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衆議院 本会議

2024年03月26日(火)

2h26m

【公式サイト】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55063

【発言者】

額賀福志郎(衆議院議長)

野中厚(農林水産委員長)

古屋範子(総務委員長)

勝俣孝明(外務委員長)

坂本哲志(農林水産大臣)

江藤拓(自由民主党・無所属の会)

神谷裕(立憲民主党・無所属)

池畑浩太朗(日本維新の会・教育無償化を実現する会)

海江田万里(衆議院副議長)

山崎正恭(公明党)

田村貴昭(日本共産党)

長友慎治(国民民主党・無所属クラブ)

21:55

これより会議を開きます。

22:00

おはかりいたします。内閣から人事官、国家公務員倫理審査会委員、食品安全委員会委員、衆議院議員選挙区画定審議会委員、国地表係争処理委員会委員、公街党調整委員会委員、労働保険審査会委員、中央社会保険医療協議会公益委員、中央労働委員会公益委員、運輸審議会委員及び原子力規制委員、食品安全委員会委員に次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申出があります。

22:41

内閣からの申出中、まず人事官に羽生英二君を、食品安全委員会委員に浅野聡君及び曽笛智孝君を、衆議院議員選挙区画定審議会委員に加藤潤子君、獅子戸常治君及び高橋茂君を、国地方係争処理委員会委員に菊池洋一君、辻拓也君、小高翔君、青一智子君及び山田俊夫君を原子力規制委員会委員に山岡光春君を任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よっていずれも同意を与えることに決まりました。

23:36

次に、国家公務員倫理審査会委員に岩井康子君を任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって同意を与えることに決まりました。

23:56

次に、食品安全委員会委員に陶金正裕君、小島時子君及び杉山久彦君を衆議院選挙区確定審議会委員に品田豊君及び飯島純子君を、そして中央労働委員会公益委員に安財昭子君を任命することについて、申出のとおり同意を与えるにご異議ありませんか。

24:23

ご異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。次に、食品安全委員会委員に高原和貴君を、原子力規制委員会委員に長崎真也君を任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

24:49

起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。次に、衆議院議員選挙区確定審議会委員に林崎雄様君を任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

25:18

次に、衆議院議員選挙区確定審議会委員に谷口直子君を、郊外党調整委員会委員に北窓貴子君を、労働保険審査会委員に植木恵介君を、中央社会保険医療協議会公益委員に長瀬伸子君を任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。

25:45

起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。次に、運輸審議会委員に白石敏夫君を、任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。

26:13

日程第一、特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

26:20

委員長の報告を求めます。農林水産委員長野中敦史君。

26:38

ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。本案は、経済連携協定の締結等により、農産加工品等の輸入に係る事情の著しい変化による影響が継続している状況を踏まえ、特定農産加工業者の経営の改善を引き続き促進するため、現行法の有効期限を5年延長するとともに、輸入原材料の価格水準の上昇等により、その調達が困難となっている状況を踏まえ、原材料の調達の安定化を図るための措置に関する計画の承認制度を設け、当該承認を受けた特定農産加工業者に対する株式会社日本製作金融広報による貸し付けの特例の措置等を講ずるものであります。

27:28

本案は、去る3月12日、本委員会に付託され、翌13日、坂本昇水産大臣から趣旨の説明を聴取し、21日質疑を行いました。質疑終局後、採決いたしましたところ、本案は全下一致をもって、原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。なお、本案に対し負担決議がされました。以上、ご報告申し上げます。

28:18

本案の委員長の報告は、可決で、採決をいたします。本案の委員長の報告は、可決であります。本案は、委員長報告のとおり決するに、ご異議ありませんか。(( はい ))ご異議なしと認めます。よって本案は、委員長報告のとおり、可決いたしました。

28:41

日程第2、放送法第70条第2項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。

28:52

総務委員長、古谷 俊子君。

29:05

ただいま議題となりました承認案件につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。本件は、日本放送協会の令和6年度収支予算事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。まず、収支予算は、一般勧奨において、事業収入6,021億円、事業支出6,591億円となっており、事業収支における不足570億円については、還元目的、積み立て金の一部をもって補填することとしております。次に、事業計画は、多用電池の高いコンテンツの提供、受信料の公平負担の徹底、ガバナンスの強化等に取り組むこととしております。なお、この収支予算等について、総務大臣から、放送番組の質の維持と事業経費の合理化・効率化、受信料の公平負担の徹底、令和6年の野党反動実施において、再認識された災害時における放送の役割の重要性を踏まえ、将来の災害に備えること、放送に加え、インターネットを通じた国民・視聴者への放送番組の提供、放送コンテンツのプラットフォームとして、放送番組の流通を支え、放送の二元体制を基本とする放送全体の発展に貢献していくこと等を求める旨の意見が付されております。本件は、去る3月13日、本委員会に付託され、翌14日、松本総務大臣から趣旨の説明を、また、日本放送協会会場から補足説明をそれぞれ聴取した後、質疑に入り、去る21日、質疑を終局いたしました。次いで採決いたしましたところ、本件は全会値をもって承認すべきものと決しました。なお、本件に対し、待機質疑をすることに決しました。以上、ご報告申し上げます。

31:35

採決いたします。本件を委員長報告のとおり、承認するに賛成の諸君の起立を求めます。起立、多数、よって本件は、委員長報告のとおり、承認することに決まりました。

31:54

日程第三、2027年国際園芸博覧会、政府委員の設置に関する臨時措置法案を議題といたします。

32:03

委員長の報告を求めます。外務委員長、勝又隆之君。

32:15

ただいま議題となりました、法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果をご報告申し上げます。本案は、令和9年に開催される、2027年国際園芸博覧会に関し、国際博覧会条約の規定に基づく、政府委員の設置及びその任務給与等について定めるものであります。本案は、去る3月14日、外務委員会に付託され、翌15日、上川外務大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。22日に質疑を行い、質疑終局後、引き続き採決を行いました結果、本案は前回一致をもって、原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。以上、ご報告申し上げます。

33:19

採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに、賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって本案は委員長報告の通り可決いたしました。

33:40

この際、内閣提出、食糧農業農村基本法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。

33:51

農林水産大臣坂本哲史君。

34:03

食糧農業農村基本法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。我が国の食糧農業農村施策の基本的な方針を定める食糧農業農村基本法については、制定から四半世紀が経過する中で、世界的な食糧需給の動向、変動、地球温暖化の進行、我が国の人口の減少などの食糧農業農村をめぐる情勢の変化が生じ、その制定時の前提が大きく変化しております。このため、こうした変化を踏まえて、食糧農業農村施策を講ずることができるよう、基本理念を見直すとともに、関連する基本的施策等を定める必要があることから、この法律案を提出した次第であります。次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。第一に、食糧安全保障の抜本的強化についてであります。食糧安全保障について、食糧の安定供給に加えて、国民一人一人の食糧の入手の観点を含むものとして定義し、その確保を基本理念に位置づけます。この考え方に基づき、国内農業生産の増大を基本とし、農業生産の基盤等の食糧供給能力の確保の重要性、生産から加工、流通、消費に至る食糧システムの関係者の連携などを位置づけます。その上で、国内農産物、農業資材の安定的な輸入の確保、食糧の円滑な入手の確保、輸出の促進、価格形成における合理的な費用の考慮などの基本的施策を講ずることとしております。第二に、環境と調和の取れた産業への転換についてであります。食糧供給が環境に負荷を与えている側面があることに着目し、環境と調和の取れた食糧システムの確立が図られなければならない旨を基本理念に続け、この考え方に基づき、農業生産活動、食品産業の事業活動等における環境への負荷の低減の促進などの基本的施策を講ずることとしております。第三に、生産水準の維持・発展と地域コミュニティの維持についてであります。我が国全体の人口減少に伴い、農業者、農村人口が減少することが見込まれる中においても、農業の持続的な発展と農村の振興を図っていくことができるよう、農業法人の経営基盤の強化、先端的な技術を活用した生産性の向上、農業経営の支援を行う事業者の事業活動の促進、農村関係人口の増加に資する産業振興、農地の保全に資する共同活動の促進などの基本的施策を充実しております。以上がこの法律案の趣旨でございます。

37:16

ただいまの趣旨の説明に対しまして、質疑の通告があります。順次、これを許します。

37:23

江藤拓君。

37:47

自由民主党、無所属の会の江藤拓でございます。ただいま議題となりました、食料農業農村基本法の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問をさせていただきます。まず冒頭に、本年1月に発災いたしました、野党反党地震におきまして、犠牲になりた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。さて、この度、制定されてから25年が経過した食料農業農村基本法を改正することとなりました。坂本大臣から、なぜ今、食料農業農村基本法の改正が必要かということについては、ご説明をいただきました。これに加えて、私からも、近年、激減する日本を取り巻く食料安全保障の環境の変化について申し上げれば、ロシアの膨大な侵略の際には、小麦や肥料、飼料などの価格が高騰し、国民は多大な影響を受け、生産現場も窮地に追い込まれました。また中国では、習近平国家主席の下で、中国14億人のための茶碗は、常に私たちの手でしっかりと握られているようにする、そう高らかに宣言されました。これは今や、世界一の農林水産物の純輸入国となった中国が、食料自給率100%を目指すということを意味しているのであります。先月行われましたWTO閣僚会議でも、農業分野では各国の意見が激しく対立をし、しかも多くの国で保護主義的な姿勢が目立ち、全く合意に至りませんでした。まさに今や、食料が戦略物資になったということが明確になったわけであります。こうした現状を踏まえ、私が会長を務める自民党総合農林政策調査会のもとに、食料安全保障に関する検討委員会を設置し、党総務会長であられる森山博史先生に委員長をお願いし、さらに3つの分科会を設け、主要テーマについて徹底的に議論を行い、現場の皆様のご意見もしっかりと聞かせていただいた上で、約1年半かけて作り上げたのが今回の改正基本法案であります。ただいま坂本大臣からは、基本法改正のポイントは大きく3つあるとご説明いただきました。まず第一に、食料安全保障の抜本的な強化を図る。これは今回の改正の中でも最も重要な点であります。これまで不足時の対応でしか規定されていなかった食料安全保障という言葉を基本法の基本理念としてしっかりと位置づけ、国内で生産できるものはできる限り国内で生産する、そういう方針を明確にしています。さらに国民の皆様に持続的な食料供給を可能とするためには、再生産を可能とする合理的な価格の形成がどうしても必要となってまいります。この点において、消費者の役割として食料の持続的な供給に資するものの選択を通じて、食料の持続的な供給に寄与する旨も、しっかりと条文に書き込まれていることは高く評価することができます。しかしながら、合理的な価格形成を基本法の条文に書いたからといって、直ちにそれが実現できるわけではもちろんありません。そこで、総理と農林水産大臣にお伺いをいたします。まずは、食料安全保障の確立の必要性へのご認識、そのためには欠かせない合理的な価格の形成についてのご見解を伺わさせていただきます。第二に、環境と調和の取れた産業への転換を挙げられました。世界に目を向ければ、カーボンニュートラル、生物多様性など農業分野においても例外ではなく、環境への対応が求められています。環境と調和を図っていく必要性について、基本法における基本理念にしっかりと位置づけられました。環境との両立を図る上で、新たな技術の開発や施策のさらなる充実強化が課題となってまいりますが、坂本農林水産大臣のご見解をお伺いいたします。第三に、生産水準の維持、発展と地域コミュニティの維持を挙げられました。2008年のピークに、我が国の人口は減少の局面に転じ、各産業において人材の獲得競争が激化いたしております。こうした中で、より多くの若者に農業の魅力を感じてもらえるよう、協力化に資するスマート技術の導入や地域の特産品のブランド化、拡大する海外市場も視野に入れた輸出の促進などもさらに進める必要があります。そして、生産者の方々がやりがいと希望、夢を持って働ける農業農村を実現していく必要があると考えております。基本法、これはあくまでも理念法であります。この理念を実現するためには、次に食料農業農村基本計画をしっかりと策定し、それに基づく制度設計、そしてそれに必要な予算、これを確保すること、これが不可欠と考えておりますが、総理の御見解を伺います。今まさに日本の農政は大転換が求められているのであります。菅内閣においては、国を守るための安全保障、経済安全保障などに力を注いでおられますが、食料の安全保障も極めて大きな柱であります。一方で、基幹的農業従事者は、現在116万人でありますが、平均年齢は68歳を超え、20年後には約30万人にまで減少してしまうのではないかと、そういう恐れが指摘されております。極めて厳しい現状です。この現状を踏まえて、重ねて申し上げますが、食料自給率の向上や食料安全保障の実現のためには、しっかりとした予算、これを確保して、強い生産基盤を確立し、そして人材を確保することが欠かせないのであります。私ごとではありますが、私の次男は、6月には農業生産法人での修行を終え、地域の担い手となるべく、今、首脳に向けて準備を進めております。

44:45

さらに申し上げれば、ようやく、デフレからの完全脱却も視野に入ってまいりました。先週日銀も、金融政策を転換いたしましたし、春冬第一次回答でも、合計28%の賃上げという回答を得るに至りました。しかしこれは、従業員1000人以上の大企業に限ったものであり、7割の方々は、中小企業に勤めておられるわけでありますから、まさにこれからが経緯回復に向けた正念場であります。ただ、国民の皆様が、物価高を超える賃上げを実感することができなければ、先ほど来申し上げている食料の持続的な供給のために必要な合理的な価格の形成、これはなかなか難しいと言わざるを得ません。国民の皆様が、国産の農産物を買って、農家を応援しようと思っていただいても、家計にゆとりがなければ、輸入品などより安いものを選択せざるを得ないというのが現実であります。総理は先週、日本商工会議所の通常総会で、中小企業の持続的な賃上げについて、政策を騒動にして後押しをすると述べられました。ここで改めて、賃上げ、物価上昇を上回る賃上げの実現に向けての総理の御決意を伺います。食料農業農村基本法は、我が国の食料農業農村施策の基本的な方針を定めるものであります。いわば農政の憲法であります。激動する国際情勢、国内の変化を踏まえた時代にふさわしい基本法とせねばなりません。我々住民主党は、時代の変化を踏まえた責任ある農政の実現に、これからも全力で取り組んでまいることを約束し、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

47:10

内閣総理大臣岸田 明君。

47:22

江藤拓議員のご質問にお答えいたします。食料安全保障の確立の必要性への認識と合理的な価格の形成についてお尋ねがありました。我が国の食料安全保障上のリスクが高まる中、平時から食料安全保障を確立することが必要であると認識しており、食料農業農村基本法の改正案において、新たに基本理念として位置づけているところです。また、食料安全保障を確立するためには、議員ご指摘のとおり、食料の持続的な供給が行われるよう、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、国内外の資材費、人件費の向上的なコストが考慮された価格形成が行われること、これが重要です。こうした価格形成の仕組みについて、公正化も視野に検討してまいります。食料農業農村基本計画の策定と、それに基づく制度設計、予算の確保についてお尋ねがありました。基本法の改正案が成立を見れば、政府としてこれに基づく食料農業農村基本計画を策定し、その中で基本法に定める各般の施策の具体化を行います。その上で、基本計画に定める施策を的確かつ着実に進めていくために、必要な制度や予算を措置することにより、食料安全保障の確保をはじめ、農政の再構築を図ってまいります。そして、賃上げについてお尋ねがありました。今年の春季労使交渉では、5%を超える賃上げ率など、昨年を上回る力強い賃上げの流れができてきています。日本全国にこうした流れを広げていくためには、中小企業の賃上げ実現が重要であり、先日開催した政労市の意見交換でも、労市の皆さんに協力をお願いしたところです。政府としても、食料供給に関わる産業を含めて、あらゆる産業において、賃上げと成長の好循環が実現できるよう、物価高に負けない賃上げの実現に向け、労務費転嫁の指針の活用など、価格転嫁の促進や賃上げ促進税制の拡充、省力化投資支援などの生産性向上支援を通じ、強力に後押しをしてまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。

50:31

農林水産大臣坂本哲史君。

50:35

江藤拓議員のご質問にお答えいたします。食料安全保障の確立の必要性の認識と、合理的な価格の形成についてのお尋ねがありました。世界の食料需給が不安定化し、我が国の食料安全保障のリスクが高まる中、平時から食料安全保障を確立することが重要です。また、食料については、生産者から加工、流通、交流を経て、消費者に販売されるものであることから、将来にわたって持続的に食料を供給するためには、食料システムの各段階の事業者が取引を通じて収益を確保することによって、食料システム全体を持続可能なものとしていく必要があると考えています。特に、資材費や人件費が長期的に上昇傾向にある中でも、持続的な食料供給を確保し、平時からの食料安全保障を確立するために、食料システムの関係者の合意の下、こうした向上的なコスト増などが考慮された価格形成が行われることが重要となってきているところです。このため、合理的な価格の形成に向け、令和5年8月から、生産から消費までの各段階の関係者が一同に集まる「適正な価格形成に関する協議会」を開催し、コスト指標の検討や、コスト指標を活用した価格形成方法の具体化や国民の理解の醸成に努めていくこととしています。こうした協議会等での議論も踏まえつつ、食料システムの関係者の合意の下で価格形成が行われる仕組みについて、法制化も視野に検討してまいります。

52:42

神谷 博史君

53:03

立憲民主党の神谷博史でございます。私は、ただいま議題となりました「食料、農業、農村基本法」の一部を改正する法律案に対し、立憲民主党無所属を代表し質問をいたします。この法案は、1999年に制定された「農業の憲法」とも言うべき大切な法律の四半世紀ぶりの大改正です。この四半世紀の間、我が国農業農村を取り巻く様々な状況の変化があり、それが今回の法改正へのゆえんとなったところでありますが、何より情けないのは、この農業の憲法と言うべき大切な法律を、政治の信頼が大いに揺らいでいる中で審議しなければいけないことです。総理、言うまでもなく政治の信頼を取り戻すには、実態の解明が何よりです。先般は裏金議員の処分についてもお話になりましたが、実態がわからずに処分などできるはずもありません。今後、世もや処分を行うことでこの問題は終わったと幕引きをされるとは思いませんが、重要なのは裏金問題によって地に落ちた政治への信頼の回復です。政令審によっても多くの国民の皆さんは、実態の解明はできていないとお感じのようです。処分をお急ぎのようでございますから、なるべく早く予算委員会での承認喚問や政令審等あらゆる場での説明をお願いいたします。党内でのさらなる調査とも聞きますが、お手盛りでは国民の納得を得るのは困難です。党の一角である公明党の山口代表は、昨年12月17日に「TikTokで同じ穴の無事なとは見られたくない」と発言をされました。しかしながら公明党は、政令審への裏金議員の出席申立について、昨日行われた立憲民主党との協議において「政令審に説明に来てほしい議員はもういない」と反対したため、政令審での申立ができなくなりました。山口代表は「同じ無事なではない」と言いましたけれども、これでは結果的に同じ無事なではないですか。これでは公明党は現行不一致と言わざるを得ません。さて、食糧農業の早期方法の改正です。今回は25年ぶりの初めての改正となります。今回の基本法改正にあたり、立憲民主党においては、充実した議論に向けて有識者、団体、農業者など現場にも出向き、広く意見を伺い議論を重ねてまいりました。基本法となれば当然にして国民の理解、分けても農業者の理解と合意が不可欠です。そのためにも法案審議において広く地域に出向き、また与野党の総意による合意形成に向けて精一杯ご尽力いただくように政府与党には求めていきたいと思います。そのためにもそのような中で現行基本法を制定した1999年において旧基本法を廃止し、現行基本法を新たに立てることになりました。我が国内外をめぐる様々な状況の変化が今回の改正のゆえんと言われますが、一部改正でお茶を濁し既存の施策をこれまで同様を続けていくだけでは、今の農業農村の情勢は改善するとは思いません。前回は新法を立て、今回は法改正で対応することとした理由について、まずは総理にお伺いをしたいと思います。さて今般の改正にあたり、現行基本法が求める様々な目標が達成できなかった失敗はやはり総括するべきであると考えます。特に基本法が求める食料安定供給の確保に対する食料自給率の低下という失敗、農業の有する多面的機能の発揮に対する工作放棄地の拡大という失敗、農村の振興に対する農家経営の減少と農村人口の減少という失敗などについては真剣な分析と評価、そして言い訳のような答弁ではなく、政策の大胆な変更が必要だと考えます。既存の政策の延長では、今の下向きのトレンドを変えることができないのは明白です。今回の基本法の見直しを契機として、これらの課題を実現するために抜本的に政策を見直す考えがあるのか、総理の見解を伺います。食料安全保障について伺います。食料の安定供給の確保と不足時の食料安全保障について、今般新たに法律を立てると提案されています。非常時の災害の行動を平時に準備しておくことは理解するものの、一足飛びに計画を出さなければ罰金ということには、農村現場からも怒りと反発の声が上がっております。非常時に流通などの売り惜しみ、在庫状況の確認をしたいとの思いはあるようでございますが、全ての生産者に罰金を課すのか、あえて生産者にまで罰金を課すことについて、総理はどのようにお考えなのか、これを伺いたいと思います。不足時ばかりでなく、平時において国民が安心して食生活を送れるよう、国内農業生産の増大を図ることは極めて重要です。これに輸出、輸入及び備蓄を適切に組み合わせて、食料安全保障を実行ならしめると政府もお考えのようですが、国際環境の変化や為替リスク、いざという時の自国優先の考え方など、食料の確保、輸入など、海外に過度に依存していくことは厳に慎むべきであることと考えます。総理のお考えを伺います。食料安全保障を実行ならしめるには、まずは国内農業生産の増大が必要であり、そのためには基盤となるべき農地の確保、農業者の経営を維持、発展させる必要があります。いかにしてこれを実行ならしめるかが、極めて重要となってまいりますが、既存の施策に加え、適正価格の実現がこの度打ち出されています。資材等の口頭で価格の上昇が必要な生産者の適正価格と、家計の厳しい中で安価な食料品を求めている消費者の適正価格を、市場原理だけで解決することは極めて困難です。だからこそ、価格は市場で、所得は政策でという切り分ける考え方が生まれ、個別所得保障政策が必要だと私たちは提案をしています。余進場、今回の施策を通じ、市場における適正な価格形成が実現したとしても、再生産を可能とする所得水準に見合う価格が実現する保障はありません。先行例であるフランスにおけるエガリム法などは、農業支援策としては不十分との評価もあり、直接所得保障が加わって農業農村の維持が実現されているとの評価があることを率直に受け止めるべきであると考えます。再生産可能な価格の実現は当然に追い求めるにしても、農業者個別所得保障などの直接支払いも併せて実施するべきであると考えますが、総理のお考えを伺います。また農業の基盤が農地農業者であることに鑑み、新たに農地を維持し農地として活用することを念頭に、面積に着目した直接支払いなどを食料安全保障支払いとして実施すべきであると提案をいたします。総理のお考えを伺います。非常時の食料確保に加え、貧困などの経済的な事情や過疎地での買い物難民など、平時でも健康的で十分な食料へのアクセスが困難な事象に対応していくことは重要なことです。国民の健康な食生活を保障するため、フードバンクや子供食堂などの活動を積極的に位置づけ、支援を強化していくべきであると考えます。また、重要な食育の場である学校給食の無償化を実現、給食での地域の農産物の活用、有機食品の活用を積極的に進めるべきであると考えますが、総理のお考えを伺います。これまでの基本法では、効率的かつ安定的な農業経営が農地の大部分を保有する望ましい農業構造を実現することを目標に、大規模専業経営、労働生産性の向上、農業の成長産業化を目指すことに政策の重点を置いてきました。しかし、大規模化が進んだ北海道を見ても、規模に応じた機械投資や資材への投資、さらには人的投資などが大分に必要になり、一方では作物価格が伸びない中で、これらのモデルでは持続可能な経営が実現できているとは直ちに言えないようなことが明確になってきていると考えます。農地の集積を進めた結果、農村集落での営みが維持できなくなりつつあり、また大規模農家の理論に際して、農地の大きさゆえに近隣農家が残った農地を引き受けることも難しくなっております。中小家族経営など農村集落において、多様な経営体が存在することが重要であって、成長産業化という文脈から離れた農業経営の安定化策の構築、強化を図るべきであると考えますが、総理のお考えをお聞きします。国内農産物に対する消費者ニーズが顕著であり、輸入品から国産への転換が求められる小麦、大豆、飼料作物について、国内生産の増大を積極的に図っていくことは重要です。しかし、だからといって優れた生産装置である水田の旗地化をいたずらに進めるのは問題があると考えています。アジアモンスウン地帯に位置する我が国にとって、水田という生産装置を維持することの食料安全保障上の意味は極めて重要であります。一方で、米の消費が年々減少する中で、他のニーズのある作物に切り替えていくことも必要なことでありますが、このために重要な役割を果たしてきた水田活用直接支払い交付金は、その見直し以降、いまだに農村現場には農地の売買や土地改良など多くの混乱が見られ、特に中山間地などの条件不利地においては、旗地化支援を適例金代わりに利納するような兆しも見えております。水田活用直接支払い交付金は、食用米以外の作物をつくり、主食用米並みの所得を確保し、農業経営を維持していくという上で重要な役割を果たしており、農家からも支持されている政策です。まずは見直しによる混乱の収集、併せてこの制度を安定させるためにも法制化すべきであると考えますが、総理のお考えを伺います。現行基本法にも、自給率の向上、農地の維持、確保、農業者の維持と経営の安定が謳われております。ただ、法律に目標をかけばそれで良いというわけではありません。当然、法に書かれた目的を本気で実現していただけなければなりません。同じ安全保障でも防衛予算は大きく伸びているのに対し、食料安全保障に対する予算が伸びないような今日では、政府の本気が問われることになると思います。残念ながら農林水産省予算は伸びているとは申せません。農林水産業は地方の基幹産業であり、農林水産予算は地方経済にとっても極めて重要な意味があると思っています。25年ぶりの初めての改正となる今回の改正を経て、今から25年後、我が国農業農村が今よりも疲弊することとなれば、今回の改正が失敗であったことを意味します。25年後、総理はこの基本法の改正を経て、持久率は向上し、農地は維持をされ、農業者も維持・同在するとお約束いただけるのか、お伺いして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

1:07:17

内閣総理大臣岸田明君

1:07:30

神谷博士議員にお答えいたします。食料農業農村基本法の見直しを法改正で対応する理由についてお尋ねがありました。かつての農業基本法は農業施策のみに重点を置いた体系であったところ、現行基本法においては国民全体の視点から施策を行うことを重視し、農業施策に加え、食料施策と農村施策までをその対象とするため、農業基本法を廃止し、食料農業農村基本法として新法で制定されました。今回の見直しは、世界の食料持久の不安定化など、国内外の情勢変化に的確に対応していくためのものですが、農業施策に加え、食料施策、農村施策までを対象として食料供給の確保等を行うという意味では、現行基本法の考え方自体を変更するものではないことから、改正法案として提出したものです。基本法の見直しを契機とした抜本的な政策の見直しについてお尋ねがありました。農業者の急激な減少など、生産基盤の弱体化や世界の食料持久が不安定化する中で、輸入リスクの増大、食品アクセスの問題等、食料安全保障上の諸課題が顕在化しており、こうした内外の情勢変化に対応するため、基本法を改正するものです。基本法の改正に当たっては、政府の食料、農業、農村政策審議会において、現行基本法の下での政策の検証、評価等を真摯に行い、これも踏まえて、今国会に基本法改正案とともに、スマート農業の振興や農地の総量確保と適正有効利用、不足時の食料安全保障の強化に対応するための関連法案を提出しているところであります。基本法改正案の示す方向性を実現するための政策の抜本的見直しを進め、農政を再構築してまいります。不足時の食料安全保障に関する法案における罰則についてお尋ねがありました。この法案では、食料供給に向けた生産拡大等について、事業者の自主的な取組を基本とした上で、国民生活等に実態上の支障が生じている事態にまで至った場合において、政府として確保可能な供給量を把握し、実効性ある対策を講ずるため、事業者に計画の届出を求めているところ、この計画の届出をしない事業者に関し、20万円以下の罰金を規定しております。この措置は、計画通りに生産を行わないことに対するペナルティではなく、国民生活等に実態上の支障が生じている事態において、公目的達成のために必要最小限の措置として、計画の届出自体を担保するためのものであり、事業者の方々にご理解をいただきたいと考えております。食料の海外への過度の依存についてお尋ねがありました。改正案においては、食料安全保障の確保を基本理念に位置付けることとし、過度に輸入に依存している麦、大豆等の国内生産の拡大を一層後押しするとともに、担い手の育成確保を図りながら、スマート技術の導入や農地の収積収益による生産性の向上を図っていくこととしております。同時に、自国でまかないきれない食料や肥料、飼料等の生産資材について、輸入リスクが増大していることも食料安全供給の課題となっていることから、国内の農業生産の拡大を図ることを基本としつつ、輸入相手国の多様化等による安定的な輸入と備蓄の確保も適切に行ってまいります。農業者個別所得保障と食料安全保障支払いについてお尋ねがありました。将来にわたる食料の安全供給の確保には、農業が持続的に発展し、収益を確保していくことが重要です。多くの産地で生産性や付加価値の向上等の取り組みにより、所得確保に向けた創意工夫をされています。これに対し、農業者の個別の所得保障については、過去の個別所得保障制度を見ても、農地の収積・収益化等が進まず、生産性の向上が阻害される恐れがあるほか、一般的に消費が減少している品目の生産が維持され、需給バランスが崩れる、保障を織り込んで生産者の取引価格が低く抑えられる等の懸念があります。このため、改正基本法に基づき、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進等を基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、所得の向上を図ってまいります。他方、食料安全保障支払いのご提案については、現在すでに、農地等の保全管理のための多面的機能支払い、中産間地域の農業生産条件の不利を補正するための中産間地域等直接支払いなど、我が国農業の実態と課題に応じた直接支払い政策を講じているところです。食品へのアクセスと学校給食についてお尋ねがありました。改正案において、食料の円滑な入手の確保を位置づけ、その環境整備に向けて、フードバンクや子ども食堂等に対し、未利用食品の提供の体制づくり等に加え、政府備蓄前の全国的な提供体制の整備を進めるなど、積極的に支援を進めてまいります。また、学校給食において、地場産物や有機農産物の活用は、食育の観点からも有意義であり、体制づくり等について支援を進めてまいります。なお、学校給食の無償化については、全国ベースの実態調査の結果の公表を6月までに行った上で、小中学校の給食実施状況の違いや、構成面等を含めた課題を整理し、結論を出してまいります。多様な経営体による農業経営の重要性についてお尋ねがありました。農業経営体の減少が今後も見込まれる中、将来にわたり食料を安定供給できる農業の確立、これが必要です。このため、引き続き規模の大小や経営形態にかかわらず、農業で生計を立て、効率的かつ安定的な農業経営を目指す方々を担い手として、その経営の安定発展を後押ししてまいります。あわせて、担い手以外の多様な経営体についても、農地の保全等の役割に鑑み、地域の共同活動への支援等を行い、農業生産の基盤である農地の確保を図ってまいります。水田活用直接支払い交付金についてお尋ねがありました。食料安全保障の強化のため、主食用米の需要が減少を続ける中、輸入に依存する麦、大豆の生産拡大が必要であり、これらの生産が定着した水田は本格的な畑地転換により、麦、大豆の収量増大を図ることが農業所得の向上の観点からも重要です。他方、気候変動、気候風土等から本格的な畑地化に適さない水田等については、稲と麦、大豆の林作体系を確立し、農業所得を確保していくことが有効です。政府としては、こうした農地利用に関する各産地の主体的な判断に応じて、産地が本格的な畑地転換を行う場合は、排水対策等の基盤整備や、畑作物生産の安定化を支援し、水田機能を維持する場合には、水田活用の直接支払い交付金により支援することとしており、交付金による支援継続にあたり、御指摘の見直しによる水田機能の維持を確認しているものです。こうした支援を機動的に行うためには、御提案の法制化はなじまないものと考えておりますが、現場の皆さんに安心して生産活動に取り組んでいただけるよう、丁寧な説明に努めながら支援を進めてまいります。25年後の農業の姿についてお尋ねがありました。今回の基本法の改正を通じ、需要に応じた農業構造への転換を進め、過度に輸入に依存している農産物の国内生産を拡大するなど、時給率向上に資する取組を進めてまいります。また、国内の人口減少が避けられない中で、農業者数の増大を図ることは現実的ではないですが、担い手の育成確保を図りつつ、スマート農業の導入等による生産性の向上を促すことにより、必要な農地を確保・有効利用し、所得の向上と我が国の農業の持続的発展を図ってまいります。

1:19:23

池田 光太郎君

1:19:59

日本維新の会の池畑光太郎でございます。私は、教育無償化を実現する会との共同会派を代表し、食料、農業、農村基本法の一部を改正する法律案に対して質問をさせていただきます。農業が滅びれば、国は滅びる。まさに農業は国家のもといであり、国民の皆様に食料を供給する重要な産業であることは言うまでもありません。国家の基本産業とある農業を発展させ、将来にわたって残していくことは重要であります。ここによられる皆様との共通認識だと思います。その上で維新の会は、農業の生産性を向上させ、成長産業とする、そして若い世代の方が農業に夢を持って参入していただく、そういった強い農業を実現し、将来にわたって国民の皆様への食料の安定供給を確保したいと考えております。そのために何が必要か、建設的に議論していきたいと、まず述べさせていただき質問に入らせていただきます。農業基本法は、農政における憲法に位置づけられる法律で、我が国の農業の大きな方向性を示す指針であります。その基本法が25年ぶりに改正されるわけでありますが、その25年間に人口減少、高齢化、気候変動や、ロシアによるウクライナ侵略による国際情勢の変化など、我が国の農業も大きな潮流に飲み込まれ、変化を迫られてまいりました。まず、現行基本法がそうした変化に対応できていなかったのか、まず総括が必要だと考えております。現行基本法が目指してきた目標はどこまで実現できたのか。直近で言えば、ウクライナ危機が発生してから3年目に入っておりますが、この間に現行基本法では対処できなかった課題は何があったのか、現行基本法の総括について、総理の認識をお答えください。食糧農業農村基本法の前身は農業基本法であり、25年前の現行基本法を制定時に、新たに食糧農村という概念が追加をされました。生産者サイドの視点だけではなくて、消費者サイドの視点も重要視されたわけであります。生産者サイドの視点だけではなく、消費者サイドの視点も重要されたわけですが、今回の改正案では、食糧安全保障の定義を、良質な食糧が合理的な価格で安定的に供給され、かつ国民一人一人がこれを入手できる状態としております。国全体で十分な供給ができていても、一人一人に届かなかったら意味がない。誰一人取り残さないという考えであり、世界の流れに追いつこうとしております。私は初当選以来、一貫して農林水産委員会に所属をしてきました。地元生産者の声を聞いてきたのはもちろんですが、消費者の声も多く聞いてまいりました。例えば、子どもの食、健康について考え、暮らしやすい社会の実現に向けて活動しておられるお父さん、お母さんの問題であります。今を生きる人たちへの食の供給だけでなく、将来にわたって安全な食を守っていくために、こういった消費者の意識向上は欠かせません。このため、今回の改正案において、消費者の役割についても明記されることとなりましたが、消費者政策はどのように変わるのか、狙いはどこにあるのか、総理の御所見をお伺いさせていただきます。次に、現行基本法では、農業者と農協などの農業団体について、努力義務として、基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めることが規定されておりますが、今回の改正案では、農業者の役割と農業団体の役割が分かれており、それぞれの役割が明記されております。生産資材の購入や農作物の販売については、個々の農業者が行うよりも共同で行った方が有利にできるため、農協が存在をします。農業者の方の声を聞くと、自分たちの作った農作物をもっと高く売ってほしい、新しい需要を開拓してほしいといった農協にもっと頑張ってほしいといった声を大きく聞きます。消費者ニーズも多岐にわたり、また国際情勢も大きく変化をしております。農業者だけでは対処できないことも多く出てまいりました。今こそ農協は農業者のためにあるという原点を大事にしていくべきだと考えます。農作物輸出の取り組みや生産資材の有利調達など、農協改革を経て農業者のために汗をかくという農協本来の役割が破棄され、農業者の努力と農協の努力が好循環を生み出すような取り組みを広げていかなければなりません。農林水産大臣は農業者と農協等の農業団体が果たすべき役割をどう認識し、今回の体制案でどのように規定されているのでしょうか。農協改革の笑みを止めず、農協の前向きな取り組みが促進されるような施策を打っていくべきではないでしょうか。農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。次は農村政策についてであります。中山間地域は少子化高齢、人口減少が都市に先駆けて進行しております。課題は先進地域ではありますが、一方、田園待機による人の流れが全国的な広がりを持ちながら継続しているなど、農村の持つ価値や魅力が国内外で再評価をされております。農村の賑わいが戻れば農業を維持し発展できる、この点で農業政策は重要であります。一方、多くの人にとって魅力的な農村を実現するためには、農業関連産業だけでは団結できません。観光業、地場産業、その他の産業など、総合的に発展させていくことが、豊かな農村の実現につながります。農村政策について、今回の改正案でどのように変わるのか、農村の活性化につながっていくのか、農林水産大臣のご所見をお伺いいたします。また、人口減少下にある我が国の農業にとって、農業者の確保は極めて重要な問題であります。改正案では、現行第21条の望ましい農業改革の確立について、新第26条第1項としてそのまま残しております。新たに第2項を追加しております。第1項では、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の担当部分を担う農業構造を確立することを掲げておりますが、第2項では、それ以外の多様な農業者により農業生産の基盤である農地の確保を図る旨が規定されております。急激な人口減少下にあっては、効率化かつ安定的な農業経営者を営む者のみならず、多様な農業者によって農村を支えていかないといけないということは、現実にそうせざるを得ないという考えであります。しかし、国民の食料の安定供給のためには、やはりプロの農家、効率的かつ安定的な農業経営を営む者によって農業が担われるということは言うまでもありません。新しく多様な農業者という概念が追加されることによって、プロの農家の育成がぼやけてしまい、農業の健全な発展が妨げられてしまうことがあってはなりません。この新第26条第1項及び第2項について、狙いは何か、説明を明確にお願い申し上げます。望ましい農業構造の確立のための担い手の確保に向けて、どのように取り組んでいけられるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。次に食糧安保とは、有事など不足の事態に直面しても、国民が植えることがないように備えていくことであると考えております。改正案では、新第24項に不足時における措置を設け、関連法の食糧供給混乱事態対策法案とともに、現行法の規定よりももっと早い段階から対策が講じられるように拡充をされております。早くから予測を立て、対策を取ること自体は一歩前進とは思いますが、それが有効に機能するかは別問題であります。深刻な食糧供給混乱事態として想定されるのは、国内の米生産が大きく減少する場合と、小麦の輸入が大きく減少する場合の二つの場合があります。食糧供給食糧供給混乱事態対策法案を見ても、小麦の輸入が減少した場合、どのようにしたらよいのか、米の生産が減少したらどのようにすればよいのかなど、具体的な対策が見えません。このままでは、有事のときに対策を講じようとしても、うまく機能しないのではないでしょうか。農林水産大臣の具体的な説明を求めます。食糧有事にあたっても、国民の皆様に供給する食糧のクオリティを落とさないためにも、平時から国産小麦の増産が重要です。ブロックローテーションを各地で導入し、輸入に依存する小麦の生産拡大を図っていかなければいけません。小麦の輸入錯覚を多角化する対策だけでは限界があるというふうに考えております。生産主要国のうち、1国でも大きな不作が生じれば、世界的な需要が高まり、小麦の争奪戦となり、日本が有利に小麦を確保できる保障はないからです。いわゆる買い負けです。また、小麦は日本の高温多湿の気候不動では、生産が難しいと言われてきました。国産小麦の増産は、一朝一夕にできるものではありません。実際、直近ではほとんど作付が伸びていないのが現実であります。国産小麦については、農林水産省として50年間もの間、旗を振り続けてこられたというふうに思います。これまでどのようにして生産拡大に向けて努力をされてきたのか、また今後の生産拡大の可能性についてどのように考えるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いさせていただきます。平時から備えとしては、米の輸出拡大に本腰を入れることも必要であります。広く世界を見渡せば、日本相撲の需要には大きな伸びしろがあると見るべきであります。現在の米の世界的需要は、タイ米に代表される長粒種が圧倒的なシェアであり、日本産のような粘り気のある短粒種はごく一部に限られております。これは確かに輸出に不利な面もありますが、一方で寿司やおにぎりのような日本食文化が世界的に注目される潮流も起こっています。これまで短粒種が不人気だったのは、口にする機会が少なかったからのではないかというふうに考えております。これまでに輸出を拡大するためには、これまでやってきたような政策の継続では難しく、思い切ったこれまでにないようなことが必要だというふうに考えております。例えば、私が予算委員会で質問させていただきまして、坂本大臣にも御賛同いただきましたエンターテイメントとコラボレーションについてであります。単に口にする機会がなかったのであれば、需要拡大に向けたPRを強力に進めていかなければなりません。また、日本の優れた加工技術を用いたパクごはんや日本酒、菓子なども新たな需要を開拓できる大きな可能性があると考えます。こういった取り組みの総力を結集し、米輸出に強力に取り組んでいくべきだと考えますが、農林水産大臣の御見解を求めます。最後になりましたが、野党半島地震で被災をしました石川県、野党地域の農林水産業についてお伺いをさせていただきます。斬水によって牛に水が与えられない落農家の方、今年の米の札付けをどうしようかと途方に暮れられる米農家の方、海底が隆起をし変わり果てた漁港を見つめる漁業者の方、海底隆起に関しては新しい技術やアイデアが必要だと考えております。また、和島の汐屋根千枚田に象徴されます世界農業遺産に認定された同地域の農業も壊滅的な被害を受けております。この地域の農林水産業に、農林水産業の復興に成功すれば、地元の被災農家のみならず、多くの困難を抱える日本のすべての農林水産業従事者の方、消費者であるすべての国民の希望の光となるのは間違いなく、新しい基本法の最初の資金石になるでしょう。のとの農林水産業復興に向けて、総理の決意を改めてお聞かせいただきたいと思います。農業が主産業である地方では、特に人口が減少し、担い手確保が難しくなってきています。国内の人口が減少する中、国内需要のみに目を向けていては、このまま衰退をしていってしまいます。これは、我が国において、長く営まれてきた農林水産業にとって大きな過渡費であることは間違いなく。このまま放っておけば、日本農業の危機と言っても過言ではありません。今こそ、日本農業は変わらないといけません。常に前を向いて、改革すべきところは改革を進めなければなりません。今後の農政の方向性を決める食料農業農村基本法改正案によって、生産者を守り、国民の食料を確保し、消費者を守ることができるのかが試されます。生産者が安心して農業に従事することができる、より良い基盤をつくっていくこと、生産の拡大ができる夢のある政策を、私たち日本維新の会と教育無償化を実現する会は、農林水産業に従事される皆さんとともに、成長産業へと転換すべく、不断の改革に取り組んでいくことを誓い申し上げて質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

1:34:55

内閣総理大臣岸田 美男君

1:35:07

池畑 光太郎議員のご質問にお答えいたします。食料農業農村基本法の総括についてお尋ねがありました。基本法の改正にあたっては、政府の食料農業農村政策審議会において、現行基本法のもとでの政策の検証、評価等を真摯に行ってまいりました。その中で、現行基本法では、食料の安定供給の確保を基本理念として掲げ、この達成に不可欠な足腰の強い農業の実現に向け、担い手の育成や農地の集積集約等を進め、例えば農業総算出額は9兆円前後を保つことができたところです。他方で、近年のウグライナ情勢によるサプライチェーンの混乱など、世界の食料需給が不安定化し、我が国の食料安全保障リスクが高まる中、こうした情勢変化に対応するため、改正案において、食料安全保障の確保を基本理念に新たに位置づけ、農政の再構築を行うこととしたものであります。消費者政策についてお尋ねがありました。改正案において、消費者の役割として農業等への理解を深めるとともに、食料の消費に際し環境への負荷低減など、食料の持続的な供給に資する選択に努めていただくこと、これを規定することといたしました。政府としては、適切な情報提供や食育の推進を行い、これらを通じて消費者の皆さんに対し、生産現場の実態や肥料、農薬の低減など、環境負荷低減の取組等に関する理解情勢を図りつつ、日ごろの消費行動を通じて、持続可能な食料供給に一層積極的に関与いただけるよう促してまいりたいと思います。そして、野党半島地震で被災した農林水産業の復興に向けた決意についてお尋ねがありました。私自身、先月、白与寧線前田の被害状況や被害が甚大な和島港を視察するとともに、被災された農業者や漁業者の方々から、スピード感を持った復旧の必要性を伺い、早急な復旧と、成りわい再開支援に取り組む思い、これは改めて強くした次第であります。農林水産業は、野党地方の基幹産業であるとともに、世界農業遺産に登録された里山里海は地域の誇りであり、また日本の宝でもあります。この野党の農林水産業が、新たな基本法の基本理念に沿って、環境と調和を確保して、持続可能な農業として再生し、地域社会の復興につながるよう、政府として全力で後押しをしてまいります。残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。

1:38:58

農林水産大臣、坂本哲信。

1:39:08

(坂本) 池畑光太郎議員への答弁の前に、先ほどの江藤拓議員の農業における環境との両立の答弁について、答弁盛りがございましたので、追加で答弁させていただきます。国内外において地球温暖化が進行する中、農林漁業、食品産業においても、環境への負荷の低減を図ることは、まったなしの重要な政策課題となっています。このため、食料農林水産業の生産力向上と持続性の両立に向けて、令和3年5月に緑の食料システム戦略を策定いたしました。また、今般の食料農業農村基本法の改正においても、食料供給が環境に負荷を与えている側面にも着目し、環境と調和の取れた食料システムの確立を柱として位置づけているところです。これを実現するため、我が省では、緑の食料システム戦略推進交付金を措置し、戦略の実現に必要な技術の開発普及を推進するとともに、産地の環境負荷低減の取組を支援しているほか、生産段階の温室効果が削減の努力をわかりやすく表示する「見える化」の取組、販売収入も期待できるJクレジット制度の活用を進めているところです。さらに、農林水産省のすべての補助金・補助事業等に対して、最低限行うべき環境負荷低減の取組の実践を義務化するクロスコンプライアンスを導入し、農林水産・食料事業者等の取組を促してまいります。引き続き、環境と調和の取れた持続的な食料システムの実現に向け、関係者の理解と共同を得ながら、農林水産省一丸となって取り組んでまいります。池畑幸太郎議員のご質問にお答えをいたします。農業者・団体の役割についてのお尋ねがありました。食料農業農村基本法改正案では、農業者や職員産業の事業者が基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めると規定しており、これらのものが構成する団体についても基本理念の実現に主体的に取り組むこととなることから、その行う農業者・食品産業の事業者のための活動が基本理念の実現に重要な役割を果たすものであることに鑑み、これらの活動に積極的に取り組みを努めると規定しているところです。農協については、農業者の団体であることから、前述の改正案の団体の規定が適用されるとともに、農協法において、農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならないと規定されていることから、農産物の実需者への直接販売などの有利販売や輸出に向けた取り組み、生産資材の一括購入による有利調達や農業機械の機能の絞り込みによる価格の値下げなど、農業者の団体との連携をしながら、農業者の所得向上を図る自己改革の取り組みを実践していると承知しています。農業者の団体との連携については、農業機械の価格の高い農業機械の価格を持つ農業者に対する負担や負担を感じることが必要なこととしています。農業機械の価格の高い農業機械の価格を持つ農業者に対する負担や負担を感じることが必要なこととしています。今後とも担い手が主体制と創意工夫を発揮した経営を展開できるよう、担い手への農地収積集約化を進めつつ、経営所得安定対策、収入保険、出資や融資、税制などを通じた重点的な支援を通じ、担い手の育成確保に取り組んでまいります。一方で、担い手だけでは管理ができない農地が出てきている中で、担い手以外の多様な農業者に農地の保全管理を適切に行っていただく重要性が増しているところです。このため、担い手以外の多様な農業者が地域における協議に基づき、農地の保全を行っていく役割を新第26条第2項に新たに位置づけたところです。こうした取組を総合的に講ずることにより、農地の確保を図ってまいります。不足の事態における措置についてのお尋ねがありました。我が国の食料安全保障上のリスクが高まる中、食料供給が大幅に減少し、国民生活、国民経済への影響が生じる事態に備えるため、食料供給困難事態対策法案を今回に提出したところです。食料供給が大幅に不足する要因として、気候変動に伴う不作等による供給減少が挙げられますが、このような事態は数ヶ月前から予測可能であり、供給不足の兆候を察知した早期の段階から、供給確保のための対策を行うことが必要です。このため、本法案において、兆候を察知した段階から政府対策本部を立ち上げ、予想される供給不足を解消するため、まずは事業者の自主的な取組を推進するよう、出荷販売業者に対しては買い占めや売り良しみなどを行わないよう、在庫を計画的に市場に供給すること、輸入業者に対しては既存の取引先との交渉や輸入先の多額化により必要な輸入料を確保すること、供給不足の解消時期が予見できない場合には、生産者に対して早期に国内生産を増やすことなどを要請するとともに、政府といたしましても、これらが円滑に推進するよう、必要な財政措置を講じていきたいと考えております。次に、国産小麦の生産拡大についてのお尋ねがありました。現在の食糧農業農村基本計画において、小麦の生産努力目標として、令和12年に生産量108万トンを掲げています。この目標に向けて、生産面では基盤整備による汎用化・裸足の推進と合わせ、サク付けの断地化やブロックローテーション、スマート技術等の営農技術、新たな品種の開発導入、流通面では安心して生産拡大していただけるよう、ストックセンターの整備など、民間による調整補完機能の充実、消費面では国産小麦を使った新商品の開発やマッチング、原材料切り替え等に伴う機械設備の導入等、生産から流通・消費に至るまで一貫した支援に取り組んできました。結果、既に令和3年産、5年産では、令和12年度の目標を上回る110万トンの生産を実現しており、サク付け面積についても近年、顕著に増加しております。我が国の食料安全保障の強化のためには、輸入依存度の高い小麦のさらなる生産拡大など、国内の農業生産の増大を図っていくことが不可欠です。今国会で改正案が成立した暁には、これを踏まえて策定される次期基本計画で、これまでの生産状況を踏まえて小麦のサク付け面積拡大に係る意欲的な目標を設定し、小麦の増産を図っていく考えです。次に、日本三昧米加工品の輸出促進についてのお尋ねがありました。日本三昧の輸出に加え、付加価値のあるパックご飯や日本酒、米家といった米加工品についても、米の輸出促進団体を中心としたオールジャパンでのプロモーション等を進めてきた結果、米やパックご飯、日本酒、米家等の輸出額は、最近4年間で倍増しています。さらに、日本三昧の魅力をより効果的に訴求する観点から、円溜めの活用も有効であると考えており、例えば、現地メディアやインフルエンサーを呼んだ輸出事業者による日本三昧PRイベントの支援を行うとともに、輸出促進団体による現地レストラン検索アプリ等を活用した日本三昧使用店のPRも行われました。引き続き、日本三昧米加工品の輸出拡大に向け、しっかりと取り組んでまいります。

1:49:47

(議長) 議長が交代いたしました。

1:49:53

山崎正康君。

1:50:10

公明党の山崎正康です。私は公明党を代表し、ただいま議題となりました食糧農業農村基本法の一部を改正する法律案に関し質問をいたします。近年、世界の食糧安全保障の現状は、干ばつなどの世界的な気候変動やウクライナ情勢により、世界の食糧生産流通が打撃を受けるなど深刻な事態です。我が国においても、食糧自給率の低下や、藍粒災害など食糧安全保障上の課題が山積しております。このような状況の中で、農政の憲法とも言われる食糧農業農村基本法が制定後、初の改正を迎えました。新しい基本法の下で、しっかりと食糧の安全保障を確保していかなければならないと考えます。一方で、資材高を上回る所得拡大の実現など、持続可能な農業の再構築も喫緊の課題です。そこで、今回の食糧農業農村基本法の改正により、農業の持続可能性と食糧安全保障の確保をどのように実現させていくのか、今後の政府の取組について、総理にお伺いします。次に、公明党が昨年12月に政府に対して行った提言において、要望したのが、平時からの食糧安全保障の確立であります。その状況を平時から評価する指標として、今までは食糧自給率だけだったのが、今回の改正では、その他の食糧安全保障の確保に関する事項の目標が加わりました。確かに、農地や生産資材、また農業技術、農業労働力などにも着目した総合的な指標で、日本が食糧を自給できる力をとらえて、自給力を蓄えていくことが重要であります。そこで、今回の改正では、食糧自給率及びその他の食糧安全保障の確保に関する事項の目標について、少なくとも毎年1回目標の達成状況を調査し、その結果を公表しなければならないとなっていますが、それだけではなく、調査結果を受けて施策を不断に検証し、例えば、需要に応じた生産を推進すべき品目を選定するなど、状況に応じた施策の見直しを機動的に進めていく必要があると思いますが、総理の見解をお伺いします。次に、日本の基幹的農業従事者123万人のうち、50歳代以下は25.2万人、全体の21%であるという現状を考えた場合、これからの我が国の農業従事者をどう確保していくかということが大変重要であります。この点についても、公明党は昨年12月の提言の中で、農業の生産基盤である農地の確保を図るため、担い手とともに、担い手以外の多様な農業人材を本法案の中に位置づけることを訴えてきました。そこで、今回の改正で第26条の「望ましい農業構造の確立において、効率的かつ安定的な農業経営を営む者とともに、それ以外の多様な農業者により農業生産活動が行われることで、農業生産の基盤である農地の確保が図られるよう配慮するものとする」とはありますが、家族農家やサービス事業体なども含め、多様な農業者が本法案に位置づけられるべきと考えますが、農林水産大臣の見解をお伺いします。次に農水省が発表した農業物価指数によると、2023年の農業資材価格はウクライナ基金などの背景に上昇していた2022年をさらに上回り、統計が残る1951年以降で過去最高となりました。肥料や飼料などの高騰も相まって、農業従事者の経営を大きく圧迫しています。そこで、今回の改正において第40以上の中で、国は農業資材の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を「こうするものとする」と定め、農業資材高騰への対策について明記していますが、育成すべき農業経営者については、その対象を限定することなく、幅広く施策の対象とすべきであると考えますが、農林水産大臣の見解をお伺いします。次に、持続可能な農業経営のためには、農業者の経営的安定が重要でありますが、気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化により、農業者の経営は不安定さが増しているとも言われています。そんな中、2019年からスタートした収入保険制度が、すべての農作物が対象になることもあり、農業者の経営の救済に一定の役割を果たしてきましたが、災害対応など制度の充実を図っていくべきだと考えます。そこで、実施後5年がたった農業従事者の収入保険について、引き続き取組状況や現場ニーズを踏まえて見直しを行っていくことが重要ではないかと思いますが、農林水産大臣の認識をお伺いします。次に、国民の皆さんへの食料の安定供給を行うには、食料システム全体を持続可能な安定したものにしていくことが重要です。そのために、まずもって重要なことが、食料を生産する農業従事者の確保であり、先ほども述べました、肥料や資材口頭等の厳しい経営環境に負けないための農業従事者の所得の拡大が非常に重要であります。具体的には、適正な価格形成をどう行っていくかであります。現在、飲用牛乳と豆腐納豆についての取組が行われていますが、それに続いて今後は国費による調査を実施していくとの認識ですが、ストーノが広い食料品のサプライチェーン全体で適正な取引や価格形成ができるよう、セーフを上げて調査体制や手法を強化し、実態を正確に把握する必要があると思います。現在、総理が推し進めてきた新挙げの流れが加速化してきていますが、適正な価格形成は農業者にとっての新挙げであります。昨年6月の食料安定供給農林水産業基盤強化本部の第4回会合で、適正な価格転換を進めるための仕組みの創設・法制化が政府方針として打ち出されています。そこで、今後行う調査結果を踏まえて法制化を目指すとの政府方針を力強く進め、農業者の賃上げや所得拡大についてもセーフを上げて進めるべきであると考えますが、総理の決意をお伺いします。次に、農産物等の適正な価格形成に向けては、消費者を含めた食料システム全体の関係者の理解が不可欠であります。今回の改正においては、消費者の役割について、食料の消費に際して、食料の持続的な供給に資するものの選択に努めること等が示されています。そこで、農業者からは消費者の行動変容につながるような実効性のある施策が求められています。公明党は消費者の行動変容につながる環境や健康に優しい農産物等の表示の見える化などを提案してきましたが、こうした取組も含めて、具体的に国としてどのように進めていくのか、農林水産大臣にお伺いします。また、持続可能性、将来の日本の農業の発展を考えた場合に、子どもたちへの教育・食育が大変重要であると考えます。そこで、食育を関係省庁が一体となって取り組むべきと考えますが、総理の答弁を求めます。結びに、公明党はこれまでも、農は国の基として日本の農業振興に全力で取り組んでまいりましたが、今回の食料農業農村基本法の改正により、国民の皆さんの食料の安全保障が確保されるとともに、農業従事者の所得拡大がなされ、日本の農業がさらに発展し持続可能なものとなるよう、今後の政府の実効性のある取り組みを強く求め、私の質問といたします。最後までの御清聴ありがとうございました。

2:00:37

(大会合わせ)山崎雅也議員の御質問にお答えいたします。農業の持続可能性と食料安全保障の確保についてお尋ねがありました。現行の食料農業農村基本法において、基本理念として掲げている農業の持続的な発展に向けて、改正案において、農業の生産性の向上、農産物の付加価値の向上、農業生産活動における環境への付加低減によって実現していくことを明確にしています。また改正案では、新たに食料安全保障の確保を基本理念に位置付けた上で、国内の農業生産の拡大を基本としつつ、安定的な輸入及び備蓄の確保を図るとともに、我が国人口が減少する中で海外への輸出を図ることで、食料の供給能力の維持を図ること、これを明確にしております。食料安全保障に関する施策の検証見直しについてお尋ねがありました。改正案では、基本法に基づき策定する食料農業農村基本計画において、食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する事項の目標を定め、達成状況を少なくとも毎年1回調査をし、結果を公表することとしております。食料安全保障の確保に向け、基本法に基づく達成状況の調査公表を行う中で、各班の施策を不断に検証し、必要に応じ機動的に見直してまいります。適正な価格形成の法制化と農業者の所得拡大についてお尋ねがありました。農産物の価格については、需給事情や品質評価が適切に反映されつつ、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、国内外の資材費、人件費等の向上的なコストが考慮されて形成されることが重要であると考えています。こうした適正な価格形成の仕組みづくりについて、農林水産省において各段階の関係者による協議を進めており、実態把握のための調査の結果も踏まえ、法制化の視野に検討を進め、政府を挙げて適正な価格形成を通じた農業所得の拡大に取り組んでまいります。食育についてお尋ねがありました。農業の持続可能性を確保し、その発展を図る上で、農産物が生産から加工流通を経て消費者に届く過程、また国産農産物や環境に配慮した食品を選択することの意義等について、食育を通じ子どもたちの理解を深めていくことが重要です。このため、農業体験機会の提供、学校給食における地場産物の活用、栄養教諭を中核とした学校における食育の推進など、関係省庁一体となって食育を進めてまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。

2:04:38

法令水産大臣坂本哲史君。

2:04:47

たびたび申し上げません。先ほどの池畑議員の答弁の中で、農村政策について答弁漏れがございましたので、追加で答弁させていただきます。基本法制定後、人口減少・高齢化が急速に進み、今後、特に中山間地域を中心に地域コミュニティの維持等が困難になる集落が増加することが懸念されます。このような情勢を踏まえ、改正案では、基本理念に地域社会が維持されるよう農村の振興が図られなければならない。旨を追記し、基本的政策として、農地の保全に資する共同活動の促進、地域の資源を活用した事業活動の促進、農村への滞在機会を提供する事業活動の促進等を位置づけました。基本法に基づき、農村の活性化を図る上で重要な課題である、仕事・暮らし・活力・利用の観点から、地域コミュニティの維持に向け、多様な人材を呼び込むとともに、複数の集落が協力して活動する取組などを促進するための施策を推進してまいります。答弁まで申し上げませんでした。山崎雅康議員の御質問にお答えをいたします。食糧農業農村基本法改正案における、多様な農業者の位置づけについてのお尋ねがありました。今後、我が国全体の人口減少に伴い、担い手の減少のみならず、それ以外の多様な農業者についても減少することが見込まれます。こうした情勢の中で、食糧の安定供給を図るためには、担い手への農地収穫を進めつつ、担い手だけでは管理できない農地が出てきている中で、担い手以外の多様な農業者についても、自らの農地は生産を通じ保全管理を行うとともに、世代交代等による適切な管理が難しくなる場合には、管理できる方々に円滑に処刑していくことが重要と考えております。このため、多様な農業者が地域における協議に基づき、農地の保全を行っていく役割を改正案において、新たに位置づけています。なお、家族農業経営とサービス事業体に関する基本法への位置づけについては、家族農業経営は現行法から引き継ぎ、家族農業経営の活性化を図る旨を改正案の第27条で位置づけています。また、サービス事業体については、農業者が減少する中で農業経営をサポートし、生産性の向上に重要な役割を果たすことから、その事業活動を促進する旨を改正案の第37条で新たに位置づけています。次に、農業資材高騰対策の対象についてのお尋ねがありました。今回の基本法改正案に、農業資材の安定供給に向け、国内で生産できる代替物への転換等を推進するとともに、農業資材の価格が著しく変動した場合、育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずる旨を位置づけたところです。お尋ねの育成すべき農業経営とは、経営の改善を図ろうとする意思を有する者が経営し、基本法が目指す農業生産の体操をお占めるべき、効率的かつ安定的な農業経営に発展する可能性が高い農業経営を指す者ですが、具体的な経営規模や経営内容等について、確実的に定める者ではありません。このため、個別の対策の対象については、農業資材の利用状況や対策の内容等に応じて決定していきますが、例えば肥料では、耐費や下水汚泥資源等の国内資源の活用や施肥の効率化など、自主的な努力を行っている農業者に対し、必要な支援を講じていく考えです。次に、収入保険の見直しについてのお尋ねがありました。収入保険において、制度開始以降、随時見直しを実施しており、最近も令和6年加入者から気象災害による影響を緩和する特例の導入、保険のみで9割まで保証する新たなタイプの創設、青色申告実績1年分のみで加入できる措置を実施したところです。引き続き必要に応じ、取り組む状況や現場ニーズを踏まえた見直しを進めてまいります。次に、消費者の行動変容についてのお尋ねがありました。改正法案では、消費者は食料農業及び農村に関する理解を深めるとともに、食料の消費に際し、食料の持続的な供給に資する者の選択に努めることにより、食料の持続的な供給に寄与することとしているところです。このため、農林水産省では、生産者の環境負荷低減の努力をわかりやすくラベル表示し、消費者に伝える見える化を推進するとともに、食や農林水産業への理解の増進や意識の変化を図るための農林漁業体験等の食育の推進等を進めることとしています。

2:11:15

田村貴昭君

2:11:28

私は日本共産党を代表して、食料農業農村基本法改正案について質問します。前回の基本法改正から25年、農村は疲弊の一途をたどってきました。農業で生計が成り立たず、農業従事者は半減し、福岡県や愛知県に匹敵する面積の農地が失われました。地域から学校がなくなり、商店がなくなり、ATMもガソリンスタンドもなくなって、今や農村生活の基盤が失われています。このまま推移すれば、相番農村から農家がいなくなり、米も野菜も生産できなくなります。なぜこのような事態となっているのか、何が問題で、どこに責任があるのか、岸田総理の答弁を求めます。

2:12:21

私は、その責任は歴代の自民党農政にあると考えます。1961年の旧農業基本法以来、自民党政権は、麦、飼料、大豆の国産生産を放棄し、アメリカの余剰農産物を進んで受け入れてきました。その後も、牛肉オレンジの自由化、WTO農業協定、TPP、日欧EPA、日米FTAなど、次々に輸入自由化を行い、そのたびに安い農産物が大量に流入してきました。その結果、1965年に73%だった日本の食料自給率は、今や38%に落ち込んでいます。自民党農政の責任は、極めて重大です。にもかかわらず、総理は、施政方針演説で、食料自給率に一言も触れなかったのは、なぜですか。それどころか、本法案では、現行法の食料自給率の目標を、食料安全保障の動向に関する事項に変えてしまい、安定的な輸入の確保などという条文を新設しています。自民党政権は、基本法に基づく食料自給率目標を、一度も達成したことがありません。食料自給率の向上を、最大の目標から外したのは、完全に投げ出したということではありませんか。重大なことは、唯一残った米ですら、国内需要の1割を超える77万トンものミニマムアクセス米を押し付けられ、巨額の税金を投入し、輸入をし続けているということです。国内の米農家が低い米価で苦しんでいる最中の2022年度も、674億円もの税金を投入して、アメリカの農家を助けました。総理、助ける方向、お金を出す方向が間違っているのではないですか。安全で美味しい食料を日本の大地から、子どもたちに日本の食文化を伝えたい、美味しい国産のものを食べてほしい、これは農家だけでなく多くの国民の願いです。そのためには、農家が農業で暮らして生きる収入がなくてはなりません。しかし、2022年の旗咲く経営の平均年収は補助金を入れてもわずか223万円です。稲咲く経営の年間収入はなんと1万円でした。落納に至っては年間49万円の赤字となり、急速に利納が進んでいます。基本法改定に向けた検証部会で、農業現場の委員からは、若い人がなぜ定着しないかといえば、農業で食えないからだ、という的確な指摘がありました。この事態の抜本的な改善なくして、農業と農村の再生はありえません。本法案では、生産コストを販売価格に転化し、合理的な価格にするとしていますが、それは米だったらいくらですか。年収収入1万円の農家の作ったお米はいくらが合理的なのですか。実質賃金が下がり続けているもとで、消費者が買えない金額になったらどうするのですか。それを複雑多岐にわたる販売先にどうやって受け入れさせるのですか。実効性のある価格転化は大事ですが、それだけでは不十分です。欧米では当たり前になっている価格保障や所得保障を抜本的に充実し、政府の責務として基本的に明記すべきです。日本共産党は、食料自給率を本気で向上させることが必要と考えます。そのためには、競争力強化の名のもとに、農業の大規模化を図り、耕す人がいなくなった農地を集積させる政策を続けていては実現できません。規模の大小や家族、法人などの経営形態を問わず、自給的農家も含め、多様な人々をすべて担い手として位置づけ、農村で暮らしていける所得を国が保障することが絶対に必要です。答弁を求めます。求められるのは農業予算の拡充です。農業予算はこの10年間、2兆円余りと横ばいを続けています。一方、軍事費は5兆円から6兆円、8兆円と年々増え続け、5年間で43兆円も継ぎ込もうとしています。国民の食料のためにお金をかけることこそ必要ではないですか。大軍閣をやめ、農業予算を抜本的に拡充することを求めます。本法案と同時に提出された食料供給困難事態対策法案は、有事の際に農家に芋などを作れと罰則付きで命令するという異常なものであり、1941年泥沼の侵略戦争に突き進む中で作られた国家総動員法に基づく農地削除統制令、臨時農地等管理令におり2つです。農産物を大量輸入し、技能と工作放棄地の増大を放置しておきながら、今戦争のための準備が必要というのですか。こんな技能促進法、戦時食料法は撤回すべきです。以上で質問を終わります。

2:18:26

内閣総理大臣岸田文雄君。

2:18:30

田村貴昭議員のご質問にお答えいたします。食料農業農村基本法制定後の農村人口の減少要因等についてお尋ねがありました。農村の人口減少は以前は都市への人口流出が主要因だったものの、近年は出生源、そして死亡増に伴う自然源が主要因となっています。国内の人口が減少を続ける中で農村人口の減少も避けがたい状況にありますが、こうした中にあっても農業を下座せする農村コミュニティの基盤を維持することが重要です。このため、改正案では基本理念である農村の振興において、地域社会の維持を位置づけた上で、農地保全に資する共同活動、観光、食品加工など地域資源を活用した事業の創出による関係人口の増加等を促し、農村地域の活性化を図ってまいります。食料自給率の目標と改正案における食料自給率の取扱いについてお尋ねがありました。施政方針演説では農政の抜本的な見直しや基本法の改正について包括的に述べたところであり、食料自給率にあえて触れていないというものではなく、同演説でも言及した食料安全保障の強化の観点から食料自給率向上に資する取組、これは重要です。さらに我が国の食料安全保障リスクが高まる中、生産資材の安定供給等、食料自給率という単独の目標では評価できない課題もあります。このため改正案では食料自給率に加え、その他の食料安全保障の確保に資する事項の目標を位置づけたところであり、食料自給率の重要性が変わるものではないと考えております。ミニマムアクセスマイについてお尋ねがありました。ミニマムアクセスマイについては、我が国の国産マイの保護措置を含む全体のパッケージであるGUTウルグライラウンド合意を受けて、ミニマムアクセスマイが国産マイの受給に影響を与えないよう国家貿易で管理をしているところです。これに伴う財政負担は、売買砂損や管理経費の増により増加をいたしますが、財政負担をできる限り削減するため、新たな仕向け先の開拓や管理経費等の削減に努めつつ、この枠組みを維持してまいります。農家の収入と農業農村の再生についてお尋ねがありました。将来にわたって食料の安定供給を確保するためには、農業が持続的に発展し収益性を確保していくことが重要です。このため、改正基本法に基づき、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、農業所得の向上と農村地域の関連所得の向上を図り、農業農村の活性化につなげてまいります。なお、ご指摘の農家の収入については、例えば稲作経営の年間収入は、自家消費を目的としたり、農外収入を主としたりしている小規模農家を含めた、すべての水田作経営体の平均値であり、農業で生計を立てていく水田作経営体の所得に着目をしていく必要があると考えております。米の合理的な価格、価格保障及び所得保障についてお尋ねがありました。米の価格は、民間取引において、その時々の需給のバランスによって決定されているものであり、政府として適正な価格水準について申し上げることは適当ではないと考えております。その上で、適正な価格形成の仕組みづくりに向けて、米も含めて実態把握のための調査を行い、その結果も踏まえて検討を進めてまいります。農地の価格保障や所得保障については、過去の個別所得保障制度を見ても、農地の収穫、収益化等が進まず、生産性の向上が阻害される恐れがあるほか、一般的に消費が減少している品目の生産が維持され、需給バランスが崩れる。このような保障を織り込んで、生産者の取引価格が低く抑えられる等の懸念が指摘をされています。このため、こうした手法を用いるのではなく、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、所得の向上を図ることとしており、こうした方向性を改正基本法に位置づけております。農業に関わる多様な人々の位置づけと支援策についてお尋ねがありました。農業経営体の減少が今後も見込まれる中、将来にわたり食料を安定供給できる農業の確立が必要です。そのため、引き続き、規模の大小や経営形態にかかわらず、農業で整形を立て、効率的かつ安定的な農業経営を目指す方々を担い手として、生産性向上と付加価値向上を後押しし、その経営の安定発展を後押ししてまいります。あわせて、担い手以外の多様な経営体についても、農地の保全等の役割に鑑み、地域の共同活動への支援等を行い、農業生産の基盤である農地の確保を図ってまいります。農業予算の拡充についてお尋ねがありました。我が国の安全保障環境が厳しい状況にある中、国民の命と平和な暮らしを守るために、防衛力の抜本的な強化が必要となっています。同時に、我々が生きていく上で必要な食料の安定供給を担う農林水産業の活性化も極めて重要です。こうした観点から、御審議いただいている令和6年度予算において、防衛力の抜本的強化に取り組むとともに、農林水産予算において、食料安全保障の強化など、現下の政策課題に重点的に対応するため、昨年度を上回る予算を計上しております。また、緊急に取り組む課題に対しては、令和5年度補正予算により前倒しで対応しているところであり、こうした予算を活用し、実践的な農林水産政策を展開してまいります。食料供給困難事態対策法案についてお尋ねがありました。本法案は、我が国の食料安全保障リスクが高まる中、食料供給が減少し、国民生活等への影響が生じる事態に備え、影響の程度に応じて早期から必要な措置を実施できるようにするためのものであり、有事の際に農家に罰則付きで策付けを命令するものではありません。なお、本法案で規定されている罰則は、国民生活等に実態上の支障が生じている事態において、法目的達成のために必要最小限の措置として、計画の届出事態を担保するためのものであり、事業者の方々にご理解をいただきたいと考えております。

2:28:00

長友真嗣君

2:28:14

国民民主党の長友真嗣です。会派を代表し、ただいま議題となりました法律案について質問します。現行の基本法での食料安全保障は、不足の場合に対処するものとされ、もっぱら危機管理対応という位置づけでした。改正案は不足時だけではなく、平時も含めて考慮すべきものと捉えており、食料の安定的な供給だけでなく、国民一人一人が入手できるという食料アクセスの確保にまで踏み込んでいます。平時から食料安全保障を確立するというなら、食料自給率を向上させることが不可欠です。今の日本の食料自給率はカロリーベースで38%ですが、これを50%に引き上げ、さらに上を目指していく必要があると考えますが、見解を伺います。農水省が2021年11月に実施した食生活ライフスタイル調査によれば、食料自給率について詳しい内容を知っていると答えたのは6.2%、大よその内容を知っていると答えたのは36.6%でした。翌2022年11月にも同様の調査を行っていますが、詳しい内容を知っていると答えたのは6%、大よその内容を知っていると答えたのは34.4%。2022年2月にウクラナ戦争が始まり、食料価格が高騰しているにもかかわらず、食料自給率の認知度が下がっています。インフレにより食料価格が高騰していますが、スーパーなどに食品は依然と変わらず並んでいるため、食料安全保障といっても実感が湧かない人が多いのかもしれません。しかし農水省も同じスタンスでは困ります。食生活ライフスタイル調査の説明文では、現在は食料の安定供給に懸念はないと、21年、22年も書かれていましたが、今も同じ認識なのか伺います。さらに国民一人一人に対し、食料安全保障の考えをどう浸透させるのか教えてください。農業従事者の高齢化と急速な減少が続いています。日本の農業の補助金制度は基盤整備事業や業者に流れるものが多く、欧州のように生産者に直接支払いされる制度は少ないです。気象災害による生産減少や被害、家畜失望による一斉処分、飼料や肥料の高騰、海流の変化に伴う顧客量の減少など、一時産業をめぐる厳しい情勢に対して、食料及び食品の原材料を供給する農畜水産業を継続する上で、生産者の生活を保障できる柔軟な所得支援制度を確立すべきと考えますが、見解を伺います。現在の生産者は農産物がいくらで売られるかわからずに生産しています。そのような状況で、再生産価格を下回る価格での取引が多発しています。農産物を出荷すれば、出荷するほど赤字です。各種、各主力作物の再生産可能な価格を設定し、最低限生産者の所得を維持できる仕組みの構築が急務です。食料安全保障の観点から、すべての農産物に最低価格保障制度を導入することはできないのか、伺います。農業農村所得の倍増目標というものがあります。農業農村所得の10年間で倍増させる目標のことで、自民党農林部会が2013年にまとめた「農業農村所得倍増目標10カ年戦略」で提起されました。それを受けて政府は、2013年12月に決定した「農林水産業地域の活力創造プラン」で、農業農村所得を今後10年間で倍増させると明記しました。10年の節目を迎えますが、結果としてどうなったのか教えてください。また、現場を回っていると、農村農家が悲鳴し、所得が上がった実感はないという声ばかり聞こえてきますが、その声は政府にも届いているのでしょうか。回答を求めます。農家の皆様の所得を上げるためには、価格転嫁が必要です。食べることで農業を支えるという消費者側の理解を促すことも欠かせません。改正案では、食料の安定供給には、農業者だけでなく、食品メーカーや消費者も責務を負う食料システムという考え方を打ち出しました。ヨーロッパで先行する考え方ですが、消費者の理解と納得を得る働きかけが鍵となります。どのように実現するのか見解を伺います。さらに、日本の農業を応援するためには、まずは買うことです。地元で頑張っている農家さんから農作物を買って食べることが一番です。販売所や産地直送で農家から直接買って、消費者と生産者が直接つながり、国民が一体となって地産地消を進めることが重要ですが、政府としての施策を伺います。有機農産物や特別栽培農産物の生産拡大には、契約取引を前提として生産されたものが確実に販売できる仕組みづくりが重要です。全国で有機農業、環境保全型農業に取り組む生産者は少しずつ増えてはいるものの、有機農産物や特別栽培農産物が流通上で評価されず、適正価格とは言えない値段で売られている現状が多くあります。そこから脱却するため、契約販売の推進を行い、制度として支援する仕組みが必要と考えますが、見解を伺います。安心・安全で環境にも優しい農産物の持続的な生産・消費の主弾として、公共調達が最も有効です。有機農業生産と消費者の推進に当たっては、学校給食における有機農産物の取り扱いの先進事領を踏まえて、国が積極的に推進するべきです。全国で有機農産物による学校給食が実現できるよう、行政と生産者関係団体が連携した仕組みづくりを求めます。また、子どもたちが食と農についての豊かな知識と体験と知識に振られるよう、学校給食における食育について基本法で補強すべきと考えますが、見解を伺います。国連は2038年までを家族農業の10年と定め、家族農業をSGGs達成の鍵と位置づけています。EU、中国をはじめ、世界の潮流は有機農業、原化学肥料栽培に向かっています。有機農業をはじめとする環境に配慮した持続可能な農業生産の推進は、人と自然に優しく生物多様性の保全に貢献し、長期的、社会的、総合的にも経営効率が高いと考えます。環境保全、生物多様性保全など持続可能な食料農業システムに、あらゆる農政の前提として、家族農業の役割、政府の役割を明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。最後に、東京一極集中から農村に人を呼ぶ込むため、農村プロデューサーを農水省は育成していますが、その育成と今後の取り組みをどのように加速させていくのか教えてください。私たち国民民主党は、農業農村を大切する政党として、これからも現場目線の地域の実情に応じた農政を進め、農家の皆さんが将来の展望をもてる、安心して営農継続ができる農政を進めていくことに、全力で取り組むことを誓い、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2:35:13

内閣総理大臣岸田文男君

2:35:24

長田保新次議員のご質問にお答えいたします。食料自給率についてお尋ねがありました。食料農業農村基本法の改正案が成立を見れば、これに基づいて食料農業農村基本計画を策定することとしており、その中で食料自給率を含め、食料安全保障の確保に関する事項について、国内外の食料自給の動向や、これまでの取組の検証結果などを踏まえつつ、適切な目標を策定すべく検討を進めてまいります。生産者の生活を保障する所得支援制度についてお尋ねがありました。将来にわたって食料の安定供給を確保するためには、一時産業が持続的に発展し、収益性を確保していくことが重要です。多くの産地では、生産性の向上や付加価値の向上などの取組を通じ、所得を確保できるよう、日々創意工夫をされています。これに対して、所得の保障については、過去の個別所得保障制度を見ても、農地の収穫、収益化等が進まず、生産性の向上が阻害される恐れがあるほか、一般的に消費が減少している品目の生産が維持され、受給バランスが崩れる、保障を織り込んで生産者の取引価格が低く抑えられる等の懸念が指摘をされています。このため、一時産業の持続的な発展に向けて、改正基本法に基づき、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、所得の向上を図ってまいります。農産物への最低価格保障制度の導入についてお尋ねがありました。農産物の価格は、受給事情や品質評価によって形成されることが基本であると考えます。その際に、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、国内外の資材費、人件費の向上的なコストが考慮された価格形成が行われることが、食料安全保障の確保の観点からも重要であり、その旨改正案にも盛り込みました。こうした合理的な価格形成の仕組みについては、法制化も視野に検討してまいります。また、価格転嫁が間に合わない急激なコスト増が生じた場合には、今後とも機動的に必要な対策を講じてまいります。農業農村の所得倍増目標、農業現場の肥えについてお尋ねがありました。農業所得は、令和7年の3.5兆円目標に対し、平成25年の2.9兆円から令和3年は3.3兆円まで増加した後、令和4年は肥料価格の上昇等の影響を受け、3.1兆円となっています。また、農村地域の関連所得は、令和7年の4.5兆円との高い目標に対し、平成25年度の1.2兆円から直近の令和3年度で2.3兆円まで徐々に増加しています。農業所得は中長期的には、農地の収積収益化、またブランド化の推進等により、上昇傾向にありますが、足元、物価高の影響を受け、厳しい状況にあると認識しております。今後も、現場の声を十分にお聞きし、機動的に施策を講じ、所得の向上を図ってまいります。食料システムと消費者の理解・納得についてお尋ねがありました。食料の生産から消費に至る一連の活動全体である食料システムにおいて、合理的な価格形成が行われ、食料の持続的な供給を実現していくためには、価格形成等に関し、消費者の理解と納得が必要となります。このため、生産や流通などの各段階におけるコストの明確化に取り組むとともに、環境への負荷低減を含め、国産農産物を選択することが、食料の持続的な供給につながることについて、政府として消費者の皆さんに分かりやすく発信をしてまいります。地産地消についてお尋ねがありました。地域で生産された農林水産物を、その生産された地域で消費する地産地消は、食料の持続的な供給と消費の実現に資するほか、加工や直売所の取組等を通じて、地域の関連所得の向上にもつながるものです。こうした認識のもと、政府として地産地消の意義を発信しながら、地場産物を購買できる直売所の整備や、学校給食における生産現場との連携等への支援を通じて、消費者と生産者がつながる地産地消の取組を推進してまいります。有機農産物等の販売についてお尋ねがありました。有機農産物や特別栽培農産物については、環境に配慮して栽培され、除草の手間など生産コストがかかる点も含めて、その特色を実需者や消費者に理解いただき、安定的な販路を確保することが重要です。このため、学校給食での活用をはじめ、地域ぐるみで有機農産物の生産から消費までの取組を進める、オーガニックビレッジの創出を進めるなど、有機農産物や特別栽培農産物の特色の発信、契約栽培を含む実需とのマッチング等を支援し、その販路の確保を後押ししてまいります。有機農産物の学校給食における活用と食育についてお尋ねがありました。学校給食における有機農産物の導入は、安定的な販路の確保や食育の観点からも有意義であり、政府として自治体と生産団体、給食事業者などの連携体制の構築のほか、思考的な導入への支援を行っています。また、現行の基本法において、農業に関する教育の振興等の施策を講ずることを定めており、学校での食育を進めてきましたが、さらに改正案において、消費者の役割として、環境への負荷低減に資する食料の選択に努めることを位置づけたところであり、今後、食育の一層の推進を図ってまいります。環境保全など持続可能な食料システムと、家族農業や政府の役割についてお尋ねがありました。農業生産活動における環境負荷の低減は重要な課題であり、改正案においては、基本理念として、新たに環境と調和の取れた食料システムの確立を位置づけています。我が国においては、SDGsの観点からも、環境と調和した農業生産活動は、家族農業を含め経営規模の大小や経営形態にかかわらず、消費者の皆さんに広く進めていただくべきものであると考えており、政府としてこうした点を丁寧に発信して、ご理解をいただきながら、生産現場の取り組みを後押ししてまいります。残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。

2:44:29

農林水産大臣坂本哲史君。

2:44:39

中田も新次議員のご質問にお答えをいたします。食料安全保障の現状に対する認識と、国民に対して食料安全保障の考え方をどう浸透させていくかについてのお尋ねがありました。お尋ねの調査は、2021年11月にアンケート調査を実施し、同じ質問を翌年にも活用したものです。こうした中、2020年より流行した新型コロナウイルス感染症の拡大による、世界的な物流費の上昇、ウクライナ侵略を契機とする小麦、大豆、とうもろこしや肥料等の価格高騰、鳥インフルエンザの蔓延による、ケーランの供給減少と価格上昇など、食料安全保障上のリスクを考えさせられる事象が立て続けに起こりました。このため、現在は食料の安定供給に懸念はないと断言できる状況にはないと考えております。このような状況を踏まえれば、食料の消費者たる国民一人一人に、食料の持続的な供給に係る消費行動の重要性について理解をいただいた上で、具体的な行動をとっていただくことが重要です。このため、今回の基本法改正案において、消費者の役割として、食料の持続的な供給に資する者の選択に努めることを位置づけています。これにより、消費者には、食品ロスを削減する、環境負荷低減に引きかかるコストを考慮して食料を選択する、持続的な食料供給のために必要となる合理的な価格について理解を深めるなど、消費面から食料安全保障を支える行動を期待しています。食料の持続的な供給の実現に向けて、消費者の理解の増進が図られるよう、農林水産省としても、食料供給における課題に関する情報発信や、農産物の環境負荷低減の取り組みの見える化などの取り組みを行ってまいりたいと考えております。次に、農村プロデューサーについてのお尋ねがありました。農林水産省では、地域住民の思いを汲みながら、地域将来像や、そこで暮らす人々の希望の実現に向けてサポートできる人材を、農村プロデューサーとして、令和3年度から、模擬演習や地元での実践などの研修を通じて育成を図っています。今年度までに、市町村職員や地域おこし協力隊など約260名が受講し、農村RMOの立ち上げに向けた地域ビジョン、将来の農地利用の姿を示す地域計画、中山間地域の直接支払いの集落戦略等の作成に必要な地域の話し合いのコーディネーター役などを担っていただいているところです。来年度はさらに、就業制のネットワークの活動を活性化させることにより、全国各地の人材同士の連携を深め、農村の地域づくりを後押ししてまいります。

2:48:13

(知事) 個連邸質疑は終了いたしました。本日は個連邸散会いたします。

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