で課題について申し上げれば、1つはこれから金利のある世界に入っていくわけでございますから、やはりこのPBの黒字化の目標をしっかりと堅持をすることが慣用ではないか。2点目として、防衛や子どもの財源は大枠はできているわけでございますけれども、まだ最終の詰めの部分で安定財源を完全に確保したというところまではなかなか言えない。3点目として、物価対策、このエネルギーの補助等でございますけれども、これ足元で見ればエネルギー価格は今落ち着いてきているわけであって、むしろ食品が比較的高めであるということでございますから、やはりこの補助をいつまでも続けることはできないわけですので、そこの出口のことを然るべきタイミングで議論をしていかないといけない。最後に4点目としては、産業支援半導体でございますが、これは政策とし ては方向性は評価できるにしても、やはり国際的に見ればかなり政府の依存が突出をしているという状況でございますので、例えばこの二ナノの半導体が作れればいいわけですけれども、本当にうまくいくかどうかはこれからの話ですので、やはりそこでうまくいったとき、この政策を続けるのではなくて、しっかりと縮減していく仕組みというようなものもビルトインしていかないといけない。全体としては今後の課題は、やはりしっかりと費用対効果を見た上で、必要なところにメリハリをつけた予算付けをしてPDCAサイクルを回すと、ここが大きな課題ではないかと考えます。ありがとうございました。
1:44:44
来年度予算につきまして、今ご質問ございましたが、まずやはり歯止めのかからない少子化、あるいは生産年齢の人口が減少しているということ、国力に関わる重大な課題というふうに私も最初に申し上げましたが、それに向けてということでいえば、十分な予算の体制は取れていないというところ、若干そういうところを感じるところでございます。私たちとすれば、経済も賃金も物価も安定的に上昇する、そういった社会に向けて、さまざまな政策、それに伴う予算の配分をしていただいているというふうには感じます。しかしながら、それが好循環につながるかどうかということについては、まだまだ十分な検証が必要ではないかということがあります。それから、70兆円を超える税収がある中で、やはり財政規律の徹底ということを、今こそやはり歳出構造の抜本的な見直しを図るべきではないのかということであります。若干減ったとはいえ、100兆円を超える予算が組まれている中で、将来世代に付けを回さない、そういった予算づくりに向けていくことが必要ではないかと。私たちも所得が上がりましたから、その分税金も払いました。その分税収も増えたのでありますが、それをやはり好循環に回していくには、まだまだ展開する予算としては、私たちすれば不十分なところがあるというふうに思っているところでございます。以上でございます。末冨、後日にお願いします。はい、ご質問ありがとうございます。まず、令和6年度予算案で最も高く評価しておりますのは、やはり児童手当の所得制限撤廃、そして18歳までの延長です。これは全ての子どもたちを応援するという日本国としての姿勢の表れであると同時に、長年子どもの貧困対策団体が求めておりました、高校生世代が苦しいということに対しても、ある程度の対応が可能になっているからです。ただし、同時に課題といたしましては、児童扶養手当の増額が第3指に限定されており、予算としても7億円の増にしか過ぎないことです。児童扶養手当、すなわち一人親支援の方策として最も必要なのは、母1人、子どもが1人か2人という母子世帯貧困です。第1指からの児童手当の増額を私たちはお願いをしてまいりました。この点も、子ども未来戦略の後の第2歩、第3歩で直ちに実現をいただければと思います。以上です。
1:47:31
ご質問ありがとうございます。2024年度予算の評価についてご質問をいただきました。私どもの考えは、先ほども述べたとおりで繰り返しになってしまうかもしれませんが、3点申し上げます。まず1点目は、構造的な賃上げということで、予算全体を組み立てようとしていることについては非常に重要なことだと思っておりますが、構造的な賃上げからには、今まで実質 賃金が盛り続けていた、この構造を上がり続けていく、そういう構造に転換をしていくということが最も重要なことだと考えております。それに当たっては、全ての労働者の賃上げにつながるような政策をぜひ取り入れてほしいと思っていることが1点目です。2点目は、全世代型社会保障を掲げておられますが、全世代型というのであれば、世代間分断などではなくて、全ての世代が安心して暮らせるような、そういう社会保障の制度が必要だと思っています。今、子育て世代の皆さんや若者が本当に不安に思っていることは、自分がこの生涯ずっとこの国で安心して暮らしていくことができるだろうか、安心して子育てすることができるだろうかということですから、この先の世代までを見通したところで安心して暮らせるような年金制度も含めて、きちんとした社会保障制度が確立できる、そういう制度を見通した予算の組み立てというのが必要ではないかというふうに考えているということが2点目です。3点目に、そうした政策を実現していくための予算の使い方として、最後に先ほど申し上げさせていただいたとおり、防衛費に突出した予算の使い方を見直すということが大事なんだじゃないかというふうに考えております。以上です。
1:49:18
ありがとうございました。あと4分でございますね。熊谷さんに一問一答でお願いしたいと思います。先ほどお話を伺って、政策対応についてということで、賃上げから設備投資、生産性向上、そして実質賃金の流れがとても大事だというお話がございました。私もそのとおりだと思います。その関係深いものとして、株価と政策の枠組みについてお話ししたいんですけれども、株高いです。その要因を教えてほしいと思っていて、何を言いたいかというと、脱中国という話もありますけれども、昨日、金融関係者と意見を聞く機会があったんですけれども、外国人が日本にかつてないほど注目しているというわけですね。そういう意味では、お金の流れも投資の流れも来ておりますし、人の流れもあるわけですけれども、その裏側に、先ほどお知事といろいろとご意見があるようでしたけれども、新しい資本主義という枠組みが、最初何だかわからなくて、新しい社会主義と言われましたけれども、2022年になって、ダボス会議で、モダンサプ ライズアイドルエクロミックスという概念が出てきて、アメリカとかヨーロッパといっても、同じ歩調で政策を進めているということで、企業誘致とか、今実際に動きが出てきているというふうに思います。ですので、株高の要因と、新しい資本主義についての意見、評価、あるいは課題、教えていただきたいと思います。
1:50:34
ご質問ありがとうございます。株高の要因については、複数ございますが、まず、日本がデフレから脱却するという、潮目が変わるという、こういう期待が、特に外国人の投資家の間で強まっている。2点目としては、世界が分断していますので、中国から逃げる資金が日本に向かっている。3点目として、日本銀行の緩和が続いておりますので、これによって円安になって、外国人投資家から見れば、投資をしやすい環境がある。4点目として、投資法の改革、これは私もメンバーでござい ますけれども、日本の企業が今度こそ変わるのではないかという、そういう強い期待感があるということ。そして5点目として、これは政権が推進をした、この二位差の拡充等ですね、この辺りの資産所得倍増プランのようなものが非常に高く評価をされているというところがあろうかと思います。お尋ねのあった新しい資本主義でございますが、私自身は、これは方向性として非常に評価をしているところでございまして、どこが新しいかということで申し上げれば、1点目として、人を中心とした無形資産のところが、日本は弱かったわけでございますから、そこにしっかりと投資を行っていく。そういう文脈のもとで、今回の子ども子育てプランも作られている。2点目として、今まで社会課題というのは、これ民間などが、どちらかといえば政府が全部丸がかえのようなところもありましたが、こういった外部不経済、この社会課題を成長のエンジンに変えていくということが、これが2つ目の新しい部分。3点目として、新しい官民連携ということで、これは象徴的には経済安全保障等でございますが、官と民がしっかりと役割分担をして、例えばグリーンなどの分野で、予見可能性を持つ形で投資を行う。そして4点目として、これはKPIにはなっておりませんが、この国民のウェルビーング、幸福のようなものを、従来と比べればより視野に入れるような形で、政策運営をしていくということでございますので、今申し上げた中、特にやはり人への投資のところを中核に置くというところが、これがやはり新しい部分で、そのあたりを含めて海外の投資家が、今度こそ日本が変わるのではないかという、それがやはり今の株高を招いているところがあるのではないかと考えます。ありがとうございます。
1:53:12
ありがとうございました。時間が来てしまいましたので、経済の舵取りもこれからご指導いただきながらしていきたいと思いますし、また瀬戸口さんの先ほどの話に伺って、やはり安心感、将来の制度に対する安心感というのはとても大切で、少子化対策、本当に実効があるものにしていかなきゃいけないと思いますので、先ほどお話し伺って大変参考になりました。以上にします。ありがとうございました。
1:53:46
公明党の佐藤秀道でございます。公術陣の先生方、今日は貴重なご提言、またご意見、本当にありがとうございます。私の方からは、少子化対策として政府が決定をいたしました子ども子育て加速化プランを中心にお聞きをさせていただきたいと思います。はじめに、末富公術陣にお伺いをさせていただきたいと思います。一昨日、2月21日、厚生労働省は、昨年の出生数約75万人と過去最低を更新したと発表をいたしました。まさに少子化対策は、待ったなしの喫緊の課題であります。若い世代が結婚すること、子どもを持つことについて希望しない、諦めるといった方も急速に増えてきており、こうした状況を変えていかなければならないと思います。公明党は妊娠・出産から子どもが育ち、巣立つまつげをトータルで応援することが必要と、一昨年、子育て応援トータルプランを提案をし、政府の子ども子育て加速化プランにも、こうした声を反映していただいたと評価をしているところであります。少子化対策として、政府が決定した3.6兆円の子ども子育て加速プランについて、どのように評価しているのか、 末冨厚実人からお話をお聞きしたいと思います。末冨厚実人はい、ご質問大変ありがとうございます。大変大きな質問でございますけれども、この3.6兆円の加速化プランというものは、