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参議院 憲法審査会

2023年05月10日(水)

1h26m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7433

【発言者】

中曽根弘文(憲法審査会会長)

15:05

ただいまから憲法審査会を開会いたします。幹事の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴い、現在、幹事が1名決院となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。幹事の選任につきましては、選例により会長の氏名にご一人願いたいと存じますが、ご異議ございませんか。ご異議ないと認めます。それでは、幹事に大塚光平君を指名いたします。日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。本日は、憲法に対する考え方についてのうち、参議院の緊急集会について、委員間の意見交換を所要1時間30分を目途に行います。発言を希望される方は、氏名表を立ていただき、会長の氏名を受けた後、ご発言願います。発言が終わりましたら、氏名表を横にお戻しください。1回の発言時間は、各5分以内でお述べいただき、法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め5分以内といたします。発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が長過した際は、ベルを鳴らしますので、あらかじめご承知願います。なお、ご発言は着席のままで結構でございます。それでは、発言を希望される方は、氏名表をお立てください。

16:46

堀井岩尾君。

16:48

自由民主党の堀井岩尾です。参議院の緊急集会について、見解を申し上げます。憲法54条2項の参議院の緊急集会の規定は、国会招集ができない場合に、緊急事態が発生した時に、でき得る限り民主政治を徹底しながら、暫定的な処理を可能とする制度と理解をいたしております。その上で、まず衆議院議員の不存在についてであります。これまでも我が会派から発言がありましたが、54条2項に明示されている衆議院の解散による衆議院議員の不存在、そして累推解釈から、衆議院の任期満了後で総選挙が行われる前が含まれると考えております。緊急集会を開く期間についてであります。衆議院の解散の場合、54条1項の規定により、最長でも70日間と考えられます。任期満了の場合は、公職選挙法や国会法により、最長で60日間となります。つまり、任期満了の場合を累推解釈で含めたとしても、解散時を超える期間にはならない、というふうに考えます。一方、解散あるいは任期満了により、衆議院議員が不存在となった場合に、大災害等が発生し、最長70日間を超えて選挙ができない時に緊急集会を開く、最長期間を例外的に柔軟に考えてよいのか、という議論もございます。憲法学者の方々の見解も必ずしも明確ではありません。ただ、緊急集会は、両院同時活動の例外であり、70日間を大きく超えることは、憲法の想定外ではないかと考えます。そこで、大災害等により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情がある時は、国民の生命・身体・財産を保護するため、内閣による緊急政令等で対処する考え方があります。民主政治のもとで、状況に応じた適切な対処ができるよう、緊急政令等についても、憲法に規定を置くべきではないかと考えます。この緊急政令等ですが、憲法制定時には、不足の災害の場合には、エマージェンシーパワーにより措置する考え方がありました。また、憲法学者の方々の中にも、そのような考え方はあります。憲法において、非常事態に対する措置をとる緊急政令等を実定化しているという国が大半という研究もございます。同時に、衆議院議員の不存在時に、非常事態に対応するための緊急政令等を民主政治のもとに置くという視点は大切です。そこで、行政監視に重きを置いてきた参議院の役割から、緊急集会による緊急政令等への一定の関与が考えられます。以上、論点の中から、衆議院議員の不存在と緊急集会を開く期間、そして緊急政令と行政監視について考えるところを申し上げました。その上で、改めて緊急集会の議論と併せて、衆議院、さらには国会議員の不存在や、召集不可能時への対応、そして他国の憲法にあるような緊急政令等の制度、これらに係る憲法改正の議論を進めるべきと申し上げます。同時に、緊急政令等への民主政治の統制として、緊急集会を活用することについても、参議院が率先して議論すべきです。そこで最後に、川崎参議院法制局長に伺います。参議院の緊急集会による行政監視機能の発揮、特に緊急政令等への行政監視について、法制的な観点から見解を伺いたいと存じます。川崎法制局長、お答えいたします。参議院の緊急集会は、衆議院の解散中において緊急の必要が生じた場合に、国会の議決等を要する措置を行政に兼ねることなく対処するためのものであり、その点では民主的な意味を持つものであると考えられます。他方、非常事態における緊急政令等の制度を憲法で設ける際には、国会の聴取が可能となった段階で速やかに、その承認や措置を求めるべきことが規定されるのが一般的でございます。そしてその場合には、現行の制度を前提とすれば、衆議院が不存在時においては、参議院の緊急集会を求めることを規定することが一つの案として考えられるのではないかと思われます。ちなみに、法律によるものではありますが、災害対策基本法等による緊急政令の場合にも、その制定後直ちに臨時会の聴取を決定し、または参議院の緊急集会を求めることが規定されております。以上のように、参議院の緊急集会の制度は、衆議院の存在時において緊急の必要が生じた場合に、参議院が行政の統制や監視の役割を果たすものであると位置づけることができるのではないかと思われます。以上でございます。堀井君、ありがとうございました。終わります。

21:41

杉尾秀哉君。

21:44

立憲民主主催者民の杉尾秀哉です。参議院の緊急集会についての過去2回の討論を踏まえまして、今回、私からは改めて、緊急事態における議員の任期延長などのための憲法改正は不要であり、むしろ危険ですらあるということを申し上げます。そもそも、参議院の緊急集会の制度導入の経緯たる立法事実とは、当時の日本政府が、自然災害大国である我が国の実情を踏まえて、GHQ草案にはなかった衆議院議員不在時の緊急の立法措置の仕組みが必要だという問題提起を行い、これにGHQ側が、内閣の国家緊急権で対処すればよいと応答したところ、最終的にこれに対して日本側が、「それでは、憲法に緊急権の定めが置かれていた、明治憲法以上の弊害の原因になる」と反論して、制定に至ったという事情があります。こうした経緯に鑑みれば、参議院の緊急集会は、明治憲法下での緊急勅令や緊急財産処分を認めず、国会中心主義の立場から、緊急時においても国会が対応しようとする制度であるということは明らかです。これについて、橋本君信元中央大学教授は、「日本国憲法は、国会中心主義を確立するため、明治憲法にあった緊急勅令や緊急財産処分のような権限を、行政府に一切認めないこととした」と解説。また、小林直樹元東大教授も、「参議院の緊急集会はあくまで、国会中心主義を貫こうという趣旨であり、現行憲法下では、緊急時においても、議会的コントロールなしに、立法や予算などの重要決定を出さしめないように考慮されている」と述べておられます。こうした観点から、緊急勅令などとセットで議論をされている緊急事態における議員の任期延長論を考えますと、数々の疑問点が浮かんできます。まず、衆議院の任期延長は、議員内閣制の日本の場合、内閣総理大臣の任期延長、つまり、延命を意味するということです。例えば、近年でも、ロシアや中国などで憲法改正によって、最高権力者の任期が延長される例が起きています。これらの国々は、民主的と言い難いとはいえ、日本のような民主国家においても同様のことは起こり得ます。こうした権力持続化の危険性を、私たちは十分に認識する必要があります。また、改憲後改法は、任制の枠内で設けられた参議院の緊急集会について、「任制の例外だ」との根拠のない主張をしていますが、先ほども述べましたように、緊急集会は、緊急事態に際しても、国会中心主義や国民主権を貫くために設けられた制度であり、もし、例外だから問題だというのであれば、議員の任期延長は国民主権の例外であることや、緊急整理を可能にする緊急事態状況が立憲主義など近代法の基本原理の例外であることこそ問題にすべきではないでしょうか。さらに、選挙権の制約という観点の重要性も指摘せざるを得ません。在外法人選挙権制限意見訴訟で最高裁大法廷は、議員を選挙で選定するという国民の権利は、議会制民主主義の根幹をなすもので、国民の選挙権を制限することは原則として許されないと明確に述べた上で、国が国民の選挙権の行使を可能にするための所要の措置を取らないという不作為によって、国民が選挙権を行使することができない場合も憲法違反であると、このように断じています。つまり、選挙困難事態という定義も要件もあやふやな事態を掲げておきながら、大災害等であっても一日も早く選挙を実施可能とするための投票環境の整備等の議論を行わず、任憲庁の改憲議論ばかりを進めようとするのは、最高裁が指摘したのと同じである。かかる状況で、選挙権の制約の議論を先行させることは、自ら国会議員の存在自体の正当性の根拠を失わせることにもつながりかねません。なお、憲法制定人に金森大臣も、国会議員の任期をその会期延長の形式をもって自ら伸ばすということは、はなはな不適当であろうと思います。ゆえに、憲法において正確に4年というふうに任期を作りまして、それによって自発的に会期の伸長はできない。そのときには必ず選挙に訴えて、果たして国民が国家と表裏一体化しているかどうか、現実に表さねばならぬ、このように答弁をされています。ここまで述べてまいりましたように、緊急時における衆議院の任期延長は、憲法制定時の経緯や国民主権、基本的人権の尊重、そして国会中心主義のいずれの観点においても、重大な問題をはらむものと言わざるを得ません。また、明治憲法下での緊急職令を早期させる、緊急事態下での緊急政令も、これと同様であることは、論を待ちません。私からは以上です。

26:39

西田誠君

26:42

災害等の緊急事態は政府に権限が集中することから、その活動を国会で適切に監視するため、むしろできる限り選挙を通じて議員の民主的正当性を確保する必要性が高いと考えます。なぜ憲法に議員の任期が定められているのか、それは定期的な選挙によって国民の代表性の不要を更新するためであります。でも関わらず、選挙をせずに議員の任期延長することは、その間解散は禁止され、総選挙が実施されないことから、国民から選挙の機会を奪うことになります。それゆえ、災害等でもできる限り総選挙を実施すべきであり、公職選挙法では国延投票の規定が設けられています。しかし国延投票では公平公正な選挙の実施が困難ゆえ、緊急事態が収束するまでの間、議員の任期延長等を行い、全国一律に投票を行うべきではないかとの指摘があります。しかし、1、現行制度において認められている国延投票制度そのものを否定するわけにはいかない。また、2、議員の任期延長がなされている間は、総選挙が実施されないとすれば、国民から選挙の機会を奪うことにならないか。そもそも全国一律に投票を行うべきとの憲法学説は見当たりません。衆議院解散後でも、緊急事態においては、全衆議院議員の身分復活を認めるという議論も衆議院で行われていますが、内閣府新任決議が可決されたこと等を受けて、憲法第69条に定める衆議院の解散がなされた場合、内閣と衆議院が解散、解消しがたい対立関係にもあるにもかかわらず、元衆議院議員が身分復活することで果たして機能するのか。また、衆議院の解散は内閣府新任決議の可決等におけるもののほか、内閣が国政に対する新たな民意を問うために行われるものであるところ、衆議院の解散により身分を失った元衆議院議員が復活して国政に関わる判断に関与することが適当と言えるのか、慎重な検討が必要であります。さらに、衆議院の解散は衆議院議員としての身分を失わしめる重大な行為であることからこそ、天皇の告示行為として国民に広く知らしめる形で確定的に行われるものであるにもかかわらず、容易に身分復活を認めてよいのかどうかについても検討が必要です。一方で災害等で一部の地域で投票ができない場合に、公選法に定める国の部投票を行うことは、比例区の当選者が確定せず、また、被災地等から選出された議員が不在になるという点において問題ではないかとの指摘があります。しかしながら、1、全ての国会議員は全国民を代表する存在であり、また、3議員の選挙制度は選挙区選出と全国比例による選出から成り立っており、被災地等の事情を含めた判断をし得る立場にあると言える。2、我が国の国会では定則数制度が取られており、そもそも特定の選挙区選出議員等が一定期間不在であったとしても、定則数を満たしていれば議会の構成そのものには可視はないとするのが基本ではないか。3、現行の選挙制度の下でも議員に決意が生じるために必ず補欠選挙を行うとはされていないことも踏まえる必要があります。ただし、これまでの議論にまったように、現行憲法が任性を前提として、3議員の緊急集会が後に衆議院の同意がないときには執行するという意味で、一時的、限定的かつ暫定的であることは否めません。そこで、いかなる緊急の事態でも、3議員の緊急集会プラス国の日投票で対応し得るという考え方を基本としつつも、原則緊急集会で対応するとしても、衆議院議員選挙が相当数の選挙区において長期間実施できないという極めて例外的な場合に、衆議院議員の任期延長または全衆議院議員の身分復活を認めるという考えはどうか。ただし、その場合であっても重要なことは、民主的正当性をできる限り維持することである。解散後、もしくは任期満了後の全衆議院議員の身分復活には、内閣の求めに応じて3議員の緊急集会を開催し、そこでの議決を伴うべきではないか。選挙で現れた3議員による議決により、その議決は民主的正当性を有することになります。任期を延長した場合や全議員の身分復活をした場合における、その検納の範囲は十分な民主的正当性を認めることができない以上、暫定的一時的なものとして位置づけるべきであり、憲法改正の発議や内閣主審議案の決議などは当然に不可能であります。また、議員の任期延長や身分復活の期間の上限についても、民主的正当性の観点から一時的な期間に限定すべきであります。以上です。

31:15

尾戸北俊君。

31:20

先月の審査会において、私は憲法第54条に規定された3議員の緊急集会の趣旨と必要性、またその限界についての認識をお示しした上で、憲法改正による緊急事態条項の新設について提言を行いました。本日は、衆議院の方ではかなり議論が煮詰まっているこの緊急集会の限界性について、もう少し詳しく意見を述べてまいります。我々が提言している緊急事態条項案、議員の任期延長案においても、3議員の緊急集会の重要性は、いささかも変わることはありません。しかし、そこには明確に限界があります。1点目の限界性は、長期にわたる場合を想定していないという点です。3議員の緊急集会の要件として、1、衆議院の解散中であること、2、国に緊急の必要があること、3、内閣の求めによること、という3つがありますが、このうちの1、衆議院の解散中であること、言い換えれば解散中にしか緊急集会が開かれないという限定された要件が、3個の想定されている緊急事態にそぐわないのではないかと考えます。なお、この解散要件については、衆議院の任期満了に累推適用ができるという意見もありますが、仮にそうだとしても、直後に衆議院の議決を求めていることからも、長期の緊急事態まで想定されているとは考えられません。緊急集会が想定しているのは、国政選挙を通常どおりに行える程度の状況、近いうちに国会が開会されることを前提としています。大規模災害の発生、感染症や戦争の拡大など、長期にわたる緊急事態が発生し、国政選挙の適正な実施ができない状態が生じた場合、参議院の緊急集会だけでは対処が困難になります。これが1点目の限界性です。2点目の限界性は、緊急集会の堅能における限界です。国会法によりますと、第99条第1項で、内閣が参議院の緊急集会を求めるには、内閣総理大臣から集会の期日を定め、案件を示して、参議院議長にこれを請求しなければならないとあります。次に第101条には、参議院の緊急集会においては、議員は第99条第1項の規定により示された案件に関連のあるものに限り、議案を発議することができるとあります。すなわち、緊急集会は、内閣の請求の際に、総理が示した案件に絞られています。その上で、集会を開く際に、総理が示せる案件について、幅広く設定することはできない。個別具体的に示さなければならないという考え方が主流となっています。国会法に例示やホワイトリストがない以上、行政の恣意的な暴走を防ぐためにも、個別具体的に示すことが必要であるという考え方は妥当であると考えます。なお、緊急集会は国会の権限を代行するものであるので、法律案の議決、予算の議決、条約の承認など、国会の権限に属するすべてを議することができるというのが通説でありますが、誤解してはならないのは、緊急集会には一般的にそうした権限がある中で、総理が初めに提示した個別具体的案件しか国会で議論ができないということです。しかしながら、1点目の限界性で述べたような長期にわたる緊急事態が生じた場合、当然、当初想定した案件のみを議論するだけでは足りなくなる。国会の権限すべてを行使することが求められる可能性が出てくること、これは大いに予想されます。参議院の緊急集会の検納では対処できない課題自体が出てくる。これが2点目の明白な限界性です。こうした2点の限界を踏まえて、やはり緊急事態条項が必要であると考えます。繰り返しになりますが、いかなる緊急事態にあっても、国会機能や任性の原則を維持し、権力の統制を果たすことは極めて重要であり、選挙が実施できないことによって、国会議員が不在となる事態を避けるためにこそ、憲法改正、緊急事態条項の制定が必要なのだということを強調しておきたいと思います。これは何も、現行憲法における参議院の緊急集会の存在意義や検納を軽視するものでは全くありません。しかしながら、安全保障環境の激変や大規模災害発生のリスク、そして100年ぶりに感染症の蔓延を経験した我が国にとって、参議院の緊急集会では補いきれない、長期にわたる緊急事態は想定をしておくべきであり、そうなった際にも、行政の暴走、権力の暴走を止めるためにも、緊急事態条項、議員の任期延長の項目の創設につき、早急に前に進めるべきである。この参議院の緊急集会の検納や議論についても、早急に取りまとめを行うべきであると申し上げまして、私からの意見とさせていただきます。ありがとうございました。

35:47

船山康恵君。

35:51

国民民主党新緑風会の船山康恵です。参議院の緊急集会の規定について、意見を述べさせていただきます。現憲法は世界の中でも条文数も文字数も著しく少なく、余白の多い憲法と言えます。そのため、条文の変更を経ないままに、政府による恣意的な解釈の変更が何度も行われてきた歴史があるのは、ご承知のとおりです。また、学説の解釈が大きく分かれるような条文も多いわけですけれども、今回のテーマである参議院の緊急集会に関する条文もその一つであり、例えば衆議院議員の任期満了による総選挙の場合にも緊急集会が開けるが否か、その期間はどのくらいかという単純な問いかけに対しても解釈が分かれるような状況にあります。このままでは、いざ実際にそういう事態が発生した際に大混乱に陥るのは必死であり、行政府による権力の乱用を防ぐという憲法の重要な役割が失われる事態にも招きかねません。にもかかわらず、いつまでも両論平気のままで放置し続けるというのは、立憲主義の危機であると同時に立法府の怠慢ではないかと私は考えます。改めて、曖昧さを払拭するためにも、憲法の議論は必要です。私たち国民民主党は昨年末、緊急事態条項の条文案をまとめました。憲法への緊急事態条項の追加を検討というと、戦前の軍部の独創や、ドイツのナチス大統のように、緊急事態に名を借りて政府が好き勝手に暴走するのではないか、国民の権利が奪われるのではないか、といった懸念の声がたくさん聞こえてきます。緊急事態では、平時よりも強度の措置が必要とされる場合もあります。そして、どうしても国全体が正気を失いがちになるというのが、歴史の教訓です。新型コロナ発生の初期を思い出してください。突然、何の法的根拠もなく、学校請求項や営業自粛要請が内閣府から一方的に宣言され、国会の関与もないまま、国民の権利が侵害されました。こうした反省を生かし、逆にどんな緊急事態でも同じ歴史を繰り返さないよう、あらかじめ権力乱用を防ぎ、民主的な統制を強めるための基準を整備すべきです。私も、日本をはじめ世界各国が自然災害、感染症の蔓延、武力攻撃、テロなど、想定外の緊急事態に幾度も直面しています。だからこそ、内閣の暴走を止めるための手段として、手続的統制、すなわち国会野菜交際による関与統制、内容的統制、すなわち人権制限の限界、緊急事態でも絶対に犯してはいけない権利の範囲などを規定する緊急事態、権力統制条項を設ける必要性を訴えています。こうした緊急事態と現懇願憲法による参議院の緊急集会を切れ目なく組み合わせて、あらゆる緊急事態下においても、国民の生命と財産、そして人権を守れるような法制度を構築することが立法府の責務であると私は考えています。先般、国民民主党が日本維新の会、有志の会とまとめた緊急事態条項の条文案では、議員の任期延長の実態的要件として、武力攻撃、内乱テロ、自然災害、感染症の蔓延、その他これらに匹敵する事態の発生と、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において、国政選挙の適正な実施が70日を超えて困難であることが明らかであることを挙げています。実態的要件に70日を超えて困難と入れることで、緊急集会と議員の任期延長の住み分けを明確に図っているものです。緊急集会の機能はやはり一時的、暫定的なものであって、その期間には限界があり、70日を超える長期にわたってまで無制限に緊急集会を開けるようにすることは、規定の乱用にならないかと懸念しています。まず、70日を超えて緊急集会を開くことの妥当性について、法制局長に御所見をお伺いします。もう一点、緊急集会における予算の議決についてお聞きします。憲法54条3項には、全項正しがきの緊急集会において取られた措置は臨時のものであって、次の国会開会の同じ10日以内に衆議院の同意がない場合には、その効力を失うとあります。この条文はやはり緊急事態は、あくまで臨時の措置だということだと思いますけれども、長期にわたる予算の議決が共有されるのか、この2点についてお聞きします。川崎法制局長、お答えいたします。まず1点目の、衆議院の解散後70日を超えて緊急集会を開くことができるかどうかの問題でございますが、先生がおっしゃられたように、緊急集会は例外的限定的なものであり、憲法はそのようなものは想定していないという消極的に対する見解が一方でございます。その一方で、衆議院総選挙や特別会の招集ができない状況が続いている中で、緊急の必要があるのであれば、緊急集会で対応せざるを得ないと考える見解もあるものと承知しております。これらを踏まえて先生方でご議論いただく問題であると考えております。もう1点、予算の関係でございますけれども、基本的には緊急集会の対象となるのは緊急の必要性があるものに限られること、特別会が招集されるまでの間の暫定措置であることを考慮して判断されるべきであります。しかしながら、実際に特別会の招集が困難な場合として様々なケースが想定されるところであり、その時々の状況に応じて必要な予算が内閣から緊急集会に提出されることになるものと考えております。以上でございます。時間を過ぎておりますので、おまとめください。はい、ありがとうございました。改めて、権力乱用を防いで民主的な統制を強めるためにこそ、緊急事態状況による任期延長と緊急集会のあり方、この速明け等も含めた議論をしっかりと行っていくべきだということ、そのためにやはり憲法にも書き込むべきでいるということ、このことを申し上げ質問を終わります。ありがとうございました。

42:10

山添拓君。

42:11

日本共産党の山添拓です。4月12日の党審査会で参議院の緊急集会が憲法に規定されるに至った経過について、法制局に質問し、次のような答弁を受けました。すなわち、日本政府側は当初、緊急事態において、法律または予算に変わる閣例の制定を可能とする案を提案していましたが、これは明治憲法の緊急勅令あるいは緊急財政処分が念頭に置かれていました。総司令部との交渉を経て、緊急集会の規定が設けられることになった理由について、当時の政府は「民主政治を徹底させて、国民の権利を十分擁護するために、行政権の自由判断の余地をできるだけ少なくするように考えた」と説明しており、これは権力分立を維持し、それにより国民の権利保障を全うする立憲主義を貫くことを考慮したものでした。天皇主権の明治憲法と国民主権の日本国憲法とでは、いわゆる緊急事態への対応はおのずから異なります。憲法制定議会で金森大臣が述べたように、政府の一存で行うような処置は極力防止しなければならず、国会制度の趣旨を徹底して実行するため、緊急の必要が生じた際には臨時国会を招集して対応し、衆議院の解散後は参議院の緊急集会で対応することとされたものです。加えた日本国憲法は、戦争を放棄し軍隊を持たないとする求助を掲げました。成文憲法を持つドイツ、フランス、イタリアなどでは、主として戦時の緊急対応のために緊急権を定めています。明治憲法の非常体権や戒厳令も、戦時や国家事変を対象としていました。一方、二度と戦争をしないと宣言した日本国憲法の下では、戦時対応に名を借りた緊急事態条項は必要なくなったという点も想起されるべきです。したがって日本国憲法は緊急事態条項をあえて定めず、権力分立による権利保障を貫く在り方を追求した結果、国際的にもユニークな緊急集会という規定に結実したことを重ねて強調するものです。ところがこの間の当審査会では、フルセットの緊急事態条項を設けるべき、憲法に緊急制令の規定を設けるべきなど、日本国憲法の制定に至る議論をおよそ無視した意見が散見されます。看過できません。自民党の2012年日本国憲法改正草案や、2018年改憲条文イメージ叩き台草案、また今般維新の会や国民民主党などが発表した条文案は、いずれも緊急事態に議員任期を延長する特例を盛り込んでいます。法制局によれば、明治憲法下で唯一衆議院任期が延長された例は、1941年、台北海戦に向かう情勢下でのものでした。今日のような緊迫した内外情勢下に、短期間でも国民を選挙に没頭させることは、国政について不必要に都閣議論を誘発し、不必要な摩擦競争を生ぜしめて、内政外交上はなはだ面白くない結果を招く恐れがある、などとされたものです。1年後の1942年、政治家に総選挙を行ったのは、議会の殺心を期し、政治力の欠収を図ることがむしろ戦争遂行のため禁用であると考え、戦争の真っ只中であえて総選挙を断交したとされます。議員任期の延長も、その後の選挙も、世論を封じ、戦争を推し進めようという内閣と多数党の思惑に利用され、侵略戦争を一層深刻化し、内外でおびただしい犠牲を招いたという、厳然たる事実があります。日本国憲法が議員任期の延長を定めず、衆議院の総選挙の間は参議院の緊急集会により対応することとしたのは、この痛苦の歴史を踏まえたものに他なりません。5月3日、憲法施行76周年の憲法記念日に、東京有明で行われた憲法集会には、コロナ禍後、最も多い2万5千人が集まりました。北海道から沖縄まで、各地で憲法を守り生かそうと声を上げる取組も行われました。日経新聞とテレビ東京の世論調査では、憲法への緊急事態条項を創設に、賛成41%に対し、反対が48%と上回っています。共同通信の世論調査では、会見の機運が高まっている、どちらかといえば高まっている、計28%に対し、どちらかといえば高まっていない、高まっていないが、計71%と多数を占めました。毎日新聞の世論調査では、岸田首相在任中の会見について、賛成は35%、反対が47%と上回りました。1年前と賛否が逆転しています。コロナ危機やロシアのウクライナ侵略に乗じて、緊急事態法のために会見が必要と煽る議論が重ねられてきました。しかし、こうした危機を経てなお、会見は政治の優先課題とはなっていません。今求められているのは、憲法を徹底的に活かす政治であり、乱暴かつ前のめりに会見論議を重ねることではないことを強調し、意見とします。

46:53

山本太郎君。

46:57

参議院緊急集会について、衆議院任期満了時には緊急集会を招集できるのか、70日間以上開催することができるのかなど、運用面の限界を指摘する意見が結構出てきていますよね。確かに、衆院任期満了時や緊急集会の期間について、憲法には規定はないです。これらの課題は、憲法に沿った解釈と運用ルールで解決できることだと私は思っています。つまりは、必要に応じて衆院任期満了時にも開催する。必要に応じて70日以上開催もできる、と憲法解釈すればいいだけのことだと。それほど無理のある話ですか、これは。例えば憲法9条。9条をそのまま読めば自衛隊は違憲ですが、13条と合わせて考えることで合憲だとこれまで解釈してきたわけです。国民の生命財産を守る上で必要であるということから、これほどまでの解釈も可能となったと。参議院緊急集会について、今のままでは緊急集会を70日以上開けない。任期満了時は無理だ。憲法改正が必要だという論立て自体、無理があるんじゃないですか。国民の生命財産を守る上で必要があり、憲法に沿った解釈がなされるならば当然、70日を超えても開催できると考えるのが筋ではないでしょうか。これまで好き勝手に解釈しまくって立法までしてきた者たちが、緊急集会などに関しては憲法改正が必要だと。悲壮感たっぷりに訴える意図は何なんでしょうか。欲しいのは憲法改正を私たちの手で行ったという形でしょうか。それに加えて事実上の白紙委任、緊急事態条項を手に入れたいということでしょうか。他国に加えられた武力攻撃を阻止することを、その内容とする、いわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと言わざるを得ない。このように従来、政府は、集団的自衛権は憲法上認められないという見解を示してきました。集団的自衛権は本来、憲法改正をしなければ容認できないものです。それを憲法改正の手続きは一切踏まずに、解釈変更の閣議決定で容認、強行採決で立法化しました。憲法改正が当然だと言いながら、本来は立法する以前に必要である憲法改正をやらずに、解釈だけで数の暴力で、強権的に立法化したのはなぜですか。4月30日、NHK日曜討論で衆院憲法審査会の幹事、自民、進度議員は、今の憲法は占領下で防衛力を放棄させられていたときの憲法だから、自衛の範囲や実力組織についての規定がない。だから憲法に、規定のない武力行使や集団的自衛権を一般法で定めてきた。今度は安保法制に書き込んだことを、憲法に後付けで盛り込むのだと、そういった趣旨の発言をされていました。現行憲法98条。この憲法は国の最高法規であって、その上記に反する法律、命令、省總、及び国民に関する、そのほかの行為の全部、または一部はその効力を有しないとあります。憲法を飛び越えた立法は許されない。これさえ理解していない者が国会議員であり、憲法審査会の幹事を務めていることに、同じ国会議員としてではなく、一有権者として危惧します。憲法尊重擁護義務が公務員にはありながら、その感覚が全くない。呆れるのではなく、非常に危険な状態だと考えています。話を解釈に戻します。参議院の緊急集会の開催要件や期間を広くとる憲法解釈と、集団的自衛権の合憲解釈、どちらにより憲法解釈上の無理があるでしょうか。言うまでもありません。終わります。

51:15

山田博史君。

51:19

自由民主党の山田博史でございます。今まで議論をお聞きしておりまして、一点だけまず最初に法制局長にお聞きをしておきたいんですが、54条の解釈として、40日以内に衆議院解散されて、40日以内に選挙、そして30日以内に招集ということの中で、70日の中で初めて緊急集会開かれると。さっきも質問がありましたけれども、それを超えた場合の緊急集会というものは、基本通設では考えられない、想定されていないので開けないと。こう解釈をしていいんでしょうか。

51:55

川崎法制局長。

51:57

お答えいたします。憲法学者はその点についてはっきりと議論をしていないところがございまして、そういう意味で通設がどう考えているかというのは、なかなか難しいところがございますけれども、70日を超えて緊急集会をすることができないという議論においては、緊急集会の例外性、限定性、一時的なものであるというその性格から憲法は想定していないという議論がなされているところでございます。

52:24

山賀君。

52:26

つまり何も定まっていないと、そのときでいいと考えるしかないと。むし70日を超えてずっと100日、200日続いた場合ですよ、この危機の場合。そのときに緊急集会を内閣が招集した場合、国内ではそれは違憲じゃないかというような議論、合憲じゃないかという議論があって、開くことすらも大変な問題に直面するんじゃないかと。こういうふうに思います。そのときに開けなかった場合、今度は一体どうやって緊急の予算を上提するんだという問題が起きてきますから、やはりこれまで放っておいて解釈でやればいいんじゃないかというのはあまりにも乱暴すぎる。私はそう思っております。やはり危機は我々の想定したとおり来ないんですよ。それが危機なんだから。70日で終わるなんてありえない。だいたいもう最悪の機会、最悪の事態を想定するのが政治家の仕事でしょう。最悪の事態、つまり衆議院も参議院も直下型地震でもう全く開けない。または戦争になってしまって全く開けない。こうなったとき一体どうするんですかね。緊急集会もヘッタクレもないよねこれ。だけれどもそうなったときにやはり早めに人命を救わなきゃいけない。先日2004年の私の杉並区長時代の中越地震の経験を申し上げましたけど、もういざ危機というときは早く行動していかないと人命は救えないんですよ。だから迅速性が大事で、正確性は後なの。だからそういった意味で言えば、迅速に行動していかなきゃいけないときに予算も立てられない。それから新たな法令も作れない。こんなような事態で本当に人命を救えるの。直下型地震のときはどう。日本が戦争に巻き込まれてしまったときはどう。そういうときに人命を救っていく。これを最優先する政治がやっぱり行われなきゃいけないときに、そのときを想定してちゃんとレールを引いておかないと、いざというとき対応はできないと私は思います。そういった意味では今まで何人かの委員さんがお話になったように、当然最悪の事態、つまり衆議院参議院がもうぶっ潰れて、誰も立ち上がれなくて行われないときに、政府は何らかの対応をしなきゃいけないときに予備費も作れない。そうなってしまったら一体どうやって予算を執行するんですか。その場合はやはり政府が国会に代わって当分、当分の間、必要なですね予算措置を取る。つまり緊急財産処置処分。そしてまた法令をきちっと政府が定める緊急政令。こういったことをするのは当たり前のことじゃありませんか。やはりそういった国民の生命をまず第一に救うのであって、憲法を守って国民の命が失われるなんていうのはね、逆ですよそれは。だからそういった意味では、静かに聞きなさい。そういった意味では、このまま行くとですよ、超法規制措置の連続になりますよ。1979年か、77年か、DACCAで関軍が日本航空の飛行機を、拝着したときに、彼らの要求ですね、賠償金を出せとかですね、みのしろ金を出せとかですね、または刑務所に入っている自分らの仲間を外へ出せとか言ってきまして。そのときに当時の首相はですね、人命は地球よりも重いとか言ってですね、全部要求を呑んじゃったわけです。こんなような超法規的な措置を連続させるということになりますよ。そういったことが二度と起きないようにしていくためには、我々立法府があるんじゃないかと、こう考えております。そういった意味では、ぜひ前に議論を進めてほしいと。人命を救うことが先、憲法はそれに合わせる。それが私は原則だと考えております。

56:22

辻元清美君。

56:24

立憲民主社民の辻元清美です。本日、何人かの委員から出された緊急時における内閣による緊急政令等について意見を述べます。会見を主張する自民党などが、緊急事態の対象として挙げている事態、1、大規模自然災害事態、2、テロ・内乱事態、3、感染症蔓延事態、4、国家有事・安全保障事態については既にある法律、災害対策基本法109条、国民保護法130条及び93条、新型インフルエンザ特措法53条に、緊急事態の際には、内閣は次の各号に挙げる事項について必要な措置を取るため、政令を制定することができるとあらかじめ書かれており、さらに政令対応が必要な事項があるのならば、平時の時にこそ既にあるこの枠組みに追加していくことが現実的であり、憲法改正の必要はないと考えます。既に物資の供給制限、物価統制まで入っています。金融債務のモラトリアム、支払猶予も入っています。さらに必要な事項があれば、緊急事が発生してからバタバタと対応を考えるのではなく、あらかじめ平時から必要な対応を検討し、必要事項があれば追加し、法律改正しておくことこそが立法府の責務だと考えます。例えば、感染症まん延事態、5月8日に新型コロナ対応が変わりました。この機会を捉えて検証をしっかり行い、緊急時の政令対応が必要な事項があれば、シンフルエンザ特措法の58条、緊急政令事項に追加しておく必要があります。災害対策基本法では、阪神淡路大震災の時に、この緊急政令の項目が議論され追加され、さらに東日本大震災後の発災の翌年の2012年にも改正され、さらにその後、南海トラフ地震を想定し、政府審議会で検討を重ね、2013年に南海トラフ地震型の対応も追加されております。この改正を取りまとめたのは、当時の山谷恵子災害担当大臣です。この時、山谷大臣の下で、政府審議会からも、参議院の緊急集会すら開けない事態での緊急政令も、加えるべき事項があるのか一切ないと、一つも指摘されていないのが現状です。取りまとめをされた山谷元大臣は、緊急事態について憲法改正が必要だと主張されているようですけれども、矛盾しているんじゃないですか。必要事項があるのならば、なぜ大臣の時に、既に法律に規定されている緊急事態の政令、制定に追加をされなかったのか、その議論しなかったのか、私はその理由を教えていただきたいと思います。4月の12日の本委員会で、中曽根会長に、会見による緊急政令の対象分野や、具体的事例、立法事実を自民党などに、本審査会への提示を求めましたが、本日に至るまで一つも提示されておりません。この国会が閉会されるまでに、平時の今こそ考えて、どんなことが必要だから、政令が必要なのか、一つでもご提示いただきたいと思います。引き続きの御検討をお願いします。会長いかがでしょうか。ただいまの件につきましては、御刻、幹事会において協議いたします。私は東日本大震災の時に、総理補佐官で被災地対応をしました。この時も緊急事態の政令が必要だと、会見を言った人たちがいます。しかしですね、現場の自治体の長が反対の声を上げたんです。むしろ災害の時は、福島でも宮城でも、それから岩手でも対応が違うんですよ。ですからむしろ中央政府の権限を緊急事態だからといって強くするのではなく、知事の権限を強めてくれという意見でした。コロナでも同じですよ。地域によって全く違いました。そういう現状をしっかり見た危機対応を、今こそやっとくべきなんです。会見とおっしゃいますけれども、今やりましょうよ。その中身を、ここで議論を。そして最後にもう一点申し上げます。東日本大震災から3ヶ月も経っていない緊急事態の末裁中に、自民党などは内閣不信任案を提出しました。緊急時には選挙ができないので、衆議院の任期延長し、またその場合の内閣不信任案の議決や解散の禁止という会見を主張しながら、危機の末裁中に内閣不信任案を提出したのは自民党ですよ。おっしゃっていることとやっていることが全く矛盾しているんじゃないですか。これでは衆議院議員の任期延長も、会見の単なる口実に過ぎないのではないかと、申し上げておわります。

1:01:41

安江信男君。

1:01:43

緊急集会の限界はどこにあるのか。議員の任期延長等の要否とその内容を決するためにも、この点を明らかにすべきと述べてまいりました。これまでも繰り返し指摘をされておりますが、憲法の規定を通乱するだけでも、緊急集会に対して国会と完全に同等の権限を付与することが困難であることについては、異論がないところかと思います。すなわち緊急集会は、任性の例外として位置づけられ、緊急の必要があるときに、内閣の求めによって初めて開かれ、開会期間も分離上は最長70日を予定し、そして緊急集会において取られた措置は臨時のものであって、次の国会開会の後、10日以内に衆議院の同意がない場合には、その効力を失うものと規定をされております。以上の規定を踏まえましても、緊急集会の機能は限定的であり、かつ暫定的であると解すべきです。特に緊急集会は70日を超えて長期間開会されることが、明示的には予定されていないことは、大きな憲法的課題と考えます。70日を超えてから緊急集会での対応が全くできないということを、憲法が想定していないと考えたとしても、少なくともこれを超えてからは、緊急集会の憲法上の許容性は、刑事的に後退すると考えざるを得ません。その意味するところは、緊急集会の民主的正当性の後退と言えます。したがってこの点については、まさに現行憲法の想定していない限界事例と捉えて、対応を検討する余地があると考えます。もっとも緊急集会の具体的な機能の範囲が必ずしも明らかとは言えない状況は、整理されるべきものと考えます。参議院法制局作成に係る資料におきましても、この点については、解釈上議論があると指摘されております。緊急集会の限界を補う一つの法度として、議員の任期延長等を論じ進めるのであれば、この解釈上議論があるとされている点について、参議院として一定の見解を示すことは不可欠と考えます。また前回も、以前も指摘させていただきましたが、緊急集会において議員が発議できる案件の範囲についても同様と考えます。今後本審査会に有識者を招くなどして、この緊急集会の見能の範囲や議員が発議できる案件の範囲についても、議論を深め共通認識を得られればと考えております。さて、議員の任期延長等について、緊急集会の限界を隠した上での本格的な論議を当然望むところでありますけれども、衆議院等が先行していることを踏まえ、確認ないし留意すべき点を指摘しておきたいというふうに思います。まず衆議院の優越の有無についてです。衆議院の憲法審査会等では、議員の任期延長等の要件として国会の承認が挙げられております。しかし、特に衆議院議員の任期延長等を承認する場合に、衆議院の優越は認められるのでしょうか。一般的にその根拠として、衆議院は参議院に資して任期が短く、解散もあり、選挙を通じて国民の民意を反映しやすいという点に、その優越の根拠が認められているとすれば、任期を得れば議員としての身分を失うべき状況にあるわけですから、本来的には民主的正当性が高低ないし喪失していると言います。したがって、任期延長等の判断において、衆議院の優越の根拠は失われていると言えないでしょうか。これは、任期の更新に当たっても度用です。そうであれば、任期延長等の国会の承認には、衆議院の優越は認められないと考えます。自明の理かもしれませんけれども、この点は重要な点として指摘しておきたいと思います。また、衆議院議員の任期延長等の判断において、選挙を通じた民主的正当性がより保持されている参議院が、遷移すべき事柄であることは言うまでもありません。次に、在任中の任期延長等と、解散または任期満了に伴って身分を失っている際の延長等、すなわち、全議員の身分復活を同等の手続で論じることについては、その妥当性について検討の内があると考えます。なぜなら、前者はその時点においては、民主的正当性が担保されている状況での判断にはなりますが、後者はそれが喪失された状態での判断であり、両者は質的に異なる状況での判断と言えるからです。そこで例えば、後者の場合については、まずは民主的正当性が担保されている緊急集会において、衆議院議員の身分の復活を決し、その上で任期延長等について国会の議決を行うとすることが、国民主権の厳禁にかなうではないかというふうに考えております。最後に、任期延長等を経た議員で構成される委員の措置の効力についてです。その委員の措置は、本来の選挙を経ていないもので構成された委員の判断という点において、民主的正当性が少なくとも、後退した状態での判断とも評価できます。そうであれば、それらの措置を補完するための作用として、緊急集会の措置が、事後的に衆議院の同意を要するのと同じように、将来に向けてその効力を有するためには、選挙を経た議員で構成をし直した委員による同意が必要ではないでしょうか。問題提起とさせていただきます。いずれにいたしましても、憲法が想定をする民主的正当性が保持された参議院の意義を明確にしていくことが重要と考えていることを指摘させていただきまして、私の意見表明とさせていただきます。

1:06:31

朝田等史君。

1:06:35

日本維新の会、朝田等史です。私たちが日本維新の会を立ち上げた目的の一つが、統治機構の改革、すなわち新しい時代に相応しい文献型国家の設立であり、グローバルに展開する都市環境争に負けない都市の構築です。新しい国家を形成していくということは、その基本となる新しい憲法をつくっていくことと同義です。法の支配、人権、民主主義等の価値は重視しながら、新しい憲法の柱として統治機構改革、教育無償化、憲法裁判所の設置を立法初期の改憲項目に掲げたゆえんです。繰り返し述べていますが、憲法改正を最終的に決定するのは国民投票なので、改憲項目について国民レベルでの議論が必要です。国民の皆さんが議論していただくのに必要な前提、すなわち現行憲法についての問題点、また改正提案の内容と理由を知っていただかなければ議論は前に進みません。本日のテーマは4月5日に続いて参議院の緊急集会です。参議院の緊急集会については、緊急集会を超えて立法府のあるべき論から緊急事態条項の必要性をお解きた議員が先告発言しましたが、これは5月5日の本審査会での発言を敷衍したものであります。審査会会長にお尋ねしたいのですが、合区解消と参議院の緊急集会について一体何度議論すればよいのでしょうか。起言を切って一定の結論を得ないことには次のテーマに移ることができません。またこれも繰り返し述べておりますが、現行憲法は米軍の占領下、マッカーサー総司令官、ホイットニー民政局長、ケイリス民政局次長ら、GHQと日本政府側との交渉を経て制定されたものです。日本政府が再び戦争を起こすことがないようにすることを目的の一つとしたことは当然のことだと思いますが、今日に至る国際情勢、とりわけ東アジア情勢の変化を見るにつけ、我らの安全と生存を平和を愛する諸国民の公正と真偽に信頼して保持しようと決意したとした宣言内容が、もはや通用しなくなっていることを認識すべきです。日本が武器を持つことがなければ、世界の平和は維持されるという大前提はすでに崩壊しています。核兵器とミサイル開発に余念がない北朝鮮は、平和を愛する諸国民の中に入るのでしょうか。また、ウクライナに3800発以上のミサイルを発射したと言われるロシアは、平和を愛する諸国民の中に入るのでしょうか。さらに、2030年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有することを既としているとされる中国は、公正と真偽を信頼できる諸国民の中に入るのでしょうか。中国の習近平国家史跡は、中国民族の偉大な復興の実現が近代以降の中華民族の最も偉大な夢だと思うと、就任直後から台湾統一という自分の夢を語っています。不幸なことに、我が国は、これらすべての国々と国境を接しています。しかも、いずれの国とも領土問題を抱えていますが、この中で日本にとって一番脅威となるのは、中国による台湾侵攻だと考えます。アメリカが台湾の救援に向かうときは、集団的自衛権を行使できない日本がどのような広報支援をするかという問題ですが、中国が中国にとっては、台湾に属する尖閣諸島を奪取に来るとき、これが我が国にとって最大の危機だと思われます。したがって、中国にいかに台湾への武力侵攻を断念させるかが、我が国の最大の課題です。そのために、いかに抑止力を強化するか、同時に最悪の事態に備えて、実力組織である自衛隊に関する議論のみが先行しているように見えますが、憲法9条の中身も議論対象にすべきではないでしょうか。例えば、9条にある「国の公選権はこれを認めない」にある「国の公選権」「The right of the legality of the state」という言葉は、いかなる国際法時点にもない言葉です。我が国に認められないこの公選権とはどういうことを意味するのか、明確にするための大議論は不可欠です。本日のテーマは、参議院の緊急集会についてでした。しかし、緊急集会だけでは十分ではないので、緊急事態条項の創設が必要であるという提案をさせていただきましたが、これだけでも十分ではありません。全く説得力のない憲法全文はこれで良いのか、私たちの世界認識はこれで良いのか、現行憲法ができてから、今日に至る現実の変化が、現行憲法に問いかけるものはたくさんあります。以上でございます。文明については、幹事会で協議していきたいと思います。

1:11:31

古生春友君。

1:11:35

自民党の古生春友です。私は、日本国民は非常に不幸だというふうに考えております。というのは、自分たちの手で憲法をつくったこともなければ、この76年間、憲法改正の機会に一度も恵まれていないということです。今日は、衆議院任期満了後の参議院の研究集会が認められるかどうかについて、意見を述べさせていただきます。憲法54条2項は、衆議院が解散された場合というふうに、明確に解散というふうに書いております。解釈でこれを認めるということになれば、この解散の中に任期満了が入るかどうか、そういうふうにこの分離から読めるかということが言えなければなりません。しかしながら、任期満了は解散とは明らかに違います。これに違って、解釈でこの任期満了の場合も含めるというのは、私は根本的に間違っていると思います。しかも、この解釈、読めるかどうかというのは、一般人を基準にして考えるべきですけれども、一般人を基準にしてもそのようには読めないと思います。ただ、累推解釈をするという説がある、というふうなことをお伺いしました。しかしながら、私は憲法の条文を累推解釈することは妥当ではないというふうに考えております。その理由は次のような点です。まず第一点、権力者により事故に有利に累推する恐れがあるからです。二番目に、この一定の国民の権利を制限する場面で、累推解釈するということは妥当ではないと考えております。刑法において、累推解釈は禁止というのが、もう大前提になっております。それから、例外的緊急的措置である以上、厳格にこれは限定して解釈すべきであろうというふうに考えております。さらに憲法は国の根本規範ですので、これに累推という累推解釈、あるいは累推を適用することは間違っているというふうに思います。したがって、原則通り、解散以外の自由でこういう緊急事態に対処するためには、憲法を改正しなければならないというふうに考えます。で、憲法に違反するかどうか、これについてこの立法府の場で議論したとしても、最終的にそれが裁判所に認められなければ、憲法違反ということになります。憲法81条は、違憲立法審査権は裁判所にあるというふうに書いてますから、いくらここで国会でこういうふうに解釈する、こういうふうにすればいいんじゃないのと言ったとしても、それが裁判所で認められなければ、最終的にはひっくり返される、そういう運命になろうかと思います。で、先ほど申しましたように、解散の中に任期満了は含まれないというふうに考えております。で、合憲説、これは解釈の問題と必要性の問題を混同しているのではないかと思います。必要性があることは私も認めます。しかしながら、それは憲法をきちんと原則どおり改正して、その必要性を満たせばいいのではないかと思います。合憲か違憲かという不毛な議論に、それによって終止符を打つべきであろうと思いますので、ぜひ憲法改正をして、この問題に終止符を打つべきではないかというふうに考えております。以上です。

1:15:47

内越さくら君。

1:15:50

立憲民主社民の内越さくらです。最近の衆参の憲法審査会で、選挙の実施が困難な場合には、国会議員の任期を延長できるよう改憲すべきだとの主張が展開されていますが、立法事実も定かではなく、また内閣の権限乱用の恐れと国民主権の原理への弊害を拭うことはできず、反対です。任期延長を唱える主張において、肝心の「選挙の実施が困難な場合」という要件は曖昧です。曖昧なままでは、どのような事態でも選挙の実施が困難な場合に該当すると認定でき、恣意的な乱用の歯止めにはならず、権力の抑制と均衡が崩れてしまうからです。選挙の実施が困難な場合の前例があります。1974年7月7日、三重県の一部で台風8号の影響で選挙が実施できない地域で、クリーノ米投票が実施されました。今でも国会議員の補欠選挙が数ヶ月行われないこともありますが、特に問題とされていません。比例代表でも投票できる地域は確定させ、投票できない地域はクリーノ米投票で対応すればいいだけです。この点、会見を主張する5会派は、参議院の緊急集会は、任性の例外と主張します。参議院の緊急集会は、緊急事態に際しても、国会中心主義を貫くための制度です。国会中心主義は、明治憲法時代の立法二元制の反戦に立った原則です。明治憲法の下では、緊急勅令や独立命令など、議会を通さない立法の仕組みがあり、そのため民主主義的基盤のない立法がなされた反戦に立って、日本国憲法は41条で、国会が唯一の立法機関であると定め、国会中心主義を原則としたのです。参議院の緊急集会は、緊急事態に際しても、国民主権を貫徹させるための制度です。緊急集会が例外だから問題だというのであれば、議員任期延長は国民主権の例外の例外であり、明治憲法下における緊急勅令や緊急財政処分こそが、立憲主義という近代法の基本原理の例外であることと同様に問題ではないでしょうか。参議院の緊急集会は、明治憲法の反省を踏まえて設けられたものです。いたずらに議員任期延長論に傾き、例外に例外を設けようとすることは、選挙権の保障に関する国会の怠慢との阻止理を免れません。立憲主義や民主主義をわきまえない不憲式は避けるべきです。かつて我が国では衆議院議員の任期延長が一度だけ行われました。1941年に衆議院議員に任期延長法が特例法として立法されたのです。明治憲法には衆議院議員の任期の定めがなかったから可能だったわけですが、今一度当時の背景を振り返ってみましょう。延長の理由とされたのは、今日のような緊迫した内外情勢下に、短期間でも国民に選挙に没頭させることは、国政について不必要にとかく議論を誘発し、不必要な摩擦競争を生じせしめて、内事外交上、はなはな面白くない結果を招く恐れがあるのみならず、巨国一致防衛国家体制の整備を邁進しようとする決意について疑いを起こさせめぬとも限らぬので、議会の議員の任期を延長して、今後ほぼ1年間は選挙を行わぬこととしたと、第76帝国議会新法律の解説の中で解説されています。憲法学者の高見勝利先生は、任期延長は、戦争遂行の国内体制を整備するためのものであったというのが、少なくとも我が国における衆院議員の任期延長の実例が示すものであると厳しく批判しています。私には、国会議員の任期延長は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に損することを宣言した日本国憲法全文からは最も遠いものに感じられます。そういえば、10年前の2013年、憲法96条、憲法改正の発議要件緩和が議題になっていました。今では全く聞きません。感染症対応の不手際を憲法のせいにしようとしてでしょうか。一昨年、昨年は感染症対応が主たる話題となりましたが、手当てでできてしまうことが明らかになったからか、最近は下火です。会見自体が自己目的化しているかのように、その都度その都度進められそうなテーマに飛びついてはブームが去り、また次のブームに飛び移る。そんな会見自体が自己目的化した議論は、私たち参議院は避けるべきです。以上で私の意見表明といたします。

1:20:42

小林和弘君

1:20:46

自由民主党の小林和弘です。発言の機会いただきありがとうございました。党審査会では今国会、これまでの参議院の緊急集会について2回、委員会の意見交換を行いました。以下、いくつかの論点に対する委員会の意見交換の状況について、私たちの認識図書館を申し述べさせていただければと思いますけれども、その前に、先日も石川県の都地方で大きな地震がありましたが、改めて我が国の大規模自然災害、特に甚大な被害をもたらした震災について少しだけ触れたいと思います。本年は東日本大震災から12年、阪神淡路大震災から28年、そして関東大震災からちょうど100年の伏見です。各震災の規模は関東大震災がマグニチュード7.9、阪神淡路大震災がマグニチュード7.3、そして東日本大震災の規模はマグニチュードで8.8とされています。私の地元新潟県も、昭和39年の新潟地震以降、たびたびマグニチュード6代後半から7代半ば規模の震災に見舞われていますけれども、ここ東京でも首都直下が地震への備えが国家規模の喫緊の課題となっておりますけれども、マグニチュードが1上がるたびに地震のエネルギー量は飛躍的に動在するため、どの程度の規模の地震が発生するかにより、国会周辺をはじめとする首都東京の被害状況も大きく変わるものとされます。現在主に衆議院で緊急事態に関する議論は、パンデミックへの対応はもとより、北朝鮮の弾道ミサイルへの対応等、平時とは異なる時限の事態への対応が課題となっていると理解していますけれども、国民の生命と財産を守る責任を担う私たち国会議員が、国会の重大な危機に対してどう向き合うかが問われているものであり、私たち参議院としても緊急集会の議論とともに、現実的な課題として緊急事態の対応に取り組んでいくべきものと思います。さて、本審査会で緊急集会の議論についてですが、まず衆議院議員の任期満了による予想選挙の場合に、緊急集会を開くことについて各委員から様々な意見がありました。これを容認する意見が多かったと思いますけれども、さらに議論を重ねるべきとの意見もありました。また、緊急集会を開く期間については、最長70日間とする旨の御意見、また70日を超えることも共有する旨の御意見がありました。この点、現行国会法の102条の2に基づき、緊急の案件が全て議決されたときは緊急集会が終わったことを、議長が宣告することとなっているように、その期間は緊急集会において扱う案件の範囲とも密接に関わるものと思います。次に、緊急集会で議員が発議できる議案の範囲については、事実上広いものである旨の意見、内閣による広範中小的な案件の設定等は本当に譲らないかとの意見。広範な措置を随時講ずる必要がある場合は、包括的に案件を示そうかないとの意見。緊急集会中に国の緊急の必要性がある新たな案件が発生した場合に、総理大臣が新たな案件を示し、議員側もその新案件に関連する議案を発議できるようにする旨の提案など様々な意見がありましたが、緊急集会で議員が発議できる議案の範囲については柔軟性を持たせることを認めるべきと考えています。また、緊急集会の検納の範囲については、解釈上の議論があるとの意見、国会の検納のすべてに及ぶとの考えの下、特別会の招集を待てない程度の即時に対応すべきものに限り広く認められるとの意見。認定の例外として国会と同等の権限を認めることは困難との意見、緊急の必要性のないものや案件の性質上、参議院単独で扱えないもの以外は認められる旨等の意見がありましたが、これらは総論的な方向性とともに、内閣総理大臣の氏名、内閣府信任決議、条約締結の承認等具体的な対象についても本院としてさらに議論を進めるべきと思います。なお、国会議員の任期延期長については、憲法改正により認めるべきのご意見、憲法改正により認めることに反対の旨のご意見がございましたけれども、私自身は憲法に定められた参議院の緊急集会の意義を十分に踏まえた上での丁寧な検討が求められていると思いますし、本院におきましても緊急集会のあり方について具体的な議論が一層進むことがこの問題を考える上での大前提であると考えますので、さらに議論が深めることを望んでいます。加えて、先日の審査会でも申し述べさせていただきましたけれども、私たち参議院の緊急集会の制度が十分に活用されるか否かは、内閣の求めがあった上でのことであり、本院が今後とも主権者である国民の皆様はじめ、関係各省からの信頼を培っていけるような活動が求められていることを申し述べて発言とさせていただきます。ありがとうございました。

1:25:11

小川千駿君。

1:25:15

私からは緊急集会の歴史的な意義を中心に意見させていただきます。衆議院の議員任期の延長の議論では、緊急集会が災害などの憂鬱を想定していない平時の制度であると繰り返し述べられています。しかし、それがまさに憲法制定の立法事実に反することは、今まで2回の本審査会での議論で明らかになっています。また、実はこのことは、東日本大震災と国家緊急件の議題で開催された平成24年5月16日の本審査会において、当時、常治大学法科大学院教授であられた高見先生より、緊急集会と罰則の委任に当たるような規定はGHQ総案には全く存在しなかったということが起点であります。そこで、政府案の起訴の際に、日本側から、我が国では毎年のように台風や地震などの大災害に遭っているが、こうした大災害が突発し、しかも衆議院の解散などで国会が開けないとき、緊急に立法措置等を講ずる必要が生じた場合にどうするかを想定化したわけであります。これに対して、GHQ側は、当初、この場合には、内閣が超憲法的な国家緊急件で対処すれば良いと応答しています。そこで、日本側は、これから憲法を作ろうとするときに、超憲法的な運用を予想するようでは、憲法に緊急件の定めが置かれていた明治憲法以上の弊害の原因になる。すべてが憲法の定めるところによって処理されるようにすることが、むしろ筋道なのではないかと反駁したのであります。この正論に対して、GHQ側は、反論に急使、憲法54条の参議院の緊急集会と、73条の政令への罰則の委任の規定が明記されることとなったのであります。緊急集会と災害対策基本法などの緊急政令制度の立法経緯が、ご説明されているところです。したがって、緊急集会は平時の制度であり、それがゆえにこの開催期間は72日間が限度などの主張は、憲法と我が参議院をないがしろにするものと言わねばなりません。また、憲法制定議会の金森担当大臣による民主政治を徹底させて、国民の権利を十分擁護するため、そして前回も申し述べましたが、どんなに政治なる憲法を定めましても、公実をそこに入れて、また、破壊せられる恐れ絶無とは断言しがたいとの緊急集会の根本趣旨は、どんなに強調しても足りないものです。この1年以上、衆議院の憲法審査会の会見派において、この金森大臣の根本趣旨が語られることはなく、議員任期の延長と緊急政令の会見議論が行われていることは、権力の乱用を防ぐために作られた緊急集会の根本趣旨も議論せずに、乱用可能な憲法改正を議論するというものであり、まさに立憲主義への理解が問われる事態と言わねばなりません。そして、緊急集会の立法事実である明治憲法の弊害たる戦前の権力乱用には、1928年の政府の緊急勅令による治安維持法の解約や日中戦争を理由とした1941年4月からの1年間の衆議院議員の任期延長があります。日本の歴史において、最も国民の判断が問われるべき時に、総選挙が実施されませんでした。このことが、戦争の惨禍をもたらした一因と考えることもできます。このように、改憲による緊急勅令によって、通常の衆参議会では立法できない法律が制定される危険、さらには任期延長が時の総理や国会多数派に乱用される危険に真正面から向き合い、緊急集会の意義を確認し、むしろその機能強化の議論を行うのが、日本国憲法下の私たち国会議員の使命であると考えます。こうした歴史の教訓から考えると、今、憲法の臨時緊急制度は乱用されているとも言えるのではないでしょうか。前回の私の意見で、幹事会協議事項とさせていただいた、コロナ禍での政府与党による臨時国会招集義務違反です。この協議事項について、いまだ回答がないものと承知しておりますが、このほかにも、我が参院憲法審査会には、憲法9条の違憲問題などの幹事会協議事項が積み上げられています。平成26年の本審査会の附帯決議には、立憲主義及び憲法の基本原理に基づいて、徹底的に審議を尽くすと明記してあります。最後に、中曽根会長、いまだに宿題となっている平成28年から平成30年まで並びに、昨年の第208回及び第210回国会の協議事項について、改めて幹事会協議案件として、本審査会でしっかりと議論することを求めさせていただきます。また、今回私は資料の配付を求めましたが、許可いただけませんでした。同じ内容を昨年は配付させていただいております。今年は、なぜ認めていただけなかったのか、そのご説明もお願いいたします。以上、私の意見とさせていただきます。

1:30:50

熊谷裕人君

1:30:53

ただいまの件につきましては、後刻幹事会で協議をいたします。

1:31:04

熊谷裕人君

1:31:06

立憲民主社民の熊谷です。憲法54条によって衆議院解散と総選挙の間は40日以内、総選挙と国会招集の間は30日以内とそれぞれ限定されています。これは議会制の歴史を反映しているのです。解散は議会と行政府の対抗関係が端的に現れる場面であり、取り分け解散をした後の選挙結果が行政府にとって望ましいものでないときに、再度の解散をあえてすることすら歴史にあったからで、この40日と30日は行政による解散権の乱用を防ぐためであり、行政府による解散後に選挙は無制限に延期され、民意に基づかない長期政権が継続することを防ぐ目的もあると認識していますし、そのような可能性はこの憲法54条及び70条によってはっきりと否定されたものになっています。任期延長を主張する皆さんの案を見ると、延長中に解散禁止が必要とされています。だとすれば解散権乱用の危険が少ない、緊急の事態に際して70日を超えて参議院の緊急集会を開催するのは、緊急の事態の際にはやむを得ない対応であると考えるのが自然ではないかと考えています。そして緊急集会の解散期間を70日間とするのは論理的な整合性はないし、法的な根拠はないと考えています。参議院の緊急集会を要求するか、いかなる措置を求めるかは内閣の判断であり、そもそも緊急集会が要求されない可能性もあると思います。そして衆議院が存在しない状況で、参議院の緊急集会を認めないのであれば、緊急の事態の法理に依拠するなどして、内閣が単独で必要な措置を講じる事態を招きかねません。さらに憲法が定める制度をできる限り用いて、権力の抑制と均衡を確保することが憲法の趣旨にかなうことであり、だからこそ緊急時にも国会が機能するには、両院同時活動の原則の例外としての参議院緊急集会制度は、国民主権の観点から衆議院の任期満了時にも認められるべきと考えるのが必然であると私は考えています。また、仮に議員任期を延長しても、国会が召集されて議論が行われなければ意味がありません。私は以前に臨時国会開会要求に応じない歴代内閣の態度は、憲法53条違反であると指摘しています。まずは、憲法53条違反に関しての立法措置を具体化するための論議が必要だと思っています。参議院緊急集会の効力を70日間とした上で、緊急の事態であるならば、内閣は自らに不利な状況であれば、国会を召集することがあり得るということがないようにしなければならないと考えています。議員任期延長となれる皆さんは、そこをどう考えているのでしょうか。憲法53条の臨時国会召集に関する政府解釈は、幹事会協議事項にもなっているので、次回の党審査会までに、特に与党の皆さんには明確にしていただきたいと思います。緊急事態を口実に、選挙もせずに、議員任期を延長し、長期政権を可能にすることの方が、過去の歴史を踏まえると、比較にならないほど危険であると考えています。参議院憲法審査会で議論されている、緊急事態を名目とする、議員任期延長の憲法改正は、民意に基づかない長期政権維持の手段を権力者に与える危険性があり、こうした憲法改正は、国民主権の観点からも危険だと思っています。国民の代表者である議員を選挙によって制定する国民の権利は、国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利として、議会制民主主義の根幹を成すものであります。国民の選挙権またその行使を制限することは、原則として許されず、たとえ緊急の事態の下にあっても、できる限りの投票環境の整備を事前に行わないことは、国会の不作為であり、その下で憲法改正による議員任期の延長ばかり、論議を進めようとするのは、先ほどの杉尾幹事の発言でもあった最高裁の判断と同様ではないかと思っています。このことを考えみれば、選挙自治困難要件を定めるのではなく、緊急の事態の下であっても、選挙を実施するための所要の措置を取ることが必要であり、措置を取らないことは国会の不作為となりかねず、まずは選挙実施を可能とする郵便投票の拡充やオンライン投票の法整備などの所要の措置を考えなければいけないと思います。最後にもう一つ、与党の皆さんが議員任期の延長が必要だと唱えるのであれば、よもや衆参ダブル選挙などが行えないような法的措置を整備するべきと私は提案して、意見としたいと思います。

1:36:16

山本太郎君。

1:36:18

緊急事態状況をつくりたいという議員たち、参議院緊急集会を70日以上開けない国会の空白を生まないために衆議院任期延長が必要だと主張される方々、この国会の空白期間が生まれることはならぬと主張する方々の中には、これまで国会の空白期間をつくり出してきた常習犯であった、そんなような話をしたいと思います。70日を超える、しかも大幅に超える国会の空白を、自公政権は意図的に繰り返し生み出してきました。それも困窮する国民にとって、待ったなしの非常時に空白期間をつくり出すんです。早急な補正予算編成、緊急対策が求められるといった状況で空白を長引かせるのが特徴です。2021年6月16日、通常国会が終了。次の臨時国会までの空白期間は109日間続きました。憲法53条に基づく野党からの国会招集要請は無視。コロナ禍に苦しむ中小企業も国会審議を求めていたのに無視。当時は第5波の真っ只中、医療機関はパンク、感染者は自宅で放置されていたのに無視。菅政権は国会を開かずに退陣です。自民党は国民の苦境に見向きもせず、総裁選に明け暮れて、ようやく成立した岸田政権で10月4日に臨時会招集。大した議論もなく、10日後に衆院解散。2020年通常国会終了後、コロナ禍で医師会などは法整備のための早期国会審議を求めていました。しかし、安倍のマスク批判から逃れるためにも安倍政権は野党の国会招集要請に応じず、空白期間は90日間にも及んだ。他にもまだまだあります。共謀罪を強行に成立させた直後、2017年6月18日に安倍政権は国会を閉じた。次の臨時国会まで101日間の空白。盛りかけ疑惑の追求から逃げたと批判される件です。そして安倍政権は9月28日、臨時国会を開くも途端に衆院解散。この時の解散の理由が国難突破解散。国難とは何ですかと問うた場合に、これ消費化が国難なんですというふうに総理もそうなど答えてるんですね、何度も。消費化が原因で国難突破する必要があると。で、今になって何やってますか。異次元の消費化対策。2017年から具体的な対策取られてなかったということの証拠じゃないですか。話を戻します。国会の空白づくりの常習犯。自民党が。70日以上国会が開けなかったらどうするのか。憲法改正だと。さも深刻に心配する姿が非常に白々しく映ってしまいます。国会の空白期間を心配するなら、100日を超えて国会を放棄し、国民を放置してきた。通り討略、保診のために国会の空白期間を常習的に作り出してきたことへの反省を述べることから始まなければお話になりません。当初、本日は参考人質疑を行う予定でしたよね。参考人の日程が調整できないからこのような形での開催となった。何も無理やり開く必要はないんですよ。参考人の調整がつかないなら審査会の日程を延期すればいいだけなんですね。毎週開催することで回数を積み重ね、意見は出尽くした、議論は尽くした。そういって憲法改正に誘導したいんじゃないかなって疑いたくなっちゃうんです。本来議論すべき数々の意見状態について、何も審議せず緊急事態状況絡み、改憲ありきと思わせるような毎週開催は不健全。これは国民から憲法審査会への信頼を失わせるものだと思っています。国民の優先順位は改憲ではなく目の前の生活。30年に及ぶ不況の中でコロナにぶっかたか、憲法違反状態の中で苦しむ国民の現状をしっかりと議論することが優先順位の最上位ではないですか。政治的野心達成のためではなく、国内の安全保障を30年間放置し、国民の多くを傷つけたことへの反省も踏まえた上で、本審査会のテーマ設定をもう一度やり直す必要があると考えます。終わります。他に御発言もないようですから、以上で委員間の意見交換を終了いたします。本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。よろしくお願いします。

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