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参議院 本会議

2023年05月12日(金)

2h4m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7438

【発言者】

尾辻秀久(参議院議長)

齋藤健(法務大臣)

牧山ひろえ(立憲民主・社民)

梅村みずほ(日本維新の会)

川合孝典(国民民主党・新緑風会)

仁比聡平(日本共産党)

阿達雅志(外交防衛委員長)

山田宏(厚生労働委員長)

打越さく良(立憲民主・社民)

東徹(日本維新の会)

倉林明子(日本共産党)

6:13

これより会議を開きます。

6:17

この際、日程に追加して、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案、核法第48号について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、ご異議ございませんか。(いない)ご異議ないと認めます。

6:56

斉藤県法務大臣。

7:17

出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。近年、退去強制令書の発布を受けたにもかかわらず、様々な理由で双管を規避する者が後を絶たず、迅速な双管の実施に支障が生じているのみならず、退去強制を受ける者の収容が長期化する要因ともなっています。また、昨年来続くロシア連邦による侵略を受け、ウクライナから避難してきた方々のような人道上の危機に直面し、真に被護を必要とする方々を確実に保護する制度を設ける必要も一層高まっています。こうした状況に対応するため、保護すべきものを確実に保護しつつ、退去強制手続を一層適切かつ実効的なものとすることは、適正な出入国在留管理を確保する上できつきんの課題であり、これらの課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠です。この法律案は、以上に述べた情勢に鑑み、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正するものであります。この法律案の要点を申し上げます。第一は、難民に準じて保護すべき方々を補完的保護対象者として認定する手続を設け、これを適切に保護するための規定を整備するものです。第二は、在留特別許可制度について、退去強制例書が発布されるまでの間に申請を行うことを可能とするとともに、在留特別許可を行うか否かの判断に際して考慮すべき事情を明示するものです。第三は、退去強制を受ける者のうち、退去強制例書の円滑な執行に協力しない国が送還先である者、及び送還を積極的に妨害する行為を行ったことがある者に対し、一定の要件の下で、自ら本邦から退去することを義務づける命令制度を創設し、命令に違反した場合の罰則を整備するものです。第四は、難民認定手続中は、法律上一律に送還が停止されるという、いわゆる送還停止法に例外を設け、どう手続中であっても一定の場合には送還を可能とするものです。第五は、退去強制例書の発布を受けた者の自発的な出国を促すため、そこを等を考慮して相当と認められる者について、その申請により速やかに自費出国をした場合には、上陸拒否期間を短縮することができることとする制度を設けるものです。第六は、退去強制手続における収容に代わる選択肢として、管理措置の制度を創設し、当該外国人の逃亡の恐れの程度、収容による受ける不利益の程度等を考慮して相当な場合には、管理人による管理に付し、収容せずに手続きを進めることとするとともに、収容する場合であっても、3ヶ月ごとに管理措置に付すか否かを必要的に見直すことにより、収容の長期化の防止を図るものです。あわせて、仮方面制度について、健康上、人道上、その他これらに準じる理由により、収容を一時的に解除する制度と改めた上、健康上の理由による仮方面請求に係る判断をするにあたっては、医師の意見を聞くなどして、その者の健康状態に十分配慮することなどを法律上明記するものです。第7は、入国者収容所等における非収容者の処遇について、保健衛生及び医療、外部交通等に関する事項を明確化するため、具体的な規定を整備するものです。この他、16歳未満の外国人が所持する在留カード及び特別永住者証明書の有効期間を見直すことなど、所要の規定の整備を行うこととしております。政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において一部修正が行われております。第1に、難民の認定等の申請をした外国人に対し質問をするにあたっては、その心身の状況等に応じて適切な配慮をすることとするものです。第2、難民の認定等を適正に行うために国際情勢に関する情報の収集等に努めるとともに、難民調査官には必要な知識及び技能を習得、向上させるために必要な研修を行うこととするものです。第3に、不足において、管理措置及び仮方面の制度の運用にあたっては、判断の適正及び手続の透明性の確保に努めることとするものです。以上がこの法律案の趣旨であります。

12:55

ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。

13:15

牧山博恵君

13:48

立憲民主社民の牧山博恵です。私は、会派を代表して、ただいま議題となりました、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案について質問いたします。なお、去る5月9日、私たち立憲民主社民は、共産党令和沖縄の風とともに、4会派による野党共同提案で、確保への対案として、議員立法、難民等保護法案及び入管法改正案を提出いたしました。本日の本会議代表質問でも、確保と並べての審議を要求しましたが、与党に拒否される、実現しなかったことは極めて遺憾です。受議の2人、参議院で、より議論を深め、それぞれの法案の違いや優劣を含みの皆さんに、分かりやすく伝えるチャンスを否定した、与党の判断は、強く批判されるべきと考えます。さて、令和3年2月に提出された入管法案は、3回目以降は難民認定申請中でも、本国への強制送還を可能とする送還停止法の例外を設け、また罰則付きの退去命令制度を設けるなど、到底認めることができない内容を多く含んでいました。そして、翌3月に、上嶋三玉人さんが名古屋入管で亡くなられたことで、同法案に対して国内外からの批判が高まり、結局同法案は廃案に追い込まれました。上嶋さんのように、入管収容施設内で人がお亡くなりになるような悲劇は、決して繰り返してはなりません。そのためには、上嶋さんが亡くなった原因を究明し、入管収容施設内における処遇はもちろん、日本の入管難民制度全体の問題点を解明し、徹底的に見直すことが不可欠です。しかしながら、政府は今回その反省も教訓もなく、2年前に廃案となった法案と、ほぼ骨格が変わらない法案を国会に再提出してきました。政府が今回改めて法案を提出したということは、上嶋さんの事件に関し、真相を究明し、それに基づき抜本的な改善を行ったことが当然前提となるはずですが、法務大臣、そういう認識でよろしいでしょうか。そうでなければ、なぜ廃案になった法案と根本の問題が変わらない法案を出してきたのでしょうか。また、事件後に政府が行った総括で、そして今回の法案で、今後上嶋さんのような悲劇を二度と起こさないと、法務大臣は果たして言えるのでしょうか。我が国の難民認定についての問題の根幹にあるのは、外国人の出入国の管理を行う組織である出入国在留管理庁が、同時に難民認定も行ってしまっていることです。法務省設置法には、入管庁の任務は出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることであり、その任務を達成するために難民の認定に関する事務を司ると規定されています。つまり、入管庁は難民認定も外国人管理という観点から行っているわけであって、これでは難民として保護すべき人を正しく保護できるとは到底思えず、事実難民認定率は先進国最低レベルで極めて恥ずかしい水準にとどまり、国連人権理事会等からも、本来保護すべき方々が適切に保護されていないとの強い批判を受け続けています。我が党提出の対案では、難民認定の中立性、公平性、透明性、専門性を確保するため、入管庁から独立した第三者機関が難民認定を行うこととしておりますが、この方針に対する法務大臣の見解をお伺いいたします。衆議院での審議では、入管行政と難民行政が密接に関連しているからだという答弁が政府よりありました。仮に相互の関連により利便性のメリットがあるにしても、独立した難民行政がないことによって、保護よりも管理の視点が優先されてしまっていることによるデメリットの方が、はるかに大きいのではないでしょうか。これは人の命や人生を左右するほど深刻で重大な問題です。このデメリットへの対応について、法務大臣の御見解をお示しください。これに関連して難民認定の最終決定を行う法務大臣として、難民等を間違って難民等認定しないことと、難民等でない人を間違って難民等認定すること、どちらを優先しますか。端的にお答えください。10人の真犯人を逃すとも、1人の無効を罰するなかれ、という信言が私たちの取る立場です。難民認定は刑事事件ではないですが、本国に返すことによって迫害や拷問にあったり、殺されたりする危険にさらすことになるのです。衆議院の参考に質疑で登壇した人蔵大学院の橋本直子純教授も、同じ趣旨から、このまま法案を通すのは、無効の人に間接的に死刑執行ボタンを押すことに等しいと警告しています。現在の全権収容主義は、収容の長期化の主要な一員となっています。本法律案では、収容の代わりとなる管理措置の創設が提案されています。まず、この管理措置の導入は、これまでの入管庁の全権原則収容主義を撤廃し、原則収容しないという方針を確立するものなのか、明確にお答えください。また、実際にどれぐらい管理措置に付されることになるのか、想定とその根拠について法務大臣に伺います。届出義務や報告義務等の重い義務や罰則がある管理人の成り手が、果たして十分確保されるのでしょうか。確保の見通しと手段、そして成り手が不十分な場合の対応について、法務大臣の見解を求めます。被収容者については、3ヶ月ごとに管理措置の用費を検討することとされていますが、どのような場合に今まで収容されていた外国人を管理措置に付することが適当と認められるのでしょうか。法務大臣は、個々の事情という答弁に逃げるのではなく、措置の公平を保つためにも具体的な基準をお示しください。我が党が提出した法案のように、収容の長期化に対しては、管理措置ではなく、全権収容主義を撤廃し、収容の開始または継続時における司法審査を導入して、さらに収容期間に上限を設けるべきであると考えますが、法務大臣の見解を伺います。衆議院での修正協議に際して、修正項目の一つに在留特別許可を判断する際に子どもの利益を考慮すべきことを条文上明記するという内容がありました。我が党が最終的に修正協議に合意できなかったことにより、この項目も含め、合意項目は全て白紙とされていたのですが、ということは、在留特別許可の考慮事情に児童の利益を考慮すべきことを条文上明記することに、政府与党は反対ということでしょうか。法務大臣の御見解をお示しください。反対しようがない内容で、かつ一旦修正に応じたにもかかわらず、削除したということは、通り当略で子どもの利益を人質にとったと同じことだったと思います。衆議院法務委員会で、齋藤大臣は、日本で生まれて育ったものの在留資格のない201人の18歳未満の子どもに対し、できることを真剣に検討していきたいと繰り返し御答弁されました。何の罪もないこの201人の子どもたちに対する在留特別許可等の措置を、前向きに御検討いただけると考えてよろしいですね。法務省や入管は、在留資格を持たない外国人の一部を、相関被被者と呼び、罰すべきもの、一刻も早く日本から追い出すべきものとして扱います。ですが、相関被被者には日本で生まれた子ども、あるいは日本で育った子ども、日本の学校に在籍していたり、日本で教育を受けた子ども、日本に家族がいる人等もおります。これらのほとんどが、保護すべき人たちなのではないでしょうか。法務大臣の認識をお伺いします。では、罪を犯したとされるものならば、政府が想定するような排除の対象でいいのでしょうか。相関被被者が犯したと入管庁が公表する、在籍の多くが入管法違反です。相関被被者は、退去、強制自由に該当しているのですから、いわば当然です。法務大臣は、入管法違反のみをもって、保護すべき対象から除外する理由となるとお考えでしょうか。そもそも、国連犯罪防止刑事司法会議で採択された共闘宣言では、加害者の社会復帰を促進するために、コミュニティにおける公正喚起を推進すると述べられています。この方向性からすると、全家者は相関してしまえばよいという政策は、政府の方針に反すると思われますが、法務大臣の御認識はいかがでしょうか。入管施設への収容をめぐっては、死亡事件や自殺未遂等、数多くの不祥事が相次いでおり、入管の責任を認める判決も相次いでいます。また、先ほど述べましたとおり、難民収容相関問題に関しては、これまでも再三、国連人権理事会をはじめとする国際機関から勧告や批判を受けてきました。直近では、2023年4月に国連人権理事会の特別報告者らが、このたびの入管法改正案に対する共同所管で、国際人権基準を満たしていないとして、日本政府に国際人権法のもとでの義務に沿うために徹底した内容の見直しを求めています。衆議院の質疑で、この所管について見解を問われた斉藤法務省は、特別報告者個人の資格で述べられたものであり、国際連合またはその機関である人権理事会としての見解ではない、法的拘束力を有するものではない、一方的に見解を公表されたことについては抗議する。所管の内容の5人等に基づく指摘等を明確にし、改正法案の内容の適正性について十分理解していただけるよう説明を尽くす、などと反論しています。法的拘束力がなければ、国連等からの勧告は無視してもいい、つまり国際的な法の支配を無視してもいいのだと大臣はお考えなのでしょうか。個人の資格等というと、指摘な発言だと誤解を招きそうですが、特別報告者は日本も参加する人権理事会によって任命され、国連から特定の任務を与えられている国際レベルの人権専門官なのです。それを5人ということは、大臣はそのような方が間違っているというご認識ということでしょうか。特別報告者による共同所管は、前回改正法案提出時にも日本政府に送られており、その際にも上川法省が一方的と反論しております。一方的なのではなく、正論に対して日本政府が聞く耳を持たないので、今回の提出に至ったと考えるのが自然と考えますが、法務大臣の見解を伺います。このような国外からの根拠に基づいた批判を無視する法務省及び入管の強がんたる対応は、国連人権理事会の理事国を長く勤めた日本の地位を貶めるものです。そもそも、我が国は人権外交を推進することや、国際社会における法の支配を徹底することを表明しており、外務省のホームページでも社会的弱者の保護といった視点を掲げつつ、国連の主要人権フォーラムや二国間対話を通じて国際的な人権規範の発展促進をはじめ、世界の人権状況の改善に貢献していきますと表明しています。国連機関から何度勧告されても「5人だ、一方的だ」と言いつのり、一個打にしない現在の状況は、我が国が国際的に表明している約束や訴えに、自ら泥を塗るもので、人権の尊重という国際的なトレンドにも逆行しており、人権外交重視の視点からもマイナスではないでしょうか。外務大臣の見解を正します。現在の我が国を含む人権を重視する自由主義国家軍が、権威主義的な国家軍と対峙する国際情勢にあっては、人権外交の後退は日本の外交や国際的な影響力にも深刻な打撃を与える懸念があります。まもなくG7広島サミットが開かれ、先進7カ国の指導が地球規模の課題について話し合います。1億人を超える難民の増加は喫緊の課題の一つです。我が国は偽条国として、民主主義や人権を重んじる価値観の共有をしっかりリードする必要があります。今回のG7を機に、長らく批判にさらされ続けてきた入管難民政策を抜本的に改善して、そして人権擁護に関する対日イメージを一変させるべきと考えますが、外務両大臣に御見解をお伺いします。在留資格のない外国人は、我が国で最も弱い立場にあります。そして、弱い立場の人間を守れない社会は、結局何も守れません。誰もが弱い立場になる可能性がある以上、この問題は、自らと関わり合いのない他人事ではありません。そして、政府案は根幹に欠陥があり、国際人権基準に従って、一から制度設計をし直すしかありません。それを既に行っているのが、我々の対案です。言うとその他には、通り投略をして、挙針単価に両法案の優劣をしっかりと並べ比べ、御判断いただくことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

28:49

佐藤県法務大臣

29:08

牧山博之議員にお答え申し上げます。まず、名古屋入管における被収容者、死亡事案などについてお尋ねがありました。ご指摘の事案については、外部有識者の方々のご指摘等に基づき、幅広く問題点を検討し、その結果取りまとめられた改善策を中心として、医療体制の強化等の組織業務改革に取り組んできました。また、本法案は旧法案に対する様々なご指摘を真摯に受け止め、管理措置等の収容に関する制度や、健康上の理由による仮方面判断の在り方について、大きく修正を行ったものです。こうした組織業務改革、本法案の適正な運用により、何としても再犯を防止する覚悟で取り組んでまいります。次に、野党対案や第三者機関の設置についてお尋ねがありました。議員立法として提出された法案については、法務大臣として所感を述べることは差し控えます。その上で、我が国の難民認定制度では、制度と運用の両面から手続の適正性を確保し、保護すべきものを確実に保護しており、第三者機関を設けないことが、申請者の保護よりも出入国在留管理を優先しているとのご指摘は当たりません。次に、難民等の認定手継の在り方についてお尋ねがありました。我が国では、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、難民条約の定義に基づき、難民等認定すべきものは適切に認定しているところです。引き続き、判断を誤ることなく、難民等と認定すべきものを確実に難民等と認定すべく、不断の努力をしてまいります。次に、全権収容主義についてお尋ねがありました。現行法下においても、収容の必要性が認められないものについては、運用上収容することなく手続を進めており、全権収容主義と呼ばれる状態にはありません。その上で、本法案では、収容しないで、退去・強制手続を進める管理措置制度を創設し、個々の事案ごとに管理措置に付すか、収容するか、選択することとするなど、条文上も全権収容主義を抜本的に改めることとしています。次に、管理措置に関する見通しや運用についてお尋ねがありました。管理措置決定の件数及び管理人確保の見通しについては、退去・強制手続の対象となるものの推移にもよるので、一概にお答えすることは困難です。もっとも、できるだけ多くの方々に管理人になっていただくことは、管理措置制度を適正に運用する上で重要と考えています。そのため、本法案では旧法案での定期的な届出義務を削除するなど、管理人の負担を軽減したところであり、引き続きその担い手となる方々に御理解をいただけるよう丁寧に説明を尽くしてまいります。次に、3ヶ月ごとの収容の用費の見直しについてお尋ねがありました。管理措置に付すか否かについては、逃亡等の恐れの程度、当該外国人が受ける不利益の程度等を総合的に考慮して判断することとなります。次に、収容に関する司法審査や上限についてお尋ねがありました。本法案においては、収容により本人が受ける不利益の程度等を考慮し、管理措置に付すか収容するか選択することとしており、現行法の原則収容を抜本的に改めるものとなっています。加えて、収容した場合でも3ヶ月ごとに収容の用費を必要的に見直し、収容判断の適正をチェックする仕組みを導入しています。また、判断に不服がある場合には、行政訴訟を提起して争うことができます。こうした事前事後の仕組みにより、手続の適正は十分に図られており、事前の司法審査や収容期間の上限を設ける必要はないと考えています。次に、在留特別許可の考慮事情についてお尋ねがありました。与野党間で行われた修正協議については、法務大臣としてお答えを差し控えます。本法案においては、在留特別許可の考慮事情として、家族関係や人道上の配慮の必要性を明記しており、この中で、ご指摘の子どもの利益についても適切に考慮されるものと考えています。次に、子どもに対する在留特別許可等の措置についてお尋ねがありました。ご指摘の子どもに関する在留特別許可等のあり方につきましては、重要な問題であると認識しており、現在、諸々対応を検討しています。次に、相関拒否者についてお尋ねがありました。相関拒否者は、退去強制例書が発布されたにもかかわらず、退去を拒んでいる者全般を指しますが、退去強制例書が発布された者は、退去強制手続において在留特別許可の判断を経るとともに、難民該当性を主張する場合には、難民認定手続も経た上で、難民に該当せず、在留を特別に許可する事情も認められなかった者であり、保護すべき者は適切に保護しているところです。次に、保護すべき対象及び法令違反者等の相関についてお尋ねがありました。外国人の入国や在留を認める上で、一定のルールを設けて遵守を求め、これを遵守しない者を退去させることができることは、国際監修法上確立した原則です。そして、現行法上、反社会性の高い犯罪を犯した者等は、原則として我が国から退去させることとされており、その中には在留外国人が当然遵守すべき入管法違反も含まれています。ただし、法令違反者又は善下を有する者であっても、個々の事案ごとに、所犯の事情を総合的に勘案し、在留を特別に許可される場合もあり得るところです。次に、特別報告者らの共同所管に対する対応等についてお尋ねがありました。特別報告者の見解は、国連やその機関である人権理事会の見解ではなく、法的拘束力はないものの、我が国はこれまで特別報告者を含む特別説議による報告が、客観的で正確な情報に基づき、正しい理解のもとになされるように協力してきました。今回の所管は特別報告者らから、本法案の内容を正しく理解せずに、一方的に見解が公表されたため、政府として抗議を行ったものです。次に、共同所管に対する政府の態度についてお尋ねがありました。本法案は、国際機関からの指摘を含む旧法案に対する様々な指摘を真摯に受け止め、修正すべき点は修正するとの方針で検討を重ねたものです。そして、特別手続の事務局に対し、一昨年、政府として法案内容を丁寧に説明する用意がある旨、申し入れたにもかかわらず、今回、前回と同様に、党方から意見を聞くことなく見解が公表されたため、抗議せざるを得なかったものです。我が国としては、本所管の回答に際し、本法案の内容やその適正性について、十分御理解いただけるよう、丁寧に説明していくつもりです。そこにも、日本政府は、恣意的公勤作業部会からカルロス・ゴーン被告人の逮捕、拘留が恣意的公勤に当たるまでの意見書が公表された場合など、一方的で限られた情報に基づいて不正確な意見が出された場合には、適切に意義の申立てをしてきているところです。最後に、G7を機に、入管難民政策を抜本的に改善することについてお尋ねがありました。本法案は、外国人の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現できるバランスの取れた制度として、日本人と外国人が安全・安心に暮らせる共生社会の実現のための基盤を整備して、我が国の入管難民政策を改善するものです。

37:31

林 芳政 外務大臣

37:54

薪山 博之 議員にお答えをいたします。国連人権理事会の特別報告者等による見解と、人権外交の視点についてお尋ねがありました。我が国といたしましては、国際人権所条約の定約国として、条約が定める義務を誠実に履行してきていると考えております。また、特別報告者は、個人の資格で任命された独立の専門家であり、その見解は国連やその機関である人権理事会の見解ではなく、我が国に対して法的控訴力を有するものではないと認識しております。いずれにいたしましても、国際社会において日本の考え方が正しく理解されますよう、引き続き力を尽くすとともに、日本らしい人権外交を進めていきたいと考えております。次に、入管難民政策と人権外交についてお尋ねがありました。今回の入管法改正案は、出入国在留管理制度全体を適正に機能させ、真に被害を必要とする方々を適切に保護するとともに、相関、規避、長期収容問題という喫緊の問題を一体的に解決する法整備を行うものと理解しております。我が国はこれまで国際機関や難民受入国、ドナー国等との連携を通じて、難民問題を含む世界の人権擁護の取り組みに貢献してきており、今後とも日本らしい人権外交を進めていきたいと考えます。

39:29

上村みずほ君

39:53

日本維新の会の上村みずほです。会派を代表し、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき、日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案について質問いたします。日本維新の会は、マニフェストに外国籍住民との共生を掲げる政党として、差別、偏見を根絶し、日本人と外国人がともに安全安心に暮らせる共生社会の実現を目指しております。一方で、日本国の治安を維持し、国家国民の安全を確保する観点に立てば、ならぬことはならぬものとして、外国から入国された方々には、法治国家日本の法令に従っていただかねばならないのは当然のこと。我が党は2年前に最初の改正案が提案された際、そのさらなる改善と早期の成立を求め、与党に対して積極的に法案の修正協議を働きかけてまいりました。早期の法改正が実現しなかったことは誠に遺憾であり、法改正が先送りされていたこの2年間で、新たな事件や被害が発生したことは痛恨の極みであります。日本の入管施設内でこれまでに失われた命や、今なお国内闘争中の送還危機者の存在を思えば、いかにすればその生命が救われたのか、いかにすれば送還すべきものを適切に送還できるのか、併せて、やむを得ぬ事情から命を懸けて祖国を逃れてきた、受け入れるべき人々をどのように迎え入れていくのかを真正面から考え、適切な法改正をすることこそが我々立法府の責務であります。今般衆議院において、我が党と自民党、公明党、国民民主党との修正協議が成立し、政府提出の改正案がより磨きがかけられて参議院に送られてきたことは、大きな進展といえます。日本維新の会が積極的に加わった今回の修正点の一つは、難民調査官が難民認定申請した外国人に対し、その身身の状況、国籍、または市民権の属する国において置かれていた環境などの状況に応じ、適切な配慮をすることを義務付けるというものです。この修正により人権を尊重した上で、保護すべき人を確実に保護するという法改正の実効性がさらに高まったと考えますが、法務大臣はいかがお考えでしょうか。ご見解をお示しください。参議院法務委員会では先日、三島さんだまりさんの収容時の映像をトータル10時間にわたって視聴いたしました。彼女が死に向かっていく様子を映像で追いながら、まだ生きることができる命であったと落類を禁じ得ませんでした。適切な医療にアクセスできていれば、また収容がこれほど長期にわたらなければ、悲劇は起こることはなかったと考えます。三島さんが亡くなったのは2年前の3月です。今回の法律が3年前にあれば、三島さんの命は救えたと考えますが、法務大臣はどうお考えになりますでしょうか。また、本法案には、常勤医師の確保が盛り込まれていますが、なかなか常勤のドクターが見つからないケースや、血位が出る場合も考えられます。オンライン診療を加速化させることも重要です。入管費収容者はそもそも、そのほとんどは保健診療対象外であり、いわゆる病名縛り問題も無関係であることから、近隣医療機関と提携し、臨盤性の職卓医として、常時医療対応可能な仕組みをつくってはいかがでしょうか。法務大臣の御見解をお尋ねいたします。次に、入管費収容者に対する支援のあり方についてお尋ねします。医師の診療情報提供書や面会記録等を含めた資料とともに、三島さんの映像を総合的に見ていきますと、「よかれ」と思った支援者の一言が、皮肉にも三島さんに「病気になれば仮釈放してもらえる」という淡い期待を抱かせ、医師から「作業の可能性」を指摘される状況へつながった恐れも否定できません。「自分が何とかしなければ」という正義感や善意からとはいえ、中には一度も面識のない非収容外国人に、次から次へとアクセスする支援者もいらっしゃいます。難民認定要件を満たしているのに、不当に長期収容されているのではないか。弱い人を救いたいという支援者の必死の手助けや助言は、場合によってはかえって、非収容者にとって見なければよかった夢、縋ってはいけない藁になる可能性もあると考えますが、法務大臣はどのようにお考えでしょうか。また、管理措置制度については、管理人に対し罰則付きの報告義務を課せられており、人のために手間と時間をかけてリスクを担える人材を、果たして必要数確保できるかどうかが懸念されています。外国人への支援として、結果的に逃走や不法滞在の手助けをしてしまっているグループも存在し、適切な人材が管理人としての責任を果たさなくてはなりません。法務大臣は、これまでの不適切事例も踏まえ、どのような人物が管理人にふさわしいとお考えでしょうか。また、指定される管理人の規模は何人ほどを想定していますか。その管理人の規模でどれほどの収容人数を減らすことができるのでしょうか。入管庁長官が管理人に情報提供、助言を行うとはされていますが、それだけで十分とは思えません。今後、管理人を増やしていくためにも、管理人の負担の軽減などの支援策が必要ではありませんか。以上、併せてお答えください。相関停止法の例外についてお伺いいたします。現行法では、何度でも無制限に難民申請を繰り返すことによる相関停止によって、重大な罪を犯して習慣された者であっても、テロリストであっても、無制限に日本に滞在することができる仕組みとなっており、難民認定申請中に仮方面となり、逃亡する事案が数多く発生、国内の治安維持に影を落としてきたことから、今回の法改正では、3年以上の実刑を日本で受けた者については、初めて難民申請する者であっても、相関停止法の例外とすることとなります。3年以上の実刑とは、すなわち、我が国において重大な罪を犯した者との認識から、合に入って合に従えぬ外国籍の方は、速やかにお引き取りいただきたいというのは、当然の国民感情でもあります。それゆえ、重大犯罪者やテロリストであっても与えられている、相関前の面接の機会について不要であるという意見もある一方で、相関前には可能な限り、本人から事情を聞くべきだとする意見もあります。法務大臣に、重大犯罪者やテロリストに対しても、面接の機会を確保している意味及び必要性についてお伺いいたします。また、本改正案では、3回目以降の申請であっても、難民等と認定すべき相当の理由がある資料を提出すれば、相関を停止する旨の規定が設けられました。相当の理由がある資料とは、具体的にどのようなものなのか、想定されている事例を示してご説明ください。また、既に母国を離れている外国人が、新たな証拠となる資料を入手するのは、困難を伴うと考えますが、その点についての配慮はあるのですか、お答えください。最後に、子どもたちについて伺います。親が在留条件を満たさない中で、日本に暮らし、日本語を話し、日本の友達と学び、日本のコミュニティで育まれた子どもたちと、我々はどのように向き合うべきなのか。親の相関時、入養時は親と共に帰国するのは妥当とはいえ、日本在留の意思を自ら明確に持つことができる年齢の子どもたちを、日本で育むのか、親と一緒に出国させるべきか。個別の事案によって様々なケースが想定されますが、これは非常に難しい問題です。日本も1994年に批准した子どもの権利条約第9条には、子どもには親と子が引き離されない権利について謳っていますが、さりとて子どもがいればかわいそうだからと、例外として親も在留を許可するわけにはいかず、本法案では摘発された者等でも自発的に帰国する場合は、上陸拒否期間を現行法の5年から1年に短縮することとしております。両親は相関対象となり、子どもは日本にとどまりたいという意思が明確な場合は、国としてどのようにその意思を尊重するべきでしょうか。法務大臣の御見解をお尋ねいたします。入管行政や難民認定は外国人の生命と人権に関わる問題であり、我が国が国際社会で果たすべき責任を示す課題でもあります。一方で2年前に廃案となり、今も賛否についてのシプレヒコールが鳴り止まないこの入管法改正案の難しさとは、国の治安維持や人権が本来いずれかに優劣をつけるべきものではなく、それぞれに尊いものでありながらも、この法案がそれらの倒査をバランスさせる上でどこに重心を置くのかという問題でもあり、かつナショナリズムかグローバリズムかという決して二者卓一にはできない国のあり方に関わる問題でもあるからではないでしょうか。我が国は知性学的、歴史的、文化的にも独自の背景を持ちます。外国人材の受入れ、共生に関する関係閣僚会議のもとに有識者でも様々な議論がなされておりますが、法務大臣は今、一体何が我が国における共生社会実現に向けての政策決定の要定であるとお考えか。この問いを締めくくりとし、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

50:12

佐藤県法務大臣

50:32

梅村水戸議員にお答え申し上げます。まず、本法案及び修正案の受け止めについてお尋ねがありました。本法案では、保管的保護対象者認定制度の創設、在留特別許可制度の一層の適正化などにより、保護すべきものが確実に保護できる内容となっていました。加えて、衆議院における修正により、難民等を認定申請をした外国人に対する配慮などが追加されたことで、真に被護すべき方々の一層確実な保護が可能となったものと考えています。次に、本法案により、牛馬さんの命は救えたのかについてお尋ねがありました。家庭の御質問にお答えすることは困難でありますが、本法案では、収容しないで退去強制手続きを進める管理措置を創設し、収容した場合であっても、3カ月ごとに収容の用費を見直すこととしています。加えて、健康上の理由により、仮方面許可申請については、医師の意見を聞くなどして健康状態に十分配慮して判断することとなるうえ、現行法における常勤医師の兼業要件の緩和により、医療体制の強化が一層促進されます。こうした本法案により、何としても同様の事案の再発を防止する覚悟で取り組んでまいります。次に、入管収容施設における適切な医療的対応のあり方についてお尋ねがありました。本法案では、入管収容施設において、常勤医師を継続的かつ安定的に確保するため、常勤医師の兼業の要件を緩和しており、まずはこうした規定を活用し、入管収容施設の医療体制の強化に努めてまいります。その上で、御指摘の近隣医療機関との提携、林盤性職卓医の導入等のあり方については、引き続き不断に検討を続けてまいります。次に、支援者による支援や管理人のあり方、規模等についてお尋ねがありました。現在、非収容者の支援を行っている方々も、管理人の候補となり得るところ、管理人はその責務を理解し、本人の指導監督等を適切に行うことができる方である限り、必要があり、その選任については適切に行っていくべきと考えています。また、退去強制手続の対象となる者の数位にもよるので、管理人の規模等をお示しすることは困難ですが、できるだけ多くの方に管理人になっていただくことが重要と認識しています。そのため、本法案では、旧法案での定期的な届出義務を削除するなど、管理人の負担を軽減したところであり、引き続きその担い手となる方々に、御理解いただけるよう、丁寧に説明を尽くしてまいります。次に、面接の機会の確保についてお尋ねがありました。退去強制令書により、外国人を我が国から退去させるためには、その前提として、退去強制手続において、面接を行い、退去強制事由に該当しているかの確認とともに、相関先国に係る意向聴取や、在留特別許可の判断の基礎となる事情の聴取などを行い、退去強制令書を発布する必要があります。このような手継ぎの過程で、外国人に対し、必ず面接を行い、本人から事情危機解除を確保しています。次に、相当の理由がある資料についてお尋ねがありました。いかなる資料が相当の理由がある資料に該当するかは、個別の事案ごとに判断すべきもので、一概に申し上げることは困難ですが、例えば、本国情勢の変化等の、前回処分後に生じた事情変更を示す資料などが、これに該当すると考えられます。相当の理由がある資料の形態や形式に制限はなく、申請者の陳述や難民等認定申請書も相当の理由がある資料に該当することとしています。次に、未成年の外国人に対する在留特別許可についてお尋ねがありました。入管庁では、ご指摘のような事情も含め、個別の事案ごとに、所犯の事情を総合的に勘案して、適切に在留特別許可の拒否判断を行っています。その上で申し上げると、例えば、親のほかに適切な養育者が存在する場合に、その子に在留を特別に認めることがあります。最後に、共生社会実現に向けての政策決定についてお尋ねがありました。日本人と外国人が安全安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールに則って外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者に対しては、厳正に対応していくことが重要と考えています。本法案は、様々な方策を組み合わせ、パッケージで現行法下の課題を一体的に解決し、外国人の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現するバランスの取れた制度にしようとするものであり、共生社会の実現維持のための基盤整備となるものであります。

55:56

川合貴則君

56:26

国民民主党新緑風会の川合貴則です。会派を代表し、ただいま議題となりました法律案につきまして、法務大臣に質問をいたします。まず、現在の不法在留者や送還寄支者問題に鑑み、今後の出入国在留管理要請の在り方について、法務大臣の見解を求めます。2010年代以降、日本の外国人労働者政策は急速に変容を遂げています。日本の外国人労働者政策の原則は、従来、専門的技術的人材については積極的に受け入れるが、単純不熟練労働者は受け入れないという原則の下に運用されてまいりました。しかし、2009年の入管法改正によって在留資格の見直しと技能実習生の労働者性が確立されて以降、介護、建設、宿泊、製造など数字にわたり、受入対象職種は拡大を続け現在に至っております。こうした受入対象職種の大半は、単純不熟練分野に近接するものであり、単純不熟練労働者は受け入れないとする従来の政府方針はすでに空洞化しております。そしてその結果、現在の日本は、イギリス、アメリカ、ドイツに次ぐ世界第4位の外国人受入国となっています。我々はこの現状を直視した上で、外国人との共生の在り方を考える必要に迫られております。今回の入管法改正案は、出国管理に主眼を置いた内容となっていますが、一部の難民申請者を除き、そもそも不法在留者や相関喫視者の問題は、外国人労働者の受入れ政策に起因するものが多く含まれております。したがって、本来入国管理の在り方と合わせて議論がなされるべきものと考えますが、この点について法務大臣の見解を求めます。法務大臣は、年初の大臣所信の冒頭で、外国人との共生社会の実現を掲げられましたが、この公約を実現する上で、今後の出入国管理行政上、解決すべき課題は一体何だと考えておられるでしょうか。見解を求めます。では、具体的な法案の内容について質問します。今回の法改正は、保護すべきものを確実に保護するための制度整備、相関喫視問題の解決、名古屋入管における長期収容者死亡事案の発生を受けて、入管収容施設をめぐる諸問題の解決を図ること、などを主な目的としています。今度、法改正で、保護すべきものを確実に保護するため、保管的保護対象者認定制度の創設や在留特別許可の申請手続を整備するなど、これまで指摘されてきた入管行政をめぐる課題の解消に向けた制度整備を行おうとしている点は率直に評価します。一方、相関喫視によって生じた入管施設への長期収容問題を解決する目的から、相関停止法に例外規定を設けることによって、難民申請者が適切な難民申請認定手続の機会を得られないまま、入管法違反者として出国命令の対象者となり得る懸念が生じるなど問題点も指摘されております。現在の出入国在留管理行政に係る根本的な問題は、第三者のチェックが全く働かないまま、出入国在留管理庁内で全てが完結しているところにあると考えています。不法在留者の摘発から入管施設への収容、審査、そして国外退去決定まで、警察、検察、司法の役割が全て入管職員の手で行われています。強制収容を執行するのに裁判所令状も必要はありません。しかもその審査プロセスはブラックボックスで、その判断は国の出査機関である地方入管局長の権限に委ねられています。入管行政を適正化するためには、この審査プロセスを透明化することこそが何よりも重要と考えますが、法務大臣の認識見解を伺います。欧米諸国では難民認定申請者の面接時に弁護士等の同伴が認められている上、面接の様子は全て録音録画され、審査を行う上での証拠として取り扱われています。一方、日本では一部の年少者などに限って同伴者の立ち会いを認める運用が施行されている以外、一時審査における弁護士の同伴は認められておらず、面接の録音録画も一切認められておりません。言葉の壁があり、法律知識も不足がちな難民申請者が適切な申立てを行う上で、面接時に弁護士や同伴者の立ち会いを認めるべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。また、難民申請者の権利を保護し、審査の適正性を担保する上で、面接の録音録画を行うことは極めて有効と考えますが、なぜ日本では認められていないのか、併せて法務大臣の見解を求めます。補完的保護対象者の認定制度について質問します。今回、補完的保護の概念を導入し、難民条約上の難民の定義に該当しない者の保護を必要とする者を保護対象に含めることとなります。これにより、難民申請手続きを進める上で、法務大臣の広範な裁量権に一定の透明性が担保されることから、このことを前向きに評価をします。一方、補完的保護の要件については、その審査基準が曖昧なままであり、そこに難民調査官の恣意的な判断が入り込む懸念が生じています。真に保護を必要とする者を適切に保護する上で、補完的保護対象者に関する明確な条文規定が必要と考えますが、法務大臣の見解を求めます。相関提出法の例外規定の導入について質問します。今回、相関提出法に例外規定を設けることで、同一理由による3回目以降の申請者、3年以上の実刑前科者、テロリスト等をその適用対象とする規定が盛り込まれているほか、3回目以降の難民申請者についても、難民認定すべき相当な理由のある資料が提出できないものは、相関提出法の例外規定の適用対象となります。私は、この相当な理由のある資料という極めて曖昧な文言を恣意的に解釈することで、本来保護すべきものを確実に保護できなくなる可能性が生じることを懸念します。相当な理由のある資料には客観的な判断基準が存在するのでしょうか、法務大臣の見解を求めます。相関提出法の例外規定の導入によって最も懸念することは、改正法第61条の2-9、第4項の規定により、すでに1度目の難民申請を行い、現在面接を待っている者が、1度も審査を受ける機会を得られないまま難民不認定になる恐れがあることであります。難民申請途中の者が法改正によって不利益を籠るような事態が生じないよう、配慮する必要があると思いますが、法務大臣の見解を求めます。難民申請における、雇用・断用問題について質問いたします。近年、就労を目的とした難民申請の雇用・断用が増加している旨の指摘がなされています。難民申請の雇用・断用は決して容認できるものではありませんが、そのことをもって、相関停止法の例外規定の適用を考える前に、なぜ就労を目的とした難民申請者が出るのかを考える必要があります。私はこうした問題の背景には、外国人労働者の受入問題と正面から向き合うことのないまま、研修・実習目的で、短従婦・熟練分野への外国人労働者の受入れを拡大してきたことに、その原因があると考えています。就労を目的とした難民申請の雇用・断用事案が発生している理由をどのように捉えておられるのか、法務大臣の見解を求めます。難民認定制度の運用の見直しについて質問します。今回、難民認定制度の運用の見直しの中で、難民該当制に関する規範的要素の明確化、難民の出身国情報の充実、難民調査官の調査能力の向上を挙げておられますが、いずれも具体性に欠けており、その運用以下では、絵に描いた餅になりかねません。そこで質問ですが、例えば、トルコ国籍を持つクルド人や、ミャンマー国籍を持つロヒンや、部族紛争から逃れてきたアフリカ系の難民認定審査を行う上で、どのように出身国情報の充実を図るのか、法務大臣の見解を求めます。最後に、難民申請手続の迅速化に向けた体制整備の必要性について伺います。出身国在留管理庁の令和5年度末の定員は6,314人、そのうち出身国や在留審査を行う入閣審査官は4,085名となっています。それなりの人員体制に見えますが、その多くは空港や港で出身国管理業務に当たっており、難民認定に携わっている職員はごく一部です。現在、難民申請から結果が出るまでに平均で4年半、長い場合10年近く要すると言われていますが、時間がかかりすぎているのは明らかであります。現在、1,000人で難民認定に携わっている職員は全国で何人おられるのでしょうか。法務大臣に質問します。今後、在留外国人のさらなる増加が見込まれる中、適正、円滑な入管行政を実現する上で、人員体制の強化を図るべきと考えますが、法務大臣の見解を求め、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

1:06:38

佐藤県法務大臣

1:06:58

河合貴則議員にお答え申し上げます。まず、外国人の受入れや共生社会の実現への課題等に関するお尋ねがありました。日本人と外国人が安全安心に暮らせる共生社会を実現していくためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールに則って外国人を受け入れるとともに、ルールに違反する者に対しては厳正に対応していくこと、これが重要です。本法案は、様々な方策を組み合わせ、パッケージで現行法下の課題である、相関規避、長期収容問題等を一体的に解決し、外国人の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現するバランスの取れた制度にしようとするものであり、外国人を受け入れ、共生社会を実現維持するための基盤整備となるものであります。次に審査プロセスの透明化についてお尋ねがありました。本法案は、在留特別許可管理措置及び仮方面について、判断基準や考慮事情を法律上明確化し、不許可とする場合などには、その理由の告知を行うこととするなど、判断の透明性を高めるための様々な仕組みを整備しています。このように本法案は、入管当局の判断の透明性を高めることにより、その適正性を確保するための方策も盛り込んでいます。次に、難民認定手継ぎにおける面接時の弁護士等の立ち会いについてお尋ねがありました。難民認定申請の性質上、迫害から逃れてきた申請者の置かれた立場に十分に配慮した事情聴取を行うことが重要であり、入管庁では一時審査における事情聴取に際し、親を伴わない年少者等、特に配慮が必要な申請者についての弁護士等の立ち会いを認める取引を既に実施しています。引き続き、更なる取組の在り方について検討してまいりしょうと思います。次に、難民認定手継ぎにおける面接時の録画・録音についてお尋ねがありました。面接においては、申請者に対して内容に誤りのないことを確認した上で、供述聴取に署名させるなど、その正確性を確保し、通訳人の性別や申請者の健康状態に留意するなど、申請者に配慮しながらインタビューを行っている上、不認定処分に対する審査請求では、外部有識者である難民審査参与員が3人一組で審理を行い、法務大臣はその意見を必ず聞いた上で判断していることなどを踏まえると、手続の適正性は十分に確保されており、面接の録画等を行う必要はないと考えています。次に、保管的保護対象者の認定手継ぎについてお尋ねがありました。保管的保護対象者とは難民以外のものであって、迫害を受ける恐れのある理由が難民条約上の5つの理由であること以外のすべての要件を満たすものと定義されており、その要件は明確であります。その上、入管庁が本年3月に公表した難民該当性判断の手引きにおいて、迫害を受ける恐れを判断する際に考慮すべきポイントなども整理されており、保管的保護対象者の該当性判断もこの手引きを活用しつつ適正に行われることとなります。次に、相当の理由がある資料の判断基準についてお尋ねがありました。いかなる資料が相当の理由がある資料に該当するかは、個別の事案ごとに判断しなければならないため、一律な判断基準を設けることは困難でありますが、例えば、本国情勢の変化等の前回処分後に生じた事情変更を示す資料などがこれに該当すると考えられます。次に、相関停止控の例外についてお尋ねがありました。相関停止控は難民認定申請中の者の法的地位の安定を図るために設けられたもので、その必要がない場合には相関停止控の例外とすることは許容され得ると考えています。その上で、3年以上の実刑に処せられた者も外国人テロリスト等も法的地位の安定を図る必要はなく、速やかに相関されなければなりません。もっとも、これらのものであっても難民等を認定申請を行うことは可能であり、申請がされた場合には個別に審査を行い、難民等の定義に当てはまるときには難民等等を認定することとなります。次に、就労を目的とした難民認定申請の誤用・乱用事案の発生理由についてお尋ねがありました。これも様々な要因によるものと考えられまして、一概にお答えすることは困難ですが、例えば、平成22年4月に難民認定申請から6か月経過後に一律に就労を認める運用を開始したところ、難民認定申請者数が7年間で約16倍を超えたことなどを踏まえると、申請者に一律に就労を認める運用をしたことも要因の一つであると認識しています。次に、難民認定審査を行う上での出身国情報の充実についてお尋ねがありました。入管庁においては、情報の収集及び分析を専門に行う職員を入管庁内に配置し、現在も外務省UNHCR等の関係機関と適切に連携しながら、外国政府機関の報告や出身国に関する報道等に関する最新の情報を積極的に収集しています。加えて、諸外国当局とも出身国情報に関する情報交換等を積極的に行うなどしており、引き続き出身国情報の一層の充実を図ってまいります。次に、専任で難民認定に携わる職員の数についてお尋ねがありました。難民調査官に指定されている者の中で、難民認定業務に占領する者を切り分けることは困難ですが、地方出入国在留管理局において、令和5年1月1日現在、難民調査官に指定されている者は421名であります。最後に、人員体制の強化についてお尋ねがありました。適正な入管行政の実現のため、人員体制の整備は重要と認識しており、引き続き必要な人員体制の整備に努めてまいります。

1:14:01

仁比聡平君

1:14:20

日本共産党の仁比聡平です。私は会派を代表して、内閣提出の出入国管理及び難民認定法等改定案について、法務大臣に質問いたします。2年前、名古屋入管収容所で起こった、三島さんだまりさんの死亡事件は、国連機関や専門家から国際人権法違反、憲法違反と厳しく批判されてきた、我が国の入管収容、難民認定行政の底深い人権侵害構造をあらわにしています。まだ若く健康だった三島さんが、なぜあのような亡くなり方をしなければならなかったのか、その答えはなお出ていません。最後の13日間、入管単独室の監視ビデオは、急激に衰弱していく三島さんの姿を記録しています。亡くなる2日前の朝、三島さんは完全に脱力し、呼びかけにほとんど反応しませんでした。監守職員のバイタルチェックでも血圧、脈拍は測れませんでした。医療職ではない入管職員が、目の前で衰弱する被収容者を確認し、バイタルも取れないなら、大臣、直ちに救急車を呼ぶのが当然ではありませんか。ところが三島さんは、亡くなる前日も当日も、バイタルも取れないまま、万全と放置されました。最後、仰向けで右側に首をかしげたまま全く動かず、呼びかけにも体を叩かれても全く反応がなく、指先は冷たく脈も取れなくなって初めて、監守職員が愕然とした様子で「え」と小さく声を漏らす姿がビデオに記録されています。これが入管の言う容大観察です。大臣、名古屋入管は三島さんが求めていた点滴もせず、社会一般の医療水準に照らして適切な医療上の措置を取らなくても、回復するとでも考えていたのですか。被収容者を対等な一人の人間として向き合っているなら、こうした処遇はありえません。大臣は、入管収容の人権侵害構造をどう認識しているのですか。抗菌が抑鬱など精神的症状だけでなく、消化器系、循環器系など、身体的症状をももたらすことは抗菌反応と呼ばれ、刑事施設においては、遅くとも昭和40年代から対応が行われてきました。まして入管収容は無期限で、共生相関への恐怖など、先の見えない不安が受刑者より大きいことは、精神科医にとっては当然の認識です。ところが、入管当局において、これまで何の研究も行われてこなかったのはなぜですか。さらに重大なのは、同様の死亡事件は、上嶋さん以前にも繰り返し引き起こされながら、政府が個別事件に関わるので答弁を差し控えるなどと、実体解明と徹底検証に背を向け続けてきたことです。その解明なしに、本法案の審議はあり得ないのではありませんか。入管施設内における死亡事件は、2007年以降だけで18件に上ります。ところが入管当局は、そのうち5件でしか調査報告書を作らず、またそれを公表したと言いながら、ホームページに公表されているのは、有志間さんの事件と、2019年大村入国管理センターで起こったナイジェリア人らし事件の2件だけです。他の13件は特に検証の必要がないなどとして、報告書の作成さえしていません。大臣、これら死亡事件全てについて、亡くなった被収容者がどんな事情で収容されたのか、死に至るまでの経緯、収容期間、死因、そしてどのような医療上の措置がなされたかなどの観点を持って、第三者機関による検証を行い、国会に報告すべきです。有志間さんの295時間分存在するとされる監視ビデオ全ての国会提出を強く求めます。明確な答弁を求めます。法案は有志間さんを痛み、人道に反する入管行政に行き通る大きな声に包まれて、2年前廃案となった政府法案と骨格を同じくしています。これに対し、我が党を含む4会派5党は、入管当局による全権収容主義をやめ、収容期間に上限を定め、収容の必要性、合理性の判断は司法審査によることとすると同時に、難民認定行政は出入国管理行政から切り離し、独立した難民保護委員会を創設することを柱とした野党対案を提出し、その実現を強く求めます。大臣、まるで入管が在留外国人の政説余奪を握っているかのように、当局の裁量で無期限の収容が行われ、非収容者は自ら帰国意思を示すまで自由を奪われ続けることは、構造的な人権侵害にほかなりません。だからこそ、職員の不当な判断や差別的言動が再生産されてきたのではありませんか。今日、行政当局の裁量判断だけで、無期限に非収容者の身体の自由を拘束する制度が他にありますか。政府案は、3ヶ月ごとに収容の必要性を見直すとか、管理人制度の新設や、他方面の在り方見直しで対応するとしていますが、それらはこれまで通り、入国審査官の裁量に委ねられています。それでは全く変わらないのではありませんか。自由権規約委員会や拷問禁止条約委員会はじめ、国連機関からの厳しい批判を正面から受け止めるべきです。外国人の受け入れは国家が自由に決められる。法務大臣には広範な裁量がある。外国人の基本的人権は在留制度の枠内で与えられている、などとする入管思想は、憲法と国際人権条約に反する、時代錯誤に他ならないと考えますが、いかがですか。1951年に採択された国連難民条約と1967年難民議定書は、国際社会の法的合意として、各国に難民を保護する義務を定めました。ようやく1981年になって条約を、そして翌年議定書に加入した我が国も、難民を保護する義務こそを負っています。難民条約33条は、提案国は難民をいかなる方法によっても、人種、宗教、国籍、もしくは特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見のために、その生命、または自由が脅威にさらされる恐れのある領域の国境へ追放し、または送還してはならない、とするノンルフムルマン原則を定め、それはそのまま難民申請者に当てはまることは国際法の鉄則です。難民である可能性がある難民申請者は送還されてはならないのです。今日、入管当局は、自らの判断で退去強制令書を発布したら、入国警備官に帰国意思を示した者以外、全てを一括りに送還棄棄者呼ばわりし、令和3年末で累計3224人に上るとしきりに言います。ところが、その年の間に、新たに送還棄棄者と判断した人数、送還や難民認定、在留特別許可や死亡などで送還棄棄者でなくなった人数を聞くと、そうした統計はとっていない、というんです。驚くべき答弁ではありませんか。そこには、多くの難民申請者が含まれています。帰国すれば、迫害される恐怖を抱く難民認定申請者が、帰れないと答えるのは当然です。難民認定申請の送還停止後を乱用、悪用しているケースがある、と、もう入管は言いますが、何件あるのかと聞いても、数字は示せず、疑わしい、というだけではありませんか。一体、難民認定申請を乱用、悪用だと判断する基準は、大臣何なんですか。帰れない、という人、すべてを一括りにして、3回目以降の難民申請に送還停止口を認めず、送還に、強制送還に応じるか、帰国できなければ送還棄被罪で訴追されるか、被刑期待罪者に、理不尽な二者卓一を迫る政府案に、立法事実は認められません。複数回の難民認定申請で、難民性が認められた方は、数多くいます。難民不認定処分を困難な裁判で争い、裁判で覆った事件も、2003年以降、少なくとも32件、35人に上っています。一方で、裁判できないように、不認定の通知翌日に強制送還され、現に出身国内で、てんてんと避難生活を送っている人がいます。強制送還されて、出身国の刑事裁判にかけられ、そのさなか殺害されてしまった人もいます。これが難民認定行政ですか。難民条約と国際人権法に照らして、断じて許されないのではありませんか。我が国に保護を求め働き、共に暮らすことを願う、それぞれの当事者には、様々な帰国できない事情があることに、思いを至らせるべきです。差別と排斥ではなく、保護と強制こそ、急速に広がる国民の皆さん、当事者支援者、専門家の皆さんの声を真剣に聞き、徹底審議することを強く求めて、質問を終わります。

1:25:38

斉藤県法務大臣

1:25:58

2位、総閉議員にお答え申し上げます。まず、牛馬三玉里さんに対する医療的対応等についてお尋ねがありました。入管庁が外部有識者の意見を踏まえつつ、取りまとめた調査報告書では、ご指摘のように、牛馬さんの体調不良の訴えや、バイタルチェックの結果等に関する対応について、問題点として指摘しており、これを踏まえた改善策として、人権と尊厳を尊重しつつ諸項目を行うための、使命と心得の策定、非収容者の生命と健康を守ることを最優先に考え行動することを心構えとする緊急対応マニュアルの策定などを行い、職員の意識の改革等を図ってきたところです。次に、入管庁における抗菌反応の研究についてお尋ねがありました。非収容者に対しては、その状態に応じて医師の診療や臨床心理士のカウンセリングを受けさせるなどの対応を行っていることに加え、職員に対しても精神科医師等による研修を実施するなどして、適切な対応が行われるよう努めていることから、入管庁においては抗菌反応に関する研究等を行った実績はないものと承知しています。次に、入管収容施設の死亡事案についてお尋ねがありました。入管収容施設の死亡事案については、重く受け止めなければならず、死亡事案等が生じないよう適切に処遇を行うことは国の責務であると認識しています。過去の死亡事案については、発生の都度事実確認等を行い、その結果につき個人に関する情報であることにも配慮しながら、必要に応じて公表するなど適切に対応しており、さらなる調査報告は必要ないと考えています。次に、ビデオ映像の国会提出についてお尋ねがありました。ご指摘のビデオ映像については、これまで国会からの御要請や裁判所の訴訟指揮に適切に従うなどして対応してきましたが、さらに広くそのすべてを国会に提出することについては、保安上の支障の問題や、牛馬さんの名誉尊厳の問題があることに加え、継続中の訴訟に与える影響も考慮すると慎重にならざるを得ないと考えます。次に、入管当局の判断による収容についてお尋ねがありました。現行法下では、非収容者ごとに、個別の事情に応じて仮方面を柔軟に活用し、収容を解いているため、非収容者は、自ら帰国の意思を示すまで自由を奪われ続けるとの御指摘は当たりません。また、御指摘の行政当局の裁量判断による収容の制度について、網羅的一般的には把握していないことから、その有無につきお答えすることは困難です。次に、管理措置や仮方面についてお尋ねがありました。本法案は、管理措置及び仮方面について、判断基準や考慮事情を法律上明確化し、不許可とする場合などには、その理由の告知を行うこととするなど、判断の透明性を高めるための様々な仕組みを整備しています。これにより、合理的な理由のない不許可などを抑止し、判断の公平・適正さを確保できるので、現行法化と収容の在り方が全く変わらないとの御指摘は当たりません。次に、入管行政と憲法などについてお尋ねがありました。我が国では、憲法や我が国の締結する人権所条約に従い、出入国在留管理行政を行っています。その上で、最高裁判所、昭和53年10月4日大法廷判決は、憲法22条1項は省略がありますが、国際監修法上、国家は外国人を受け入れる義務を負うものではなく、特別の条約がない限り、外国人を自国内に受け入れるかどうか、また、これを受け入れる場合にいかなる条件を付するかを、当該国家が自由に決定することができるものとされていることと、その考えを同じくするものと解されると判示しており、現在においても、先例性を有しているものと認識しています。次に、ノン・ルフールマン原則についてお尋ねがありました。送還先は、ノン・ルフールマン原則を担保する、入管法第53条第3項に従って決定されるため、同原則に反する送還が行われることはありません。次に、送還被否者や難民認定申請の乱用事案等についてお尋ねがありました。一般論として難民認定手続状である者も、自らの意思に基づき退去を拒んでいる場合は、送還被否者に含まれます。その上で、我が国では、例えば殺人や強姦、刺傷等の重大犯罪での服役後に、複数回にわたり難民認定申請をする者、観光、留学、技能実習などの在留資格で入国した後に、本来の目的から外れた段階で難民認定申請をする者など、難民認定制度の誤用、乱用が疑われる事案もあるものと承知しています。最後に、我が国の難民行政についてお尋ねがありました。ご質問の前提事実が抽象的であることからお答えすることは困難ですが、我が国では、個別の申請者ごとに、難民条約の定義に従い、難民と認定すべきものは適切に難民と認定しており、難民条約は、いや、国際人権水準に照らし許されないとの御指摘は当たりません。

1:32:09

これにて質疑は終了いたしました。日程第一、平和的目的のための、月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力のための、日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組み協定の締結について承認を求めるの件。日程第二、航空業務に関する日本国と欧州連合構成国との間の協定の特定の規定に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件。日程第三、協力及び電子的証拠の開示の強化に関するサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件。いずれも衆議院送付、以上3件を一括して議題といたします。

1:33:29

まず委員長の報告を求めます。外交防衛委員長足立正志君。

1:33:52

ただいま議題となりました条約3件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。まず日米宇宙協力に関する枠組み協定は、我が国とアメリカ合衆国との間において、平和的目的のための月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力に関する基本事項を包括的に定めるものであります。次に二国間航空協定に関する日イーユー協定は、我が国とイーユー構成国との間の既存の二国間航空協定の特定の規定を日イーユー間の航空関係の現状を踏まえた内容とすることで、航空関係の安定的な発展に向けた基盤を整備するものであります。最後にサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書は、サイバー犯罪に関する協力及びあらゆる犯罪に関する電子的形態の証拠の収集をさらに強化することを目的として、定約国の権限のある当局の間の協力、他の定約国の領域内に所在する団体等との直接の協力等に関する追加の手段について定めるものであります。委員会におきましては、3件を一括して議題とし、日米宇宙協力に関する枠組み協定の締結の経緯、アルテミス計画の内容と日米宇宙協力の在り方、宇宙空間における日米の衛星等による情報の収集・共有、日イーユー協定締結の意義、サイバー犯罪条約の適用範囲第二追加議定書の下での迅速かつ円滑な操作協力を行う必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によってご承知願います。質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より日米宇宙協力に関する枠組み協定に反対、日国間航空協定に関する日イーユー協定及びサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書に賛成する旨の意見が述べられました。ついで順次採決の結果、日米宇宙協力に関する枠組み協定は多数をもって、日国間航空協定に関する日イーユー協定及びサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書は、いずれも全会一致をもってそれぞれ承認すべきものと決定いたしました。以上、ご報告申し上げます。

1:36:33

これより採決をいたします。まず、平和的目的のための、月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における協力のための、日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の枠組み協定の締結について、承認を求めるの件の採決をいたします。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。(賛成)過半数と認めます。よって本件は承認することに決しました。

1:37:26

次に、航空業務に関する日本国と欧州連合構成国との間の協定の特定の規定に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件、及び協力及び電子的証拠の開示の強化に関するサイバー犯罪に関する条約の第2追加議定書の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。(賛成)総員起立と認めます。よって両件は全会一致をもって承認することに決しました。

1:38:35

日程第4、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案、内閣請出、衆議院総補を議題といたします。まず委員長の報告を求めます。

1:38:59

厚生労働委員長山田博史君。

1:39:23

ただいま議題となりました法律案につきまして厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。本法律案は全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、出産育児一時金に係る後期高齢者医療制度からの支援金の導入、後期高齢者負担率の見直し、前期財政調整制度における報酬調整の導入、医療費適正化計画の実行の確保のための見直し、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、市町村による介護情報の収集、提供等に係る事業の創設等の措置を講じようとするものであります。委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、出産に関する費用負担のあり方、医療費適正化に向けた今後の取組方針、かかりつけ医機能の具体的内容、介護情報基盤の整備による効果等について、岸田内閣総理大臣にも出席を求め質疑を行いましたが、その詳細は、会議録によって御承知願います。質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主社民を代表して内越桜委員より反対、国民民主党新緑風会を代表して田村真美委員より賛成、日本維新の会を代表して安妻徹委員より反対、日本共産党を代表して暗林昭彦委員より反対、令和新選組を代表して天端大輔委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお、本法律案に対し、不対決議がされております。以上、ご報告申し上げます。本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。

1:41:44

内越さくら君

1:42:13

立憲民主、社民の内越さくらです。私は、会派を代表し、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。討論に先立ち、5月5日に石川県の都市法で発生した震度6強の地震によって、大きくなられた方に心より哀悼の意を表します。怪我された方の一刻も早い復元をお祈り申し上げます。また、その後の大雨もあり、避難生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げます。政府に対しては、激甚災害指定を含むあらゆる復旧復興策に、早急に取り組まれることを望みます。昨日未明には、千葉県南部を震源とする地震が発生しました。怪我をされた方の復元をお祈り申し上げます。これら地震の余震も心配されます。この1週間で震度1以上の地震は98回、震度4以上の地震は8回観測されていることから、政府におかれては万全の対策を取られることを求めます。さて、法案に反対する理由の第一は、立法府を軽んずる束根法案であることであります。束根法案は立法府を軽んじ、国会の審議を制約し、与野党の対立性を覆い隠し、審議時間をも省略しようとするものであり、政府与党にとっては誠に都合のよい法形式でありましょう。しかし、それゆえこれは法形式の堕落であり、禁じてであると断じざるを得ません。政府与党の猛政を促すものであります。今国会における原発運転機関の延長を盛り込んだGX脱炭素電源法案も、国民に争点を隠す悪質なものであり、このような政府の姿勢こそが、まず正されるべきなのであります。本法案の名称からして問題です。「揺りかごから墓場までを対象とする社会保障制度」において、「全世代対応型を謳う」とは頭痛が痛い、登山に登るというような根本的な語義矛盾なのであり、このような名称の法案を提出した厚生労働省、内閣法制局の見識を疑います。さて、私は令和3年6月4日の本会議において、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」に対する反対討論を行ったところであります。本法案の名称はこれに「持続可能な」が追加された長すぎるものであり、もはや言葉遊びとしか引用がありません。ただし、その内実はどちらも高級高齢者に一方的に負担増を押し付ける点で一致しており、それで法案名が告示しているのであれば一貫していると言えるかもしれません。加藤厚生労働大臣は、委員会質疑において、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、年齢に関わりなく全ての国民がその能力に応じて社会保障制度を公平に支え合うこういった仕組みにしていく。それが基本コンセプトであると答弁しています。したがって本法案は「幅広い国民が負担を分かち合う仕組み」という名のもとに、高齢者中心の給付を見直し、高齢者に新たな負担を押し付けるための社会保障制度改革法案なのです。しかも物価高騰の中、高期高齢者の家計を支援する仕組みは何ら考えておらず、負担増ばかりが優先されているのであります。委員会質疑でも指摘してきたところでありますが、負担能力別は経済成長期であればその効果が期待できるとしても、現在のような人口減少化における縮小再生産の局面ではサービス低下を食い止める要因にはなりません。負担能力別とは単なる負担の付け替えであり、改革の手法とは到底言えるものではありません。非常に疑わしいのは、前世代対応型よりも持続可能な社会保障制度の構築に重きがあるのではないかということです。今後の更なる少子化高齢化に向けて制度の存続そのものが自己目的化しているのではないでしょうか。こうした懸念に本改正は応えていないのです。たとえ制度が財政的に均衡して存続し得たとしても、加入者である国民に対するサービスを満たせないのであれば、その使命を果たせないのであります。反対の理由の第二は、これまで3年ごとに行われてきた介護保険制度改革は全くの脇役に追いやられている点であります。厚労省は昨年末までに、介護保険の給付と負担の見直しについて結論を出すことにしていましたが、自民党が後期高齢者医療制度の負担増と介護保険の負担増が重なることを嫌ったため、社会保障審議会介護保険部会の議論の取りまとめができなかったと伝えられています。介護保険部会においても先送りは許されない、具体的な取りまとめに至らず非常に残念だ、等の厳しい意見が出されていたのです。このように選挙対策に歪証化された本法案においては、国民のための介護保険制度改革など全く顧みられていないのであります。反対の理由の第三は理念なき出産育児一時金の増額であります。出産育児一時金は2009年から末を明かれたままであり、増額は遅きに失したものであります。出産費用の増額の根拠について厚労省は、その上昇要因を一概に定量的にお答えすることは難しいと答弁しています。これまでの積算根拠も将来見通しについてもはっきりしていない中では、岸田総理の言う「見えるか」などは到底困難です。今後も無責任でバータリ的な施策が続いていくことは明々白々です。地域間格差や公私間格差を解消せず、増額の積算根拠も将来の見通しについても曖昧なまま、全国一律で50万円とすることは、選挙前のばら撒きの阻止はまぬらかれ得ないでありましょう。地域間のばらつきに対してきめ細かな対応を行わなければ、高止まりに向かうであろうことは、医療保険部会等でも懸念されているところであります。しかもこの間、とりわけコロナ禍における合計特殊出生率の低下により大した支出増にもならないというのが政府の本音ではないでしょうか。その財源として、後期高齢者医療制度に負担が求められています。後期高齢者医療制度が創設された際、出産育児一時期の費用負担は対象外とされました。にもかかわらず、今回後期高齢者医療制度に拒否を求めることは、子育て世帯に金銭的にも社会的にも罰を与える、子育て罰に続く老人罰と言わざるを得ません。反対の理由の第4は、国民や患者が全く理解できないかかりつけ医機能の概念です。政府は、かかりつけ医機能とは、医療機関の機能として身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置、その他の医療の提供を行う機能と説明していますが、かかりつけ医機能とかかりつけ医機能はどう違うのかについて納得のいく問いは、遂になされませんでした。かかりつけ医機能の定義の法定化とは、患者本位の医療制度改革とは全く相入れないものでありましょう。そもそも、旧厚生省は1985年に家庭医に関する懇談会を設置し、1987年に報告書を取りまとめましたが、日本医師会の反発で挫折した経緯があります。かかりつけ医とは、旧厚生省の家庭医構想を嫌う日本医師会の側から提案された概念です。すなわち、かかりつけ医機能の定義の法定化とは、医療提供側と政府の調整のみが優先され、患者不在のまま進んだ生にへの議論なのであります。衆参の審議を通じて患者に手を取ってのメリットは遂に示されませんでした。患者不在のかかりつけ医機能の定義の法定化は見切り発車に過ぎるのです。医療は誰のものか、健康保険制度は誰のためにあるのか、政府は原点に立ち返って考えなければなりません。看板倒れの全世代対応型を掲げ、その内実は利用者不在の制度の財政的存続と高齢者への手当なき負担図を目論む本法案に対し、賢明なる議員閣員には反対されることを強くお願い申し上げ、私の反対討論といたします。

1:52:09

安妻徹君

1:52:27

日本医師の会の安妻徹です。私は会派を代表して、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。反対の理由は、この法案では少子高齢化の進む我が国において、社会保障制度を持続可能にするには全く不十分だからです。そもそも少子化がここまで進んでしまったのは、政治の怠慢によるものです。その反省が政府にも、これまでの与党の国会議員にもありません。今回の出産費用の一時金を42万円から50万円に増額することには賛成でありますが、これによって必要となる費用は630億円と見込まれております。これほどの額であれば、保険料引き上げ、高齢者をはじめ国民に負担を負わせるのではなくて、予算を見直し、財源を生み出していくことが容易にできるはずです。一進以外の国会議員は旧文書通信交通滞在費すら首都を公開せず、政治家の身を切る改革をせずに国民にばかり負担をつけます。今の政治のあり方にこそ大きな問題があります。また、出産育児一時金の増額について、増額自体には賛成でありますが、医療機関による便乗値上げ対策が十分ではありません。加藤大臣は医療機関に通知を出して、医療機関から妊婦の方々に費用の高さや値上げの理由を説明してもらい、妊婦の方々の判断・選択によって適正な形にしていく旨を答弁されていますが、そもそも選択できるほど、出産期の医療機関は多くないのが現状です。厚労省は、自ら便乗値上げの調査を行い、必要な対策をとるべきです。出産費用が保険の対象になれば一律の金額になりますが、それは3年後とされています。3年後と言わずに、1年でも早く導入できるよう努力すべきです。次に、かかりつけ医については、その定義が法案に示されていない上、かかりつけ医の登録制や質を担保するための認定制の導入も先送りとなりました。委員会の質疑でも確認しましたが、この内容では患者にとっては、これまでに何ら変わることがないと思います。かかりつけ医機能の報告も、医療機関が報告すべき項目は、外来医療の提供や入退院時の支援、在宅医療の提供など当たり前のものばかりで、参考人も指摘するとおり、今後一層の制度改正の必要があります。医師会が反対すれば、国民にとって必要な改革を簡単に先送りするようでは、国民のための社会保障制度は実現できません。政治側リーダーシップをとって、厚労省とともに、将来世代のためにやっていくべき改革を実現すべきです。続いて、医療法人や介護サービス事業所の経営情報について、都道府県知事への報告制度が作られますが、そこで働く人の職種別給与の報告は任意とされております。これでは、ここまでやってきた処遇改善策の効果が把握できず、中途半端なものととどまっております。医療や介護は、国民の税金等保険料などをもとに運営されている公的な制度であります。そうである以上、情報は原則開示されるべきであり、今回の法案は改革として不十分です。さらに、認定医療法人制度の期間延長は、医師会の要望に沿うだけのもので、厚労省自身、持分あり医療法人から持分なし医療法人への移行を積極的に進める機会がありません。持分あり医療法人は、昨年度末で37,490法人ありますが、実際に持分なしに移行されたのは、この制度ができた平成26年度以降の8年間で平均して年間150法人程度であり、このままのペースで進めば240年かかります。いつまでに移行が終えられるか、全く見込みも立てられません。この制度には、相続税や贈与税の優遇措置が含まれていますが、万全と制度を延長するのであれば、税の基本である公平な税制を歪めるのが続くだけであり、すぐにでもやめるべきです。医療と介護の連携と言われて、もう30年以上経ちますが、何も変わっていません。医療や介護のどこに課題があって、解決するためにどうしたらいいのか、厚労省が大臣を中心にもっと真剣に考えて、具体的な対策を講じていくことを求めます。最後に官僚の甘くなりについて申し上げます。国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題について、当初国土交通大臣は現役職員の関与を否定していましたが、介入を受けた企業の検証委員会における検証結果によれば、現役の国交省職員と当該企業に再就職していた国交省のOBとの間で、その時点では一般に公開されていない人事情報がやりとりされていたことが確認されるなど、大臣の発言と食い違う事実が出てきており、大臣に対して、役所から正しい情報が挙げられていなかった可能性もあります。甘くなり問題をOBだけに押し付け、組織の関与を意図的に否定しようとしていたならば、言語道断であり厳しい対応が必要です。数年前にも文科省で甘くなり問題が生じ、当時の事務次官が処分されました。現在の甘くなりを規制する法律は抜け穴が多く、いまだに甘くなりによる役所と業界の輸出額が続いています。これを改善することなしに、我が国の改革を行うことはできません。厚労省においても、OBが日本医師会の事務局長に甘くなりしており、それが医師会の反対する改革はできない原因の一つになっています。岸田総理はこの甘くなりによる勧途業の輸出額に対する新たな法案を提出いただき、我が国の改革を進めていただきたいと思います。これがないまま、防衛省の増額や少子化対策の財源として増税や社会保険料の引上げが行われ、国民の負担ばかりが増やされるのであれば、国民生活はさらに厳しくなり、経済に与える影響も大きく、国民は決して納得できないことを申し上げ、討論といたします。ありがとうございました。

1:59:18

次回予選:倉林明子君

1:59:35

日本共産党の倉林明子です。私は日本共産党を代表して、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。5月8日から新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが5類に引き下げられました。しかし、季節性インフルエンザの数倍という感染力があり、医療逼迫から国民の命が脅かされる危険があることは、何ら変わるものではありません。この3年間、医療崩壊、介護、福祉施設でのクラスターの多発、救急搬送の困難など深刻な事態が繰り返されました。入院治療ができず、福祉施設や自宅に留め置かれ、亡くなる事例も相次ぎました。これらについて、何の検証も反省もなく、医療機関への財政支援、検査、治療への公的支援を削減し、痛恨の事態を繰り返すことは断じて許されません。国の責任で国民の命と健康を守る施策の強化拡充を図ることを強く求めるものです。本法案の最大の問題は、75歳以上の高齢者の保険料を大幅に引き上げることです。負担増となるのは年収153万円以上の高齢者です。月12万7千円の年金暮らしに余裕などありません。激変緩和措置の対象とならない年収220万円では、年間11万2千円もの保険料となります。能力を超えていることは明らかです。単身で年収200万円以上の人たちは、昨年10月から医療費の窓口負担が2割になりました。その対象者について、日本高齢期運動連絡会が21年12月に行った家計調査では、1ヶ月の赤字が単身者でも10万円を超えています。月々の支出は、税金、社会保険料が4万円、介護費が4万5千円、保険医療費2万2千円と、2割かの前にもかかわらず、既に医療介護にかかる費用が家計を大きく圧迫しています。高齢者の多くは、定期的に受診が必要な病気を抱えて、貯蓄や生活費を削って、何とか受診しています。各種調査でも、年金が減り、物価高熱費が急増する中、受診を控え、食費を削り、貯金のめべりに怯える高齢者の姿が報告されています。ただでさえ過重な保険料をこれ以上引き上げることは、命を脅かすものであり、到底容認できません。重大なのは、高齢者への負担増は、これにとどまらないことです。介護保険の利用料2割負担の対象拡大、老健施設、介護医療員の多少質の質量負担について、今年の夏までに結論を出すとしています。2割負担の対象は、後期高齢者医療制度と横並びにすることも検討されています。多くの高齢者が医療費も介護保険も2割負担を強いられることも否定できません。老健施設、介護医療員は、自宅復帰を目指す施設です。自宅を維持しながら、二重の負担をすることは、低年金の高齢者には不可能です。新日本婦人の会が実施した介護保険利用者家族への調査では、食事代や部屋代、おむつ代など多額の保険外費用も加わり、本人の年金収入を超える介護費用に苦しむ実態が明らかになりました。月5万円を超える介護費用を負担している方が3割を占め、施設入所に限れば10万円以上の負担が7割を占めています。施設入所費など年金でまかないず貯金を切り崩すか、子どもたちが負担するのか、子どもが介護離職するのかなど、追い詰められた声が寄せられています。高齢者の負担能力を超えれば、家族が肩代わりするしかありません。現役世代のためと言いながら、その負担を増やし、生活までも脅かす事態をさらに広げるものであり、断じて認められません。出産一時期のため、後期高齢者医療から他の医療保険へ拒出することは初めての制度変更です。制度の根幹に関わる問題であり、今後保険料引上げをもたらしかねません。後期高齢者医療制度は、5割と法定化された公費負担が、3割負担導入に伴い47%まで減少しています。現役世代の負担軽減は、国庫負担比率を引き上げることで実施すべきです。法案に反対する第二の理由は、現役世代にも過酷な負担増をもたらすことです。本会議質疑でも加藤厚労大臣は、国民健康保険について、保険料水準の統一に向けた取組を加速化すると明言しました。これは間違いなく国保料の引き上げをもたらすものです。政府は保険料水準統一の前提として、自治体に公費の繰り入れを早期にやめさせるため、圧力をかけてきました。法定外繰り入れは、2016年、2500億円から670億円まで減少、自治体は独自の負担軽減策の取りやめに追い込まれ、国保料は高騰を続けています。全国に先駆けて、来年度の保険料完全統一を掲げる大阪府では、保険料が大幅に引き上げられ、全国の他都市と比べても際立って高額となっております。保険料統一を強行すれば、全国で同様の事態になりかねません。国保に加入する非正規労働者、フリーランスなど多くの若い世代が、さらに過酷な国保料負担を強いられることになります。本法案は、現役世代の負担軽減に、真っ向から反するものと言わざるを得ません。国の圧力で自治体を住民負担増、給付削減へと借り立てる仕組みは、撤廃すべきです。現役世代の負担軽減を本気で考えるのならば、国庫負担を抜本的に強め、保険料の引き下げに、今すぐ着手すべきです。国保のみにある均等割は、収入のない子どもからも保険料を徴収するもので、子どもが増えるほど負担は重くなります。少子化対策の一つとして、子どもに係る陣頭税となっている均等割は、すべて廃止することを求めるものです。第三に、今回の法改正により、国庫負担をさらに削減することも重大です。法案は、前期高齢者の医療給付における保険者間の負担の不均衡を是正する財政調整について、境界検保の負担を軽減するため、報酬水準に応じた調整を導入するものです。これに伴い、現在境界検保に行われている国庫補助が廃止されます。国庫負担は1290億円も減らしながら、健康保険組合、教材組合などに加入する労働者に負担増を課すことは重大な問題です。以上、本法案は、全世代型社会保障の名のもとに、全世代の国民に負担増を押し付けるものにほかなりません。世代間の助け合い、相互扶助を制度として強要し、国の責任を後退させる法案の撤回を求めるものです。政府はあたかも、高齢者の存在自体が現役世代の負担下のように、世代間に対立を持ち込み、社会保障制度を後退させてきました。命と暮らしを守る命綱は限界まで切り縮められ、生存権が脅かされています。参考人質疑では、全日本民主医療機関連合会の山本嘉子氏は、若い世代に申し訳ない、長生きしすぎたと高齢者に言わせる社会であっていいのか、高齢者が身を縮めるように暮らしている姿を見て、現役世代が明るい未来を描くのは無理だろうと問いかけました。社会保障を強助とし、その財源を国民の負担増で賄うやり方が、新たな貧困を拡大しています。能力に見合った負担というのであれば、富裕層、大企業にこそ大分の負担を求めることで、財源は確保すべきだと指摘し、討論を終わります。

2:09:53

これにて討論は終局いたしました。これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。過半数と認めます。よって本案は可決されました。

2:10:23

本日はこれにて散会いたします。ご視聴ありがとうございました

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