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参議院 財政金融委員会

2024年03月28日(木)

0h16m

【公式サイト】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=7835

【発言者】

足立敏之(財政金融委員長)

柴愼一(立憲民主・社民)

柳ヶ瀬裕文(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

小池晃(日本共産党)

熊谷裕人(立憲民主・社民)

0:55

ただいまから財政金融委員会を開会いたします。委員の異動についてご報告をいたします。昨日までに、藤木真也君、桜井美鶴君、大江聡君及び竹見恵三君が委員を辞任され、その補欠として松山正治君、山本佐治子君、井口直樹君及び門広幸君が遷任されました。所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。法案に対する質疑は、すでに終局しておりますので、これより討論に入ります。ご意見のある方は、賛否を明らかにしておのうえ願います。

1:36

柴信一君。

1:38

立憲民主社民の柴です。柴信一です。私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。直近の日本経済は、バブル崩壊後失われた30年とも呼ばれる長期で触れ、まさにコストカット型経済からの脱却に向けた動きを始めています。3月期の上場企業の純利益は、過去最高を更新することが見込まれ、今春等での賃上げ率は、約30年ぶりの高水準を実現した昨年を上回る予測もあります。日経平均株価は、史上最高値を更新、日本銀行は、金融政策の正常化に向けて一歩を踏み出しました。今こそ30年続いたデフレから完全脱却し、経済の好循環を実現するため、企業収益の果実を幅広く国民全体に行き渡らせる分配政策が必要です。その観点から見ると、本税制改正案の内容は、不十分と言わざるを得ません。賃上げ促進税制は、総務省の政策評価や、財務省の内部勉強会で指摘されるように、本税制が企業の賃上げを促進しているのか、その因果関係は不透明なまま拡充されることとなります。業績が好調で賃上げ現金が潤沢な大企業は、減税措置がなくても賃上げが可能です。そうした大企業への減税は縮減し、その財源を用いて中小企業の賃上げを後押しする、直接支援を行うべきです。一部の自治体では、中小企業の賃上げを実現するため、直接補助金を支給する制度を実施している実例があります。地元企業の厳しい実態を踏まえ、実効ある支援を実践する、自治体の取り組みを見習い、政府も急ぎ、有効な中小企業の 賃上げ政策を検討すべきです。所得税の低額減税について、すでに22ヶ月連続で実質賃金はマイナスであり、国民は長らく物価高に苦しんでいます。実施されるが本年6月では、物価高対策としては遅きに失しています。なぜ迅速かつ事務負担も軽減される給付としなかったのか、政府は減税こそデフレマインドの払拭に繋がるため、所得の上昇をより強く実感していただけると主張しますが、企業や自治体に膨大な事務負担をかけてまで、減税に固執する政策効果は、最後まで明らかになりませんでした。将来的には防衛増税に加えて、子ども子育て支援金の保険料負担増も待ち受けています。相矛盾する方針を政府が見直さない限り、今回の低額減税が国民から理解され、初期の政策目的を達成できるはずもありません。政府は国民負担をめぐる方針を統一し、国民に分かりやすく示すべきです。我が国における租税特別措置は、世界の研究機関からもその不透明性を指摘され、世界でもその評価は低位にあるとされています。また、巨額の税収減に見合うだけの政策効果が上がっているのかも疑義があります。戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制は、最終生産者である大企業や知的財産権等の資本を既に保有する企業への減税につながるだけです。減税ではサプライチェーン全体の波及効果及びスタートアップ企業の成長が実現されるのか、疑いが払拭されません。租税特別措置の政策効果の透明性の向上等、補助金等の政策効果の比較検討を政府は明確にすべきです。税制は企業や家計の行動や意識に広範な影響を与え、回り回って社会構造に変化を及ぼす力を有します。それゆえ税法は国会審議においても予算関連法案として高い重要性を持つものです。その令和6年度税制改正案が審議される過中においても、自由民主党の派閥裏金問題の全容解明が全く果たされていません。また、雑税の疑いのある議員が検察の捜査が終了したことをもってあたかも罪を免れたように振る舞い、国民の義務としての納税を自ら進んで行わない。税務当局も国民の信頼回復に向けた具体的対応、税務調査の実施について明言を避け続けています。裏金の原子となったパーティー券を購入した企業、団体への恩恵税制は大いなる弊害を日本社会にもたらし、政治に働く者や生活者への眼差しが置き去りにされ続けています。本税制はそうした悪しき自民党政治の象徴にほかならず、そこからの転換を期すためにも明確に反対することを主張して、私の討論を終わります。

6:31

山瀬広文君

6:33

日本自身の会教育無償化を実現する会の山瀬広文です。私は会派を代表して所得税法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論いたします。3月19日、日本銀行は10年以上にわたる1元の金融緩和から正常化に舵を切りました。デフレからの完全脱却を果たすためには、財政政策を行う政府がこれまで以上の働きをしなければならなくなりました。そのために十分な税制措置が本法律案に盛り込まれているかと言えばいいなと言わなければなりません。本法律案に反対する理由は、所得税の低額減税よりも名目GDPを押し上げる消費減税という政策があるにもかかわらず、そしてそのことを政府も認識しているにもかかわらず、岸田総理のパフォーマンスのために行われる低額減税を含んでいるからであります。減税自体悪いことではありませんが、民間事業所にお願いする負荷の量や、制度の複雑さから見ても、低額減税である必要は全くありません。一度限りの減税であることからすれば、マイナンバーに紐付けた口座に振り込めばよかっただけのことであります。個人事業主など、来年春の確定申告で初めて減税の効果が生じる人もおり、今回の低額減税は公平中立簡素の素税の原則から、著しく一脱する歪な政策と言わざるを得ません。私たちは高価な受付税の低額減税に反対する一方で、現役世代に極めて重くのしかかっている社会保障費負担を軽減するため、高齢者の医療費の窓口負担減速3割下を含む、医療制度改革に関する提言を公表いたしました。薬剤の保険主債に係るずさんな対応など、国民が税等保険料で負担させられている無駄な薬剤費にメスを入れることも待ったなしであります。所得税の低額減税という一時的な寒風剤を打ったところで、現役世代の負担が軽くなるわけではありません。なお、本法律案には、プラットフォーム課税の導入による、国外事業者に対する調整の実績確保や実効的な効果は定かでないとはいえ、賃上げ促進税制の強化を含んでいることから、改正内容の全てに反対するわけではありません。あくまでも一度限りの所得税の低額減税には賛同できないことを指摘した上で、私の反対討論といたします。以上です。

8:42

小池晃君。

8:50

日本共産党の小池晃です。所得税法等改正案に反対の討論を行います。反対理由の第一は、今回の税制改正が、物価を上回る賃上げを最優先課題としながら、効果の乏しい賃上げ減税の小手先の見直しに集中し、賃上げのための直接支援に背を向けているからです。今、中小中堅企業が社会保険料を払い切れずに倒産する、社保倒産が広がっています。コロナ禍で始まった、実質無利子無担保のゼロゼロ融資が一昨年終了し、返済負担が重くのしかかる一方、借り替え融資など政府の支援策はハードルが高いことも、多くの中小企業を苦しめています。政策総動員どころか、国の政策が中小企業の賃上げの足を引っ張っています。この状況を打開するには、社会保険料の事業主負担の減免など、中小企業の賃上げへの直接支援が不可欠です。大企業の内部流報への次元的課税で財源を作り、最低賃金を時給1500円へ引き上げ、非正規ワーカーの待遇改善と正社員化を図ることで、大幅な賃上げを実現すべきです。反対流の第二は、政府と与党の税庁が、累次の法人税減税が失敗だったと認めているにもかかわらず、新たな法人税の大減税に踏み出しているからです。昨年、政府税庁は、法人税の租税特別措置について、租税の公平原則や中立原則の大きな例外だとし、特に研究開発税制については、廃止を含めてゼロベースで見直す必要があるとしました。ところが、今回新設される戦略分野国内生産促進税制は、原税額のすべて、イノベーションボックス税制は95%が大企業向けで、大企業への集中が一層強まります。最大の政策減税である研究開発税制も、税額控除率を見直すだけの小手先の改正にとどまりました。大企業優遇という税制の歪みをもたらす背景にある企業団体献金は、全面禁止すべきです。なお、今回盛り込まれている所得税・住民税の定額減税も、1回のみのばらまきで、毎年上がり続ける現在の物価高騰対策としては、極めて不十分なものです。今必要なのは、消費税の減税とインボイズ制度の廃止です。そして、行き過ぎた大企業や富裕層への減税を見直し、大分の負担を求めることです。これこそが、最も求められる税制改正であることを申し述べ、反対討論を終わります。(( 答弁を終わります ))他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。これより、採決に入ります。所得税法等の一部を改正する法律案に、賛成の方の挙手を願います。(( 答弁を終わります ))多数と認めます。よって本案は、多数をもって、原案通り可決すべきものと決定を致しました。この際、熊谷君から発言を求められておりますので、これを許します。

11:49

委員長

11:50

はい、熊谷君。

11:52

私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主社民、公明党、日本維新の会、教育無償化を実現する会、及び国民民主党新緑風会の各会派、並びに各派に属しない議員、大野保田委員、上谷総平委員、及び堂込真紀子委員の共同提案による不対決議案を提出いたします。それでは案文を朗読させていただきます。所得税法等の一部を改正する法律案に対する不対決議案。政府は次の事項について十分配慮すべきである。1、所得税の低額減税の実施に当たっては、対象者が確実に減税措置を受けられるよう、適切な執行体制を確保するとともに、十分な周知広報を行うほか、各事業者や自治体の事務負担にも配慮し、税務事務の円滑な実施に努めること。とりわけ、令和6年ノート半島地震の被災地においては、被災地の実情に十分配慮した対応に努めること。2、賃上げ促進税制については、中小企業の実態を踏まえ、長期にわたり実施されている同税制の効果の検証を行うとともに、新たに創設された上乗せ要件が、子育てと仕事の両立支援や女性活躍支援に与える効果についても、的確に把握するよう努めること。3、新たに創設される各種の企業関係税制については、今後、各措置の適用実態を検証し、企業等の行動変容を促すインセンティブ措置として機能しているか否か等の観点から、政策効果や必要性をよく見極めた上で、一部の企業等に対する過度の優遇にならないよう、不断の見直しを行うこと。また、他の租税特別措置についても、適用実態の把握と効果等の検証を十分に行い、効果が不透明なもの等は廃止、縮減するなど、徹底した改革を推進すること。4、今般の政治資金をめぐる問題を踏まえ、税制は国民の理解と信頼の上に成り立っているとの認識の下、国民からの税に対する信頼を損なわないよう、課税上問題があると認められる場合には、適時適切に税務調査を行うなど、適正公平な課税の実現に努めること。的確請求書等保存方式、インボーシス制度が実施されたことにより、事業者間取引において不当な扱いが生じているといった意見があることを踏まえ、中小・小規模事業者に対する不当な扱いを防止するための取引環境の整備への取り組みを強化すること。6、高水準で推移する申告件数及び大の税額、経済取引のグローバル化・デジタル化による調査・聴取事務等の複雑困難化、新たな経済活動の拡大、軽減税率制度やインボーシス制度の実施への対応など、社会情勢の変化による事務量の増大に鑑み、適正かつ公平な課税及び聴取の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など、処遇の改善、機構の充実及び職場の環境の整備に特段の努力を払うこと、特に社会的関心の高い消費税の不正完膚防止への対応、国際的な租税回避行為や富裕層への対応を強化し、さらには納税者全体への税務コンプライアンス向上を図るため、定員の拡充及び職員の育成等、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること、見義決議する。 以上でございます。何卒、委員閣議の御賛同をお願いいたします。ただいま熊谷君から提出されました不対決議案を議題とし、採決を行います。本不対決議案に賛成の方の挙手をお願いします。全会一致と認めます。よって熊谷君提出の不対決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定をいたしました。今の決議に対し、鈴木財務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。

16:33

鈴木財務大臣。

16:34

ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして、配議してまいりたいと存じます。なお審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一人願いたく存じますが、御異議ございませんでしょうか。御異議ないと認め、採用決定をいたします。本日はこれにて散会をいたします。

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